JP2015145724A - 連続可変トランスミッション用の駆動ベルトのための金属リング構成要素 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動ベルト用金属リング構成要素のコア材料の比較的低い硬度値の利点を当該技術分野でより広く利用可能にする。【解決手段】2つのプーリーと駆動ベルト3を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト3に使用するための金属リング32において、550HV1.0未満、好ましくは500HV1.0未満、より好ましくは約475HV1.0といったリングコア材料の比較的低い硬度値だけでなく、金属リング32のその半径方向の前記全厚さの22%と30%の間、好ましくは該金属リング厚さの24%と28%の間、より好ましくは前記リング厚さの約25%という比較的厚い窒化物層を適用する。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車両に適用される、良く知られた連続可変トランスミッションまたはCVTの2つの調節可能なプーリーの間にある動力伝達用の全金属駆動ベルトに一般に組み入れられる、継ぎ目がなく可撓性の金属バンドに関する。少なくとも、駆動ベルトでのその使用に関して、かかる継ぎ目がないバンドは、駆動ベルト用金属リング構成要素とも呼ばれる。本開示は、またかかる金属リングの製造に関する。
プッシュベルトとしても知られる、ある特定の種類の駆動ベルトにおいては、多数のかかる金属リングが、少なくとも1組であるが、一般には2組で、前記リングが積層されたセット、つまり相互に放射状に重ね入れられたセットとして組み入れられている。公知のプッシュベルトは、更に、かかる1組以上のリングセットに対し摺動可能に取り付けられている多数の横方向の金属エレメントを含む。そのプッシュベルト用途においては、従来技術の金属リングは、マルエージング鋼から製造され、その種の鋼は、少なくともその好適な熱処理の後に、なかでも、比較的好ましく材料を溶接して塑性変形させる可能性と共に、優れた引張強さならびに摩損と曲げ応力疲労および/または引っ張り応力疲労の両方に対する良好な耐久性といった特性を兼ね備えている。
公知の金属リングは、良好な引張強さ、降伏強さおよび曲げ強さと高い金属疲労に対する耐久性とを兼ね備えた特性を実現するために、コア材料に相当の硬度を備えている。このリングのコア材料は、本質的により硬くこうして耐摩耗性の、金属リングの外表面層に覆われている。前記硬質外表面層は、一般に、該リングの金属格子中に格子間窒素原子を導入することによって、つまり窒化処理することによって得られる。前記外表面層は、リング内の応力を制限し、かつ長手方向の曲げを可能にする十分な弾性と疲労破壊に対する耐久性を該金属リングに与える最大の厚さを備えている。特に、当該技術分野において、前記窒化物層の厚さは、金属リングの半径方向の全厚さの10〜20%の範囲の値を有するべきであることが一律に認められている。かかる公知の範囲は、日本国出願である特許文献1(JP2000-337453-A)で公開されている。もちろん、これらの材料特性の全てが、金属リングの駆動ベルト用途においては非常に重要である。それというのも、その耐用期間の間におびただしい負荷と曲げサイクルを経るからである。
リング材料の最も関連性のあるもう一つの特性は、その窒化物層の先のコア材料の硬度である。前記コア材料が硬すぎると、金属リングは脆くなりすぎ、該コア材料が軟らかすぎると、金属リングは、伝達動作の間にかかる引っ張り応力に耐えることができなくなる。かかるリングコア材料の硬度に関して、当該技術分野においては、大抵、550HV1.0(つまり1kgの荷重で測定したビッカース硬度値)以上のより低い粒界硬度値が適用される。該金属リングはマルエージング鋼から製造されているので、このリングコア材料の硬度値は、時効によって、つまりマルエージング鋼製のリング材料の析出硬化によって得られる。更に、リングコア材料の硬度に関して、欧州特許出願である特許文献2(EP2281128-A1)は、特定の範囲のマルエージング鋼合金と組み合わせて、該リングコア材料の硬度のために、実際はより低い値が適用されうることを教示している。特許文献2(EP2281128-A1)の特定の文脈において、駆動ベルト用金属リング構成要素のために、400〜500HV1.0の範囲の、好ましくは約475HV1.0のコア材料の硬度値を適用可能であると教示されている。かかる比較的低いコア材料の硬度値の利点は、所定のプロセス温度において、時効プロセスが、より短いプロセス時間しか必要としないこと、および/または析出物形成エレメントおよび/または触媒エレメントが該マルエージング鋼合金中により少しか含まれる必要がないことである。
本開示は、特許文献2(EP2281128-A1)の教示を拡張しようとするものであり、こうして、前記のコア材料の比較的低い硬度値の利点を当該技術分野でより広く利用可能にするものである。
