JP2015139954A - シリコーン部材の接着方法 - Google Patents

シリコーン部材の接着方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015139954A
JP2015139954A JP2014014393A JP2014014393A JP2015139954A JP 2015139954 A JP2015139954 A JP 2015139954A JP 2014014393 A JP2014014393 A JP 2014014393A JP 2014014393 A JP2014014393 A JP 2014014393A JP 2015139954 A JP2015139954 A JP 2015139954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
catheter
silicone
balloon
dlc film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014014393A
Other languages
English (en)
Inventor
舟久保 昭夫
Akio Funakubo
昭夫 舟久保
麻衣 日比野
Mai Hibino
麻衣 日比野
涼 横井
Ryo Yokoi
涼 横井
耕司郎 佐藤
Koushirou Satou
耕司郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Systems Corp
Original Assignee
Fuji Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Systems Corp filed Critical Fuji Systems Corp
Priority to JP2014014393A priority Critical patent/JP2015139954A/ja
Publication of JP2015139954A publication Critical patent/JP2015139954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】シリコーン部材と接着性が低い熱硬化性または常温硬化性樹脂を使用しても、シリコーン部材と熱硬化性または常温硬化性樹脂が剥離することのない接着方法を提供することを目的とする。【解決手段】人工肺の気体交換装置30に使用される中空糸と気体交換装置のハウジング10との接着方法であって、中空糸の表面にDLC成膜を形成する工程と、DLC成膜が形成された中空糸を複数収束して中空糸束20とする工程と、中空糸束をハウジングの中に挿入する工程と、ハウジングと接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂を、ハウジングと中空糸束の所定の領域に充填する工程と、を有することを特徴とするシリコーン部材の接着方法。【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーン部材の接着方法に関するものであり、特に人工肺のシリコーン中空糸のポッティング方法及びバルーンカテーテルのバルーン接着方法に関するものである。
血液のガス交換を行う人工肺は、心臓を数時間停止して行う一般開心術において人工心肺装置に組み込まれ、広く臨床使用されている。又近年では、従来の人工呼吸管理で改善が見込めない重症呼吸不全や遷延する心肺停止症例など、ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation、体外式膜型人工肺)やPCPS(Percutaneous cardiopulmonary support、経皮的心肺補助装置)による長期間の呼吸・循環補助を必要とする症例が増加しており、人工肺の使用時間も長くなっている。その結果、長時間安全に使用することができる優れた抗血栓性・耐久性を有する人工肺の開発が望まれている。
ところで、現在臨床で使用されている人工肺の殆どは、ポリプロピレン製多孔質膜を用いた膜型人工肺である。この人工肺は、細孔を通して血液とガスが直接接触するためガス交換性能に優れているが、使用時間が5〜6時間を超えた場合に中空糸の疎水性が失われて血漿漏出を生じ、ガス交換性能が低下する。そのため、人工肺を長時間使用する呼吸・循環補助においては、定期的な人工肺の交換が必要となり、交換作業時に不具合が発生しない様充分な配慮が作業者に求められている。
そこで、ガス透過性や生体適合性に優れ、血漿漏出を生じない均質膜であるシリコーン中空糸を用いた長期間使用可能な人工肺の研究開発が行われている。例えば特許文献1に、膜厚50〜150μmのシリコーン中空糸を使用し、シリコーン中空糸の外表面に親水性単量体をグラフト重合して抗血栓性処理をした抗血栓性に優れた中空繊維型人工肺の技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、膜厚50μm以下、引張り荷重が5g以上の細くて膜厚が薄く、かつ十分な強度を有するシリコーンゴムチューブの成型方法が開示されている。そして、特許文献2のシリコーンゴムチューブの成型方法で作製されたシリコーン中空糸を用いた気体交換装置が特許文献3に開示されている。
