JP2015143969A - 工作機械制御装置、工作機械制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、このような一般的な技術では、コストの増加や機械剛性の低下を招く。
このため、本発明者らは、付加的なセンサを不要とする加工力推定の技術を開発済みである(特許文献1参照)。
このため、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術の実現が要望されている。
工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、制御を実行する工作機械制御装置である。
そして、本発明の一側面の工作機械制御装置は、
前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御手段と、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定手段と、
を備えることを特徴とする。
前記加工力推定手段は、さらに、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いて、前記加工力を推定する、
こともできる。
前記ローパスフィルタは、バターワースフィルタである、
こともできる。
前記加工力推定手段は、さらに、前記多慣性系モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及び、前記モータのトルクの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタを用いて、前記加工力を推定する、
ようにすることもできる。
前記加工力推定手段は、さらに、むだ時間要素を用いて、前記加工力を推定する、
こともできる。
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とに基づいて外乱を推定し、推定した当該外乱に基づいて前記電流の指令値を補償する補償手段、
をさらに備えることもできる。
前記加工力推定手段は、前記状態情報として、前記直動機構において直線運動に変換された回転角をさらに用いる、
こともできる。
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
ロータリエンコーダ22は、モータ21の回転角θmを検出し、当該回転角θmを、ボールねじ駆動ステージ13の内部の状態を示す情報(以下、「状態情報」と呼ぶ)として、サーボアンプ12を介してコントローラ11にフィードバックする。
カップリング23は、モータ21の回転軸の一端と、ボールねじ24のねじ軸の一端を接続する。
ボールねじ24は、ねじ軸の両端がベアリング25に支軸され、ナットがステージ26に取り付けられ、モータ21からカップリング23を介して伝達された回転運動を直線運動に変換することで、当該ステージ26をねじ軸に沿って移動させる。
なお、以下、ボールねじ24のねじ軸に平行な方向(図1中横方向)を、「x方向」と呼ぶ。
ベアリング25は、ボールねじ24のねじ軸を支持する。
ステージ26は、後述の図3に示すワークWを積載し、ボールねじ24によりx方向に移動する。
リニアエンコーダ27は、ステージ26のx方向の位置xtを検出して、当該位置xtを、ボールねじ駆動ステージ13の出力情報として、コントローラ11にフィードバックする。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
出力部37は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部38は、ハードディスク等で構成され、各種情報のデータを記憶する。
通信部39は、ネットワークを介して他の端末(図示せず)との間で行う通信を制御すると共に、本実施形態では図1に示すように、サーボアンプ12に対する指令値を出力したり、フィードバック情報をサーボアンプ12又はリニアエンコーダ27から入力するための通信を制御したりする。
即ち、位置制御器101は、モータ21の回転角θmを状態情報として、ロータリエンコーダ22から(図3に図示せぬサーボアンプ12を介して)取得すると共に、ステージ26のx方向の位置xtを出力情報としてリニアエンコーダ27から取得する。位置制御器101は、これらの状態情報及び出力情報に基づいて、ステージ26のx方向の位置xtを制御すべく、モータ21の電流Iaの指令値を出力する。
しかしながら、本実施形態では、位置制御器101から出力された指令値に対して、外乱オブザーバ102により生成された補償電流が加算された値が、入力情報として採用されている。なお、以下、入力情報となる、モータ21の電流Iaの指令値を、特に「電流参照値Iaref」と呼ぶ。
なお、外乱オブザーバ102のさらなる詳細については、本出願人により既に出願されて公開された特開2010−271880号公報を参照するとよい。
切削力オブザーバ103は、この切削力Fcutを推定する。
ここで、本実施形態のボールねじ駆動ステージ13に対する位置制御としては、モータ21の回転角θm(状態情報)がフィードバックされるのみならず、ステージ26のx方向の位置x(出力情報)もリニアエンコーダ27により直接検出されてフィードバックされる制御、即ちフルクローズド制御が採用されている。
従って、切削力オブザーバ103は、ボールねじ駆動ステージ13の内部情報、即ち、電流参照値Iaref(入力情報)、ステージ26のx方向の位置xt(出力情報)、及びモータ21の回転角θm(状態情報)を用いて、切削力Fcutを推定することができる。このように、切削力オブザーバ103は、これら3つの内部情報を用いることで、従来の入出力情報だけを用いる外乱オブザーバによる切削力推定手法と比較して、推定精度を著しく向上することができる。
図4は、本発明が適用される切削力推定手法の概要を説明するための図であって図3等の工作機械システム1で切削を行う際にボールねじ駆動ステージ13に作用する力を示した図である。
このような前提の下、モータ21の軸の回転運動が、ボールねじ24(図3等)において、そのねじ軸に平行なx方向の直線運動に変換されて、質量Mtの負荷(ワークWが積載されたステージ26)が移動量xtだけ移動する。その際、ワークWに対して切削工具Dが切り込むことにより、切削力Fcutが生ずる。
これにより、コントローラ11の切削力オブザーバ103は、式(4)に従って、力センサ等の付加的なセンサを用いることなく、ボールねじ駆動ステージ13における切削力Fcutを精度よく推定することができる。
さらに、本実施形態では、上述したように外乱オブザーバ102(図3)も設けられている。この外乱オブザーバ102によるキャンセレーションにより、パラメータ変動の影響を低減することができ、その結果、切削力オブザーバ103の推定精度がさらに向上する。
ここで、機能ブロック111は、モデルに含まれる擬似微分による遅れを補償する機能ブロック131と、モータトルクTmの電気的遅れ(wccを電流制御系の帯域幅とした一次遅れ)を補償する機能ブロック132とを有している。即ち、機能ブロック111は、モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及びモータトルクTmの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタとして機能する。このような遅れ補償用フィルタを適用することにより、高周波成分の推定精度がさらに向上する。
