以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.電子時計の概要
図1は本実施形態の電子時計1の外観図であり、電子時計1を表示部4に垂直かつ表示部を視認可能な方向(正面)からみた平面図である。
本実施形態に係る電子時計1は、操作を受け付ける操作部と、操作部が前記操作を受け付けた時刻からの経過時間を計時する計時部と、前記経過時間を表示する表示部4と、を備えて構成されている。
図1に示すように、本実施形態の電子時計1は、腕時計であり、時計ケース2や時計ケース2に連結された一対のバンド3等を備える。
時計ケース2の正面には、電気泳動表示(EPD:Electrophoretic Display)パネルで構成された表示部4が設けられ、時計ケース2の側面(正面の方向に対して垂直な方向)には、操作ボタンA(5a)と操作ボタンB(5b)(操作を受け付ける操作部の一例)とが設けられている。操作ボタンA(5a)及び操作ボタンB(5b)は、例えば、タッチパネルを用いて構成されていてもよい。
操作ボタンA(5a)又は操作ボタンB(5b)の押下操作(入力操作)に応じて、表示部4には各種の画像、例えば、操作ボタンA(5a)又は操作ボタンB(5b)が操作を受け付けた時刻からの経過時間、1分毎あるいは1秒毎に更新される時刻情報を含む各種の画像、時刻修正用の画像等が表示される。
時計ケース2の内部には、表示部4と表示部4を駆動する駆動装置(不図示)と操作部が操作を受け付けた時刻からの経過時間を計時する計時部(不図示)とを備えた電気泳動表示装置(表示部4以外は不図示)が設けられている。
2.電気泳動表示装置の構成
図2は、本実施形態の電子時計1が備える電気泳動表示装置7の機能ブロック図である。図2に示すように、本実施形態の電子時計1が備える電気泳動表示装置7は、表示部4(図1参照)と駆動装置6とを有し、駆動装置6は、演算IC(Integrated Circuit)10、リアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)IC20、描画IC30、温度計測IC40及びリセットIC50を備えている。後述するように、本実施形態では、これらのIC及び表示部4の低消費電力化を実現することで、電気泳動表示装置7は、ボタン電池等の小容量の一次電池60でも数年間動作を継続するように構成されている。ただし、電気泳動表示装置7は、充電可能な電池(二次電池)で動作するように構成されていてもよい。
本実施形態では、演算IC10は、書き換え可能なフラッシュROM12が内蔵された汎用性の高いマイクロコンピューターユニット(MCU)を用いて実現されており、フラッシュROM12に記憶されているプログラムやデータに従って動作する。従って、フラッシュROM12に記憶されるプログラムやデータを書き換えることで、演算IC10の機能を容易に変更可能である。また、演算IC10が内蔵されたムーブメント(時計の駆動装置)の状態でプログラムやデータを書き換えることもできるので、プログラム変更にも容易に対応することができる。
演算IC10は、操作ボタンA(5a)及び操作ボタンB(5b)の押下操作(入力操作)に応じて、表示部4に表示する画像の種類、モード及び複数のモードの組み合わせを判断する処理を行う。演算IC10が判断するモードは、例えば、表示モードとして、時刻を表示する時刻表示モード、後述されるスポーツタイマーモード、スポーツタイマーモードにおける第1モード及び第2モード、時刻を修正するための時刻修正モード等がある。また、演算IC10が判断するモードは、例えば、動作モードとして、1分毎に更新される時刻表示又は経過時間表示を含む画像が表示部4に表示される分更新モード、1秒毎に更新される時刻表示又は経過時間表示を含む画像が表示部4に表示される秒更新モード等がある。
演算IC10は、例えば、分更新モード、秒更新モードでは、リアルタイムクロックIC20から日付や時刻等の時刻情報を取得し、表示部4に表示する内容を決定する処理を行い、時刻修正モードでは、操作ボタンA(5a)及び操作ボタンB(5b)の押下操作(入力操作)に応じた時刻修正値をリアルタイムクロックIC20に送信する処理を行う。
フラッシュROM12には、表示部4に表示されている画像を消去するためのマクロ命令(画像消去のマクロ命令)や表示部4に新規画像を描画するためのマクロ命令(新規画像描画のマクロ命令)が記憶されている。演算IC10は、所定のタイミングで、フラッシュROM12から所望のマクロ命令を読み出し、描画IC30に送信する処理を行う。
