JP5639555B2 - 電動作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、バッテリから給電される電動モータの回転力を耕耘作業などに利用する電動作業機に関する。
このような電動作業機は、操縦部に設けられた操作レバースイッチや主スイッチや速度設定器などの操作デバイスを操作してバッテリから電動モータへの給電を制御する。このような電動作業機が特許文献1から知られている。この特許文献1に記載された歩行型電動作業機は、モータによって動作する耕耘ロータリと、モータに給電するバッテリケースを備え、このモータの駆動を操作するため操作デバイスとして、キースイッチや、レバーによってON・OFFされるリミットスイッチを取り付けている。さらにモータのための回転数設定ダイヤルも備えられている。モータ制御のための電子制御系として、バッテリケースに充電制御基板と放電制御基板が設けられ、機体側に信号制御基板が設けられている。信号制御基板には、電源スイッチや操作レバーに連動するリミットスイッチ、さらには回転数設定ダイヤルが接続されている。信号制御基板は、電源スイッチやリミットスイッチや回転数設定ダイヤルからの信号に基づいて放電制御基板に制御信号を出力する機能を有する。放電制御基板は、出力制御回路、電流検出回路、スイッチング回路、電流平滑回路、過放電防止回路、及び短絡防止回路を備えており、信号制御基板からの制御信号に基づいてモータ駆動のための電力をモータに供給する。
この特許文献1による歩行型電動作業機では、モータ給電用の全ての制御回路がバッテリケースに設けられた放電制御基板に組み込まれており、操作デバイスからの操作信号の処理だけが機体側に設けられた信号制御基板に分けられている。つまり、バッテリケースがインテリジェントなバッテリパックとなっており、バッテリケース自体のコストは高くなる。このような構成は、1台のバッテリケースだけを用いるような使用形態なら問題はないが、長時間の作業のために複数のバッテリケースを準備しておくような使用形態の場合、各バッテリケースに備えられた放電制御基板が重複するという無駄が生じる。
特開2011‐93493号公報(段落番号〔0010−0063〕、図7)
上記実情に鑑み、本発明の目的は、着脱可能なバッテリユニットを備えた可変速度型の電動作業機における無駄のない電子制御系の構成を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明による電動作業機は
機体に支持された作業ユニットと、前記作業ユニットに動力を伝達する電動モータと、前記機体に対して着脱可能なバッテリユニットと、ON状態とOFF状態とに切り替え可能な主スイッチ及び副スイッチと、電動モータ用の速度設定器と、前記電動モータに供給する駆動電力を前記速度設定器による設定値に基づいて調節する駆動制御部と、前記バッテリユニットのバッテリから前記電動モータにわたる給電線を遮断する開放状態と前記給電線を接続する閉塞状態とに切り替え可能な給電スイッチと、前記給電スイッチの開閉を制御する制御信号を前記給電スイッチに出力するモータ給電制御部とを備え、
前記主スイッチと前記副スイッチと前記速度設定器とを、前記機体に支持されたハンドル部に備え、
前記駆動制御部を、前記機体側に備え、かつ、前記機体側の前記給電線に接続し、
前記給電スイッチと前記モータ給電制御部とを前記バッテリユニットに備え、かつ、前記給電スイッチを前記バッテリユニット側の前記給電線に介装し、
前記モータ給電制御部は、前記主スイッチ用の信号線のみを介して前記主スイッチに接続されて、前記主スイッチから直接送られてくる前記主スイッチのスイッチ状態に基づいて前記制御信号を生成し、
前記駆動制御部は、前記速度設定器用の信号線のみを介して前記速度設定器に接続されて、前記速度設定器からの速度設定信号に基づいて、前記バッテリから前記給電スイッチと前記給電線とを介して前記駆動制御部に供給される前記駆動電力を調整し、かつ、前記副スイッチ用の信号線のみを介して前記副スイッチに接続されて、前記副スイッチから直接送られてくる前記副スイッチのスイッチ状態がON状態である場合に、調整後の前記駆動電力の前記電動モータへの供給を許可する
