JP2015147842A - エマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置 - Google Patents

エマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料油を水と乳化剤と混合して、エマルジョン化したエマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置の提供。【解決手段】燃焼装置は、油中水滴型のエマルジョン燃料を空気と混合して燃焼する燃焼室と、エマルジョン燃料を燃焼室内に噴射する噴射ノズルとを有し、噴射ノズルが口径を小さくしている。燃焼室内で燃焼が開始すると、燃焼室に供給される空気量を最小にし、エマルジョン燃料の噴射圧を増加させる。濾過手段で燃料油又は廃油の浮遊物質成分を除去し、乳化剤と水を加えて撹拌して油中水滴型のエマルジョン燃料を得る。乳化剤はアルキルエーテル系を含む1種類以上の溶剤からなる。【選択図】図3

Description

本発明は、灯油、廃油等の燃料油から製造されたエマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置に関する。詳しくは、液体の燃料油と水と界面活性剤を混合攪拌させて製造されたエマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置に関する。
近年、化石燃料の原料価格が向上する中、低価格の燃料が求められている。また、化石燃料の利用は温室効果ガスの発生を招くので、地球温暖化を防止するために、温室効果ガスの削減が求められている。温室効果ガスの削減には、化石燃料の使用削減、その再利用が求められている。この中で、燃料油と水を混合して利用するエマルジョン燃料がその低価格、公害成分排出が低いことから注目を浴びている。
通常は、油と水は混じり合うことはない。しかし、油と水を混合して、超音波等で撹拌すると、水又は油が、微細な液滴となって、その液滴が他方の液体の中、言い換えると、水の液滴は油相、又は、油の液滴は水相の中に分散し、乳化状になる。このような状態をエマルジョンと言う。水の中に油の滴を分散させたものは水中油滴型(O/W)、油の中に水の滴を分散させたものは油中水滴型(W/O)と言う。また、このような水と油の混合液の中に、界面活性剤等を微量添加することがある。
燃料油等を水と混ぜて製造されたものはエマルジョン燃料と言う。数々の成分を持つエマルジョン燃料が開示されている。例えば、特許文献1に記載のエマルジョン製造及び燃焼システムは、混合攪拌室内で互いに対向して配置された液体燃料噴射弁と水噴射弁から液体燃料と水を対向して噴射して、攪拌混合してエマルジョン化及びイオン化している。
特許文献2に記載のエマルジョン燃料の製造方法は、水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型エマルジョンの水相中にCO2を溶解させた油中水滴型エマルジョン燃料を得ている。これにより得られた油中水滴型エマルジョン燃料は、十分に高度な燃焼性を有し、NOxやCO等の発生を抑制している。
特許文献3には、水と燃料油を3:7から7:3の比率で安定した状態でエマルジョン混合し、安定したエマルジョン燃料を低コスト化で生成する方法を開示している。詳細には、植物由来の増粘剤により水の粘度を燃料油に応じて適宜調整し、高速せん断等によって均一な攪拌混合し、長時間安定して油水分離しないエマルジョン燃料を得ている。
特許文献4には、渦流効果により、油中水滴型と水中油滴型を混合して、安定したエマルジョンを得る製造方法を記載している。詳しくは、エダクター効果と渦流効果を利用して、植物由来の増粘剤により水の粘度を高めた活性水と、油性燃焼促進剤を適宜調整添加した基燃油を攪拌して、長時間安定して油水分離しない均一なエマルジョン燃料油を製造する方法を開示している。このように、燃料油に、水分が数%から数十%、場合によっては50%以上混合して、エマルジョン燃料を製造することが知られている。
特開平6−42734号公報 特開2010−19507号公報 特開2009−286992号公報 特開2010−138362号公報
しかながら、エマルジョン燃料に水分の量が増えると、燃焼温度が下がり、燃焼装置の熱効率が下がる。このようなエマルジョン燃料は内燃機関には採用できないが、ボイラー等のような、高い燃焼温度を要求しない燃焼機関には利用することができる。むしろ、燃焼温度が下がると、エマルジョン燃料の燃焼よって生成される窒素酸化物は減少する。一方、水分が多いと、燃焼及び排気ガスは、水蒸気を含んだものとなり、燃焼炉、配管等に錆がでるという欠点がある。
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、燃料油を水と界面活性剤と混合して製造されたエマルジョン燃料を提供する。
本発明の他の目的は、燃料油を水と界面活性剤と混合して、エマルジョン燃料を製造するエマルジョン燃料の製造方法を提供する。
