JP2015141873A - 電池外装用複合シート - Google Patents
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Abstract
Description
そのような複合シートの一例として、特許文献1には、図10(a)に示すような複合シート901が開示されている。当該複合シート901は、水分が透過浸透しにくい防水性シート930と、水分を吸収しやすい吸水性シート910と、それらシート910,930を電池902に貼り付けるための粘着層940とが、その順で積層されてなる。当該複合シート901は、粘着層940を電池902の外表面に密着させるようにして、電池902の外表面に貼り付けられる。
仮に、複合シート901が剥がれてしまった場合は、複合シート901と電池902との間に隙間903が生じ、その隙間903内に水や電解液などが溜まってしまうおそれがある。そうすると、電池902や配線等の腐食やショートが起こりやすくなる。
本発明の一態様に係る電池外装用複合シートの更に特定の局面では、前記第2のシートの前記第1のシートとは反対側の主面には粘着層が設けられており、前記粘着層を介して前記第2のシートが前記電池に貼り付けられることを特徴とする。
本発明の一態様に係る電池外装用複合シートの更に特定の局面では、前記第2のシートは、電気的絶縁性を有することを特徴とする。
[概略構成]
図1は、本発明の一態様に係る電池外装用複合シートの概略構成を示す斜視図である。図2は、本発明の一態様に係る電池外装用複合シートの概略構成を示す分解斜視図である。図1および図2に示すように、本発明の一態様に係る複合シート1は、第1のシート10、接着層20、第2のシート30および粘着層40をその順で積層させてなる複合シートである。当該複合シート1は、例えば、複数の一次電池または二次電池を組み合わせてなる組電池に対して、水や電解液などの水分から電池等を保護するために使用される。
(第1のシート)
第1のシート10は、吸水性を有するシートであって、外部から浸入してくる水や電池2内から漏れ出る電解液等の水分を吸収する役割を果たす。したがって、電池2の外表面に複合シート1が貼り付けられていれば、仮に電池2内から電解液が漏れ出したとしても、その電解液が複合シート1の外表面に回り込んだ所で第1のシート10によって吸収される。そのため、各電池2やそれら電池2を接続する配線(不図示)等が電解液で濡れた状態が長く続きにくい。したがって、電解液による電池2や配線等の腐食が起こりにくく、また、電池2や配線等のショートも起こりにくい。
また、第1のシート10は、物理的な衝撃から電池2や配線等を保護する役割を果たす。耐衝撃性は、例えば、衝撃強度を指標として評価することができる。衝撃強度は、例えば、JIS P8134に準拠して測定することができ、衝撃強度が高いほど耐衝撃性が高いと評価できる。具体的には、衝撃強度は、例えば、パンクチュアーテスターを使用して、第1のシート10の試験片の破壊に要したエネルギーの量を測定して求めることができる。
(接着層)
接着層20は、第1のシート10と第2のシート30との間に介在しており、第1のシート10と第2のシート30とを接着する役割を果たす。
また、接着層20は、接着剤を利用して形成することもできる。その場合、例えば、第1のシート10または第2のシート30の一方に接着剤を塗布しておき、その状態の接着剤に他方のシートを貼り付けて形成する。接着剤としては、アクリル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等からなる樹脂粘着剤が挙げられるが、接着剤は樹脂粘着剤に限定されない。
第2のシート30は、防水性を有するシートであって、外部から侵入してくる水をブロックする役割を果たす。電池2の外表面に複合シート1が貼り付けられていれば、第2のシート30によって、外部から侵入してくる水がブロックされるため、水による電池2や配線等の腐食やショートが起こりにくい。
また、電池2を外部から電気的に絶縁するために、電池2に近い位置に配置される第2のシート30は特に、電気的絶縁性を有することが好ましい。電気的絶縁性を有する第2のシート30の素材としては、ポリブタジエン等の電気絶縁性の高い樹脂からなるシートが好ましい。
粘着層40は、第1のシート10および第2のシート30を電池2の外表面に貼り付ける役割を果たし、第2のシート30の第1のシート10とは反対側の主面である内側主面32に設けられている。