この構成では、電動モータのための電子制御系に関して、バッテリユニットから電動モータへの給電線を通じて電力供給をON・OFFする給電スイッチとこの給電スイッチを制御するモータ給電制御部は、バッテリユニット側に設けられている。さらに、給電線を通じて送られてきた電力を前記速度設定器による設定値に基づいて処理して前記電動モータを駆動させるための駆動電力を供給する駆動制御部は機体側に設けられている。これにより、バッテリユニットには、電動モータへの給電制御機能だけが設けられ、モータ回転制御機能は設けられていないので、1台の電動作業機に複数のバッテリユニットを準備しても、バッテリユニットにおける電子制御系の無駄な構成が抑制される。
この構成では、主スイッチの操作により電動モータへの給電が行われたとしても、副スイッチのスイッチ状態によっては電動モータを所定回転で駆動させる駆動電力が供給されない。つまり、バッテリユニットが機体側に給電を行う状態であっても、副スイッチの操作によって電動モータの駆動を制御することができるので、より高い確実性が得られる。
本発明による電動作業機用制御装置を搭載した電動作業機の好適な形態として、操作者によって操縦されるハンドル部が左右一対備えられ、一方のハンドル部に主スイッチを設け、他方のハンドル部に副スイッチを設けた場合、主スイッチの操作と副スイッチの操作とが操作者の左右の手に振り分けられ、操作手順を操作者が意識しやすくなる。
さらに、好適な実施形態の1つでは、主スイッチが押しボタンスイッチであり、副スイッチがハンドル部を握った手で操作可能なレバースイッチである。これにより操作者は異なった操作方法で主スイッチと副スイッチとを操作することになり、操作者の操作に対する意識付けが良好となる。また、速度設定器を主スイッチが設けられたハンドル部に設けるとともに、ハンドル部を握った手で操作可能なレバー操作型として構成すると、操作デバイスがハンドル部に集中し、操作性が向上する。
さらに、好適な実施形態の1つでは、駆動制御部は電動モータを正・逆転駆動制御可能に構成され、速度設定器は電動モータの正転速度及び逆転速度を設定可能に構成されている。これにより、作業ユニットとして耕耘ロータなどを適用した場合、前進・後進が簡単な操作で可能となり、耕耘作業の作業性が向上する。
さらに、好適な実施形態の1つでは、給電線と信号線がバッテリユニットの機体への装着を通じて連結される共通のコネクタユニットに接続されている。この構成により、バッテリユニットの機体への装着と、バッテリユニット側と機体側との給電線と信号線の接続が同時に行われ、好都合である。また、給電線と信号線とが共通のコネクタを使用することで、電線の引き回しが簡素化される。
本発明による電動モータ給電制御の基本原理を図解する模式図である。 本発明による電動作業機の外観を示す斜視図である。 電動作業機の側面図である。 電動作業機の機体部分の側面図である。 電動作業機の機体へのバッテリユニットの装着を示す側面図である。 電動作業機の機体へのバッテリユニットの装着を断面で示す正面図である。 ハンドルに設けられた速度設定器と主スイッチの平面図である。 電動作業機の制御電子系の機能ブロック図である。 電動モータ給電制御の流れを例示するフローチャート図である。
本発明の具体的な実施の形態を説明する前に、図1を用いて本発明による電動作業機に採用された電動モータ制御の基本原理を説明する。ここでは、電動作業機は歩行型であり、その操縦部は左右一対のハンドルで、一方のハンドルに主スイッチが設けられており、付加的に、他方のハンドルに副スイッチが設けられているとする。電動モータ(以下単にモータと略称する)の速度を設定する速度設定器が電動作業機の機体、好ましくはハンドルに設けられる。モータは、耕耘ロータとして構成された作業ユニットに回転動力を伝達する。図1の例では、バッテリからモータへの給電を制御するモータ給電制御部は、機体に取り出し可能に装着されるバッテリユニットにバッテリとともに組み込まれている。機体側の給電線に駆動制御部が設けられており、バッテリから送られてきた電力を制御して、モータの駆動電力に変換して、モータを駆動制御する。つまり、バッテリからモータへの基本となる電力供給の制御はバッテリユニットに組み込まれたモータ給電制御部で行われ、バッテリユニットから供給された電力を入力して、モータ駆動のための駆動電力を出力する最終的なモータ駆動制御は、機体に設けられた駆動制御部で行われる。モータの正逆可変回転制御を行うためには、駆動制御部にインバータ制御機能を備えることが好ましい。
