JP2015143351A - 顔料分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク - Google Patents

顔料分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク Download PDF

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慎輔 中島
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Abstract

【課題】高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンターにも適用可能な、粗大粒子が低減され吐出安定性に優れたインクジェット記録用インクを与える水性顔料分散体の製造方法、及び、該製造方法により得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用インクを提供する。【解決手段】顔料と、水分散性及び/または水溶性樹脂と、水溶性溶媒及び/または水の混合物を混練機で混練して混練物を得る工程を有する顔料分散体の製造方法であって、混練物1kgに与えた積算電力量が0.1〜0.4kW・h/kgの範囲、且つ、混練物1kgに対して与えた平均電力値が0.1kW/kg〜10kW/kgの範囲となった時に混練を終了する。【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散体及びそれを使用したインクジェット記録用水性インクに関する。
色材として顔料を使用した顔料組成物は、顔料が有する優れた耐光性を利用して、屋内外問わず、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインクジェット記録用インク分野等様々な用途に使用されている。
この中で、主溶剤として水を用いた水性インクは、溶剤インクのような火災の危険性や変異原性などの毒性が皆無か、より低減できるという優れた特徴を有しており、特にインクジェット記録用としては水性インクが主流となっている。
顔料は水不溶性であり、水性媒体に分散させた水性顔料分散体として使用する。このことから、顔料を含有する高固形分濃度の混合物に混練機で強い剪断力を与えることによって顔料粒子を微細化させることが検討されてきた。
顔料を微細化できる程度の強い剪断力を与える混練機としてはロールミル、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどがあり、これらを使用して顔料分散体を得ることは公知である(特許文献1の段落0089参照)。しかしながらこのような混練機を使用しても顔料を均一に微細化することは難しく、時として顔料の一部が微細化できず残存したり、顔料によっては過分散状態となり一度微細化した顔料が再凝集してしまうことがあった。このような径の大きい顔料粒子(以下粗大粒子と称す)は、塗装や印刷時には均一な塗膜面の形成を阻害し、一方インクジェット記録用インクのようにインクをノズルから吐出し印字する方法においては、インクジェットヘッドのノズル目詰まりを引き起こしてしまう。
一方、前記混練機の混練条件を適宜調整して、粗大粒子をできるだけ低減させ顔料を微細化する方法が検討されている。例えば特許文献1では、少なくとも水に溶解又は自己分散可能な樹脂、顔料を含む混合物を混練し、固体もしくは半固体状の水性顔料分散液用混練物を製造する方法において、混練機の負荷電流(I)を、混練機の剪断速度(v)で除した値(I/v)が時間と共に増加した後、減少するように混合物を混練する水性顔料分散液用混練物の製造方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また特許文献2では、混練機としてニーダーを使用し、顔料と塩生成基を有するポリマー、該塩生成基を有するポリマーを中和するための中和剤、有機溶媒及び水を含有する混合物1kgあたり0.1kWh以上の積算動力値をニーダーに印加する水性インクの製造法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特許文献1や2に記載の方法は、粗大粒子の低減に有用な方法である。しかしながら特に近年のインクジェットプリンターは、高解像度化に伴いインクジェットヘッドのノズルの高密度化及び液滴の微細化、即ちインクを吐出するノズル径の微細化、高集積化が進んでいる(例えば特許文献3参照)。ノズル径の微細化が進むと許容できる異物の大きさも小さくなるため、ノズルの目詰まりが増加し、即ち従来のインクジェットプリンターに適用できていたインクが、新たに開発された高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンターには使用できないという問題が生じる。
特開2004−143316号公報 特開2004−210953号公報 特開2013−993号公報
本発明の課題は、高解像度のインクジェットヘッドを搭載したプリンターにも適用可能な、粗大粒子が低減され吐出安定性に優れたインクジェット記録用インクを与える水性顔料分散体の製造方法、及び、該製造方法により得た水性顔料分散体を使用したインクジェット記録用インクを提供することにある。
本発明者らは、顔料と、水分散性及び/または水溶性樹脂と、水溶性溶媒及び/または水の混合物を混練機で混練して混練物を得る工程を有する顔料分散体の製造方法であって、混練物1kgに与えた積算電力量が0.1〜0.4kW・h/kgの範囲、且つ、混練物1kgに対して与えた平均電力値が0.1kW/kg〜10kW/kgの範囲となった時に混練を終了する顔料分散体の製造方法を提供する。
また本発明は、前記製造方法により得た顔料分散体を使用したインクジェット記録用インクを提供する。
本発明により、粗大粒子が低減され、インクジェット記録用インクとしたとき吐出不安のない顔料分散体を得ることができる。
インテンシブミキサーの一例を示す斜視図である。 インテンシブミキサーの一例を示す断面図である。 パンとローターを順方向に回転させたときの流れを示す模式的上面図である。 パンとローターを逆方向に回転させたときの流れを示す模式的上面図である。 マイクロリアクターの模式図である。
(顔料)
本発明で使用する顔料は、特に限定はなく、水性インクジェットインクにおいて通常使用される有機顔料あるいは無機顔料を使用することができる。また未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。また、プラスチックを被記録材とする印刷の場合では、イエローインク、シアンインク、マゼンタインク、ブラックインク等のほか、視認性を高める目的から白色インクも使用される。
これらの使用される顔料は特に限定はなく、通常水性インクジェット記録用インク用の顔料として使用されているものが使用できる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えば、ブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.900、No.960、No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180等が挙げられる。
また、イエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また、白インクに使用される顔料の具体例としては、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。また、前記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
(水分散性及び/または水溶性樹脂)
本発明で使用する水分散性及び/または水溶性樹脂は、顔料分散剤としての役割を有する。この観点から、媒質である顔料、且つ媒体である水溶性溶媒及び/または水との馴染みのよい、疎水性部と親水性部とを有する樹脂が好ましい。このような樹脂であれば特に限定はなく、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル酸−ポリウレタン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体(ハーフエステル化又はエステル化されたマレイン酸を原料とする樹脂も含む)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及び該樹脂の塩が挙げられる。
中でも、アクリル系樹脂やポリウレタン樹脂が、顔料とのなじみやすさ、本発明の製造方法による効果がより明確であることから好ましい。
(アクリル系樹脂)
本発明において使用可能なアクリル系樹脂は、具体的には、親水性を付与する(メタ)アクリル酸と、それと共重合可能なその他のエチレン性モノマーとの共重合体が挙げられる。尚、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称を意味するものとする。(メタ)アクリル酸の各種エステルの場合も前記と同様に解釈される。
