JP2015138657A - 二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャットダウン性能に優れる二次電池を提供する。【解決手段】二次電池は、正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回体を備え、該セパレータは、不織布基材と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含み、該セパレータを、該巻回体の巻回方向において、巻き始め部を含む第1の領域と、巻き終わり部を含む第2の領域とに2分したとき、該第1の領域は、第1の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の領域は、第2の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、該第1の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度よりも低い。【選択図】図1
Description
本発明は二次電池に関する。
二次電池のセパレータとして種々のものが知られている。たとえば特開2007−273127号公報(特許文献1)には、熱膨張性マイクロカプセルを含有するセパレータが開示されている。
従来、リチウムイオン二次電池の安全性確保のため、セパレータにはシャットダウン機能が持たされている。ここでシャットダウン機能とは、電池に過大な電流が流れた際に電流を遮断する機能を示す。たとえば、ポリエチレン(PE)製の微多孔膜セパレータは、過大な電流が流れた際に、その発熱によってPEが溶融し細孔が閉塞してLi+の透過を遮断する。
一般に、このような微多孔膜セパレータは延伸法によって製造されている。そのため細孔がシャットダウンしてもセパレータ自体が熱収縮して、正極と負極とが接触してしまい電流遮断が不完全となる場合がある。
ところで、ニッケル水素二次電池等では従前より不織布セパレータが用いられている。不織布セパレータの製造には延伸工程が不要であることから、熱収縮の面で有利である。また不織布セパレータは、たとえばポリプロピレン(PP)等の耐熱性に優れる樹脂から構成することもできる。しかしながら不織布セパレータはシャットダウン機能を有していないため、長らくリチウムイオン二次電池には使用されていない。
特許文献1では、熱膨張性マイクロカプセルを不織布セパレータに含浸させることにより、不織布セパレータにシャットダウン機能を付与する方法が提案されている。かかる熱膨張性マイクロカプセルは所定の温度で膨張を開始し、不織布の細孔を閉塞することができる。しかしながら本発明者が大型電池に当該技術の適用を試みたところ、電池に内蔵される巻回体が大型になると、電流遮断が不完全になることが明らかとなった。
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはシャットダウン性能に優れる二次電池を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究を行なったところ、巻回体が大型になると巻回体の中心部に熱が籠り易くなるとともに、巻回体の外周部は外装体を介した放熱によって温度が上がり難い状態となり、これにより巻回体の中心部と外周部との間で温度差が生じ、中心部で熱膨張性マイクロカプセルによるセパレータのシャットダウンが起こっても、外周部ではシャットダウンが起こらない場合があるとの知見を得、該知見に基づき更に研究を重ねることにより本発明を完成させるに至った。すなわち本発明の二次電池は以下の構成を備える。
(1)本発明の二次電池は、正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回体を備え、該セパレータは、不織布基材と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含み、該セパレータを、該巻回体の巻回方向において、巻き始め部を含む第1の領域と、巻き終わり部を含む第2の領域とに2分したとき、該第1の領域は、第1の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の領域は、第2の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、該第1の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度よりも低い。
上記の構成において、セパレータの巻き始め部を含む第1の領域は巻回体の中心部に対応し、セパレータの巻き終わり部を含む第2の領域は巻回体の外周部に対応する。第1の領域と第2の領域とは、それぞれ膨張開始温度の異なる第1の熱膨張性マイクロカプセルおよび第2の熱膨張性マイクロカプセルを有する。すなわち第1の領域のシャットダウン開始温度と、第2の領域のシャットダウン開始温度とは互いに異なっており、第2の領域(巻回体の外周部)のシャットダウン開始温度は、第1の領域(巻回体の中心部)のシャットダウン開始温度より低い。
したがって大型の巻回体において、中心部と外周部との間に温度差が生じても、セパレータのシャットダウン機能は、巻回方向(長手方向)の全域に亘って、ほぼ同タイミングで作動する。これより本発明の二次電池は、良好なシャットダウン性能を有することができる。
(2)セパレータの巻回方向における長さ寸法をLAとし、セパレータの巻き始め部から第1の領域と第2の領域との境界までの長さ寸法をLBとしたとき、長さ寸法の比LB/LAは、0.3≦LB/LA≦0.7を満たすことが好ましい。これによりセパレータの巻回方向におけるシャットダウンのタイミングを更に均等に近づけることができる。
(3)セパレータは、無機フィラーを更に含むことが好ましい。セパレータが無機フィラーを含むことにより、セパレータに耐熱性が付与される。
