実施の形態1.
以下、図1〜10を用いて、本発明の実施の形態1にかかる照明装置1を説明する。図1は、この発明を実施するための実施の形態1の照明装置全体を示す下方斜視図である。図1に示すように、照明装置1は、内部が空洞である円柱状の筐体2、およびこの筐体2の最上部に設けられた取付部3を備えている。取付部3は、照明装置1を建築物の天井面等に設置する際にボルトやネジ等の締結部材等を用いて取付けられる。
取付部3の下方には、複数の防汚部材4a〜4eが重ねて配置されている。以下、複数の防汚部材4a〜4eを、まとめて防汚部材4と称すことがある。筐体2の下方には、熱拡散部材5が配置されている。熱拡散部材5には通気開口11gが複数個設けられており、この通気開口11gが筐体2の内部と外部とを通風可能に連通させている。それぞれの通気開口11gは扇形であり、8個の通気開口11gが熱拡散部材5の中心を囲むように離間して形成されている。筐体2内の熱拡散部材5の上面には、複数の放熱部材8が配置されている。
熱拡散部材5の下方には反射体6が配置され、反射体6に透光体7が取り付けられている。反射体6の縁は通気開口11gの輪郭形状と同じとなるように切り欠きが設けられている。切り欠きを設けることで通気開口11gを介した気流の流れが阻害されることなく、筐体2の内部と外部の間で通風させることができ、圧力損失が低減されている。
また、反射体6は熱拡散部材5よりも平面方向寸法が小さく、これらが重なったときに反射体6は熱拡散部材5の一部を露出させる。これにより熱拡散部材5の下面の一部を、直接に空気と接触させることができる。
本実施の形態では透光体7を反射体6の一部にのみ配置している。しかしながら、本発明はこれに限られず、透光体7で反射体6全体を覆うようにすることで反射体6を保護し、空気中の塵埃付着などの汚れで反射体6の反射率が低下することを抑制してもよい。
筐体2の下端は、反射体6の表面より下方に突出している。筐体2の下端は、反射枠としての機能を備え、照明装置1の配光制御やグレアの抑制をおこなう。このような機能とともに、筐体2の下端が突出しているので、設置工事時等に照明装置1を床面等に置いた際に床面に筐体2下端のみが接触する。これにより、反射体6や透光体7が床面等に直接接触して汚れることや損傷することを防止することができる。
図2は実施の形態1の照明装置全体を示す上方斜視図である。複数の防汚部材4a〜4eは互いに直径の異なる略円盤状の部材であり、通風可能な通風隙間15を開けつつ筐体2の一端に重ねて配置されている。また、複数の防汚部材4a〜4eは、その最上部に配置される防汚部材4eを除き、中央側に通気開口11a〜11dを備えている。通気開口11a〜11dと通風隙間15を介して、照明装置1の上方において、筐体2の内部と筐体2の外部とが通風可能に連通される。
取付部3から下方には、筐体2の下方端近傍まで柱部3aが伸びている。それぞれの防汚部材4a〜4dは、外周縁から中心に向かって伸びる支持部12a〜12dを備えている。支持部12a〜12dにより取付部3の柱部3aと防汚部材4a〜4dがそれぞれ接続される。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる照明装置1の分解斜視図である。熱拡散部材5の下方には、発光手段13が配置されている。複数の発光手段13は、熱拡散部材5の中心から等間隔かつ等角度に放射状に配置されている。このような配置により良好な配光を得ることができる。発光手段13は、熱拡散部材5の中央側に寄せて、筐体2からは一定距離だけ離して配置されている。これにより筐体2の周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。なお、「器具効率」とは、一般に、光源から放射される光のうちで利用されている光の割合を意味する。
発光手段13は、その基板がアルミニウム合金やセラミックなどの放熱性材料からなるCOB(Chip On Board)光源を用いている。COB光源は、基板上に複数のLEDチップを実装し、蛍光体混合封止樹脂で封止した発光部14が設けられたものである。
発光部14は、比較的小型でありながら、従来のLEDパッケージと比較すると市販品で数〜数十倍の電力を投入して数百〜1万lm程度の光を発するタイプの光源である。COB光源はその表面に電極が設けられている。取付部3に設けられた端子部が建築物の電力線と接続され、筐体2内の配線(図示せず)を通して、COB光源の電極へと通電される。
発光手段13は、図示しない取付手段によって熱拡散部材5に取付けられている。この取り付け手段は、締結部材、取付金具、高熱伝導接着剤、あるいは両面接着サーマルテープ等である。また、発光手段13と熱拡散部材5の間には、必要に応じてサーマルグリス、熱伝導シート、あるいはグラファイトシートなどを挟んでもよい。これらを挟んで配置することで熱伝導や熱拡散を高めることができる。あるいは絶縁シート等の絶縁材料を挟んで配置することで絶縁性を高めたりしてもよい。
発光手段13の下方には、反射体6が配置されている。反射体6は発光手段13の一部を覆っているものの、反射体6は発光部14それぞれの下方に開口6aを備えている。開口6aがあるので、発光部14の光は遮られることはない。反射体6は、高い光学的反射特性を持っている。反射体6は、発光手段13からの発光方向を整えるとともに、発光手段13の基板や配線および結線部分を保護している。
発光部14の下方には発光部14からの光を透過する透光体7が設けられ、この透光体7が発光部14を保護している。透光体7はレンズとして機能を備えてもよく、これにより光を拡散させる効果を付与することができる。
熱拡散部材5の発光手段13の配置面と対向する面には、放熱部材8が配置される。放熱部材8は、熱拡散部材5に接続する受熱部9と、受熱部9と垂直に形成される放熱部10より形成される。複数の放熱部材8は、熱拡散部材5の中心を囲むように放射状に配置されている。複数の放熱部材8の間に通気開口11gがそれぞれ位置するように、熱拡散部材5上に放熱部材8が並べられている。
受熱部9を熱拡散部材5に接続する手段は、スポット溶接、ハンダによるロウ付け、ピンまたはリベット等によるカシメのいずれかの手段を用いても良い。或いは、高熱伝導接着剤、両面接着サーマルテープ、またはネジ等の締結部材のいずれかの手段を用いても良い。またはここに列挙した手段のうち複数の手段を組合せて受熱部9を熱拡散部材5に接続してもよい。
熱拡散部材5と受熱部9の間に、必要に応じてサーマルグリスまたは熱伝導シート等を挟んで接合してもよい。これにより熱抵抗を軽減して、発光手段13から放熱部材8への伝導を良好とし、冷却効率を高めてもよい。
本実施の形態にかかる照明装置1は8個の発光手段13を備えており、それぞれの発光手段13の冷却を担う8個の放熱部材8が設けられている。しかしながら本発明はこれに限られない。例えば、発光手段13と放熱部材8以外は実施の形態1にかかる照明装置1と同じ構成で、発光手段13と放熱部材8を各4個として熱拡散部材5に十字状に配置してもよい。このようにすることで比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、約半分の光束クラスの照明装置を構成することができる。また、発光手段13と放熱部材8を各2個として熱拡散部材5にI字状に配置してもよい。このようにすることで、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、約1/4の光束クラスの照明装置を構成することができる。以上のように、本実施の形態にかかる照明装置1は、部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき、複数の光束クラスの照明装置を低コストで提供することができる。
図4は、放熱部材8の斜視図および三面図を示す。放熱部材8は、複数の放熱部10および受熱部9を備えている。図4(a)は放熱部材8の上方斜視図であり、図4(b)〜(d)は放熱部材8の三面図である。図4(b)は放熱部材8の上面図であり、言い換えれば受熱部9の平面図である。図4(c)は放熱部材8の正面図であり、図4(d)は放熱部材8の側面図である。なお、後述する実施の形態2以降においても各実施の形態にかかる放熱部材について同様の三面図を示す際に上面図、正面図、側面図の区別を省略することがある。放熱部材8は良好な熱伝導性を有する材料、具体的にはアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。
放熱部材8は、複数の放熱ユニット8aに区分することができる。放熱ユニット8aは、向かい合う2つの放熱部10とこの2つの放熱部10で挟まれた受熱部9の一部とで構成されている。複数の放熱ユニット8aは、それぞれの放熱部10の平面は平行を保ちつつも、受熱部9の平面視において、交互にかつ互いに反対方向にずらされている。その結果、1つの放熱部材8は、ジグザグ上にずれて並んだ複数の放熱ユニット8aが連結したものとなっている。それぞれの放熱ユニット8aにおいては、複数の放熱部10が受熱部9の一部をはさんで平行に並ぶように対向している。放熱ユニット8aは側面視でコの字形となっている。
放熱部10の長さは2種類あり、長さL11と長さL12である。L11はL12よりも長い。これに対し、2つの放熱部10で挟まれた受熱部9の長さは、L2である。長さL2は、長さL11、L12よりも短い。このように、放熱部10は、受熱部9よりも長くされている。放熱部10を長くすることで放熱部10の放熱性を十分に高くすることができる。その結果、それぞれが放熱面積の大きな複数の放熱部10を高い密度で熱拡散部材5の上に設けることができる。
隣接する2つの放熱ユニット8aは、受熱部9の平面視において互いに間隔Mずつ反対方向にずらして配置されている。その結果、複数の放熱ユニット8aは、それぞれの放熱部10の表面は平行を保ちつつも、受熱部9の平面視においてジグザグ上にずれている。なお、図4(c)に示す破線Pは、平面視における放熱部材8の外郭線Pである。外郭線Pは、平面視における放熱部材8の長手方向寸法線と短手方向寸法線とからなる長方形の線である。