本発明の更に他の目的は、エマルジョン燃料を燃焼するための、簡単な構造を有し、低価格で製造できるエマルジョン燃料用燃焼装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、環境保全のための技術であるNOxを低下するエマルジョン燃料、その製造方法及びエマルジョン燃料用燃焼装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明のエマルジョン燃料の製造方法は、水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料の製造方法において、前記燃料油に乳化剤を投入する工程と、前記乳化剤が入った前記燃料油に水を加える工程と、撹拌手段によって撹拌して前記油中水滴型の前記エマルジョン燃料を得る撹拌工程とからなることを特徴とする。
また、本発明のエマルジョン燃料の製造方法は、前記燃料油は、廃油であり、前記廃油を濾過手段によって前記廃油中の浮遊物質成分を除去する工程を有すると良い。
更に、前記水は、前記燃料油と前記水を合わせた重量の中で、重量比で20〜35%であり、前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1〜3%の乳化剤を含有し、前記エマルジョン燃料の粒子径は200〜3000nmであると良い。
前記濾過手段は、セラミックスフィルター又は遠心分離機であると良い。
前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1.7〜1.9%の乳化剤を含有すると良い。
前記撹拌手段は、超音波式又は高速回転式であると良い。
前記燃料油は、自動車用燃料の廃油、自動車のエンジンオイル、ギヤオイルであると良い。
前記乳化剤は、親水親油バランスHLBが3〜10である。
前記乳化剤は、ソルビタン系、アルキルエーテル系、及びグリコールエーテル系溶剤のうち、アルキルエーテル系を含む1種類以上であると良い。
本発明のエマルジョン燃料は、上記のエマルジョン燃料の製造方法によって製造されたものである。
また、本発明のエマルジョン燃料は、水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料において、前記水は、前記燃料油と前記水を合わせた重量の中で、重量比で20〜35%であり、前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1〜3%の乳化剤を含有することを特徴とする。
本発明のエマルジョン燃料の前記乳化剤は、ソルビタン系、アルキルエーテル系、及びグリコールエーテル系溶剤のうち、アルキルエーテル系を含む1種類以上であると良い。
本発明のエマルジョン燃料用燃焼装置は、水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料を燃焼するための燃焼装置において、前記エマルジョン燃料を空気と混合して燃焼する燃焼室と、前記燃焼室の周囲に設置され、前記燃焼の熱で加熱される被加熱流体が流れる加熱路、又は、前記被加熱流体が充填された加熱室と、前記エマルジョン燃料を前記燃焼室内に噴射するためので、前記燃焼室の壁に設置された噴射ノズルと、前記噴射ノズルへ前記エマルジョン燃料を供給するためのエマルジョン供給ポンプと、前記空気を前記燃焼室に供給するためので、前記燃焼室の壁に設置された空気用ノゾルとからなることを特徴とする。
前記燃焼室は、ステンレス製の内壁を有し、前記燃焼により寂ないものであると良い。
前記エマルジョン燃料が前記噴射ノズルから前記燃焼室に噴射されるときの噴霧圧は0.8〜1.2MPaであると良い。
本発明のエマルジョン燃料用燃焼装置は、前記燃焼室に前記エマルジョン及び前記空気が供給されて燃焼が始めた後、前記空気供給ポンプの供給量を減少させ前記空気を初期値より減圧し、かつ、前記エマルジョン供給ポンプの供給量を増加させ前記噴霧圧を5〜20%増圧して、前記燃焼の温度を高めると良い。
本発明のエマルジョン燃料用燃焼装置は、前記燃焼室の前記燃焼を制御するための制御器を備え、前記制御器は、前記エマルジョン供給ポンプを制御して、前記燃焼室に供給される前記エマルジョン燃料の供給量を制御する機能、前記空気用ノゾルを制御して、前記燃焼室に供給される前記空気の供給量を制御する機能、を備えると良い。
前記燃焼室に前記エマルジョン燃料及び前記空気が供給されて燃焼が始めた後、前記制御器は、(a)前記空気用ノゾルを制御して、前記燃焼室に供給される前記空気を初期値より減圧し、(b)前記エマルジョン供給ポンプの供給量を増加させ前記噴霧圧を増圧すると良い。
本発明によると、次の効果が奏される。
本発明によると、エマルジョン燃料用燃焼装置の燃焼室の中でエマルジョン燃料が燃焼する温度が下がり、これにより、燃焼室から廃棄される廃棄ガス中の窒素酸化物を減少させる効果がある。
本発明によると、エマルジョン燃料は長期間乳化状態が維持できる安定したエマルジョン燃料を得る。
本発明のエマルジョン燃料は、乳化剤の働きによって、低温度でも固体化せず、配管の経路内及び燃焼室内の錆びを防ぐ効果がある。
