JP2015140265A - ケイ素凝集体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の課題は、基板などに固定化されていない表面に凹凸構造を有する繊維状、網目状又はウイスカ状のケイ素凝集体及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
ケイ素粒子が繊維状又は網目状又はウイスカ状に凝集するケイ素凝集体を提供する。前記ケイ素凝集体表面に存在するケイ素の粒子径が5nm以上150nm以下であり、凝集径が5μm以下であることを特徴とする。前記ケイ素凝集体は、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程、非酸素雰囲気中で加熱する工程により製造される。
【選択図】 図2
本発明の課題は、基板などに固定化されていない表面に凹凸構造を有する繊維状、網目状又はウイスカ状のケイ素凝集体及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】
ケイ素粒子が繊維状又は網目状又はウイスカ状に凝集するケイ素凝集体を提供する。前記ケイ素凝集体表面に存在するケイ素の粒子径が5nm以上150nm以下であり、凝集径が5μm以下であることを特徴とする。前記ケイ素凝集体は、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程、非酸素雰囲気中で加熱する工程により製造される。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ケイ素粒子より構成された特異的な表面形態を有して、繊維状、網目状又はウイスカ状に凝集したケイ素凝集体及びその製造方法に関する。
ケイ素は現在の半導体技術の中核をなす材料であり、古くより様々な検討がなされている。薄膜、バルクとして様々なデバイス応用が行われている。近年、0次元、1次元などのナノ構造制御による量子効果による新規な特性発現の興味によりナノドット、ナノウイスカなどの形成検討が進められている。
ケイ素ウイスカの形成は特定の基板上で実施されることがほとんどで、古くは、非特許文献1に示された、ケイ素基板上にAu−Si膜を形成した後SiCl4:H2ガスを反応させることによる気相-液相-固相法(VLS法:Vapor‐liquid‐solid method)によりケイ素ウイスカ形成の可能性が示されている。
特許文献1では、フォトリソグラフィプロセスによるエッチング処理によりケイ素ウイスカ―の形成方法が開示されている。
特許文献2では、金属基板上にLPCVD法により結晶性ケイ素領域を形成すると、{111}面を双晶面とし、<110>方向、もしくは<211>方向に成長する多結晶体よりなるウイスカ状結晶性ケイ素が得られることが開示されている。
特許文献3では、被形成基板の対面に種基板を配置し、ケイ素を含むガスを導入し減圧化学気相成長を行うことで、種原子を含まない被形成基板上にケイ素ウイスカ集合体を直接成長させることができることが開示されている。
特許文献4では、ケイ素基板を、HF、Ag+イオン及び硝酸イオンを含むエッチング溶液で処理し、それによりケイ素をエッチングして表面にエッチングされたピラーを含むケイ素凝集体を形成する方法が開示されている。
基板を使用しない直接的なケイ素繊維の製造方法として特許文献5では、ケイ素とアルカリ金属を主成分として含む混合融液より糸状物を紡糸する行程と紡糸された糸状物からアルカリ金属を蒸発除去する事で多結晶性ケイ素繊維が形成可能であることが開示されている。
非特許文献1、特許文献1乃至4の方法では、基板上へのケイ素ウイスカ形成が必須であり、単体としてのケイ素繊維やウイスカを形成することは出来ない。また、気相及び液相での化学反応を利用したプロセスであるために反応速度が遅いなどの問題がある。
特許文献5の方法は、混合融液を作成するためにLiやNaなどの反応性の高いアルカリ金属の使用が必須となり、安全対策など設備的に煩雑になる。また、これらの手法では繊維やウイスカの表面形状を変化する事が困難である。
ケイ素ウイスカの形成は特定の基板上で実施されることがほとんどで、古くは、非特許文献1に示された、ケイ素基板上にAu−Si膜を形成した後SiCl4:H2ガスを反応させることによる気相-液相-固相法(VLS法:Vapor‐liquid‐solid method)によりケイ素ウイスカ形成の可能性が示されている。
特許文献1では、フォトリソグラフィプロセスによるエッチング処理によりケイ素ウイスカ―の形成方法が開示されている。
特許文献2では、金属基板上にLPCVD法により結晶性ケイ素領域を形成すると、{111}面を双晶面とし、<110>方向、もしくは<211>方向に成長する多結晶体よりなるウイスカ状結晶性ケイ素が得られることが開示されている。