一方、医療用バルーンカテーテルは、本体チューブ上に膨縮可能なバルーンを接着して製造される。このバルーンカテーテルは、フォーリーカテーテル(膀胱留置カテーテル)や気管内チューブ等として、様々な手技や部位で使用されている。
特開昭63−97172号公報 特開平8−323857号公報 特開平9−290020号公報
しかし、上記特許文献1のシリコーン中空繊維型人工肺は、膜厚の厚いシリコーン中空糸を使用しているため、単位膜面積あたりのガス交換性能が低い。このため、ガス交換量を多くしようとすると人工肺が大型になり、人工肺に充填される血液量(プライミングボリューム)が多くなり生体に大きな負荷がかかる。逆に、プライミングボリュームを少なくしようとすると人工肺を小型にすることはできるが、ガス交換量が減少し、ガス交換性能が低下するという問題が発生する。
また、上記特許文献3のシリコーン中空糸を用いた気体交換装置の人工肺は、細くて膜厚が薄く、かつ十分な強度を有するシリコーン中空糸を使用しているため、小型でプライミングボリュームが少なく、かつ高いガス交換性を有する。しかし、人工肺を製造する際、ポッティング材としてシリコーン樹脂を使用しているため、人工肺のハウジング材であるポリカーボネート樹脂との接着強度が弱い。その結果、ポッティング部の切断工程や人工肺内部に高い圧力が加わった際に、人工肺のハウジング材からポッティング部のシリコーン樹脂が剥離してしまうという問題があった。
そこで、ポッティング部の接着強度を向上させる方法として、ハウジング材であるポリカーボネート樹脂やアクリルブタジエンスチレン樹脂と高い接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂であるポリウレタン樹脂やエポキシ樹脂をポッティング材として用いることも考えられるが、シリコーンゴムの化学構造に起因して、シリコーン中空糸とポッティング材の熱硬化性または常温硬化性樹脂との接着強度が低下してしまい接着不良が発生する。
また、ポッティング部を厚くし、接着強度を向上させる方法も考えられるが、この方法ではポッティング部に埋もれてしまう中空糸部分が多く、有効膜面積が小さくなってしまいガス交換性能が低下する。また、ポッティング材の使用量が多くなり、製造コストも高くなるため、シリコーン中空糸を用いた人工肺は製品化に至っていない。
一方、医療用バルーンカテーテルの分野では、血管壁や組織等の損傷を防ぐため、膨張しても軟らかいシリコーンゴム製のバルーンが用いられるが、本体チューブは使用方法等の理由から種々の材料が用いられている。この場合、バルーン及び本体チューブの材料が共にシリコーンゴムである場合には問題ないが、本体チューブの材料がシリコーンゴム以外の材料である場合、シリコーンゴムの化学構造に起因して、バルーンと本体チューブの接着強度が低下してしまい、バルーンの破裂強度よりもバルーンの接着強度が低くなるという問題があった。その結果、バルーンに無理な力がかかってしまった場合、バルーンの接着部が剥がれてしまい、バルーンが脱落してしまう可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、シリコーン部材と接着性が低い熱硬化性または常温硬化性樹脂を使用しても、シリコーン部材と熱硬化性または常温硬化性樹脂が剥離することのない接着方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため以下の構成を有する。
(1)シリコーン部材と同質または異質の他部材とを熱硬化性または常温硬化性樹脂によって接着する接着方法であって、前記シリコーン部材の表面にDLC成膜を形成した後に前記熱硬化性または常温硬化性樹脂により前記同質または異質の他部材との接着を行うことを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
(2)人工肺の気体交換装置に使用される中空糸と前記気体交換装置のハウジングとの接着方法であって、
前記中空糸の表面にDLC成膜を形成する工程と、
前記DLC成膜が形成された中空糸を複数収束して中空糸束とする工程と、
前記中空糸束を前記ハウジングの中に挿入する工程と、
前記ハウジングと接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂を、前記ハウジングと前記中空糸束の所定の領域に充填する工程と、
を有することを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
(3)バルーンカテーテルのバルーンとカテーテルとの接着方法であって、
前記バルーンの前記カテーテルとの接触面にDLC成膜を形成する工程と、
前記DLC成膜が形成されたバルーンを前記カテーテルの先端部に設置する工程と、
前記カテーテルと接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂を、前記カテーテルと前記バルーンの前記DLC成膜の間に充填する工程と、
を有することを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
(4)前記バルーンカテーテルが、コアキシャルチューブ型カテーテルまたはマルチルーメン型カテーテルであることを特徴とする前記(3)記載のシリコーン部材の接着方法。
(5)前記熱硬化性または常温硬化性樹脂は、ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を含むことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