前記アクリル系樹脂の疎水性を付与するエチレン性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーや、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを用いることが好ましい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のスチレン系モノマーを用いることが特に好ましい。
本発明における共重合体は、(メタ)アクリル酸の重合単位と、疎水性を付与する前記エチレン性モノマーの重合単位を必須の重合単位として含有する共重合体であれば良く、それらの二元共重合体であっても更にその他の共重合可能なエチレン性モノマーとの三元以上の多元共重合体であっても良い。
疎水性を付与する前記エチレン性モノマー以外の、エチレン性モノマーとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ノニルメタクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタクリレートのような(メタ)アクリル酸アリールエステル類及び(メタ)アクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
本発明で用いる共重合体は、エチレン性モノマーの重合単位のみの線状(リニアー)共重合体であっても、各種の架橋性を有するエチレン性モノマーを極少量共重合させ、一部架橋した部分を含有する共重合体であっても良い。
この様な架橋性を有するエチレン性モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートや、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明においては、用いる各モノマーの反応率等は略同一と考えて、各モノマーの仕込み割合を、各モノマーの重合単位の質量換算の含有割合と見なすものとする。本発明における共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来より公知の種々の反応方法によって合成することが出来る。この際には、公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を併用することも出来る。
なお、このように得られたアクリル系樹脂は、通常ランダム共重合体となる。
前記アクリル系樹脂はランダム共重合体でもよいが、グラフト共重合体あるいはブロック共重合体であっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。スチレン−アクリル酸系共重合体は、このグラフト共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
ブロック共重合体としては、公知のA−B型、A−B−A型(ここでA及びBはスチレン系モノマーの重合体ユニット、あるいはアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマーの重合体ユニットを表す)を示すことができる。
中でも、本発明においては、ブロック共重合体として、下記一般式(1)で表されるポリマー(A)を使用することが好ましい。
Figure 2015143351
式(1)中、Aは有機リチウム開始剤残基を表し、Aは芳香環または複素環を有するモノマーのポリマーブロックを表し、Aはアニオン性基を含むポリマーブロックを表し、nは0〜5の整数を表し、Bは芳香族基またはアルキル基を表す。
一般式(1)中、Aは有機リチウム開始剤残基を表す。有機リチウム開始剤として具体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム(n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、iso−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなど)、ペンチルリチウム、ヘキシルリチウム、メトキシメチルリチウム、エトシキメチルリチウムなどのアルキルリチウム;ベンジルリチウム、α−メチルスチリルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、フェニルエチルリチウムなどのフェニルアルキレンリチウム;ビニルリチウム、アリルリチウム、プロペニルリチウム、ブテニルリチウムなどのアルケニルリチウム;エチニルリチウム、ブチニルリチウム、ペンチニルリチウム、ヘキシニルリチウムなどのアルキニルリチウム;フェニルリチウム、ナフチルリチウムなどのアリールリチウム;2−チエニルリチウム、4−ピリジルリチウム、2−キノリルリチウムなどのヘテロ環リチウム;トリ(n−ブチル)マグネシウムリチウム、トリメチルマグネシウムリチウムなどのアルキルリチウムマグネシウム錯体などが挙げられる。
有機リチウム開始剤は、有機基とリチウムとの結合が開裂し有機基側に活性末端が生じ、そこから重合が開始される。従って得られるポリマー末端には有機リチウム由来の有機基が結合している。本発明においては、該ポリマー末端に結合した有機リチウム由来の有機基を、有機リチウム開始剤残基と称する。例えばメチルリチウムを開始剤として使用したポリマーであれば、有機リチウム開始剤残基はメチル基となり、ブチルリチウムを開始剤として使用したポリマーであれば、有機リチウム開始剤残基はブチル基となる。
前記一般式(1)中、Aは疎水性基を有するポリマーブロックを表す。Aは、前述の通り適度な溶解性のバランスを取る目的の他、顔料と接触したときに顔料への吸着の高い基であることが好ましく、その観点から、Aは芳香環または複素環を有するモノマーのポリマーブロックであることが好ましい。芳香環または複素環を有するモノマーのポリマーブロックとは、具体的には、スチレン系モノマー等の芳香族環を有するモノマーや、ビニルピリジン系モノマー等の複素環を有するモノマーを単独重合または共重合して得たホモポリマーまたはコポリマーのポリマーブロックである。
芳香環を有するモノマーとしては、スチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−(1−エトキシメチル)スチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−フロロスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン、などのスチレン系モノマーや、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。
また複素環を有するモノマーとしては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン系モノマーが挙げられる。これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記一般式(1)中、Aはアニオン性基を含むポリマーブロックを表す。Aは、前述の通り適度な溶解性を与える目的の他、顔料分散体となったときに水中で分散安定性を付与する目的がある。
前記ポリマーブロックAにおけるアニオン性基は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基または燐酸基等が挙げられる。中でもカルボキシル基がその調製やモノマー品種の豊富さ入手し易さから好ましい。また2つのカルボキシル基が分子内または分子間において脱水縮合した酸無水基となっていてもよい。
前記Aのアニオン性基の導入方法は特に限定はなく、例えば該アニオン性基がカルボキシル基の場合は、(メタ)アクリル酸を単独重合もしくは他のモノマーと共重合させて得たホモポリマーまたはコポリマーのポリマーブロック(PB1)であってもよいし、脱保護をすることによりアニオン性基に再生可能な保護基を有する(メタ)アクリレートを単独重合もしくは他のモノマーと共重合させて得たホモポリマーまたはコポリマーの、該アニオン性基に再生可能な保護基の一部または全てがアニオン性基に再生されたポリマーブロック(PB2)であってもよい。
なお、前記ポリマーブロックAで使用する(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの総称を表す。
(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリレートとして具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸ペンタデカフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレンオキサイド基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