特許文献3では、被形成基板の対面に種基板を配置し、ケイ素を含むガスを導入し減圧化学気相成長を行うことで、種原子を含まない被形成基板上にケイ素ウイスカ集合体を直接成長させることができることが開示されている。
特許文献4では、ケイ素基板を、HF、Ag+イオン及び硝酸イオンを含むエッチング溶液で処理し、それによりケイ素をエッチングして表面にエッチングされたピラーを含むケイ素凝集体を形成する方法が開示されている。
基板を使用しない直接的なケイ素繊維の製造方法として特許文献5では、ケイ素とアルカリ金属を主成分として含む混合融液より糸状物を紡糸する行程と紡糸された糸状物からアルカリ金属を蒸発除去する事で多結晶性ケイ素繊維が形成可能であることが開示されている。
非特許文献1、特許文献1乃至4の方法では、基板上へのケイ素ウイスカ形成が必須であり、単体としてのケイ素繊維やウイスカを形成することは出来ない。また、気相及び液相での化学反応を利用したプロセスであるために反応速度が遅いなどの問題がある。
特許文献5の方法は、混合融液を作成するためにLiやNaなどの反応性の高いアルカリ金属の使用が必須となり、安全対策など設備的に煩雑になる。また、これらの手法では繊維やウイスカの表面形状を変化する事が困難である。
Appl.Phys.Let.4,89(1964)
基板などに固定化されず、表面に凹凸構造を有する繊維状、網目状又はウイスカ状のケイ素凝集体及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決する本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 ケイ素粒子が凝集して繊維状、網目状又はウイスカ状になっていることを特徴とするケイ素凝集体。
〔2〕 前記ケイ素粒子が、前記ケイ素凝集体の表面においては、粒子径が5nm以上150nm以下で凝集していることを特徴とする前記〔1〕に記載のケイ素凝集体。
〔3〕 前記ケイ素凝集体において、ケイ素凝集体の凝集径が5μm以下であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のケイ素凝集体。
〔4〕 前記ケイ素凝集体の製造方法であって、ケイ素微粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程と、前記工程の生成物を非酸素雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とするケイ素凝集体の製造方法。
〔5〕 前記ケイ素粒子が平均粒径100nm以下のケイ素粒子であることを特徴とする前記〔4〕に記載のケイ素凝集体の製造方法。
〔1〕 ケイ素粒子が凝集して繊維状、網目状又はウイスカ状になっていることを特徴とするケイ素凝集体。
〔2〕 前記ケイ素粒子が、前記ケイ素凝集体の表面においては、粒子径が5nm以上150nm以下で凝集していることを特徴とする前記〔1〕に記載のケイ素凝集体。
〔3〕 前記ケイ素凝集体において、ケイ素凝集体の凝集径が5μm以下であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載のケイ素凝集体。
〔4〕 前記ケイ素凝集体の製造方法であって、ケイ素微粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程と、前記工程の生成物を非酸素雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とするケイ素凝集体の製造方法。
〔5〕 前記ケイ素粒子が平均粒径100nm以下のケイ素粒子であることを特徴とする前記〔4〕に記載のケイ素凝集体の製造方法。
本発明は、これまでに類のない表面に凹凸構造を有する繊維状、網目状又はウイスカ状のケイ素凝集体の提供が可能となる。また本発明に係る製造方法によれば、繊維径が5μm以下の様々な太さの繊維状又は網目状又はウイスカ状の多結晶ケイ素凝集体を作製することができる。この様な多結晶ケイ素凝集体はエレクトロニクスあるいはオプトエレクトロニクスの分野、触媒の分野、エネルギー関連の分野における応用が期待される新しい産業上有用な素材である。
本発明のケイ素凝集体は、ケイ素粒子が凝集して繊維状、網目状又はウイスカ状になっているケイ素凝集体である。
ケイ素凝集体を構成するケイ素粒子は、非晶質または結晶質であっても良い。また、一つの粒子が多結晶体や非晶質と結晶質の混成体であってもよい。ケイ素凝集体の使用目的に応じてケイ素の特性を変化するための微量の添加物が含まれても良い。