機能ブロック120の出力(式(4)の中かっこの演算値)は、機能ブロック122を通過することで高周波ノイズが抑制され、切削力Fcutの推定値として出力される。即ち、機能ブロック122は、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタとして機能する。
本発明人らは、このような本実施形態の工作機械システム1における切削力オブザーバ103の有効性を検証すべく、シミュレーションと、実機による試験とを行った。
先ず、図6を参照してシミュレーションについて説明し、次に、図7〜図11を参照して実機による試験について説明する。
図6において、実線の「Proposed method」が、本実施形態の切削力オブザーバ103の特性を示している。点線の「Previous method」が、従来の切削力オブザーバの特性を示している。ここで、従来の切削力オブザーバとは、ボールねじ駆動ステージ13の運動を1慣性系とみなしてモデル化し、入力情報及び出力情報のみを用いて切削力推定をしたものをいう(状態情報は含まない)。
本実施形態の切削力オブザーバ103及び従来の切削力オブザーバの遮断周波数gcutは、3000rad/sとした。
また、ボールねじ駆動ステージ13のねじ軸の方向(x方向)の共振周波数ωsは、445Hzである。
共振周波数ωsにおいて、従来の切削力オブザーバではゲインが高くなる(ピークを持つ)のに対して、本実施形態の切削力オブザーバ103ではゲインは高くなっていない(ピークを持たない)。
このように、本実施形態の切削力オブザーバ103は、共振の影響を受けることない切削力Fcutの推定、即ちより高帯域な切削力Fcutの推定をすることができる。
図7は、送り速度が一定であって工具回転の指令を低速の1000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
図8は、送り速度が一定であって工具回転の指令を高速の10000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
しかしながら、図8に示すように、送り速度が一定の場合であって工具スピンドルCの回転数の指令が高速の10000min−1になると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバと比較して、切削力Fcutの推定値が実測値に近くなること、即ち推定精度がより高くなることがわかる。
図11は、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令を高速の10000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
しかしながら、図11に示すように、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令が高速の10000min−1になると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバと比較して、切削力Fcutの推定値が実測値に近くなること、即ち推定精度がより高くなることがわかる。換言すると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバよりも、慣性力がより正確に補償され、その結果として、切削力Fcutを精度よく推定できていることがわかる。
以下、本発明の第2実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態は、第1実施形態と比べて、遅れ補償性能及び高域ノイズ抑圧性能をさらに向上させる構成である。
本実施形態では、第1実施形態と比べて、さらに、むだ時間要素の機能ブロック123、124及び125が設けられている。
なお、むだ時間T1、T2、T3は、計測結果により同定して設定される。
状態情報(θm)と入力情報(Ia)との伝達関数、及び出力情報(xt)と入力情報(Ia)との伝達関数を比較すると、100〜200Hzにおいて、位相差が0に近付いている。
この例は、100Hzの切削力を与えた場合のモータトルク、及びステージ26のx方向への加速度の実験結果を示している。この場合、図13で示したように、理想的な位相差はおよそ0であるが、むだ時間要素による遅れ補償を行わない場合、位相差が大きく生じている(a)。
切削力オブザーバ103aは、モータ回転角度θmについても同様に遅れ補償を行う。
主軸回転数4000min−1(周波数133Hz)のときの加工試験結果(実測値)に対して、切削力オブザーバ103aによる推定値が描かれている。
主軸回転数6000min−1(周波数200Hz)のときの加工試験結果(実測値)に対して、切削力オブザーバ103aによる推定値が描かれている。
以下、本発明の第3実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
ここでは、一例として3慣性系モデルを適用した場合を説明する。
図18は、本発明が適用される切削力推定手法の概要を説明するための図であって図17のボールねじ駆動ステージ13bに作用する力を示した図である。
このモデルは、モータ21、モータ28、ねじ軸及びステージ26の4つのマスのうち、モータ28及びねじ軸を、これらの間のねじり変形が微小(剛体)であると仮定して、モータBの1つに代表させた3慣性モデルである。
モータAにおいて、モータトルクKt1×Ia1による回転運動(回転角θm1)に対してモータ内部での摩擦トルクTfric1が発生する。また、モータBにおいて、モータトルクKt2×Ia2による回転運動(回転角θm2)に対してモータ内部での摩擦トルクTfric2及びナット内部での摩擦トルクTbが発生する。
同様に、モータBの回転角θm12(状態情報)は、機能ブロック114bを通過することで、2階微分されて慣性モーメント(Jb+Jm2)が乗算される。
機能ブロック120の出力(式(9)の大かっこの演算値)は、機能ブロック122を通過することで高周波ノイズが抑制され、切削力Fcutの推定値として出力される。即ち、機能ブロック122は、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタとして機能する。
1慣性系モデル及び2慣性系モデルでは、2箇所ある共振周波数の近傍で影響を大きく受け、十分な精度で推定できる帯域が限られている。
換言すると、上述した各部や各手段による一連の処理を全体として実行できる機能が工作機械システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのように各機能ブロックを構成するのかについては特に限定されない。即ち、各機能ブロックは、図3や図5に示す形態に限定されず、図3又は図5に示す機能ブロックを任意に分割又は組み合わせたり、任意の機能の削除又は付加をしたりできる。また、各機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