本発明の二次電池はシャットダウン性能に優れる。
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」とも記す)について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
<二次電池>
図5は、本実施形態の二次電池の構成の一例を示す模式的な断面斜視図である。図5に示す二次電池1000は円筒形リチウムイオン二次電池であり、いずれも長尺帯状である正極100と負極200とをセパレータ300を介して巻回してなる巻回体400が、非水電解質とともに、電池外装体500に封入されて構成されている。以下、二次電池1000を構成する各部について説明する。
図5は、本実施形態の二次電池の構成の一例を示す模式的な断面斜視図である。図5に示す二次電池1000は円筒形リチウムイオン二次電池であり、いずれも長尺帯状である正極100と負極200とをセパレータ300を介して巻回してなる巻回体400が、非水電解質とともに、電池外装体500に封入されて構成されている。以下、二次電池1000を構成する各部について説明する。
(セパレータ)
図1はセパレータ300の構成の一例を示す模式図である。図1を参照してセパレータ300は、不織布基材301と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含む。セパレータ300はこれらを含む限り、その他の部材や成分を含んでいてもよく、たとえば後述する無機フィラーや結着材、あるいは3種目、4種目となる熱膨張性マイクロカプセルを含んでいてもよい。
図1はセパレータ300の構成の一例を示す模式図である。図1を参照してセパレータ300は、不織布基材301と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含む。セパレータ300はこれらを含む限り、その他の部材や成分を含んでいてもよく、たとえば後述する無機フィラーや結着材、あるいは3種目、4種目となる熱膨張性マイクロカプセルを含んでいてもよい。
セパレータ300は、巻回体400の巻回方向において、巻き始め部STを含む第1の領域R1と、巻き終わり部EDを含む第2の領域R2とを有する。ここで第1の領域R1は、第1の熱膨張性マイクロカプセルC1を有し、第2の領域R2は、第2の熱膨張性マイクロカプセルC2を有すものである。そして本実施形態では、第2の熱膨張性マイクロカプセルC2の膨張開始温度が、第1の熱膨張性マイクロカプセルC1の膨張開始温度よりも低いことを要する。
従来技術では、図3に示す参考例のように、セパレータ30は、不織布基材31に1種の熱膨張性マイクロカプセルC3を含有させたものであった。したがって図4に示すように、過大な電流が流れて電池温度が上昇した際、セパレータ30の巻回方向において、熱膨張性マイクロカプセルC3の膨張開始のタイミングにバラツキが生じ、巻き始め部ST近傍ではシャットダウンが起こっても、巻き終わり部ED周辺では熱膨張性マイクロカプセルの膨張が十分でなく、シャットダウンが起こらない場合があった。
これに対して本実施形態では、セパレータ300が互いに膨張開始温度の異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルを含むことにより、図2に示すように二次電池1000に過大な電流が流れて温度上昇した際、セパレータ300の巻回方向において熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始のタイミングがほぼ均等となるため、良好なシャットダウン性能を示すことができる。
ここで図1を参照してセパレータ300の巻回方向における長さ寸法(全長)をLAとし、セパレータの巻き始め部STから第1の領域R1と第2の領域R2との境界BDまでの長さ寸法をLBとしたとき、長さ寸法の比LB/LAは、0.3≦LB/LA≦0.7を満たすことが好ましい。これによりセパレータ300の全域に亘ってシャットダウンのタイミングをより均等に近づけることができる。なおより好ましくは、長さ寸法の比LB/LAは、0.4≦LB/LA≦0.6を満たす。
前述のようにセパレータ300は熱膨張性マイクロカプセル等を細孔内に含有するが、これらを含有した上でのセパレータ全体としての空孔率(以下「全空孔率」と記す)は、50%以上65%以下であることが好ましい。またセパレータ300の厚さは、好ましくは5μm以上50μm以下であり、より好ましくは10μm以上40μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上30μm以下である。全空孔率と厚さが上記範囲を占めることにより、好適な保液性とイオン透過性とを有することができるからである。
(不織布基材)
セパレータ300は不織布基材301を含む。基材に熱収縮が少ない不織布を用いることによりシャットダウン機能の発現を確実なものとすることができる。これに対して基材に微多孔膜を用いるとシャットダウンする前に、基材の熱収縮に伴い熱膨張性マイクロカプセルが動いてしまい効果的にシャットダウンできない場合がある。
セパレータ300は不織布基材301を含む。基材に熱収縮が少ない不織布を用いることによりシャットダウン機能の発現を確実なものとすることができる。これに対して基材に微多孔膜を用いるとシャットダウンする前に、基材の熱収縮に伴い熱膨張性マイクロカプセルが動いてしまい効果的にシャットダウンできない場合がある。
不織布基材301は合成繊維を織らずに絡み合わせたシート状部材である。合成繊維としては、たとえばポリプロピレン(PP)繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等を用いることができる。これらのうちPP繊維が材料コストと耐熱性とのバランスの観点から好ましい。