(6)前記DLC成膜において、DLCの膜厚が100nm以上300nm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
(7)前記DLC成膜の工程において、CHのガス分圧を10Pa以上100Pa以下、高周波電源のパワーを100πcmあたり100W、周波数を13.56MHzと設定した前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
本発明によれば、シリコーン部材と接着性が低い熱硬化性または常温硬化性樹脂を使用しても、シリコーン部材と熱硬化性または常温硬化性樹脂が剥離することのない接着方法を提供することができる。
実施例1のシリコーン中空糸気体交換装置の構成を示す図 実施例1のポッティング用治具の装着及びポッティング材の注入を示す図 実施例1の遠心装置によるポッティング材の注入を説明するための図 実施例1のポッティング材の切断前及び切断後の状態を示す図 実施例1のポッティング方法の接着強度を示す図 実施例2のコアキシャルチューブ型カテーテルの構成を示す図 実施例2のマルチルーメン型カテーテルの構成を示す図
本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ以下に説明する。
本発明の要旨は、接着強度が良好なシリコーン部材と熱硬化性または常温硬化性樹脂との接着方法を提供することである。具体的には、ダイヤモンドと同様のSP3結合及びグラファイトと同様のSP2結合を含むカーボンネットワークを基本構造とするアモルファス状の炭素材料であるDLC(diamond−like carbon、ダイヤモンドライクカーボン)がシリコーン中空糸の表面改質に適用できることを見出し、シリコーン中空糸とポッティング材である熱硬化性または常温硬化性樹脂との接着性を向上させたことである。本発明のシリコーン中空糸のポッティング方法を用いた気体交換装置の具体的な内容を、以下に説明する。
[シリコーン中空糸気体交換装置の構造]
図1にシリコーン中空糸気体交換装置30の構造を示す。注入口A 10aより血液等を注入すると、中空糸束20の内腔を通り排出口A 10bより排出される。また、注入口B 10cよりガス(酸素等)を送り込むと、中空糸の周りを流れ排出口B 10dより排出されるため、シリコーン中空糸のガス透過性を利用して気体交換を行い血液を酸素化させることができる。
シリコーン中空糸気体交換装置30に組み込まれているシリコーン中空糸束20は、両端側がポッティング部35で束ねられており、中空糸同士の隙間を埋めている。この中空糸束20を装置内に装填し、ポッティング部35と装置とを接着することで、中空糸束20と同質または異質の他部材であるハウジング10との隙間を埋めている。これにより、注入口A 10aより注入された物質は、全て中空糸の内腔を通り排出口A 10bより排出されることになる。
[DLCの成膜]
シリコーン中空糸に高周波(RF)電源を用いた平行平板型プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により、CHガスからDLCを成膜しシリコーン中空糸の表面改質を行う。この表面改質によって、シリコーン中空糸の表面に硬質膜が成膜される。この場合、シリコーン中空糸のポッティング部のみに成膜されるように所定の範囲をマスキングする。このDLCの成膜では、プラズマCVDを以下の条件(a)及び(b)を満たすように行う。
(a)CHのガス分圧(PCH)を10Pa以上100Pa以下とする。
(b)高周波電源のパワーを100πcmあたり100W、周波数を13.56MHzとする。
このDLC成膜工程により、膜厚100nm以上300nm以下のDLCを、シリコーン中空糸の表面に成膜することが好ましい。
[中空糸束の作製]
次に、複数のDLCの成膜を施したシリコーン中空糸を各々平行に集束し、シリコーン中空糸束20を作製する。この場合、シリコーン中空糸束20の集束密度は均一であってもよいし、不均一であってもよい。また、人工肺のシリコーン中空糸気体交換装置30のハウジング10の内容積に対する容積比率(中空糸充填量)は、10〜45%が好ましい。
[シリコーン中空糸気体交換装置の組み立て]
中空糸束20の両端開口部を、粘度の高い樹脂で閉塞し、シリコーン中空糸気体交換装置30のハウジング10に挿入する。ハウジング10の材質は、例えばポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂であるものとする。ハウジングの両端部には、中空糸束20の端部を覆うポッティング用治具40を取り付ける(図2(a))。ポッティングの際に、中空糸のたるみ・ねじれ・折れなどを防ぐため、中空糸束20の閉塞した端部である閉塞部分21をポッティング用治具40の内部壁面に接着固定する。このポッティング用治具40の上端部と下端部には、ポッティング材50の流入管用ノズル40aと、流出管用ノズル40bが各々に一つずつ設けられており、ポッティング材用ポットの送り込み孔を連結管を介して接続する。ここでポッティング用治具40は、シリコーン中空糸気体交換装置30の大きさや形状に応じて意図する効果が得られるように構成すればよく、ケース分離型もしくはケース一体型でもよい。また、連結管の材質として、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシ重合体などのフッ素系樹脂、そしてポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹脂を用いることが好ましい。