本開示によれば、前記課題は、以下の請求項1に記載の駆動ベルト用金属リング構成要素によって解決される。かかる新規金属リングは、このように、550HV1.0未満、好ましくは500HV1.0未満、より好ましくは約475HV1.0といったリングコア材料の比較的低い硬度値だけでなく、窒化物層の厚さも特徴的である。特に本開示によれば、金属リングのその半径方向の前記全厚さの22%と30%の間、好ましくは該金属リング厚さの24%と28%の間、より好ましくは前記リング厚さの約25%という比較的厚い窒化物層が適用される。この後半部の観点では、一般に金属リングは、その本願で検討される駆動ベルト用途において0.185mmの厚さを有すると理解される。しかしながら、かかるリング厚さの適用可能な範囲は、0.15〜0.20mmである。
本願で検討された、比較的低いコア材料の硬度値と比較的厚い窒化物層の厚さの組み合わせによって、新規の金属リングは、その前記駆動ベルト用途において優れた疲労特性および摩耗特性を好ましく示し、それらの特性は、更に、公知の一般的に適用される駆動ベルト用金属リング構成要素に備わる特性と全く同等であることが実験的に観察された。見たところ、厚い(より厚い)窒化物層は、低い(より低い)コア材料の硬度値の金属リングの疲労強度に対するその他の有害な影響を埋め合わせるようである。これにより、本開示は、特許文献2(EP2281128-A1)によって述べられたマルエージング鋼合金の範囲を、本願に開示される比較的低いコア材料の硬度を備えさせるのに適しているように好ましく拡張する。本開示の文脈の範囲内では、特許文献2(EP2281128-A1)から公知の合金よりも費用効率の高いマルエージング鋼合金も、例えば17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンと、残部に鉄と、酸素、窒素、リン、ケイ素などの不可避の不純物を有するマルエージング鋼組成の範囲も、新規の金属リング用の基礎材料として適したものとなった。この後半部のマルエージング鋼の組成範囲は、新規の金属リングのために適した好ましい基礎材料として決定された。それというのも、その材料は、比較的低いコバルト含量のため比較的廉価であり、かつチタンの(概念的な)不在のため該金属リングに優れた疲労強度をもたらすという利点と共に、1回の組み合わされた熱処理において、つまり1つの炉での1つのプロセス雰囲気において窒化硬化と時効硬化の両者の可能性を兼ね備えているからである。
本開示による前記洞察と駆動ベルト用金属リング構成要素におけるその利用を、付属の図面を参照して以下に説明する。
図1は、エンジンとその駆動輪との間の自動車両の動力伝達系に通常適用される公知の連続可変トランスミッションまたはCVTの中心部を示している。該トランスミッションは、2つのプーリー(1,2)を含み、それぞれは、2つの円錐プーリーディスク(4,5)を備えており、その間で、主としてV字形状の溝が区画されており、そのうち一方のディスク(4)は、それが設置されたそれぞれのプーリーシャフト(6,7)に沿って軸上を可動である。駆動ベルト(3)は、回転運動ωと付随するトルクTを一方のプーリー(1,2)から他方のプーリー(2,1)へと伝達するためにプーリー(1,2)の周りに巻き付けられている。前記トランスミッションは、一般にまた、前記の少なくとも一方のディスク(4)に、それぞれの他方のプーリーディスク(5)に向かう軸方向の押し付け力(Fax)を、前記駆動ベルト(3)がその間で押し付けられるように加える作動手段を含む。また、出力軸プーリー(2)の回転速度と入力軸プーリー(1)の回転速度との間の伝達(速度)比は、それにより決定される。
公知の駆動ベルト(3)の一例は、図2にその断面で詳細に示されている。そのベルト(3)は、それぞれ(この例においては)6枚の薄く平坦な、つまりリボン形状の可撓性のマルエージング鋼製の金属リング(32)から構成される2組のリングセット(31)を組み入れている。その駆動ベルト(3)は、更に、多数の板状の金属製の横方向エレメント(33)を含み、前記横方向エレメント(33)は、該横方向エレメント(33)のそれぞれの凹所にそれぞれ配置された2組のリングセット(31)によって共に固定されている。横方向エレメント(33)は、入力トルク(Tin)がいわゆる入力軸プーリー(1)に作用されるときに前記の押し付け力(Fax)を吸収し、ディスク(4,5)とベルト(3)との間の摩擦は、その入力軸プーリー(1)の回転を、同様に回転している駆動ベルト(3)を介して、いわゆる出力軸プーリー(2)に伝達させる。
CVTでの作動の間に、前記駆動ベルト(3)と特にその金属リング(32)は、周期的に可変的な引っ張り応力と曲げ応力に晒される、つまり疲労負荷に晒される。一般に、金属リング(32)がかかる疲労負荷に対処する能力、つまり金属リング(32)の疲労強度は、従って駆動ベルト(3)の耐用寿命を決定する。従って、駆動ベルトの製造方法の開発において、(基礎)材料と加工の費用を組み合わせた最安の費用で所望のリング疲労強度を実現することは、長きにわたる一般的な目的であった。