また、演算IC10は、描画IC30から表示部4に画像データを転送させる処理や描画IC30に表示部4を駆動させる処理を行う。また、演算IC10は、表示部4を駆動するための基準信号(例えば4kHz)を描画IC30に供給する。
また、演算IC10は、リセットIC50からリセット信号が供給された時に、例えば強制的に時刻修正モードにするなどの初期化処理を行う。
また、演算IC10は、温度計測IC40や描画IC30に電力を供給する処理、温度計測IC40から温度計測値を読み出す処理、読み出した温度計測値に基づいて表示部4の駆動パルスの印加時間や印加タイミングを決定する処理を行う。
また、演算IC10は通常動作モードとスリープモードとを有しており、通常動作モードでは演算IC10に内蔵の発振回路(例えば、コンデンサーC(Capacitor)と抵抗R(Resistor)で構成されたCR発振回路)が出力するクロック信号に同期して動作し、スリープモードでは発振回路が停止して通常動作モードよりも低消費電力となる。低消費電力化を実現するために、演算IC10は、表示部4の表示を更新するための処理(上記の各処理)を行う時は通常動作モードで動作し、何も処理を行わない時は、現在のモード情報や使用中のデータを演算IC10に内蔵のRAM(Random Access Memory)(不図示)に退避し、スリープモードで待機する。例えば、分更新モードや絵巻モードが選択されている場合、演算IC10は、通常動作モードの時に、表示部4に表示させる画像の描画情報(マクロ命令)を描画IC30に送信し、リアルタイムクロックIC20が有するタイマー22に計測を開始させた後、スリープモードに移行する。また、演算IC10は、スリープモードの時に、リアルタイムクロックIC20からタイマー22の所定時間を計測したこと(計測終了)を示す割り込み信号INT(計測終了信号)を受信して通常動作モードに移行する。
この他、演算IC10は、温度計測IC40から温度計測値を読み出して正常動作可能な高温限界または低温限界に達したか否かを判断する処理や、一次電池60の電圧値を監視して低電圧限界に達したか否かを判断する処理等を行ってもよい。
本実施形態では、演算IC10は、あらかじめフラッシュROM12に記憶されているプログラムを実行することで各処理を行うが、ネットワークに接続されたサーバーからネットワークを介してプログラムを受信し、当該プログラムを内部メモリーに記憶させて実行するようにしてもよい。また、電子時計1を、メモリーカード等の情報記憶媒体を接続可能に構成し、演算IC10が当該情報記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することで各処理を行うようにしてもよい。
リアルタイムクロックIC20(計時部の一例)は、水晶振動子24を発振させて例えば32,768kHzの発振信号を生成し、この発振信号を分周したクロック信号で秒、分、時等の時刻や日、月、年等の日付を計時し、秒、分、時、日、月、年等を含む時刻情報を生成する。この時刻情報は、リアルタイムクロックIC20が内蔵するレジスター(不図示)に格納され、リアルタイムクロックIC20は、演算IC10からの要求に応じて、レジスターに格納されている一部又は全部の時刻情報を演算IC10に送信する。
また、リアルタイムクロックIC20は、演算IC10からの要求に応じて、タイマー22の計測を開始し、タイマー22の計測が終了すると演算IC10に割り込み信号INT(計測終了信号)を送信する。タイマー22が計測する時間は、一定時間であってもよいし、演算IC10により指定された時間であってもよい。
描画IC30は、演算IC10からの画像消去のマクロ命令に応じて、現在の画像を消去するための画像データを描画IC30に内蔵するVRAM(Video RAM)34に展開する処理や、演算IC10からの新規画像描画のマクロ命令に応じて、新規画像を表示するための画像データをVRAM上に展開する処理を行う。また、描画IC30は、表示部4に電力を供給し、VRAM34に展開した画像データを表示部4に転送する処理、描画IC30に内蔵する昇圧回路36で外部電源電圧(例えば5V)を昇圧した高電圧(例えば15V)の駆動パルスを生成し、表示部4を駆動する処理を行う。
