JP2015142120A - 接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光硬化系の異方性導電フィルムと、ステージ加熱とを併用して繰り返し圧着工程を行っても、光照射効率の低下を防ぎ、接続性を維持する。
【解決手段】光透過性を有する加熱ステージ31上に透明基板12を載置し、透明基板12上に、光重合開始剤を含有する接着剤1を介して電子部品18を搭載し、ツール33により電子部品18を透明基板12に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、ステージ31の裏面に設けられた光照射器35より光を照射して、接着剤1を硬化させ、電子部品18を透明基板12に接続する工程を連続して行う接続体の製造方法において、光照射器35は、ステージ31に近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、ステージ31から退避する。
【選択図】図3
【解決手段】光透過性を有する加熱ステージ31上に透明基板12を載置し、透明基板12上に、光重合開始剤を含有する接着剤1を介して電子部品18を搭載し、ツール33により電子部品18を透明基板12に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、ステージ31の裏面に設けられた光照射器35より光を照射して、接着剤1を硬化させ、電子部品18を透明基板12に接続する工程を連続して行う接続体の製造方法において、光照射器35は、ステージ31に近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、ステージ31から退避する。
【選択図】図3
Description
本発明は、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して透明基板上に電子部品が接続された接続体の製造方法、及び光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して透明基板上に電子部品を接続する接続方法に関し、特に加熱加圧と光照射とを併用した接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び接続装置に関する。
従来から、テレビやPCモニタ、携帯電話、携帯型ゲーム機、タブレットPCあるいは車載用モニタ等の各種表示手段として、液晶表示装置が多く用いられている。近年、このような液晶表示装置においては、ファインピッチ化、軽量薄型化等の観点から、液晶駆動用ICを直接液晶表示パネルの基板上に実装するいわゆるCOG(chip on glass)や、液晶駆動回路が形成されたフレキシブル基板を直接液晶表示パネルの基板上に実装するいわゆるFOG(film on glass)が採用されている。
例えばCOG実装方式が採用された液晶表示装置100は、図6に示すように、液晶表示のための主機能を果たす液晶表示パネル104を有しており、この液晶表示パネル104は、ガラス基板等からなる互いに対向する二枚の透明基板102,103を有している。そして、液晶表示パネル104は、これら両透明基板102,103が枠状のシール105によって互いに貼り合わされるとともに、両透明基板102,103およびシール105によって囲繞された空間内に液晶106が封入されたパネル表示部107が設けられている。
透明基板102,103は、互いに対向する両内側表面に、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる縞状の一対の透明電極108,109が、互いに交差するように形成されている。そして、両透明基板102,103は、これら両透明電極108,109の当該交差部位によって液晶表示の最小単位としての画素が構成されるようになっている。
両透明基板102,103のうち、一方の透明基板103は、他方の透明基板102よりも平面寸法が大きく形成されており、この大きく形成された透明基板103の縁部103aには、透明電極109の端子部109aが形成されている。また、両透明電極108,109上には、所定のラビング処理が施された配向膜111,112が形成されており、この配向膜111,112によって液晶分子の初期配向が規制されるようになっている。さらに、両透明電極108,109の外側には、一対の偏光板118,119が配設されており、これら両偏光板118,119によってバックライト等の光源120からの透過光の振動方向が規制されるようになっている。
端子部109a上には、異方性導電フィルム114を介して液晶駆動用IC115が熱圧着されている。異方性導電フィルム114は、熱硬化型のバインダー樹脂に導電性粒子を混ぜ込んでフィルム状としたもので、2つの導体間で加熱圧着されることにより導電粒子で導体間の電気的導通がとられ、バインダー樹脂にて導体間の機械的接続が保持される。液晶駆動用IC115は、画素に対して液晶駆動電圧を選択的に印加することにより、液晶の配向を部分的に変化させて所定の液晶表示を行うことができるようになっている。なお、異方性導電フィルム114を構成する接着剤としては、通常、信頼性の高い熱硬化性の接着剤を用いるようになっている。
このような異方性導電フィルム114を介して液晶駆動用IC115を端子部109aへ接続する場合は、先ず、透明電極109の端子部109a上に異方性導電フィルム114を図示しない仮圧着手段によって仮圧着する。続いて、異方性導電フィルム114上に液晶駆動用IC115を載置した後、図7に示すように熱圧着ヘッド121等の熱圧着手段によって液晶駆動用IC115を異方性導電フィルム114とともに端子部109a側へ押圧しつつ熱圧着ヘッド121を発熱させる。この熱圧着ヘッド121による発熱によって、異方性導電フィルム114は熱硬化反応を起こし、これにより、異方性導電フィルム114を介して液晶駆動用IC115が端子部109a上に接着される。
しかし、このような異方性導電フィルムを用いた接続方法においては、熱加圧温度が高く、液晶駆動用IC115等の電子部品や透明基板103に対する熱衝撃が大きくなる。加えて、異方性導電フィルムが接続された後、常温まで温度が低下する際に、熱圧着ヘッド121に加熱された液晶駆動用IC115とステージ上に載置された透明基板103との温度差及びバインダーと透明基板の熱膨張率の差に起因して、透明基板103の端子部109aに反りが生じうる。そのため、表示ムラや液晶駆動用IC115の接続不良等の不具合を引き起こすおそれがあった。