本発明のケイ素凝集体は、ケイ素微粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を紡糸する工程、非酸素雰囲気中で加熱する工程により製造されるが、紡糸方法は特に限定されるものではない。一般にポリマーの紡糸方法が適用可能であり、溶融紡糸(乾式紡糸)、湿式紡糸、電界紡糸などが適用される。
前記のケイ素へ変換可能なケイ素成分としては、加熱処理によりケイ素に変換可能なものであれば特に限定されない。具体的には、有機化合物で被覆されたケイ素微粒子のほか、ポリシラン、ポリシリンなどが用いられる。
電界紡糸では、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液とするための溶媒は、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル、プロピレングリコール−α−モノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−α−アセテートなどのグリコール誘導体、アセトン、MEKなどのケトン類、エチルエーテル、THF、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタムなどのアミド類などがあり、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能な成分が可溶もしくは分散可能であり、バインダーとなるポリマーが可溶であり、電場印加により誘電分極が起こりうる溶剤であれば特に限定されない。
湿式紡糸では、前記の溶剤に加え、アルカンのような非極性溶媒も用いられる。ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能な成分が可溶もしくは分散可能であり、バインダーとなるポリマーが可溶であれば特に限定されない。
溶融紡糸(乾式紡糸)では、溶剤を使用しないため、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能な成分が分散可能であるような熱可塑性のポリマーをバインダーとする。
本発明のケイ素凝集体は、ケイ素凝集体表面において、ケイ素粒子が粒子径5nm以上150nm以下であることが好ましい。
ケイ素粒子の粒子径が、5nm未満ではケイ素の自己焼結性によりその形態を維持できず、凝集体表面への凹凸を形成する事が出来ない。ケイ素粒子の粒子径が、150nmを超えると個々の粒子間の結合力が維持できず目的とするケイ素凝集体を形成する事ができない。より好ましくは、粒子径が、20から120nmのケイ素粒子から構成される。
更には、本発明のケイ素凝集体は、ケイ素凝集体の凝集径が5μm以下であることが好ましい。より好ましいケイ素凝集体の凝集径は、構成するケイ素粒子のサイズに依存するが、30nmから5μmが好ましい。50nm未満であると破砕した場合の飛散などが生じその取扱いが難しくなる。5μmを超えると通常の粉砕ケイ素粒子との差異が得られないため好ましくない。さらに好ましくは、50nmから1μmである。
ケイ素凝集体の凝集径を5μm以下、特に1μm以下にする場合、電界紡糸法によって製造されることが好ましい。
前記のケイ素凝集体を電界紡糸法で製造するには、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程と、前記工程の生成物を非酸素雰囲気中で加熱する工程により製造される。
本発明に用いる電界紡糸法は、粘性を有する溶液を高電圧を印加したシリンジ針とコレクタ(対極)間に射出させることによって溶液中の固形物成分からなる繊維からなる不織布をコレクタ上に得る工程である(図1)。既知の不織布製造方法によって得られる不織布に比べて、得られる樹脂製繊維の直径が小さいことが特徴である。
本発明の電界紡糸法によるケイ素凝集体の製造方法は、最初に、ケイ素微粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を紡糸する工程を有する。
前記工程では、ケイ素含有繊維が得られる。そのためには、ケイ素微粒子及び/又はケイ素に変換可能な成分とバインダーとなるポリマーが共存した混合溶液(前駆体溶液)を作ることが必要である。前駆体溶液の固形分(ケイ素微粒子及び/又はケイ素に変換可能な成分とバインダーとなるポリマー)濃度は電界紡糸条件を考慮すると、2重量%〜50重量%程度であることが望ましい。好ましくは5重量%〜30重量%となる。ケイ素微粒子及び/又はケイ素に変換可能な成分とバインダーとなるポリマー成分が前記した含有比率内に収まるように混合する。
