JP2015140239A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】枠体支持アングルとアングル受台との間の相互の配置状態を自動的に監視することができる新規な乗客コンベアを提供することにある。【解決手段】枠体支持アングルとアングル受台の間の相互の位置関係を検出する載置状態検出装置を設け、地震等による枠体支持アングルの載置状態の変動を載置状態検出装置で検出して報知する。これによれば、枠体支持アングルとアングル受台の間の位置関係を自動的に検出することによって、枠体支持アングルの載置状態を容易に監視することができるようになる。【選択図】図6
Description
本発明はエスカレータや電動道路等の乗客コンベアに係り、特に乗客コンベアの枠体の支持状態を監視する監視機構を有した乗客コンベアに関するものである。
エスカレータに代表される乗客コンベアは、建築物の下階床面と上階床面を上下に跨ぐように設置されており、下階床面と上階床面には乗降床が設けられている。そして、下階床面と上階床面を上下に跨ぐ枠体内では、チェーン等によって無端状に連結された複数の踏板が上階と下階とに亘って斜め上方、或いは斜め下方に循環移動する構成となっている。無端状に連結された複数の踏板の進行方向に沿って左右両側には一対の欄干が立設されている。また、これら一対の欄干の上部には踏板と同期して走行するハンドレールがそれぞれ配設されている。更に、枠体の内部には踏板やハンドレールを駆動する駆動機や、踏板の移動を案内する踏板レール、制御盤等が配設されている。
そして、このような乗客コンベアを建築物の上階床面と下階床面で支持する支持機構部は、乗客コンベアの枠体の両端に備えられた枠体支持アングルを、建築物に形成したアングル受台によって支承する構成となっている。よって、乗客コンベア自身の重量と乗客や荷物等の積載荷重はこの支持機構部によって支えられるようになっている。
ところで、地震等によって建築物に大きな揺れが加わった場合には、建築物の揺れによって上階と下階の建築梁の間の間隔寸法が拡大及び縮小する層間変位を生じるようになり、乗客コンベアが設置されるアングル受台の間にもこの層間変位が生じるようになる。このため、乗客コンベアの枠体とアングル受台の間に所定の隙間を確保することによって、建築物の揺れに基づくアングル受台の間の層間変位に起因する過大な圧縮力が乗客コンベアの枠体に作用するのを防止している。
例えば、特開2013−220927号公報(特許文献1)においては、一方の枠体支持アングルとこれに対応したアングル受台とを自由に動けるような非固定部とすることで、建築梁の間隔寸法の変動に基づく強制的な外力の作用を非固定部で逃がすようにして、過大な圧縮力が乗客コンベアの枠体に伝わらないようにすることが提案されている。
ところで、建築物の揺れによって建築梁の間隔寸法が拡大及び縮小する層間変位を生じる現象は、上階と下階の間で生じる乗客コンベアの枠体長手方向の層間変位以外に、この長手方向に直交し上階と下階の間で生じる枠体幅方向の層間変位、及びこれらが組み合わされた層間変位がある。
そして、特許文献1にあるように一方の枠体支持アングルとこれに対応したアングル受台とを自由に動けるような構成にすると、地震や強風等による建築物の揺れによって乗客コンベアの枠体支持アングルと建築物のアングル受台との間の載置状態(かかり代の状態)が変化することが予想される。最悪の場合では、枠体支持アングルがずれることによってアングル受台にわずかに載置された状態で保持されていることが考えられ、この状態で乗客コンベアを運転すると、乗客の重さ等により枠体支持アングルがアングル受台から脱落して乗客コンベアが落下する可能性があるため、枠体支持アングルとアングル受台との間の載置状態を確認して乗客コンベアの安全性を確保する必要がある。
しかしながら、乗客コンベアの枠体支持アングルとアングル受台との間は化粧板等の外装部材で覆われて仕上げられており、直接的な目視によって枠体支持アングルとアングル受台との間の内部状態を容易に確認することはできない。このため、例えば光ファイバー等を利用した撮影装置を枠体支持アングルとアングル受台付近に挿入して確認することも可能であるが、保守要員が現場に出向いて目視で確認するため作業が煩雑であると共に、機動性に乏しいという課題がある。
本発明の目的は、枠体支持アングルがアングル受台に載置されている状態を自動的に容易に監視することができる新規な乗客コンベアを提供することにある。
本発明の特徴は、枠体支持アングルがアングル受台に載置されている状態を検出する載置状態検出装置を設け、地震等による枠体支持アングルの載置状態の変動を載置状態検出装置で検出して報知する、ところにある。
本発明によれば、枠体支持アングルとアングル受台の間の位置関係を自動的に検出して報知することによって、枠体支持アングルがアングル受台に載置されている状態を容易に監視することができるようになる。
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