そこで、このような熱硬化型の接着剤を用いた異方性導電フィルム114に代えて、紫外線硬化型の接着剤を用いた接続方法も提案されている。紫外線硬化型の接着剤を用いる接続方法においては、熱圧着ヘッド121による加熱温度を、接着剤が熱によって軟化流動し、透明電極109の端子部109aと液晶駆動用IC115の電極間に導電性粒子を捕捉するのに十分な温度(例えば80〜100℃)にとどめ、紫外線照射によって接着剤を硬化させる。このような低温硬化タイプの異方性導電フィルムを用いることにより、熱硬化性の異方性導電フィルム114を用いた接続方法に比して、低温実装が可能となる。
他方、COG接続による透明基板103の反りの本質的な原因は、熱圧着ヘッド121とステージの温度差にある。このため、上述した熱圧着ヘッド121の温度を下げる方法の他に、ステージ温度を高くする方法によっても、熱圧着ヘッド121とステージの温度差を小さくすることができる。
これらの技術を組み合わせる、つまり光硬化系の異方性導電フィルムを導入することにより低温硬化を実現する異方性導電フィルム側の技術と、ステージ加熱による熱圧着ヘッド121との温度差を縮小する圧着技術を用いることで、COG接続に伴う反りの発生や、これに起因する表示ムラやチップの接続不良等の問題を大幅に改善することができる。
かかる接続工程においては、加熱機構を備えるステージと、ステージの透明基板が載置される載置面と反対側から光を照射する光照射器とを備える接続装置が必要となる。
ステージの加熱温度は、熱圧着ヘッドの温度に近い温度(例えば80〜100℃前後)まで加熱することが好ましい。また、光照射器としては、製造、調達コストや光源寿命等を考慮すると、LED素子が好ましい。そして、光照射による硬化反応を十分に促進するためには、LED素子の光線がステージのできるだけ近くから照射されることが好ましい。
しかし、LED素子を高温のステージ近傍に配置すると、ステージからの輻射熱を受けて温度が上昇し、輝度が低下する。例えば、紫外線を発光するLEDでは、30℃から35℃に温度が上昇するだけで、10%程度の輝度低下が起きる。
したがって、光硬化系の異方性導電フィルムと、ステージ加熱とを併用して繰り返しCOG接続を行うと、次第にLED素子の輝度低下が起こり、異方性導電フィルムに入射する紫外線の照度が低下して硬化反応が不十分となる。
この問題に対し、ステージからの輻射熱の影響を受けないようにLED素子を離して配置すると、光硬化系の異方性導電フィルムの硬化を十分に促進することが困難となる。また、ステージ近傍にLED素子を冷却する機構を設けた場合、空冷では十分な冷却効果が得られない上に、至近距離にあるステージにも冷気が及んでしまいステージの加熱温度が安定しなくなる弊害がある。また水冷では、LED素子の周辺に水冷機構を設ける必要があり、接続装置に組み込むことが困難となる他、装置全体の大型化、メンテナンスの煩雑化を招く。
そこで、本発明は、光硬化系の異方性導電フィルムと、ステージ加熱とを併用して繰り返し圧着工程を行っても、光照射効率の低下を防ぎ、接続性を維持する接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び接続装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る接続体の製造方法は、光透過性を有するとともに加熱されたステージ上に透明基板を載置し、上記透明基板上に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して電子部品を搭載し、ツールにより上記電子部品を上記透明基板に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う接続体の製造方法において、上記光照射器は、上記ステージに近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、上記ステージから退避するものである。
また、本発明に係る電子部品の接続方法は、光透過性を有するとともに加熱されたステージ上に透明基板を載置し、上記透明基板上に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して電子部品を搭載し、ツールにより上記電子部品を上記透明基板に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う電子部品の接続方法において、上記光照射器は、上記ステージに近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、上記ステージから退避するものである。
また、本発明に係る接続装置は、光透過性を有し、透明基板が載置されるステージと、上記ステージを加熱する加熱機構と、上記ステージ上に載置された透明基板に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して搭載された電子部品を加熱押圧するツールと、上記ツールを移動するツール移動機構と、上記ステージの裏面に設けられた光照射器と、上記光照射器を移動させる照射器移動機構とを有し、上記電子部品を上記透明基板に対して加熱押圧しながら、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う接続装置において、上記照射器移動機構は、上記光照射器が光照射を行う際に上記光照射器を上記ステージに近接させ、光照射が終了すると、次の光照射まで上記ステージから退避させるものである。
本発明によれば、紫外線照射器の温度上昇による輝度低下を防止し、連続接続工程においても、安定した圧着を実現し、製品ごとの品質のばらつきも抑制することができる。
以下、本発明が適用された接続体の製造方法、電子部品の接続方法及び接続装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
