JP2015142587A - 電動作業機製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着脱式バッテリユニットを備えた定速タイプの歩行型作業機と変速タイプの歩行型作業機の両方を効果的に製造する方法を提供する。
【解決手段】モータ給電制御部とバッテリ側コネクタ部を備えたバッテリユニットと、定速電動モータと、主スイッチ及び副スイッチと、バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備えた定速用機体と、変速電動モータと、主スイッチ及び副スイッチ及びモータ速度設定器と、バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備えた変速用機体とを組み合わせて定速電動作業機及び変速電動作業機を製造する電動作業機製造方法。バッテリユニットは、給電端子と主スイッチ端子と副スイッチ端子とが、定速用機体との接続時には、定速用機体の被給電端子と第1端子と第2端子とに装着され、変速用機体との接続時には、変速用機体の被給電端子と本端子とダミー端子とに装着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリから給電される電動モータの駆動をスイッチ操作に基づいて制御し、その電動モータの回転力を耕耘作業などに利用する電動作業機の製造方法に関する。
操縦部に設けられた、操作レバースイッチや主スイッチなどの操作デバイスを操作してバッテリから定速電動モータへの給電を制御する、定速タイプの歩行型作業機が特許文献1から知られている。この特許文献1に記載された歩行型作業機は、定速モータによって動作する耕耘ロータリと、定速モータに給電するバッテリケースを備え、このモータの駆動を操作するため操作デバイスとして、電源スイッチや、レバーによってON・OFFされるリミットスイッチを取り付けている。モータ制御のための電子制御系として、バッテリケースに充電制御基板と放電制御基板が設けられ、機体側に信号制御基板が設けられている。信号制御基板には、電源スイッチや操作レバーに連動するリミットスイッチが接続されている。信号制御基板は、電源スイッチやリミットスイッチからの信号に基づいて放電制御基板に制御信号を出力する機能を有する。放電制御基板は信号制御基板からの制御信号に基づいてバッテリケースのバッテリから電力をモータに供給し、モータを駆動する。
また、操縦部に設けられた操作レバースイッチや主スイッチや速度設定器などの操作デバイスを操作してバッテリから電動モータへの給電を制御する、変速タイプの歩行型作業機が特許文献2から知られている。この特許文献2に記載された変速タイプの歩行型作業機は、変速モータによって動作する耕耘ロータリと、変速モータに給電するバッテリケースを備え、この変速モータの駆動を操作するため操作デバイスとして、キースイッチや、レバーによってON・OFFされるリミットスイッチを取り付けている。さらにモータのための回転数設定ダイヤルも備えられている。モータ制御のための電子制御系として、バッテリケースに充電制御基板と放電制御基板が設けられ、機体側に信号制御基板が設けられている。信号制御基板には、電源スイッチや操作レバーに連動するリミットスイッチ、さらには回転数設定ダイヤルが接続されている。信号制御基板は、電源スイッチやリミットスイッチや回転数設定ダイヤルからの信号に基づいて放電制御基板に制御信号を出力する機能を有する。放電制御基板は、出力制御回路、電流検出回路、スイッチング回路、電流平滑回路、過放電防止回路、及び短絡防止回路を備えており、信号制御基板からの制御信号に基づいて所望のモータ速度を作り出す電力を生成して変速モータに供給する。
定速タイプの歩行型作業機では、バッテリから放電制御基板を通じて定速モータに給電される電力は一定でよいが、変速タイプの歩行型作業機では、バッテリからの電力を、放電制御基板において、回転数設定ダイヤルからの信号に基づいて調整された電力を変速モータに給電する。したがって、バッテリと放電制御基板とを有するとともに歩行型作業機の機体に装着されるバッテリケースは、定速タイプの歩行型作業機と変速タイプの歩行型作業機とでは全くその構造が異なっており、相互交換が不能であり、定速タイプの歩行型作業機と変速タイプの歩行型作業機の製造時には、それぞれ別に用意する必要がある。このことは在庫管理においても、生産管理においても不利を生じる。
