JP2015143969A - 工作機械制御装置、工作機械制御方法、及びプログラム - Google Patents

工作機械制御装置、工作機械制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術を実現すること。【解決手段】ワークWが積載されたステージ26と、モータ21と、ボールねじ24とを含むボールねじ駆動ステージ13に対して、コントローラ11は制御を実行する。即ち、位置制御器101は、出力情報として負荷のx方向の位置xtを取得すると共に、状態情報としてモータ21の回転角θmを取得し、出力情報及び状態情報に基づいて、負荷のx方向の位置を制御すべく、入力情報として電流参照値Iarefを変化させる。切削力オブザーバ103は、出力情報と状態情報と入力情報とをパラメータとして用いる、ボールねじ駆動ステージ13の多慣性系モデルに基づいて、切削工具DによるワークWに対する切削力を推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術を実現可能な、工作機械制御装置、工作機械制御方法、及びプログラムに関する。
切削や研削を行う工作機械においては、加工中の振動や工具の状態を判断するために、切削力等の加工力を監視することが有用である。従来、加工力を監視するために、力センサ等の付加的なセンサを用いる技術が一般的に採用されている。
しかしながら、このような一般的な技術では、コストの増加や機械剛性の低下を招く。
このため、本発明者らは、付加的なセンサを不要とする加工力推定の技術を開発済みである(特許文献1参照)。
特開2010−271880号公報
しかしながら、特許文献1に記載の加工力推定の技術は、リニアモータステージに適用して好適であるものの、工作機械の駆動機構として広く採用されているボールねじ駆動ステージに適用して好適であるとまでは言い難かった。
このため、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術の実現が要望されている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術を実現することを目的とする。
本発明の一側面の工作機械制御装置は、
工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、制御を実行する工作機械制御装置である。
そして、本発明の一側面の工作機械制御装置は、
前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御手段と、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定手段と、
を備えることを特徴とする。
ここで、本発明の一側面の工作機械制御装置においては、
前記加工力推定手段は、さらに、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いて、前記加工力を推定する、
こともできる。
また、本発明の一側面の工作機械制御装置においては、
前記ローパスフィルタは、バターワースフィルタである、
こともできる。
さらに、本発明の一側面の工作機械制御装置においては、
前記加工力推定手段は、さらに、前記多慣性系モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及び、前記モータのトルクの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタを用いて、前記加工力を推定する、
ようにすることもできる。
また、本発明の一側面の工作機械制御装置においては、
前記加工力推定手段は、さらに、むだ時間要素を用いて、前記加工力を推定する、
こともできる。
さらにまた、本発明の一側面の工作機械制御装置は、
前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とに基づいて外乱を推定し、推定した当該外乱に基づいて前記電流の指令値を補償する補償手段、
をさらに備えることもできる。
また、本発明の一側面の工作機械制御装置においては、
前記加工力推定手段は、前記状態情報として、前記直動機構において直線運動に変換された回転角をさらに用いる、
こともできる。
また、本発明の一側面の工作機械制御方法及びプログラムの夫々は、上述の本発明の一側面の工作機械制御装置に対応する方法及びプログラムの夫々である。
本発明によれば、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージに適用して好適な加工力推定の技術を実現することが可能になる。
本発明の工作機械制御装置の第1実施形態に係るコントローラを含む、工作機械システムの概要を示す模式図である。 図1の工作機械システムのうちコントローラのハードウェアの構成を示すブロック図である。 図2のコントローラの機能的構成のうち、位置制御及び切削力推定を実行する場合の機能的構成を示す機能ブロック図である。 本発明が適用される切削力推定手法の概要を説明するための図であって、図1の工作機械システムで切削を行う際にボールねじ駆動ステージに作用する力を示した図である。 図3のコントローラのうち、切削力オブザーバの詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。 図1の工作機械システムのシミュレーションの結果であって、入力周波数に対する切削力の推定値のゲイン特性を示す図である。 図1の工作機械システムの実機による試験のうち、送り速度が一定であって工具回転速度の指令を低速にした場合の実機による試験の結果を示す図である。 図1の工作機械システムの実機による試験のうち、送り速度が一定であって工具回転速度の指令を高速にした場合の実機による試験の結果を示す図である。 図1の工作機械システムの実機による試験として加減速を伴う送り速度の試験をした際に採用した、当該送り速度の時間推移を示す図である。 図1の工作機械システムの実機による試験のうち、加減速を伴う送り速度であって工具回転速度の指令を低速にした場合の実機による試験の結果を示す図である。 図1の工作機械システムの実機による試験のうち、加減速を伴う送り速度であって工具回転速度の指令を高速にした場合の実機による試験結果を示す図である。 