まず、本発明が適用される乗客コンベアについて図1を用いて説明する。尚、以下に説明する乗客コンベアは踏板が階段状に変化する乗客コンベア(いわゆるエスカレータ)であるが、本発明はこれ以外に踏板が平板状に移動する電動道路にも適用可能である。
図1において、乗客コンベア1は建築物の下階床面2と上階床面3を上下に跨ぐように設置されており、下階床面2と上階床面3には図示しない乗降床が設けられている。そして、下階床面2と上階床面3を上下に跨ぐ枠体4内では、チェーン等によって無端状に連結された複数の踏板5が上階と下階とに亘って斜め上方、或いは斜め下方に循環移動する構成となっている。
無端状に連結された複数の踏板5の進行方向に沿って左右両側には一対の欄干6が枠体4に立設されている。また、これら一対の欄干6の上部には踏板5と同期して走行するハンドレール7がそれぞれ配設されている。更に、枠体4の内部には踏板5やハンドレール7を駆動する駆動機8や、踏板の移動を案内する踏板レール、制御盤等が配設されている。
枠体4の長手方向の両端(上階側及び下階側の端部)には、それぞれ枠体4を支持する上階枠体支持アングル9及び下階枠体支持アングル10が設けられている。これらの枠体支持アングル9、10は枠体4の長手方向の両端から枠体4の長手方向外側へ突出するように枠体4に固定されている。上階枠体支持アングル9は上階床面3に形成された上階アングル受台11によって支持され、下階枠体支持アングル10は下階床面2に形成された下階アングル受台12によって支持されている。
下階枠体支持アングル10は、下階床面2に設けられた下階アングル受台12に固定されて固定部を構成すると共に、上階枠体支持アングル9は、上階床面3に設けられた上階アングル受台11に移動可能に載置されて非固定部を構成している。ここで、非固定部とは枠体支持アングル9がアングル受台11に対して自由に移動できる状態を表している。
図2に示すように、上階アングル受台11は建築物の床面3にアンカーボルト13によって固定されており、この上階アングル受台11の上に上階枠体支持アングル9が“かかり代”Lに亘って載置されている。そして、上階枠体支持アングル9の上階アングル受台11に向き合う面には載置状態検出装置14が設けられている。この載置状態検出装置14は複数の載置検出センサ15より構成されている。
そして、載置検出センサ15は図3にある通り行列状に配置されている。図3では長手方向に10行3列の配置状態とされている。載置検出センサ15は例えば圧電素子で構成され、図3では円形状のセラミック型圧電素子を使用した例を示しているが、あくまで一例でありこれに限定されるものではない。
したがって、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されている状態を検出する場合は、基準位置となる基準載置検出センサを決め、これを起点として座標が決められている。本実施例では図3において、右側最下端の載置検出センサ15-00を基準載置検出センサとして座標を(0、0)としている。これを起点に横軸左方向と縦軸上方向に座標を定めている。したがって左側最下端の載置検出センサ15-20の座標は(−2、0)となり、右側最上端の載置検出センサ15-09の座標は(0、9)となる。
上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されて載置検出センサ15に枠体4からの荷重が作用すれば載置検出センサ15は電圧を発生することになり、この電圧を検出することで上階アングル受台11に上階枠体支持アングル9が載置されているかどうかが判断できる。載置検出センサ15の電圧はオン-オフ的なスイッチング電圧として検出されており、所定の閾値電圧を越えるとその位置(載置検出センサ15の位置)において上階アングル受台11に上階枠体支持アングル9が載置されていると判断され、所定の閾値電圧を越えないとその位置において上階アングル受台11に上階枠体支持アングル9が載置されていないと判断されるものである。
したがって、この載置検出センサ15のオン-オフ信号とその座標から上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の載置関係が把握できる。例えば、載置検出センサ15が全てオン信号だと正規の状態で上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されていると見做すことができる。
図3乃至図5に上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置状態を示しており、図3は正規の状態で上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されているものである。一方、図4は地震等によって上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対して傾いて載置されたもので、図5は地震等によって更に上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対して大きく傾いて載置されたものである。