(熱膨張性マイクロカプセル)
本実施形態の熱膨張性マイクロカプセルは、たとえば熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル樹脂)と、液体状炭化水素からなる内包物とから構成することができる。このような熱膨張性マイクロカプセルを加熱していくと、まずシェル樹脂の軟化が始まり、同時に内包物である液体状炭化水素がガス化を始め、内圧が上昇して膨張する。膨張時は内圧とシェル樹脂の張力とが釣り合って膨張状態が保持される。このとき熱膨張性マイクロカプセルの体積は、膨張前に比べて3〜10倍程度の体積に膨張する。
本実施形態の熱膨張性マイクロカプセルは、たとえば熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル樹脂)と、液体状炭化水素からなる内包物とから構成することができる。このような熱膨張性マイクロカプセルを加熱していくと、まずシェル樹脂の軟化が始まり、同時に内包物である液体状炭化水素がガス化を始め、内圧が上昇して膨張する。膨張時は内圧とシェル樹脂の張力とが釣り合って膨張状態が保持される。このとき熱膨張性マイクロカプセルの体積は、膨張前に比べて3〜10倍程度の体積に膨張する。
したがって熱膨張性マイクロカプセルを不織布基材301に多数含有させておくことにより、温度上昇時に、不織布の細孔を膨張した熱膨張性マイクロカプセルによって閉塞できる。すなわち不織布セパレータにシャットダウン機能を付与することができる。このときシェル樹脂の軟化開始温度および内包物の発泡開始温度(すなわち膨張開始温度)はシャットダウン開始温度と考えることができる。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、電池仕様(設計容量、巻回体の大きさ等)に合わせて適宜選択が可能である。たとえば、過充電試験において巻回体の中心部と外周部との間に、どの程度の温度差が生じているかを予め把握し、第1の熱膨張性マイクロカプセルC1の膨張開始温度と、第2の熱膨張性マイクロカプセルC2の膨張開始温度とが、巻回体の温度差に対応する温度差を有するように、シェル樹脂および内包物を選択すればよい。
ここで第1の熱膨張性マイクロカプセルC1の膨張開始温度は、たとえば120℃程度であり、第2の熱膨張性マイクロカプセルC2の膨張開始温度は、たとえば100℃程度である。そして第1の熱膨張性マイクロカプセルC1の膨張開始温度と第2の熱膨張性マイクロカプセルC2の膨張開始温度との温度差は、たとえば10℃〜40℃程度であり、好ましくは10℃〜30℃程度であり、より好ましくは10℃〜20℃程度である。
熱膨張性マイクロカプセルは、従来公知の方法によって不織布基材301に含有させることができる。たとえば熱膨張性マイクロカプセルと結着材(たとえばポリフッ化ビニリデン:PVdF)と溶媒(たとえばN−メチルピロリドン:NMP)とからなるスラリーを不織布基材301に塗布する、あるいは該スラリーに不織布基材301を含浸することにより、熱膨張性マイクロカプセルを不織布基材301に含有させることができる。
不織布基材301における熱膨張性マイクロカプセルの目付量は、0.2g/m2以上2.0g/m2以下であることが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの目付量が該範囲を占めることにより、IV抵抗を過度に増加させることなくセパレータをより確実にシャットダウンさせることができる。
(無機フィラー)
本実施形態のセパレータ300は、さらに無機フィラーFを含むことができる。耐熱性に優れる無機フィラーFを含むことにより、セパレータ300の熱収縮をさらに小さくすることができる。ここで無機フィラーFとしては、たとえばアルミナ(Al2O3)、ベーマイト(Al2O3・H2O)、チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)等を用いることができる。またこれら以外にも耐熱性を有しかつ圧縮に対する強度を有するものであれば、同様の作用を有するものとして、セパレータ300に含ませることができる。
本実施形態のセパレータ300は、さらに無機フィラーFを含むことができる。耐熱性に優れる無機フィラーFを含むことにより、セパレータ300の熱収縮をさらに小さくすることができる。ここで無機フィラーFとしては、たとえばアルミナ(Al2O3)、ベーマイト(Al2O3・H2O)、チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)等を用いることができる。またこれら以外にも耐熱性を有しかつ圧縮に対する強度を有するものであれば、同様の作用を有するものとして、セパレータ300に含ませることができる。
不織布基材301における無機フィラーFの目付量は、2g/m2以上10g/m2であることが好ましい。無機フィラーFの目付量が該範囲を占めることにより、IV抵抗を過度に増加させることなく、セパレータの耐熱性を向上させることができる。
無機フィラーFを不織布基材301に含有させる方法としては、上記熱膨張性マイクロカプセルと同様の方法が挙げられる。したがって、たとえば熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーを含むスラリーを作製し、該スラリーを不織布基材301に塗布・含浸することもできる。
(正極)
正極100は、正極集電体上に正極活物質と導電助材と結着材とを含む正極合材層が固着されてなる。正極活物質には、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiNiaCobO2(a+b=1、0<a<1、0<b<1)、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiaCobMncO2(a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1)、LiFePO4等を用いることができる。また導電助材には、たとえばアセチレンブラック(AB)等を用いることができ、結着材には、たとえばPVdFやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。