第2実施形態に係る切削力オブザーバの詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。 第2実施形態に係る信号間における伝達関数の理論計算結果を示すボード線図である。 第2実施形態に係る推定に用いられる信号の計測値の一例を示す図である。 第2実施形態に係るむだ時間要素を用いた遅れ補償の有無による推定精度の比較結果を示す図である。 第2実施形態に係るむだ時間要素を用いた遅れ補償を行った場合の1慣性系と2慣性系との推定精度の比較結果を示す図である。 第3実施形態に係るボールねじ駆動ステージの構成と共に、コントローラの機能的構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係るボールねじ駆動ステージに作用する力を示した図である。 第3実施形態に係る切削力オブザーバの詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。 第3実施形態に係る切削力オブザーバを1慣性系、2慣性系及び3慣性系として設計したときの切削力の推定結果を比較して示す図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の工作機械制御装置の一実施形態に係るコントローラ11を含む、工作機械システム1の概要を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の工作機械システム1は、コントローラ11と、サーボアンプ12と、ボールねじ駆動ステージ13とを備えている。
コントローラ11は、サーボアンプ12を介して、ボールねじ駆動ステージ13に対して位置制御を実行すると共に、後述の切削力を推定することができる制御装置(サーボコントローラ)である。
サーボアンプ12は、ボールねじ駆動ステージ13を駆動するためのモータ21に対して、コントローラ11からの指令値に応じた電流Iaを流すことで、当該モータ21のトルクの大きさを制御するドライブ装置である。なお、以下、モータ21のトルクを、摩擦トルクと区別すべく、「モータトルク」と呼ぶ。
ボールねじ駆動ステージ13は、モータ21と、ロータリエンコーダ22と、カップリング23と、ボールねじ24と、ベアリング25と、ステージ26と、リニアエンコーダ27と、を備える。
モータ21は、サーボアンプ12からの電流Iaに応じたモータトルクを発することで、カップリング23を介してボールねじ24のねじ軸を回転駆動する。
ロータリエンコーダ22は、モータ21の回転角θmを検出し、当該回転角θmを、ボールねじ駆動ステージ13の内部の状態を示す情報(以下、「状態情報」と呼ぶ)として、サーボアンプ12を介してコントローラ11にフィードバックする。
カップリング23は、モータ21の回転軸の一端と、ボールねじ24のねじ軸の一端を接続する。
ボールねじ24は、ねじ軸の両端がベアリング25に支軸され、ナットがステージ26に取り付けられ、モータ21からカップリング23を介して伝達された回転運動を直線運動に変換することで、当該ステージ26をねじ軸に沿って移動させる。
なお、以下、ボールねじ24のねじ軸に平行な方向(図1中横方向)を、「x方向」と呼ぶ。
ベアリング25は、ボールねじ24のねじ軸を支持する。
ステージ26は、後述の図3に示すワークWを積載し、ボールねじ24によりx方向に移動する。
リニアエンコーダ27は、ステージ26のx方向の位置xtを検出して、当該位置xtを、ボールねじ駆動ステージ13の出力情報として、コントローラ11にフィードバックする。
図2は、図1の工作機械システム1のうちコントローラ11のハードウェアの構成を示すブロック図である。
コントローラ11は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、バス34と、入出力インターフェース35と、入力部36と、出力部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40とを備えている。
CPU31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部38からRAM33にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU31、ROM32及びRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。このバス34にはまた、入出力インターフェース35も接続されている。入出力インターフェース35には、入力部36、出力部37、記憶部38、通信部39、及びドライブ40が接続されている。
入力部36は、キーボードやマウス等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部37は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部38は、ハードディスク等で構成され、各種情報のデータを記憶する。
通信部39は、ネットワークを介して他の端末(図示せず)との間で行う通信を制御すると共に、本実施形態では図1に示すように、サーボアンプ12に対する指令値を出力したり、フィードバック情報をサーボアンプ12又はリニアエンコーダ27から入力するための通信を制御したりする。
ドライブ40には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア51が適宜装着される。ドライブ40によってリムーバブルメディア51から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部38にインストールされる。また、リムーバブルメディア51は、記憶部38に記憶されている各種データも、記憶部38と同様に記憶することができる。
図3は、図2のコントローラ11の機能的構成のうち、位置制御及び切削力推定を実行する場合の機能的構成を示す機能ブロック図である。
コントローラ11により位置制御及び切削力推定が実行される場合には、図3に示すように、位置制御器101と、外乱オブザーバ102と、切削力オブザーバ103とを含む機能ブロックが、CPU31等(図2)において機能する。
コントローラ11による位置制御が実行されると、ワークWが積載されたステージ26は、x方向に移動し、独立に設置されたz軸ステージ(図示はしないが、x軸のステージ26と同様の構成を取り、z軸方向の力推定が可能)に取り付けられた工具スピンドルCの位置を調整し、当該ワークWが切削工具Dにより切削される。