特開2011‐72211号公報(段落番号〔0017−0052〕、図6) 特開2011‐93493号公報(段落番号〔0010−0063〕、図7)
上記実情に鑑み本発明の目的は、着脱式バッテリユニットを備えた定速タイプの歩行型作業機と変速タイプの歩行型作業機の両方を効果的に製造する方法を提供することである。
給電線とつながれた給電端子と信号線とつながれた主スイッチ端子及び副スイッチ端子とを有するバッテリ側コネクタ部と、前記給電線に設けられた給電スイッチと、前記主スイッチ端子及び前記副スイッチ端子を介して送られる信号に基づいて前記給電スイッチの開閉を制御するモータ給電制御部とを備えたバッテリユニットと、
作業ユニットに動力を伝達する定速電動モータと、操縦部に設けられた主スイッチ及び副スイッチと、前記バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備え、当該機体側コネクタ部は、前記電動モータとつながれた被給電端子と、前記主スイッチとつながれた第1端子と、前記副スイッチとつながれた第2端子とを含む定速用機体と、
作業ユニットに動力を伝達する変速電動モータと、操縦部に設けられた主スイッチ及び副スイッチ及びモータ速度設定器と、前記モータ速度設定器による速度設定に基づいた変速動力を前記変速電動モータに伝達する駆動制御部と、前記バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備え、当該機体側コネクタ部は、前記駆動制御部とつながれた被給電端子と、前記主スイッチとつながれた本端子と、前記主スイッチとつながれたダミー端子とを有する機体側コネクタ部とを備えた変速用機体と、
を組み合わせて定速電動作業機及び変速電動作業機を製造する電動作業機製造方法において、上記目的を達成するため、本発明による電動作業機製造方法では、
前記バッテリユニットは、前記定速用機体に対して、前記給電端子と前記被給電端子とが通電し、かつ前記主スイッチ端子と前記第1端子とが通電し、かつ前記第2端子と前記副スイッチ端子とが通電するように装着され、
前記バッテリユニットは、前記変速用機体に対して、前記給電端子と前記被給電端子とが通電し、かつ前記主スイッチ端子と前記本端子とが通電し、かつ前記副スイッチ端子と前記ダミー端子とが通電するように装着される。
この方法で用いられるバッテリユニットは、機体側から信号線を通じて送られてくるスイッチ状態に基づいて機体側に給電線を通じて電力を給電するする機能に特化することで、定速電動作業機と変速電動作業機の両方に兼用使用できるように構成されている。このバッテリユニットが定速電動作業機の機体、つまり定速用機体に装着されると、互いの給電線と信号線が接続され、バッテリユニットに組み込まれたモータ給電制御部は、信号線を通じて入力されるスイッチ状態を示す信号に基づいて所定の電力を給電線から変速用機体に設けられた駆動制御部に供給する。駆動制御部は、受け取った電力を、モータ速度設定器による速度設定に基づいた変速動力に変換し、変速電動モータに供給する。これにより変速電動モータはスイッチ状態で回転または停止するが、その際の回転速度はモータ速度設定器の速度設定に応じた速度となる。
したがって、定速電動作業機の製造時であっても、変速電動作業機の製造時でもあっても、同じバッテリユニットを利用できるので、効率的な製造が可能となる。さらに、バッテリユニットには、所定の電力をスイッチ状態に応じて供給するモータ給電制御部と給電スイッチが備えられているので、機体側の電子制御系の構成は最小限のものにすることができる。