描画IC30が内蔵するフラッシュROM32には、表示部4に表示される画像のパーツデータ(例えば、図1の表示を行うための「1」、「0」、「:」等のパーツデータ)、背景データ等が記憶されている。演算IC10から送信される画像消去のマクロ命令や新規画像描画のマクロ命令には、描画すべきパーツデータとその座標(各パーツデータの原点を配置すべき座標)の情報あるいは描画すべき背景データの情報等が含まれている。描画IC30は、画像消去のマクロ命令や新規画像描画のマクロ命令に従い、フラッシュROM32に記憶されているパーツデータを読み出し、選択した各パーツを表示部4の表示領域の表示すべき座標に対応するVRAM34のアドレスに書き込み、あるいは、フラッシュROM32に記憶されている背景データを読み出してVRAM34の所定のアドレスに書き込む。
また、描画IC30は、演算IC10から供給される基準信号(例えば4kHz)を用いて、駆動パルスの印加(送信)タイミングやパルス幅を調整する。また、描画IC30は、CR発振回路等の発振回路(不図示)を内蔵し、この発振回路により比較的高い周波数(例えば400kHz)のクロック信号を生成し、駆動パルスの生成処理を除く上記の各処理を行う。このように、描画IC30が、内蔵の発振回路により生成されるクロック信号よりも周波数が十分低い基準信号(例えば4kHz)を用いて駆動パルスの印加(送信)タイミングやパルス幅を調整することで、低消費電力化を図ることができる。
なお、分更新モードが選択されている場合、リアルタイムクロックIC20は、毎分00秒ちょうどになると、00秒の合図信号を演算IC10に送信し、演算IC10は、この合図信号を受信し、描画IC30に対して表示部4への駆動パルスの印加(送信)を指示する。描画IC30は、この指示を受けて表示部4に駆動パルスを印加(送信)し、表示部4は、駆動パルスを受けて新規画像(1分が経過した時刻を含む画像)を表示する。このように、分更新モードにおいて、表示部4の画像更新をリアルタイムクロックIC20が送信する正確な合図信号に同期させることで、描画IC30が生成する非同期のクロック信号に同期させる場合と比較して、より正確なタイミングで時刻表示が変わり始めるようにすることができる。
温度計測IC40は、演算IC10から電力を供給されて動作し、演算IC10からの要求に応じて温度を計測し、温度計測IC40に内蔵するA/D変換器(不図示)で温度計測値をデジタル値に変換して演算IC10に送信する処理を行う。
リセットIC50は、操作ボタンA(5a)及び操作ボタンB(5b)に対する所定の押下操作(例えば、同時に所定時間以上長押し)が行われた場合に、リセットIC50に内蔵のCR回路(不図示)により所定時間だけリセット信号を発生させて演算IC10に供給する。
3.表示部及び描画ICの構成
図3は、本実施形態の表示部4及び描画IC30の構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態の表示部4は、アクティブマトリックス方式の電気泳動表示パネル(EPDパネル)であり、文字、数字、写真、模様、イラスト等の様々な画像を表示可能である。
表示部4には、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路102が設けられている。また、表示部4には、データ線駆動回路101から延びる複数のデータ線111と、走査線駆動回路102から延びる複数の走査線112とが形成されており、これらの交差位置に対応して複数の画素103が設けられている。
データ線駆動回路101は、n本のデータ線111(X1、X2、・・・、Xn)により各画素103に接続されている。データ線駆動回路101は、描画IC30が内蔵するコントローラー31の制御に従って、画素103のそれぞれに対応する1ビットの画像データを規定する画像信号を画素103に供給する。なお、本実施形態では、データ線駆動回路101は、画素データ「0」を規定する場合には、ローレベルの画像信号を画素103に供給し、画素データ「1」を規定する場合には、ハイレベルの画像信号を画素103に供給するものとする。
走査線駆動回路102は、m本の走査線112(Y1、Y2、・・・、Ym)により各画素103に接続されている。走査線駆動回路102は、コントローラー31の制御に従って1行目からm行目までの走査線112を順次選択することで、画素103に設けられた駆動用TFT104(図4参照)のオンタイミングを規定する選択信号を供給する。