具体的にはこのような位置制御は、コントローラ11のうち主に位置制御器(PIDコントローラ+フィードフォワード機能を含む)101において実行される。
即ち、位置制御器101は、モータ21の回転角θmを状態情報として、ロータリエンコーダ22から(図3に図示せぬサーボアンプ12を介して)取得すると共に、ステージ26のx方向の位置xtを出力情報としてリニアエンコーダ27から取得する。位置制御器101は、これらの状態情報及び出力情報に基づいて、ステージ26のx方向の位置xtを制御すべく、モータ21の電流Iaの指令値を出力する。
ここで、位置制御器101から出力された指令値自体を、ボールねじ駆動ステージ13に対する入力情報として採用してもよい。
しかしながら、本実施形態では、位置制御器101から出力された指令値に対して、外乱オブザーバ102により生成された補償電流が加算された値が、入力情報として採用されている。なお、以下、入力情報となる、モータ21の電流Iaの指令値を、特に「電流参照値Iaref」と呼ぶ。
即ち、外乱オブザーバ102は、電流参照値Iaref(入力情報)、モータ21の回転角θm(状態情報)、及びステージ26のx方向の位置xt(出力情報)に基づいて外乱を推定し、当該外乱を補償してシステムのロバスト性を高めるための補償トルクを生成する。このようにして外乱オブザーバ102により生成された補償トルクは、図3に示すように(1/Kt)倍されることで補償電流となる。
なお、外乱オブザーバ102のさらなる詳細については、本出願人により既に出願されて公開された特開2010−271880号公報を参照するとよい。
このような本実施形態の位置制御が実行されて、ステージ26に積載されたワークWがx方向に移動して切削工具Dの刃に当切すると、切削工具Dは切削力Fcutを発生して、当該切削力によりワークWを切削する。
切削力オブザーバ103は、この切削力Fcutを推定する。
ここで、本実施形態のボールねじ駆動ステージ13に対する位置制御としては、モータ21の回転角θm(状態情報)がフィードバックされるのみならず、ステージ26のx方向の位置x(出力情報)もリニアエンコーダ27により直接検出されてフィードバックされる制御、即ちフルクローズド制御が採用されている。
従って、切削力オブザーバ103は、ボールねじ駆動ステージ13の内部情報、即ち、電流参照値Iaref(入力情報)、ステージ26のx方向の位置xt(出力情報)、及びモータ21の回転角θm(状態情報)を用いて、切削力Fcutを推定することができる。このように、切削力オブザーバ103は、これら3つの内部情報を用いることで、従来の入出力情報だけを用いる外乱オブザーバによる切削力推定手法と比較して、推定精度を著しく向上することができる。
さらに以下、このような切削力オブザーバ103に採用された切削力推定手法、即ち、本発明が適用される切削力推定手法について、図4を参照して説明する。
図4は、本発明が適用される切削力推定手法の概要を説明するための図であって図3等の工作機械システム1で切削を行う際にボールねじ駆動ステージ13に作用する力を示した図である。
図4においては、ボールねじ駆動ステージ13は、回転系のモータ21と、その負荷たる直動系のステージ26(ワークWが積載された状態)とを慣性とする、2慣性系モデルとして表現されている。そして、モータ21のモータトルクKt×Ia(Ktはトルク定数)による回転移動に対して摩擦トルクTfricが存在し、かつ、ステージ26のx方向への直動に対して摩擦力Ffricが存在することが前提とされている。
このような前提の下、モータ21の軸の回転運動が、ボールねじ24(図3等)において、そのねじ軸に平行なx方向の直線運動に変換されて、質量Mtの負荷(ワークWが積載されたステージ26)が移動量xtだけ移動する。その際、ワークWに対して切削工具Dが切り込むことにより、切削力Fcutが生ずる。
このような図4の2慣性系モデルについての運動方程式は、次の式(1)及び(2)に示されるようになる。
Figure 2015143969
式(1)及び式(2)において、Jrは慣性モーメントを、Krはボールねじ24のねじ軸の軸方向剛性を、Rは回転系と直動系の変換係数を、夫々示している。また、式(1)において、refが右上添え字として付されたIaは、電流参照値Iarefを示している。
さらに、式(1)と式(2)を連立することで、反力の項を消去することができ、切削力Fcutは、次の式(3)に示されるようになる。
Figure 2015143969
さらに、予め推定された摩擦トルクTfric及び摩擦力Ffricを用い、かつ、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いることで、切削力Fcutの推定値は、次の式(4)に示されるようになる。即ち、式(4)に従って切削力Fcutを推定する機能ブロックが、図3の切削力オブザーバ103である。
Figure 2015143969
式(4)においては、推定値を示すパラメータには、推定であることを示す「ハット」が付されている。gcutは、切削力オブザーバ103の遮断周波数を示しており、各パラメータの右下添え字nは、ノミナル値を示す。
上述したように、本実施形態の位置制御はフルクローズド制御であるため、コントローラ11は、電流参照値Iaref(入力情報)及びモータ21の回転角θm(状態情報)に加えて、リニアエンコーダ27(図3)から供給されるステージ26の位置xt(出力情報)も測定できる。
これにより、コントローラ11の切削力オブザーバ103は、式(4)に従って、力センサ等の付加的なセンサを用いることなく、ボールねじ駆動ステージ13における切削力Fcutを精度よく推定することができる。
さらに、本実施形態では、上述したように外乱オブザーバ102(図3)も設けられている。この外乱オブザーバ102によるキャンセレーションにより、パラメータ変動の影響を低減することができ、その結果、切削力オブザーバ103の推定精度がさらに向上する。
図5は、このような切削力オブザーバ103の詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。
電流参照値Iaref(入力情報)は、機能ブロック111を経由して機能ブロック112を通過することで、モータトルクTm(=Ktn×Ia)の推定値として、機能ブロック115に供給される。