本発明のエマルジョン燃料用燃焼装置は、簡単な構造を有し、低価格で製造できる。
図1は、本発明のエマルジョン燃料を利用して燃焼試験を実施した熱風式ヒーターの概要を示す図である。 図2は、本発明のエマルジョン燃料を利用した撹拌手段によって撹拌してから時間経過と共に沈殿要素を示す写真で、図2(a)は撹拌直後の様子を、図2(b)は撹拌後1日経過した様子を、図2(c)は撹拌後4日経過した様子を、図2(d)は撹拌後7日経過した様子を示す写真である。 図3は、本発明の実施例1のエマルジョン燃料の粒子径と粘度の測定を行った試験結果を示す図であり、図3(a)は、超音波式攪拌直後のエマルジョン燃料を測定した結果を示したグラフであり、図3(b)は、高速回転式攪拌後のエマルジョン燃料を測定した結果を示したグラフである。 図4は、本発明のエマルジョン燃料を利用した燃焼装置の燃焼試験の結果で、燃焼温度を示すグラフである。
〔エマルジョン燃料の製造方法〕
以下、本発明のエマルジョン燃料を製造する方法を説明する。本発明のエマルジョン燃料は、灯油、廃油等の燃料油をベースとし、これに水と乳化剤を混合して得られた油中水滴型(W/O)のエマルジョンである。まず、乳化剤は、燃料油と水を均一に混ぜ合わせる為のものである。燃料油と水を混ぜ合わせる重量に対し、微量の乳化剤を使用する。例えば、乳化剤は、燃料油と水を混ぜ合わせる重量に対し、3%以下0.1%以上、好ましくは1.8%程度である。
水を混入する理由は、燃焼室の中でエマルジョン燃料が燃焼する温度を下げるためである。これにより、燃焼室から廃棄される廃棄ガス中の窒素酸化物等の有害物を減少させる効果がある。本発明のエマルジョン燃料に用いる乳化剤は、複数の種類の溶剤を混合して得られる。この乳化剤の働きによって、エマルジョン燃料は油中水滴型になり、低温度でも固体化せず、配管の経路内及び燃焼室内の錆びを防ぐ効果がある。
得られた乳化剤は、燃料油に投入し、更に水を加え、攪拌する。撹拌する撹拌手段としては、高速回転式ホモジナイザー、超音波式ホモジナイザー等の任意の公知の撹拌手段を利用することができる。このように得られた本発明のエマルジョン燃料は、燃料油と水を分離させることなく長期間、安定する。本発明の本実施の形態の乳化剤は、アルキルエーテル系の溶剤を必ず含み、他の溶剤と混合して得られる。
例えば、乳化剤は、アルキルエーテル系の溶剤に、ソルビタン系及び/又はグリコールエーテル系の溶剤を混合して得られる。ソルビタン系の溶剤はHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が3〜8であると好ましい。また、アルキルエーテル系の溶剤はHLBが8〜12であることが好ましい。グリコール系溶剤はR−O(C24O)nH R:4〜10、n=0〜4であれば、任意の溶剤が利用できる。
〔廃油の濾過処理〕
エマルジョン燃料は、廃油をベースにする場合は、廃油に次の処理を施すことができる。廃油は、自動車のエンジンオイル、ギヤオイル等を利用する。廃油には、エンジン等の摩耗した微細な金属粉、水等が混入している。廃油は、その中に浮遊する金属成分をフィルター処理で除去する。言い換えると、廃油中の金属粉等の異物をフィルターで除去する。フィルター処理には、公知の任意のフィルターを利用できる。
例えば、セラミックスフィルター装置等のセラミックス製のフィルター、遠心分離機等を利用することができる。セラミックス製のフィルターとしては、本例では、株式会社ノリタケカンパニーリミテド(本社:日本国名古屋市)製の「ノリタケセラミックスフィルター(MBX4-1020-0.1、膜孔径0.1μm、膜面積0.24m2)」を用いた。このフィルターの使用により、一般的な自動車のエンジンオイル、ギヤオイルは、水分、浮遊物質(suspended solids)は、検出できない程度に除去できる。言い換えると、廃油をフィルター処理して、新油程度までに、浄化する。
次の表1には、本発明のエマルジョン燃料の例を示す。
〔遠心分離機〕
廃油を遠心分離機で濾過処理して浄油することができる。遠心分離機を備えた浄油装置は、基本的に、遠心分離機、遠心分離機に液体を供給するためのポンプ、廃油を格納するタンク等からなる。ポンプは所定の液圧で、廃油を、タンクから遠心分離機に送液して、循環させる。遠心分離機は、内蔵されたボウルが高速回転し、強力な遠心力で、ポンプで送液される液体中に含まれる不純物を除去する。
不純物として、静置分離が非常に困難な超微細なコンタミ類(例えば、4μm以上の大きさの不純物。)や酸化生成物系スラッジ、水分が遠心分離機で分離除去できる。遠心分離機から排出される廃油はタンクに戻される。廃油を中も遠心分離機で濾過処理することで、不純物を取り除く。このように、廃油を循環させながら浄油する。浄油後、スピンクリーン遠心分離のボウル内に捕獲したコンタミを確認することができる。
浄油中、所定の時間経過毎にパーティクルカウンターによる清浄度チェックをチェックすることができる。例えば、遠心分離機として、Fluid Power Energy, Inc.社(所在地:米国ウィスコンシン州ウォキショー市)製のスピンクリーンの遠心分離機が利用することが可能であり、これを用いたスピンクリーン遠心分離浄油装置(販売窓口:株式会社チヒロ(所在地:大阪市中央区))等が代表的な装置であり、利用可能である。