隣接する放熱部10をずらす間隔Mは、好ましくは5mm以上とする。これにより、放熱部材8を熱拡散部材5に取付ける工程において、スポット溶接やカシメをおこなう治具を放熱部10間の隙間から挿入して受熱部9を熱拡散部材5に固定する加工を容易にすることができ、組立て性を高めることができる。放熱部10はアルマイト処理(素材がアルミニウム合金の場合)や放射率を高める塗装等の放射率を高める手段を講じて冷却効率を高めてもよい。
図5は、放熱部材8の展開図である。放熱部材8は長方形の1枚の板材をプレス加工等で成形することで製造される。これにより高い歩留まりかつ低コストで放熱部材8を製造することができる。図5に示すように、1枚の板材の一辺には、3つの切り目30が板材の中央に向かって途中まで設けられている。この1枚の板材の他辺には、3つの切り目31が板材の中央に向かって途中まで設けられている。
図5には、プレス加工時における折り目32、33も図示している。折り目32、33から板材の端部までの距離は、長さL11と長さL12とで交互に設定されている。切り目31、32の数に応じて放熱部10の数が決まり、折り目32、33の位置に応じて各放熱部の長さ寸法L11、L12が決まる。切り目30側の折り目32は、ジグザグにずらして設けられている。切り目31側の折り目33は、折り目32と所定間隔を置いて平行に並べられており、折り目32と同じくジグザグにずらして設けられている。折り目32および折り目33で図5に示す1枚の板材にプレス加工等を施すことで、2つの放熱部10を向かい合わせに起こす。
図6は、照明装置1をその中心軸に沿って切断した断面図を示す。互いに隣接する二つの防汚部材4e、4dを比較すると、上方の防汚部材4eの縁が下方の防汚部材4dの通気開口11dの外周よりも、外側に突出している。その結果、図6に示すように、防汚部材4d、4eの間に、重なり4fが設けられている。
重なり4fがあることで、防汚部材4eの上方から落下してくる塵埃が、防汚部材4dの通気開口11dに入ることを抑制でき、その塵埃が筐体2内の放熱部材8へ付着するのを抑制することができる。その結果、経年変化による冷却効率低下を軽減することができる。この関係は、防汚部材4a〜4eのうち互いに隣接する二つの間で成り立っている。
図7〜11は、照明装置1をその高さ方向の異なる位置でスライスした断面を見下ろした断面図である。図7〜11の断面A1〜E1は、図6に示した断面A1〜E1が指し示す位置とそれぞれ対応している。図12は、照明装置1の上面図である。
図7は、図6の「断面A1」を示しており、防汚部材4aの直下において照明装置1をスライスし、下方に見下ろした断面図である。便宜上、放熱部材8および熱拡散部材5を透視して、破線で発光手段13を図示している。受熱部9と発光手段13は、熱拡散部材5を挟んで平面視で少なくとも一部が重なるように配置されている。このようにすることで熱の伝達する距離を短くすることができ、熱抵抗を軽減できる。
発光手段13の発熱は、熱拡散部材5の熱伝導により熱拡散部材5の外周側および中央側に伝わり、熱拡散部材5の上方の受熱部9に伝わって放熱部10にて放熱される。これにより発光手段13が冷却されるようになっている。熱拡散部材5の中央側は放熱部材8が密集するので放熱部10の密度が高くなり、冷却効率が低下する傾向にある。しかし、隣り合う放熱部材8の間を仕切るように、通気開口11gが熱拡散部材5の外周側から中央側にかけて開口している。通気開口11gの端部は、最も熱拡散部材5の中央側に位置する放熱部10の中央側端部まで伸びている。このため、熱拡散部材5の最も中央側の放熱部10と当たるように冷却風が十分に供給される。これにより、熱拡散部材5の中央側においても放熱部10が放熱に寄与し、冷却効率の低下を抑制している。
図7に示すように、通気開口11gの縁と放熱部10の表面は、段差無く揃っている。ここでいう「段差無く」とは、熱拡散部材5における通気開口11gが設けられた部分の内周面と、放熱部10の外側表面とが、段差無くフラットな状態で揃っていることを意味している。いわゆる面一という状態である。
特に、本実施の形態では、放熱部材8の短手方向寸法と、熱拡散部材5における放熱部材8の搭載面の幅とを、同じ幅Wに設計している。従って、放熱部材8の両脇において、通気開口11gの縁と放熱部10の外側表面とが段差無く揃っている。その結果、放熱部10の上昇気流に伴い通気開口11gから流入する冷却風が放熱部10の外側面に接触しやすくなるので、冷却効率を高めることができる。また、間隔Mだけずらして設けられた複数の放熱部10の隙間に冷却風が流入しやすくなり、放熱部10の内側面の冷却効率も高めることができる。
図8は、図6における「断面B1」で照明装置1をスライスし、図6の紙面下方に向かって見下ろした図である。図8には、複数の防汚部材4a〜4dのうち、熱拡散部材5に最も近い防汚部材4aが図示されている。図8に示すように、防汚部材4aの中心から放射状に複数の通気開口11aが設けられている。それぞれの通気開口11aは、放熱部材8の上方において放熱部材8の外郭線Pをなぞるように設けられ、放熱部材8の外郭線Pより一回り大きくなるように設けられている。ただし、防汚部材4aの中央側の2つの角のうち一方に切欠段部11acが設けられている。このように通気開口11aを設けることで、放熱部材8から上昇する冷却風を少ない通気抵抗で通過させることができる。また、冷却風が円滑に上昇することで、放熱部10の両外側から流入する冷却風が、さらに放熱部10の内側に向かうようにスムーズに流れる。このような気流を形成することで、対向する放熱部10の間へ冷却風を誘引し、放熱部10の内側面の冷却効率を高めることができる。
より好ましくは、熱拡散部材5の通気開口11gの外側端部よりも内側に、防汚部材4aの通気開口11aの外側端部を設ける。このようにすることで、筐体2の外周側から中央側へ向かうように流れる冷却風の流れを形成し、熱拡散部材5の中央側に配置された放熱部10の冷却効率を高めることができる。
図9〜11は、それぞれ図6における「断面C1」「断面D1」又は「断面E1」で照明装置1をスライスし、図6の紙面下方に向かって見下ろした図である。図9には、防汚部材4b、通気開口11b、支持部12b、および、通気開口11bの下方側の放熱部材8が図示されている。図10には、防汚部材4c、通気開口11c、支持部12c、および、通気開口11cの下方側の放熱部材8が図示されている。図11には、防汚部材4d、通気開口11d、支持部12d、および、通気開口11dの下方側の放熱部材8が図示されている。
図6および図9を対比するとわかるように、断面C1において通気開口11aの外側端部よりも通気開口11bの外側端部のほうが、照明装置1の中央側に位置している。ここでいう「通気開口11aの外側端部」は、それぞれの通気開口11aの縁のうち防汚部材4aの最も外周側の端部をいうものとする。同様に、「通気開口11bの外側端部」は、それぞれの通気開口11bの縁のうち防汚部材4bの最も外周側の端部をいうものとする。このようにすることで、防汚部材4bの外周側下面が、その直下の通気開口11aの外側の一部に被さる。これにより、図6に示すように、放熱部材8からの上昇気流F1を、防汚部材4aと防汚部材4bとの間の通風隙間15へと導くことができる。
同様に、図6および図10、11を対比するとわかるように、断面D1、E1それぞれにおいて、通気開口11b〜11dのうち相対的に下側の通気開口の外側端部よりも、通気開口11b〜11dのうち相対的に上側の通気開口の外側端部のほうが、照明装置1の中央側に位置している。こうすることで、防汚部材4c、4dそれぞれの下面が、その直下の通気開口11b、11cの外側の一部に被さる。その結果、図6に示すように、放熱部材8からの上昇気流F2〜F4それぞれが、防汚部材4b〜4eの間に設けた通風隙間15それぞれへと導かれる。
このようにすることで、熱拡散部材5及び放熱部材8からの冷却に伴う上昇気流F1〜F4を、防汚部材4a〜4eの間に設けた通風隙間15に導くことができる。本実施の形態にかかる通風隙間15は、図6における断面B1〜E1の高さ位置にそれぞれ設けられた合計4つの環状の隙間である。このように多段に設けられた環状の通風隙間15により、筐体2内部の排気を複数の環状の開口に分割して流すことができる。
また、例えば図2の上方斜視図からわかるように、通風隙間15は、照明装置1の外周側から中央側に向かって直径の異なる複数の環状の開口を形成している。熱拡散部材5の外周側に位置する放熱部10で発生する上昇気流F1のみならず、熱拡散部材5の中心付近に位置する放熱部10で発生する上昇気流F4についても、少ない圧力損失で筐体2の外へと排出される。その結果、発光手段13の冷却効率が高められている。
次に、照明装置1の動作及び冷却作用について説明する。照明装置1においては、発光手段13に電力が供給されると発光部14が発光するとともに、光に変換されなかった電力は熱となり発光手段13の温度が上昇する。発光手段13の発光効率の向上と動作寿命を向上するためには、発光手段13に対する冷却が必要となる。
発光手段13の発熱は、熱拡散部材5に伝わる。熱拡散部材5の内部で熱伝導が起きることにより、熱拡散部材5と発光手段13とが接する部位から離れた場所まで熱が伝達し、熱拡散部材5の全体の温度が上昇する。
熱拡散部材5の全体へと伝わった熱は、受熱部9が受け取る。受熱部9が受け取った熱は、熱伝導により受熱部9から放熱部10へと伝わり、放熱部10の温度が上昇する。放熱部10に伝わった熱は、放熱部10の表面より自然対流による熱伝達で周囲の空気に伝わるとともに、放射により周囲に伝熱される。
放熱部材8の温度上昇による自然対流で生じる冷却風は、通気開口11gより筐体2内に流入して、放熱部10の外側面と接触する。さらに、この冷却風は、放熱部10の間の隙間より、放熱部10の内側面にも流入して、内側面と接触しながら受熱して放熱部10を冷却する。上方の防汚部材4aの通気開口11aを通過して、防汚部材4b〜4eの間の通風隙間15より筐体2外へ流出する。このような流れで、発光手段13の発熱が、筐体2外へ放熱される。