正極100は、正極集電体上に正極活物質と導電助材と結着材とを含む正極合材層が固着されてなる。正極活物質には、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiNiaCobO2(a+b=1、0<a<1、0<b<1)、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiaCobMncO2(a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1)、LiFePO4等を用いることができる。また導電助材には、たとえばアセチレンブラック(AB)等を用いることができ、結着材には、たとえばPVdFやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。
(負極)
負極200は、負極集電体上に負極活物質と結着材とを含む負極合材層が固着されてなる。負極活物質には、たとえば黒鉛、コークス等の炭素系負極活物質や、珪素(Si)、錫(Sn)等の合金系負極活物質を用いることができる。また結着材には、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)等を用いることができる。
負極200は、負極集電体上に負極活物質と結着材とを含む負極合材層が固着されてなる。負極活物質には、たとえば黒鉛、コークス等の炭素系負極活物質や、珪素(Si)、錫(Sn)等の合金系負極活物質を用いることができる。また結着材には、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)等を用いることができる。
(非水電解質)
非水電解質には、リチウム塩を非プロトン性溶媒に溶解させたものを用いることができる。非プロトン性溶媒としては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γBL)およびビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。溶媒組成は、たとえばEC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)である。またリチウム塩には、たとえばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li(CF3SO2)2N、Li(CF3SO3)等を用いることができる。塩濃度は、たとえば0.5〜2.0mol/L程度である。なお非水電解質はゲル状あるいは固体状であってもよい。
非水電解質には、リチウム塩を非プロトン性溶媒に溶解させたものを用いることができる。非プロトン性溶媒としては、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γBL)およびビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。溶媒組成は、たとえばEC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)である。またリチウム塩には、たとえばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li(CF3SO2)2N、Li(CF3SO3)等を用いることができる。塩濃度は、たとえば0.5〜2.0mol/L程度である。なお非水電解質はゲル状あるいは固体状であってもよい。
以上のように二次電池1000の説明を行なったが、これらは一例に過ぎず、本実施形態の二次電池は角形電池やパウチ形電池とすることもできる。また本実施形態の二次電池はリチウムイオン二次電池のような非水系電池に限られず、たとえばニッケル水素二次電池のような水系電池であってもよい。
以下、実施例を挙げて本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお以下の説明において「平均粒子径」は、レーザ回折・散乱法によるメジアン径(d50)を示すものとする。
<実施例1>
以下のようにして円筒形リチウムイオン二次電池を作製し、過充電試験を行なってシャットダウン性能を評価した。
以下のようにして円筒形リチウムイオン二次電池を作製し、過充電試験を行なってシャットダウン性能を評価した。
(正極の作製)
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)と、導電助材(AB)と、増粘材(CMC−Na)と、結着材(PTFE)とを混合し、さらにこれに水を加えて混練することにより正極合材スラリーを得た。
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)と、導電助材(AB)と、増粘材(CMC−Na)と、結着材(PTFE)とを混合し、さらにこれに水を加えて混練することにより正極合材スラリーを得た。
正極合材スラリーを正極集電体(Al箔)上に塗工質量が30mg/cm2となるように塗工、乾燥し、正極100のフープ(幅54mm)を得た。
(負極の作製)
負極活物質(鱗片状黒鉛、平均粒子径10μm)と、結着材(SBR)と、増粘材(CMC−Na)とを水中で混練することにより負極合材スラリーを得た。
負極活物質(鱗片状黒鉛、平均粒子径10μm)と、結着材(SBR)と、増粘材(CMC−Na)とを水中で混練することにより負極合材スラリーを得た。