粘着層40には、接着層20のように空隙部が存在しておらず、粘着層40はべた膜状である。そのため、粘着層40を電池2の外表面に密着させやすく、複合シート1が電池2から剥がれにくい。また、電池2と粘着層40との間に隙間が生じないため、その隙間に水分が溜まるようなこともない。
また、粘着層40は、接着剤を利用して形成することもできる。その場合、例えば、第2のシート30に接着剤を塗布することによって形成することができる。接着剤としては、アクリル樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等からなる樹脂粘着剤が挙げられるが、接着剤は樹脂粘着剤に限定されない。
なお、本発明において、粘着層40は必ずしも必要ではないので、第2のシート30の内側主面32に、粘着層40を設けるか否かは任意である。電池2に貼り付けられる前の流通過程の複合シート1には粘着層40は必要のないものであるため、電池2に貼り付ける際にユーザーが複合シート1に接着剤を塗り付けるような使用の形態の場合は、必ずしも粘着層40は必要ない。
接着層20には、外側主面21および内側主面22の両方の主面に向けて開放されている空隙部50が1つ存在する。具体的には、接着層20は、第1のシート10の外周縁に沿う枠状部分のみからなり、その枠状部分で囲まれた直方体形状の空間が空隙部50である。そのため、接着層20の外側主面21には方形の開口23が形成されており、接着層20の内側主面22にも方形の開口24が形成されている。
図10(a)に示すように、従来の複合シート901では、水分を吸収して撓みやすい吸水性シート910(本願発明の第1のシート10に相当)が電池902に近い側に配置されており、その吸水性シート910が粘着層940を介して電池902に貼り付けられている。また、吸水性シート910と粘着層940とは、他の層を介さず全面に亘って直接接着されている。このような構成だと、図10(b)に示すように、吸水性シート910が水分を吸収してふやけて撓んだ場合に、粘着層940も吸水性シート910と同じ形状に撓んでしまう。そうすると、粘着層940が撓んだ部分において電池902の外表面から剥がれてしまうおそれがあり、その結果、複合シート901全体としても電池902から剥がれてしまうおそれがある。
接着層20に空隙部50が存在していれば、第1のシート10が撓んだ場合も、図3(b)に示すように、空隙部50が存在している領域Aでは第2のシート30が第1のシート10の撓みによる影響を受けにくい。したがって、空隙部50が存在している領域Aにおいて、第2のシート30が撓みにくく、そうすると、粘着層40も撓みにくい。すなわち、第1のシート10が撓むと、空隙部50と連続している隙間3が生じるが、隙間3が生じることによって第1のシート10の撓みによる影響は遮断され、第2のシート30および粘着層40が撓まずに済む。第2のシート30および粘着層40が撓まなければ、複合シート1が電池2の外表面から剥がれることもない。
なお、接着層20に空隙部50が存在しているだけでは、複合シート1が電池2の外表面から剥がれにくいという効果は得られにくく、第2のシート30が第1のシート10よりも電池2側に配置されている必要がある。第2のシート30が第1のシート10よりも電池2側に配置されているということは、第1のシート10と第2のシート30とを接着する接着層20に存在する空隙部50が、第1のシート10よりも内側(電池2に近い側)に位置することを意味する。空隙部50が第1のシート10よりも内側に位置していれば、第1のシート10が撓んだ場合に、空隙部50によってその撓みによる影響を遮断する効果が得られる。これが逆に、空隙部50が第1のシート10よりも外側(電池2から遠い側)に位置していれば、第1のシート10が撓んだ場合に、空隙部50によってその撓みによる影響を遮断する効果は得られない。したがって、単に、接着層20に空隙部50が存在しているだけでなく、第2のシート30が第1のシート10よりも電池2側に配置されている必要がある。
[電池外装用複合シートの製造方法]
本発明の一態様に係る複合シートの製造方法は特に限定されるものではないが、次の方法によって製造することができる。
上記本発明の一態様に係る複合シート1の変形例について以下に説明する。変形例1〜5に係る複合シートは、上記本発明の一態様に係る複合シート1と、第1のシート10、第2のシート30、および粘着層40の構成が共通する。接着層の構成のみが異なるため、以下では接着層についてのみ説明する。なお、共通する部材には、実施形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