リビングアニオン重合法においては、使用するモノマーがアニオン性基等の活性プロトンを持つ基を有するモノマーの場合、リビングアニオン重合ポリマーの活性末端が直ちにこれら活性プロトンを持つ基と反応し失活するため、ポリマーが得られない。リビングアニオン重合では活性プロトンを持つ基を有するモノマーをそのまま重合することは困難であるため、活性プロトンを持つ基を保護した状態で重合し、その後保護基を脱保護することで活性プロトンを持つ基を再生することが好ましい。このような理由から、前記ポリマーブロックAにおいては、脱保護をすることによりアニオン性基に再生可能な保護基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーを用いることが好ましい。該モノマーを使用することで、重合時には前述の重合の阻害を防止できる。また保護基により保護されたアニオン性基は、ブロックポリマーを得た後に脱保護することにより、アニオン性基に再生することが可能である。
例えばアニオン性基がカルボキシル基の場合、カルボキシル基をエステル化し、後工程として加水分解等で脱保護することによりカルボキシル基を再生することができる。この場合のカルボキシル基に変換可能な保護基としてはエステル結合を有する基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の第1級アルコキシカルボニル基;イソプロポキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基等の第2級アルコキシカルボニル基;t−ブトキシカルボニル基等の第3級アルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基等のフェニルアルコキシカルボニル基;エトキシエトキシカルボニル基等のアルコキシアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
アニオン性基がカルボキシル基の場合、使用できるモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート(ステアリル(メタ)アクリレート)、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコサニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のフェニルアルキレン(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート(c1)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの(メタ)アクリレート(c1)の中でも、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを用いると、カルボキシル基への変換反応が容易であることから好ましい。また、工業的に入手のしやすさを考慮すると、t−ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
一般式(1)中、Bは芳香族基または炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。またnは1〜5の整数を表す。
リビングアニオン重合法においては、(メタ)アクリレートモノマーを求核性の強いスチレン系ポリマーの活性末端に直接重合しようとした場合、カルボニル炭素への求核攻撃により、ポリマー化できない場合がある。このため、前記A−Aに(メタ)アクリレートモノマーの重合を行う際には反応調整剤を使用し、求核性を調整した後、(メタ)アクリレートモノマーを重合することが行われる。一般式(1)におけるBは該反応調整剤に由来する基である。反応調整剤としては、具体的にはジフェニルエチレンやα−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン等が挙げられる。
なお、α−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン等のα−アルキルスチレン(芳香族基が無置換でも置換を有してもよい)は、Aを構成するスチレン系モノマーとしても、Bとフェニル基(無置換でも置換を有してもよい)を含む反応調整剤としても使用することができる。Aを構成するスチレン系モノマーよりも求核性の低い反応調整剤を使用するように、組み合わせを選択することが好ましい。Aを構成するスチレン系ポリマーの活性末端の求核性が、Aを構成するモノマー(またはそのアニオン性基が保護されたモノマー)の重合を許容する場合、反応調整剤を省略できる。そこで、一般式(1)において、n=0とすることもできる。
(マイクロリアクターを使用したリビングアニオン重合)
リビングアニオン重合法は、反応条件を整えることにより、従来のフリーラジカル重合で用いられるようなバッチ方式により実施できる他、マイクロリアクターによる連続的に重合する方法を挙げることもできる。マイクロリアクターは、重合開始剤とモノマーの混合性が良好であるため、反応が同時に開始し、温度が均一で重合速度を揃えることができるため、製造される重合体の分子量分布を狭くできる。また同時に、成長末端が安定であるためブロックの両成分が混じりあわないブロック共重合体を製造することが容易になる。また、反応温度の制御性が良好であるため副反応を抑えることが容易である。
マイクロリアクターを使用したリビングアニオン重合の一般的な方法を、マイクロリアクターの模式図である図5を参照しながら説明する。
第一のモノマーと重合を開始させる重合開始剤とを、それぞれチューブリアクターS1及びS2から、複数の液体を混合可能な流路を備えるT字型マイクロミキサー31に導入し、T字型マイクロミキサー31内で、第一のモノマーをリビングアニオン重合し第一の重合体を形成する(工程1)。
次に、得られた第一の重合体をT字型マイクロミキサー32に移動させ、同ミキサー32内で、得られた重合体の成長末端を、チューブリアクターS3から導入された反応調整剤によりトラップし、反応調節を行う(工程2)。
なお、このとき反応調整剤の種類や使用量により、前記一般式(1)におけるnの数をコントロールすることが可能である。
次に、前記T字型マイクロミキサー32内の反応調節を行った第一の重合体を、T字型マイクロミキサー33に移動させ、同ミキサー33内で、チューブリアクターS4から導入された第二のモノマーと、前記反応調節を行った第一の重合体とを、連続的にリビングアニオン重合を行う(工程3)。
その後メタノール等活性プロトンを有する化合物で反応をクエンチすることで、ブロック共重合体を製造する。
本発明の一般式(1)で表されるポリマー(A)を、前記マイクロリアクターで製造する場合は、前記第一のモノマーとして芳香環または複素環を有するモノマーを使用し、前記開始剤として有機リチウム開始剤により反応させることで、前記Aの芳香環または複素環を有するモノマーのポリマーブロック(該ポリマーブロックAの片末端には前記Aの有機リチウム開始剤残基である有機基が結合している)を得る。次に、反応調整剤を使用して成長末端の反応性を調整した後、前記アニオン性基に再生可能な保護基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーを前記第二のモノマーとして反応させポリマーブロックを得る。この後、加水分解等の脱保護反応によりアニオン性基に再生することにより、前記A即ちアニオン性基を含むポリマーブロックが得られる。
前記アニオン性基に再生可能な保護基のエステル結合を、加水分解等の脱保護反応によりアニオン性基に再生させる方法を詳細に述べる。
エステル結合の加水分解反応は、酸性条件下でも塩基性条件下でも進行するが、エステル結合を有する基によって条件がやや異なる。例えばエステル結合を有する基がメトキシカルボニル基等の第1級アルコキシカルボニル基又はイソプロポキシカルボニル基等の第2級アルコキシカルボニル基の場合は、塩基性条件下で加水分解を行うことでカルボキシル基を得ることができる。この際、塩基性条件下とする塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物などが挙げられる。
また、エステル結合を有する基が、t−ブトキシカルボニル基等の第3級アルコキシカルボニル基の場合は、酸性条件下で加水分解を行うことにより、カルボキシル基を得ることができる。この際、酸性条件下とする酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸;トリフルオロ酢酸等のブレステッド酸;トリメチルシリルトリフラート等のルイス酸などが挙げられる。t−ブトキシカルボニル基の酸性条件下で加水分解の反応条件については、例えば、「日本化学会編第5版 実験化学講座16 有機化合物の合成IV」に開示されている。
さらに、t−ブトキシカルボニル基をカルボキシル基に変換する方法として、上記の酸に代えて、陽イオン交換樹脂を用いた方法も挙げられる。前記陽イオン交換樹脂としては、例えば、ポリマー鎖の側鎖にカルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)等の酸基を有する樹脂が挙げられる。これらの中でも、当該樹脂の側鎖にスルホ基を有する強酸性を示す陽イオン交換樹脂が、反応の進行を速くできることから好ましい。本発明で使用できる陽イオン交換樹脂の市販品としては、例えば、オルガノ株式会社製強酸性陽イオン交換樹脂「アンバーライト」等が挙げられる。この陽イオン交換樹脂の使用量は、効果的に加水分解できることから、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対し、5〜200質量部の範囲が好ましく、10〜100質量部の範囲がより好ましい。