以下では、液晶表示パネルのガラス基板に、電子部品として液晶駆動用のICチップを実装するいわゆるCOG(chip on glass)実装を行う場合を例に説明する。この液晶表示パネル10は、図1に示すように、ガラス基板等からなる二枚の透明基板11,12が対向配置され、これら透明基板11,12が枠状のシール13によって互いに貼り合わされている。そして、液晶表示パネル10は、透明基板11,12によって囲繞された空間内に液晶14が封入されることによりパネル表示部15が形成されている。
透明基板11,12は、互いに対向する両内側表面に、ITO(酸化インジウムスズ)等からなる縞状の一対の透明電極16,17が、互いに交差するように形成されている。そして、両透明電極16,17は、これら両透明電極16,17の当該交差部位によって液晶表示の最小単位としての画素が構成されるようになっている。
両透明基板11,12のうち、一方の透明基板12は、他方の透明基板11よりも平面寸法が大きく形成されており、この大きく形成された透明基板12の縁部12aには、電子部品として液晶駆動用IC18が実装されるCOG実装部20が設けられ、またCOG実装部20の外側近傍には、電子部品として液晶駆動回路が形成されたフレキシブル基板21が実装されるFOG実装部22が設けられている。
なお、液晶駆動用ICや液晶駆動回路は、画素に対して液晶駆動電圧を選択的に印加することにより、液晶の配向を部分的に変化させて所定の液晶表示を行うことができるようになっている。
各実装部20,22には、透明電極17の端子部17aが形成されている。端子部17a上には、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤として異方性導電フィルム1を用いて液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21が接続される。異方性導電フィルム1は、導電性粒子4を含有しており、液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21の電極と透明基板12の縁部12aに形成された透明電極17の端子部17aとを、導電性粒子4を介して電気的に接続させるものである。この異方性導電フィルム1は、紫外線硬化型の接着剤であり、後述する熱圧着ヘッド33により熱圧着されることにより流動化して導電性粒子4が端子部17aと液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21の各電極との間で押し潰され、紫外線照射器35により紫外線が照射されることにより、導電性粒子4が押し潰された状態で硬化する。これにより、異方性導電フィルム1は、透明基板12と液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21とを電気的、機械的に接続する。
また、両透明電極16,17上には、所定のラビング処理が施された配向膜24が形成されており、この配向膜24によって液晶分子の初期配向が規制されるようになっている。さらに、両透明基板11,12の外側には、一対の偏光板25,26が配設されており、これら両偏光板25,26によってバックライト等の光源(図示せず)からの透過光の振動方向が規制されるようになっている。
[異方性導電フィルム]
異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)1は、図2に示すように、通常、基材となる剥離フィルム2上に導電性粒子を含有するバインダー樹脂層(接着剤層)3が形成されたものである。異方性導電フィルム1は、図1に示すように、液晶表示パネル10の透明基板12に形成された透明電極17と液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21との間にバインダー樹脂層3を介在させることで、液晶表示パネル10と液晶駆動用IC18あるいはフレキシブル基板21とを接続し、導通させるために用いられる。
異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)1は、図2に示すように、通常、基材となる剥離フィルム2上に導電性粒子を含有するバインダー樹脂層(接着剤層)3が形成されたものである。異方性導電フィルム1は、図1に示すように、液晶表示パネル10の透明基板12に形成された透明電極17と液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21との間にバインダー樹脂層3を介在させることで、液晶表示パネル10と液晶駆動用IC18あるいはフレキシブル基板21とを接続し、導通させるために用いられる。
剥離フィルム2としては、異方性導電フィルムにおいて一般に用いられている例えばポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材を使用することができる。
バインダー樹脂層3は、バインダー中に導電性粒子4を分散してなるものである。バインダーは、膜形成樹脂、硬化性樹脂、硬化剤、シランカップリング剤等を含有するものであり、通常の異方性導電フィルムに用いられるバインダーと同様である。
膜形成樹脂としては、平均分子量が10000〜80000程度の樹脂が好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、変形エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、等の各種の樹脂が挙げられる。中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が特に好ましい。
硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体例として、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体例として、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
硬化剤としては、光硬化型であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合はカチオン系硬化剤が好ましく、硬化性樹脂がアクリル樹脂の場合はラジカル系硬化剤が好ましい。