さらに、好適な実施形態の1つでは、前記バッテリユニットの前記定速用機体または前記変速用機体への装着を通じて前記給電線と前記信号線とが同時に連結される単一のコネクタユニットが用いられる。この構成により、バッテリユニットの機体への装着と、バッテリユニット側と機体側との給電線と信号線の接続が同時に行われ、好都合である。また、給電線と信号線とが共通のコネクタを使用することで、電線の引き回しが簡素化される。
本発明による、バッテリユニットを共通化した、定速電動作業機と変速電動作業機とを製造する方法の基本技術を図解する模式図である。 本発明による方法で製造される定速電動作業機の外観を示す斜視図である。 本発明による方法で製造される変速電動作業機の外観を示す斜視図である。 電動作業機の側面図である。 ハンドルに設けられた速度設定器と主スイッチの平面図である。 電動作業機の機体部分の側面図である。 電動作業機の機体へのバッテリユニットの装着を示す側面図である。 電動作業機の機体へのバッテリユニットの装着を断面で示す正面図である。 定速電動作業機における制御電子系の機能ブロック図である。 変速電動作業機における制御電子系の機能ブロック図である。
本発明の具体的な実施の形態を説明する前に、本発明による製造方法で製造される、バッテリユニットを共通化した、定速電動作業機と変速電動作業機とを製造する方法の基本技術を、図1の模式図を用いて説明する。図1では、定速電動作業機(図1の(a))と変速電動作業機(図1の(b))との電動モータ駆動制御電子系の機能が模式化されている。ここでは、電動作業機は歩行型耕耘機であり、その操縦部は左右一対のハンドルで、一方のハンドルに主スイッチが他方のハンドルに副スイッチが設けられているとする。電動モータ(以下単にモータと略称する)は、耕耘ロータとして構成された作業ユニットに回転動力を伝達する。図1の例では、バッテリからモータへの給電を制御するモータ給電制御部は、電動作業機の機体に取り出し可能に装着されるバッテリユニットにバッテリとともに組み込まれている。さらに、バッテリからモータへの給電線に、モータ給電制御部から出力される制御信号によって開放状態(給電状態)と閉鎖状態(遮断状態)を作り出す給電スイッチが介装されている。
バッテリユニットと機体との間には、バッテリユニットを機体に対して着・脱する際に連結・離脱するコネクタユニットが設けられている。バッテリユニットと機体との間は、バッテリからモータへ電力を供給する給電線(給電戻り側の給電アース線を含む)とスイッチ状態信号をモータ給電制御部に送る信号線だけであるので、コネクタユニットに給電線と信号線とを含ませると、単一のコネクタユニットだけで済む。従って、バッテリユニット側のコネクタ部には、給電線用の給電端子(アース給電端子も含む)と、主スイッチ用の主スイッチ端子と副スイッチ用の副スイッチ端子とが設けられている。また、定速用機体側のコネクタ部には、給電端子と接続される給電線用の被給電端子(アース給電端子も含む)と、主スイッチと直接つながっているとともに主スイッチ端子と接続される第1端子、副スイッチと直接つながっているとともに副スイッチ端子と接続される第2端子とが設けられている。
変速用機体側のコネクタ部には、給電端子と接続される給電線用の被給電端子(アース給電端子も含む)と、主スイッチと直接つながっているともに主スイッチ端子と接続される本端子、同様に主スイッチと直接つながっているともに副スイッチ端子と接続されるダミー端子とが設けられている。つまり、変速用機体では、副スイッチの信号線はバッテリユニットとはつながれずに、主スイッチの信号線が副スイッチのダミーとしてバッテリユニットとつながれている。変速用機体では、バッテリユニットから送られてくる電力を回転設定器による回転設定に基づく変速電力に変換する駆動制御部が設けられている。この駆動制御部に副スイッチの信号線が接続されている。