負極合材スラリーを負極集電体(Cu箔)上に塗工質量が18mg/cm2となるように塗工、乾燥し、負極200のフープ(幅56mm)を得た。
(セパレータの作製)
(i)第1の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーの作製
第1の熱膨張性マイクロカプセルC1として、マツモトマイクロスフィアー(登録商標)FN−100SS(銘柄、松本油脂製薬株式会社製)を準備した。この熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は120℃である。第1の熱膨張性マイクロカプセルと、結着材(PVdF)とを、滴量の溶媒(NMP)に投入し、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散させることにより第1の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーを得た。
(i)第1の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーの作製
第1の熱膨張性マイクロカプセルC1として、マツモトマイクロスフィアー(登録商標)FN−100SS(銘柄、松本油脂製薬株式会社製)を準備した。この熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は120℃である。第1の熱膨張性マイクロカプセルと、結着材(PVdF)とを、滴量の溶媒(NMP)に投入し、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散させることにより第1の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーを得た。
(ii)第2の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーの作製
第2の熱膨張性マイクロカプセルC2として、マツモトマイクロスフィアーFN−80GS(膨張開始温度100℃)を準備することを除いては、上記と同様にして第2の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーを作製した。
第2の熱膨張性マイクロカプセルC2として、マツモトマイクロスフィアーFN−80GS(膨張開始温度100℃)を準備することを除いては、上記と同様にして第2の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーを作製した。
(iii)無機フィラー含有スラリーの作製
無機フィラーFとしてアルミナフィラー(平均粒子径0.7μm)を準備した。そして上記と同様にして、無機フィラーをPVdFとともにNMPに分散させて、無機フィラー含有スラリーを得た。なお今回の実験では、熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーと無機フィラー含有スラリーとを別々に作製したが、熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーの両方を含有するスラリーを作製しても構わない。
無機フィラーFとしてアルミナフィラー(平均粒子径0.7μm)を準備した。そして上記と同様にして、無機フィラーをPVdFとともにNMPに分散させて、無機フィラー含有スラリーを得た。なお今回の実験では、熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーと無機フィラー含有スラリーとを別々に作製したが、熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーの両方を含有するスラリーを作製しても構わない。
(iv)不織布基材への含浸
不織布基材301としてPP製の不織布(幅59.5mm、厚さ25μm)を準備した。図1を参照して、不織布基材301に上記で作製した2種の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーおよび無機フィラー含有スラリーを、グラビアコーターを用いて不織布基材301にパターン塗工することにより、2種の熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーを含むセパレータ300を得た。なおセパレータ300は、巻き始め部STを含む第1の領域R1に第1の熱膨張性マイクロカプセルC1を含み、巻き終わり部EDを含む第2の領域R2に第2の熱膨張性マイクロカプセルC2を含むものである。
不織布基材301としてPP製の不織布(幅59.5mm、厚さ25μm)を準備した。図1を参照して、不織布基材301に上記で作製した2種の熱膨張性マイクロカプセル含有スラリーおよび無機フィラー含有スラリーを、グラビアコーターを用いて不織布基材301にパターン塗工することにより、2種の熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーを含むセパレータ300を得た。なおセパレータ300は、巻き始め部STを含む第1の領域R1に第1の熱膨張性マイクロカプセルC1を含み、巻き終わり部EDを含む第2の領域R2に第2の熱膨張性マイクロカプセルC2を含むものである。
(非水電解質の調整)
ECとEMCとDECとを、EC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)となるように混合して非プロトン性溶媒を得た。次いで該非プロトン性溶媒に溶質としてLiPF6(1.0mol/L)を溶解させることにより、非水電解質を得た。
ECとEMCとDECとを、EC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)となるように混合して非プロトン性溶媒を得た。次いで該非プロトン性溶媒に溶質としてLiPF6(1.0mol/L)を溶解させることにより、非水電解質を得た。
