JP2015147709A - 粉状防散製鋼スラグ肥料 - Google Patents

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【課題】ミネラルを含み肥効が良好な微粉の製鋼スラグを施肥の作業時に取り扱いが容易で舞い上がりにくく飛散しないでかつ低廉な肥料を提供する。
【解決手段】粒径が3mm未満の製鋼スラグ粉に、製鋼スラグ粉および氷糖蜜水溶液の合計量に対して、スラグ肥料の含有水分量が3〜10質量%となるように氷糖蜜水溶液を配合し、この粉状防散製鋼スラグ肥料がフレキシブルコンテナバックに収容され、そのフレキシブルコンテナバックの排出口が250mmφ以上である。
【選択図】なし

Description

本発明はミネラルの豊富な製鋼スラグ粉末を主原料とする肥料を施肥するさいに、粉分が風によって飛散せず大気や作業環境を悪化させない環境配慮型の粉状防散製鋼スラグ肥料に関する。
日本の農地では、多年にわたる石灰の過剰な施用によって土壌のアルカリ化が進み、この結果鉄やマンガンなどのミネラル成分が肥料として効きにくくなっている。堆肥や収穫残渣等などの有機物にはミネラル分が含まれるが、資源として生かされていないことと相まって、ミネラル養分が欠乏した農地が多くなっている。
ミネラル養分欠乏に対処するために、製鋼スラグを原料とするミネラル肥料が製造販売されている。肥料分野におけるミネラルとは有機以外の成分で、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄分、リンをいい、製鋼スラグはこれを多く含む。
例えば、製鋼スラグの一種である転炉型溶銑予備処理炉で副産するスラグは、カルシウムを含む可溶性石灰を30〜45質量%、マグネシウムを含むく溶性苦土を2〜8質量%、マンガンを含むく溶性マンガンを1〜8質量%、鉄分8〜10%、リンを含むく溶性リン酸を2〜6質量%含有するミネラル肥料として知られている。
ミネラル肥料の肥効は、その比表面積に由来し大粒より微粉の肥料が、水に溶け易く作物に吸収されやすいことから肥料の粒子はできるだけ微粉とすることが好ましい。しかしながら微粉の肥料は施肥時に飛散しやすいという問題を抱えている。飛散とは空気の流れによって、即ち風の強い日に施肥する場所以外に飛び散ることをいう。対象作物への肥効が減ずるばかりでなく施肥をおこなう作業者の衣服に付着し、また作業者が吸引してしまい作業環境によろしくない。また地域全体や大気を汚染する現象となる場合がある。近年の農村部が都市化し、肥料散布作業が機械化され粉塵の飛散が嫌われるようになった。粉塵を抑えた粉状のままの製鋼スラグ肥料が求められている。
石灰系肥料では従来から微粉末の粉塵飛散を抑えるために、微粉末に結合剤を加え造粒機にて粒状に加工する造粒法がおこなわれ、造粒肥料として広く使用されている。例えば、原料の消石灰粉末に乾燥木粉と粘土とを混合し加圧圧縮法で造粒することによって飛散が少なくなるとしている(特許文献1)。また、石灰微粉原料にドロマイト、カキ殻、腐植酸を加えた混合物を造粒して飛散のしにくい造粒物としている(特許文献2)。
このように肥料業界では造粒という方法によって微粉を粒状に加工することは飛散を防止するための普通の方法であるが、造粒は大掛かりな製造設備が必要でかつ結合剤が高価であることから製造コストが高いという難点がある。さらに造粒した肥料は硬く締まりやすく農地に施肥しても土中で崩壊せずそのままの形状で長く留まるため、肥効性に劣る問題があり、施肥の作業時に取り扱いが容易で舞い上がりにくく飛散しない低廉な肥料を得ることができない。
粉粒体の粉塵の飛散を防止する技術には肥料以外では他に(1)集塵機により微粉末を除去する方法(2)オイルなどの粘性物質を添加する方法(3)パラフィンを被覆する方法が知られている。しかしながら(1)の方法は飛散防止が十分におこなうことが難しく輸送中や保存中の経時変化で再微粉化する問題がある(2)の方法は肥料の品質が劣化しやすく土中での肥効に問題がある(3)の方法は溶融したパラフィンを吹付け乾燥させる方法のため設備投資が大きくかつ肥料効果を損なう方法で肥料には向かない方法である。
特開平09−118521号公報 特開2003−128484号公報