なお、上述した図7に示す断面A1の構成を、図13〜15に示す変形例と置換しても良い。図13〜15は、実施の形態1の変形例にかかる照明装置51を示す図である。図13は照明装置51の下方斜視図であり、図14は照明装置51の下面図である。照明装置51は、熱拡散部材55および反射体56を備えている。図15に示すように、熱拡散部材55は、通気開口11gと同様に、複数の通気開口61を備えている。通気開口61は、平面視において、放熱部材8の外郭線Pよりも内側に凹む切欠部61aおよび切欠部61bを有している。
放熱部材8は、上述したように放熱ユニット8aがジグザグに設けられていることから、外郭線Pに接する放熱部10と、外郭線Pよりも内側に位置する放熱部10とを備えている。照明装置51では切欠部61aおよび切欠部61bが設けられているので、外郭線Pより内側に位置する放熱部10の外側面が、通気開口61の縁と近接するか或いは段差無く揃うこととなる。これにより放熱部10が冷却風と接しやすくなり、冷却効率が高まる。さらに、2つの放熱部10の間の隙間と通気開口61がより近接することで、放熱部10の間の隙間への冷却風の流入がより容易となる。その結果、放熱部10の内側面の冷却効率が高まり、発光手段13を低温化でき発光効率が高まる。さらに、同一の冷却効率を得る観点からは本変形例のほうが冷却効率が高いので、実施の形態1と比較して放熱部10の面積を小さくしてもよくなる。その結果、照明装置51は、照明装置1よりも低コストで軽量とすることができる。
以上説明した実施の形態1によれば、照明装置1は、発光手段13と、放熱部材8と、熱拡散部材5を備えている。放熱部材8は、一枚の板材の一辺から板材の中央に向かう切り目、およびこの一辺とは反対の他辺から板材の中央に向かう切り目を設け、側面視でコの字形状となるように板材の中央に向けて一辺の側および他辺の側をそれぞれ起こしたものである。放熱部材8は、互いに対向する複数の放熱部10および複数の放熱部10の端部それぞれに接続する受熱部9を備えている。熱拡散部材5は、一方の面およびこの一方の面の反対の他方の面を有し、一方の面に発光手段13が取り付けられ、他方の面に受熱部9が取り付けられている。
このような構成によれば、放熱部材8を一枚の金属板から高い歩留まりで製造できる。また、放熱部材8の軽量化および低コスト化が可能である。また、単純な形状とすることで受熱部9の平面度が高まり、受熱部9と熱拡散部材5との間の伝熱が良好となり、熱抵抗を小さくでき、冷却効率が向上する。また、熱拡散部材5内の熱伝導により発光手段13からの熱が熱拡散部材5の全体に拡散され、放熱部材8全体を冷却に寄与させることができ、冷却効率が高まる。複数の放熱部10の間の隙間は、冷却風の流入路として機能し、放熱部10の両面が冷却に寄与することで冷却効率が高まる。また、放熱部材8の数と配置の少なくとも一方を容易に調整できる。従って発光手段13の搭載個数と配置の少なくとも一方について自由度が高く、適切な光束クラス、表面発光強度分布、および良好な意匠を得ることができる。
放熱部材8は、複数の放熱ユニット8aを備えている。放熱ユニット8aは、向かい合う2つの放熱部10とこの2つの放熱部10で挟まれた受熱部9の一部とで構成されている。複数の放熱ユニット8aは、受熱部9の平面視においてジグザグ上にずれて設けられている。間隔Mだけジグザグに位置をずらして放熱部10を配置することで隙間が生ずるので、長手方向全体でみたときの放熱部10間への冷却風の流入がより容易となる。その結果、冷却風が流入しにくく冷却効率が低下しやすい中間部においても、放熱部10の内面側に十分に冷却風を供給でき、冷却効率を高めることができる。
特に、放熱部材8では、それぞれの放熱部10の平面は平行を保ちつつ、複数の放熱ユニット8aは、受熱部9の平面視においてジグザグ上にずれて設けられている。従って、受熱部9の鉛直上方に向かって垂直に複数の放熱部10が伸び、受熱部9の鉛直上方に空気が円滑に流れる。
実施の形態1では、隣接する放熱部10間の間隔Mは、好ましくは5mm以上とされる。これにより、放熱部材8を熱拡散部材5へ取付加工するための治具の挿入が容易である。その結果、組立性が向上して組立コストを低減することができる。なお、本実施の形態では間隔Mを5mm以上としたが、本発明はこれに限られない。取付をおこなう箇所付近の放熱部10を削除してもよい。この場合には、片側だけ放熱部10が設けられた受熱部9の一部、あるいは放熱部10が設けられていない受熱部9の一部が生じる。このように放熱部10を間引くことで作業性を高めてもよい。
熱拡散部材5には、その中心から通気開口11gが放射状に形成されている。この通気開口11gは、隣り合う2つの放熱部材8の間に通風可能な開口である。このような通気開口11gを設けたことから、放熱部材8下方からの冷却風を筐体2内に流入することができる。自然対流により上昇する気流と同一方向に冷却風が流入することで流れを阻害することや、冷却後の温度が上昇した空気が再度冷却風として流入することを防ぐことができ、効率良く冷却風を取り込んで流入温度を低くできるとともに、冷却風量が増え冷却効率も高まる。
また、熱拡散部材5の中心からみた径方向に沿う通気開口11gの長さ寸法は、放熱部材8の長手方向寸法と同じである。このため、熱拡散部材5の中央側から外周側まで並ぶ複数の放熱部10に、通気開口11gからの冷却風が満遍なく供給される。その結果、冷却効率を高めることができる。なお、熱拡散部材5の中心からみた径方向に沿う通気開口11gの長さ寸法を、放熱部材8の長手方向寸法よりも大きくしてもよい。
また、実施の形態1によれば、図7に示すように通気開口11gの縁と放熱部10の表面とが段差無く揃っているので、放熱部10と通気開口11gとが近接している。これにより通気開口11gから流入した冷却風が放熱部10に直ぐに接触する。よって放熱部10の外側面の冷却効率を高めるとともに、放熱部10間の隙間への冷却風の流入も容易となり、放熱部10の内側面の冷却効率を高めることができる。なお、実施の形態では、放熱部材8の両脇において、それぞれ2つの放熱部10が通気開口11gの縁と段差無く揃っている。しかしながら本発明はこれに限られるものではない。少なくとも1つの放熱部10の表面が通気開口11gの縁と段差無く揃うようにすれば、その少なくとも1つの放熱部10については通気開口11gからの冷却風を直に接触させることができる。
また、図13〜15の変形例に示したように、熱拡散部材55の平面視において、放熱部材8の外郭線Pよりも内側に凹む切欠部61aおよび切欠部61bを有する通気開口61を設けてもよい。この変形例によれば、外郭線Pより内側に位置する放熱部10の外側面に風が当たりやすくなり、冷却効率が高まる。これとともに、通気開口61の縁が放熱部10の間の隙間とも近接することになり、向かい合う放熱部10の間への冷却風の流入が更に容易となり、放熱部10の内側面の冷却効率を高めることもできる。
また、本実施の形態では、発光手段13側を覆うように熱拡散部材5に透光体7および反射体6を重ねたときに、透光体7および反射体6が通気開口11gにはみ出さず、かつ熱拡散部材5の一部が露出するように透光体7および反射体6を熱拡散部材5よりも小さくした。これにより、筐体2への冷却風の流入を阻害せず、冷却効率を高めることができる。これとともに、通気開口11gから流入する冷却風が熱拡散部材5の露出した部分に接触することで、熱拡散部材5が放熱フィンとして機能する。これにより冷却効率を高めることができる。
また、照明装置1は防汚部材4a〜4eを備え、最も下方の防汚部材4aは熱拡散部材5とともに放熱部材8を挟む。防汚部材4a〜4eは互いの間に通風可能な通風隙間15を備えており、この通風隙間15が複数配置される。防汚部材4a〜4dの面内に通風可能な通気開口11a〜11dが設けられている。防汚部材4bの外周側が、その直下の通気開口11aの外側の一部に被さる。同様に、防汚部材4c、4dそれぞれの外周側が、その直下の通気開口11b、11cの外側の一部に被さる。このようにすることで、熱拡散部材5及び放熱部材8からの冷却に伴う上昇気流F1〜F4を、防汚部材4a〜4eの間に設けた通風隙間15に導くことができる。本実施の形態にかかる通風隙間15は、図6における断面B1〜E1の高さ位置にそれぞれ設けられた合計4つの環状の隙間である。このように多段に設けられた環状の通風隙間15に、筐体2内部の排気を分割して流すことができる。
互いに隣接する二つの防汚部材4e、4dを比較すると、上方の防汚部材4eの縁が下方の防汚部材4dの通気開口11dの外周よりも、外側に突出している。その結果、図6に示すように、防汚部材4d、4eの間に、重なり4fが設けられている。この関係は、防汚部材4a〜4eのうち互いに隣接する二つの間で成り立っている。
重なり4fがあることで、防汚部材4eの上方から落下してくる塵埃が、防汚部材4dの通気開口11dに入ることを抑制でき、その塵埃が筐体2内の放熱部材8へ付着するのを抑制することができる。その結果、経年変化による冷却効率低下を軽減することができ、長期的に安定した性能が得られ照明装置1の製品寿命を長くすることができる。
防汚部材4b〜4dの支持部12b〜12dは、熱拡散部材5の平面視において、防汚部材4aの支持部12aの上に重なるように設けられている。よって、支持部12b〜12dは、熱拡散部材5の平面視において、通気開口11aには重ならない。これにより、放熱部材8からの自然対流による冷却風の流れおよび複数の防汚部材4a〜4dを通過する排気の流れが妨げられず、少ない圧力損失で筐体2外への排気を行うことができる。よって、冷却効率を高めることができる。
発光手段13は、チップ・オン・ボードタイプ(COB)のLED光源である。熱拡散部材5をはさんで放熱部材8と発光手段13を近接して配置することができる。また、発熱体である発光手段13を熱拡散部材5に分散配置することで、筐体2内で冷却風の流れを分散させて圧力損失を低下させ、冷却風量を増し、冷却効率を高めることができる。また、発光手段13の搭載個数および配置の自由度が高く、適切な光束クラス、表面発光強度分布、および良好な意匠を得ることができる。
実施の形態2.