また、エステル結合を有する基が、ベンジルオキシカルボニル基等のフェニルアルコキシカルボニル基の場合は、水素化還元反応を行うことにより、カルボキシル基に変換できる。この際、反応条件としては、室温下、酢酸パラジウム等のパラジウム触媒の存在下で、水素ガスを還元剤として用いて反応を行うことにより定量的にフェニルアルコキシカルボニル基をカルボキシル基に再生できる。
上記のように、エステル結合を有する基の種類によってカルボキシル基への変換の際の反応条件が異なるため、例えばAの原料としてt−ブチル(メタ)アクリレートとn−ブチル(メタ)アクリレートを用い共重合して得られたポリマーは、t−ブトキシカルボニル基とn−ブトキシカルボニル基とを有することになる。ここで、t−ブトキシカルボニル基が加水分解する酸性条件下では、n−ブトキシカルボニル基は加水分解しないことから、t−ブトキシカルボニル基のみを選択的に加水分解してカルボキシル基へ脱保護が可能となる。したがって、Aの原料モノマーであるアニオン性基に再生可能な保護基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーを適宜選択することによりポリマーブロック(A)の酸価の調整が可能となる。
また、前記一般式(1)で表されるポリマー(A)において、ポリマーブロック(A)とポリマーブロック(A)は、明確に分離されている方が、得られる水性顔料分散体の安定性において有利である。ポリマーブロック(A)とポリマーブロック(A)のモル比A:Aは、100:10〜100:500の範囲が好ましい。Aの比率がAの100に対して10に満たない場合、顔料の分散安定性やインクジェット吐出時の吐出安定性に劣る傾向にある。一方Aの比率がAの100に対して500を超えると、ポリマーの親水性が高くなりすぎ、記録媒体が紙等の場合であると中へ浸透しやすくなり、発色性が低下する。比率は、中でも、A:A=100:10〜100:450であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で表されるポリマー(A)において、ポリマーブロック(A)を構成する芳香環または複素環を有するモノマー数は5〜40の範囲が好ましく、6〜30の範囲がなお好ましく、7〜25の範囲が最も好ましい。またポリマーブロック(A)を構成するアニオン性基の数は、3〜20の範囲が好ましく、4〜17の範囲がなお好ましく、5〜15の範囲が最も好ましい。前記ポリマーブロック(A)とポリマーブロック(A)のモル比A:Aを、ポリマーブロック(A)を構成する芳香環または複素環を有するモノマーのモル数と、ポリマーブロック(A)を構成するアニオン性基のモル数のモル比で表した場合は100:7.5〜100:400が好ましい。
また、前記一般式(1)で表されるポリマー(A)の酸価は40〜400mgKOH/gが好ましく、より好ましくは40〜300mgKOH/gであり、最も好ましくは40〜190mgKOH/gである。酸価が40mgKOH/gを満たない場合、顔料の分散安定性、インクジェット吐出時の吐出安定性が充分ではない可能性がある。一方酸価が400mgKOH/gを超える場合、ポリマーの親水性が高まり、記録媒体中へ浸透しやすくなるため発色性が低下する。また酸価が190mgKOH/gを超える場合、場合によっては得られるインクの耐水性に影響が生じる場合がある。なお酸価は、JIS試験方法K 0070−1992に基づいて測定した。具体的には、THF溶媒に試料0.5gを溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、0.1M水酸化カリウムアルコール溶液で滴定することにより求めた。
(ポリマー(A) 数平均分子量)
前記一般式(1)で表されるポリマー(A)の数平均分子量は1000〜10000が好ましく、1000〜6000であることがなお好ましい。あまり高い分子量のものは、塩基性化合物で中和された状態であっても水分散時において析出する可能性がある。一方数平均分子量が1000に満たない場合、得られる水性顔料分散体の安定性が低下することがある。
この観点から、本願で使用するポリマー(A)は分子量が低いほうが好ましい。中でも数平均分子量が1300〜5000であることがなお好ましく、1500〜4500であることが最も好ましい。
本発明において数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されるポリスチレン換算の値とし、具体的には以下の条件で測定した値とする。
(数平均分子量(Mn)の測定方法)
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のTHF溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
(中和剤 塩基性化合物)
本発明において、前記ポリマー(A)のアニオン性基は中和されていることが好ましい。前記ポリマー(A)のアニオン性基を中和する塩基性化合物としては、公知慣用のものがいずれも使用出来、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機塩基性物質や、アンモニア、トリエチルアミン、アルカノールアミンの様な有機塩基性化合物を用いることが出来る。本発明においては、水性顔料分散体中に存在する前記ポリマー(A)の中和量は、ポリマーの酸価に対して100%中和されている必要はない。具体的には、前記ポリマー(A)の中和率が20%〜200%になるように中和されることが好ましく、80%〜150%がなお好ましい。
(ポリウレタン樹脂)
本発明において使用可能なポリウレタン樹脂は、ウレタン結合が比較的顔料との親和性が高いことから、媒体である水溶性溶媒及び/または水との馴染みのよい親水性基を有しておればよい。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等の酸基を有するポリウレタン樹脂が挙げられる。
このようなポリウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、ポリカーボネートジオール類などのジオール化合物と、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸基含有ジオールとを反応して得られる水溶性ないしは水分散性の各種のポリウレタン系樹脂(脂肪族系ウレタン樹脂、芳香族系ウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂、エーテル系ポリウレタン樹脂、カーボネート系ポリウレタン樹脂など)が挙げられる。中でも、顔料との親和性やインクとしたときの諸物性等から、エーテル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
上記のジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
上記のジオール化合物とは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。特にポリエーテル系またはポリエステル系のジオール化合物が好ましい。
上記の酸基含有ジオールとしては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。特にジメチロールプロピオン酸が好ましい。
ポリウレタン系樹脂はプレポリマー法によって合成してもよく、その際、低分子量のポリヒドロキシ化合物を使用してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、上記のポリエステルジオールの原料として挙げたグリコール及びアルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、そのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。
また、ウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後または中和しながら水延長またはジ若しくはトリアミン延長することが出来る。アミン延長の際に使用するポリアミンとしては、通常ジアミン又はトリアミンが挙げられる。また、その具体例としてはヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等が挙げられる。上記の中和の際に使用する塩基としては、例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
また、本発明に用いるポリウレタン樹脂は、直鎖状(リニアー)であることが着色画像の皮膜物性の観点からは好ましいが、直鎖状ポリウレタン樹脂であることの特徴を損なわない範囲において、必要に応じて、前記した原料に加えて、3官能以上の活性水素化合物や3官能以上の有機ポリイソシアネート化合物を適宜併用して、3次元網目構造を有するポリウレタン樹脂を、直鎖状のポリウレタン樹脂に極少量含有させても良い。
