JP2015144415A - スピーカおよびav機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカにおいて、制動材を付加することによって発生する低域特性の劣化を抑制すること。
【解決手段】振動板(104)と、磁気回路とを備え、磁気回路には、振動板(104)の磁気回路側に形成される空間とスピーカ外部の空間とをつなぐ複数の音響経路が形成され、複数の音響経路には、第1の音響経路(108a、108c)と、第1の音響経路(108a、108c)とは音響インピーダンスが異なる第2の音響経路(108b)とを含む、構成であるスピーカ。
【選択図】図1A

Description

本開示は、スピーカおよびAV機器に関する。
近年、分割サスペンションと磁性流体を使用し、小型であっても低音再生が可能な広帯域スピーカ(以下、磁性流体スピーカと呼ぶ)が実現している。
図10Aは、特許文献1に記載されている従来のスピーカにおいて、磁性流体と分割サスペンションを利用したスピーカの断面図を表す図であり、図10Bは、図10Aのスピーカにおける10B−10B断面図である。図10A、図10Bに示すスピーカは、ヨーク20と、マグネット21と、プレート22と、振動板30と、サスペンション24a、24bと、ボイスコイル26と、音導管H2と、リブL1と、磁性流体27とを備える。
以上の構成によれば、振動板30を振動可能に支持するサスペンション24a、24bは、振動板30の外周部であって互いに異なる位置に設けられ構成される。これにより、スピーカを小型化しても、サスペンション24a、24bの幅や厚さを調整することによってスティフネスを小さくしスピーカの最低共振周波数を低下させることができる。さらに磁性流体27を封入することによって、振動板30の各面で発生する音波間での干渉やローリングを抑制することもできる。以上のように、磁性流体27と分割サスペンション24a、24bを利用したスピーカを用いることによって、小型であっても低音再生が可能な広帯域スピーカを実現することができる。
また、特許文献2には、音導管にダンパを設けた補聴器の例が記載されている。
国際公開第2009/066415号 特開2008−160644号公報
しかしながら、特許文献1の技術は更なる改善が望まれる。
本開示に係るスピーカは、振動板と、磁気回路とを備えたスピーカであって、前記磁気回路には、前記振動板の前記磁気回路側に形成される空間と前記スピーカ外部の空間とをつなぐ複数の音響経路が形成され、前記複数の音響経路は、第1の音響経路と、前記第1の音響経路とは音響インピーダンスが異なる第2の音響経路とを含む。
本開示のスピーカによれば、音圧特性の共振によるピークの緩和と最低共振周波数以下の音圧特性の保持を両立し、音導管から低音再生に優れ、周波数特性が平坦な音波を放射することができる。
図1Aは、本開示の実施の形態1に係るスピーカの一例を示す断面図である。 図1Bは、本開示の実施の形態1に係るスピーカの一例を示す断面図である。 図2は、図11に示すスピーカにおける制動材と音導管に関わる音圧周波数特性の一例を示す図である。 図3は、本開示の実施の形態1における制動材と音導管に関わる音圧周波数特性の一例を示す図である。 図4Aは、本開示のスピーカに対応する等価回路の一例を示す図である。 図4Bは、本開示のスピーカに対応する等価回路の一例を示す図である。 図5は、本開示の実施の形態1に関わる音響インピーダンス特性(B=10〜10)の実部を示す図である。 図6は、音導管の全てに制動板を配置したスピーカにおける音響インピーダンス特性の実部と、本開示のスピーカに対応する音響インピーダンス特性の実部を示す図である。 図7は、本開示のスピーカに関わる音響インピーダンス特性(B=10〜10)の実部を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態1に係るスピーカを搭載した薄型テレビ一例を示す正面外観図である。 図9Aは、本開示の実施の形態2に係るスピーカの一例を示す断面図である。 図9Bは、本開示の実施の形態2に係るスピーカの一例を示す断面図である。 図10Aは、従来のスピーカの断面図である。 図10Bは、従来のスピーカの断面図である。 図11は、従来の音導管の断面図である。
まず、本発明者らが本開示に係る各態様の発明をするにあたって、検討した事項を説明する。
(本発明の基礎となった知見)
特許文献1に記載の従来のスピーカでは、磁性流体27と分割サスペンション24a、24bとを利用したスピーカを用いることによって、小型であっても低音再生が可能な広帯域スピーカを実現することができる。
図10に示した従来の磁性流体を用いたスピーカ方式の一つの特徴は、音導管H2を通じて外部空間に音波を放射することである。この方式によれば、振動板30の背面に位置する音導管H2から音波を放射するので、振動板30をユーザから見えない装置内部に配置することができる。従って、装置が備えるスピーカの存在を感じさせることなく音波をユーザに提供できるという利点がある。
また、一般的なスピーカでは、振動板30とプレート22との間に形成される背面容積411と音導管H2が低域通過フィルタとして機能するため、高域の周波数の再生が難しい。一方で、磁性流体スピーカでは、磁性流体によって振動板30とプレート22との間に形成される背面容積411が大幅に縮小される。これにより、低域通過フィルタの遮断周波数を増大させることができるため、一般的なスピーカに比べ、より高域の周波数を再生することができるという利点もある。