前駆体溶液中のケイ素成分として、ケイ素微粒子を用いる場合は、前記ケイ素粒子が平均粒径100nm以下のケイ素微粒子であることが好ましい。平均粒径100nm以下のケイ素微粒子を原料とすることにより、前記ケイ素凝集体の表面においては、粒子径が5nm以上150nm以下で凝集しているケイ素凝集体を確実に形成することができる。
バインダー成分としては、非酸素雰囲気下での加熱処理により除去可能なものであれば特に限定されないが、好ましくはビニル系ポリマーが用いられる。ビニル系ポリマーとしては、PE、PP、PIB、PVC、PVDF、PEFE、PVAc、PVA、PVB、PVF、PAN、PMAN、PMMA、PMME、PMA、PSやこれらのコポリマーが用いられる。
前記混合溶媒に用いる溶剤としては、ケイ素微粒子及び/又はケイ素に変換可能な成分が可溶もしくは分散可能であり、バインダーとなるポリマーが可溶であり、電場印加により誘電分極が起こりうる溶剤であれば特に限定されないが、前記した溶媒を用いるのが好ましい。
前記工程で得られたケイ素含有繊維は、非酸素雰囲気中で加熱する工程により目的とするケイ素凝集体を形成する。非酸素雰囲気中で加熱する工程は、構成するケイ素の酸化を抑制するため、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの非酸素雰囲気中で加熱処理を行う。必要に応じ水素などの還元性ガスを導入することも可能である。
加熱温度は、バインダー成分が除去できる250℃から700℃の温度で処理する事が好ましい。700℃を超える温度で処理すると凝集体を構成するケイ素粒子の焼結が進行し、目的の形態を維持する事が出来ない。より好ましくは、350℃から600℃である。
この加熱する工程で、電界紡糸工程で用いたバインダー成分としての有機物やその残留炭素成分は、完全に除去され副成分を含まないケイ素凝集体が形成される。
この加熱する工程で、電界紡糸工程で用いたバインダー成分としての有機物やその残留炭素成分は、完全に除去され副成分を含まないケイ素凝集体が形成される。
〔実施例1〕
バインダー成分とするポリビニルアルコール(PVA1.005g)を蒸留水4.578gに添加し、濃度18wt%PVA水溶液を調製した。そこへ、平均粒子径80nmのケイ素粒子(シグマ−アルドリッチ製)0.251g(ポリビニルアルコールの25%)を超音波分散し、蒸留水1.39gを添加して濃度18wt%に調製した。
この分散液を電界紡糸用ケイ素前駆体成分液とし、厚み20μmのアルミ箔をコレクタとして電界紡糸を行った。
電界紡糸の条件は、電界強度1.3kV/cm,吐出速度0.008ml/min,塗布時間20minとした。
電子顕微鏡観察より(図2、図3)、得られたケイ素凝集体は、平均粒径80nmのケイ素粒子より構成され、1から2μmの繊維径であった。ラマンスペクトルより(図4)、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素より構成されていることが確認された。また、形状付与のために使用したバインダー成分の残留炭素成分が含まれていないことが確認された。
バインダー成分とするポリビニルアルコール(PVA1.005g)を蒸留水4.578gに添加し、濃度18wt%PVA水溶液を調製した。そこへ、平均粒子径80nmのケイ素粒子(シグマ−アルドリッチ製)0.251g(ポリビニルアルコールの25%)を超音波分散し、蒸留水1.39gを添加して濃度18wt%に調製した。
この分散液を電界紡糸用ケイ素前駆体成分液とし、厚み20μmのアルミ箔をコレクタとして電界紡糸を行った。
電界紡糸の条件は、電界強度1.3kV/cm,吐出速度0.008ml/min,塗布時間20minとした。
電子顕微鏡観察より(図2、図3)、得られたケイ素凝集体は、平均粒径80nmのケイ素粒子より構成され、1から2μmの繊維径であった。ラマンスペクトルより(図4)、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素より構成されていることが確認された。また、形状付与のために使用したバインダー成分の残留炭素成分が含まれていないことが確認された。
〔実施例2〕
実施例1と同じ方法でケイ素粒子のみ平均粒径40nmのケイ素粒子(合同会社札幌NBT製)を用いケイ素凝集体の作成を行った。得られたケイ素凝集体は、平均粒径40nmのケイ素粒子より構成され、300から600nmの繊維径であった。ラマンスペクトルより、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素より構成されていることが確認された。
実施例1と同じ方法でケイ素粒子のみ平均粒径40nmのケイ素粒子(合同会社札幌NBT製)を用いケイ素凝集体の作成を行った。得られたケイ素凝集体は、平均粒径40nmのケイ素粒子より構成され、300から600nmの繊維径であった。ラマンスペクトルより、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素より構成されていることが確認された。