また、前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は5000〜80000が好ましく、10000〜50000がなお好ましく、15000〜30000の範囲が最も好ましい。重量平均分子量が5000に満たない場合、未反応成分などが残存し組成が不均一となり分散安定性が低下する場合がある。重量平均分子量が80000を超える場合は、水溶性が低下し分散性が低下する場合がある。
重量平均分子量は、前記アクリル系樹脂と同様に、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定されるポリスチレン換算の値とする。
またポリウレタン樹脂の酸価は、20〜100mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは40〜80mgKOHである。発明におけるポリマーの酸価は、前記アクリル系樹脂と同様に、JIS試験方法K 0070−1992に準拠して測定した酸価とした。
(塩基性化合物)
水分散性及び/または水溶性樹脂の塩を形成するための化合物である塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ金属類、およびジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。これらの塩を形成するための化合物の使用量は、前記共重合体の酸価に基づき、中和率として20〜200%となる範囲であることが好ましい。
前記中和率として20%以上であると、水溶性溶媒及び/または水中に、分散樹脂をより安定に乳化又は懸濁化することができる。また100%以上の塩基を加えた場合多くの分散樹脂が水性媒体中に溶解するが、低い酸価の樹脂や高分子量の樹脂等では、完全に溶解せずに乳化又は懸濁化状態を保つものもあり、このような樹脂の場合、100%以上の中和率に相当する塩基を添加することができる。
一方、長期保存時におけるゲル化を防ぐ目的や、得られる印字物の耐水性の予期せぬ低下を防ぐ観点から、中和率は200%以下とすることが好ましい。
なお本発明において、中和率は、塩基性化合物の配合量が前記共重合体中の全てのカルボキシル基の中和に必要な量に対して何%かを示す数値であり、以下の式で計算される。
Figure 2015143351
(水溶性溶媒及び/または水)
本発明で使用する水溶性溶媒及び/または水は、水単独で使用してもよいし、水と水溶性溶媒からなる混合溶媒でもよい。水溶性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
また、その他、水性に溶解しうる水溶性有機溶剤も使用することができる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
中でも、高沸点、低揮発性で、高表面張力のグリコール類やジオール類等多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
(水性顔料分散体の製造方法)
本発明は、顔料と、水分散性及び/または水溶性樹脂と、水溶性溶媒及び/または水の混合物を混練機で混練して混練物を得る工程を有する顔料分散体の製造方法であって、混練物1kgに与えた積算電力量が0.1〜0.4kW・h/kgの範囲、且つ、混練物1kgに対して与えた平均電力値が0.1kW/kg〜10kW/kgの範囲となった時に混練を終了することを特徴とする顔料分散体の製造方法である。
(混練機)
本発明で使用する混練機は、特に限定はなく、前述した公知の顔料を微細化できる程度の強い剪断力を与える混練機を使用すればよいが、混練効率の観点から、外釜と内軸とがそれぞれ独立して回転する混練機が好ましい。このような混練機としては、例えば、インテンシブミキサー等が挙げられる。中でもインテンシブミキサーを使用し、粗大粒子が著しく減少し、製造効率が向上するとともに収率を向上させることができる。以下、インテンシブミキサーを使用して本発明の製造方法の具体的態様について説明する。
図1の斜視図及び図2の断面図に、インテンシブミキサーの一例を示す。図1では蓋14の一部を省略し、かつパン20(透明である必要はない)の内部を透視して図示している。このインテンシブミキサー10は、下部フレーム11に設置されたパン20と、上部フレーム13から吊り下げられた邪魔板22及びローター24を有する。蓋14、パン20、邪魔板22、ローター24等は、機械的に強度と耐久性の高い金属等から構成されることが好ましい。パン20は、底部が閉じ、上部が開口した略円筒状の容器である。
下部フレーム11と上部フレーム13との間がボールねじ12等の案内手段により連結されることにより、下部フレーム11に対して上部フレーム13を上下に平行移動させることが可能である。上部フレーム13の一部にパン20の蓋14が形成され、蓋14は上部フレーム13と一体に上下移動可能である。邪魔板22及びローター24はそれぞれ蓋14から下方に向けて取り付けられている。上部フレーム13を上昇させると、邪魔板22及びローター24とともに蓋14が上昇し、パン20が開放される。上部フレーム13を下降させると、蓋14がパン20を閉鎖して、混合物を閉鎖系で処理可能になる。蓋14には開閉可能な投入口や観察窓(図示せず)を設けてもよい。
パン20は下部フレーム11に対して垂直方向に設けられた支持軸23により、回転自在に支持されている。下部フレーム11には支持軸23を回転駆動するモーター(図示せず)が内蔵されている。パン20の回転方向は、水平面に沿った一方向である。邪魔板22はパン20の側面に対し僅かな隙間を介して配置され、上から下に向けて幅が徐々に狭くなる形状を有する。これにより、回転するパン20とともに移動する混合物に対して効果的に剪断力を加えることができる。邪魔板22の先端には温度センサー27が内蔵されており、混合物の温度を経時的に測定可能である。
パン20の回転面(回転軸に垂直な平面)は水平に限らず、傾斜させることも可能である。パンを傾斜させることにより、上下方向の流れができるので、水平に回転させたときよりも、混練時には効率的となる。パンを傾斜させる方法は限定されないが、インテンシブミキサーの装置全体を傾斜した台に設置してもよい。水平に対する傾斜角は例えば30°程度である。
ローター24は、蓋14の下面におけるローター取付部21に対して回転自在に設けられている。ローター取付部21には、ローター24を回転駆動するモーター(図示せず)が内蔵されている。ローター24の回転方向は、水平面に沿った双方向である。即ち、パン20とローター24の回転方向を同じ方向とすることもでき、逆方向とすることもできる。ローター24の先端には、複数の羽根25が設けられている。羽根25はローター24の軸に対して略垂直に形成されている。図示例では、上下に略等間隔で四枚の羽根25が設けられている。これらの羽根25は長手方向を交互に90°ずつずらしてある。パン20の底部に最も近い羽根25は最も長く、その両端部26はパン20の底部に向けて湾曲させている。これにより、パン20の底部における混合物の滞留を抑制することができる。
図3に、パン20とローター24とを同じ方向(順方向)に回転させたときの混合物の流れを示す。パン20の回転方向を太い矢印Pで、ローター24の回転方向を太い矢印Rで示す。図3では、P、Rとも時計回りである。他の細い矢印は、混合物の流れ方向を表す。パン20は、その底部の中心点(支持軸23の位置)を回転中心にして回転する。ローター24の回転は、蓋14に対して決まった位置に中心を有するが、この位置はパン20の回転中心からずれている(偏心している)。このため、ローター24の羽根25の届く範囲はパン20の横断面における一部である。混合物がパン20の回転に従って回転することにより、混合物がローター24の羽根25を横切るように移動する。ローター24が同時に混練する範囲は混合物の一部であるが、パン20が一周する間に混合物の殆ど全体が回転するローター24及び羽根25による剪断力を受けることになる。つまり、回転するパン20が混合物を連続的にローター24の近傍へと効率良く移動させるので、混合物の混練が促進される。
邪魔板22は、パン20の略円形である横断面に対して、ローター24とは反対側に偏心し、パン20の側面に近接する。邪魔板22はパン20の側面に対し傾斜した表面を有するので、邪魔板22に接した混合物は傾斜面に沿ってパン20の側面から離れる方向に偏向し、ローター24に近づく方向への移動が促進される。これにより、ローター24から対極の位置における混合物の滞留や固着を抑制することができる。
図4に、パン20とローター24を逆方向に回転させたときの混合物の流れを示す。図4では、Pが時計回りで、Rが反時計回りである。逆方向に回転させた場合、混合物は、パン20の表面に近づくとパン20の回転方向に従って移動し、ローター24に近づくとローター24の回転方向に従って移動する。パン20とローター24との速度差が高いので、混合物は頻繁に逆流し、高い剪断力が混合物に作用して混合が促進される。