しかし、従来の磁性流体を用いたスピーカのように、磁気回路に設けられた音導管H2経由で音波を放射する場合、背面容積411と音導管H2とによって生じるヘルムホルツ共鳴や音導管内で発生する定在波共振が発生し、大きなピークが形成され、音質が劣化するといった問題が発生してしまう。また、従来の磁性流体を用いたスピーカでは、スピーカの中央位置における磁気回路に音導管H2が一つ設けられているのみであるため、振動板30の中央と端から放射された音波がそれぞれの経路差によって干渉してしまう。
ここで、例えばスピーカの振動板30の前面(磁気回路を設けた側とは反対側)に共鳴が起こらないように音導管(図示せず)を配置することも考えられる。しかしこの方法では、振動板30と振動板30の前面に配置した音導管との間に形成される容積が磁気回路に音導管H2を設けるモデルに対して増大する。これにより、上記空間と音導管とによって形成される音響的な低域通過フィルタの遮断周波数が低下するため、高域の再生帯域が狭帯域化してしまう。
また、スピーカの振動板30の前面(磁気回路とは反対側)に空間を形成するための新たな部材を配置しなければならないので、部品コストも上がってしまう。よって、特に図10に示す磁性流体を配置しているスピーカにおいては、磁気回路に音導管を設けつつ、上記した共鳴や定在波共振を抑制する構造が求められる。
ここで、この問題に対し、特許文献2のように、音導管にダンパを設けダンパの制動効果によって高域のピークを抑制する方式も考えられる。図11は、特許文献2における従来の音導管において、制動材により高域のピークを抑制する音導管500の断面図を表す図である。音導管500は、チューブ501と、通路502と、ジョイント503と、ダンパ504と、シール部材505、耳せん506とを備える。以上の構成によれば、ジョイント503にダンパ504を設けるだけで、チューブ501とジョイント503とを連結して形成される通路の周波数特性に生じる高域のピークを、ダンパ504の制動効果によって抑える効果が得られる。
ここで、特許文献2では、外耳道を耳せんなどで塞いで使用する密閉型の補聴器またはイヤホンなどを想定している。密閉型の補聴器またはイヤホンでは、最低共振周波数以下の音圧特性がダンパ504の制動効果に関係なく一定となるため、ダンパ504を設けても低域特性に影響を与えない。
しかし、図10に示すスピーカの音導管H2に図11に示すダンパ504を設けたとしても、図10に示すスピーカは、自由空間に音波を放射する開放型のスピーカであるため、最低共振周波数以下の音圧特性が一定にならず、ダンパ504を設けることによって最低共振周波数以下の音圧特性にも制動効果が作用し、高域のピークだけでなく、最低共振周波数以下の音圧特性を低減させ、音圧特性を劣化させるという課題を有していた。
本開示は、音圧特性の共振によるピークの緩和と最低共振周波数以下の音圧特性の保持とを両立するスピーカを提供する。
本開示のスピーカは、振動板と、磁気回路とを備え、磁気回路には、振動板の磁気回路側に形成される空間とスピーカ外部の空間とをつなぐ複数の音響経路が形成され、複数の音響経路は、第1の音響経路と、第1の音響経路とは音響インピーダンスが異なる第2の音響経路とを含む。
これによって、音圧特性の共振によるピークの緩和と最低共振周波数以下の音圧特性の保持とを両立し、音導管から低音再生に優れ、周波数特性が平坦な音波を放射することができる。
また、本開示のスピーカは、磁気回路は、マグネットとプレートとヨークとで構成され、音響経路は、マグネットとプレートとヨークとにそれぞれ配置された音導管によって形成される、としてもよい。
このように構成することにより、音導管は、スピーカの外部空間とつながっているため、振動板が上下振動しても、振動板と磁気回路との間に形成される空間内での圧力は変化しなくなる。
また、本開示のスピーカは、音導管は複数配置され、複数の音導管には、第1の音響経路を形成する第1の音導管と、第2の音響経路を形成する第2の音導管と、が含まれ、第1の音導管には、第1の音導管を覆う制動材が配置され、第2の音導管には、第1の音導管を覆う制動材が配置されない、としてもよい。
このように構成することにより、スピーカの低域における周波数特性を劣化させることなく、共振によるピークを抑制することができる。
また、本開示のスピーカは、複数の音導管には、第1の音響経路を形成する第3の音導管が更に含まれ、第3の音導管には、第3の音導管を覆う制動材が配置される、としてもよい。
このように構成することにより、スピーカの低域における周波数特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制することができる。
また、本開示のスピーカは、第2の音導管は、マグネットまたはプレートまたはヨークの略中心位置に配置され、第1の音導管と第3の音導管とは、第2の音導管を中心にしたとき、対称となる位置に配置される、としてもよい。
このように構成することにより、スピーカの駆動時に振動板にかかる圧力が対称となり不安定振動の発生を抑制することができる。
また、本開示のスピーカは、スピーカの上面視形状は矩形であり、音導管はスピーカの長辺方向に一列に配置される、としてもよい。
このように構成することにより、振動板の中央と端から放射された音波が経路差によって干渉することを防止できる。これにより、スピーカが細長い形状であっても経路差による干渉の影響を受けやすい高域の特性を損なうことなく、音波を放射することができる。