〔燃焼装置〕
本発明のエマルジョン燃料は、水等の流体を加熱して暖房、床暖房、風呂等に利用するためのボイラー等の燃焼装置に利用することができる。特に、燃焼装置は、燃焼室へ供給される燃料、空気を供給する供給量を制御できるものが望ましい。燃料の供給量の制御としては、噴射ノゾルの口径を大小に制御できる燃焼装置が望ましい。更に、燃料を供給する噴霧圧を調製できるものが望ましい。
噴射ノゾルの口径を小さくしながら、噴霧圧を調製すると、本発明のエマルジョン燃料が最適に燃焼する。噴射ノゾルの口径と、噴霧圧は、燃焼室の大きさにとって調製するが、一例では、1〜0.8GPH、1〜1.1MPaであると良い。本発明のエマルジョン燃料が燃焼室で燃焼すると、熱が発生し、それが、燃焼室の周囲に設置された加熱路、又は加熱室に熱伝達して、その中の流体を加熱する。この流体は、加熱路、又は加熱室に連結された流体路を流れる。この流体は、限定しないが、暖房、床暖房、風呂等に利用される。
本発明のエマルジョン燃料は、長期間乳化状態が維持できる安定し、低温度でも固体化しない特徴を持っている。また、本発明のエマルジョン燃料は、配管の経路内及び燃焼室内の錆びを防ぐ効果がある。従って、燃焼室は、ステンレス等の材質を利用することが可能である。燃焼装置の例を図1に図示している。図1に図示したように、燃焼装置は、熱風ヒーター2の排出口2に燃焼室3を付けた構造にすることができる。燃焼室3の先端の排出口4は上向きが望ましく、その上にボイラー、加熱路、加熱室等を設置し、その中の流体を加熱する。
このような構造の、燃焼装置は、簡単な構造を有し、低価格で製造できる利点がある。このような燃焼装置は、制御器を有する。制御器は、燃焼室の燃焼を制御するもので、エマルジョン燃料の最適な燃焼を提供するものである。制御器は、ポンプを制御して燃焼室に供給されるエマルジョンの供給量を制御する機能、燃料供給用の噴射ノゾルを制御して燃焼室に供給される燃料の供給量を制御する機能、空気供給用ノゾルを制御して燃焼室に供給される空気の供給量を制御する機能を備える。
これらの制御は、燃焼装置を稼働させてから自動的に行われることが好ましい。制御は、次のように行われる。ポンプが稼働して所定の圧力でエマルジョンと空気を燃焼室に噴射ノゾルと空気供給用ノゾルで供給し、これに点火装置によって燃焼が始める。その後、制御器は、空気供給用ノゾルを制御して、燃焼室に供給される空気を初期値より減圧し、最終的に最低値にする。また、制御器は、燃料供給ポンプの圧力を増加させて燃料の供給量を増加させて噴霧圧を増圧させる。
この噴射ノゾルの口径を調製する機能があれば、燃料供給ポンプの圧力増加に合わせて、噴射ノゾルの口径を小さくし、燃料の噴霧圧を増圧させる。燃料の噴霧圧の増加量は、燃料の成分によるが、一例としては、燃焼装置の稼働開始の値から5〜20%、好ましくは5〜15%、更に好ましくは10%程度が目安である。噴射ノゾル口径の調製は、燃焼室に供給する燃料の量を最小量にするためであり、10〜20%減少させると良い。
噴霧する燃料量を制御ができる噴射ノゾルとしては、ホダカ株式会社(所在地:大阪市旭区)製のバーナーガンBG1140、BG1520Nシリーズ、リターンフローノズルBPS/KF2/KC2, W1/W2, Art152等が例示できる。このバーナーガンは、バーナーガンのカットオフニードルを操作するための油圧シリンダが備えており、バーナーガンから噴霧する燃料量を調整することができる。
リターンフローノズルは、リターンフローノズルのリターン側の圧力を制御することによりリターンフローノズルからの噴霧量を変化させる事が出来るノズルである。言い換えると、リターンフローノズルのサプライ側圧力を一定にし、リターン側圧力を調整すると、リターンフローノズルからの噴霧流量が25%〜100%の間で調整自在である。これらのノゾルは、オイルバーナの燃焼量制御用等に幅広く使用されている。
〔灯油をベース〕
以下、本発明のエマルジョン燃料を製造する実施例1を説明する。本実施例1のエマルジョン燃料は、灯油をベースとし、これに水を混合した油中水滴型(W/O)のエマルジョンである。本実施例1のエマルジョン燃料は、灯油と水を均一に混ぜ合わせる為に、乳化剤を一定量混合した。本実施例1においては、表2に示したように、灯油と水を混合し、その灯油と水を混合した総重量に対し1.8%の乳化剤を混合して、エマルジョン燃焼を得た。
表3には乳化剤の成分を示している。表3の第1欄は乳化剤の成分の商品名を、第2欄は乳化剤の構造を、第3欄は乳化剤の各成分のHLBを、第4欄は乳化剤の各成分の混合割合を示している。乳化剤は、日本乳化剤株式会社(東京都中央区)製のFNN-06601、N-2305、EHG等の界面活性を下記の表3に示した分量で配合した。FNN-06601は、構造がソルビタンステアラートの界面活性剤(乳化剤)である。ENGは、エチレングリコール系(E.O.系)のグリコールエーテルであり、商品名が2エチル・ヘキシル・グリコール(2-Ethyl Hexyl Glycol)で化学名がEthylene Glycol Mono 2-Ethylhexyl Etherである。