カチオン系硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホニウム塩、オニウム塩等を挙げることができ、これらの中でも、芳香族スルホニウム塩が好ましい。ラジカル系硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機過酸化物を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等を挙げることができる。シランカップリング剤を添加することにより、有機材料と無機材料との界面における接着性が向上される。
導電性粒子4としては、異方性導電フィルムにおいて使用されている公知の何れの導電性粒子を挙げることができる。導電性粒子4としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの、或いは、これらの粒子の表面に更に絶縁薄膜をコートしたもの等が挙げられる。樹脂粒子の表面に金属をコートしたものである場合、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を挙げることができる。
[接続装置]
次いで、異方性導電フィルム1を介して液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21が透明基板12の透明電極17上に接続された接続体の製造工程に用いる接続装置30ついて説明する。
次いで、異方性導電フィルム1を介して液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21が透明基板12の透明電極17上に接続された接続体の製造工程に用いる接続装置30ついて説明する。
図3に示すように、接続装置30は、光透過性を有するステージ31と、ステージ31を加熱する加熱機構32と、ステージ31上に載置された透明基板12に異方性導電フィルム1を介して搭載された液晶駆動用IC18を加熱押圧する熱圧着ヘッド33と、熱圧着ヘッド33を移動するヘッド移動機構34と、ステージ31の裏面側に設けられた紫外線照射器35と、紫外線照射器35を移動させる照射器移動機構36とを有する。
ステージ31は、例えば石英等の光透過性を有する材料により形成される。また、ステージ31は、表面に透明基板12の縁部12aが載置されるとともに、熱圧着ヘッド33と対峙され、裏面には紫外線照射器35が配置されている。
また、ステージ31は、ヒータ等の加熱機構32によって熱圧着ヘッド33と同程度(例えば80〜100℃)に加熱される。これにより、ステージ31は、表面に載置される透明基板12と熱圧着ヘッド33に加熱押圧される異方性導電フィルム1のバインダー樹脂層3との加熱温度差を縮小することができる。
熱圧着ヘッド33は、透明基板12に異方性導電フィルム1を介して搭載された液晶駆動用IC18を加熱押圧するものであり、ヒータによって異方性導電フィルム1のバインダー樹脂が十分に軟化する所定の温度(例えば80〜100℃)に加熱される。また、熱圧着ヘッド33は、ヘッド移動機構34に保持されることにより、ステージ31に近接、離間自在とされている。
熱圧着ヘッド33は、液晶駆動用IC18の接続時には、図3(A)に示すように、ヘッド移動機構34によって液晶駆動用IC18を透明基板12に対して加熱押圧する。熱圧着ヘッド33に加熱押圧されることにより、異方性導電フィルム1のバインダー樹脂は流動性を示し、透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の端子部との間から流出するとともに、導電性粒子4が挟持される。また、熱圧着ヘッド33は、液晶駆動用IC18の接続工程が終了すると、図3(B)に示すように、ヘッド移動機構34によってステージ31の上方に離間され、新たに透明基板12上に異方性導電フィルム1を介して液晶駆動用IC18が搭載されるまで待機する。
紫外線照射器35は、ステージ31の裏面側から透明基板12の端子部17aに設けられた異方性導電フィルム1に対して紫外光を照射することにより、透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の端子部とで導電性粒子4を挟持した状態でバインダー樹脂を硬化させ、液晶駆動用IC18を透明基板12の端子部17aに導通接続するものである。
紫外線照射器35は、製造、調達コストや光源寿命等を考慮すると、LED素子を好適に用いることができる。本発明に係る紫外線照射器35は、照射器移動機構36に保持されることにより、液晶駆動用IC18の接続時には、図3(A)に示すように、ステージ31の近傍に移動され、紫外光を照射する。したがって、紫外線照射器35は、異方性導電フィルム1のバインダー樹脂を硬化させるのに十分な照度で入射させることができる。
また、紫外線照射器35は、液晶駆動用IC18の接続工程が終了すると、図3(B)に示すように、照射器移動機構36によってステージ31の近傍から退避される。したがって、紫外線照射器35は、高温に加熱されたステージ31からの輻射熱の影響を最小限に抑え、温度上昇が抑制されている。これにより、紫外線照射器35は、温度上昇に伴う輝度低下を防止することができる。したがって、接続装置30は、液晶駆動用IC18の接続を連続して行った場合にも、紫外線照射器35の輝度低下による硬化不足を生じることなく、安定した圧着を実現し、製品ごとの品質のばらつきも抑制することができる。
[接続工程]
次いで、上述した接続装置30を用いた液晶駆動用IC18の接続工程について説明する。先ず、透明基板12を仮貼り用のステージ上に載置し、異方性導電フィルム1を透明電極17上に仮圧着する。異方性導電フィルム1を仮圧着する方法は、液晶表示パネル10の透明基板12の透明電極17上に、バインダー樹脂層3が透明電極17側となるように、異方性導電フィルム1を配置する。
次いで、上述した接続装置30を用いた液晶駆動用IC18の接続工程について説明する。先ず、透明基板12を仮貼り用のステージ上に載置し、異方性導電フィルム1を透明電極17上に仮圧着する。異方性導電フィルム1を仮圧着する方法は、液晶表示パネル10の透明基板12の透明電極17上に、バインダー樹脂層3が透明電極17側となるように、異方性導電フィルム1を配置する。
そして、バインダー樹脂層3を透明電極17上に配置した後、剥離フィルム2側からバインダー樹脂層3を仮貼り用の熱圧着ヘッドで加熱及び加圧し、熱圧着ヘッドを剥離フィルム2から離し、剥離フィルム2を透明電極17上のバインダー樹脂層3から剥離することによって、バインダー樹脂層3のみが透明電極17上に仮貼りされる。仮貼り用の熱圧着ヘッドによる仮圧着は、剥離フィルム2の上面を僅かな圧力(例えば0.1MPa〜2MPa程度)で透明電極17側に押圧しながら加熱(例えば70〜100℃程度)する。