バッテリからモータへの給電線に、モータ給電制御部から出力される制御信号によって開放状態(給電状態)と閉鎖状態(遮断状態)を作り出す給電スイッチが介装されている。主スイッチはONとOFFに選択的に切り替え可能で、ONに切り替えられるとON状態信号を、OFFに切り替えられるとOFF状態信号を、信号線を通じてバッテリユニット内のモータ給電制御部に与える。モータ給電制御部は主スイッチのON状態信号を受け取ると、給電スイッチに対して給電線を給電状態とする給電OKの制御信号を送る。電動作業機の機体とバッテリユニットとの間にはバッテリユニットの機体への着・脱に応じて接続・離脱が行われるコネクタユニットが設けられている。このコネクタユニットには給電線と信号線が接続されている。
副スイッチもONとOFFに選択的に切り替え可能で、ONに切り替えられるとON状態信号を、OFFに切り替えられるとOFF状態信号を駆動制御部に与える。速度設定器は、設定されたモータ速度に対応する設定速度信号を駆動制御部に与える。
駆動制御部は、給電線を通じてバッテリから電力が供給される状態ならば、つまり主スイッチがON状態であれば、速度設定器によって設定された速度(ここでは正転(前進)・逆転(後進)も含めて)でモータが回転するように、駆動電力を生成して、モータに供給する。ただし、この図1で示された例では、副スイッチが設けられているので、この駆動電力のモータへの供給は、副スイッチからのON状態信号が入力されていることが付加的条件となっている。
以下、本発明の具体的な実施の形態を、電動作業機を歩行型耕耘機に適用した例をとって説明する。
図2と図3とに示すように、この実施の形態で例示する歩行型耕耘機(以下単に耕耘機と略称する)1は、機体10の下部に耕耘ロータ2、前後揺動による姿勢変更が可能な操縦部としての操縦ハンドル3、耕耘ロータ2に回転動力を伝達するモータ5、モータ5の電源となるバッテリユニット4を備えている。バッテリユニット4は、機体10の後部から後方斜めに立ち上がっている支持枠14に対して、上方からの装着、上方への抜き出しが可能なように載置されている。バッテリユニット4の上面には、持ち運びに便利なように取っ手4aが設けられている。操縦ハンドル3は、いずれもアーム状のハンドル部3Aとハンドル部3Bからなり、その基端側で支持枠14の後方突出端部に揺動可能に連結されている。これにより、非使用時には操縦ハンドル3を機体前側に折り畳むことができる。モータ5の全て及びバッテリユニット4の下半分を覆う人工樹脂製のカバー11がこの耕耘機1の上面輪郭を曲面状に形作っている。二点鎖線で輪郭だけを示されている載置台100は、耕耘機1の下部が挿入されるボックス体であり、非使用時の耕耘機1の安定性と運搬性を高めるものである。
図4から理解できるように、機体10は、実質的に、主フレーム15と伝動ケース17とから構成されている。主フレーム15はモータ5を支持するモータ支持面領域とバッテリユニット4を支持するバッテリ支持面領域を作り出しており、モータ支持面領域とバッテリ支持面領域との間は約30度の角度で屈曲している。主フレーム15の後端部には機体横断方向の水平軸回りで揺動可能な揺動アーム16が取り付けられており、揺動アーム16は、下向き姿勢(図3では実線で示す)と後向き姿勢(図3では二点鎖線で示す)との間で揺動するが、それぞれの姿勢において揺動アーム16を主フレーム15に対して固定する固定手段が設けられている。この固定手段は、簡単にはロックピンとロック孔である。
揺動アーム16の自由端側に移動輪12が装備されており、揺動アーム16の中間部に抵抗棒13が取り付けられている。移動輪12は揺動アーム16の下向き姿勢で接地し、抵抗棒13は揺動アーム16の後向き姿勢で接地する。抵抗棒13の揺動アーム16に対する取り付け位置をピン連結法によって変更することで機体10の持ち上げ高さを変更することができる。