図3においては、全ての載置検出センサ15が上階アングル受台11に対して載置されているので、すべての載置検出センサ15がオン信号を出力することになる。また。図4、図5においては、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置している部分の載置検出センサ15だけがオン信号を出力し、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されていない部分の載置検出センサ15はオフ信号を出力することになる。
これによって、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11にどの程度の割合で載置されているのかという載置量を求めることができる。更に、オフ信号を出力している、或いはオン信号を出力している載置検出センサ15の座標を知ることができるので、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対してどの方向にどの程度傾いてずれているかを求めることができる。
そして、図6に示してあるように、載置状態検出装置14からの信号は監視装置16に入力され、この監視装置16で上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置関係の判断が行われ、この判断結果を制御装置17に送ることで制御装置17はこれに応じてスピーカ18によって注意喚起情報を報知したり、或いは上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置関係を表示装置に表示するといった制御を実行するものである。更に、制御装置17は踏板5を駆動する駆動装置8の起動、停止を制御する機能を備えている。
ここで、本実施例では乗客コンベア1に設けた監視装置16と制御装置17よりなる制御システムで監視、制御を行っているが、この他にこれらを乗客コンベア1に設けず乗客コンベア1とは別の管理センターに制御装置17或いは監視装置16と制御装置17を配置して遠隔システムとして構成することもできる。この場合、制御装置17或いは監視装置16と制御装置17は管理センターで管理しているので、管理要員や保守要員は管理センターでこれらの情報を把握することができる。
次に、図3乃至図5に示した状態での監視装置16及び制御装置17の監視、制御方法を図7に示した制御フローチャートに基づき簡単に説明する。この制御フローチャートは所定時間毎に到来する起動タイミングで実行されるものである。
ステップS10において、図示しない振動センサによって地震や強風等による建築物の揺れを検出したかどうかを判断する。この建築物の揺れは、振動センサの出力が所定の閾値を越えた時に乗客コンベア1の運転に支障が出ると判断するものである。そして、ステップS10で建築物の揺れがないと判断されるとエンドに抜けて処理を終了するものである。
一方、地震等によって建築物が揺れたと判断されるとステップS11に進み、制御装置17は乗客コンベア1の安全を確保するため、踏板5を走行させる駆動装置8の駆動を停止して乗客コンベア1の運転を停止する。尚、この乗客コンベア1の運転の停止と共に、乗客に地震等によって乗客コンベアの運転を停止したことや、速やかに乗降口に移動して乗客コンベアから離脱する旨の音声報知を行うことも併せて実行している。
乗客コンベア1の運転が停止されるとステップS12に進み、監視装置16は載置検出センサ15の出力の状態を取り込む処理を実行する。この処理は載置検出センサ15の夫々の出力を所定の閾値と比較し、載置検出センサ15の出力が閾値より高い(オン状態)とその位置(載置検出センサ15の位置)において上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置された状態を表し、載置検出センサ15の出力が閾値より低い(オフ状態)とその位置において上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11からずれて、載置されていない状態を表すことになる。したがって、各載置検出センサ15のオン状態によって上階枠体支持アングル9の上階アングル受台11に対する載置量が推定できることになる。
ステップS12で載置検出センサ15の出力の取り込みが終了すると、ステップ13、ステップS15、ステップS17で、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置状態を判断する。
まず、ステップS13で全ての載置検出センサ15の出力がオン状態かどうか判断される。全ての載置検出センサ15の出力がオン状態であれば、上階枠体支持アングル9は上階アングル受台11からずれていなく、図3に示すような正規の状態を維持していると判断してステップS14に進み、乗客コンベア1の運転の再開を行ってエンドに抜けるようになる。尚、ステップS14を実行しないでエンドに抜けることもでき、この場合は管理センターから乗客コンベア1の運転を再開するかどうかの指示を与えることで対応できるようになっている。