また、本開示のスピーカは、音導管は複数配置され、複数の音導管には、第1の音響経路を形成する第1の音導管と、第2の音響経路を形成する第2の音導管と、が含まれ、第1の音導管と第2の音導管は、それぞれ半径が異なる、としてもよい。
このように構成することにより、第1の音導管の抵抗成分と前記第2の音導管の抵抗成分とを調整することができる。
また、本開示のスピーカは、第1の音響経路の抵抗成分比と第2の音響経路の抵抗成分比とが10以上10以下としてもよい。
このように構成することにより、音圧特性の共振によるピークの緩和と最低共振周波数以下の音圧特性の保持とを両立する。
また、本開示のスピーカは、音導管は一つのみであり、一の音導管に、第1の音響経路および第2の音響経路が形成される、としてもよい。
このように構成することにより、磁気回路に複数の音導管を設けることなく、音圧特性の共振によるピークの緩和と最低共振周波数以下の音圧特性の保持とを両立し、音導管から低音再生に優れ、周波数特性が平坦な音波を放射することができる。
また、本開示のスピーカは、音導管には一部を覆う制動材が配置され、第1の音響経路は制動材を通リ抜ける音響経路であり、第2の音響経路は制動材を通リ抜けない音響経路である、としてもよい。
このように構成することにより、磁気回路に配置した一の音導管に第1の音響経路および第2の音響経路を形成することができる。
また、本開示のスピーカは、磁気回路の一部に磁性流体を備える、としてもよい。
本開示の一態様に係るAV機器は、スピーカで構成されるテレビ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、イヤホン、補聴器、車両を含む。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本開示は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本開示の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできるものとする。
(実施の形態1)
図1Aは、本実施の形態1に係るスピーカ100の一例を示す断面図である。図1Bは、図1Aのスピーカ100における1B−1B断面図である。
スピーカ100は、ヨーク101と、マグネット102と、プレート103と、振動板104と、サスペンション105a、105bと、ボイスコイル106と、音導管108a、108b、108cと、制動材109と、磁性流体110とを備える。
また、ヨーク101と、マグネット102と、プレート103とによって磁気空隙107を形成する磁気回路を構成する。プレート103と、振動板104と、ボイスコイル106と、磁性流体110とによって背面容積111(振動板104の磁気回路側の空間)が形成される。
また、音導管108a、108b、108cは、それぞれ、振動板104の磁気回路側の空間とスピーカ100の外側の空間とをつなぐ空間である。
また、ボイスコイル106と、磁性流体110とは、この磁気空隙107内に配置される。また、図1では振動板104にリブ112が配置されている例を示しているが、このリブ112は必須の構成ではない。以下各構成について説明する。
ヨーク101は、上面が開放された箱形状であり、上面視における形状は矩形形状である。ヨーク101は、底面に開口部を有しており、音導管108の一部を形成している。また、ヨーク101の内部の開放面は、長辺が直線形状であり短辺が曲線形状(トラック形状)である。さらに、ヨーク101は、内部の開放面から外側に延伸した延伸部を含み、延伸部はサスペンション105a、105bを支持している(後述する)。また、ヨーク101は、磁性材料で構成される。
マグネット102は、水平断面形状がトラック形状である。すなわち、マグネット102は、ヨーク101の内部の開放面の形状と略同形状であり、ヨーク101の内部の開放面の形状より小さい。マグネット102は、内部に開口部を有しており、音導管108a、108b、108cの一部を形成している。マグネット102の開口部の形状は、ヨーク101に設けられている開口部の形状と同様の形状である。また、マグネット102は、その開口部の位置とヨーク101の開口部の位置とが合わさるように、ヨーク101の内部底面に接着される。マグネット102の着磁方向は、振動板104の振動方向と同様の方向となるよう着磁されている。
図1Bに示すように、プレート103は、水平断面形状がトラック形状である。すなわち、プレート103は、ヨーク101の内部の開放面の形状と略同形状であり、ヨーク101の内部の開放面の形状より小さい。プレート103は、ヨーク101およびマグネット102と同様に、内部に開口部を有しており、音導管108a、108b、108cの一部を形成している。プレート103の開口部の形状もまた、ヨーク101に設けられている開口部の形状と同様の形状である。また、プレート103は、その開口部の位置とマグネット102の開口部の位置とが合わさるように、マグネット102の上面に接着される。プレート103の外周には磁性流体110が接触している。プレート103は、磁性材料で構成される。