[ポッティング材の注入と仕上げ]
次いで、図2(b)に示したようにシリコーン中空糸気体交換装置30のハウジング10の端部側にポッティング材50を注入する。ポッティング材の材質は、例えばポリウレタン樹脂であるもとする。次に、図3に示したようにポッティング用治具40が装着されたシリコーン中空糸気体交換装置30を遠心装置60に取付け回転させる。この場合、ポッティング材50が連結管、流入管用ノズル、隙間を通流して、ポッティング用治具40及びハウジング10の端部に行きわたる。所望するポッティング部の厚さを超過するポッティング材50は流出管用ノズル40bから排出される。そして、ポッティング材50を硬化させることにより所定厚さのポッティング部35を形成する。
ポッティング材50の注入量は、所望するポッティング部35の厚さに応じて決定することが好ましい。ポッティング材50の熱処理における温度条件とポッティング材50の硬化時間は、ポッティング材50の種類や硬化剤の種類、使用量などに応じて決定することが好ましい。
次いで、ポッティング材50の種類により、必要に応じてポッティング部35の最終物性を出すためのキュアリングを施し固化する。その後、ポッティング用治具40を外し、図4(a)のようにポッティング部35の端面を切断線CLに沿って切断し、平坦面を形成して各中空糸束20の端部を開口させる。こうして、シリコーン中空糸気体交換装置30を得ることができる(図4(b))。
[試験結果]
図5は、上述のポッティング方法で接着した部分の接着強度を示す図である。図中の「Si−Ac−PU」は、シリコーン製の中空糸束20とアクリル樹脂製のハウジング10をポリウレタン樹脂でポッティング、接着した場合を、「Si−Po−PU」は、シリコーン製の中空糸束20とポリカーボネート樹脂製のハウジング10をポリウレタン樹脂でポッティングした場合を示す。「Si−Si−PU」は、シリコーン製の中空糸束20とシリコーン製のハウジング10をポリウレタン樹脂でポッティングした場合を示す。また、ハッチングしたグラフはシリコーン製の中空糸束20の表面にDLC膜を形成した場合を、黒塗りのグラフはDLC膜を形成しなかった場合を示す。なお、「Si−Si−PU」のハッチングしたグラフはシリコーン製の中空糸束20とシリコーン製のハウジング10の両方にDLC膜を形成した場合を示す。
図5から、明らかなように、シリコーン製の中空糸束20の表面にDLC膜を形成することによって、ハウジング10の材質がアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂であってもポリウレタン樹脂で良好にポッティング、接着できることがわかる。
本発明により、シリコーン中空糸をシリコーン樹脂以外の熱硬化性または常温硬化性樹脂のポッティング材で気体交換装置のハウジングにポッティングできることから、ハウジングの材質に適したポッティング材を選択でき、成形不良を生じることなく人工肺を製造することができる。その結果、血漿漏出がなく、安定したガス交換が得られ、高い生体適合性を有し、臨床において長期使用可能な膜型人工肺のシリコーン中空糸気体交換装置を提供することができる。
本実施例は、医療用バルーンカテーテルのバルーンと本体チューブの接着方法に関するものである。医療用バルーンカテーテルのうち、コアキシャルチューブ型カテーテル70を図6に、マルチルーメン型カテーテル80を図7に示す。それぞれのカテーテルについて、以下に説明する。
図6(a)はコアキシャルチューブ型カテーテル70の全体の外観図であり、図6(b)はコアキシャルチューブ型カテーテル70の先端位置でのバルーン73の断面拡大図である。カテーテル74は薬液用注入口72に連結されており、図において左側の端部は開放されている。医療用薬液が、薬液用注入口72から注入されカテーテル74の左端から体内に流入する。図6(b)に示したように、カテーテル74の外側は外側シャフト75に覆われている。外側シャフト75は、バルーン73内部の右端の所定の位置で開放されている。この外側シャフト75の内壁とカテーテル74の外周面の空間に、バルーン膨張液がバルーン膨張液用注入口71から注入されバルーン73を膨張させる。図6(b)のように、バルーン73のカテーテル74との接触面と外側シャフト75との接触面にはDLC膜76が形成されている。バルーン73は通常シリコーンゴムにて作製されるが、カテーテル74及び外側シャフト75はシリコーンゴム以外の材料、例えば熱硬化性または常温硬化性樹脂等で作製される場合もあり、この場合接着剤として熱硬化性または常温硬化性樹脂を使用するとバルーン73の充分な接着強度を得られないという問題があった。そこで、上記したバルーン73の所定位置にDLC膜76を形成することにより充分な接着強度を得ることができる。
図7(a)はマルチルーメン型カテーテル80の全体の外観図であり、図7(b)は先端位置でのバルーン83の断面拡大図であり、図7(c)はA−A断面図である。カテーテル84は薬液用注入口82に連結されており、図において左側の端部は開放されている。医療用薬液が、薬液用注入口82から注入され薬物注入用ルーメン84aを通ってカテーテル84の左端から体内に流入する。図7(c)に示したように、カテーテル84には薬物注入用ルーメン84aが貫通しおり、またバルーン用ルーメン84bも貫通しているが図7(b)に示したようにその左端はバルーン83の位置で穴84cに連結している。そして、バルーン膨張液がバルーン膨張液用注入口81から注入されバルーン用ルーメン84bを通ってバルーン83を膨張させる。図7(b)に示したように、バルーン83のカテーテル84との接触面にはDLC膜85が形成されている。バルーン83は通常シリコーンゴムにて作製されるが、カテーテル84はシリコーンゴム以外の材料、例えば熱硬化性または常温硬化性樹脂等で作製される場合もあり、この場合接着剤として熱硬化性または常温硬化性樹脂を使用するとバルーン83の充分な接着強度が得られないという問題があった。そこで、バルーン83の所定位置にDLC膜85を形成することにより充分な接着強度を得ることができる。