表示部4には、描画IC30のVDDX端子を介してコントローラー31から延びる高電位電源線205が設けられており、この高電位電源線205はデータ線駆動回路101と接続されている。また、表示部4には、描画IC30のVDDY端子を介してコントローラー31から延びる高電位電源線206が設けられており、この高電位電源線206は走査線駆動回路102と接続されている。コントローラー31は、高電位電源線205,206に高電位(5V)を供給するか否かの制御を行う。
また、表示部4には、描画IC30のVSSX端子を介してコントローラー31から延びる低電位電源線207が設けられており、この低電位電源線207はデータ線駆動回路101と接続されている。また、表示部4には、描画IC30のVSSY端子を介してコントローラー31から延びる低電位電源線208が設けられており、この低電位電源線208は走査線駆動回路102と接続されている。コントローラー31は、低電位電源線207,208に低電位(0V)を供給する。
また、表示部4には、描画IC30のVCOM端子、S1端子、S2端子、VEP端子、VSS端子を介して、それぞれ、共通電源変調回路37から延びる共通電極配線200、第1パルス信号線201、第2パルス信号線202、高電位電源線203、低電位電源線204が設けられており、それぞれの配線は画素103と接続されている。共通電源変調回路37は、コントローラー31の制御に従って上記配線のそれぞれに供給する各種信号を生成する一方、これら各配線の電気的な接続及び切断(ハイインピーダンス化、Hi−Z)を行う。
描画IC30は、コントローラー31、フラッシュROM32、発振回路33、VRAM34、RAM35、昇圧回路36及び共通電源変調回路37を含んで構成されている。コントローラー31は、イネーブル端子XPDWに演算IC10からイネーブル信号(ハイレベルの信号)が入力されるまではパワーオフ状態であり、イネーブル信号が入力されるとパワーオンする。コントローラー31は、パワーオン状態の時、RAM35を作業領域として、フラッシュROM32、発振回路33、VRAM34、昇圧回路36及び共通電源変調回路37を制御し、表示部4に画像を表示させるための各処理を行う。
図4は、図3に示した画素103の回路構成図である。なお、図3と同じ配線には同じ番号を付しており、説明は省略する。また、全画素に共通の共通電極配線200については記載を省略している。
図4に示すように、画素103には、駆動用TFT(Thin Film Transistor)104と、ラッチ回路105と、スイッチ回路106が設けられている。画素103は、ラッチ回路105により画像信号を電位として保持するSRAM(Static Random Access Memory)方式の構成となっている。
駆動用TFT104は、Nチャネル型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタからなる画素スイッチング素子である。駆動用TFT104のゲート端子は走査線112に接続され、ソース端子はデータ線111に接続され、ドレイン端子はラッチ回路105のデータ入力端子に接続されている。ラッチ回路105は転送インバーター105tと帰還インバーター105fとを備えている。転送インバーター105t、帰還インバーター105fには、高電位電源線203と低電位電源線204との電位差に相当する電源電圧が供給される。
スイッチ回路106は、トランスミッションゲートTG1、TG2からなり、ラッチ回路105に記憶された画素データのレベルに応じて、画素電極135(図5(B)、図5(C)参照)に信号を出力する。
ラッチ回路105に画素データ「1」(ハイレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG1がオン状態となると、スイッチ回路106は第1パルス信号線201に伝搬する信号を出力する。一方、ラッチ回路105に画素データ「0」(ローレベルの画像信号)が記憶されて、トランスミッションゲートTG2がオン状態となると、スイッチ回路106は第2パルス信号線202に伝搬する信号を出力する。このような回路構成により、それぞれの画素103の画素電極135に対して供給する電位が制御可能となる。