図3は、公知の駆動ベルト(3)の製造方法の全体の本願に関連する部分、つまりその金属リング(32)構成要素の製造方法を概説している。その際、個別の方法工程は、ローマ字によって示されている。
第一の方法工程Iにおいては、一般に0.4mmと0.5mmの間の範囲の厚さを有する基礎材料の薄いシートまたはプレート(11)を円筒形状に曲げ、突き合わされたプレート端部(12)同士を第二の方法工程IIにおいて共に溶接して、開放した中空円筒または管(13)を形成する。該方法の第三工程IIIにおいて、前記管(13)を焼き鈍す。その後に、第四の方法工程IVにおいて、前記管(13)を多数の環状フープ(14)へと切り出し、それを引き続き(第五の方法工程V)圧延して、延伸しながらその厚さを0.150mmと0.200mmの間の値まで、一般に約185ミクロンにまで減少させる。圧延後に前記フープ(14)は通常は金属リング(32)と呼ばれる。次いで、該金属リング(32)を、更なる方法工程、つまりリングを焼き鈍す方法工程VIにかけて、該リング材料の約600℃をかなり上回る、例えば約800℃の温度での回復および再結晶化によって、先の圧延プロセス(つまり第五の工程V)の工作物硬化作用を取り除く。その後に、第七の方法工程VIIにおいて、前記金属リング(32)を較正する。すなわち、前記金属リングを、2つの回転ローラ周りに取り付けて、前記ローラ同士を引き離すことによって予め規定された円周長にまで引き伸ばす。この第七の方法工程VIIにおいて、該金属リング(32)には内部応力分布も加えられる。
その後に、前記金属リング(32)を、2つの方法工程、つまり析出硬化もしくは時効の第八の方法工程VIIIとガス軟窒化の第九の方法工程IXにおいて熱処理する。より具体的には、かかる両方の熱処理は、窒素および幾らかの、例えば時効のためには約5体積%の水素から一般的に構成され、かつガス軟窒化のためには窒素、水素およびアンモニアから構成される制御されたガス雰囲気を含む工業用オーブンもしくは工業用炉において前記金属リング(32)を加熱することを伴う。両方の熱処理は、一般に、400℃〜500℃の温度範囲内で行われ、それぞれ、金属リング(32)の基礎材料(つまりマルエージング鋼の合金組成)と、該金属リング(32)に望まれる機械的特性に応じて、約45分から120分超にわたり続けることができる。
最後に、こうして加工された多数の金属リング(32)を、放射状に重ね合わせる、つまり重ね入れることで、リングセット(31)が形成される。それは、更に図3の最後に示される方法工程、すなわち第十一の方法工程XIに示されている。明らかに、前記リングセット(31)の金属リング(32)は、そのために適した寸法を有する必要がある、例えば金属リング(32)同士が互いの周囲に適合するようにわずかに周囲長が異なる必要がある。このためには、前記リングセット(31)の後続の金属リング(32)は、一般的に、前もって、つまり第十の方法工程Xにおいて、異なるが既知の周囲長の金属リング(32)のストックから目的に合うように選ばれる。
一般的な事項として、前記の全ての駆動ベルト(3)の製造方法は一例に過ぎないことに留意されたい。その小規模な変更も、大規模な変更さえも既に知られている。例えば、単独の方法工程として時効と窒化の熱処理を行うことは知られている。つまり、前記の第八の方法工程VIIIと第九の方法工程IXとは同時に行うことが知られている。この後半部の時効と窒化の組み合わされた熱処理は、前記リング材料の時効を(所望の程度にまで)完了するのに必要とされる時間が比較的短い場合にのみ実現可能となり、こうして、特に前記リング(表面)材料の窒化を(所望の程度まで)完了するのに必要とされるのとほぼ同じ時間で完了することが知られている。
図4は、窒化物層(34)とそのコア材料(35)を示す、金属リング(32)の概略断面図である。公知技術によれば、前記金属リング(32)は、該金属リング(32)の半径方向の全厚さ(Tr)の約18%の厚さTnslを有する窒化物層(34)を伴って製造されている。
図5の理想化されたグラフにおいては、リング材料の硬度H(ビッカース硬度試験で測定される)は、金属リング(32)の外表面からの距離Dに対して、すなわちこの例においては全リング厚さTrの百分率として表現されている厚さDに対してプロットされている。図5においては、リング材料の窒化物層(34)における硬度Hは徐々に低下する一方で、かかる硬度Hは、リングコア材料(35)においては本質的に一定であることが示されており、こうして硬度Hの深さDに対するプロットにおける「屈曲部」(K)は、窒化物層(34)の厚さTnslを定義している。実際には、かかる硬度Hの深さDに対するプロットでは通常はより緩やかな移行が起こり、その場合に、窒化物層(34)の厚さTnslは、窒化物層(34)の放射状外側部についての硬度H対深さDの輪郭線の直線外挿と、リングコア材料(35)の(平均)硬度Hとの交点によって決定される。