どちらの電動作業機においても、主スイッチはONとOFFに選択的に切り替え可能で、ONに切り替えられるとON状態信号を、OFFに切り替えられるとOFF状態信号を、モータ給電制御部に与える。これに対して、同様にONとOFFに選択的に切り替え可能な副スイッチは、そのON状態信号またはOFF状態信号を、定速電動作業機ではモータ給電制御部に与え、変速電動作業機では駆動制御部に与える。従って、定速電動作業機では、主スイッチと副スイッチのスイッチ状態信号に応じて、モータ給電制御部が給電状態または非給電状態を作り出す。これに対して、変速電動作業機では、主スイッチだけのスイッチ状態信号に応じてモータ給電制御部が給電状態または非給電状態を作り出す。しかしながら、バッテリユニットから給電を受けても駆動制御部が副スイッチのスイッチ状態信号に応じてモータへの給電を制御するので、実質的には主スイッチと副スイッチのスイッチ状態信号に応じてモータに電力を供給することになる。
なお、変速機体では、変速電動モータ(以下単にモータと略称する)の速度を設定する速度設定器が電動作業機の機体、好ましくはハンドルに設けられる。機体側の給電線に設けられた駆動制御部がバッテリから送られてきた電力を制御して、モータの駆動電力に変換して、モータを駆動制御する。つまり、バッテリからモータへの基本となる電力供給の制御はバッテリユニットに組み込まれたモータ給電制御部で行われ、バッテリユニットから供給された電力を入力して、モータ駆動のための駆動電力を出力する最終的なモータ駆動制御は、機体に設けられた駆動制御部で行われる。モータの正逆可変回転制御を行うためには、駆動制御部にインバータ制御機能を備えることが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施の形態を、電動作業機を歩行型耕耘機に適用した例をとって説明する。なお、図2には、定速タイプの歩行型耕耘機が示されており、図3には、変速タイプの歩行型耕耘機が示されている。
図2と図3とに示すように、この実施の形態で例示する歩行型耕耘機(以下単に耕耘機と略称する)1は、機体10の下部に耕耘ロータ2、前後揺動による姿勢変更が可能な操縦部としての操縦ハンドル3、耕耘ロータ2に回転動力を伝達するモータ5、モータ5の電源となるバッテリユニット4を備えている。バッテリユニット4は、機体10の後部から後方斜めに立ち上がっている支持枠14に対して、上方からの装着、上方への抜き出しが可能なように載置されている。バッテリユニット4の上面には、持ち運びに便利なように取っ手4aが設けられている。操縦ハンドル3は、いずれもアーム状の右ハンドル部3Bと左ハンドル部3Aからなり、その基端側で支持枠14の後方突出端部に揺動可能に連結されている。これにより、非使用時には操縦ハンドル3を機体前側に折り畳むことができる。モータ5の全て及びバッテリユニット4の下半分を覆う人工樹脂製のカバー11がこの耕耘機1の上面輪郭を曲面状に形作っている。二点鎖線で輪郭だけを示されている載置台100は、耕耘機1の下部が挿入されるボックス体であり、非使用時の耕耘機1の安定性と運搬性を高めるものである。
図4から理解できるように、機体10は、実質的に、主フレーム15と伝動ケース17とから構成されている。主フレーム15はモータ5を支持するモータ支持面領域とバッテリユニット4を支持するバッテリ支持面領域を作り出しており、モータ支持面領域とバッテリ支持面領域との間は約30度の角度で屈曲している。主フレーム15の後端部には機体横断方向の水平軸回りで揺動可能な揺動アーム16が取り付けられており、揺動アーム16は、下向き姿勢(図3では実線で示す)と後向き姿勢(図3では二点鎖線で示す)との間で揺動するが、それぞれの姿勢において揺動アーム16を主フレーム15に対して固定する固定手段が設けられている。この固定手段は、簡単にはロックピンとロック孔であ
る。
揺動アーム16の自由端側に移動輪12が装備されており、揺動アーム16の中間部に抵抗棒13が取り付けられている。移動輪12は揺動アーム16の下向き姿勢で接地し、抵抗棒13は揺動アーム16の後向き姿勢で接地する。抵抗棒13の揺動アーム16に対する取り付け位置をピン連結法によって変更することで機体10の持ち上げ高さを変更することができる。