(組み立て)
図5を参照して、正極100と負極200とがセパレータ300を介して対向するように巻回して巻回体400を得た。次いで巻回体400を、円筒形の電池外装体500(直径18mm、高さ650mm)に挿入し、続いて非水電解質を注液した。さらに電池外装体500を封止することにより、円筒形リチウムイオン二次電池(規格サイズ18650、定格容量1.0Ah)を得た。
図5を参照して、正極100と負極200とがセパレータ300を介して対向するように巻回して巻回体400を得た。次いで巻回体400を、円筒形の電池外装体500(直径18mm、高さ650mm)に挿入し、続いて非水電解質を注液した。さらに電池外装体500を封止することにより、円筒形リチウムイオン二次電池(規格サイズ18650、定格容量1.0Ah)を得た。
<実施例2>
第2の熱膨張性マイクロカプセルとして、マツモトマイクロスフィアーF−48(膨張開始温度90℃)を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
第2の熱膨張性マイクロカプセルとして、マツモトマイクロスフィアーF−48(膨張開始温度90℃)を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例3>
第1の熱膨張性マイクロカプセルとして、マツモトマイクロスフィアーF−65(膨張開始温度110℃)を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
第1の熱膨張性マイクロカプセルとして、マツモトマイクロスフィアーF−65(膨張開始温度110℃)を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<比較例1および2>
不織布基材301に含浸する熱膨張性マイクロカプセルを1種とし、マツモトマイクロスフィアーFN−100SS(膨張開始温度120℃)またはマツモトマイクロスフィアーFN−80GS(膨張開始温度100℃)のいずれか一方を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
不織布基材301に含浸する熱膨張性マイクロカプセルを1種とし、マツモトマイクロスフィアーFN−100SS(膨張開始温度120℃)またはマツモトマイクロスフィアーFN−80GS(膨張開始温度100℃)のいずれか一方を用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例4〜8>
不織布基材301の空孔率を変化させて、熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーを含浸後のセパレータ全体としての空孔率(すなわち全空孔率)を表2に示すように変化させたことを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
不織布基材301の空孔率を変化させて、熱膨張性マイクロカプセルおよび無機フィラーを含浸後のセパレータ全体としての空孔率(すなわち全空孔率)を表2に示すように変化させたことを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例9〜14>
図1を参照してセパレータ300の巻回方向における長さ寸法LAと、セパレータの巻き始め部STから第1の領域R1と第2の領域R2との境界BDまでの長さ寸法LBとの比であるLB/LAが、表3に示す数値になるように塗工パターンを変更することを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
図1を参照してセパレータ300の巻回方向における長さ寸法LAと、セパレータの巻き始め部STから第1の領域R1と第2の領域R2との境界BDまでの長さ寸法LBとの比であるLB/LAが、表3に示す数値になるように塗工パターンを変更することを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例15〜21>
表4に示すように、熱膨張性マイクロカプセルの目付量を変更することを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
表4に示すように、熱膨張性マイクロカプセルの目付量を変更することを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例22〜24>
表5に示すように、無機フィラーとしてベーマイト、シリカおよびチタニアを用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
表5に示すように、無機フィラーとしてベーマイト、シリカおよびチタニアを用いることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<実施例25〜30>
表6に示すように、無機フィラーの目付量を変化させることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
表6に示すように、無機フィラーの目付量を変化させることを除いては、実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン二次電池を得た。
<評価>
以下のようにして上記で得た各電池の評価を行なった。結果を表1〜表6に示す。
以下のようにして上記で得た各電池の評価を行なった。結果を表1〜表6に示す。
(過充電試験)
室温環境において、市販の熱電対とデータロガーを用いて、電池外装体側面の温度を計測しながら1It(1.0A)の電流値でSOC(State of charge)が160%となるまで充電を行ない、電池外装体側面の最高到達温度を測定した。