従来の教示に従えば、前記の駆動ベルト(3)に関しては、窒化物層(34)の厚さTnslは、前記金属リング(32)の全厚さTrの10%と20%の間にあるべきであり、その範囲はまさに、実際に例外なく適用される。しかしながら、本開示によれば、前記材料のリングコア材料(35)での550HV1.0未満といった比較的低い硬度と組み合わせると、全リング厚さTrの22〜28%の範囲の値を有するより厚い窒化物層(34)を適用できる。図6は、こうして定義される駆動ベルト用金属リング構成要素(32)の一例を、その硬度Hの深さDに対するプロットによって示している。図6によって表される金属リング(32)の例示的実施形態においては、前記窒化物層(34)の厚さTnslは、金属リング(32)の全厚さTrの23%に達し、前記のリングコア材料の硬度は、490HV1.0である。
前記金属リング(32)の外側表面に比較的厚い窒化物層(34)を形成させることによって、前記ガス軟窒化の第九の方法工程IXの時間は延長される。かかる窒化時間の延長は、それ自体は明らかに望ましくないが、本願で検討される環境においては、それは、前記の析出硬化の第八の方法工程VIIIが同じ時間枠内で完了できることをもたらし、それにより、これらの硬化と窒化の2つの熱処理は、単独の組み合わされた方法工程で同時に金属リング(32)に適切に適用できる。
更に、本願で検討された比較的厚い窒化物層(34)が、550HV1.0未満の、比較的軟質なリングコア材料(35)と組み合わせると特により良好にはたらくことが確認された。それでもなお、かかるリングコア材料の硬度Hは、金属リング(32)に、駆動ベルト(3)で使用するのに十分な機械的強度を与えるためには、とにかく400HV1.0より高くすべきである。最後に、本開示によれば、前記の硬度Hの深さDに対するプロットにおける屈曲部Kは、図6に印した領域「ca」内にある。
本開示の教示の範囲内では、マルエージング鋼の広範な組成物、特に駆動ベルト(3)で使用するのに以前は適切でないと見なされた組成物またはその適性が少なくともより低い組成物を、そのような析出硬化と窒化を組み合わせた単独の方法工程で熱処理することができる。より具体的に本開示の教示の範囲内では、金属リング(32)用のマルエージング鋼製の基礎材料は、比較的多量のコバルトまたは現在適用される他の析出物形成エレメントもしくは触媒エレメントを含む必要がない。
本開示は、前記詳細な説明の全体と付随する図面の全ての詳細に加えて、また、付属の特許請求の範囲の全ての特徴と関連し、かつそれらを含む。特許請求の範囲において括弧付けされた符号はその範囲を制限するものではなく、それぞれの特徴の例として提供されるにすぎず、それらの例に縛られるものではない。特許請求の範囲に記載の特徴は、場合に応じて、所定の物または所定の方法において個別に適用できるが、そこにある特徴の2つ以上の任意の組み合わせを適用することもできる。
本開示により表される本発明は、本願に明示的に挙げられた実施形態および/または例に制限されるものではなく、その修正、変更および実用的用途を含み、特に関連技術分野の当業者の能力の範囲内にあるものを含む。
1、2 プーリー、 3 駆動ベルト、 4、5 プーリーディスク、 6、7 プーリーシャフト、 11 薄板、 12 薄板端部、 13 中空円筒または管、 14 環状フープ、 31 リングセット、 32 金属リング、 33 横方向エレメント、 34 窒化物層、 35 コア材料
[本発明の態様]
1. 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造され、窒化された表面層(34)と、その内部に位置するコア(35)とを備えている金属リング(32)において、前記金属リング(32)は、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%の範囲の厚さ(Tnsl)を有する窒化された表面層(34)を備えていることと、前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くとも500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記金属リング(32)。
2. 1に記載の金属リング(32)において、前記の窒化された表面層(34)は、前記金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の約25%の厚さ(Tnsl)を有することを特徴とする前記金属リング(32)。
3. 1または2に記載の金属リング(32)において、前記全厚さ寸法(Tr)は、0.15mm〜0.20mmに達することを特徴とする前記金属リング(32)。