伝動ケース17は、ウォーム減速機18を内蔵する側面視略L字状の左右二分割構造であり、その上端部に形成したフランジ部にモータ5がボルト連結されている。モータ5の出力軸とウォーム減速機18の入力軸は図4で点線描画されている中間伝動軸でつながれており、中間伝動軸は伝動ケース17内を垂直に延びている。ウォーム減速機18の出力は、伝動ケース17の下端部から左右に延出する耕耘ロータ2の駆動軸20に伝達される。伝動ケース17の上部には、この耕耘機1を持ち運ぶ際の把持部に使用可能なループ状で前向きに延出形成した丸パイプ鋼材からなるフロントガード19がボルト連結されている。
図1に示すように、操縦ハンドル3を構成する右ハンドル部3B及び左ハンドル部3Aは、丸パイプ材からなり、その自由端領域にグリップ3a、3bが設けられている。操縦ハンドル3と支持枠14との間の揺動連結部30によって操縦ハンドル3を支持枠14に締め付け固定するノブ付きナット締め付け機構が設けられている。この構成から、操縦ハンドル3は、ノブ付きナットを操作することで、操縦ハンドル3を支持枠14に対する任意の姿勢に設定することができる。
定速タイプの歩行型耕耘機では、図2に示すように、右ハンドル部3Bのグリップ3aのすぐ機体側にレバースイッチ装置32が設けられ、左ハンドル部3Aのグリップ3bのすぐ機体側に押しボタンスイッチ装置31が設けられている。レバースイッチ装置32には、グリップ3aを握っている手で操作可能なレバーの操作変位によってON/OFFされる副スイッチ82が組み込まれている。押しボタンスイッチ装置31には、押し操作によってON/OFFされる主スイッチ81が組み込まれている。
また、変速タイプの歩行型耕耘機では、図3に示すように、右ハンドル部3Bのグリップ3bのすぐ機体側に押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33が設けられ、左ハンドル部3Aのグリップ3aのすぐ機体側にレバースイッチ装置32が設けられている。速度設定レバー装置33は、水平揺動式のレバーを有し、このレバーに連係したボリュームスイッチ83が速度設定器として組み込まれている。ボリュームスイッチ83レバー揺動角度に応じてモータ5の速度を設定する速度設定信号を出力することができる。押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33は共通のハウジング構成であり、速度設定レバー装置33のレバーはこのハイジングの後方から突き出しており、グリップ3bを握っている手で速度設定レバー装置33のレバーは操作可能である。
図5には、右ハンドル部3Bのグリップ3bの近くに設けられた押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33が示されている。
この押しボタンスイッチ装置31は、操作部を停止位置から回しながら押すことで操作部がON位置まで回転軸方向に下向き変位し、主スイッチ81をON状態とする。そのON位置での操作部はかみ合い方式で保持されるので、主スイッチ81のON状態が保持される。押し込まれた状態の操作部を叩いてさらに押すことで操作部がかみ合い解除され回転し、さらに上向き変位することで最初の位置(ホームポジション)に復帰して主スイッチ81がOFF状態となる。つまり押しボタンスイッチ装置31は、機械式的にON保持を行うタイプである。
速度設定レバー装置33は、押しボタンスイッチ装置31と共通のハウジングに組み込まれているが、その操作レバーである揺動レバーだけはこのハウジングの後方から突き出している。この操作レバーは、ボリュームスイッチ(ロータリースイッチ)のロータと連結しており、操作レバーの揺動角に応じた信号を出力することができる。モータ5は正逆回転可能であるので、この操作レバーの揺動操作により、モータの正転最大速度からモータ5が停止するニュートラル(中立)を介してモータ5の逆転最大速度まで速動調整可能である。
図6、図7、図8から明らかなように、主フレーム15のバッテリ支持面領域において、カバー11は、ボックス状の収容スペースを作り出すバッテリ収容壁体11aを形成している。バッテリユニット4は矩形横断面を有しており、当該矩形横断面はバッテリ収容壁体11aが作り出す収容スペースの矩形横断面よりも同一かやや大きな面積となるような寸法をもっている。従って、このバッテリ収容壁体11aの収容スペースに挿入されたバッテリユニット4は、バッテリ収容壁体11aの弾性によりしっかりと保持される。