N−2305(ニューコール2305)は、アルキルエーテル型の非イオン界面活性剤である。
乳化剤は、FNN-06601:N-2305:EHGを2:1:0.6の割合で混合している。このように、乳化剤は、複数の種類の界面活性剤等を混合して得られた。
本発明のエマルジョン燃料は、乳化剤の働きによって、油中水滴型になり、低温度でも固体化せず、配管の経路内の錆び、燃焼室内の錆びを防ぐ効果がる。乳化剤が得られた後は、灯油に必要量の乳化剤を投入し、水を加え、攪拌して、本発明のエマルジョン燃料を得た。
撹拌した手段として、超音波式ホモジナイザーと高速回転式ホモジナイザーの2種類の撹拌手段を用いた。本実施例では、エマルジョン燃料を超音波式ホモジナイザーと高速回転式ホモジナイザーでそれぞれ10分間撹拌した。図2(a)の写真に写ったように、撹拌した直後のエマルジョン燃料は、不透明な白い色の液体になった。図2(a)の中で、超音波式ホモジナイザーで撹拌したエマルジョン燃料は丸括弧の中の1で、高速回転式ホモジナイザーで撹拌したエマルジョン燃料は丸括弧の中の2で示した。以下、同様である。
そして、図2(b)は撹拌後した1日経過後のエマルジョン燃料を示す写真、4(c)は撹拌後した4日経過後のエマルジョン燃料を示す写真、図2(d)は撹拌後した1日経過後のエマルジョン燃料を示す写真である。高速回転式ホモジナイザーで撹拌したエマルジョン燃料は、図2(b)に示すように、撹拌した翌日からW/O粒子が沈殿していく様子が肉眼で観察される。図2(c)の写真では、W/O粒子が沈殿した沈殿層がはっきり肉眼で観察される。
そして、図2(d)の写真では、W/O粒子が沈殿した沈殿層が容器の下部にできている様子が観察される。この写真では、容器の上部には、沈殿途中のW/O粒子が見える。超音波式ホモジナイザーで撹拌したエマルジョン燃料については、撹拌した直後から7日経過しても、W/O粒子が沈殿する様子が観察されず、安定している。超音波式で撹拌すると、W/O粒子が高速回転式より小さく、安定する。
このように、超音波で撹拌して得られたエマルジョン燃料は、灯油と水を分離させることなく長期間、安定する。本実施例1のエマルジョン燃料は、構造がソルビタン系のFNN−06601、アルキルエーテル系のN−2305、グリコールエーテル系のEHGを混合して得られているが、この中でアルキルエーテル系の溶剤が必須である。
〔廃油をベース〕
以下、本発明のエマルジョン燃料を製造する実施例2を説明する。本実施例2のエマルジョン燃料は、廃油をベースとし、これに水と乳化剤を混合した油中水滴型(W/O)のエマルジョンである。廃油は、エンジンオイルを利用した。原料の廃油は、株式会社ノリタケカンパニーリミテド(本社:名古屋市西区)製のセラミックスフィルター装置でフィルターし、廃油中の浮遊金属等の浮遊物質成分を除去した。
本実施例2においては、表4に示したように、廃油と水を混ぜ合わせる重量に対し、1.8%の乳化剤を使用した。
乳化剤は、日本乳化剤株式会社(東京都中央区)製のN−2304−Y、EHG等の溶剤を下記の表5に示した分量で配合した。乳化剤は、低温度でも固体化せず、配管経路内の錆びを防ぐ為、油中水滴型の性質を目的として配合したものである。廃油に必要量の混合済みの乳化剤を投入し、更に水を加えて攪拌した。
表5の第1欄は本実施例1の乳化剤の成分を、第2欄は乳化剤の各成分の構造を、第3欄は乳化剤の各成分のHLBを、第4欄は乳化剤の各成分の混合割合を示している。乳化剤は、N−2304−Y:EHGを5:1の割合で混合した。本実施例2のエマルジョン燃料の乳化剤は、構造がアルキルエーテル系のN−2304−Y、グリコールエーテル系のEHGを混合して得られているが、この中でアルキルエーテル系の溶剤が必須である。また、乳化剤には、上述のソルビタン系、アルキルエーテル系、グリコールエーテル系溶剤のうち、アルキルエーテル系を含む1種類以上の溶剤を混合して得られる。
本実施例では、上述の実施例1、2によって得られたエマルジョン燃料を用いて行った試験の結果を示す。
〔攪拌方式の評価〕
それぞれの撹拌手段で得られたエマルジョン燃料は、攪拌後の評価を実施した。この評価は、撹拌されたエマルジョン燃料を、温度25〜28℃前後の室温環境で、放置し、エマルジョン燃料のW/O粒子が沈殿していく否かを観察することで、実施された。
本実施例で利用したエマルジョン燃料は、粘度がほぼ同レベルの液体である。高速回転式ホモジナイザーで攪拌したエマルジョン燃料は、室温の環境で放置した翌日以降からW/O粒子が沈殿していくことが観察された。室温の環境で放置してから7日間経過後、燃料油、沈殿途中のW/O粒子、沈殿したW/O粒子の各層がはっきりと目視できる状態になった。
超音波式ホモジナイザーの場合は、放置してから7日間経過しても、沈殿するW/O粒子が観察されなかった。言い換えると、超音波式ホモジナイザーによる超音波式攪拌の検体は、粒子径も小さく、安定した状態を維持できている。本実施例のエマルジョン燃料の攪拌評価によると、高速回転式攪拌より超音波式攪拌の方が優れていることが示された。