パン20とローター24の回転速度は、パン20の回転速度を相対的に低速とし、ローター24の回転速度を相対的に高速とすることが好ましい。これにより、高速回転するローター24により粘稠な混合物の一部に対して局所的に強力な剪断力を作用させながら、低速回転するパン20により混合物をローター24に近づき、そして離れるように転動させることができる。パン20とローター24を順方向に回転させた場合、混合物の流れが乱れにくく、強力な撹拌を均一に行うことができる。
インテンシブミキサーの場合、パン20の回転軸は下部フレーム11に、ローター24の回転軸は上部フレーム13にそれぞれ固定されているので、回転駆動の構造が比較的単純であり、重量のあるモーターを用いて強力な剪断力を安定して確実に発生させることができる。
本発明において、「混練物1kgに与えた積算電力量」は、インテンシブミキサーに取り付けられている積算電力計により検出される積算電力量を、混練物の質量で除することによって求められた値を意味する。なお、閉鎖系での混練では、得られる混練物の質量は、原材料の混合物の仕込量に略等しい。
また、「混練物1kgに与えた平均電力値」は、「混練物1kgに与えた積算電力量」を混練時間で除することによって求められる値を意味する。
なお積算電力量は、パン20及びローター24の回転を通じて混合物に供給されるエネルギーの量に略匹敵し、混合物が粘稠であればあるほど、回転に大きな負荷が掛かり、電力が増加する。パン及びローターの回転に要する電力量の一部は回転駆動装置の摩擦等により失われて混合物に供給されないが、その割合は通常小さい。つまり、積算電力量に相当するエネルギーが運動エネルギーとして混合物に付与され、混合物の移動や摩擦を促進した後、熱に変換されて混合物の温度上昇と混合物に含まれる樹脂の軟化ないしは流動化に寄与する。効果的な混練を実現するため、混合物を強力かつ均等に混練可能な混練機を用いて、混練時間をあまり長くすることなく、平均電力量を従来よりも大きくすることにより、顔料粒子を粉砕するとともに、顔料粒子を樹脂と密に接触させ、樹脂中に分散させる一連の過程を効果的に促進し、粗大粒子の少ない混練物を製造することができる。
本発明者は、混練物1kgに与えた積算電力量が0.1〜0.4kW・h/kgの範囲、且つ、混練物1kgに対して与えた平均電力値が0.1kW/kg〜10kW/kgの範囲となった時に混練を終了することの効果として、オペレーターの経験やノウハウが要求されず、混練物の混練度合いを適切に管理でき、また、粗大粒子数の低減と生産効率の向上を実現し、混練時間が大幅に短縮できることを見出した。
(1)温度
混練時には、混練物の温度を50℃以上に保った状態で混練することが好ましい。より好ましくは、50℃以上〜100℃以内がより好ましい。50℃以上とは、具体的には、分散剤樹脂の融点以上にすることで、顔料との濡れ性をよくするためである。もし、融点以下である場合、顔料との濡れ性が悪くなり、顔料分散性が悪く、粗大粒子数も多くなる。温度測定方法は、インテンシブミキサーに取り付けられている温度センサーで測定される。
(2)粘度
混練時の混練物粘度は、混練に適したせん断応力を得る観点から、10万mPa・s以上が好ましいと推定される。
(混練物)
混練工程で得られた混練物は、通常、固体状もしくは半固体状である。水性顔料分散体は、水溶性溶媒及び/または水により混練物を希釈することで製造することができる。混練物中の顔料は混練物の製造時に既に解砕され、樹脂中に分散されているので、水性顔料分散体を得るための分散時間が短く、製造効率が向上する。
(インクジェット記録用水性インク)
本発明の製造方法で得た水性顔料分散体は、所望の濃度に希釈して、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインクジェット記録用インク分野等様々な用途に使用することができる。なかでも、粗大粒子が低減されていることから、インクジェット記録用インクとして特に好ましく使用できる。
なお本発明において、水性顔料分散体とは、インク化する前のいわゆるミルベースと称される、顔料が高濃度に分散された水性顔料分散体を指す。
水性顔料分散体の顔料濃度は通常10〜50%となるように調整してある。これを使用してインク化する際は、所望するインク用途や物性に応じて、適宜水溶性溶媒及び/または水、あるいは添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜20%となるように希釈するのみで、インクを得ることができる。
本発明の水性顔料分散体をインクジェット記録用インクに適用する場合は、更に水溶性溶媒及び/または水、バインダー樹脂等を加え、所望の物性に必要に応じて湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を添加して調製する。
インクの調整後に、遠心分離あるいは濾過処理工程を加えてもよい。
(湿潤剤)
前記湿潤剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
前記インクジェット記録用インクに占める顔料量は、充分な画像濃度を得る必要性と、インク中での顔料の分散安定性を確保するために、10〜30質量%であることが好ましい。
(記録媒体)
インクジェット記録用インクの記録媒体としては特に限定はなく、複写機で一般的に使用されているコピー用紙(PPC紙)等の吸収性の記録媒体、インクの吸収層を有する記録媒体、インクの吸収性を有しない非吸水性やインクの吸水性の低い難吸収性の記録媒体などがありうる。本発明のインクジェット記録用インクは、特に吸収層を有する記録媒体や非吸水性の記録媒体に記録した、発色性が良好という特徴も有する。
吸収性の記録媒体の例としては、例えば普通紙、布帛、ダンボール、木材等が挙げられる。また吸収層を有する記録媒体の例としては、インクジェット専用紙等が挙げられる。この具体例としては、例えば、株式会社ピクトリコのピクトリコプロ等が挙げられる。
非吸水性の記録媒体はインクの吸水性を有しない記録媒体だけでなく、インクの吸水性の低い記録媒体も含有する。非吸水性の記録媒体の例には、印刷本紙などのコート紙、樹脂基材、金属基材、ガラス基材などが含まれる。樹脂基材は、好ましくは疎水性樹脂からなる樹脂基材(プレート、シートおよびフィルムを含む)、該樹脂基材とその他の基材(紙など)との複合基材などであってよい。疎水性樹脂の例には、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、軟質塩ビや硬質塩ビ等の塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等が含まれる。
この中でも、東洋紡株式会社の「パイレン」等の、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の例において「部」及び「%」は特に断りがない限り質量基準である。
(アクリル系樹脂を使用した製造方法の例)
(合成例1 ポリマー(P−1)の合成例)
重合開始剤としてn−ブチルリチウムと第一のモノマーとしてスチレンとを、図5におけるチューブリアクターS1及びS2とから、図5におけるT字型マイクロミキサー31に導入し、リビングアニオン重合させ重合体を形成させた。
次に、得られた重合体を、図5におけるチューブリアクター41を通じて図5におけるT字型マイクロミキサー32に移動させ、該重合体の成長末端を、図5におけるチューブリアクターS3から導入した反応調整剤(1,1−ジフェニルエチレン)によりトラップした。
次いで、第二のモノマーとしてメタクリル酸tert−ブチルエステルを、図5におけるチューブリアクターS4からT字型マイクロミキサー33に導入し、図5におけるチューブリアクター42を通じて移動させた前記重合体と、連続的なリビングアニオン重合反応を行った。その後、得られたブロック共重合体を、図5におけるチューブリアクター43を通じてT字型マイクロミキサー34に移動させ、図5におけるチューブリアクターS5から導入したメタノールで反応をクエンチしてブロック共重合体(PA−1)を製造した。
この際、マイクロリアクター全体を恒温槽に埋没させることで、反応温度を24℃に設定した。また、マイクロリアクターに導入するモノマーおよび反応調整剤はテトラヒドロフラン(THF)で溶解し、またn−ブチルリチウムは市販の2.6Mヘキサン溶液をヘキサンで希釈し、その希釈濃度及び導入速度により、ブロック共重合体(PA−1)のmol比を以下の通り調整した。
ブロック共重合体(PA−1)のmol比
重合開始剤/第一モノマー/反応調整剤/第二モノマー=1.0/13.5/1.0/7.5
得られたブロック共重合体(PA−1)は、陽イオン交換樹脂で処理することで加水分解させ、反応溶液を減圧下で留去し、得られた固体を粉砕して、ポリマー(P−1)の粉体を得た。
ポリマー(P−1)の重量平均分子量は2810、酸価は186.4mgKOH/gであった。
<実施例1>
Fast Yellow 7413(山陽色素)150部、ポリマー(P−1)45部、トリエチレングリコール86部、34%水酸化カリウム水溶液24.67部を1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.204kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.489kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール90部、イオン交換水181.3部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例2>