本発明によれば、シリコーンゴム製のバルーンと熱硬化性または常温硬化性樹脂との接着強度が良好な接着方法を提供することができる。
10 ハウジング
10a 注入口A
10b 排出口A
10c 注入口B
10d 排出口B
20 中空糸束
21 閉塞部分
30 シリコーン中空糸気体交換装置
35 ポッティング部
40 ポッティング用治具
40a 流入管用ノズル
40b 流出管用ノズル
50 ポッティング材
60 遠心装置
70 コアキシャルチューブ型カテーテル
71,81 バルーン膨張液用注入口
72,82 薬液用注入口
73,83 バルーン
74,84 カテーテル
75 外側シャフト
76,85 DLC膜
80 マルチルーメン型カテーテル
84a 薬物注入用ルーメン
84b バルーン用ルーメン
84c 穴
CL 切断線

Claims (7)

  1. シリコーン部材と同質または異質の他部材とを熱硬化性または常温硬化性樹脂によって接着する接着方法であって、前記シリコーン部材の表面にDLC成膜を形成した後に前記熱硬化性または常温硬化性樹脂により前記同質または異質の他部材との接着を行うことを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
  2. 人工肺の気体交換装置に使用される中空糸と前記気体交換装置のハウジングとの接着方法であって、
    前記中空糸の表面にDLC成膜を形成する工程と、
    前記DLC成膜が形成された中空糸を複数収束して中空糸束とする工程と、
    前記中空糸束を前記ハウジングの中に挿入する工程と、
    前記ハウジングと接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂を、前記ハウジングと前記中空糸束の所定の領域に充填する工程と、
    を有することを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
  3. バルーンカテーテルのバルーンとカテーテルとの接着方法であって、
    前記バルーンの前記カテーテルとの接触面にDLC成膜を形成する工程と、
    前記DLC成膜が形成されたバルーンを前記カテーテルの先端部に設置する工程と、
    前記カテーテルと接着性を有する熱硬化性または常温硬化性樹脂を、前記カテーテルと前記バルーンの前記DLC成膜の間に充填する工程と、
    を有することを特徴とするシリコーン部材の接着方法。
  4. 前記バルーンカテーテルが、コアキシャルチューブ型カテーテルまたはマルチルーメン型カテーテルであることを特徴とする請求項3記載のシリコーン部材の接着方法。
  5. 前記熱硬化性または常温硬化性樹脂は、ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
  6. 前記DLC成膜において、DLCの膜厚が100nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
  7. 前記DLC成膜の工程において、CHのガス分圧を10Pa以上100Pa以下、高周波電源のパワーを100πcmあたり100W、周波数を13.56MHzと設定した請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシリコーン部材の接着方法。
JP2014014393A 2014-01-29 2014-01-29 シリコーン部材の接着方法 Pending JP2015139954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014014393A JP2015139954A (ja) 2014-01-29 2014-01-29 シリコーン部材の接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014014393A JP2015139954A (ja) 2014-01-29 2014-01-29 シリコーン部材の接着方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015139954A true JP2015139954A (ja) 2015-08-03

Family

ID=53770648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014014393A Pending JP2015139954A (ja) 2014-01-29 2014-01-29 シリコーン部材の接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015139954A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5871145A (ja) * 1981-09-29 1983-04-27 マトバ−ン(ホ−ルデイングス)リミテツド プラスチツクとシリコンゴムとの接合方法