室温環境において、市販の熱電対とデータロガーを用いて、電池外装体側面の温度を計測しながら1It(1.0A)の電流値でSOC(State of charge)が160%となるまで充電を行ない、電池外装体側面の最高到達温度を測定した。
(常温IV抵抗の測定)
室温環境において電池のSOCを20%に調整し、0.3A、1.0A、3.0Aの各電流値で10秒間放電を行なって、電圧降下量を計測し、電流値(I)と電圧降下量(ΔV)とから常温IV抵抗を算出した。
室温環境において電池のSOCを20%に調整し、0.3A、1.0A、3.0Aの各電流値で10秒間放電を行なって、電圧降下量を計測し、電流値(I)と電圧降下量(ΔV)とから常温IV抵抗を算出した。
<結果と考察>
[1:互いに膨張開始温度が異なる熱膨張性マイクロカプセルを複数含有する場合のシャットダウン性能に関する考察]
表1に示すように、実施例1〜3と比較例1および2とを比較すると、実施例1〜3はいずれも最高到達温度が低く優れたシャットダウン性能を有していた。この理由は、実施例1〜3では、過充電時に巻回体の中心部(第1の領域R1)と外周部(第2の領域R2)との間に生じた温度差に対応して、中心部と外周部で熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度を変えたため、セパレータの全域に亘って均一にシャットダウンが起こったからであると考えられる。
[1:互いに膨張開始温度が異なる熱膨張性マイクロカプセルを複数含有する場合のシャットダウン性能に関する考察]
表1に示すように、実施例1〜3と比較例1および2とを比較すると、実施例1〜3はいずれも最高到達温度が低く優れたシャットダウン性能を有していた。この理由は、実施例1〜3では、過充電時に巻回体の中心部(第1の領域R1)と外周部(第2の領域R2)との間に生じた温度差に対応して、中心部と外周部で熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度を変えたため、セパレータの全域に亘って均一にシャットダウンが起こったからであると考えられる。
これに対して比較例1および2では、熱膨張性マイクロカプセルを1種とした為、セパレータの巻回方向においてシャットダウンにバラツキが生じ、電流遮断が不完全になったものと考えられる。
したがって、正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回体を備え、該セパレータは、不織布基材と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含み、該セパレータを、該巻回体の巻回方向において、巻き始め部を含む第1の領域と、巻き終わり部を含む第2の領域とに2分したとき、該第1の領域は、第1の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の領域は、第2の熱膨張性マイクロカプセルを有し、該第2の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、該第1の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度よりも低い実施例に係る二次電池は、シャットダウン性能に優れるといえる。
[2:セパレータの全空孔率に関する考察]
表2に示すようにセパレータの全空孔率が50%以上65%以下の範囲では、シャットダウン性能および常温IV抵抗がともに良好である。しかし全空孔率が45%になると常温IV抵抗が増加している。この電池のインピーダンス解析を行なったところ、抵抗の直流成分が増加していることが確認されたことから、セパレータのイオン透過性が低くなっているものと推定される。以上の結果からセパレータの全空孔率は50%以上65%以下であることが好ましいといえる。
表2に示すようにセパレータの全空孔率が50%以上65%以下の範囲では、シャットダウン性能および常温IV抵抗がともに良好である。しかし全空孔率が45%になると常温IV抵抗が増加している。この電池のインピーダンス解析を行なったところ、抵抗の直流成分が増加していることが確認されたことから、セパレータのイオン透過性が低くなっているものと推定される。以上の結果からセパレータの全空孔率は50%以上65%以下であることが好ましいといえる。
[3:長さ寸法の比LB/LAに関する考察]
表3に示すように、LB/LA=0.5のときに過充電時の最高到達温度が最も低い。したがってLB/LA=0.5のときに、過充電時、温度が高くなりやすい巻回体の中心部と、膨張開始温度が高い方(120℃)の熱膨張性マイクロカプセルを含む第1の領域R1とが、位置的に対応していることが示唆される。
表3に示すように、LB/LA=0.5のときに過充電時の最高到達温度が最も低い。したがってLB/LA=0.5のときに、過充電時、温度が高くなりやすい巻回体の中心部と、膨張開始温度が高い方(120℃)の熱膨張性マイクロカプセルを含む第1の領域R1とが、位置的に対応していることが示唆される。
表1および表3から、LB/LA=0.5を中心としてその両側すなわちLB/LA=0.3、0.4、0.6、0.7では、0.5には若干劣るもののシャットダウン性能に優れることが分かる。しかしLB/LA=0.2では最高到達温度が高い結果となった。これは第1の領域R1の面積が小さい為であると考えられる。またLB/LA=0.8では、セパレータの全面に膨張開始温度が120℃の熱膨張性マイクロカプセルを含浸したもの(比較例1)と殆ど差が見られなかった。
これらの結果から、LB/LAは好ましくは0.3以上0.7以下であり、より好ましくは0.4以上0.6以下であるといえる。
[4:熱膨張性マイクロカプセルの目付量に関する考察]