ここで、機能ブロック111は、モデルに含まれる擬似微分による遅れを補償する機能ブロック131と、モータトルクTmの電気的遅れ(wccを電流制御系の帯域幅とした一次遅れ)を補償する機能ブロック132とを有している。即ち、機能ブロック111は、モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及びモータトルクTmの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタとして機能する。このような遅れ補償用フィルタを適用することにより、高周波成分の推定精度がさらに向上する。
モータ21の回転角θm(状態情報)は、機能ブロック113及び機能ブロック114を通過することで、2階微分されて慣性モーメントJrが乗算される。
機能ブロック115において、機能ブロック112の出力から機能ブロック114の出力が減算され、さらに、機能ブロック116において(1/Rn)倍されることで、式(4)の中かっこ内の第1項が演算される。
ステージ26のx方向の位置xt(出力情報)は、機能ブロック117及び機能ブロック118を通過することで、2階微分されて質量Mtが乗算される。即ち、式(4)の中かっこ内の第2項が演算される。
機能ブロック119において、機能ブロック116の出力である式(4)の中かっこ内の第1項から、機能ブロック118の出力である式(4)の中かっこ内の第2項が減算され、さらに、機能ブロック120において、式(4)の中かっこ内の第3項の値121(予め推定された値121)が減算されることで、式(4)の中かっこが演算される。
機能ブロック120の出力(式(4)の中かっこの演算値)は、機能ブロック122を通過することで高周波ノイズが抑制され、切削力Fcutの推定値として出力される。即ち、機能ブロック122は、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタとして機能する。
以上、図1〜図5を参照して、本実施形態の工作機械システム1について説明した。
本発明人らは、このような本実施形態の工作機械システム1における切削力オブザーバ103の有効性を検証すべく、シミュレーションと、実機による試験とを行った。
先ず、図6を参照してシミュレーションについて説明し、次に、図7〜図11を参照して実機による試験について説明する。
図6は、シミュレーションの結果であって、入力周波数に対する切削力Fcutの推定値のゲイン特性を示す図である。
図6において、実線の「Proposed method」が、本実施形態の切削力オブザーバ103の特性を示している。点線の「Previous method」が、従来の切削力オブザーバの特性を示している。ここで、従来の切削力オブザーバとは、ボールねじ駆動ステージ13の運動を1慣性系とみなしてモデル化し、入力情報及び出力情報のみを用いて切削力推定をしたものをいう(状態情報は含まない)。
本実施形態の切削力オブザーバ103及び従来の切削力オブザーバの遮断周波数gcutは、3000rad/sとした。
また、ボールねじ駆動ステージ13のねじ軸の方向(x方向)の共振周波数ωsは、445Hzである。
共振周波数ωsにおいて、従来の切削力オブザーバではゲインが高くなる(ピークを持つ)のに対して、本実施形態の切削力オブザーバ103ではゲインは高くなっていない(ピークを持たない)。
このように、本実施形態の切削力オブザーバ103は、共振の影響を受けることない切削力Fcutの推定、即ちより高帯域な切削力Fcutの推定をすることができる。
次に、図7〜図11を参照して実機による試験について説明する。
先ず、本発明者らは、ステージ26の送り速度を一定にして、切削工具Dにエンドミルを用いて、工具スピンドルCの指令を低速の1000min−1にした場合と高速の10000min−1した場合との夫々について、実機による溝加工試験をした。
図7は、送り速度が一定であって工具回転の指令を低速の1000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
図8は、送り速度が一定であって工具回転の指令を高速の10000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
図7及び図8において、実線の「本手法」が、本実施形態の切削力オブザーバ103の切削力Fcutの推定値を、点線の「従来法」が、従来の切削力オブザーバの切削力Fcutの推定値を、一点鎖線の「実測値」が、力センサによる切削力Fcutの測定値を、夫々示している。なお、これらの点については、後述する図10及び図11においても同様である。
図7に示すように、送り速度が一定の場合であって工具スピンドルCの回転数の指令が低速の1000min−1の場合には、本実施形態の切削力オブザーバ103についても、従来の切削力オブザーバについても、切削力Fcutの推定値は実測値に近く、推定精度はさほど変わりはない。
しかしながら、図8に示すように、送り速度が一定の場合であって工具スピンドルCの回転数の指令が高速の10000min−1になると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバと比較して、切削力Fcutの推定値が実測値に近くなること、即ち推定精度がより高くなることがわかる。
次に、本発明者らは、図9に示すようなステージ26に加減速を伴う送り速度で、工具スピンドルCの回転数の指令を低速の1000min−1にした場合と高速の10000min−1した場合との夫々について、切削工具Dにエンドミルを用いて実機による溝加工試験をした。
図9は、ステージ26に与えた送り速度の時間推移を示している。図9に示すように、送り速度の波形としては、平均値が30mm/minであって、変動幅が約20mm/minである、5Hzの正弦波が採用された。このように加減速を伴う送り速度を指令値として採用することは、制御系が慣性力を受けることを意味する。従って、本試験により、慣性力にどれだけ影響されずに切削力Fcutを精度よく推定できるのかについて検証することができる。
図10は、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令を低速の1000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