4. 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造される金属リング(32)の製造方法において、ガス軟窒化の方法工程において、前記金属リング(32)に、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%に達する窒化された表面層(34)と析出物が設けられ、それにより前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くても500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記方法。
1. 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造され、窒化された表面層(34)と、その内部に位置するコア(35)とを備えている金属リング(32)において、前記金属リング(32)は、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%の範囲の厚さ(Tnsl)を有する窒化された表面層(34)を備えていることと、前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くとも500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記金属リング(32)。
2. 1に記載の金属リング(32)において、前記の窒化された表面層(34)は、前記金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の約25%の厚さ(Tnsl)を有することを特徴とする前記金属リング(32)。
3. 1または2に記載の金属リング(32)において、前記全厚さ寸法(Tr)は、0.15mm〜0.20mmに達することを特徴とする前記金属リング(32)。
4. 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造される金属リング(32)の製造方法において、ガス軟窒化の方法工程において、前記金属リング(32)に、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%に達する窒化された表面層(34)と析出物が設けられ、それにより前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くても500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記方法。
Claims (4)
- 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造され、窒化された表面層(34)と、その内部に位置するコア(35)とを備えている金属リング(32)において、前記金属リング(32)は、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%の範囲の厚さ(Tnsl)を有する窒化された表面層(34)を備えていることと、前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くとも500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記金属リング(32)。
- 請求項1に記載の金属リング(32)において、前記の窒化された表面層(34)は、前記金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の約25%の厚さ(Tnsl)を有することを特徴とする前記金属リング(32)。
- 請求項1または2に記載の金属リング(32)において、前記全厚さ寸法(Tr)は、0.15mm〜0.20mmに達することを特徴とする前記金属リング(32)。
- 2つのプーリーと駆動ベルト(3)を有する連続可変トランスミッション用の駆動ベルト(3)として使用するための、または少なくとも前記駆動ベルト(3)において使用するための金属リング(32)であって、17〜19質量%のニッケル、4〜6質量%のモリブデン、4〜6質量%のコバルト、0.5〜1.5質量%のクロム、0.5〜1.5質量%のアルミニウムおよび0.1質量%未満のチタンを含み、残部に鉄を有する組成を有したマルエージング鋼から製造される金属リング(32)の製造方法において、ガス軟窒化の方法工程において、前記金属リング(32)に、該金属リング(32)の全厚さ寸法(Tr)の24%〜28%に達する窒化された表面層(34)と析出物が設けられ、それにより前記窒化された表面層(34)によって取り囲まれた金属リング(32)のコア(35)は、少なくとも400HV1.0ないし高くても500HV1.0の硬度を備えていることを特徴とする前記方法。
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