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、ミネラルを含み肥効が良好な微粉の製鋼スラグを施肥の作業時に取り扱いが容易で舞い上がりにくく飛散しないでかつ低廉な肥料の提供を目的とする。
本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は、製鋼スラグ粉に氷糖蜜を配合したことを特徴とする。特に上記氷糖蜜が氷糖蜜水溶液であることを特徴とする。また、粉状防散製鋼スラグ肥料は、上記製鋼スラグ粉の粒径が3mm未満であり、上記製鋼スラグ粉および上記氷糖蜜水溶液の合計量に対して、スラグ肥料の含有水分量が3〜10質量%であることを特徴とする。また、本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料がフレキシブルコンテナバックに収容され、そのフレキシブルコンテナバックの排出口が250mmφ以上であることを特徴とする。
本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は、製鋼スラグ粉に氷糖蜜を配合したので、内部水分の蒸発が抑えられ、保湿性があり、容易に乾燥することなく、肥料全体として固化しにくく防散効果を長期にわたって発揮する。また肥料としての色調も変わらず刺激臭がなくミネラル分の補給に寄与できる。
粉状防散製鋼スラグ肥料の製造工程図である。 粉状防散製鋼スラグ肥料の状態および評価結果を示す図である。 フレキシブルコンテナバックよりスラグ肥料を排出する図である。
本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料はミネラル分を含む肥料である。製鉄所から副産する製鋼スラグを乾燥、粉砕、分級した3mm未満のスラグ粉末であり、その粒度を調整し製鋼スラグ粉末としたものに氷糖蜜水溶液にて表面コーティング処理するものである。氷糖蜜水溶液を用いることで含有水分はスラグ粉の内部に浸透し飛散しにくい状態を作る。飛散しない状態の含有水分を3〜10質量%、好ましくは7〜9質量%になるように氷糖蜜水溶液の濃度と添加量とを調整する。処理後は糖分の固形分そのものは表層に厚さ20〜100μm程度の皮膜として残存し長期保管中にスラグ粉に含まれる水分が蒸発し、または外部から吸湿したりすることなくスラグ粉が変質することを防ぐ。これにより防散性に優れた製鋼スラグが得られる。本発明はこのような知見に基づくものである。
製鋼スラグについて説明する。製鉄所では転炉にて転炉スラグ、溶銑予備処理炉で溶銑予備処理スラグ、電気炉で酸化スラグ、還元スラグ、合金鉄スラグが副産しこれらを総称して製鋼スラグと分類されている。この製鋼スラグすべてが本発明の対象となるが、なかでも大量に副産する転炉スラグは本発明の目的の肥料として好適なものである。
転炉スラグは、高炉で製造された溶銑に純酸素を吹き付けながら生石灰やマンガン鉱石、マグネシア鉱物などの副原料を加えて精錬する過程で副産したスラグである。ミネラル分やアルカリ分が高くより好ましいスラグである。このスラグは2CaO・SiO2を多量に含み10〜25質量%の鉄分、5〜30質量%の2CaO・SiO2、主な肥料成分は可溶性ケイ酸が10〜35質量%、可溶性石灰が20〜45質量%、ミネラル成分としてマグネシウム、リン酸、マンガン、ホウ素を含む。
まず肥料の肥効を良好に維持するための粒度を検討した。製鋼スラグ粉の粒径は予め0〜3mm未満の粒度に調整した製鋼スラグ粉を用いた。0〜3mm未満の粒度のうち、0〜1mm未満の範囲の製鋼スラグ粉は水に溶け易く土壌中で即効性を発揮し作物に速やかに吸収された。一方1mm以上3mm未満の範囲の製鋼スラグ粉は土壌中で緩効的な肥効を半年以上の間維持した。
次に肥効が即効性の0〜1mm未満と緩効性の1mm以上3mm未満の範囲の製鋼スラグ粉の配合割合を検討した。0〜1mm未満が30質量%未満のものは肥効が低かった。好ましくは0〜1mm未満が50〜70質量%必要であることがわかった。従って0〜1mm未満の粒度範囲と1以上3mm未満の粒度範囲は凡そ3:2の比率とすることが望ましい。3mm以上は肥効性が低下する。本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は上記粒度分布のものを用いた。
なおここで用いる粒度とは、それぞれ使用する篩の目開きで定義する。すなわち「3mm未満」、「0〜3mm未満」とは、目開きが3mmの篩を通過する粉、「0〜1mm未満」とは、目開きが1mmの篩を通過する粉、「1mm以上」とは、目開きが1mmの篩を不通過する粉を示す。