次に、透明基板12がステージ31上に載置され、透明基板12の透明電極17と液晶駆動用IC18の電極端子とがバインダー樹脂層3を介して対向するように、液晶駆動用IC18が配置される。このとき、接続装置30は、熱圧着ヘッド33がヘッド移動機構54によってステージ31の上方に移動され、また、紫外線照射器35は、照射器移動36によってステージ31から離間されている(図3(B))。また、接続装置30は、予めステージ31が加熱機構32によって熱圧着ヘッド33と同程度の温度に加熱されている。
次に、ヘッド移動機構34によって熱圧着ヘッド33がステージ31側へ移動される。これにより、液晶駆動用IC18の上面を所定の加熱温度に昇温された熱圧着ヘッド33によって、所定の温度及び所定の圧力で熱加圧する。熱圧着ヘッド33による熱加圧温度は、硬化開始前にバインダー樹脂層3が溶融したときの粘度(最低溶融粘度)を示す所定の温度に対して±10〜20℃の温度(例えば100℃前後)に設定される。これにより、透明基板12の反りを最小に抑え、また液晶駆動用IC18に熱による損傷を与えることもない。
熱圧着ヘッド34に熱加圧されることにより、異方性導電フィルム1のバインダー樹脂が軟化し、透明基板12の透明電極17と液晶駆動用IC18の接続端子との間からバインダー樹脂が流出するとともに、導電性粒子4が挟持される。
次いで、熱圧着ヘッド33による加熱押圧開始から数秒後に、ステージ31から退避されていた紫外線照射器35が照射器移動機構36によってステージ31の近傍まで移動され、異方性導電フィルム1に紫外線を照射する。紫外線照射器35より発光された紫外線は、透明基板12を支持する透光性のステージ31及びこのステージ31に支持された透明基板12を透過してバインダー樹脂層3へ照射される(図3(A))。
これにより、透明基板12の透明電極17と液晶駆動用IC18の接続端子との間に導電性粒子4が挟持された状態でバインダー樹脂が硬化され、液晶駆動用IC18が機械的、電気的に透明電極17上に接続された接続体が製造される。
この接続体は、ステージ31が加熱機構32によって熱圧着ヘッド33と同程度の温度に加熱されることにより温度差が縮小されているため、冷却後においても透明基板12の反りの発生や、これに起因する表示ムラやチップの接続不良等の問題が大幅に改善されている。
なお、紫外線照射器35による照射時間や、照射段階及び照度、総照射量は、バインダー樹脂の組成や、熱圧着ヘッド33による熱加圧温度、圧力及び時間から、バインダー樹脂の硬化反応の進行と熱圧着ヘッド33による押し込みによる接続信頼性、接着強度の向上を図る条件を適宜設定する。
接続装置30は、紫外線照射器35による紫外線照射を所定時間行った後、熱圧着ヘッド33による加熱押圧を続行しながら、当該紫外線照射を終了する。すなわち、紫外線照射の終了後も、所定時間だけ加熱押圧を行う。これにより、異方性導電フィルム1を介して液晶駆動用IC18が端子部17a上に本圧着される。また、紫外線照射器35は、ステージ31の近傍から退避されることにより冷却され、温度上昇による輝度の低下が防止されている。
その後、接続装置30は、熱圧着ヘッド33をステージ31の上方へ移動させることにより、液晶駆動用IC18の本圧着工程を終了する。(図3(B))。
次いで、接続体をステージ31上から搬送し、新たにバインダー樹脂層3が仮貼りされた透明基板12を載置し、透明基板12の透明電極17と液晶駆動用IC18の電極端子とがバインダー樹脂層3を介して対向するように、液晶駆動用IC18が配置される。以後、接続装置30は、上述した工程を繰り返し、熱圧着ヘッド33による加熱押圧に引き続き、紫外線照射器35がステージ31に近接され紫外線を照射することにより接続体が連続して形成されていく。
この接続装置30は、紫外線照射器35が、紫外線の照射が終了する度にステージ31から退避されるため、接続体の製造工程を連絡して行ってもステージ31の輻射熱による温度上昇が防止されている。したがって、接続装置30は、紫外線照射器35の輝度が下がらず、常に安定した照度で紫外線を照射することができる。すなわち、接続装置30は、液晶駆動用IC18の接続を連続して行った場合にも、紫外線照射器35の輝度低下による硬化不足を生じることなく、安定した圧着を実現し、製品ごとの品質のばらつきも抑制することができる。
また、紫外線照射器35は、紫外線の照射終了後、熱圧着ヘッド33による事後熱加圧、熱圧着ヘッド33の上方移動、接続体の搬送、新たな透明基板12の載置、熱圧着ヘッド33による事前熱加圧の間、高温のステージ31から退避されている。したがって、紫外線照射器35は、紫外線の照射中にステージ31の輻射熱により加熱されても、十分に冷却可能である。
[照射終了後加熱]
また、本製造工程によれば、液晶駆動用IC18に対する加熱押圧処理と共に紫外線照射処理を所定時間行い、紫外線照射の終了後も所定時間だけ加熱押圧を続行する。これにより、紫外線照射によるバインダー樹脂の硬化反応の進行を抑えつつ、加熱押圧によって透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の電極端子との間でバインダー樹脂を流出させるとともに導電性粒子4を押しつぶすことができ、この状態で硬化させることができる。したがって、本製造工程によれば、液晶駆動用IC18と透明電極17との導通信頼性を向上させることができる。
また、本製造工程によれば、液晶駆動用IC18に対する加熱押圧処理と共に紫外線照射処理を所定時間行い、紫外線照射の終了後も所定時間だけ加熱押圧を続行する。これにより、紫外線照射によるバインダー樹脂の硬化反応の進行を抑えつつ、加熱押圧によって透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の電極端子との間でバインダー樹脂を流出させるとともに導電性粒子4を押しつぶすことができ、この状態で硬化させることができる。したがって、本製造工程によれば、液晶駆動用IC18と透明電極17との導通信頼性を向上させることができる。
また、本製造工程によれば、紫外線照射の終了後も加熱押圧処理を続行しているため、バインダー樹脂の硬化反応の進行を抑えつつ、液晶駆動用IC18と透明基板12との間に十分に浸透させることができ、液晶駆動用IC18の透明基板12に対する接着強度を向上させることができる。