Fast Yellow 7413(山陽色素)150部、ポリマー(P−1)45部、トリエチレングリコール91部、34%水酸化カリウム水溶液24.67部を1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0,169kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.406kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール85部、イオン交換水181.3部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例3>
Fast Yellow 7413(山陽色素)150部、ポリマー(P−1)45部、トリエチレングリコール101部、34%水酸化カリウム水溶液24.67部を1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.131kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.314kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール75部、イオン交換水181.3部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例1>
Fast Yellow 7413(山陽色素)150部、ポリマー(P−1)45部、トリエチレングリコール111部、34%水酸化カリウム水溶液24.67部を1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.078kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.187kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール65部、イオン交換水181.3部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例2>
Fast Yellow 7413(山陽色素)150部、ポリマー(P−1)45部、トリエチレングリコール121部、34%水酸化カリウム水溶液24.67部を1.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、25分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.041kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.098kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水450部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール55部、イオン交換水181.3部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例4>
FASTGEN Blue SBG−SD(DIC株式会社)6000部、ポリマー(P−1)1200部、トリエチレングリコール4800部、34%水酸化カリウム水溶液511.8部を40Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、76分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.161kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.127kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水18000部を徐々に加えた後、希釈用イオン交換水8566.91部を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.0%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例5>
FASTGEN Blue SBG−SD(DIC株式会社)6000部、ポリマー(P−1)1200部、トリエチレングリコール4800部、34%水酸化カリウム水溶液511.8部を40Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、44分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.102kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.139kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水18000部を徐々に加えた後、希釈用イオン交換水8566.91部を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.0%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例3>
FASTGEN Blue SBG−SD(DIC株式会社)6000部、ポリマー(P−1)1200部、トリエチレングリコール4800部、34%水酸化カリウム水溶液511.8部を40Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、5.6分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.015kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.161kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水18000部を徐々に加えた後、希釈用イオン交換水8566.91部を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.0%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例4>
FASTGEN Blue SBG−SD(DIC株式会社)6000部、ポリマー(P−1)1200部、トリエチレングリコール4800部、34%水酸化カリウム水溶液511.8部を40Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、2.2分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.006kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.164kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水18000部を徐々に加えた後、希釈用イオン交換水8566.91部を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.0%、顔料濃度は15.0%であった。
(ポリウレタン樹脂を使用した製造方法の例)
(合成例 ポリウレタン樹脂(PU−1))
温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を備えた4つ口フラスコにポリプロピレングリコール1000を244.3部、イソホロンジイソシアネートを180.0部、仕込み、窒素ガス雰囲気下100℃で1時間反応させた。その後65℃以下に冷却しジメチロールプロピオン酸65.4g、ネオペンチルグリコール10.3g、無機系錫触媒ネオスタンU−28 0.002gおよびメチルエチルケトン(MEK)166.7gを添加し、80℃で 12時間反応させた。次いでMEK102.1g、メタノール 10gを加え60℃で 1時間反応させて重合反応を停止した。次に40℃に冷却し、トリエチレングリコール500gを加え、60℃で減圧脱溶剤することによりMEKを留去し、NV50.45%、酸価55、重量平均分子量25,000のポリウレタン樹脂(PU−1)を得た。