次に製鋼スラグ粉に含有する水分について説明する。一般に粉体には多少にかかわらず水分は含まれているが、その含有量によって粉体の状態が大きく異なる。すなわち、水分が少量の領域では粉体はサラサラの状態、多少増加すると吸湿域となるがまだサラサラの状態を維持し、この状態の粉塵は風によって飛散しやすい。さらに水分が多くなっていくと、しっとりとした状態となり、このような粉塵は飛散しにくい。水分がさらに多くなっていくとネバネバの状態となって水は自由水の状態となり反応する物質が含まれると反応し粘着性をもつようになる。
適度な水を含む粉状の製鋼スラグ肥料は粉塵が生じず飛散しない。水は他の物質、例えば有機溶媒と比べると異なった性質を持ち、重質で表面張力・粘性率が大きく、温度変動を穏やかにする。よって水はスラグ粉に付着吸収されやすくスラグ粉を重くするから飛散が防止されるのである。このことから水分を含ませることが粉塵の飛散防止に効果的であることを見出した。しかしながら多く含むと以下の現象が生じる。
肥料に含まれる水分が多いと、反応や再溶解などの化学変化をおこして品質に悪影響を及ぼし変化が激しい場合は大きな塊となり肥料として使い物にならない場合が生じる。
製鋼スラグ粉の飛散状態と固結に関係する粘着性が、含有水分によってどのような違いがあるかテストで確認した。その結果を表1に示す。水分が3質量%未満となると粉塵が生じ飛散した。10質量%超では粉塵が抑制されるものの粘着性が生じ、容器となるフレキシブルコンテナからの排出も困難であった。従って適正水分は3〜10質量%、好ましくは7〜10質量%である。この水分量とすることで、粉塵の飛散が防止しかつ固結に初期現象である粘着性の問題は生じないことを見出した。
氷糖蜜の説明をする。氷糖蜜はグラニュー糖より氷砂糖を製造する過程で副産する。糖度約60度、還元糖5〜20%を含む粘性のあるほぼ無色で固形分約60質量%の水溶液である。他の糖分に比べ糖分の純度が高く結晶化しかつ融点が高いため物体同士が付着しないとされる。固体化すると保湿性をもつ。氷糖蜜は他分野の糖衣材として使用されるが、すべては絶乾に乾燥した状態でのコーティング技術であって、しかもコーティング厚みは100μm以上の厚さが必要で、本発明の製鋼スラグ粉にコーティングする技術分野とは異なる。
氷糖蜜以外のオリゴ糖、蜂蜜、またはリグニンスルホン酸は接着力が強いが乾燥しても粉どうしが接着しやすく、色調も茶褐色をしているため肥料のコーティング材としては適当ではない。氷糖蜜と同種の廃糖蜜は、砂糖を経済的に取り出せなくなり残渣となった液体であるが結晶の純度が低く不純物が含まれかつ粘着度が高く、上記オリゴ糖などと同様の理由で適用できない。
氷糖蜜を製鋼スラグ粉のコーティング材として使用するために、濃度と添加原単位をいろいろ変えて試験を実施した。市販されている状態のものを水に希釈して固形分10質量%の薄い氷糖蜜液を、スラグ重量当たり5%添加すると防散効果があった。
氷糖蜜液でコーティングすることで氷糖蜜液中の水分が製鋼スラグ粉に吸収される。もともとの乾燥スラグには水分が1〜3質量%含まれており氷糖蜜液からの水分供給で3〜10質量%となる。好ましくは7〜10質量%である。無色透明のためコーティング後も肥料の色が変わらなかった。この結果からスラグ肥料の乾燥を防止する材としても使用できることが判った。
表2に各種飛散防止剤の比較を示す。氷糖蜜液、オリゴ糖、蜂蜜、リグニン、廃糖蜜についての各種性能評価を表している。
飛散防止効果は氷糖蜜、オリゴ糖、蜂蜜で高く、リグニンや廃糖蜜では成分そのものが乾燥後に粉立ってくるため、再粉塵化を引き起こしている。固結防止性については、氷糖蜜はべたつかず、乾燥しても粒子同士が圧着しない。一方、リグニンや廃糖蜜は添加直後からべたつきが見られ、乾いてくると粒子同士が固結する。オリゴ糖や蜂蜜はべたつきが酷く、乾燥後は全体が圧着しあって大きな塊となる。
異臭については飛散防止剤を添加後の肥料をポリ袋に入れ密封し、水分を7質量%前後に保ったまま1ヶ月間放置すると、氷糖蜜やオリゴ糖は異臭が見られないが、リグニンや廃糖蜜については成分由来の腐敗臭が発生する。蜂蜜に関しても同様に異臭が発生する。
以上のことから、氷糖蜜は飛散防止効果に優れ、固結しにくく異臭も発生しないことから、粉状製鋼スラグ肥料用の飛散防止材に使用できることを見出した。