伝動ケース17は、ウォーム減速機18を内蔵する側面視略L字状の左右二分割構造であり、その上端部に形成したフランジ部にモータ5がボルト連結されている。モータ5の出力軸とウォーム減速機18の入力軸は図4で点線描画されている中間伝動軸でつながれており、中間伝動軸は伝動ケース17内を垂直に延びている。ウォーム減速機18の出力は、伝動ケース17の下端部から左右に延出する耕耘ロータ2の駆動軸20に伝達される。伝動ケース17の上部には、この耕耘機1を持ち運ぶ際の把持部に使用可能なループ状で前向きに延出形成した丸パイプ鋼材からなるフロントガード19がボルト連結されている。
図2に示すように、操縦ハンドル3を構成するハンドル部3A及びハンドル部3Bは、丸パイプ材からなり、その自由端領域にグリップ3a、3bが設けられている。操縦ハンドル3と支持枠14との間の揺動連結部30によって操縦ハンドル3を支持枠14に締め付け固定するノブ付きナット締め付け機構が設けられている。この構成から、操縦ハンドル3は、ノブ付きナットを操作することで、操縦ハンドル3を支持枠14に対する任意の姿勢に設定することができる。
図2に示すように、右ハンドル部3Bのグリップ3bのすぐ機体側に押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33が設けられ、左ハンドル部3Aのグリップ3aのすぐ機体側にレバースイッチ装置32が設けられている。押しボタンスイッチ装置31には、押し操作によってON/OFFされる主スイッチ81が組み込まれている。速度設定レバー装置33は、水平揺動式のレバーを有し、このレバーに連係したボリュームスイッチ83が速度設定器として組み込まれている。ボリュームスイッチ83は、レバー揺動角度に応じてモータ5の速度を設定する速度設定信号を出力することができる。押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33は共通のハウジング構成であり、速度設定レバー装置33のレバーはこのハイジングの後方から突き出しており、グリップ3bを握っている手で速度設定レバー装置33のレバーは操作可能である。
図4、図5、図6から明らかなように、主フレーム15のバッテリ支持面領域において、カバー11は、ボックス状の収容スペースを作り出すバッテリ収容壁体11aを形成している。バッテリユニット4は矩形横断面を有しており、当該矩形横断面はバッテリ収容壁体11aが作り出す収容スペースの矩形横断面よりも同一かやや大きな面積となるような寸法をもっている。従って、このバッテリ収容壁体11aの収容スペースに挿入されたバッテリユニット4は、バッテリ収容壁体11aの弾性によりしっかりと保持される。
バッテリ収容壁体11aとバッテリユニット4との間で電気的接続を行うためのコネクタ9が備えられている。このコネクタ9は、バッテリユニット4の底面中央に設けられたバッテリ側コネクタ部9aと、バッテリ収容壁体11aの底面中央に設けられた機体側コネクタ部9bとからなる。ここでは、バッテリ側コネクタ部9aがソケット形で、機体側コネクタ部9bがプラグ形であるが、互いに逆であってもよい。バッテリユニット4はバッテリ収容壁体11aの弾性によって正確に中心がずれないようにバッテリ収容壁体11aによって案内されるので、重力の助けを借りたバッテリユニット4の収容スペースへの挿入により確実にバッテリ側コネクタ部9aと機体側コネクタ部9bとが接続されることになる。収容スペースに収容されたバッテリユニット4はハンドル支持枠14に設けられた、クランプ式固定具14aによって上面から押さえ付け固定される。
コネクタ9は、バッテリユニット4からモータ5への給電を行う給電線のための端子、主スイッチ81などの信号線のための端子、さらにはアース端子、さらには将来の利用に備えた予備端子など、ピンとピンソケットからなる複数の接続端子を備えている。
図7には、右ハンドル部3Bのグリップ3bの近くに設けられた押しボタンスイッチ装置31と速度設定レバー装置33が示されている。
この押しボタンスイッチ装置31は、操作部を停止位置から回しながら押すことで操作部がON位置まで回転軸方向に下向き変位し、主スイッチ81をON状態とする。そのON位置での操作部はかみ合い方式で保持されるので、主スイッチ81のON状態が保持される。押し込まれた状態の操作部を叩いてさらに押すことで操作部がかみ合い解除され回転し、さらに上向き変位することで最初の位置(ホームポジション)に復帰して主スイッチ81がOFF状態となる。つまり押しボタンスイッチ装置31は、機械式的にON保持を行うタイプである。