図11は、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令を高速の10000min−1にした場合の実機による試験結果を示している。
図10に示すように、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令が低速の1000min−1の場合には、本実施形態の切削力オブザーバ103についても、従来の切削力オブザーバについても、切削力Fcutの推定値は実測値に近く、推定精度はさほど変わりはない。即ち、本実施形態の切削力オブザーバ103についても、従来の切削力オブザーバについても、慣性力の影響を受けずに切削力Fcutを精度よく推定できている。
しかしながら、図11に示すように、加減速を伴う送り速度であって工具スピンドルCの回転数の指令が高速の10000min−1になると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバと比較して、切削力Fcutの推定値が実測値に近くなること、即ち推定精度がより高くなることがわかる。換言すると、本実施形態の切削力オブザーバ103の方が、従来の切削力オブザーバよりも、慣性力がより正確に補償され、その結果として、切削力Fcutを精度よく推定できていることがわかる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態は、第1実施形態と比べて、遅れ補償性能及び高域ノイズ抑圧性能をさらに向上させる構成である。
図12は、切削力オブザーバ103aの詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態では、第1実施形態と比べて、さらに、むだ時間要素の機能ブロック123、124及び125が設けられている。
これらのむだ時間要素は、制御系内の情報を取得する過程等で生じるむだ時間が大きいために、推定に用いられる信号(Ia、θm、xt)間の位相差が大きく、第1実施形態の一次遅れフィルタでは十分に補正できない場合に用いられる。
なお、むだ時間T1、T2、T3は、計測結果により同定して設定される。
また、本実施形態では、第1実施形態における一次遅れフィルタとしての機能ブロック122に替えて、6次のバターワースフィルタで構成される機能ブロック126が設けられている。これにより、高域のノイズ抑圧性能がさらに向上する。
図13は、推定に用いられる信号(Ia、θm、xt)間における伝達関数の理論計算結果を示すボード線図である。
状態情報(θm)と入力情報(Ia)との伝達関数、及び出力情報(xt)と入力情報(Ia)との伝達関数を比較すると、100〜200Hzにおいて、位相差が0に近付いている。
図14は、推定に用いられる信号の計測値の一例を示す図である。
この例は、100Hzの切削力を与えた場合のモータトルク、及びステージ26のx方向への加速度の実験結果を示している。この場合、図13で示したように、理想的な位相差はおよそ0であるが、むだ時間要素による遅れ補償を行わない場合、位相差が大きく生じている(a)。
そこで、切削力オブザーバ103aは、位相が相対的に進んでいる方の信号(モータトルクKt×Iaref)を遅延させて遅れ補償を行うことにより、位相差を0に近づけている(b)。
切削力オブザーバ103aは、モータ回転角度θmについても同様に遅れ補償を行う。
図15は、むだ時間要素を用いた遅れ補償の有無による推定精度の比較結果を示す図である。
主軸回転数4000min−1(周波数133Hz)のときの加工試験結果(実測値)に対して、切削力オブザーバ103aによる推定値が描かれている。
遅れ補償がない場合は、位相のずれが生じると共に、この位相のずれに起因して推定値が増幅された(a)。一方、遅れ補償がある場合は、実測値に対して高精度な切削力推定が実現された(b)。
図16は、むだ時間要素を用いた遅れ補償を行った場合の1慣性系と2慣性系との推定精度の比較結果を示す図である。
主軸回転数6000min−1(周波数200Hz)のときの加工試験結果(実測値)に対して、切削力オブザーバ103aによる推定値が描かれている。
1慣性系の従来法(a)では、高回転数(6000min−1)での推定精度が十分ではなかったが、2慣性系の提案法(b)では、高回転数においても高精度な切削力推定が実現された。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
第1及び第2実施形態では、切削力の推定に用いる状態情報として、モータ21の回転角θmが採用されたが、状態情報の個数は特に1つに限定されない。例えば、ボールねじ24のモータ21とは反対側にロータリエンコーダを追加で設けて、当該ロータリエンコーダにより検出されるボールねじ24のねじ軸の回転角を、モータ21の回転角θmと共に状態情報として入力してもよい。この場合、ボールねじ駆動ステージ13を3慣性系のモデルとして表現することで、切削力の推定精度をさらに高めることができる。換言すると、制御対象は、2慣性系モデルに限定されず、多慣性系モデルとして表現してもよい。
ここでは、一例として3慣性系モデルを適用した場合を説明する。
図17は、ボールねじ駆動ステージ13bの構成と共に、コントローラ11bの機能的構成を示すブロック図である。
ボールねじ駆動ステージ13bは、ボールねじ24を両端から、モータ21及びモータ28により回転駆動する構成であり、第1実施形態に対して、さらに、モータ28と、ロータリエンコーダ29とが追加された構成である。
位置制御器101bは、状態情報として、モータ21の回転角θm1をロータリエンコーダ22から、モータ28の回転角θm2をロータリエンコーダ22から取得すると共に、ステージ26のx方向の位置xtを出力情報としてリニアエンコーダ27から取得する。位置制御器101bは、これらの状態情報及び出力情報に基づいて、ステージ26のx方向の位置xtを制御すべく、モータ21の電流Ia1の指令値及びモータ28の電流Ia2の指令値を出力する。
切削力オブザーバ103bは、ボールねじ駆動ステージ13bの内部情報、即ち、電流参照値Ia1ref及びIa2ref(入力情報)、ステージ26のx方向の位置xt(出力情報)、並びにモータ21の回転角θm1及びモータ28の回転角θm2(状態情報)を用いて、切削力Fcutを推定する。このように、切削力オブザーバ103bは、これらの内部情報を用いることで、切削力の推定精度を著しく向上することができる。