本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は以下の方法で製造できる。図1は粉状防散製鋼スラグ肥料の製造工程である。製鋼スラグ1を乾燥・破砕して分級する乾燥・粉砕工程2と、氷糖蜜3aを被覆するコーティング工程3と、製品として袋詰めする製品調整工程4とを経て粉状防散製鋼スラグ肥料5が製造される。製品の乾燥工程は不要である。
乾燥・粉砕工程2を説明する。製鋼スラグ1は、乾燥・粉砕工程2にて乾燥・粉砕される。ドライヤーで乾燥した製鋼スラグを破砕し含まれる鉄片を磁選機にて取り除き振動篩にて分級し篩上品はリターンし再度破砕する。篩下品は粉砕機にて粉砕する。
乾燥にはロータリー式ドライヤーを使用する。破砕は破砕周速25m/秒以上のインパクトクラッシャーでおこなう。粉砕は50m/秒以上のスーパーサンダーおよびハンマークラッシャーを組み合わせておこなう。分級は篩の目開き3mmおよび1mmの二段式の分級器でおこない0〜1mm未満(篩の目開き1mm通過分)および1mm以上3mm未満(篩の目開き1mm不通過、目開き3mm通過分)としその比率を凡そ3:2となるようにする。このための分級装置は二段式の振動篩、円形振動篩、モノレイヤが適用できる。
粉砕工程を経た製鋼スラグは、次の粉砕工程前に乾燥し水分を5質量%以下に調整する。調整することで粒子同士の固着が少なくなり粉砕が容易にできる。乾燥・水分調整にはロータリー式ドライヤーを使用する。
なお乾燥機、破砕機については、本発明で規定される水分、粒度が確保できるものであれば、通常市場で入手できるいずれもが使用できる。
コーティング工程3では、粉砕済の製鋼スラグ粉1に氷糖蜜3aを添加しコーティング装置によって表層にコーティングする。装置はパン型、ドラム型、撹拌型が用いられるが、操作および調整の容易なパン型が好ましい。
氷糖蜜3aを説明する。氷糖蜜の配合割合は、氷糖蜜の固形分換算で、スラグ100質量部に対して、氷糖蜜0.3〜3.0質量部であることが好ましい。より好ましくは氷糖蜜0.6〜1.5質量部である。氷糖蜜が0.3質量部未満では防散処理が十分でなく1.5質量部を超えても防散処理の効果が向上しない。
氷糖蜜の配合方法は、氷糖蜜液を直接スラグに配合するか、あるいは氷糖蜜液を水で希釈して配合する。好ましくは固形分60質量%の氷糖蜜液の原液を水で3〜10倍程度に希釈した氷糖蜜希釈液を配合することが好ましい。配合時期はスラグを粉末化する粉砕工程後であることが好ましい。
製品調整工程4を説明する。コーティングした製鋼スラグ粉1はパッカー装置にてフリキシブルコンテナバッグ、または袋詰めされ出荷される。
袋詰め容器については、通常用いられるポリエチレン製、紙製等いずれもが使用できる。
フレキシブルコンテナバックは、フォークリフトやクレーン等で持ち上げるのに適した吊りベルトの長いループ部が上部に付いており、この上部開口部から粉状防散製鋼スラグ肥料が投入される。また、バック下部には開閉可能な排出口が設けられており、この排出口を開くことにより粉状防散製鋼スラグ肥料が排出される。本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は、フレキシブルコンテナバックのまま出荷することも可能であり、また、さらに袋詰めされたミネラル肥料製品5とすることも可能である。
フレキシブルコンテナバック入り、あるいは袋詰めする場合であっても、粉状防散製鋼スラグ肥料は、排出口より粉状防散製鋼スラグ肥料を排出する必要がある。フレキシブルコンテナバックよりスラグ肥料を排出する例について、図3に示す。図3(a)は排出口が200mmφのフレキシブルコンテナバックを用いた例であり、図3(b)は排出口が250mmφのフレキシブルコンテナバックを用いた例である。