〔エマルジョン燃料の平均粒子径及び粘度測定〕
続いて、エマルジョン燃料の平均粒子径及び粘度の測定を行った。この測定では、株式会社堀場製作所(京都市南区)製の動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550を用いた。測定時の温度は27℃であった。測定されたエマルジョン燃料は、超音波式撹拌と高速回転式攪拌の後の液体で、その粒子径と粘度の測定を実施した。測定の結果を図3に示している。
図3(a)は、超音波式攪拌直後のエマルジョン燃料を測定した結果を示したグラフである。図3(b)は、高速回転式攪拌後のエマルジョン燃料を測定した結果を示したグラフである。図3(a)と図3(b)のグラフの左縦軸は、試料の粒子径の頻度を%で表し、右縦軸は、通過分積算を%で表している。グラフの横軸は、試料の粒子径をnmで表している。図3(a)の測定結果からみると、エマルジョン燃料の平均粒子径は499.5nmで、粘度は1.61mPa・sであった。
図3(b)の測定結果からみると、エマルジョン燃料の平均粒子径は1654.4nmで、粘度は1.43mPa・sであった。図3(a)のグラフからは、超音波式攪拌後の粒子径のピークは約500nm近辺にあることが分かる。また、図3(b)グラフからは、高速回転式攪拌後の粒子径のピークは約1600nm近辺にあることが分かる。これにより、超音波式攪拌を用いることで、より細かな粒子径のエマルジョン燃料が作製できることがわかる。
〔燃焼試験〕
本発明のエマルジョン燃料を利用して、燃焼試験を実施した。燃焼試験には、汎用の熱風式ヒーターを備えた燃焼装置を試作して利用した。図1は、燃焼装置の概要を図示している概念図である。図1の中では、参照番号1で熱風式ヒーターを、参照番号2で熱風式ヒーター1の排出口2を、参照番号3で燃焼室を、参照番号4で燃焼室3の排出口を示している。
熱風式ヒーター1としては、静岡製機株式会社(日本国静岡県袋井市)製のホットガンHG−MAXDIIを利用した。図1に図示したように、燃焼室3は排出口までの長さが1800mm、大径30mmの円筒状のものであった。燃焼室3内の点Aと点Bには、排気ガスの測定を行う検知管を設置した。検知管は、ガステック社(神奈川県綾瀬市)製の検知管No.2H,1HH,10,11Lを使用した。図中の場所Bで示すように、熱風式ヒーター1排出口2の排出口付近に、プローブを差込みして、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物を測定した。
次の表6には、この燃焼装置を用いて、燃料別のガス測定結果を示している。表6の第1欄は燃料の種類を、第2欄は燃焼機である熱風式ヒーターの噴霧圧を、第3欄はA点温度(図1を参照。)を、第4欄はB点温度(図1を参照。)を、第5〜9欄は採取ガスの濃度を示している。
採取ガスは、一酸化炭素CO(検知管1HHで)、二酸化炭素CO2(検知管2Hで)、窒素酸化物NO+NO2(検知管11Lで)、窒素酸化物NO(検知管10で)、窒素酸化物NO2(検知管10で)を測定した。測定に用いた燃料として、灯油とエマルジョン燃料を用いた。このエマルジョン燃料は25%の水を含有するものである。この測定結果からは、エマルジョン燃料の燃焼ガスが灯油に比べNOxが約80%減少していることが分かる。これによって、排出されるNOxの減少し、本発明のエマルジョン燃料は灯油に比べて環境に対して優位であることが分かる。
比較例
更に、ガソリンエンジンオイルの新油、廃油、ろ過廃油、乳化処理した廃油の4種類の燃料を用いて燃焼の比較試験を行った。この試験は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターに依頼し、日本工業規格で定めた「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」(JIS K 2279:2003)に準拠して行った。この試験結果を次の表7に示している。表7の第1欄は試験に用いた試験燃料を、第2欄は試験による総発熱量をMJ/kgで、第3欄は試験による総発熱量をkcal/kgで示している。
ここで乳化処理廃油は、他の試験燃料より層発熱量が少なく、ボイラー等の低温度の燃焼機関に適しているが、上述の通り、濾過処理し不純物を除去し、乳化処理した廃油は長期間安定して保存でき、且つ、燃焼によって排出する温室応化ガス等の有害な廃棄物が少ない。
〔燃焼効率の向上に向けた燃焼機調整試験〕
次に、本発明のエマルジョン燃料を用いて、燃焼装置の燃焼効率の向上させるために行った、試験結果を記述する。燃焼装置は実施例1で用いた燃焼装置を用いた(図1を参照。)。この試験では、水を25%含有するエマルジョン燃料を用いた。実施例1に示す灯油をベースにしたエマルジョン燃料も、実施例2に示す廃油をベースにしたエマルジョン燃料も、燃焼条件の設定で同様の効果が得られた。