さらに以下、このような切削力オブザーバ103bに採用された切削力推定手法、即ち、本発明が適用される切削力推定手法について、図18を参照して説明する。
図18は、本発明が適用される切削力推定手法の概要を説明するための図であって図17のボールねじ駆動ステージ13bに作用する力を示した図である。
図18においては、ボールねじ駆動ステージ13bは、ねじ軸の両端のモータ21及びモータ28によって、ワークWが積載されたステージ26が駆動される方式が想定されている。弾性変形する要素として、ナット部分とねじ軸が挙げられ、ナットでの変形をばね定数(軸方向剛性)Krで、ねじ軸のねじり変形をねじり剛性Kgでモデル化している。
このモデルは、モータ21、モータ28、ねじ軸及びステージ26の4つのマスのうち、モータ28及びねじ軸を、これらの間のねじり変形が微小(剛体)であると仮定して、モータBの1つに代表させた3慣性モデルである。
ここで、モータA(モータ21)の慣性モーメントはJm1、モータBの慣性モーメントは、ねじ軸及びモータ28夫々の慣性モーメントを合算したJb+Jm2となる。
モータAにおいて、モータトルクKt1×Ia1による回転運動(回転角θm1)に対してモータ内部での摩擦トルクTfric1が発生する。また、モータBにおいて、モータトルクKt2×Ia2による回転運動(回転角θm2)に対してモータ内部での摩擦トルクTfric2及びナット内部での摩擦トルクTbが発生する。
この状況の下、ねじ軸の実回転量に相当するモータBの回転運動(θm2)が、ボールねじ24においてx方向の直線運動(Rθm2)に変換されて、質量Mtの負荷(ワークWが積載されたステージ26)が移動量xtだけ移動する。その際、ワークWに対して切削工具Dが切り込むことにより、切削力Fcut及び摩擦力Ffircが生ずる。
なお、図17及び図18においては、ねじ軸の両端のモータ21及びモータ28によって、ワークWが積載されたステージ26が駆動される構成としたが、工具スピンドルCが駆動される構成であっても、被駆動体の質量をMtとして同様にモデル化できる。
このような図18の3慣性系モデルについての運動方程式は、次の式(5)〜(7)に示されるようになる。
Figure 2015143969
さらに、式(5)〜(7)を連立することで、反力の項を消去することができ、切削力Fcutは、次の式(8)に示されるようになる。
Figure 2015143969
さらに、予め推定された摩擦トルクTb、Tfric1及びTfric2、並びに摩擦力Ffricを用い、かつ、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いることで、切削力Fcutの推定値は、次の式(9)に示されるようになる。即ち、式(9)に従って切削力Fcutを推定する機能ブロックが、図17の切削力オブザーバ103bである。
Figure 2015143969
式(9)においては、推定値を示すパラメータには、推定であることを示す「ハット」が付されている。gcutは、切削力オブザーバ103bの遮断周波数を示しており、各パラメータの右下添え字nは、ノミナル値を示す。
図19は、このような切削力オブザーバ103bの詳細な機能的構成を示す機能ブロック図である。
電流参照値Ia1ref及びIa2ref(入力情報)は、夫々機能ブロック112a及び機能ブロック112bを通過することで、モータトルクTm1(=Kt1n×Ia1)及びモータトルクTm2(=Kt2n×Ia2)の推定値として、機能ブロック115bに供給される。
モータAの回転角θm1(状態情報)は、機能ブロック114aを通過することで、2階微分されて慣性モーメントJm1が乗算される。
同様に、モータBの回転角θm12(状態情報)は、機能ブロック114bを通過することで、2階微分されて慣性モーメント(Jb+Jm2)が乗算される。
機能ブロック115bにおいて、機能ブロック112a及び機能ブロック112aの出力の合計から、機能ブロック114a及び機能ブロック114bの出力が減算され、さらに、機能ブロック116において(1/Rn)倍されることで、式(9)の大かっこ内の第1項が演算される。
ステージ26のx方向の位置xt(出力情報)は、機能ブロック118bを通過することで、2階微分されて質量Mtが乗算される。即ち、式(9)の大かっこ内の第2項が演算される。
機能ブロック119において、機能ブロック116の出力である式(9)の大かっこ内の第1項から、機能ブロック118bの出力である式(9)の大かっこ内の第2項が減算され、さらに、機能ブロック120において、式(9)の大かっこ内の第3項及び第4項の値121b(予め推定された値121b)が減算されることで、式(9)の大かっこが演算される。
機能ブロック120の出力(式(9)の大かっこの演算値)は、機能ブロック122を通過することで高周波ノイズが抑制され、切削力Fcutの推定値として出力される。即ち、機能ブロック122は、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタとして機能する。
図20は、切削力オブザーバを1慣性系、2慣性系及び3慣性系として設計したときの切削力の推定結果を比較して示す図である。
1慣性系モデル及び2慣性系モデルでは、2箇所ある共振周波数の近傍で影響を大きく受け、十分な精度で推定できる帯域が限られている。
一方3慣性系モデルでは、共振周波数の影響を受けることなく、より広い帯域で高精度な推定が可能である。このように、多慣性系における力推定では、運動の自由度に応じた推定手法を用いることで推定帯域が大幅に向上する。