[先行加熱]
また、本製造工程では、紫外線照射に先行して加熱押圧を開始し、所定時間経過後から紫外線を照射する。これにより、本製造工程は、紫外線照射による硬化開始に先立って、熱圧着ヘッド33によって異方性導電フィルム1のバインダー樹脂層3が流動性を示す温度まで加熱し、透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の電極端子とで導電性粒子4を挟持させることができる。そして、本製造工程では、この状態で紫外線照射器35によって紫外線を照射し、光重合開始剤を活性化する。
また、本製造工程では、紫外線照射に先行して加熱押圧を開始し、所定時間経過後から紫外線を照射する。これにより、本製造工程は、紫外線照射による硬化開始に先立って、熱圧着ヘッド33によって異方性導電フィルム1のバインダー樹脂層3が流動性を示す温度まで加熱し、透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の電極端子とで導電性粒子4を挟持させることができる。そして、本製造工程では、この状態で紫外線照射器35によって紫外線を照射し、光重合開始剤を活性化する。
このような本製造工程によれば、熱圧着ヘッド33は、バインダー樹脂層3を溶融させるのに必要な温度まで加熱し、溶融後に紫外線照射による硬化反応を開始させることで、押し込み不足による導通抵抗の上昇や、接着強度の低下を防止することができる。
なお、接続装置30は、加熱押圧処理と紫外線照射処理を同時に終了させてもよい。また、接続装置30は、加熱押圧処理と紫外線照射処理を同時に開始してもよい。加熱押圧処理及び紫外線照射処理の開始及び終了のタイミングは、接着剤の種類や実装される電子部品の種類等の接続条件に応じて適宜設定することができる。
[冷却機構]
なお、接続装置30は、図4に示すように、紫外線照射器35がステージ31から退避した位置に紫外線照射器35を冷却する冷却機構37を設けてもよい。冷却機構37は、空冷や水冷等の公知の機構を用いることができる。冷却機構37は、空冷機構を採用した場合にも、ステージ31から退避した位置に設けられるため、ステージ31に冷気が及ぶことがなく、ステージの加熱に対する影響を防止できる。
なお、接続装置30は、図4に示すように、紫外線照射器35がステージ31から退避した位置に紫外線照射器35を冷却する冷却機構37を設けてもよい。冷却機構37は、空冷や水冷等の公知の機構を用いることができる。冷却機構37は、空冷機構を採用した場合にも、ステージ31から退避した位置に設けられるため、ステージ31に冷気が及ぶことがなく、ステージの加熱に対する影響を防止できる。
[変形例]
また、接続装置30は、紫外線照射を複数設け、切り替えながら使用してもよい。例えば、接続装置30は、図5に示すように、2つの紫外線照射器35a,35bを備える。紫外線照射器35a,35bは、照射器移動機構36によって、交互にステージ31に近接と退避が可能とされている。そして、接続装置30は、液晶駆動用IC18の接続工程毎に2つの紫外線照射器35a,35bを切り替えて使用することにより、退避中の紫外線照射器35の冷却時間を十分に確保することができ、温度上昇による輝度低下を確実に防止できる。
また、接続装置30は、紫外線照射を複数設け、切り替えながら使用してもよい。例えば、接続装置30は、図5に示すように、2つの紫外線照射器35a,35bを備える。紫外線照射器35a,35bは、照射器移動機構36によって、交互にステージ31に近接と退避が可能とされている。そして、接続装置30は、液晶駆動用IC18の接続工程毎に2つの紫外線照射器35a,35bを切り替えて使用することにより、退避中の紫外線照射器35の冷却時間を十分に確保することができ、温度上昇による輝度低下を確実に防止できる。
また、本製造工程では、熱圧着ヘッド33によって液晶駆動用IC18を押圧するとともに、紫外線照射器35によって紫外線を照射する。このとき、紫外線照射器35は、照度を一定としてもよいが、照度を上昇又は下降させてもよい。また、照度は段階的に上昇又は下降させてもよく、連続的に上昇又は下降させてもよい。
紫外線照射器35によって、照射量を変化させることにより、バインダー樹脂の流動性や、透明電極17の端子部17aと液晶駆動用IC18の電極端子とで導電性粒子4を押し潰す作用等に応じて、紫外線照射のバインダー樹脂の硬化反応の進行を任意に制御することができる。
液晶駆動用IC18を透明基板12の透明電極17上に接続した後、同様にしてフレキシブル基板21が透明基板12の透明電極17上に実装するいわゆるFOG(film on glass)実装が行われる。このときも、接続装置30は、紫外線照射器35を、紫外線の照射が終了する度にステージ31から退避させ、ステージ31の輻射熱による温度上昇を防止するようにしてもよい。また、接続装置30は、熱圧着ヘッド33による加熱押圧処理を所定時間行った後、当該熱加圧を続行しながら紫外線照射器35による紫外線照射を行い、紫外線照射の終了後も所定時間だけ加熱押圧処理を続行させてもよい。
これにより、異方性導電フィルム1を介して透明基板12と液晶駆動用IC18やフレキシブル基板21とが接続された接続体を製造することができる。なお、これらCOG実装とFOG実装は、同時に行ってもよい。
以上、液晶駆動用ICを直接液晶表示パネルのガラス基板上に実装するCOG実装、及びフレキシブル基板を直接液晶表示パネルの基板上に実装するFOG実装を例に説明したが、本技術は、光硬化型の接着剤を用いた接続体の製造工程であれば、透明基板上に電子部品を実装する以外の各種接続にも適用することができる。
[その他]
また、本発明は、上述した紫外線硬化型の導電性接着剤を用いる他、例えば赤外光等の他の波長の光線によって硬化する光硬化型の導電性接着剤を用いることもできる。
また、本発明は、上述した紫外線硬化型の導電性接着剤を用いる他、例えば赤外光等の他の波長の光線によって硬化する光硬化型の導電性接着剤を用いることもできる。