ステップS13で全ての載置検出センサ15の出力がオン状態でないと判断されるとステップS15に進み、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されている割合である載置量を判断する。ステップS15では、上階枠体支持アングル9に設けた載置検出センサ15の50%以上が上階アングル受台11に載置されているかどうかを判断している。このステップS15で50%以上がオン状態であると判断されれば、図4に示すような状態から図3に示す状態の間を維持していると判断される。したがって、ステップS15で50%以上がオン状態にあると判断されればステップS16に進み、そうでなければステップS17に進むものである。
ステップS15で載置検出センサ14の50%以上がオン状態でない(50%以上がオフ状態である)と判断されると、ステップS17では、上階枠体支持アングル9に設けた載置検出センサ15の30%以上が上階アングル受台11に載置されているかどうかを判断している。したがって、このステップS17で30%以上がオン状態であると判断されれば、図5に示すような状態から図4に示す状態の間を維持していると判断されてステップS18に進む。一方、ステップS17で30%以上がオン状態にない(70%以上がオフ状態である)場合は図5に示す状態よりも更にずれていると判断してステップS19に進むものである。
このように、ステップS13、S15、S17では上階枠体支持アングル9の上階アングル受台11に対する載置量を推定していることになる。ステップS13、S15、S17で載置量が推定されると次にステップS16、S18、S19が実行されることになる。
ステップS16、S18、S19では上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の傾き量を求める処理を実行する。この処理は上述したように、各載置検出センサ15の座標位置が判明しているので、各座標位置の載置検出センサ15のオン-オフ状態から上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の傾きを求めることができる。
すなわち、上階アングル受台11は建築物にアンカーボルト13で固定されているため、上階枠体支持アングル9がずれて傾くことになる。このため、例えば図4にあるような状態で上階枠体支持アングル9が傾いた場合では、下側の載置検出センサ15に対して上側の方の載置検出センサ15の方がオフの状態が多くなっている。したがって、図4では上階枠体支持アングル9の下側を中心に反時計回りに回転してずれていることが判断できる。
また、図5に示す状態では、下側の載置検出センサ15に対して上側の方の載置検出センサ15の方が更にオフの状態が多くなり、上階枠体支持アングル9の下側を中心に大きく反時計回りに回転してずれていることが判断できる。また、例えばオンとオフの境界の方向から傾き量が判断できる。このようにして、上階枠体支持アングル9の傾き量を求めることができる。ここまでが監視装置16による処理である
ステップS16、S18、S19で上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の傾きの判定を行う処理を実行すると、次にステップS20に進んで、制御装置17によって、例えば上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対して所定以上ずれている、あるいは、安全が確保される程度に載置されていない、あるいは、単に乗客コンベアが使用禁止であることを知らせる警報や音声による報知を行い、乗客に注意喚起を行う。尚、載置量や傾き量に応じて報知内容を変更することも可能であり、これによって乗客に緊急性や危険性を的確に知らせることができる。
ステップS16、S18、S19で上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の傾きの判定を行う処理を実行すると、次にステップS20に進んで、制御装置17によって、例えば上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対して所定以上ずれている、あるいは、安全が確保される程度に載置されていない、あるいは、単に乗客コンベアが使用禁止であることを知らせる警報や音声による報知を行い、乗客に注意喚起を行う。尚、載置量や傾き量に応じて報知内容を変更することも可能であり、これによって乗客に緊急性や危険性を的確に知らせることができる。
更に、ステップS21に進んで、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置状態や傾き状態を保守要員等に報知する。このステップS21では、載置検出センサ15の座標が判明しているので、例えば制御装置に備えた表示装置や管理センタの表示装置の表示画面上に模擬的に上階枠体支持アングル9、上階アングル受台11を表示し、これに複数の載置検出センサ15の検出信号を実際の載置量と傾き量を示すように重ねて表示する(例えば載置検出センサ15のオン状態を重ねて明るく表示する)ことで、より具体的に載置量や傾き量を把握できるようにしている。