図16〜26を用いて、実施の形態2にかかる照明装置101を説明する。以下の説明では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。図16は、本発明の実施の形態2にかかる照明装置101の下方斜視図である。図16からわかるように、照明装置101は照明装置1と異なる熱拡散部材105および反射体106を備えている。熱拡散部材105が、中心から外周に向かって放射状に設けられた6つの通気開口111gに加えて、中央に通気開口111hを備えている。反射体106も、中央に通気開口111iを備えている。
図17は、実施の形態2にかかる照明装置101全体を示す上方斜視図である。防汚部材104は、熱拡散部材105の側の端部から上方端部に向かって徐々に径が小さくなる傾斜曲面を備えている。傾斜曲面の防汚部材104には通風可能な換気口117が設けられ、換気口117は庇部118に覆われている。庇部118により、防汚部材104の上方からの換気口117への塵埃の侵入を抑制している。
図18は、実施の形態2にかかる照明装置101の分解斜視図である。実施の形態2においては、熱拡散部材105に6個の発光手段13が取り付けられる。複数の発光手段13は、熱拡散部材105の中心から放射状かつ等間隔に設けられている。複数の発光手段13は、熱拡散部材105の中心まわりに等角度ずつ回転させて配置されている。これにより、良好な配光を得られるようになっている。また、熱拡散部材105の中央側に寄せて、筐体2の側面からは一定距離だけ離している。これにより、筐体2の周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。
発光手段13には、実施の形態1と同様にCOB光源が用いられている。照明装置101は、6個の発光手段13を備え、それぞれの発光手段13の冷却を担う放熱部材108を設けている。従って合計で6個の放熱部材108を備えている。しかしながら本発明はこれに限られない。発光手段13と放熱部材108以外は同じ構成で、発光手段13と放熱部材108を各3個として1個置きに間引いて放射状に配置してもよい。このようにすることで比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、約半分の光束クラスの照明装置を構成してもよい。あるいは、発光手段13と放熱部材108を各2個としてI字状に配置してもよい。これにより比較的均等な表面発光強度分布を得ながら約1/3の光束クラスの照明装置を構成することができる。このように、実施の形態2によれば、部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき、照明装置を低コスト化できる。
図19は、放熱部材108の三面図と斜視図を示す。図19(a)は放熱部材108の上方斜視図であり、図19(b)〜(d)は放熱部材108の三面図である。放熱部材108は、実施の形態1の放熱部材8と同様に、熱伝導良好なアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。複数の放熱部110は受熱部109の両脇に平行に並び、受熱部109を挟んで対向している。放熱部材108は、コの字形の放熱ユニット108aに区分することができる。コの字形の放熱ユニット108aは、受熱部109を介して複数個連なっている。
隣接する放熱ユニット108aは、次のようにして連結している。すなわち、1つの放熱ユニット108aが有する互いに対向する放熱部110の中央線CHを基準にして、一方向に他の放熱ユニット108aが間隔N2ずつ平行にずれている。同様に、更に他の放熱ユニット108aが、同じ方向に平行にずれている。
図19(b)に示す破線Pは、平面視における放熱部材108の外郭線Pである。外郭線Pは、平面視における放熱部材108の長手方向寸法線と短手方向寸法線とからなる長方形の線である。図19(b)は、受熱部109の平面視である。図19(b)からわかるように、外郭線Pと放熱部110それぞれの表面は平行とはならない。放熱部110それぞれの表面は、図19(b)の平面視で左回りに傾いている。
放熱部材108を実施の形態1の放熱部材8と比較すると、図19(b)の上面視において、実施の形態1においては放熱部10の間の隙間が少ない。長手方向の一側面から隣り合う放熱部材8の間へ冷却風が流れるには放熱部10を迂回して蛇行しながら冷風が流れる必要がある。これに対し、実施の形態2の放熱部材108においては、放熱部110が傾斜して配置されるため、直線的に冷却風が流入可能な通風路が形成される。これにより、対向する放熱部110の間への冷却風流入が容易となり、放熱部110の内側の冷却効率をより高めることができる。また、全ての放熱部110が外郭線Pと交わり、周囲の冷却風との接触が均一化される。このため、複数の放熱部110の冷却環境が均一化される。その結果、突出して冷却効率の低い放熱部110が発生することを抑制でき、冷却効率が高まる。
図19(b)のように放熱部材108を平面視したときに、長手方向中央線CLに対して、それぞれの放熱部110が45度ずつ回転している。図19(c)の正面視および図19(d)にある側面視でこれを比較してみる。そうすると、1つの放熱部110が、図19(c)のように正面から見ても、図19(d)のように側面から見ても、ともに45度だけ紙面奥行き方向に回転している。従って、正面視でみた放熱部110それぞれの幅W2と、正面視でみた放熱部110それぞれの幅W3が、同じとなる。正面視および側面視において放熱部110の高さは同じなので、正面視および側面視において1つ1つの放熱部110の投影面積が等しくなる。その結果、1つの放熱部110単位でみたときに、正面視方向および側面視方向どちらの方向から流入する冷却風に対しても、等しく熱伝達がおこなわれる。放熱部材108はこのような特徴を有しているので、配置に方向性の制約が少なく実装レイアウトの自由度が高まり、意匠性および配光特性を高める効果がある。
図19(b)に示すように、複数の放熱部110は、間隔N1、N2、N3を置いて並んでいる。説明の便宜上、図19(b)に示すように複数の放熱部110のうち特定の1つを放熱部110aと称する。図19(b)において、放熱部110aを基準に他の放熱部110の位置関係を説明する。先ず、中央線CH上に間隔N3をはさんで放熱部110aと他の放熱部110bが平行に配置されている。また、放熱部110aから見て、一段ずれたうえで、間隔N1を置いて更に他の放熱部110cが位置している。さらに、放熱部110cの反対側にも、一段ずれたうえで、間隔N2を置いて更に他の放熱部110dが位置している。このような配置関係により、図19(b)の紙面上下左右方向、すなわち図19(b)に併記したXY直交座標のX軸方向およびY軸方向に見て、それぞれの放熱部110が等間隔で整列する。このようにすることで、複数の放熱部110での冷却がより均一になされる。その結果、放熱部材108の冷却効率を高めることができる。
また、放熱部材108の外郭線Pが長方形なので、熱拡散部材105或いは他の熱拡散部材上における実装レイアウトの自由度が高まる。このため、複数の放熱部材108を簡単に所望の密度で配置することが容易となる。その結果、必要な冷却効率を満たすのが容易になるとともに、意匠性および配光特性を高めることができる。
図20は、放熱部材108の展開図を示す。放熱部材108は、その外形が略平行四辺形の1枚の板材をプレス加工等することで製造される。これにより、高い歩留まりかつ低コストで放熱部材108を製造することができる。切り目および折り目については特に符号を付さないが、実施の形態1において図5で説明したのと同様に、切り目の数に応じて放熱部の数が決まり、折り目の位置に応じて各放熱部の長さ寸法が決まる。
図21は照明装置101の中央側面断面図を示す。換気口117は、防汚部材104の外周側から中央部にかけて等間隔で複数配置されている。防汚部材104の外周側から中央部までの複数の位置に換気口117を設けることで、外周側のみではなく中央部まで冷却風の排気風路を確保することができる。その結果、全ての放熱部110が冷却に寄与できるようにして、冷却効率を高めている。
図22は照明装置101の上面図を示す。図22には、破線により紙面奥側に位置する複数の放熱部材108を図示している。防汚部材104の上面視で、換気口117それぞれは、少なくとも1つの放熱部110と重なるように配置されている。これにより、放熱部110から上昇する冷却風をスムーズに排気でき、冷却効率を高めることができる。
図23は照明装置101を図21の断面A2の位置でスライスした上面断面図を示す。図23に示す仮想円Qは、熱拡散部材105と中心を共通とする円を仮想的に描いたものである。熱拡散部材105の受熱部109を配置する面を見下ろした平面視において、複数の放熱部材108が熱拡散部材105の中心に向かってねじれるように配置されている。すなわち、6つの放熱部材108それぞれの長手方向中央線CLは、仮想円Qに接するように、等しい角度を置いて、熱拡散部材105の面内で交差している。具体的には、実施の形態2では、60度間隔で6個の長手方向中央線CLが並ぶように、6つの放熱部材108を配置している。このような配置によれば、実施の形態1のように熱拡散部材5の中心から放射状に放熱部材8を配置する場合と比べて、放熱部材108の長手方向寸法を大きくすることができる。その結果、放熱部材108それぞれが高い冷却効率を備えることができる。なお、本実施の形態では仮想円Qは熱拡散部材105と中心を共通としており、熱拡散部材105の中心から対称に放熱部材108が延びている。しかしながら、本発明は必ずしもこれに限られない。熱拡散部材105の面内における中心以外のいずれかの箇所に仮想円の中心を設定してもよい。
実施の形態2においては、それぞれの通気開口111gの縁と放熱部材108の外郭線Pの長辺とが重なるように、放熱部材108の外郭線Pの2つの長辺に沿って通気開口111gの縁が設けられている。これにより、放熱部110と通気開口111gを近接させ、冷却効率を高めている。しかし、本発明はこれに限られない。
図24〜26は、実施の形態2の変形例にかかる照明装置151を示す図である。図24は照明装置151の下方斜視図であり、図25は照明装置151の下面図である。図26は、図21の断面A2位置に相当する位置で照明装置151をスライスした上面断面図である。照明装置151は、熱拡散部材155および反射体156を備えている。図25に示すように、熱拡散部材155の平面視において、放熱部材108の外郭線Pよりも内側に凹む切欠部161a〜161dを有する通気開口161を設けてもよい。これにより、外郭線Pより内側に配置される放熱部110の外側面の冷却効率が高まるとともに、複数の放熱部110の間と通気開口161がより近接する。これにより冷却風の流入がより容易となり、放熱部110の内側面の冷却効率が高まり、発光手段13の発光効率が高まる。また、同じ冷却効率を実現するために必要な放熱部110の面積を小さくでき、より低コストで軽量な照明装置151を得ることができる。
以上説明した実施の形態2にかかる照明装置101、151によれば、放熱部材108は複数の放熱ユニット108aを備え、1つの放熱ユニット108aが有する互いに対向する放熱部110の中央線CHを基準にして、一方向に向かって他の複数の放熱ユニット108aが間隔N2ずつ平行にずれている。これにより、側面からの冷却風の通気性が高まるとともに、平面視した放熱部材108の外郭線Pが全ての放熱部110と交差することで、周囲の冷却風による冷却が概ね均等になる。これにより冷却効率が高まる。
放熱部材108は、図19(b)のように受熱部109の平面視で、長手方向中央線CLに対して、それぞれの放熱部110が45度ずつ傾けられている。これにより配置に方向性の制約が少なく実装レイアウトの自由度が高まり、意匠性および配光特性を高める効果がある。
図19(b)の紙面上下左右方向、すなわち図19(b)に併記したXY直交座標のX軸方向およびY軸方向に見て、それぞれの放熱部110が等間隔で整列する。このようにすることで、複数の放熱部110での冷却がより均一になされる。
熱拡散部材105は、その中心を囲むように放射状に配置された2個の放熱部材108の間にそれぞれ設けられた複数の通気開口111gに加え、熱拡散部材105の中央部にも通気開口111hを備えている。仮に熱拡散部材105の中央部が塞がっていると、冷却風が流入しにくく熱がこもり冷却効率が低下し易い。本実施の形態によれば、通気開口111hにより、中央部に冷却風が供給され冷却効率が高まる。
図23に示すように、6つの放熱部材108それぞれの長手方向中央線CLは、熱拡散部材105と中心を共通とする仮想円Qに接するように、等しい角度を置いて、熱拡散部材105の面内で交差している。具体的には、実施の形態2では、60度間隔で6個の長手方向中央線CLが並ぶように、6つの放熱部材108を配置している。このような配置によれば、実施の形態1のように熱拡散部材5の中心から放射状に放熱部材8を配置する場合と比べて、放熱部材108の長手方向寸法を大きくすることができる。その結果、放熱部材108それぞれが高い冷却効率を備えることができる。
照明装置101が防汚部材104を備え、防汚部材104は放熱部材108を熱拡散部材105とともに挟む。防汚部材104は、熱拡散部材105の側の端部から上方端部に向かって徐々に径が小さくなる傾斜曲面を備えている。この傾斜曲面には、通風可能な換気口117が設けられるとともに、換気口117に庇部118が設けられている。これにより、防汚部材104の外周側から中心部にわたり冷却風の排気風路が設けられ、冷却効率が高まる。さらに、塵埃が筐体2の内部に侵入することを庇部118が防ぐことで、高い信頼性および長い製品寿命を得ることができる。
防汚部材104を上面視したとき、換気口117それぞれは、少なくとも1つの放熱部110と重なるように配置されている。これにより、冷却風の排気がスムーズになされ、冷却効率を高めることができる。
図22のごとく防汚部材104を上面視した場合に、複数の換気口117は、複数の通気開口111gの外側端部よりも熱拡散部材105の中央側に位置するように設けられている。これにより、熱拡散部材105の外側から中央側に向かう冷却風の流れが形成され、熱拡散部材105の中央側に位置する放熱部110に冷却風が接触しやすくなり、冷却効率が高まる。
実施の形態3.