振動板104は、水平断面形状がトラック形状である。すなわち、振動板104は、長辺が直線形状であり、短辺が曲線形状である。すなわち、振動板104は、ヨーク101の内部の開放面の形状と略同形状である。振動板104の水平断面形状とヨーク101の内部の開放面の形状とを比較した際の大小は、特に限定しない。また、振動板104は、サスペンション105a、105bと同じ材料にて構成され、サスペンション105a、105bにその曲線部が一体形成されて接着される。なお、振動板104は、サスペンション105a、105bと一体形成されていなくてもよいし、同じ材料で構成されていなくてもよい。また、振動板104の底面外周部にはボイスコイル106が接着される。また、図1Aのように、振動板104の短辺と平行な複数個のリブ112が形成されたものであってもよい。リブ112があることで、可聴帯域内での共振を抑制することができる。
サスペンション105aとサスペンション105bとは、振動板104およびヨーク101に接着される。サスペンション105a、105bが振動板104と接着される辺は、曲線形状である。また、サスペンション105a、105bがヨーク101(の延伸部)に接着される辺は、直線形状である。振動板104の全周囲を覆わずに、一部(短辺・曲線部)のみに複数接着されていることから、サスペンション105aとサスペンション105bとを合わせて分割サスペンションと呼ぶ。また、サスペンション105aとサスペンション105bとの垂直断面形状は、図1Aに示すように非直線となる。この形状によって、振動板104を振動可能に保持している。また、サスペンション105aとサスペンション105bとの垂直断面形状は、図1Aに示すように、振動方向において下に凸の形状でもよいし、上に凸の形状でもよい。なお、サスペンション105a、105bの形状は、これらに限られない。例えば、ヨーク101に接着される辺が曲線形状でもよい。この際には当然、ヨーク101のサスペンション105a、105bと接着される辺は、曲線形状となる。
ボイスコイル106は、水平断面形状がトラック形状である。すなわち、ボイスコイル106は、ヨーク101の内部の開放面の形状と略同形状であり、ヨーク101の内部の開放面の形状より小さい。また、ボイスコイル106の立体形状は、筒状である。図1Aに示すように、ボイスコイル106の垂直方向上端が振動板104の底面外周部に接着される。また、ボイスコイル106の垂直方向下端は、図1Aに示すように磁気空隙107内に配置される。また、ボイスコイル106の垂直方向下端の内周には、磁性流体110が接触している。
音導管108a、108b、108cは、ヨーク101と、マグネット102と、プレート103とにそれぞれに設けられた同一形状の開口部によって構成される。音導管108の形状は、図1Bのように円筒形状である。また、図1A、図1Bに示すように、音導管108bは、例えばスピーカ100の中央位置(または中心位置ともいう)に配置されていることが好ましい。スピーカ100の中央位置とは、マグネット102の中央位置である。また、スピーカ100の中央位置とは、プレート103の中央位置である。また、スピーカ100の中央位置とは、ヨーク101の中央位置である。
音導管108bは、例えばスピーカ100の中央位置に配置される必要は必ずしもない。例えば音導管108bは、スピーカ100、マグネット102、プレート103またはヨーク101の中央位置と見なる位置(略中央位置、または略中心位置ともいう)に配置されていればよい。
また、音導管108aと音導管108cとは、音導管108b(または、スピーカ100の中央位置)を中心としたとき、互いに対称となる位置に配置されていることが好ましい。図1Bでは、音導管108a、108b、108cは、長辺方向に沿って配置されており、音導管108a、108cは、音導管108b(または、スピーカ100の中央位置)に対して、長辺方向における対称位置に配置されている例を示している。ただし、音導管108a、108b、108cの配置位置に関しては、これに限られない。
制動材109は、音導管108a、108cの下部開口面を覆う位置に配置される。図1のスピーカでは、制動材109は、音導管108bの下部開口面には設けない。なお、制動材109を音導管108a、108cの上部開口面に設けてもよい。また、音導管108a、108cの内部に設けてもよい。なお、制動材109は、音導管108a、108cの下部開口面に設けずに、音導管108bの下部開口面を覆う位置に設けてもよい。すなわち、制動材109は、複数ある音導管108a、108b、108cのうちの少なくとも一つには設けられ、残りには設けられない構成であればよい。
磁性流体110は、プレート103の外周およびボイスコイル106の内周の空間に隙間無く充填される。
以上のように構成されたスピーカ100の動作について説明する。ボイスコイル106に電気信号が入力されると、フレミングの左手の法則に従ってボイスコイル106が振動する。ボイスコイル106は振動板104と接着されているため、振動板104から音波が発生する。振動板104から発生した音波は、音導管108a、音導管108aに配置した制動材を通過してスピーカ100の外部へ出力される。また、振動板104から発生した音波は、音導管108cおよび音導管108cに配置した制動材を通過してスピーカ100の外部へ出力される。また、振動板104から発生した音波は、音導管108bを通過してスピーカ100の外部へ出力される。