上述したように、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対してずれている場合、従来では光ファイバー等を利用した撮影装置を上枠体支持アングル9と上階アングル受台11との間に挿入して確認するようにしていたが、保守要員が現場に出向いて目視で確認するため作業が煩雑であると共に、機動性に乏しいものであった。
これに対して、各座標位置の載置検出センサ15のオン-オフ状態から、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に載置されている載置量と傾き量を求めることができるので、保守要員が乗客コンベアの復旧作業を行う場合に、迅速にその作業を遂行することができるようになる。
尚、制御装置17が管理センターに設けられている場合は、管理センターに在籍している管理要員はこの表示画面を印刷して保守要員に手渡すことができるので、保守要員も同様の情報を把握するができる。
そして、これらの情報を把握した保守要員は、把握した情報から上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置関係を修復して、乗客コンベア1の安全を確保するように復旧することができる。
ここで、載置状態検出装置14は上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間に設けられているが、下階側を非固定にして下階枠体支持アングル10と下階アングル受台12の間に設けられても良く、また、両方の枠体支持アングル9、10とアングル受台11、12の間に設けられていても良いものである。更に、載置検出センサ15は乗客コンベア1の上階枠体支持アングル9に取り付ける構成としたが、建築物側の上階アングル受台11に載置検出センサ15を設けても良いものである。
このように、本実施例によると、枠体支持アングルとアングル受台との間の相互の位置関係(枠体支持アングルの載置状態)を自動的にしかも容易に監視することができるようなる。
次に、図7に示した実施例の変形例を図8に基づき説明する。図7に示す実施例では、ステップS10、S11で地震等による建築物の揺れを振動センサで検出し、揺れを検出すると乗客コンベア1の運転を停止して上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置関係や傾き状態を判断している。これに対して、図8に示す変形例では、そのステップを省略し、常にあるいは所定の周期あるいは所定のタイミングで、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置関係や傾き状態を判断し、これに基づいて乗客コンベア1の運転を停止するかどうかを判断する点で異なっている。ここで図7と同じステップは同じ処理内容であるので説明は省略する。
図8において、この制御フローチャートは図7に示すものと同様に例えば所定時間毎に到来する起動タイミングで実行されるものである。
ステップS12,S13、S15、S16、S17、S18及びS19は図7に示す処理と同様の処理を行うものである。ここで、ステップS13で載置検出センサ15が全てオン状態と判断されると、本変形例では乗客コンベア1を停止していないのでエンドにそのまま抜けるようにロジックを組んでいる。尚、図7の制御フローチャートでは乗客コンベア1を停止した後の判断なのでステップS14で運転再開を実行するようにしているが、本変形例ではこの処理は必要ないものである。
そして、ステップS13、S15及びS17で、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の載置関係、つまり上階枠体支持アングル9がどの程度だけ上階アングル受台11に載置されているかの実際の載置量の判断処理と、ステップS16、S18及びS19で、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の実際の傾き量の判断処理を実行している。
次に、これら判断処理を基にステップS22に進んで、予め定めた上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の所定載置量と所定傾き量とを比較し、所定のずれ・傾きがあるかを検出し、分岐の判断をする。つまり、ステップS15、S16で求めた実際の載置量と傾き量、ステップS17、S18で求めた実際の載置量と傾き量、及びステップS17、S19で求めた実際の載置量と傾き量の夫々が、予め定めた所定の載置量と傾き量と比較され、この判断の結果に応じてステップS24或いはステップS23に進むものである。
ステップS22での比較の結果、予め定めた所定の載置量と傾き量より実際の載置量と傾き量が小さければ所定のずれ・傾きがないので、ステップS24に進み、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に安全が確保される程度に載置されていることを知らせる音声報知を行い、乗客に無用な心配をしない旨の注意喚起を行う。尚、このような注意喚起を省略して、ステップS21あるいはエンドに進むようにしてもよい。