図27〜35は、本発明の実施の形態3にかかる照明装置201を示す図である。以下、実施の形態1、2とは異なる部分を中心に、照明装置201を説明する。
図27は、本発明の実施の形態3にかかる照明装置201を示す下方斜視図である。図28は照明装置201を示す上方斜視図である。照明装置201は、防汚部材204を備えている。防汚部材204は、複数の防汚部材204a〜204fが隙間を置いて重ねられたものである。複数の防汚部材204a〜204fは互いに直径の異なる略円盤状の部材であり、通風可能な通風隙間15を開けつつ筐体2の一端に重ねて配置されている。また、複数の防汚部材204a〜204fは、その最上部に配置される防汚部材204fを除き、中央側に通気開口211a〜211eを備えている。通気開口211a〜211eと通風隙間15を介して、照明装置201の上方において、筐体2の内部と筐体2の外部とが通風可能に連通される。
防汚部材204と防汚部材4を比較すると、支持部12a〜12dと支持部212a〜212eの形状が互いに異なり、通気開口11a〜11dと通気開口211a〜211eとの形状が互いに異なっている。通気開口211aは、図35に示すように、放熱部材208の並びと同じく十字状に並ぶ長方形の開口である。通気開口211b〜211eは、その内角が90度の扇形である。防汚部材204における冷却風の流れおよび排気に関する動作および効果は、実施の形態1の防汚部材4とほぼ同様である。
図29は、実施の形態3にかかる照明装置201の分解斜視図である。照明装置201では、5つの発光手段13が十字状に並べられて熱拡散部材205に接続されている。四隅の発光手段13の中央にも発光手段13が設けられているので、配光性を高めることができる。
発光手段13は、熱拡散部材205の中央側に寄せて筐体2の側端面から離して配置されている。よって筐体2周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。なお、発光手段13には実施の形態1、2と同様にCOB光源が用いられている。
実施の形態3にかかる照明装置201は、5個の発光手段13を備え、4つの放熱部材208を備えている。しかしながら、発光手段13と放熱部材208以外は同じ構成で、例えば発光手段13を3個とし放熱部材208を2個としてI字状に並べてもよい。このようにすることで比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置201と比較して約3/5の光束クラスの照明装置を構成することができる。あるいは、発光手段13と放熱部材208を各2個として、熱拡散部材205の中心を除いてI字状に配置してもよい。このようにすることで、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置201と比較して約2/5の光束クラスの照明装置を構成することができる。また、発光手段13を中心に1個配置して、2個の放熱部材208をI字状に配置してもよい。これにより、照明装置201と比較して約1/5の光束クラスの照明装置を構成することができる。このように、部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき照明装置を低コスト化できる。
図30は、放熱部材208の三面図と斜視図を示す。図30(a)は放熱部材208の上方斜視図であり、図30(b)〜(d)は放熱部材208の三面図である。放熱部材208は良好な熱伝導性を有する材料、具体的にはアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。放熱部材208は、複数の放熱部210および受熱部209を備えている。放熱部材208は、放熱部材108とほぼ同じ構造を備えている。
図31は、放熱部材208の展開図を示す。放熱部材208は、その外形がほぼ平行四辺形である1枚の板材をプレス加工等することで製造することができる。このため、高い歩留まりかつ低コストで製造することができる。切り目および折り目については特に符号を付さないが、実施の形態1において図5で説明したのと同様に、切り目の数に応じて放熱部の数が決まり、折り目の位置に応じて各放熱部の長さ寸法が決まる。なお、放熱部210の先端を、図31の一点鎖線P3に示すように斜めにカットして平行四辺形としても良い。このようにすることで、更に材料の歩留まりを高めることができるとともに、放熱面積も増加して冷却効率を高めることができる。
図32は、照明装置201をその中心軸に沿って切断した断面図である。図33〜35は、照明装置201をその高さ方向の異なる位置でスライスした断面を見下ろした断面図である。図33〜35の断面A3〜C3は、図32に示した断面A3〜C3が指し示す位置とそれぞれ対応している。
図33(a)およびその中心を拡大した図33(b)に示すように、受熱部209の平面視において、放熱部材208の長手方向中央線CLは熱拡散部材205の中心点回りに等角度(本実施の形態では90度)を置いて並べられている。4つの放熱部材208は端部を互いに当接させて十字状に並び、それぞれの放熱部材208の放熱部210が近接する。四隅の発光手段13は放熱部材208の中央部付近に重なるように配置されている。中央に配置した発光手段13は複数の放熱部材208の端部と重なるように配置され、中央の発光手段13の発熱は複数の放熱部材に分散される。中央に発光手段13を配置することで配光特性を良好にするとともに器具効率を高めている。隣り合う放熱部材208の間には、中心角が90度の円弧形状をした通気開口211gが設けられている。
実施の形態3によれば、図33(b)に示すように、複数の放熱部材208それぞれの長手方向中央線CLが、熱拡散部材205と中心を共通とする仮想円Q2に接しつつ等しい角度を置いて熱拡散部材205の面内で交差している。この等しい角度は、本実施の形態では90度である。これにより、4つの放熱部材208それぞれの端にある放熱部210が十字状に近接する。中央に配置した発光手段13の発熱をこの十字状に近接する合計4つの放熱部210に伝達することができ、中央の発光手段13も良好に冷却できる。また、四隅および中央の合計5つの発光手段13を設けることで配光特性と器具効率を高めることができる。なお、仮想円Q2の中心と熱拡散部材205の中心は必ずしも一致させなくともよい。
実施の形態4.