即ち、本発明が適用される工作機械制御装置(例えば図3等のコントローラ11)は、工作機械の加工具(例えば図3等の切削工具D)又はそのワーク(例えば図3等のワークW)が積載されたステージ(例えば図3等のステージ26)を負荷として駆動する駆動機構(例えば図3等のボールねじ駆動ステージ13)に対して、当該負荷の位置を制御する。ここで、当該駆動機構は、電流に応じたトルクを発生するモータ(例えば図3等のモータ21)と、前記モータにおける回転運動を所定方向(例えばx方向)の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構(例えば図3等のボールねじ24)とを含む。
このような、本発明が適用される工作機械制御装置は、次のような各手段、即ち、位置制御手段(例えば図3の位置制御器101)と、加工力推定手段(例えば図3の切削力オブザーバ103)とを備える。
位置制御手段は、前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置(例えば図3等のステージ26のx方向の位置xt)を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角(例えば図3等のモータ21の回転角θm)を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値(例えば図3等の電流参照値Iaref)を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する。
加工力推定手段は、前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の2慣性系モデル(例えば図4参照)に基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する。
ここで、加工力を単に推定するだけであれば、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構の状態情報と入力情報のうち少なくとも1つを用いることで実現できる。
例えば、入力情報としてサーボモータの電流値を用いて、加工負荷を推定する技術(以下、「第1比較技術」と呼ぶ)も実現できる。しかしながら、この第1比較技術は、準静的な手法を用いており、精度が悪く、高い周波数帯域での推定ができない。
また例えば、入力情報としてサーボモータの電流指令値を用い、状態情報としてサーボモータの回転情報を用いて、外乱オブザーバによる加工力を推定する技術(以下、「第2比較技術」と呼ぶ)も実現できる。この第2比較技術は、第1比較技術と比較すると、精度は高く、周波数帯域も高くなるものの、駆動系を1慣性系としてモデル化するために、実際の加工負荷とずれる箇所が生じる。特に、各モードの共振点付近でのずれが著しくなる。即ち、第2比較技術でも、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適とは言い難い。
また例えば、状態情報としてエンコーダ情報のみを用いた加工状態を監視する技術(以下、「第3比較技術」と呼ぶ)も実現できる。しかしながら、この第3比較技術は、加工中の位置情報の変動や分散をみることで加工状態を判定し、加工中の振動を読み取ることはできるものの、加工負荷の直流成分を考えることはできない。即ち、第2比較技術でも、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適とは言い難い。
これに対して、本発明が適用される加工力推定の技術では、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に対する位置制御としてフルクローズド制御が採用されている。このため、当該駆動機構の内部情報として、状態情報と入力情報に加えて、さらに、ステージの位置情報(出力情報)を利用することができる。これにより、加工力の推定精度が向上する。
また、入力情報と出力情報とに加えて、内部状態であるモータ21の回転角θmを示す状態情報を利用して、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構は2慣性系でモデル化される。これにより、2慣性系の共振点付近での加工力の推定精度が著しく向上する(図6のシミュレーション結果等参照)。
このようにして、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適な加工力推定の技術が実現される。
Claims (9)
- 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、制御を実行する工作機械制御装置において、
前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御手段と、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定手段と、
を備える工作機械制御装置。 - 前記加工力推定手段は、さらに、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いて、前記加工力を推定する、
請求項1に記載の工作機械制御装置。 - 前記ローパスフィルタは、バターワースフィルタである、
請求項2に記載の工作機械制御装置。 - 前記加工力推定手段は、さらに、前記多慣性系モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及び、前記モータのトルクの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタを用いて、前記加工力を推定する、
請求項1〜3のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。 - 前記加工力推定手段は、さらに、むだ時間要素を用いて、前記加工力を推定する、
請求項4に記載の工作機械制御装置。 - 前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とに基づいて外乱を推定し、推定した当該外乱に基づいて前記電流の指令値を補償する補償手段、
をさらに備える請求項1〜5のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。 - 前記加工力推定手段は、前記状態情報として、前記直動機構において直線運動に変換された回転角をさらに用いる請求項1〜6のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。
- 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、工作機械制御装置が実行する工作機械制御方法であって、
前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御ステップと、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定ステップと、
を含む工作機械制御方法。 - 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して制御を実行するコンピュータに、
前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御ステップと、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
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