速度設定レバー装置33は、押しボタンスイッチ装置31と共通のハウジングに組み込まれているが、その操作レバーである揺動レバーだけはこのハウジングの後方から突き出している。この操作レバーは、ボリュームスイッチ(ロータリースイッチ)のロータと連結しており、操作レバーの揺動角に応じた信号を出力することができる。モータ5は正逆回転可能であるので、この操作レバーの揺動操作により、モータの正転最大速度からモータ5が停止するニュートラル(中立)を介してモータ5の逆転最大速度まで速動調整可能である。
次に、バッテリユニット4の内部構造、及び機体10におけるモータ5への給電やモータ5の制御のための信号の流れを、図8の機能ブロック図を用いて説明する。
バッテリユニット4は、バッテリ本体40、充電・放電スイッチユニット41、コントローラ42、電源部43、バッテリ本体40のプラス側に接続される給電線44、バッテリ本体40のマイナス側に接続されるアース線45、各種信号線46、電流切替部7を備えている。
充電・給電スイッチユニット41は、給電線44に直列配置された給電スイッチ41aと充電スイッチ41bとを含み、それぞれはよく知られているようにFETとダイオードとで構成されている。給電スイッチ41aは、OFF状態で給電線44を遮断し、ON状態で給電線44を接続して、外部負荷に対してバッテリ本体40からの給電を可能にする。充電スイッチ41bは、充電時に給電線44を介して、図示されていない電源アダプタからの電力をバッテリ本体40に供給することを可能にする。
コントローラ42は、実質的にはワンチップマイコンから構成されており、ハードウエア及びプログラムの実行によって、モータ5に対する給電制御を行うモータ給電制御部50と、バッテリ本体40に対する充電制御を行う充電制御部51とを作り出している。モータ給電制御部50は、主スイッチ81のON状態に基づいて給電スイッチ41aをON状態にして、バッテリ本体40からモータ5への給電を許可する。
電源部43は、バッテリユニット4の内部電源として機能し、コントローラ42や電流切替部7に給電する。電流切替部7は、耕耘機1の非作業時においてコントローラ42が省エネ目的でスリープ状態になっている時には信号線46に微弱電流を流しておき、コントローラ42がウエイクアップすると信号線に微弱電流より大きな大電流を流す機能を有する。
バッテリユニット4に設けられたバッテリ側コネクタ部9aには、給電線44のための給電端子としての給電ソケット91a、第1信号線46aのためのバッテリ側端子である第1ソケット92a、第2信号線46bのためのバッテリ側端子である第2ソケット93a、第3信号線46cのためのバッテリ側端子である第3ソケット94a、第4信号線46dのためのバッテリ側端子である第4ソケット95a、第5信号線(ここではアース線)46eのためのバッテリ側端子である第5ソケット96a、アース線45のアース端子としてのアースソケット97aが設けられている。
バッテリ側コネクタ部9aに対応するように機体10側に設けられた機体側コネクタ部9bには、給電ソケット91aに対応する給電ピン91b、第1ソケット92aに対応する第1ピン92、第2ソケット93aに対応する第2ピン93b、第3ソケット94aに対応する第3ピン94b、第4ソケット95aに対応する第4ピン95b、第5ソケット96aに対応する第5ピン96b、アースソケット97aに対応するアースピン97bが設けられている。
機体側には、モータ5に駆動電力を出力する駆動制御部60が備えられている。駆動制御部60にはインバータ部61と制御管理部62を有する。駆動制御部60には、ボリュームスイッチ(速度設定器)83のための信号線46xと、副スイッチ82のための信号線46yが接続されており、ボリュームスイッチ(速度設定器)83と副スイッチ82からのスイッチ状態信号が入力される。駆動制御部60は、バッテリユニット4が給電許可状態でかつ副スイッチ82がON状態において、ボリュームスイッチ83からの信号に基づいた駆動電力を出力するようにインバータ部61を制御する。このため、駆動制御部60には給電ピン91bからの給電線44とアースピン97bへのアース線45が接続されている。また、モータ5には、モータ5の過熱を検知するために、所定値以上の過熱状態でスイッチOFFする過熱スイッチ84が設けられており、過熱スイッチ84は駆動制御部60につながれている。