本実施形態では、ねじ軸を2つのモータ21及び28により駆動する構成をモデル化したが、この他、例えば、図3のボールねじ24のモータ21とは反対側にあるベアリング25の支持部にロータリエンコーダを追加で設けて、当該ロータリエンコーダにより検出されるボールねじ24のねじ軸の回転角θm2を、モータ21の回転角θm1と共に状態情報として入力する構成でもよい。この構成は、本実施形態のボールねじ駆動ステージ13bにおける入力情報の1つである電流Ia2=0の場合に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述のコントローラ11による一連の処理は、本実施形態では、主にCPU31(図2)により実行される処理としたが、特にこれに限定されず、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述した各部や各手段による一連の処理を全体として実行できる機能が工作機械システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのように各機能ブロックを構成するのかについては特に限定されない。即ち、各機能ブロックは、図3や図5に示す形態に限定されず、図3又は図5に示す機能ブロックを任意に分割又は組み合わせたり、任意の機能の削除又は付加をしたりできる。また、各機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コントローラ11等のコンピュータに対して、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア51(図2)により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア51は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2のROM32や、ハードディスク等の記憶部38で構成される。
また例えば、上述の実施形態ではワークWを搭載可能なステージ26が採用されたが、特にこれに限定されず、切削工具Dを積載可能なステージを採用してもよい。即ち、ステージは、ワークWと切削工具Dとの相対位置が制御可能なものであれば、任意の構成を取ることができる。
また例えば、上述の実施形態ではボールねじ24が採用されたが、特にこれに限定されず、モータ21における回転運動をx方向の直線運動に変換して当該x方向にステージ26等の負荷を移動させることができる任意の直動機構を採用することができる。
また例えば、切削力の推定に用いる状態情報として、本実施形態ではモータ21の回転角θmが採用されたが、特にこれに限定されず、ボールねじ駆動ステージ13の内部の任意の状態を示す情報を採用してもよい。
また例えば、本実施形態では、切削工具DによりワークWが切削されたため、切削力が推定された。しかしながら、工作機械によるワークの加工手法は、切削に特に限定されず、加工具の加工力を用いる任意の手法、例えば研削・研磨等でもよい。即ち、推定対象は、切削力に特に限定されず、工作機械に適用された加工手法に応じた任意の加工力を採用することができる。
以上まとめると、本発明が適用される工作機械制御装置は、以下のような構成を有すれば足り、各種各様の実施形態を採用することができる。
即ち、本発明が適用される工作機械制御装置(例えば図3等のコントローラ11)は、工作機械の加工具(例えば図3等の切削工具D)又はそのワーク(例えば図3等のワークW)が積載されたステージ(例えば図3等のステージ26)を負荷として駆動する駆動機構(例えば図3等のボールねじ駆動ステージ13)に対して、当該負荷の位置を制御する。ここで、当該駆動機構は、電流に応じたトルクを発生するモータ(例えば図3等のモータ21)と、前記モータにおける回転運動を所定方向(例えばx方向)の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構(例えば図3等のボールねじ24)とを含む。
このような、本発明が適用される工作機械制御装置は、次のような各手段、即ち、位置制御手段(例えば図3の位置制御器101)と、加工力推定手段(例えば図3の切削力オブザーバ103)とを備える。
位置制御手段は、前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置(例えば図3等のステージ26のx方向の位置xt)を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角(例えば図3等のモータ21の回転角θm)を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値(例えば図3等の電流参照値Iaref)を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する。
加工力推定手段は、前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の2慣性系モデル(例えば図4参照)に基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する。
これにより、本発明が適用される工作機械制御装置は、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適な加工力推定の技術を実現できる、という効果を奏することができる。
以下、かかる効果についてさらに説明する。
ここで、加工力を単に推定するだけであれば、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構の状態情報と入力情報のうち少なくとも1つを用いることで実現できる。
例えば、入力情報としてサーボモータの電流値を用いて、加工負荷を推定する技術(以下、「第1比較技術」と呼ぶ)も実現できる。しかしながら、この第1比較技術は、準静的な手法を用いており、精度が悪く、高い周波数帯域での推定ができない。
また例えば、入力情報としてサーボモータの電流指令値を用い、状態情報としてサーボモータの回転情報を用いて、外乱オブザーバによる加工力を推定する技術(以下、「第2比較技術」と呼ぶ)も実現できる。この第2比較技術は、第1比較技術と比較すると、精度は高く、周波数帯域も高くなるものの、駆動系を1慣性系としてモデル化するために、実際の加工負荷とずれる箇所が生じる。特に、各モードの共振点付近でのずれが著しくなる。即ち、第2比較技術でも、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適とは言い難い。
また例えば、状態情報としてエンコーダ情報のみを用いた加工状態を監視する技術(以下、「第3比較技術」と呼ぶ)も実現できる。しかしながら、この第3比較技術は、加工中の位置情報の変動や分散をみることで加工状態を判定し、加工中の振動を読み取ることはできるものの、加工負荷の直流成分を考えることはできない。即ち、第2比較技術でも、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適とは言い難い。