一方、ステップS22で実際の載置量と傾き量が予め定めた所定の載置量と傾き量より大きいと、所定のずれ・傾きがあるので、乗客コンベア1が脱落する可能性がある状態(安全でない状態)にあると見做してステップS23に進む。ステップS23ではこの判断に基づき乗客コンベア1の運転を停止する。更にステップS24に進んで、例えば上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対して所定以上ずれている、あるいは、安全が確保される程度に載置されていない、あるいは、単に乗客コンベアが使用禁止であることを知らせる警報や音声による報知を行い、乗客に注意喚起を行う。
更に、ステップS21に進んで保守要員に、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の載置状態や傾き状態を報知する。このステップS21では、図7と同様に載置検出センサ15の座標が判明しているので、図7のステップS21と同様に、表示画面上に模擬的に上階枠体支持アングル9、上階アングル受台11を表示し、これに載置検出センサ15のオン状態を重ねて明るく表示することで、より具体的に載置量や傾き状態を把握できるようにしている。
尚、ステップS22では実際の載置量と傾き量の両方を、予め定めた所定の載置量と傾き量とで比較しているが、(1)実際の載置量と所定の載置量との比較、(2)実際の傾き量と所定の傾き量との比較、(3)本変形例のように、実際の載置量と傾き量の両方と、所定の載置量と傾き量との比較、のいずれかを行うことも可能である。
この変形例によると、図7に示す実施例の作用、効果に加えて、建築物の揺れを検出する振動センサの機能を載置検出センサ15に代替して持たせることができ、コストの低減を図ることができる。
また、本実施例では載置状態検出装置14の載置検出センサ15に圧電素子を使用したが、シート状の圧電材料や、更にマットスイッチのような感圧スイッチを用いることもできる。要は、枠体支持アングルとアングル受台の間でどの程度の載置量、傾き量があるか検出できれば良いので、このような機能を備えた検出機構であれば制限はないものである。
例えば、図9にあるようにレーザセンサ19によって上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間でどの程度の載置量があるか検出することができる。上階枠体支持アングル9の下側に位置する枠体4の先端幅方向に複数個のレーザセンサ19が配置されており、上階アングル受台11の下側の建築物壁面20に向けてレーザ光が照射されている。この建築物壁面20にはステンレス板等の反射効率が良い反射板が取り付けられている。レーザセンサ19は照射したレーザの照射光とこれの反射光とから、レーザセンサ19と建築物壁面20の間の距離を測定することができるものであり、これらの原理は良く知られているのでここでは説明を省略する。
そして、正規の取り付け状態の時の複数のレーザセンサ19と建築物壁面20との間の距離と、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11から脱落する距離と、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対してずれた状態の時の複数のレーザセンサ19と建築物壁面20との間の測定された距離(現在の距離)とを用いて、上階枠体支持アングル9が上階アングル受台11に対してどの程度の載置量があるか、また、どのような傾き量を伴ってずれているかどうかを求めることができる。したがって、この載置量と傾き量を用いて図7、図8の制御フローチャートのステップS13乃至ステップS24の処理を実行することが可能となる。
ところで、以上に説明した実施形態では載置検出センサ15やレーザセンサ19の出力状態で、上階枠体支持アングル9と上階アングル受台11の間の載置量と傾き量を求めるようしているが、上階枠体支持アングル9の単位時間内の移動量から乗客コンベア1に作用する加速度を求めることができる。
例えば、図7、図8に示す制御フローチャートは所定時間毎に実行されているので、この制御フローチャートの実行毎にレーザセンサ19で検出された距離を記憶しておき、初期状態での距離と所定時間後の距離の差分変化量から加速度を推定することができる。これによって、乗客コンベア内に設置されている構成部品に、地震等によってどの程度の加振力が作用したか推定することが可能となる。したがって、所定値以上の加振力が加わった場合には乗客コンベアの運転を停止したり、音声により注意喚起を行ったりできるようになる。尚、移動量検出センサとして機能するレーザセンサ19の代わりに、上階枠体支持アングル9の単位時間内の移動量を測定できる他の移動量検出センサを使用することも可能である。
以上述べた通り本発明によれば、枠体支持アングルとアングル受台の間に相互の位置関係を検出する載置状態検出装置を設け、枠体支持アングルの載置状態の変動を載置状態検出装置で検出して報知する構成としている。これによって、枠体支持アングルとアングル受台の間の位置関係を自動的に検出することができ、枠体支持アングルの載置状態を容易に監視することができるようなる。