駆動制御部60は、バッテリユニット4にモータ回転中やモータ異常停止(過熱)などの制御状態を知らせるために第1ピン92aと信号線46wでつながれている。第2ピン93bと第3ピン94bはコモン端子となっており、信号線46zを通じて主スイッチ81とつながれている。第5ピン96bもアース端子として主スイッチ81とつながれている。
次に、制御管理部62によって行われる、特別なモータ駆動制御を実現するモータ始動ルーチンを図9のフローチャートを用いて説明する。このモータ始動ルーチンは、主スイッチ81からの信号と副スイッチ82からの信号を時系列評価するものであり、主スイッチ81がOFF状態における副スイッチ82からのON状態信号では、モータ始動を保留する無視状態が設定され、この無視状態において主スイッチ81がON状態になってもモータ始動が保留される。この無視状態は、副スイッチ82からのOFF状態信号によって解除される。
図9で示されたモータ始動ルーチンでは、上述した無視状態を設定するためフラグとして牽制フラグが用いられている。従って、この給電ルーチンがスタートすると、まず、牽制フラグの状態がチェックされる(#01)。牽制フラグがリセットされている(無視状態が設定されていない)と、さらに主スイッチ81のON状態に基づいて制御される給電スイッチ41aのON状態によって、バッテリ40からインバータ部61に給電されているか(つまりバッテリユニット4が給電状態にあるかどうか)チェックされる(#02)。
ステップ#02のチェックで、バッテリユニット4が給電状態にあれば(#02Yes分岐)、副スイッチ82のON状態であるかどうかチェックされる(#03)。副スイッチ82がON状態であれば(#03Yes分岐)、インバータ部61から、ボリュームスイッチ(速度設定器)83に設定値に応じた駆動電力がモータ5に供給され、モータ5が始動、ないしは回転を続行する(#04)。ステップ#03のチェックで副スイッチ82がOFF状態であれば(#03No分岐)、バッテリユニット4が給電状態であるにしても、モータ5が停止されるか、ないしは停止が続行される(#05)。ステップ#02のチェックで、バッテリユニット4が給電停止状態にあっても(#02No分岐)、副スイッチ82のON状態であるかどうかチェックされ(#06)、副スイッチ82がON状態であれば(#06No分岐)、モータ5が停止されるか、ないしは停止が続行される(#05)。
ステップ#06のチェックで副スイッチ82がON状態であれば(#06Yes分岐)、牽制フラグがセットされ(#07)、モータ5が停止されたままである(#10)。
さらに、ステップ#01のチェックで牽制フラグがセットされている(無視状態が設定されている)と、副スイッチ82のOFF状態であるかどうかチェックされ(#08)、副スイッチ82がOFF状態ならば(#08Yes分岐)、牽制フラグがリセットされる(無視状態の解除)が、モータ5は停止したままである(#10)。ステップ#08のチェックで副スイッチ82がON状態ならば(#08No分岐)、ステップ#09がジャンプされ牽制フラグがリセットされずに、モータ5も停止したままである(#10)。
このように、1回のモータ始動ルーチンは上記の流れで終了するが、このモータ始動ルーチンが繰り返されることで、耕耘機1のモータ駆動制御が行われることになる。つまり、このモータ始動ルーチンでは、主スイッチ81のON状態になる前に副スイッチ82がON状態になると、無視状態が設定され、そのあとで、主スイッチ81のON状態になってもモータ5は停止のままである。一度設定された無視状態は、副スイッチ82が再びON状態からOFF状態にならない限り、解除されない。
〔別実施の形態〕
〔1〕電動作業機としては、作業ユニット2に耕耘ロータを適用した電動耕耘機に限定されるのではなく、作業ユニットを適宜変更することで、電動芝刈機、電動除雪機など、種々の電動作業機に本発明は適用可能である。