図5は、変形例1に係る接着層の態様を説明するための斜視図である。例えば、図5に示す変形例1のように、接着層120が、平行に並べられた複数の直方体形状の線状部材120aで構成されていてもよい。この場合の接着層120は、全体としてストライプ状であって、接着層120の外側主面121には複数のスリット状の開口123が形成されており、接着層120の内側主面122にも複数のスリット状の開口124が形成されている。そして、隣り合う線状部材120a間の空間のそれぞれが空隙部150であって、各空隙部150は、それぞれ長尺の直方体形状である。
また、接着層120がストライプ状であれば、各開口123,124を小さくすることができるため、第1のシート10と第2のシート30との接着性が向上する。
図6は、変形例2に係る接着層の態様を説明するための斜視図である。例えば、図6に示す変形例2のように、接着層220が格子部分からなり、複数の空隙部250がマトリクス状に存在する構成でもよい。接着層220が格子状であるため、接着層220の外側主面221には複数の方形の開口223が形成されており、接着層220の内側主面222にも複数の方形の開口224が形成されている。
以上のような変形例2に係る接着層220も、第1のシート10の撓みによる影響を遮断する効果を有する。したがって、電池2の外表面から粘着層40が剥がれにくい。
以上のような変形例3に係る接着層320も、第1のシート10の撓みによる影響を遮断する効果を有する。したがって、電池2の外表面から粘着層40が剥がれにくい。
図8は、変形例4に係る接着層の態様を説明するための断面図である。例えば、図8に示す変形例4に係る複合シート401のように、接着層420に存在する空隙部450が接着層420の外側主面421に向けてのみ開放されていてもよい。
接着層520は、外側主面521が第1のシート10と面接触しており、内側主面522が第2のシート30と面接触している。空隙部550が内側主面522に向けて開放されているため、接着層520の内側主面522には開口524が形成されている。空隙部550は外側主面521に向けては開放されていないため、接着層520の外側主面521には開口は形成されておらず、接着層520と第1のシート10とは全面に亘って直接面接触している。
以上、本発明の一態様に係る複合シートを、上記本発明の一態様およびその変形例1〜5に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の一態様に係る発光装置は、上記本発明の一態様およびその変形例に限定されない。例えば、上記本発明の一態様およびその変形例の部分的な構成を適宜組み合わせてなる複合シートであってもよい。
2 電池
10 第1のシート
20,120,220,320,420,520 接着層
30 第2のシート
40 粘着層
50,150,250,350,450,550 空隙部
Claims (5)
- 電池の外表面に貼り付けて使用される電池外装用複合シートであって、
吸水性を有する第1のシートと、
防水性を有し、前記第1のシートよりも前記電池側に配置される第2のシートと、
前記第1のシートと前記第2のシートとを接着する接着層とを備え、
前記接着層には、前記第1のシート側の主面および前記第2のシート側の主面の少なくとも一方の主面に向けて開放されている空隙部が存在することを特徴とする電池外装用複合シート。 - 前記接着層は前記第1のシートの外周縁に沿う枠状部分を有し、前記枠状部分で囲まれた空間が前記空隙部であって、前記空隙部は前記第1のシート側の主面および前記第2のシート側の主面の両方の主面に向けて開放されていることを特徴とする請求項1記載の電池外装用複合シート。
- 前記第2のシートの前記第1のシートとは反対側の主面には粘着層が設けられており、前記粘着層を介して前記第2のシートが前記電池に貼り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の電池外装用複合シート。
- 前記第1のシートは、前記第2のシートよりも高い耐衝撃性を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電池外装用複合シート。
- 前記第2のシートは、電気的絶縁性を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電池外装用複合シート。
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