この試験では、燃焼装置の噴射ノズルの交換、噴霧圧の調整等を行って、複数の試験を行った。図4のグラフは、この試験の結果、燃焼装置の燃焼効率が向上した結果を示すグラフである。燃焼温度を高めるためには、微調整ながらも燃焼装置自体のセッティング変更がより効果的である。まず、熱風式ヒーター1であるホットガンHG−MAXDIIは汎用の仕様では、図1に示す排出口2の口径の内径は、長径が310mmと短経が220mmの楕円状である。
この試験では、燃焼装置の噴射ノズルの口径を10%〜20%狭小化した。これにより、ノズルから燃焼室内へエマルジョン燃料を吹き込む噴霧圧を10%〜20%高め、燃焼室に吸入する空気量を少なくすることが燃焼装置の燃焼効率の一番の効果をもたらした。本発明のエマルジョン燃料は、300℃〜310℃前後で燃焼した。この試験結果からみると、灯油を用いた燃焼時と遜色がないことが判明した。図4のグラフは、上記の図1の燃焼装置を用いてそのB点で温度測定した結果である(図1を参照。)。
図4のグラフの縦軸は、燃焼の温度を示し、横軸は、経過時間を示している。図4のグラフは、その特徴から複数の区間(第1〜第4区間)に分ける。図4のグラフに図示した第1区間は、燃焼装置内での燃焼を開始してから、燃焼が安定化し燃焼室に吸入する空気量を減らすまでの区間である。この区間が終了するまでは、燃焼室に吸入する空気量は初期設定の状態で運転される。
第1区間は、燃焼が開始してから燃焼温度が急に立ち上がり、230℃以後は徐々に向上し、270℃前後の燃焼温度になって、区間の終わりごろ緩和している。燃焼開始から約15秒後は、第2区間が始まる。この区間では、燃焼室に吸入される空気量を、初期設定値より減少させと、燃焼温度が更に上がる。そして、続いて、第3区分間では、ノズル2から燃焼室内へエマルジョン燃料を吹き込む噴霧圧を15%程度上げる。この結果、第4区間からでは燃焼温度が更にあがり300℃付近になっている。それ以後は、噴霧圧を維持し空気量を最小値にして、燃焼温度は一定の値を維持している。
本実施例では、複数の種類の燃料を用いて燃料消費量を計算するための実験を行った。この実験の結果を表8に示している。表8の第1欄は、燃料の種類を示し、第2欄は実験で用いた燃焼装置の噴射ノゾルの口径を示し、第3欄は燃焼装置の噴霧圧を示し、第4欄は燃焼装置の燃料の消費量を単位時間当たりの体積(リットル)で示している。燃焼装置の噴射ノゾルの口径はその排出する燃料量のGPH(Gallon Per Hour)で表示されている。
GPHは、燃焼装置のノズルから排出される燃料量を1時間当たりのガロンで示したものである。
この燃焼消費量の実験からは燃焼コストを算出することができる。コスト面では、エマルジョン燃料の製造単価は、灯油より10%以上安い。また、同じ燃焼装置を用い同じ噴射ノゾル口径と同じ噴霧圧で、灯油と本発明のエマルジョン燃料を燃焼させて消費した場合、エマルジョン燃料(25%水)の単位時間当たりの燃焼コストは、灯油より10%以上安かった。更に、噴射ノゾル口径を15%小さくし、噴霧圧を10%上げた場合、エマルジョン燃料(25%水)の単位時間当たりの燃焼コストは、灯油より20%以上安かった。
このように、本発明のエマルジョン燃料は、灯油等の燃料に比べて、少ない有害物を排出し、環境面で優れている。また、製造コストが安く、消費量も少ないので、運転コストが安い。このように、本発明のエマルジョン燃焼を使用すると、化石燃料使用量を低減することができる。従って、本発明のエマルジョン燃料は、地球温暖化防止及び社会に大きく貢献できるものである。上述のように、本発明のエマルジョン燃料(25%水)は、燃焼温度が灯油等より低いが、排出ガスに含まれる有害物が少ない。
本発明は、エネルギー分野に応用できる。特に、燃料油を用いる燃焼装置を利用する分野に利用するとよい。更に、灯油、廃油等の燃料油を利用する分野で利用すると良い。
1…熱風式ヒーター
2…(熱風式ヒーターの)排出口
3…燃焼室
4…(燃焼室の)排出口

Claims (17)

  1. 水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記燃料油に乳化剤を投入する工程と、
    前記乳化剤が入った前記燃料油に水を加える工程と、
    撹拌手段によって撹拌して前記油中水滴型の前記エマルジョン燃料を得る撹拌工程と
    からなることを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  2. 請求項1に記載のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記燃料油は、廃油であり、
    前記廃油を濾過手段によって前記廃油中の浮遊物質成分を除去する工程を有する
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記水は、前記燃料油と前記水を合わせた重量の中で、重量比で20〜35%であり、
    前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1〜3%の乳化剤を含有し、
    前記エマルジョン燃料の粒子径は200〜3000nmである