JPH09290020A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Fuji Syst Kk 気体交換装置
JP2001337474A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Canon Inc 光受容部材の製造方法、光受容部材、及び電子写真装置
JP2007194110A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Ngk Insulators Ltd 放電プラズマ発生方法
JP2009099812A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Seiko Epson Corp 可撓性回路基板および電子機器
JP2010158483A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Kaneka Corp 着脱可能なバルーン膨張用液体注入用チューブを備えるバルーンカテーテル
JP2010275423A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Seiko Epson Corp 接合方法および接合体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5871145A (ja) * 1981-09-29 1983-04-27 マトバ−ン(ホ−ルデイングス)リミテツド プラスチツクとシリコンゴムとの接合方法
JPH09290020A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Fuji Syst Kk 気体交換装置
JP2001337474A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Canon Inc 光受容部材の製造方法、光受容部材、及び電子写真装置
JP2007194110A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Ngk Insulators Ltd 放電プラズマ発生方法
JP2009099812A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Seiko Epson Corp 可撓性回路基板および電子機器
JP2010158483A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Kaneka Corp 着脱可能なバルーン膨張用液体注入用チューブを備えるバルーンカテーテル
JP2010275423A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Seiko Epson Corp 接合方法および接合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1158510A (en) Hollow fiber-type artificial lung having enclosed heat exchanger
US6503225B1 (en) Device for removal of gas bubbles and dissolved gasses in liquid
JPS6057872B2 (ja) 熱交換器内蔵中空糸型人工肺
WO2005025661A2 (en) Catheter having an overmolded hub
WO2005075922A1 (ja) 熱交換器、その製造方法及び人工心肺装置
US20100300448A1 (en) Tracheostomy Tube
JP2010088792A (ja) カフ部材及びカフ部材ユニット
WO2017122377A1 (ja) 経皮カテーテル、経皮カテーテルの使用方法
JP2013099432A (ja) バルーンチューブ、バルーンカテーテル及びこれらの製造方法
JP2015139954A (ja) シリコーン部材の接着方法
EP1878453A1 (en) Intra-aortic balloon pumping set
JP2010069224A (ja) カフ部材及びカフ部材ユニット
JP6730430B2 (ja) 経皮カテーテル組立体、経皮カテーテル、およびダイレーター
JP7190221B1 (ja) 接続装置
CN108853686A (zh) 一种深静脉置管末端的二次固定装置
JPH06262043A (ja) 中空糸膜型流体処理装置の製造方法
JPH08289930A (ja) 液体回路脱気用プラグ
JPS61225016A (ja) 医療成形品の製造方法
JP2006055438A (ja) バルーンカテーテル
JP6653185B2 (ja) 気泡発生装置
JP2512616B2 (ja) 体内留置式の中空糸型物質交換装置
JPH029817Y2 (ja)
JPH04309359A (ja) 中空糸膜型流体処理装置の製造方法
JP2024022033A (ja) 中空糸膜モジュールおよび中空糸膜モジュールの製造方法
JPH08126699A (ja) 多層チューブ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180313