熱膨張性マイクロカプセルの膨張率は3〜10倍と非常に大きいために、少量の使用でもシャットダウン効果が期待できる。しかし目付量が0.1g/cm2になると温度上昇が大きくなった。よって目付量は0.1g/cm2を超えることが好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張率は3〜10倍と非常に大きいために、少量の使用でもシャットダウン効果が期待できる。しかし目付量が0.1g/cm2になると温度上昇が大きくなった。よって目付量は0.1g/cm2を超えることが好ましい。
また表1および表4に示すように、熱膨張性マイクロカプセルの目付量が0.2〜2.0g/cm2の範囲では過充電時の最高到達温度が低く安定している。ただし目付量の増加に伴って許容範囲であるものの常温IV抵抗の増加が確認できる。そして目付量が2.1g/cm2では常温IV抵抗の増加が無視できないレベルに達している。したがって目付量は2.1g/cm2未満であることが好ましい。
以上の結果を考慮すると、熱膨張性マイクロカプセルの目付量は、0.2g/cm2以上2.0g/cm2以下が好ましいといえる。
[5:無機フィラーの種類に関する考察]
表1および表5から分かるように無機フィラーをシリカ、チタニア等に変更しても、アルミナと同様の効果が得られている。したがってフィラーには、無機フィラー以外にも、耐熱性を有しかつ圧縮に対する強度が高いものを広く利用できるものと考えられる。
表1および表5から分かるように無機フィラーをシリカ、チタニア等に変更しても、アルミナと同様の効果が得られている。したがってフィラーには、無機フィラー以外にも、耐熱性を有しかつ圧縮に対する強度が高いものを広く利用できるものと考えられる。
[6:無機フィラーの目付量に関する考察]
無機フィラーは熱膨張性マイクロカプセルよりも高い耐熱性および強度を有している。したがって無機フィラーは、内部短絡時の短絡面積の拡大防止に留まらず、電極間距離の維持にも寄与できると考えられる。熱膨張性マイクロカプセルは、過度に加熱されると収縮するため、そのような場合電極距離を維持できなくなる可能性がある。そこで無機フィラーを併用することにより、熱膨張性マイクロカプセルが収縮してしまうような場合にも電極間距離を維持できる。
無機フィラーは熱膨張性マイクロカプセルよりも高い耐熱性および強度を有している。したがって無機フィラーは、内部短絡時の短絡面積の拡大防止に留まらず、電極間距離の維持にも寄与できると考えられる。熱膨張性マイクロカプセルは、過度に加熱されると収縮するため、そのような場合電極距離を維持できなくなる可能性がある。そこで無機フィラーを併用することにより、熱膨張性マイクロカプセルが収縮してしまうような場合にも電極間距離を維持できる。
表6に示すように無機フィラーの目付量が1.0g/cm2になると温度上昇が大きくなった。これは電極間距離の維持に寄与する無機フィラーの量が十分でなかったものと考えられる。表1および表6に示すように、目付量が2.0〜10.0g/cm2の範囲では安定したシャットダウン性能を示している。しかし熱膨張性マイクロカプセルと同様に、目付量の増加に伴って、許容範囲であるものの常温IV抵抗の増加が確認できる。そして目付量が11.0g/cm2になると常温IV抵抗の増加が無視できないレベルに達している。
以上の結果から無機フィラーの目付量は、2.0g/cm2以上10.0g/cm2以下が好ましいといえる。
以上のように本実施形態および実施例について説明を行なったが、今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 正極、200 負極、30,300 セパレータ、31,301 不織布基材、400 巻回体、500 電池外装体、1000 二次電池、C1 第1の熱膨張性マイクロカプセル、C2 第2の熱膨張性マイクロカプセル、C3 熱膨張性マイクロカプセル、F 無機フィラー、R1 第1の領域、R2 第2の領域、ST 巻き始め部、ED 巻き終わり部、BD 境界、LA,LB 長さ寸法。
Claims (1)
- 正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回体を備え、
前記セパレータは、不織布基材と、膨張開始温度が互いに異なる2種以上の熱膨張性マイクロカプセルとを含み、
前記セパレータを、前記巻回体の巻回方向において、巻き始め部を含む第1の領域と、巻き終わり部を含む第2の領域とに2分したとき、
前記第1の領域は、第1の熱膨張性マイクロカプセルを有し、前記第2の領域は、第2の熱膨張性マイクロカプセルを有し、
前記第2の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、前記第1の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度よりも低い、二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014009491A JP2015138657A (ja) | 2014-01-22 | 2014-01-22 | 二次電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2021086745A (ja) * | 2019-11-28 | 2021-06-03 | トヨタ紡織株式会社 | 二次電池用セパレータ |
WO2023276738A1 (ja) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 日本ゼオン株式会社 | 非水系二次電池機能層用スラリー組成物、非水系二次電池用セパレータ、および非水系二次電池 |
-
2014
- 2014-01-22 JP JP2014009491A patent/JP2015138657A/ja active Pending
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