バッテリ収容壁体11aとバッテリユニット4との間で電気的接続を行うためのコネクタ9が備えられている。このコネクタ9は、バッテリユニット4の底面中央に設けられたバッテリ側コネクタ部9aと、バッテリ収容壁体11aの底面中央に設けられた機体側コネクタ部9bとからなる。ここでは、バッテリ側コネクタ部9aがソケット形で、機体側コネクタ部9bがプラグ形であるが、互いに逆であってもよい。バッテリユニット4はバッテリ収容壁体11aの弾性によって正確に中心がずれないようにバッテリ収容壁体11aによって案内されるので、重力の助けを借りたバッテリユニット4の収容スペースへの挿入により確実にバッテリ側コネクタ部9aと機体側コネクタ部9bとが接続されることになる。収容スペースに収容されたバッテリユニット4はハンドル支持枠14に設けられた、クランプ式固定具14aによって上面から押さえ付け固定される。
コネクタ9は、バッテリユニット4からモータ5への給電を行う給電線のための端子、主スイッチ81などの信号線のための端子、さらにはアース端子、さらには将来の利用に備えた予備端子など、ピンとピンソケットからなる複数の接続端子を備えている。
次に、定速タイプの歩行型耕耘機における、バッテリユニット4の内部構造、及び機体10におけるモータ5への給電配線やモータ5の駆動制御のための信号配線を、図9の機能ブロック図を用いて説明する。
バッテリユニット4は、バッテリ本体40、充電・放電スイッチユニット41、コントローラ42、電源部43、バッテリ本体40のプラス側に接続される給電線(プラス側給電線)44、バッテリ本体40のマイナス側に接続されるアース線(マイナス側給電線)4
5、各種信号線46、電流切替部7を備えている。
充電・給電スイッチユニット41は、給電線44に直列配置された給電スイッチ41aと充電スイッチ41bとを含み、それぞれはよく知られているようにFETとダイオードとで構成されている。給電スイッチ41aは、OFF状態で給電線44を遮断し、ON状態で給電線44を接続して、外部負荷に対してバッテリ本体40からの給電を可能にする。充電スイッチ41bは、充電時に給電線44を介して、図示されていない電源アダプタからの電力をバッテリ本体40に供給することを可能にする。
コントローラ42は、実質的にはワンチップマイコンから構成されており、ハードウエア及びプログラムの実行によって、モータ5に対する給電制御を行うモータ給電制御部50と、バッテリ本体40に対する充電制御を行う充電制御部52とを作り出している。モータ給電制御部50は、主スイッチ81のON状態と副スイッチ82のON状態とに基づいて給電スイッチ41aをON状態にして、バッテリ本体40からモータ5への給電を許可し、モータ5を駆動させる。電源部43は、バッテリユニット4の内部電源として機能し、コントローラ42や電流切替部7に給電する。
バッテリユニット4に設けられたバッテリ側コネクタ部9aには、給電線44のための給電端子としての給電ソケット91a、第1信号線46aのためのバッテリ側端子である第1ソケット92a、第2信号線46bのためのバッテリ側端子(副スイッチ端子)である第2ソケット93a、第3信号線46cのためのバッテリ側端子(主スイッチ端子)である第3ソケット94a、第4信号線46dのためのバッテリ側端子である第4ソケット95a、第5信号線46eのためのバッテリ側端子である第5ソケット96a、アース線45のアース端子としてのアースソケット97aが設けられている。
バッテリ側コネクタ部9aに対応するように機体10側に設けられた機体側コネクタ部9bには、給電線44のための被給電端子としての給電ピン91b、第1信号線46aのためのバッテリ側端子である第1ピン92b、第2信号線46bのためのバッテリ側端子(第2端子)である第2ピン93b、第3信号線46cのためのバッテリ側端子(第1端子)である第3ピン94b、第4信号線46dのためのバッテリ側端子である第4ピン95b、第5信号線46eのためのバッテリ側端子である第5ピン96b、アース線45のアース端子としてのアースピン97bが設けられている。