図36〜43は、本発明の実施の形態4にかかる照明装置301を示す図である。以下、実施の形態1〜3とは異なる部分を中心に、照明装置301を説明する。
図36は、本発明の実施の形態4にかかる照明装置301を示す下方斜視図である。図37は照明装置301を示す上方斜視図である。照明装置301は、防汚部材304を備えている。防汚部材304は、互いに直径の異なる略円盤状の複数の防汚部材304a〜304eが、通風可能な通風隙間15を置きつつ、筐体2の一端に重ねられたものである。最上部に配置される防汚部材304e以外の、複数の防汚部材304a〜304dは通気開口311a〜311dを備えている。通気開口311a〜311dと通風隙間15を介して、照明装置301の上方において、筐体2の内部と筐体2の外部とが通風可能に連通される。防汚部材304における冷却風の流れおよび排気に関する動作および効果は、実施の形態1の防汚部材4とほぼ同様である。
図38は、照明装置301の分解斜視図である。照明装置301では、6個の発光手段13が熱拡散部材305の中心から放射状に等角度かつ等距離に配置されており、さらに中心に一つの発光手段13を配置している。これにより配光を良好としている。
発光手段13は、熱拡散部材305の中央側に寄せて筐体2の側面から離して配置されている。よって筐体2周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。なお、発光手段13には実施の形態1〜3と同様にCOB光源が用いられている。
実施の形態4にかかる照明装置301は、7個の発光手段13を備え、6つの放熱部材8を備えている。しかしながら、発光手段13と放熱部材308以外は同じ構成で、発光手段13を4個と放熱部材308を3個として、放射状に3個の発光手段13を配置し、中央に1個の発光手段13を配置してもよい。つまり、環状に配置される6つの発光手段13から、1個置きに発光手段13を間引いて3個に減らしてもよい。このようにすることで、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置301と比較して約4/7の光束クラスの照明装置を構成することができる。あるいは、発光手段13と放熱部材308を各3個として、放射状に配置してもよい。これにより、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置301と比較して約3/7の光束クラスの照明装置を構成することができる。このように、部品を共通化・標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき照明装置を低コスト化できる。
図39は、放熱部材308の三面図と斜視図を示す。図39(a)は放熱部材308の上方斜視図であり、図39(b)〜(d)は放熱部材308の三面図である。放熱部材308は良好な熱伝導性を有する材料、具体的にはアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。放熱部材308は、複数の放熱部310および受熱部309を備えている。放熱部材308は、放熱部材8とほぼ同じ構造を備えている。すなわち、対向する2つの放熱部310を有する複数の放熱ユニット308aが、間隔Mだけずれながらジグザグに連なっている。
放熱部材308の端部には、放熱ユニット308bも備えられている。放熱ユニット308bは1つの放熱部310aを備えており、放熱部310aは対向する放熱部310を備えていない。つまり、受熱部309を介して放熱部310aが向かい合う先には放熱部310が設けられておらず、遮蔽物無く開放されている。受熱部309は、放熱部310a側に、端面309aを備えている。端面309aは、放熱部材208の長手方向中央線CLに対して角度θで交差する直線に沿って切断されている。角度θは、本実施の形態では約60度である。
図40は、照明装置301をその中心軸に沿って切断した断面図である。図41〜43は、照明装置301をその高さ方向の異なる位置でスライスした断面を見下ろした断面図である。図41〜43の断面A4〜C4は、図40に示した断面A4〜C4が指し示す位置とそれぞれ対応している。
図41に示すように、6つの放熱部材308それぞれの長手方向中央線CLは、熱拡散部材305と中心を共通とする仮想円Qに接するように、等しい角度を置いて、熱拡散部材305の面内で交差している。この等しい角度は、本実施の形態では60度である。6つの放熱部材308それぞれの放熱部310aは、熱拡散部材305の中心を軸として60度ずつ回転しながら放射状に設けられ、かつ隣合う放熱部310aが互いに当接している。
6つの発光手段13は、熱拡散部材305の平面視で放熱部材308の少なくとも一部と重なるように配置されている。中央の発光手段13も6つの放熱部310aが当接した部分に重ねて配置されているので、その発熱は複数の放熱部材308に分散され中央の発光手段13の冷却も確保される。中央に発光手段13を配置することで配光特性を良好にするとともに器具効率が高まるという利点がある。
図44は、本発明の実施の形態4の変形例にかかる照明装置351を示す下方斜視図である。図45は、照明装置351の分解斜視図である。照明装置301はCOBを用いた発光手段13を備えている。しかしながら、本発明はこれに限られない。発光手段13を発光手段313に置換してもよい。発光手段313は、平板状の回路配線基板319に複数のLED光源314が実装されたLED光源基板である。発光手段313には、環状の反射体6および円盤状の透光体307が重ねて取り付けられる。これらの点以外は、照明装置351は照明装置301と同じである。安価なLED光源314を回路配線基板319に多数実装した発光手段313を用いることで、低コストかつ配光特性の良好な照明装置351を得ることができる。
実施の形態4によれば、複数の放熱部材308が熱拡散部材305の表面に放射状に配置され、その放射状の中央側にそれぞれの放熱部材308の放熱ユニット308bが位置するように放熱部材308を配置している。放射状に並んだ放熱部材308の中心、すなわち熱拡散部材305の中心に、発光手段13が配置されている。上述したように、配光特性と器具効率を高めるとともに、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、部品を共通化および標準化して複数の光束クラスの照明装置のラインアップを低コスト化する効果がある。また、変形例にかかる照明装置351は、安価なLED光源314を複数設けた回路配線基板319を発光手段313に用いており、低コスト化が可能である。
実施の形態5.
図46〜51は、本発明の実施の形態5にかかる照明装置401を示す図である。以下、実施の形態1〜4とは異なる部分を中心に、照明装置401を説明する。
図46は、本発明の実施の形態5にかかる照明装置401の下方斜視図である。図47は、実施の形態5にかかる照明装置401全体を示す上方斜視図である。照明装置401は、防汚部材404を備えている。防汚部材404は、熱拡散部材405の側の端部から上方端部に向かって徐々に径が小さくなる傾斜曲面を備えている。傾斜曲面の防汚部材404には通風可能な換気口417が設けられ、換気口417は庇部418で覆われている。庇部418により、防汚部材404の上方からの塵埃が換気口417へ侵入することを抑制している。防汚部材404の冷却風の流れ等の動作およびそれによる効果は、実施の形態2にかかる防汚部材104と同様である。
図48は、実施の形態5にかかる照明装置401の分解斜視図である。実施の形態5においては、熱拡散部材405に合計9個の発光手段13が取り付けられる。8個の発光手段13は、熱拡散部材405の中心から放射状かつ等間隔に設けられている。複数の発光手段13は、熱拡散部材105の中心まわりに回転させながら配置されている。また、熱拡散部材405の中央に、1個の発光手段13が配置されている。このような発光手段13の配置により、良好な配光を得られるようになっている。また、環状に並べられた8個の発光手段13は、熱拡散部材405の中央側に寄せて、筐体2の側面からは一定距離だけ離している。これにより、筐体2の周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。
発光手段13には、実施の形態1〜4と同様にCOB光源が用いられている。照明装置401は、9個の発光手段13と、8つの放熱部材408を備えている。しかしながら本発明はこれに限られない。発光手段13と放熱部材408以外は同じ構成で、発光手段13を5個とし放熱部材408を4個としてもよい。このとき、放射状に配置される8個の発光手段13から1個置きに間引いて、放射状に4個の発光手段13を配置して中央に1個の発光手段13を配置してもよい。これにより、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置401と比べて約5/9の光束クラスの照明装置を構成することができる。また、発光手段13と放熱部材8を各4個としてもよい。このとき放射状に4個の発光手段13を配置することで、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置401と比べて約4/9の光束クラスの照明装置を構成することもできる。このように、部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき、照明装置を低コスト化できる。
図49は、放熱部材408の三面図と斜視図を示す。図49(a)は放熱部材408の上方斜視図であり、図49(b)〜(d)は放熱部材408の三面図である。放熱部材408は熱伝導良好なアルミニウム合金や銅等の金属で形成され、その形状は実施の形態2にかかる放熱部材108と概ね同等である。ただし、放熱部材408では、受熱部409の長手方向端部に切欠部409aが設けられている。切欠部409aは直角の切り欠きである。
図50は、照明装置401の上面図を示す。図50には、破線により紙面奥側に位置する複数の放熱部材408を図示している。防汚部材404の上面視で、換気口417それぞれは、少なくとも1つの放熱部410と重なるように配置されている。
図51は、照明装置401から防汚部材404を取り外して上方から見下ろした図である。熱拡散部材405の中心を基点にして複数の放熱部材408が放射状に設けられている。熱拡散部材405の中心まわりに、45度間隔で、複数の放熱部材408が配置されている。それぞれの放熱部材408の切欠部409a側が、中央側に向けられている。1つの放熱部材408の切欠部409aには、他の放熱部材408の受熱部409の端部がかみ合わされている。
図51に示すように、熱拡散部材405の平面視で、外側に配置した8個の発光手段13は、放熱部材408の少なくとも一部と重なるように配置される。また、熱拡散部材405の平面視で、中央に配置した1個の発光手段13は、複数の放熱部材408の切欠部409aと部分的に重なる。このように複数の発光手段13を配置することで、その発熱は複数の放熱部材408に分散される。また、中央に発光手段13を配置することで配光特性を良好にするとともに器具効率を高めている。
図52は、本発明の実施の形態5の変形例にかかる照明装置451の下方斜視図である。図53は、照明装置451の分解図である。照明装置451は、実施の形態4の変形例にかかる照明装置351と同様に、発光手段13に代えて発光手段313を熱拡散部材405の中央に取り付けたものである。これにより、照明装置351と同様に、低コストかつ配光特性の良好な照明装置451を得ることができる。
以上説明した実施の形態5によれば、受熱部409の長手方向端部に切欠部409aを設け、熱拡散部材405の平面視において、受熱部409における切欠部409a側の端部を中央側に向けて複数の放熱部材408を放射状に配置している。また、1つの放熱部材408の切欠部409aに対して、隣接する他の放熱部材408の受熱部409をかみ合わせている。熱拡散部材405の平面視で、中央に配置した1個の発光手段13は、複数の放熱部材408の切欠部409aと部分的に重なる。その結果、中央の発光手段13にも必要な冷却ができるとともに、配光特性と器具効率を高めることができる。
実施の形態6.