上記では、導電性の接着剤としてフィルム形状を有する異方性導電フィルム1について説明したが、ペースト状であっても問題は無い。また、本発明は、導電性粒子4を含有しないバインダー樹脂層からなる絶縁性接着フィルム、及び導電性粒子4を含有しないペースト状のバインダー樹脂を用いた絶縁性接着ペーストによる接続工程に用いてもよい。本発明に係る接着剤は、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤であれば、導電性粒子4の有無や、フィルムやペースト等の形態は問わない。
次いで、本技術の実施例について説明する。本実施例は、接続体サンプルとして、異方性導電フィルムの硬化条件を異ならせて透明基板上に液晶駆動用ICを接続して製造した液晶表示パネルを用い、反りの発生を評価した。透明基板の反りは、製造した液晶表示パネルの裏側から光を当てて白表示状態とし、目視で表示ムラが確認できないレベルを〇とし、目視で表示ムラが確認できるレベルを×とした。
また、液晶表示パネルの圧痕品質安定性について目視によって評価した。ここで、圧痕品質安定性は、異方性導電フィルムを介して透明基板上に液晶駆動用ICを接続した際に、透明基板の裏面に現れる導電性粒子の押圧痕を目視で確認することにより、どれだけ導電性粒子が挟持されているかを評価したものである。圧痕は、導電性粒子が電極端子間において挟持され押圧された状態で異方性導電フィルムのバインダー樹脂の硬化が十分に進むと、透明基板の裏面に多数の粒状の凹凸として確認できる。一方、バインダー樹脂の硬化が不十分である場合、電極端子間において挟持されている導電性粒子が反発することによって押圧痕がはっきりと表れない。
すなわち、圧痕は、導電性粒子が電極端子間に挟持された状態でバインダー樹脂が十分に硬化したか否かを示すことから、液晶駆動用ICの接続信頼性を判定する非破壊検査として用いることができる。圧痕の観察は、微分干渉フィルターを介して、接眼レンズ2倍、対物レンズ20倍で行い、圧痕品質安定性は、50枚連続で液晶駆動用ICを実装した場合でも、圧痕の状態に優位差がないレベルを〇とし、50枚連続で液晶駆動用ICを実装した場合に前半と比較して後半の圧痕が弱く見えるレベルを×とした。
実施例1及び比較例2,3に用いる接着剤としては、光酸発生剤とカチオン重合性化合物を含有するバインダー樹脂層からなる異方性導電フィルムを用意した。
このバインダー樹脂層は、
フェノキシ樹脂(YP−50:新日鉄住金化学株式会社製);45質量部
エポキシ樹脂(ビスA型)(エピコート828:三菱化学株式会社製);45質量部
シランカップリング剤(KBM−403:信越化学工業株式会社製);2質量部
光酸発生剤(イルガキュア250:BASFジャパン株式会社製);8質量部
を酢酸エチル、トルエンにて固形分50%になるように混合溶液を作成し、導電性粒子(AUL704:積水化学工業株式会社製)を粒子密度50,000個/mm2になるように分散させた。この混合溶液を厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、70℃オーブンにて5分間乾燥し、厚さ20μmのフィルム状に成形した。
フェノキシ樹脂(YP−50:新日鉄住金化学株式会社製);45質量部
エポキシ樹脂(ビスA型)(エピコート828:三菱化学株式会社製);45質量部
シランカップリング剤(KBM−403:信越化学工業株式会社製);2質量部
光酸発生剤(イルガキュア250:BASFジャパン株式会社製);8質量部
を酢酸エチル、トルエンにて固形分50%になるように混合溶液を作成し、導電性粒子(AUL704:積水化学工業株式会社製)を粒子密度50,000個/mm2になるように分散させた。この混合溶液を厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、70℃オーブンにて5分間乾燥し、厚さ20μmのフィルム状に成形した。
比較例1に用いる接着剤としては、
フェノキシ樹脂(YP−50:新日鉄住金化学株式会社製);45質量部
エポキシ樹脂(ビスA型)(エピコート828:三菱化学株式会社製);45質量部
シランカップリング剤(KBM−403:信越化学工業株式会社製);2質量部
熱酸発生剤(サンエイドSI−60L:三新化学工業株式会社製);8質量部
を酢酸エチル、トルエンにて固形分50%になるように混合溶液を作成し、導電性粒子(AUL704:積水化学工業株式会社製)を粒子密度50,000個/mm2になるように分散させた。この混合溶液を厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、70℃オーブンにて5分間乾燥し、厚さ20μmのフィルム状に成形した。
フェノキシ樹脂(YP−50:新日鉄住金化学株式会社製);45質量部
エポキシ樹脂(ビスA型)(エピコート828:三菱化学株式会社製);45質量部
シランカップリング剤(KBM−403:信越化学工業株式会社製);2質量部
熱酸発生剤(サンエイドSI−60L:三新化学工業株式会社製);8質量部
を酢酸エチル、トルエンにて固形分50%になるように混合溶液を作成し、導電性粒子(AUL704:積水化学工業株式会社製)を粒子密度50,000個/mm2になるように分散させた。この混合溶液を厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、70℃オーブンにて5分間乾燥し、厚さ20μmのフィルム状に成形した。
[実施例1]
実施例1では、熱圧着ヘッドによる加熱押圧の開始2秒後に紫外線照射器による紫外線照射を開始し、3秒間加熱押圧処理と紫外線照射処理を行い、加熱押圧処理と紫外線照射処理を同時に終了した。熱圧着ヘッドによる圧着条件は100℃‐60MPa‐5secであり、紫外線照射器の照射条件は、400mW/cm2×3secである。また、実施例1では、ステージを100℃に加熱し、紫外線照射時以外は、紫外線照射器をステージから10cm下方に退避させることにより温度上昇を防止した。
実施例1では、熱圧着ヘッドによる加熱押圧の開始2秒後に紫外線照射器による紫外線照射を開始し、3秒間加熱押圧処理と紫外線照射処理を行い、加熱押圧処理と紫外線照射処理を同時に終了した。熱圧着ヘッドによる圧着条件は100℃‐60MPa‐5secであり、紫外線照射器の照射条件は、400mW/cm2×3secである。また、実施例1では、ステージを100℃に加熱し、紫外線照射時以外は、紫外線照射器をステージから10cm下方に退避させることにより温度上昇を防止した。
[比較例1]