この時、サスペンション105a、105bは、振動板104全周を囲うことなく部分的に振動板と接着しているため、サスペンション105a、105bのスティフネスは、一般的な振動板全周を囲うサスペンションのスティフネスに比べ十分低くなる。それにより、最低共振周波数を低減させることができ、再生帯域幅の縮小を抑制することができる。また、音導管108a、108b、108cにより、振動板104が振動した場合でも背面容積111の内部の圧力は一定に保たれるため、最低共振周波数の増大を抑制することができる。
また、本実施の形態1におけるスピーカ100では、磁気回路に音導管108を設けているので、振動板104の上部に音導管を設ける場合に比べ、背面容積111を縮小することができ、それにより低域通過フィルタの遮断周波数が高域側にシフトされ、広帯域の音波を放射することができる。
また、音導管108が外部空間につながっているため、振動板104が上下振動しても、背面容積111内での圧力は変化しないため、背面容積111内の圧力変動に伴う磁性流体の飛散を抑制することができる。
さらに、制動材109に布などの吸油性のある素材を用いれば、スピーカ100に大きな衝撃が加わり磁性流体110がスピーカ100の内部で飛散し、毛細管現象によって音導管108に到達した場合でも、制動材109が磁性流体110を吸い込むことで、磁性流体が外部空間に流出することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態1においては、矩形状のスピーカ100の長辺方向に沿って三つの音導管108a、108b、108cが設けられている。そのため、振動板104の中央と端から放射された音波が経路差によって干渉することを防止できる。それにより、スピーカ100が細長い形状であっても経路差による干渉の影響を受けやすい高域の特性を損なうことなく、音波を放射することができる。
さらに、本実施の形態1におけるスピーカ100では、制動材109を音導管108a、108cのみに配置している。すなわち、音導管108b(または、スピーカ100の中央位置)に対して、振動板104の長辺方向の対称となる位置にある音導管108a、108cに制動材109を配置している。これにより、スピーカ100の駆動時に振動板104にかかる圧力が対称となり、不安定振動の発生を抑制することができる。
さらに、本実施の形態1におけるスピーカ100では、制動材109を適切な音響インピーダンスに設計(配置)することで、最低共振周波数以下の音圧特性を低減することなく、共振によるピークを抑制している。ここでは上述のように、制動材109を音導管108a、108cの下部開口面を覆う位置に配置し、音導管108bの下部開口面には配置していない。以下にこの構成による効果を説明する。
まず、図1に示したスピーカ100において、音導管108a、108cに制動材109を取り付けていない構成を制動材無しのスピーカ構成と呼ぶことにする。
また、図1に示したスピーカ100において、音導管108bにも制動材109を取り付けた構成(音導管108a、108b、108cの全てに制動材109を取り付けた構成)を制動材有(三箇所)のスピーカ構成と呼ぶことにする。
図2に、制動材無しのスピーカ構成と、制動材有のスピーカ構成とにおける音圧特性を比較した結果を示す。
図2は、横軸が周波数を縦軸が音圧レベルを示す。制動材無しのスピーカ構成における音圧特性は、背面容積111と音導管108とによって生じるヘルムホルツ共鳴の影響で、8kHz付近にピークが形成されている。これに対し、制動材有(三箇所)のスピーカ構成では、制動材109の制動効果によって、8kHz付近のピークが抑制されている。しかしながら同時に、制動材109の制動効果によって、最低共振周波数以下(1kHz以下)の音圧特性も低下してしまっている。
それに対し、図3に、制動材無しのスピーカ構成と、図1に示すスピーカ100(音導管108a、108cの下部開口面を覆う位置に制動材109を配置)の構成における音圧特性とを、比較した結果を示す。図3は、横軸が周波数を縦軸が音圧レベルを示す。図2における制動材有(三箇所)のスピーカ構成における音圧特性は、制動材109の影響で、8kHz付近のピークと、最低共振周波数以下の音圧特性とが共に低下していたのに対し、本実施の形態1のスピーカ100においては、8kHz付近のピークのみ低下し、最低共振周波数以下の音圧特性は制動材無しのスピーカ構成における音圧特性と同等となっている。すなわち、本実施の形態1におけるスピーカ100の音圧特性は、低域特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制できていることが確認できる。
ここで、本実施の形態1で示すように、二つの制動材109を、三つある音導管108a、108b、108cのうち二つ(音導管108a、108c)に設けることで、最低共振周波数以下の音圧特性が低下することなく共振によるピークが抑制される理由を説明する。
図4Aは、制動材有(三箇所)のスピーカ構成における音導管108と制動材109を音響インピーダンスとして考えたときの等価回路の一例を示した図である。また、図4Bは、本実施の形態1のスピーカ100の構成における音導管108と制動材109を音響インピーダンスとして考えたときの等価回路の一例を示した図である。
振動板104の振動により発生した音波が音導管108a、108b、108cのそれぞれを通過するときの現象の解析手法は、電流がコイルと抵抗とを直列に接続したものを流れるときに生じる現象の解析手法を適用できる。音波が音導管を通過したときに生じる現象と、電流がコイルと抵抗とを直列に接続したものを流れるときに生じる現象に類似性があるからである。この場合、音波を電流と考え、音導管108a、108b、108cのそれぞれをコイルと抵抗とを直列に接続したものと考えればよい。