本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は、排出口が200mmφの従来のフレキシブルコンテナバックを用いた場合、従来の粉末状ミネラル肥料が容易に排出したにも拘わらず、排出口を解放しても粉状防散製鋼スラグ肥料がバックより排出しなかった。微粉末の製鋼スラグが氷糖蜜によりからめられた状態となるため、流動性が劣るためと考えられる。しかし、排出口を250mmφとすることにより、本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は容易に排出口より排出できた。排出口サイズが大きくなると、肥料が単に流れ易くなるだけでなく、排出口根元において、バック側面とバック低面とで形成される角度θが90°よりおおきくなる、すなわち図3(a)および(b)に示すように、排出口の大きさの違いによりフレキシブルコンテナバックの側面と低面とで形成される角度θ、θ’が異なり、排出口が250mmφとなることにより排出し易くなると共に、排出口根元に傾斜ができるため、肥料粉末のブリッジ現象が起きにくくなるためと考えられる。このため、本発明の粉状防散製鋼スラグ肥料は、排出口が250mmφ以上のフレキシブルコンテナバックに収容されることが好ましい。
またフレキシブルコンテナバックの排出口径が過度に大き過ぎると、内容物が一気に落下することがあり、安全上好ましくない。本発明の防散製鋼スラグ肥料を排出口径300mmφのフレキシブルコンテナバックに充填した試験では、作業者が散布機の肥料タンクに充填する際、排出口を開くと内容物が一気に滑り落ち、コントロールが利かず肥料がタンク外にこぼれ落ちる結果となった。フレキシブルコンテナバックの排出口は250mmφ以上300mm未満が好ましい。
実施例1および比較例1
図2を参照して実施例を説明する。図2中、右列は実施例1、左列は比較例1を示す。いずれも上段は外観写真、中段は外観写真の拡大したもの、下段は防散効果テストを写真で示したものである。
乾燥・粉砕した転炉スラグをさらにロールクラッシャーを用いて粉砕し二段式円形振動篩にて1mm以上3mm未満および1mm未満に分級をおこなった。3mm以上はリターンし再度粉砕した。1mm以上3mm未満のスラグ粉を40質量%、1mm未満を60質量%の構成比となるように配合した。このスラグ粉および氷糖蜜水溶液の合計量に対して、氷糖蜜水溶液(固形分10質量%)を5質量%となるように、直径2.5mφ、勾配60度、回転数10rpmのパン型コーターで噴霧し表層にコーティングし粉状防散製鋼スラグ肥料を製造した。この時のコーティング能率は時間当たり2トンであった。同様の製鋼スラグ粉を何ら加工せず比較例1とした。高さ1mのところから落下させ飛散状態を評価した。実施例1は全く埃が発生せず飛散しなかったが比較例1は埃が発生し粉塵となって飛散し、これが目視観察で明瞭に差異が確認された。また、直径50cmの範囲内の飛散しなかったスラグ粉を集め秤量したところ、実施例1は落下全量の100質量%であったが、比較例1は同70質量%であった。
比較例2
被覆媒体に、氷糖蜜、廃糖蜜、リグニンスルホン酸を用い、前記実施例1の方法にもとづいて粉状防散製鋼スラグ肥料を製造した。含有水分を8質量%とした肥料サンプルを、200kg容量のフレキシブルバックに充填し、4段積みにて1ヶ月間保管した。その後フレキシブルバックから排出し、排出状況とスラグ粉の固結状況を観察した。氷糖蜜で処理したものはサラサラと容易に排出できかつ固結現象はなかった。しかし、廃糖蜜、リグニンスルホン酸を用いたものは、フレキシブルバックから排出しなかった。開梱し内部の状態を観察したところスラグ粉は固結し大きな塊となっていた。
本発明の肥料は、肥料散布時の粉塵の防散に優れ従来の粒状化した肥料にくらべ安価に製造できるため日本の農業生産の向上に寄与する。
1 製鋼スラグ
2 乾燥・粉砕工程
3 コーティング工程
3a 氷糖蜜
4 製品調整工程
5 粉状防散製鋼スラグ肥料

Claims (4)

  1. 製鋼スラグ粉に氷糖蜜を配合したことを特徴とする粉状防散製鋼スラグ肥料。
  2. 前記氷糖蜜が氷糖蜜水溶液であることを特徴とする請求項1記載の粉状防散製鋼スラグ肥料。
  3. 前記製鋼スラグ粉の粒径が3mm未満であり、前記製鋼スラグ粉および前記氷糖蜜水溶液の合計量に対して、スラグ肥料の含有水分量が3〜10質量%であることを特徴とする請求項2記載の粉状防散製鋼スラグ肥料。
  4. フレキシブルコンテナバックに収容された粉状防散製鋼スラグ肥料であって、前記フレキシブルコンテナバックの排出口が250mmφ以上であることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の粉状防散製鋼スラグ肥料。
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