図54〜61は、本発明の実施の形態6にかかる照明装置501を示す図である。以下、実施の形態1〜5とは異なる部分を中心に、照明装置501を説明する。
図54は、本発明の実施の形態6にかかる照明装置501を示す下方斜視図である。図55は照明装置501を示す上方斜視図である。照明装置501は、防汚部材504を備えている。防汚部材504は、互いに直径の異なる略円盤状の複数の防汚部材504a〜504eが、通風可能な通風隙間15を置きつつ、筐体2の一端に重ねられたものである。最上部に配置される防汚部材504e以外の、複数の防汚部材504a〜504dは通気開口511a〜511dを備えている。通気開口511a〜511dと通風隙間15を介して、照明装置501の上方において、筐体2の内部と筐体2の外部とが通風可能に連通される。防汚部材504における冷却風の流れおよび排気に関する動作および効果は、実施の形態1の防汚部材4とほぼ同様である。
図56は、照明装置501の分解斜視図である。照明装置501は、熱拡散部材505の中心から放射状に、等角度かつ等距離に4個の発光手段13が配置されている。さらに、中心に1個の発光手段13が配置されている。このように発光手段13を配置することで、配光を良好としている。
発光手段13は、熱拡散部材505の中央側に寄せて筐体2の側端面から離して配置されている。よって筐体2周辺での多重反射成分に伴う器具効率の低下を抑制するとともに、配光特性の自由度を高めている。なお、発光手段13には実施の形態1などと同様にCOB光源が用いられている。ただし、実施の形態6においては、発光手段13を実施の形態1〜5と比べて高出力かつ高発熱量のものとしてもよい。
実施の形態6にかかる照明装置501は、5個の発光手段13を備え、6つの放熱部材508を備えている。しかしながら、本発明はこれに限られない。発光手段13と放熱部材508以外は同じ構成で、発光手段13を3個とし、放熱部材508を4個としてもよい。このとき、3個の発光手段13をI字状に並べて配置してもよい。このようにすることで、比較的均等な表面発光強度分布を得ながら、照明装置501と比べて約3/5の光束クラスの照明装置を構成することができる。このように、部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき、照明装置を低コスト化できる。
図57は、放熱部材508の三面図と斜視図を示す。図57(a)は放熱部材508の上方斜視図であり、図57(b)〜(d)は放熱部材508の三面図である。放熱部材508は良好な熱伝導性を有する材料、具体的にはアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。放熱部材508の形状は、実施の形態2にかかる放熱部材108と概ね同じであり、その動作および効果も同様である。
図58は、照明装置501をその中心軸に沿って切断した断面図である。図59〜61は、照明装置501をその高さ方向の異なる位置でスライスした断面を見下ろした断面図である。図59〜61の断面A6〜C6は、図58に示した断面A6〜C6が指し示す位置とそれぞれ対応している。
実施の形態1〜5にかかる熱拡散部材5〜405それぞれは、複数の通気開口11g〜411gを備えている。放射状に配置される放熱部材8〜408は、隣り合う通気開口11g〜411gの間に、1個ずつ配置されている。その結果、実施の形態1〜5では、熱拡散部材5〜405それぞれに対して放熱部材8〜408それぞれが放射状に配置されており、熱拡散部材5〜405の中心まわりに等角度を置いて並べられている。
これに対し、実施の形態6では、熱拡散部材555が有する4つの通気開口511gのうち隣り合う2つの通気開口511gの間に、2個の放熱部材508が並べられている。図59に示すように、熱拡散部材505の平面視において、放熱部材508が2列ずつ90度を置いて放射状に並べられている。
平行に並ぶ2つの放熱部材508は、それぞれの放熱部510が同一平面上に平行に並ぶように、配置されている。この点をより詳細に説明すると、図59の破線P5は、平行に並ぶ2つの放熱部材508のうち、一方の放熱部材508の1つの放熱部510と他方の放熱部材508の1つの放熱部510を囲っている。平行に並ぶ2つの放熱部材508のうち、一方の放熱部材508の放熱部510と他方の放熱部材508の放熱部510とが、同一平面上に段差無く並んでいる。個々の放熱部材508を見ると、複数の放熱部510が互いに等間隔かつ同方向を向いて整列している。このようにすることで一定間隔の冷却風流路を確保することができ、冷却効率を高めることができる。
放熱部材508それぞれの長手方向中央線CLは、熱拡散部材505と中心を共通とする仮想円に接するように、等角度を置いて、熱拡散部材505の面内で交差している。外側に配置される発光手段13は、熱拡散部材505の平面視で、平行に並ぶ2個の放熱部材508の両方と重なるように配置されている。2個の放熱部材508で1個の発光手段13を分散して冷却することができる。これにより、発光手段13を高出力かつ高発熱量なものとしても、温度上昇を抑え発光効率および寿命を確保することができる。
また、中央に配置される発光手段13は、熱拡散部材505の平面視で、4個の放熱部材508の端部それぞれに重なるように配置されている。中央の発光手段13と重なった4個の放熱部材508それぞれには、隣に他の放熱部材508が平行に並んでいる。熱拡散部材505により、この平行に並ぶ2個の放熱部材508の間で熱が伝わり、最終的には全ての放熱部材508が冷却に寄与することができる。これにより、発光手段13を高出力かつ高発熱量なものとしても、温度上昇を抑え発光効率および寿命を確保することができる。また、発光手段13を高出力かつ高発熱量なものとすることで、発光手段13の数を減らしてもよい。その場合、部品数が減ることで組立に要するコストも低減される。
実施の形態6にかかる照明装置501では、2個の放熱部材508を平行に並べて1セットとし、合計で4セットの放熱部材508の群を備えている。しかしながら、本発明はこれに限られない。3個以上の放熱部材508を並べて1セットとしてもよい。また、照明装置501では同一形状の放熱部材508を並べているが、本発明はこれに限られない。異なる形状の放熱部材を並べても良い。
図62は、本発明の実施の形態6の変形例にかかる照明装置551の下方斜視図である。図63は、照明装置551の分解図である。図64は照明装置551から防汚部材504を取り外して上方から見下ろした図である。照明装置551は、実施の形態4の変形例にかかる照明装置351と同様に、発光手段13に代えて発光手段313を熱拡散部材555の中央に取り付けたものである。これにより、照明装置351と同様に、低コストかつ配光特性の良好な照明装置551を得ることができる。
熱拡散部材555は、中心角が90度の扇形形状を有する通気開口561gを4つ備えている。さらに、熱拡散部材555は、2つの通気開口561gの間に設けられ通気開口561gよりも小さな通気開口561hを複数個備えている。通気開口561hはそれぞれ正方形である。2個の平行に並んだ放熱部材508の間に通気開口561hが開口するようになっている。このようにすることで、平行に並ぶ2個の放熱部材508の間に冷却風を流入しやすくでき、冷却効率が高まり、高密度に複数の放熱部材508を配置することができる。その結果、発光手段13を高出力かつ高発熱量なものとした場合であっても、発光手段13の発光効率を高くし、長寿命を得ることができる。
以上説明した実施の形態6によれば、熱拡散部材555が、2つの通気開口561gの間に設けられ通気開口561gよりも小さな通気開口561hを複数個備えている。このようにすることで、平行に並ぶ2個の放熱部材508の間に冷却風を流入しやすくでき、冷却効率が高まり、高密度に複数の放熱部材508を配置することができる。
また、外側に配置される発光手段13は、熱拡散部材505の平面視で、平行に並ぶ複数の放熱部材508と重なるように配置されている。2個の放熱部材508で1個の発光手段13を分散して冷却することができる。
実施の形態7.
図65〜71は、本発明の実施の形態7にかかる照明装置601を示す図である。以下、実施の形態1〜6とは異なる部分を中心に、照明装置601を説明する。照明装置601は上面視の外形が四角形であり、実施の形態1〜6にかかる照明装置1〜501の上面視の外形が円形であったのと異なっている。
図65は、本発明の実施の形態7にかかる照明装置601の下方斜視図である。図66は、照明装置601全体を示す上方斜視図である。図67は、照明装置601の分解斜視図である。照明装置601は、内部が空洞である四角柱状の筐体602と、この筐体602の一端に取り付けられ筐体602と同じ四角形状の縁を備えた防汚部材604とを備えている。筐体602における防汚部材604と接続する縁と反対側に、熱拡散部材605が設けられる。熱拡散部材605は、筐体602の縁よりも一回り小さな四角形の平面体である。
防汚部材604は、それぞれが台形の傾斜面を4つほど備えている。それぞれの傾斜面は、熱拡散部材605の側の端部から上方端部に向かうにつれて徐々に幅が狭くなる。それぞれの傾斜面には通風可能な換気口617が設けられ、換気口617は庇部618で覆われている。庇部618により、防汚部材604の上方からの塵埃が換気口617へ侵入することを抑制している。防汚部材604の冷却風の流れ等の動作およびそれによる効果は、実施の形態2にかかる防汚部材104と同様である。
本実施の形態においては、四角形の平面を有する熱拡散部材605に、4個の放熱部材608を平行に並べて複数配置している。筐体2と筐体602とで幅を同一とした場合、放射状に配置する場合に比べ放熱部材608の長手方向寸法を2倍程度とすることができる。少ない放熱部材608で多くの発光手段13を冷却することで、部品コストおよび組立コストを低減することができる。1個の放熱部材608で2個の発光手段13を冷却しており、同じ8個の発光手段13を備える実施の形態1にかかる照明装置1と比べて半分の個数の放熱部材で冷却を行うことができる。
熱拡散部材605は、四隅に通気開口611iを備え、対向する2辺に沿って複数の通気開口611gが設けられ、対向する他の2辺に沿って複数の通気開口611hが設けられている。
発光手段13と放熱部材608以外は照明装置601と同じ構成として、発光手段13を4個とし放熱部材608を2個としてもよい。照明装置601の場合、すなわち放熱部材608が4個の場合における両端位置にのみ、この2個の放熱部材608を配置してもよい。このようにすることで、照明装置601と比較して約1/2の光束クラスの照明装置を構成することができる。
図68は、放熱部材608の三面図と斜視図を示す。図68(a)は、放熱部材608の斜視図である。図68(b)〜(d)は、放熱部材608の三面図である。放熱部材608は熱伝導良好なアルミニウム合金や銅等の金属で形成される。放熱部材608の形状は実施の形態1にかかる放熱部材8とほぼ同様である。しかし、放熱部材608では長手方向の放熱ユニット608aの個数が10個であり、放熱部材8よりも放熱ユニットの個数が多い。
また、図68(b)に示すように、実施の形態7においては、対向する放熱部610の中央線CH上に、隣接する放熱ユニット608aの放熱部610が配置している。1つの放熱ユニット608aの放熱部610とこれと隣り合う他の放熱ユニット608aの第1の放熱部610の間のずれを、間隔M7で表す。1つの放熱ユニット608aの放熱部610とこれと隣り合う他の放熱ユニット608aの第2の放熱部610の間のずれを、間隔N7で表す。本実施の形態では、この間隔M7と間隔N7が等しくされている。その結果、各放熱部610の冷却風の流路隙間が均一化され、冷却効率が高まる。
図69は、照明装置601をその中心軸に沿って切断した断面図である。図70は照明装置601の上面図である。図71は、照明装置601における図69に指し示した断面Aを示す断面図であり、照明装置601から防汚部材604を取り外して上方から見下ろした図である。隣合う2個の放熱部材608の間には、間隔L7が設けられている。本実施の形態では、上述した間隔M7、N7と、この間隔L7を等しくしている。これにより全ての放熱部610の間の流路隙間が均一化され、冷却効率が高まる。
なお、照明装置601では2個の発光手段13を一組として四方に配置した。しかしながら、本発明はこれに限られない。変形例として、8個の発光手段13を、熱拡散部材605の中心から等距離かつ等角度で放射状に配置してもよい。この場合、熱拡散部材605の平面視で、それぞれの発光手段13が、放熱部材608の少なくとも一部に重なることが好ましい。この変形例の配置によれば、配光特性を優先することができる。
図70は、照明装置601の上面図である。熱拡散部材605の通気開口611g、611h、611iを、便宜上、防汚部材604を透視して破線で示す。熱拡散部材605の平面視における換気口617の配置についてみると、最も外周側の換気口617は、熱拡散部材605の通気開口611g、611h、611iの外周側端部よりも、内側に配置されている。これにより、熱拡散部材605における外周側から中央に向かう冷却風の気流を形成することができ、これにより熱拡散部材605の中央側に配置された放熱部610の冷却効率を高めている。
熱拡散部材605の上に配置された隣り合う放熱部材608が、平行に等間隔を空けて配置されている。通気開口611g、611h、611iにより、放熱部材608の間への冷却風の流入経路を設け、放熱部610の冷却効率を高めている。特に、放熱部材608における長手方向両端の放熱ユニット608aについては、その両脇に通気開口611gが設けられる。
図72は、本発明の実施の形態7の変形例にかかる照明装置651の下方斜視図である。図73は、照明装置651の分解図である。照明装置651は、実施の形態4の変形例にかかる照明装置351と同様に、発光手段13に代えて発光手段313を熱拡散部材605の中央に取り付けたものである。これにより、照明装置351と同様に、低コストかつ配光特性の良好な照明装置651を得ることができる。
以上説明した実施の形態7によれば、複数の放熱部610が、受熱部609の平面視で等間隔に整列している。よって、各放熱部610の冷却風の流路間隔が等しくなり、冷却効率を高める効果がある。
熱拡散部材605は、複数の放熱部材608の間に、通気開口611gを有する。これにより、放熱部材608の間においても放熱部610への冷却風の流入経路が形成され、冷却効率を高めることができる。
熱拡散部材605に最も近い側の換気口617は、熱拡散部材605の平面視において少なくとも1つの放熱部610と重なる。熱拡散部材605の平面視における換気口617の配置についてみると、最も外周側の換気口617は、熱拡散部材605の通気開口611g、611h、611iの外周側端部よりも、内側に配置されている。これにより、通気開口611g、611h、611iから流入した冷却風が自然対流で上昇しながら外周側から中央側に向かう。このような気流により、中央側に配置される放熱部610へ冷却風を供給でき、冷却効率を高めることができる。
防汚部材604は、熱拡散部材605の側の端部から反対側の端部にかけて傾斜する4個の傾斜面を備えている。4個の傾斜面はそれぞれ台形であり、その表面には通風可能な換気口617が複数個設けられている。それぞれの換気口617には、庇部618が設けられている。筐体602への塵埃侵入を庇部618が防ぐことで、信頼性が高まるとともに製品寿命を長くすることができる。
防汚部材604の上面視で、換気口617は少なくとも一つの放熱部610と重なる。これにより、冷却風の排気がスムーズになされ、冷却効率を高めることができる。
防汚部材604の上面視で、通気開口611g、611h、611iそれぞれの外側端部よりも熱拡散部材605の中央側において、換気口617が通気開口611g、611h、611iと重なる。これにより、熱拡散部材705の中央側に配置された放熱部610の冷却効率を高めることができ、発光手段13を高発光効率・長寿命とする効果がある。
実施の形態8.