また、音波が制動材を通過するときの現象の解析手法は、電流が抵抗を流れるときに生じる現象の解析手法を適用できる。音波が制動材を通過するときに生じる現象と、電流が抵抗を流れるときに生じる現象に類似性があるからである。この場合、音波を電流と考え、制動材を抵抗と考えればよい。
よって、振動板104の磁気回路側の空間(振動板側)とスピーカの外部空間(外部空間側)との間に位置する音導管および制動材を、図4に示すような等価回路で示すことができる。
図1に示すスピーカ100において、音導管108a、108b、108cのそれぞれの半径および長さは、同じであるとする。また、音導管108に配置する制動材の材料は同じ材料を用い、かつ制動材の厚さは同じであるとする。
図1に示すスピーカ100の構成において、音導管108a、108b、108cのそれぞれの半径および長さは同じであるため、音導管108a、108b、108cのそれぞれに対応する音響インピーダンスを同じと見なすことができる。また、音導管108に配置する制動材の材料は同じ材料を用い、かつ制動材の厚さは同じとしたので、制動材有(三箇所)のスピーカ構成において、音導管108a、108b、108cのそれぞれに配置した制動材109の音響インピーダンスを同じと見なすことができる。
図4Aに示すように、制動材有(三箇所)のスピーカ構成では、音導管108a、108b、108cのそれぞれに対して制動材109による抵抗成分Rが付加されるため、振動板側とスピーカの外部空間との間に位置する、音導管と制動材とで構成される音響インピーダンスZの実部は、以下の(1)式に示すように
となり、周波数の値に関係なく一定の値を取る。ここで、制動効果の強弱は音響インピーダンスの実部に比例するため、制動材109を音導管108a、108b、108cの全てに配置した構成では、共振によるピークと最低共振周波数以下の音圧特性とが同時に低下してしまう。
一方で、図4Bに示す本実施の形態1のスピーカ100のように、複数ある音導管の一部(音導管108a、108cの下部開口面を覆う位置)に制動材を設け、残りの音導管(音導管108b)には制動材を設けない構成において、振動板側とスピーカの外部空間との間の音響インピーダンスZの実部は、以下の(2)式に示すように
となり、周波数fに依存する。ここで、音導管自身の抵抗成分Rと制動材が付加された音導管の抵抗成分R+Rとの比をBとすると、比Bは、以下の(3)式に示すように
となる。抵抗成分の比Bが10(R=2.81e+04、R=2.53e+05)、10(R=2.81e+04、R=2.78e+06)、10(R=2.81e+04、R=2.81e+07)、10(R=2.81e+04、R=2.81e+08)となる場合の音響インピーダンスZの実部の周波数特性を図5に示す。また、音響インピーダンスZの実部の算出において、(2)式のMを6.68e+02としている。
図5において、横軸は周波数を縦軸は音響インピーダンスZの実部の値を示す。
図5より、抵抗成分の比Bの増大に伴い、主に1kHz以上の音響インピーダンスZの実部の値が増大することがわかる。
ここで、制動材有(三箇所)のスピーカ構成において、振動板側とスピーカの外部空間との間の音響インピーダンスZの実部の周波数特性と、比Bが10(R=2.81e+04、R=2.81e+08)の場合における本実施の形態1のスピーカ100の音響インピーダンスZの実部の周波数特性との比較を図6に示す。
また、音響インピーダンスZの実部の算出において、(2)式のMを6.68e+02としている。
図6において、横軸は周波数を縦軸は音響インピーダンスの実部の値を示す。
図6より、制動材有(三箇所)のスピーカ構成における音響インピーダンスZの実部の値は、周波数に関係なく一定であるのに対し、本実施の形態1のスピーカ100の構成では、抵抗成分の比Bを10とすることで1kHz以下の音響インピーダンスZの実部の値を8kHzの音響インピーダンスの実部の値の40分の1以下とすることができる。
これにより、本実施の形態1のように、複数ある音導管のうちの少なくとも一つに制動材を設け、残りの音導管には制動材を設けないスピーカ100では、低域特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制することができる。
さらに、抵抗成分の比Bが10(R=2.81e+04、R=2.81e+08)、10(R=2.81e+04、R=2.81e+09)、10(R=2.81e+04、R=2.81e+10)、10(R=2.81e+04、R=2.81e+11)となる場合の音響インピーダンスZの実部の周波数特性を図7に示す。
また、音響インピーダンスZの実部の算出において、(2)式のMを6.68e+02としている。
図7において、横軸は周波数を縦軸は音響インピーダンスZの実部の値を示す。図7より、抵抗成分の比Bが10よりも大きくなると、高域周波数においては音響インピーダンスZの実部の値が減少することがわかる。そのため、本実施の形態1の効果を得るためには、抵抗成分の比Bを10以上10以下に設計することが好ましい。
なお、制動材109の設置位置や形状は、音導管108の経路を遮る構成であれば、どのような設置位置・形状であってもよい。