比較例1では、熱硬化型の異方性導電フィルムを用い、従来通り、熱圧着ヘッドによる加熱押圧処理のみでバインダー樹脂を硬化させた。熱圧着ヘッドによる圧着条件は、170℃‐60MPa‐5secである。
比較例1では、熱硬化型の異方性導電フィルムを用い、従来通り、熱圧着ヘッドによる加熱押圧処理のみでバインダー樹脂を硬化させた。熱圧着ヘッドによる圧着条件は、170℃‐60MPa‐5secである。
[比較例2]
比較例2では、ステージ温度を30℃とし、また、紫外線照射時以外も、紫外線照射器をステージ近傍に固定した。その他の条件は実施例1と同じである。
比較例2では、ステージ温度を30℃とし、また、紫外線照射時以外も、紫外線照射器をステージ近傍に固定した。その他の条件は実施例1と同じである。
[比較例3]
比較例3では、紫外線照射時以外も、紫外線照射器をステージ近傍に固定した。その他の条件は実施例1と同じである。
比較例3では、紫外線照射時以外も、紫外線照射器をステージ近傍に固定した。その他の条件は実施例1と同じである。
表1に示すように、実施例1に係る液晶表示パネルは、目視で表示ムラが確認されず、反りの発生が抑えられていた。また、圧痕品質安定性も良好であり、導電性粒子が挟持された状態でバインダー樹脂が十分に硬化され、良好な接続性を有していることが分かる。
これは、実施例1では、紫外線の照射時以外は、紫外線照射器を加熱ステージの下方10cmの位置に退避させていたことから、高温のステージからの輻射熱による影響が抑えられ、温度上昇による輝度低下が防止されたことによる。また、実施例1では、ステージを熱圧着ヘッドの温度と同じ温度に加熱したことにより、COG接続に伴う反りの発生や、これに起因する表示ムラやチップの接続不良等の問題も発生しなかった。
一方、比較例1では、従来の熱硬化性の異方性導電フィルムを用いて、高温高圧で圧着したことにより、透明基板の反りによる表示ムラが確認された。
比較例2では、圧痕品質安定性は良好であった。これは、ステージ温度が30℃と低く、紫外線照射器の温度上昇による輝度低下及び照度不足による硬化不良は発生しなかったことによる。しかし、熱圧着ヘッドとステージの温度差が大きくなり、異方性導電フィルムが接続された後、常温まで温度が低下する際に、熱圧着ヘッドに加熱された液晶駆動用ICとステージ上に載置された透明基板との温度差及びバインダーと透明基板の熱膨張率の差に起因して、透明基板に反りが生じ、表示ムラが確認された。
また、比較例3では、透明基板の反りに起因する表示ムラは確認されなかった。これは、ステージ温度が熱圧着ヘッドと同等の100℃に加熱されていたことによる。しかし、比較例3では、紫外線照射器を高温のステージ近傍に固定していたため、温度上昇に伴い輝度が低下し、連続実装の後半では硬化不良により圧痕が弱くなり、圧痕品質安定性において不良となった。
1 異方性導電フィルム、2 剥離フィルム、3 バインダー樹脂層、4 導電性粒子、10 液晶表示パネル、11,12 透明基板、13 シール、14 液晶、15 パネル表示部、16,17 透明電極、18 液晶駆動用IC、20 COG実装部、21 フレキシブル基板、22 FOG実装部、24 配厚膜、25,26 偏光板、30 接続装置、31 ステージ、32 加熱機構、33 熱圧着ヘッド、34 ヘッド移動機構、35 紫外線照射器、36 照射器移動機構
Claims (8)
- 光透過性を有するとともに加熱されたステージ上に透明基板を載置し、
上記透明基板上に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して電子部品を搭載し、
ツールにより上記電子部品を上記透明基板に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う接続体の製造方法において、
上記光照射器は、上記ステージに近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、上記ステージから退避する接続体の製造方法。 - 上記光照射器による光照射の開始に先行して、上記ツールによる上記電子部品の加熱押圧を開始する請求項1記載の接続体の製造方法。
- 上記光照射器による光照射と、上記ツールによる上記電子部品の加熱押圧とを同時に終了する請求項2記載の接続体の製造方法。
- 上記ツールによる上記電子部品の加熱押圧を続行しながら、上記光照射器による光照射を終了する請求項1又は2に記載の接続体の製造方法。
- 上記光照射器は、上記ステージから退避されているときに、冷却される請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続体の製造方法。
- 複数の上記光照射器を切り替えて使用する請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続体の製造方法。
- 光透過性を有するとともに加熱されたステージ上に透明基板を載置し、
上記透明基板上に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して電子部品を搭載し、
ツールにより上記電子部品を上記透明基板に対して押圧しながら加熱押圧するとともに、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う電子部品の接続方法において、
上記光照射器は、上記ステージに近接されて光を照射し、光照射が終了すると、次の光照射まで、上記ステージから退避する電子部品の接続方法。 - 光透過性を有し、透明基板が載置されるステージと、
上記ステージを加熱する加熱機構と、
上記ステージ上に載置された透明基板に、光重合開始剤を含有する回路接続用接着剤を介して搭載された電子部品を加熱押圧するツールと、
上記ツールを移動するツール移動機構と、
上記ステージの裏面に設けられた光照射器と、
上記光照射器を移動させる照射器移動機構とを有し、
上記電子部品を上記透明基板に対して加熱押圧しながら、上記ステージの裏面に設けられた光照射器より光を照射して、上記回路接続用接着剤を硬化させることにより、上記電子部品を上記透明基板に接続する工程を連続して行う接続装置において、
上記照射器移動機構は、上記光照射器が光照射を行う際に上記光照射器を上記ステージに近接させ、光照射が終了すると、次の光照射まで上記ステージから退避させる接続装置。
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