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  4. 請求項2に記載のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記濾過手段は、セラミックスフィルター又は遠心分離機である
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  5. 請求項3に記載のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1.7〜1.9%の乳化剤を含有する
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のエマルジョン燃料の製造方法において、
    前記撹拌手段は、超音波式又は高速回転式である
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  7. 請求項2に記載のエマルジョン燃料において、
    前記燃料油は、自動車用燃料の廃油、自動車のエンジンオイル、ギヤオイルである
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  8. 請求項1又は2に記載のエマルジョン燃料において、
    前記乳化剤は、親水親油バランスHLBが3〜10である
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  9. 請求項3に記載のエマルジョン燃料において、
    前記乳化剤は、ソルビタン系、アルキルエーテル系、及びグリコールエーテル系溶剤のうち、アルキルエーテル系を含む1種類以上である
    ことを特徴とするエマルジョン燃料の製造方法。
  10. 請求項1乃至9中から選択1項に記載のエマルジョン燃料の製造方法によって製造されたエマルジョン燃料。
  11. 水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料において、
    前記水は、前記燃料油と前記水を合わせた重量の中で、重量比で20〜35%であり、
    前記燃料油と前記水を合わせた重量に対して重量比で1〜3%の乳化剤を含有する
    ことを特徴とするエマルジョン燃料。
  12. 請求項11に記載のエマルジョン燃料において、
    前記乳化剤は、ソルビタン系、アルキルエーテル系、及びグリコールエーテル系溶剤のうち、アルキルエーテル系を含む1種類以上である
    ことを特徴とするエマルジョン燃料。
  13. 水からなる水相と燃料油からなる油相とを有する油中水滴型のエマルジョン燃料を燃焼するための燃焼装置において、
    前記エマルジョン燃料を空気と混合して燃焼する燃焼室と、
    前記燃焼室の周囲に設置され、前記燃焼の熱で加熱される被加熱流体が流れる加熱路、又は、前記被加熱流体が充填された加熱室と、
    前記エマルジョン燃料を前記燃焼室内に噴射するためので、前記燃焼室の壁に設置された噴射ノズルと、
    前記噴射ノズルへ前記エマルジョン燃料を供給するためのエマルジョン供給ポンプと、
    前記空気を前記燃焼室に供給するためので、前記燃焼室の壁に設置された空気用ノゾルと
    からなることを特徴とするエマルジョン燃料用燃焼装置。
  14. 請求項13に記載のエマルジョン燃料用燃焼装置において、
    前記燃焼室は、ステンレス製の内壁を有し、前記燃焼により寂ないものである
    ことを特徴とするエマルジョン燃料用燃焼装置。
  15. 請求項13に記載のエマルジョン燃料用燃焼装置において、
    前記エマルジョン燃料が前記噴射ノズルから前記燃焼室に噴射されるときの噴霧圧は0.8〜1.2MPaである
    ことを特徴とするエマルジョン燃料用燃焼装置。
  16. 請求項13乃至15の中から選択される1項に記載のエマルジョン燃料用燃焼装置において、
    前記燃焼室に前記エマルジョン及び前記空気が供給されて燃焼が始めた後、前記空気供給ポンプの供給量を減少させ前記空気を初期値より減圧し、かつ、前記エマルジョン供給ポンプの供給量を増加させ前記噴霧圧を5〜20%増圧して、前記燃焼の温度を高める
    ことを特徴とするエマルジョン燃料用燃焼装置。
  17. 請求項13乃至15の中から選択される1項に記載のエマルジョン燃料用燃焼装置において、
    前記燃焼室の前記燃焼を制御するための制御器を備え、
    前記制御器は、
    前記エマルジョン供給ポンプを制御して、前記燃焼室に供給される前記エマルジョン燃料の供給量を制御する機能、
    前記空気用ノゾルを制御して、前記燃焼室に供給される前記空気の供給量を制御する機能、
    を備え、
    前記燃焼室に前記エマルジョン燃料及び前記空気が供給されて燃焼が始めた後、前記制御器は、(a)前記空気用ノゾルを制御して、前記燃焼室に供給される前記空気を初期値より減圧し、(b)前記エマルジョン供給ポンプの供給量を増加させ前記噴霧圧を増圧する
    ことを特徴とするエマルジョン燃料用燃焼装置。
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