これに対して、本発明が適用される加工力推定の技術では、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に対する位置制御としてフルクローズド制御が採用されている。このため、当該駆動機構の内部情報として、状態情報と入力情報に加えて、さらに、ステージの位置情報(出力情報)を利用することができる。これにより、加工力の推定精度が向上する。
また、入力情報と出力情報とに加えて、内部状態であるモータ21の回転角θmを示す状態情報を利用して、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構は2慣性系でモデル化される。これにより、2慣性系の共振点付近での加工力の推定精度が著しく向上する(図6のシミュレーション結果等参照)。
このようにして、付加的なセンサを用いることなく、かつ、ボールねじ駆動ステージ13等の駆動機構に適用して好適な加工力推定の技術が実現される。
ここで、本発明が適用される工作機械制御装置は、さらに、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタ(例えば図5の機能ブロック122参照)を用いて、加工力を推定することもできる。これにより、高周波ノイズが抑制され、加工力の推定精度がさらに向上する。
また、本発明が適用される工作機械制御装置は、2慣性系モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及び、モータのトルクの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタ(例えば図5の機能ブロック111参照)を用いて、加工力を推定することもできる。これにより、加工力の高周波成分の推定精度がさらに向上する。
さらにまた、本発明が適用される工作機械制御装置は、出力情報と状態情報と入力情報とに基づいて外乱を推定し、推定した当該外乱に基づいて電流の指令値を補償する補償手段(例えば図3の外乱オブザーバ102)を備えるようにしてもよい。この補償手段のキャンセル効果により、パラメータ変動の影響を低減することができ、その結果、加工力の推定精度がさらに向上する。
1・・・工作機械システム、11・・・コントローラ、12・・・サーボアンプ、13・・・ボールねじ駆動ステージ、21・・・モータ、22・・・ロータリエンコーダ、23・・・カップリング、24・・・ボールねじ、25・・・ベアリング、26・・・ステージ、27・・・リニアエンコーダ、28・・・モータ、29・・・リニアエンコーダ、31・・・CPU、32・・・ROM、33・・・RAM、34・・・バス、35・・・入出力インターフェース、36・・・入力部、37・・・出力部、38・・・記憶部、39・・・通信部、40・・・ドライブ、51・・・リムーバブルメディア、101・・・位置制御器、102・・・外乱オブザーバ、103・・・切削力オブザーバ、C・・・スピンドル、D・・・切削工具、W・・・ワーク

Claims (9)

  1. 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、制御を実行する工作機械制御装置において、
    前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御手段と、
    前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定手段と、
    を備える工作機械制御装置。
  2. 前記加工力推定手段は、さらに、高周波ノイズ抑制用のローパスフィルタを用いて、前記加工力を推定する、
    請求項1に記載の工作機械制御装置。
  3. 前記ローパスフィルタは、バターワースフィルタである、
    請求項2に記載の工作機械制御装置。
  4. 前記加工力推定手段は、さらに、前記多慣性系モデルに含まれる擬似微分による遅れ、及び、前記モータのトルクの電気的遅れを補償する遅れ補償用フィルタを用いて、前記加工力を推定する、
    請求項1〜3のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。
  5. 前記加工力推定手段は、さらに、むだ時間要素を用いて、前記加工力を推定する、
    請求項4に記載の工作機械制御装置。
  6. 前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とに基づいて外乱を推定し、推定した当該外乱に基づいて前記電流の指令値を補償する補償手段、
    をさらに備える請求項1〜5のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。
  7. 前記加工力推定手段は、前記状態情報として、前記直動機構において直線運動に変換された回転角をさらに用いる請求項1〜6のうち何れか1項に記載の工作機械制御装置。
  8. 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して、工作機械制御装置が実行する工作機械制御方法であって、
    前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御ステップと、
    前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定ステップと、
    を含む工作機械制御方法。
  9. 工作機械の加工具又はそのワークが積載されたステージを負荷として駆動する駆動機構であって、電流に応じたトルクを発生するモータと、前記モータにおける回転運動を所定方向の直線運動に変換して当該所定方向に前記負荷を移動させる直動機構とを含む駆動機構に対して制御を実行するコンピュータに、
    前記駆動機構の出力情報として前記負荷の前記所定方向の位置を取得すると共に、前記駆動機構の内部の状態を示す状態情報として前記モータの回転角を取得し、当該出力情報及び当該状態情報に基づいて、前記駆動機構の入力情報としての前記電流の指令値を変化させることで、前記負荷の前記所定方向の位置を制御する位置制御ステップと、
    前記出力情報と前記状態情報と前記入力情報とをパラメータとして用いる、前記駆動機構の多慣性系モデルに基づいて、前記加工具による前記ワークに対する加工力を推定する加工力推定ステップと、
    を含む制御処理を実行させるプログラム。
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