図74〜71は、本発明の実施の形態8にかかる照明装置701を示す図である。以下、実施の形態1〜7とは異なる部分を中心に、照明装置701を説明する。照明装置701は、照明装置601と同じく、上面視の外形が四角形である。
図74は、本発明の実施の形態8にかかる照明装置701の下方斜視図である。図75は、照明装置701の上方斜視図である。図76は、照明装置701の分解斜視図である。前述した実施の形態1にかかる防汚部材4は、複数の円盤状の防汚部材4a〜4eを中央の柱部3aに固定するものである。これに対し、実施の形態8にかかる防汚部材704は、板材を略コの字状に折り曲げた防汚部材704a〜704dを積み重ねて形成されたものであり、最上部の防汚部材704dは柱部3aに固定されている。また、前述した実施の形態1にかかる筐体2は、内部が空洞な円柱状の1つの部材である。これに対し、実施の形態8では、対向する2つの面からなる筐体部702aと、同じく対向する2つの面からなる筐体部702bとを組み合わせることで筐体を形成している。
実施の形態8においても、実施の形態7と同様に、四角形の平面を有する熱拡散部材705に、4個の放熱部材708を平行に並べて複数配置している。それぞれの放熱部材708は、互いに対向して並ぶ2列の放熱部710と、これらの放熱部710で挟まれた受熱部709を備えている。また、1個の放熱部材708で2個の発光手段13を冷却しており、同じ8個の発光手段13を備える実施の形態1と比べて半分の数の放熱部材で冷却を行っている。
照明装置701は、発光手段13を動作させるための電源回路基板723を備えている。この電源回路基板723は、電源回路収納部722に収納されている。電源回路収納部722は、熱拡散部材705から最も遠い位置にある防汚部材704dに取り付けられる。発光手段13と電源回路基板723は、図示しない配線で接続されている。
発光手段13と放熱部材708以外は照明装置701と同じ構成で、発光手段13を4個とし放熱部材708を2個としてもよい。具体的には、照明装置701における4個の放熱部材708から、真ん中の2個の放熱部材708を取り除いてもよい。このようにすることで、照明装置701と比較して約1/2の光束クラスの照明装置を構成することができる。部品を共通化および標準化しながら複数の光束クラスの照明装置をラインアップでき、金型等の製造設備への投資を抑制でき、照明装置を低コスト化できる。
図77は、放熱部材708の三面図と斜視図を示す。図77(a)は、放熱部材708の斜視図である。図77(b)〜(d)は、放熱部材708の三面図である。放熱部材708の形状は実施の形態3にかかる放熱部材208とほぼ同様である。しかし、放熱部材708では長手方向の放熱ユニット708aの個数が9個であり、放熱部材208よりも放熱ユニットの個数が4つほど多い。
図78は、照明装置701をその中心軸に沿って切断した断面図である。図79および図80は、照明装置701をその高さ方向の異なる位置でスライスした断面を見下ろした断面図である。図79および図80の断面A8、B8は、図78に示した断面A8、B8が指し示す位置とそれぞれ対応している。特に、図71は、照明装置601から防汚部材604を取り外して上方から見下ろした図である。図81は照明装置701の上面図である。
なお、照明装置701では2個の発光手段13を一組として四方に配置した。しかしながら、本発明はこれに限られない。変形例として、8個の発光手段13を、熱拡散部材705の中心から等距離かつ等角度で放射状に配置してもよい。この場合、熱拡散部材705の平面視で、それぞれの発光手段13が、放熱部材708の少なくとも一部に重なることが好ましい。この変形例の配置によれば、配光特性を優先することができる。
図79に示すように、熱拡散部材705の上に配置された複数の放熱部材708は、次のような規則で並べられている。間隔S4は、1つの放熱部材708の直近の2つの放熱部710の間隔である。4個の放熱部材708は、間隔S5を置きつつ平行に並んでいる。間隔S4と間隔S5は等しくされている。これにより、全ての放熱部710の間の流路隙間が均一化され、冷却効率が高まる。また、2つの放熱部710の中央線CHに沿って、他の放熱部材708の放熱部710が、同一面上に等間隔を空けて並ぶ。
熱拡散部材705は、複数の放熱部材708の間に、通気開口711gを有している。通気開口711gは、2個の放熱部材708の端部間に通風可能である。これにより、放熱部材708の間への冷却風の流入経路が形成され冷却効率を高めることができる。
2つの発光手段13は、熱拡散部材705の平面視で1つの放熱部材708と重なる。1個の放熱部材708で2個の発光手段13を分散して冷却することができる。放熱部材708は、熱拡散部材705の中央をまたいで両端部側まで伸びるほどに長尺の部材とされている。これにより、複数の放熱部材708を熱拡散部材705における一方の辺からその反対側の辺に向かって一方向に並べて配置するだけで、高い冷却性能を確保することができる。
また、照明装置701は防汚部材704a〜704dを備え、最も下方の防汚部材704aは熱拡散部材705とともに放熱部材708を挟む。防汚部材704a〜704dは互いの間に通風可能な通風隙間15を備えており、この通風隙間15が複数配置される。防汚部材704a〜704cの面内に通風可能な通気開口711a〜711cが設けられている。このようにすることで、熱拡散部材705及び放熱部材708からの冷却に伴う上昇気流を、防汚部材704a〜704dの間に設けた通風隙間15に導くことができる。通風隙間15に、照明装置701の内部の排気を分割して流すことができる。
防汚部材704b、704c、704dの外周縁は、熱拡散部材705の平面視において、直下に位置する通気開口711a、711b、711cの外周よりも一回り大きくされており外側に突出している。上方からの塵埃等が通気開口711a、711b、711cから筐体部702a、702bの内側に入って放熱部710等に付着することを抑制できる。
防汚部材704b〜704dそれぞれの支持部712は、熱拡散部材5の平面視において、それぞれの直下に位置する通気開口711a〜711cには全く重ならないか或いは部分的にのみ重なるようになっている。これにより、放熱部材708からの自然対流による冷却風の流れおよび複数の防汚部材704a〜704dを通過する排気の流れが妨げられない。従って、少ない圧力損失で筐体部702a、702bの内側から外側への排気を行うことができる。その結果、冷却効率を高めることができる。
電源回路収納部722は、熱拡散部材705から最も遠い位置にある防汚部材704dに取り付けられる。このため、放熱部710からの上昇気流の流れを電源回路基板723が阻害しない。よって冷却風の排気を良好とし、冷却効率を高める効果がある。
また、図78の断面図からもわかるように、電源回路収納部722は、その直下の防汚部材704cが有する通気開口711cの上に配置されている。通気開口711cからの上昇気流が、電源回路収納部722の熱を奪いつつ、側方にある通風隙間15を介して照明装置701の外部へと排出される。電源回路収納部722に冷却風が接触することで、電源回路基板723も冷却される。よって電源回路基板723に搭載した電子部品が冷却され、それらの電子部品が熱により劣化することを抑制することができる。それらの電子部品の劣化を抑制することで寿命が延び、また冷却により安定動作が確保できるので、照明装置701の品質を高める効果がある。また、電源回路基板723を照明装置701に内蔵することにより、建築物に取付施工する際に、電源回路を別体にした照明装置と比べて施工および配線工事の手間が軽減される。
図82は、本発明の実施の形態8の変形例にかかる照明装置851の下方斜視図である。図83は、照明装置751の分解図である。照明装置751は、実施の形態4の変形例にかかる照明装置351と同様に、発光手段13に代えて発光手段313を熱拡散部材705の中央に取り付けたものである。これにより、照明装置351と同様に、低コストかつ配光特性の良好な照明装置751を得ることができる。
なお、上述した各実施の形態にかかる照明装置1〜751においては、筐体の形状が円柱状または四角柱状であったが、本発明はこれに限られない。四角柱以外でも、例えば三角柱、五角柱、六角柱、八角柱あるいはそれ以上の多角柱状の筐体であってもよい。また、楕円柱状の筐体でもよい。