電流切替部7は、耕耘機1の非作業時においてコントローラ42が省エネ目的でスリープ状態になっている時には信号線に微弱電流を流しておき、コントローラ42がウエイクアップすると信号線に微弱電流より大きな大電流を流す機能を有する。
機体側では、モータ5のプラス接点に給電線44が接続され、モータ5のマイナス接点にアース線45が接続される。モータ5には、モータ5の過熱を検知するために、所定値以上の過熱状態でスイッチOFFする過熱スイッチ84が設けられている。この過熱スイッチ84は、副スイッチ82は、一方を第2信号線46bと接続され、他方を第1信号線46aの過熱スイッチ84より上流側に接続されている。これにより、モータ過熱により過熱スイッチ84が動作した場合、副スイッチ82がON状態であっても、コントローラ42は副スイッチ82をOFF状態であるとみなすことができ、モータ5への給電を停止することができる。主スイッチ81は、一方を第3信号線46cと接続され、他方をアース線である第5信号線46eに接続されている。
上述したように、モータ5と主スイッチ81と副スイッチ82が機体側に配置されており、主スイッチ81や副スイッチ82からの信号に基づいてモータ5の駆動を制御する制御系デバイスは全てバッテリユニット4に配置されている。つまり、モータ5の駆動制御がバッテリユニット4の給電制御に置き換えられており、バッテリユニット4が本来備えている放電制御のための放電スイッチをモータ5の駆動制御のための充電・給電スイッチユニット41に流用しているので、機体側の電子デバイスや配線は簡素となっている。
次に、変速タイプの歩行型耕耘機1における、バッテリユニット4の内部構造、及び機体10におけるモータ5への給電やモータ5の制御のための信号の流れを、図10の機能ブロック図を用いて説明する。
バッテリユニット4は、図9で示された変速タイプの歩行型耕耘機1のものと同一である。但し、後で説明するが、このバッテリユニット4のコントローラ42に2系統の信号線46を通じて入ってくるスイッチ状態信号は、いずれも主スイッチ81の信号状態である。従って、モータ給電制御部50は、主スイッチ81のON状態に基づいて給電スイッチ41aをON状態にして、バッテリ本体40からモータ5への給電を許可する。
機体側には、モータ5に駆動電力を出力する駆動制御部60が備えられている。駆動制御部60にはインバータ部61と制御管理部62を有する。駆動制御部60には、ボリュームスイッチ(速度設定器)83のための信号線46xと、副スイッチ82のための信号線46yが接続されており、ボリュームスイッチ(速度設定器)83と副スイッチ82からのスイッチ状態信号が入力される。駆動制御部60は、バッテリユニット4が給電許可状態でかつ副スイッチ82がON状態において、ボリュームスイッチ83からの信号に基づいた駆動電力を出力するようにインバータ部61を制御する。このため、駆動制御部60には給電ピン91bからの給電線44とアースピン97bへのアース線45が接続されている。また、モータ5には、モータ5の過熱を検知するために、所定値以上の過熱状態でスイッチOFFする過熱スイッチ84が設けられており、過熱スイッチ84は駆動制御部60につながれている。
駆動制御部60は、バッテリユニット4にモータ回転中やモータ異常停止(過熱)などの制御状態を知らせるために第1ピン92bと信号線46wでつながれている。第2ピン93bと第3ピン94bはコモン端子となっており、信号線46zを通じて主スイッチ81とつながれている。第5ピン96bもアース端子として主スイッチ81とつながれている。つまり、バッテリ側コネクタ部9aに対応するように機体10側に設けられた機体側コネクタ部9bに設けられたピン端子のうち、第2ソケット93aに対応する第2ピン93bは副スイッチ82のダミー端子として機能し、第3ソケット94aに対応する第3ピン94bは主スイッチ81の本端子として機能する。
〔別実施の形態〕