〔2〕操縦部3や機体10の機械的構造は、本発明では限定されていないので、種々の形態を採用することができる。
〔3〕速度設定器83としてボリュームスイッチ以外、種々のタイプのスイッチが適用可能であり、その取り付け場所も副スイッチの近くでもよいし、ハンドル3以外であってもよい。
本発明は、バッテリユニット4を搭載し、モータ5で作業ユニット2を駆動する種々の電動作業機に適用することができる。
1:電動耕耘機(電動作業機)
2:耕耘ロータ(作業ユニット)
3:ハンドル(操縦部)
3a,3b:グリップ
5:電動モータ
4:バッテリユニット
9:コネクタユニット
31:レバースイッチ装置(レバースイッチ)
32:押しボタンスイッチ装置(押しボタンスイッチ)
33:速度設定レバー装置
10:機体
40:バッテリ
41a:給電スイッチ
42:コントローラ
44:給電線
46:信号線
50:モータ給電制御部
51:充電制御部
60:駆動制御部
61:インバータ部
62:制御管理部
81:主スイッチ
82:副スイッチ
83:ボリュームスイッチ(速度設定器)

Claims (6)

  1. 機体に支持された作業ユニットと、前記作業ユニットに動力を伝達する電動モータと、前記機体に対して着脱可能なバッテリユニットと、ON状態とOFF状態とに切り替え可能な主スイッチ及び副スイッチと、電動モータ用の速度設定器と、前記電動モータに供給する駆動電力を前記速度設定器による設定値に基づいて調節する駆動制御部と、前記バッテリユニットのバッテリから前記電動モータにわたる給電線を遮断する開放状態と前記給電線を接続する閉塞状態とに切り替え可能な給電スイッチと、前記給電スイッチの開閉を制御する制御信号を前記給電スイッチに出力するモータ給電制御部とを備え、
    前記主スイッチと前記副スイッチと前記速度設定器とを、前記機体に支持されたハンドル部に備え、
    前記駆動制御部を、前記機体側に備え、かつ、前記機体側の前記給電線に接続し、
    前記給電スイッチと前記モータ給電制御部とを前記バッテリユニットに備え、かつ、前記給電スイッチを前記バッテリユニット側の前記給電線に介装し、
    前記モータ給電制御部は、前記主スイッチ用の信号線のみを介して前記主スイッチに接続されて、前記主スイッチから直接送られてくる前記主スイッチのスイッチ状態に基づいて前記制御信号を生成し、
    前記駆動制御部は、前記速度設定器用の信号線のみを介して前記速度設定器に接続されて、前記速度設定器からの速度設定信号に基づいて、前記バッテリから前記給電スイッチと前記給電線とを介して前記駆動制御部に供給される前記駆動電力を調整し、かつ、前記副スイッチ用の信号線のみを介して前記副スイッチに接続されて、前記副スイッチから直接送られてくる前記副スイッチのスイッチ状態がON状態である場合に、調整後の前記駆動電力の前記電動モータへの供給を許可する電動作業機。
  2. 前記ハンドル部が左右一対備えられ、一方のハンドル部に前記主スイッチが設けられ、他方のハンドル部に前記副スイッチが設けられている請求項1に記載の電動作業機。
  3. 前記主スイッチが押しボタンスイッチであり、前記副スイッチが前記ハンドル部を握った手で操作可能なレバースイッチである請求項2に記載の電動作業機。
  4. 前記速度設定器は前記主スイッチが設けられたハンドル部に設けられているとともに、前記ハンドル部を握った手で操作可能なレバー操作型である請求項2または3に記載の電動作業機。
  5. 前記駆動制御部は前記電動モータを正・逆転駆動制御可能に構成され、前記速度設定器は前記電動モータの正転速度及び逆転速度を設定可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動作業機。
  6. 前記給電線と前記信号線が前記バッテリユニットの前記機体への装着を通じて連結される共通のコネクタユニットに接続されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動作業機。
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