〔実施例3〕
1L三口フラスコをアルゴンで真空置換した。そこへ、四塩化ケイ素(43.6mmol,7.4g)、乾燥トルエン200mlを入れ、撹拌しながら臭化テトラブチルアンモニウム(32.2mmol,17.6g)を添加した。さらに激しく撹拌しながら、水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン1モル溶液(65.3mmol,63.5ml)を少しずつ滴下した。
室温で3時間撹拌後、メタノール40mlを加えて反応を停止した。
引き続き、反応液に塩化白金酸のイソプロパノール0.05モル溶液40ml(塩化白金酸1.04gをイソプロパノール40mlに溶解して調製)を添加し、アリルアミン(95.9mmol,5.5g)を添加した。
反応液を80℃で6時間撹拌後、室温に戻して溶媒留去した。
残渣に蒸留水300mlを添加し超音波分散後、有機相を分液して除去した。
水相を濃縮し、蒸留水100mlで3回とアセトンおよびトルエンで洗浄した。
80℃で真空乾燥して、固形物(有機化合物で被覆されたケイ素微粒子)10.1gを得た。
得られた固形物(有機化合物で被覆されたケイ素微粒子)を用い実施例1と同様の方法でケイ素凝集体を作成した。得られたケイ素凝集体は、平均粒径10nmのケイ素粒子より構成され、80から210nmの繊維径であった。ラマンスペクトルより、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素と非晶質ケイ素のより構成されていることが確認された。
1L三口フラスコをアルゴンで真空置換した。そこへ、四塩化ケイ素(43.6mmol,7.4g)、乾燥トルエン200mlを入れ、撹拌しながら臭化テトラブチルアンモニウム(32.2mmol,17.6g)を添加した。さらに激しく撹拌しながら、水素化リチウムアルミニウムのテトラヒドロフラン1モル溶液(65.3mmol,63.5ml)を少しずつ滴下した。
室温で3時間撹拌後、メタノール40mlを加えて反応を停止した。
引き続き、反応液に塩化白金酸のイソプロパノール0.05モル溶液40ml(塩化白金酸1.04gをイソプロパノール40mlに溶解して調製)を添加し、アリルアミン(95.9mmol,5.5g)を添加した。
反応液を80℃で6時間撹拌後、室温に戻して溶媒留去した。
残渣に蒸留水300mlを添加し超音波分散後、有機相を分液して除去した。
水相を濃縮し、蒸留水100mlで3回とアセトンおよびトルエンで洗浄した。
80℃で真空乾燥して、固形物(有機化合物で被覆されたケイ素微粒子)10.1gを得た。
得られた固形物(有機化合物で被覆されたケイ素微粒子)を用い実施例1と同様の方法でケイ素凝集体を作成した。得られたケイ素凝集体は、平均粒径10nmのケイ素粒子より構成され、80から210nmの繊維径であった。ラマンスペクトルより、得られたケイ素凝集体は結晶性ケイ素と非晶質ケイ素のより構成されていることが確認された。
本発明は、ケイ素凝集体の提供及び製造方法に関するものである。本発明のケイ素凝集体の微細組織や形態を利用して様々な用途に使用することが可能である。例えば、非常に大きな比表面積を利用して、センサー、吸着剤、フィルター充填剤および構成材、触媒(触媒担持・担体)、単体および他の金属との混合・複合体によるガスや液体を検知する検知用センサー等に使用できる。また、太陽電池などの光電変換デバイス用部材、リチウムイオン二次電池などの蓄電池用部材などとして利用可能である。
Claims (5)
- ケイ素粒子が凝集して繊維状、網目状又はウイスカ状になっていることを特徴とするケイ素凝集体。
- 前記ケイ素粒子が、前記ケイ素凝集体の表面においては、粒子径が5nm以上150nm以下で凝集していることを特徴とする請求項1に記載のケイ素凝集体。
- 前記ケイ素凝集体において、ケイ素凝集体の凝集径が5μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケイ素凝集体。
- 前記ケイ素凝集体の製造方法であって、ケイ素粒子及び/又はケイ素へ変換可能なケイ素成分が分散又は溶解した前駆体溶液を電界紡糸法で繊維化する工程と、前記工程の生成物を非酸素雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とするケイ素凝集体の製造方法。
- 前記ケイ素粒子が平均粒径100nm以下のケイ素粒子であることを特徴とする請求項4に記載のケイ素凝集体の製造方法。
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