なお、図1に示すスピーカ100では、音導管108a、108b、108cの半径を同じとしていたが、これに限定されるものではない。例えば、音導管108bの半径と、音導管108a、108cの半径とを異なる値としてもよい。音導管108の半径を変化させることで抵抗成分(R)を調整し、抵抗成分の比Bを調整してもよい。音導管の半径を小さくすると抵抗成分の比Bが小さくなる。よって、抵抗成分の比Bを小さくしたいときは、音導管の半径を小さく設計すればよい。
ただし、図1に示す、制動材109が付加されない音導管108bは、主に低周波数の音が通過するため、音導管108bの半径は、音導管108a、108bの半径よりも大きく設定した方が、音導管108bでの風切り音を防止することができる。
また、制動材109を使用せずに抵抗成分の比Bを調整する場合は、音導管108a、108cの半径(または口径)を音導管108bの半径よりも小さくすることで、抵抗成分の比Bを大きくすることができる。この時、音導管108bに対する音導管108a、108cの半径の比をCとすると、比Cは、以下の(4)式に示す音響インピーダンスの実部を用いて以下の(5)式に示すようになる。さらに抵抗成分の比Bの条件を加味すると、半径の比Cは、10−1.25以上10−0.5以下になることが望ましい。
ここで、μ:粘性係数(空気1.86×10−5)、ρ:密度(空気1.18kg/m)である。
次に、本開示の実施の形態1のスピーカ100を薄型テレビに搭載した例を説明する。図8は、本開示の実施の形態1のスピーカ100を搭載した薄型テレビの一例を示す正面外観図である。同図において、201はセット筐体、202は液晶あるいは有機ELなどのディスプレイ部、203はスピーカである。スピーカ203は、ディスプレイ部202の両サイドのセット筐体201の内部に設けられる。
以上のように構成された薄型テレビについて、その動作を説明する。ここでは図示しないが、信号処理部で処理された音響信号が左右のスピーカ203に入力されることによって、スピーカ203から音が再生される。スピーカ203から放射される音波は、本実施の形態1における制動材の制動効果により、低域特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制することができ、低音再生に優れ、周波数特性が平坦な音声を再生することができる。
さらに、音導管から放射することによって、スピーカ100の存在を感じさせることなく音をユーザに提供することができる。
なお、本実施例においては、スピーカ100をディスプレイ部の両端に配置したが、スピーカの個数や設置位置を限定するものではない。
また、本実施の形態1におけるスピーカ100は、必ずしも図8の例のように薄型テレビに配置することに限らない。携帯端末、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)、イヤホン、補聴器、車両など、スピーカを備える様々な装置に採用が可能である。
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2におけるスピーカ300の説明をする。なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同様の構成は一部説明を省略している。
図9Aは、本実施の形態2に係るスピーカ300の一例を示す断面図である。図9Bは、図9Aのスピーカ300における9B−9B断面図である。
スピーカ300は、ヨーク301と、マグネット302と、プレート303と、振動板304と、サスペンション305a、305bと、ボイスコイル306と、音導管308と、制動材309と磁性流体310とを備える。
また、ヨーク301と、マグネット302と、プレート303とによって磁気空隙307が形成され、プレート303と、振動板304と、ボイスコイル306と、磁性流体310とによって背面容積311が形成される。
ボイスコイル306と、磁性流体310とは、この磁気空隙307内に配置される。
また、実施の形態1と同様、リブ312を振動板304に備えてもよい。
以下、スピーカ300の動作について、実施の形態1のスピーカ100と異なる構成について説明する。
実施の形態1と異なる構成の一つは、音導管308が一つである点である。音導管308は、スピーカの中心部に一つ設けられる。
また、実施の形態1と異なる構成の一つは、制動材309が音導管断面を完全に塞いでいない点である。図9Aに示すとおり、制動材309の中心には孔が配置されている(円環上の制動材309を用いている)。
ボイスコイル306が振動し、振動板304から音波が発生する点は、実施の形態1と同様である。上述したように実施の形態1と異なる点は、一つの音導管308に対して円環上の制動材309が付加されている点である。
ここで、音導管308を通過する音波は、制動材309の内部を通過する音波と、制動材309の中心(制動材309の中央に設けた孔)を通り制動効果を受けない音波とに、別れる。このように、一つの音導管308内に制動材309を通リ抜ける音響経路(第1の音響経路)と、制動材309を通り抜けない(または、制動材309により覆われていない部分、つまり制動材309の孔を通り抜ける)音響経路(第2の音響経路)とが、設けられることになる。一つの音導管308内に二つの音響経路を設けることによって、実施の形態1と同様に、低域特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制することができる。従って、実施の形態1のように複数の音導管を設ける必要はなく、従来の音導管と同様の形状を用いても効果を実現することができる。