<実施例6>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、10分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、15分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.16kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.64kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例7>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、10分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、30分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.32kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.64kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例8>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、10分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、8分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.16kW・h/kg、混練物1kgに対して与えた平均電力値は、1.28kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<実施例9>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速17.23m/s、パン周速1m/sで、10分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、3分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.39kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、7.5kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例5>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、5分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.05kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、0.64kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例6>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速2.94m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、60分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.64kW・h/kg、混練物1kgに対して与えた平均電力値は、0.64kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例7>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、3分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.06kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、1.28kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例8>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液778.5部、34%水酸化カリウム水溶液61.2部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速5.88m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、30分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.64kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、1.28kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水2250部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール425部、イオン交換水906.25部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例9>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液389.3部、34%水酸化カリウム水溶液30.6部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速17.23m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、0.3分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.04kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、7.5kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水1125部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール212.5部、イオン交換水453.1部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
<比較例10>
前記ポリウレタン樹脂(PU−1)溶液389.3部、34%水酸化カリウム水溶液30.6部を5.0Lのインテンシブミキサー(日本アイリッヒ株式会社)に仕込み、ローター周速34.45m/s、パン周速1m/sで、5分間混合した。その後、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigment(DIC社製:C.I.ピグメント15:3)750部を添加し、顔料添加前の混合時と同じローター周速及びパン周速で、0.5分間混練を行った。混練時の混練物1kgに与えた積算電力量は、0.13kW・h/kg、混練物1kgに与えた平均電力値は、15.0kW/kgであった。
続いて、インテンシブミキサー容器内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水1125部を徐々に加えた後、トリエチレングリコール212.5部、イオン交換水453.1部の混合液を加え混合した。この水性顔料分散体の固形分は20.3%、顔料濃度は15.0%であった。
上記実施例、比較例で作成した水性顔料分散液に対して、以下の項目を測定して評価を行った。
<粗大粒子数>
実施例、比較例で作成した水性顔料分散体を2000倍に希釈し、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は希釈前の水性顔料分散液1ml当たりの粒子数に換算した。表中の粒子数には(億個/ml)の単位を用いている。「0.5μm以上」及び「1.0μm以上」はカウントされる粒子のサイズである。
結果を表1〜表4に示す。実施例9では0.5gを1部に換算し、他は1gを1部に換算した。
Figure 2015143351
Figure 2015143351
Figure 2015143351
Figure 2015143351
10 混練機(インテンシブミキサー)
11 下部フレーム
12 ボールねじ
13 上部フレーム
14 蓋
20 外釜(パン)
21 ローター取付部
22 邪魔板
23 支持軸
24 内軸(ローター)
25 羽根
26 端部
27 センサー
31,32,33,34 T字型マイクロミキサー
41,42,43,44 チューブリアクター
S1,S2,S3,S4,S5 プレクーリングの為のチューブリアクター

Claims (4)

  1. 顔料と、水分散性及び/または水溶性樹脂と、水溶性溶媒及び/または水の混合物を混練機で混練して混練物を得る工程を有する顔料分散体の製造方法であって、混練物1kgに与えた積算電力量が0.1〜0.4kW・h/kgの範囲、且つ、混練物1kgに対して与えた平均電力値が0.1kW/kg〜10kW/kgの範囲となった時に混練を終了することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
  2. 前記混練機が、外釜と内軸とがそれぞれ独立して回転する請求項1に記載の顔料分散体の製造方法。
  3. 混練を終了したときの前記混練物の温度が50℃以上である請求項1又は2に記載の顔料分散体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの製造方法により得た顔料分散体を使用したインクジェット記録用インク。
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