1…乗客コンベア、2…下階床面、3…上階床面、4…枠体、5…踏段、6…欄干、7…ハンドレール、8…駆動装置、9…上階枠体支持アングル、10…下階枠体支持アングル、11…上階アングル受台、12…下階アングル受台、14…載置状態検出装置、15…載置検出センサ。
Claims (9)
- 建築物の一方の床面と他方の床面との間に設けられた枠体と、前記枠体の一端に設けられた第1枠体支持アングルと、前記枠体の他端に設けられた第2枠体支持アングルと、前記一方の床面に形成され、前記第1枠体支持アングルを支持する第1アングル受部と、前記他方の床面に形成され、前記第2枠体支持アングルを支持する第2アングル受部と、前記枠体内に配置され、前記一方の床面と前記他方の床面との間を無端状に連結されて循環移動する踏板と、前記枠体に取り付けられ、前記踏板の左右に進行方向に沿って立設された欄干とを備えた乗客コンベアにおいて、
少なくとも前記第1枠体支持アングルが前記第1アングル受部に載置されている載置状態を検出する載置状態検出装置と、前記第1枠体支持アングルの載置状態の変動を前記載置状態検出装置で検出して報知する監視装置とを備えたことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1において、
前記載置状態検出装置は前記第1枠体支持アングルと前記第1アングル受部との間に設けられた複数の載置検出センサを有しており、前記監視装置は前記複数の載置検出センサの検出信号から前記第1枠体支持アングルの前記第1アングル受部に対する実際の載置量と傾き量を求めることを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2において、
前記監視装置は前記実際の載置量と傾き量を制御装置に転送し、前記制御装置は前記実際の載置量と傾き量を報知することを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項3において、
前記制御装置は表示装置を備えており、前記表示装置には模擬的に前記第1枠体支持アングルと前記第1アングル受部が表示され、前記制御装置は前記複数の載置検出センサの検出信号を実際の載置量と傾き量を示すように重ねて表示することを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項3或いは請求項4において
前記制御装置、或いは前記監視装置と前記制御装置は乗客コンベアとは別の管理センターに設けられていることを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1において、
前記載置状態検出装置は前記第1枠体支持アングルと前記第1アングル受部との間に設けられた複数の載置検出センサを有し、前記監視装置は前記複数の載置検出センサの検出信号から前記第1枠体支持アングルの前記第1アングル受部に対する実際の載置量と傾き量を求めて制御装置に転送し、前記御装置は(1)前記実際の載置量と予め定めた所定の載置量との比較、(2)前記実際の傾き量と予め定めた所定の傾き量との比較、(3)前記実際の載置量と傾き量の両方と予め定めた所定の載置量と傾き量との比較、のいずれかを行い、前記実際の載置量が前記所定の載置量と傾き量より大きい場合、或いは前記実際の傾き量前記所定の傾き量より大きい場合、或いは前記実際の載置量と傾き量が前記所定の載置量と傾き量より大きい場合は、前記踏板を走行させる駆動装置の駆動を停止することを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項6において、
前記制御装置は表示装置を備えており、前記表示装置には模擬的に前記第1枠体支持アングルと前記第1アングル受部が表示され、前記制御装置は前記複数の載置検出センサの検出信号を実際の載置量と傾き量を示すように重ねて表示することを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1において、
前記載置状態検出装置は前記第1枠体支持アングルの移動量を検出する移動量検出センサを有しており、前記監視装置は前記移動量検出センサの所定時間毎の検出信号から加速度を求めることを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項8において、
前記監視装置は求めた加速度を制御装置に転送し、前記制御装置は転送されてきた加速度が所定の加速度より大きい場合は、前記踏板を走行させる駆動装置の駆動を停止することを特徴とする乗客コンベア。
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- 2014-01-29 JP JP2014013922A patent/JP2015140239A/ja active Pending
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