なお、制動材309の設置位置や形状は、音導管308の経路を部分的に遮る構成であれば、どのような設置位置・形状であってもよい。例えば、制動材309を、音導管308に対してずらして接着させることで、制動材内部を通過する音響経路と制動材を通過しない音響経路とを形成する構成などが考えられる。
なお、音導管の数や制動材を付加する音導管の数は、所望の音響特性が実現できれば、いくつであってもよい。
なお、音導管の形状は、背面容積311と外部空間の間をつなぐ形状であれば、トラック形状などの丸型形状以外の形状であってもよい。
なお、円環状の制動材309は、図1に示す複数の音導管を有するスピーカに適用することもできる。低周波数成分が多く含まれる信号を再生する場合、制動材309を使用することで、制動材を付加しない音導管にかかる圧力を弱めることができ、風切り音を抑制することができる。
本実施の形態2におけるスピーカ300は、実施の形態1と同様、薄型テレビに配置することに限らない。携帯端末、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)、イヤホン、補聴器、車両など、スピーカを備える様々な装置に採用が可能である。
以上のように、本開示によれば、低域特性を劣化させることなく共振によるピークを抑制することができるため、狭額縁化が進み音導管を経由して外部に音波を放射するテレビ、タブレット端末、スマートフォンや、耳せんなどに通気孔を設けた開放型のイヤホンや補聴器であっても、低音再生に優れ、周波数特性が平坦なスピーカを実現する。
100、203、300 スピーカ
101、301 ヨーク
102、302 マグネット
103、303 プレート
104、304 振動板
105a、105b、305a、305b サスペンション
106、306 ボイスコイル
107、307 磁気空隙
108、308、500 音導管
109、309 制動材
112、312 リブ
110、310 磁性流体
111、311、411 背面容積
201 筐体
202 ディスプレイ部

Claims (12)

  1. 振動板と、
    磁気回路とを備え、
    前記磁気回路には、前記振動板の前記磁気回路側に形成される空間と前記スピーカ外部の空間とをつなぐ複数の音響経路が形成され、
    前記複数の音響経路は、第1の音響経路と、前記第1の音響経路とは音響インピーダンスが異なる第2の音響経路とを含む、
    スピーカ。
  2. 前記磁気回路は、マグネットとプレートとヨークとで構成され、
    前記音響経路は、前記マグネットと前記プレートと前記ヨークとにそれぞれ配置された音導管によって形成される、
    請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記音導管は複数配置され、
    複数の前記音導管には、第1の音響経路を形成する第1の音導管と、第2の音響経路を形成する第2の音導管と、が含まれ、
    前記第1の音導管には、前記第1の音導管を覆う制動材が配置され、
    前記第2の音導管には、前記第1の音導管を覆う制動材が配置されない、
    請求項2に記載のスピーカ。
  4. 複数の前記音導管には、第1の音響経路を形成する第3の音導管が更に含まれ、
    前記第3の音導管には、前記第3の音導管を覆う制動材が配置される、
    請求項3に記載のスピーカ。
  5. 前記第2の音導管は、前記マグネットまたは前記プレートまたは前記ヨークの略中心位置に配置され、
    前記第1の音導管と前記第3の音導管とは、前記第2の音導管を中心にしたとき、対称となる位置に配置される、
    請求項4に記載のスピーカ。
  6. 前記スピーカの上面視形状は矩形であり、
    前記音導管は前記スピーカの長辺方向に一列に配置される、
    請求項5に記載のスピーカ。
  7. 前記音導管は複数配置され、
    複数の前記音導管には、第1の音響経路を形成する第1の音導管と、第2の音響経路を形成する第2の音導管と、が含まれ、
    前記第1の音導管と前記第2の音導管は、それぞれ半径が異なる、
    請求項2に記載のスピーカ。
  8. 前記第1の音響経路の抵抗成分比と前記第2の音響経路の抵抗成分比とが10以上10以下となる、
    請求項1に記載のスピーカ。
  9. 前記音導管は一つのみであり、
    一の前記音導管に、前記第1の音響経路および前記第2の音響経路が形成される、
    請求項2に記載のスピーカ。
  10. 前記音導管には一部を覆う制動材が配置され、
    前記第1の音響経路は前記制動材を通リ抜ける音響経路であり、
    前記第2の音響経路は前記制動材を通リ抜けない音響経路である、
    請求項9に記載のスピーカ。
  11. 前記磁気回路の一部に、磁性流体を備える、
    請求項1から10のいずれか1項に記載のスピーカ。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のスピーカで構成されるテレビ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、イヤホン、補聴器、車両を含む、AV機器。
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