〔1〕電動作業機としては、作業ユニット2に耕耘ロータを適用した電動耕耘機に限定されるのではなく、作業ユニットを適宜変更することで、電動芝刈機、電動除雪機など、種々の電動作業機に本発明は適用可能である。
〔2〕操縦部3や機体10の機械的構造は、本発明では限定されていないので、種々の形態を採用することができる。
〔3〕バッテリユニット4の断面形状も種々なものを採用可能であり、その形状に合わせて適合するような収容スペースが作り出されるようにバッテリ収容壁体11aの形状を決定するとよい。
〔4〕速度設定器83としてボリュームスイッチ以外、種々のタイプのスイッチが適用可能であり、その取り付け場所も副スイッチの近くでもよいし、ハンドル3以外であってもよい。
本発明は、バッテリユニット4を搭載し、モータ5で作業ユニット2を駆動する種々の電動作業機に適用することができる。
1:電動耕耘機(電動作業機)
2:耕耘ロータ(作業ユニット)
3:ハンドル(操縦部)
4:バッテリユニット
5:モータ(定速電動モータ、変速電動モータ)
9:コネクタユニット
9a:バッテリ側コネクタ部
9b:機体側コネクタ部
31:レバースイッチ装置(レバースイッチ)
32:押しボタンスイッチ装置(押しボタンスイッチ)
33:速度設定レバー装置
10:機体(定速用機体、変速用機体)
40:バッテリ
41a:給電スイッチ
42:コントローラ
44:給電線
46:信号線
50:モータ給電制御部
60:駆動制御部
61:インバータ部
62:制御管理部
81:主スイッチ
82:副スイッチ
83:ボリュームスイッチ(モータ速度設定器)
91a:給電ソケット(給電端子)
92a:第1ソケット(端子)
93a:第2ソケット(副スイッチ端子、端子)
94a:第3ソケット(主スイッチ端子、端子)
95a:4ソケット(端子)
96a:第5ソケット(端子)
97a:アースソケット(端子)
91b:給電ピン (被給電端子)
92b:第1ピン(端子)
93b:第2ピン(第2端子、ダミー端子)
94b:第3ピン(第1端子、本端子)
97b:アースピン(端子)

Claims (1)

  1. 給電線とつながれた給電端子と信号線とつながれた主スイッチ端子及び副スイッチ端子とを有するバッテリ側コネクタ部と、前記給電線に設けられた給電スイッチと、前記主スイッチ端子及び前記副スイッチ端子を介して送られる信号に基づいて前記給電スイッチの開閉を制御するモータ給電制御部とを備えたバッテリユニットと、
    作業ユニットに動力を伝達する定速電動モータと、操縦部に設けられた主スイッチ及び副スイッチと、前記バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備え、当該機体側コネクタ部は、前記電動モータとつながれた被給電端子と、前記主スイッチとつながれた第1端子と、前記副スイッチとつながれた第2端子とを含む定速用機体と、
    作業ユニットに動力を伝達する変速電動モータと、操縦部に設けられた主スイッチ及び副スイッチ及びモータ速度設定器と、前記モータ速度設定器による速度設定に基づいた変速動力を前記変速電動モータに伝達する駆動制御部と、前記バッテリ側コネクタ部と接続可能な機体側コネクタ部とを備え、当該機体側コネクタ部は、前記駆動制御部とつながれた被給電端子と、前記主スイッチとつながれた本端子と、前記主スイッチとつながれたダミー端子とを有する機体側コネクタ部とを備えた変速用機体と、
    を組み合わせて定速電動作業機及び変速電動作業機を製造する電動作業機製造方法であって、
    前記バッテリユニットは、前記定速用機体に対して、前記給電端子と前記被給電端子とが通電し、かつ前記主スイッチ端子と前記第1端子とが通電し、かつ前記第2端子と前記副スイッチ端子とが通電するように装着され、
    前記バッテリユニットは、前記変速用機体に対して、前記給電端子と前記被給電端子とが通電し、かつ前記主スイッチ端子と前記本端子とが通電し、かつ前記副スイッチ端子と前記ダミー端子とが通電するように装着された電動作業機製造方法。
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