表示部4は、一対の基板間に電気泳動粒子を含む電気泳動素子132を挟持し、少なくとも第1色と第2色を表示可能な画素63を有して構成されていてもよい。本実施形態では、表示部4は、二粒子系マイクロカプセル型の複数の電気泳動素子132を有し、各電気泳動素子132に電界をかけることで各画素103の色が制御される。図5(A)は、本実施形態の電気泳動素子132の構成を示す図である。電気泳動素子132は素子基板130と対向基板131(図5(B)、図5(C)参照)との間に配置されている。電気泳動素子132は、複数のマイクロカプセル120を配列して構成される。マイクロカプセル120は、例えば無色透明な分散液と、複数の白色の電気泳動粒子(白色粒子127)と、複数の黒色の電気泳動粒子(黒色粒子126)とが封入されている。本実施形態では、白色粒子127は負に帯電しており、黒色粒子126は正に帯電している。なお、電気泳動粒子の色は黒色及び白色に代えて、赤色及び白色など、他の組み合わせであってもよい。また、本明細書においてある物が「無色」とは、その物を介して対象物を見た場合に、その物を介さずに見た場合と比較して、対象物の色が実質的に同じと認識できる状態を言う。また、ある物が「透明」であるとは、その物を介して対象物を視認可能な状態を言う。
図5(B)は、表示部4の部分断面図である。素子基板130と対向基板131は、マイクロカプセル120を配列してなる電気泳動素子132を狭持している。表示部4は、素子基板130の電気泳動素子132側に、複数の画素電極135が形成された駆動電極層350が設けられている。図5(B)では、画素電極135として画素電極135Aと画素電極135Bが示されている。画素電極135により、画素ごとに電位(例えば、Va、Vb)を供給することが可能である。ここで、画素電極135Aを有する画素を画素103Aとし、画素電極135Bを有する画素を画素103Bとする。画素103A、画素103Bは画素103(図3、図4参照)に対応する2つの画素である。
一方、対向基板131は透明基板であり、表示部4において対向基板131側に画像表示がなされる。表示部4は、対向基板131の電気泳動素子132側に、平面形状の共通電極137が形成された共通電極層370が設けられている。なお、共通電極137は透明電極である。共通電極137は、画素電極135と異なり全画素に共通の電極であり、電位VCOMが供給される。
共通電極層370と駆動電極層350との間に設けられた電気泳動表示層360に電気泳動素子132が配置されており、電気泳動表示層360が表示領域となる。画素電極135(例えば、135A、135B)と共通電極137との間の電位差に応じて、画素毎に所望の色を表示させることができる。
図5(B)は、共通電極側の電位VCOMが画素103Aの画素電極135Aの電位Va及び画素103Bの画素電極135Bの電位Vbよりも高電位の状態を示している。このとき、画素電極135A,135Bと共通電極137との間には、電位VCOMを基準として負の電圧が印加されるため、負に帯電した白色粒子127が共通電極137側に引き寄せられ、正に帯電した黒色粒子126が画素電極135A,135B側に引き寄せられ、画素103A,103Bは白色(第1色の一例)を表示していると視認される。
図5(C)は、図5(B)の状態から、共通電極137側の電位VCOMが画素103Aの画素電極135Aの電位Vaよりも低電位となり、画素103Bの画素電極135Bの電位Vbと同電位となった状態を示している。このとき、画素電極135Aと共通電極137との間には、電位VCOMを基準として正の電圧が印加されるため、正に帯電した黒色粒子126が共通電極137側に引き寄せられ、負に帯電した白色粒子127が画素電極135A側に引き寄せられ、画素103Aは白色から黒色(第2色の一例)に変化したと視認される。一方、画素電極135Bと共通電極137との間では、電位差が生じていないため、黒色粒子126と白色粒子127は図5(B)の位置でほとんど移動せず、画素103Aは白色のまま変化していないと視認される。
なお、画素電極135と共通電極137との電位差の大きさあるいは電位差を生じさせる時間を制御することで、黒色粒子126と白色粒子127を両電極間の任意の中間位置で静止させれば、黒色と白色の間の任意の中間色(灰色)を表示させることもできる。
このように、EPDパネルは、一定時間、電力が供給されなくても画像を保持できるため低消費電力動作が可能であり、また、液晶パネルに比べて高コントラストであり、180度視認可能であるため、腕時計等の携帯型の電子時計1の表示部4としての使用にも適している。
4.画像更新方法
図6は、表示部4の画像を更新する方法について説明するための図である。図6では、1分毎に時刻表示を更新する例が示されている。
図6の例では、まず、時刻が10時5分の時に、表示部4には、「10:05」の表示位置にある画素が黒色であり、その他の画素が白色である画像Aが表示されている。
次に、時刻が10時6分になる少し前に、表示部4には、全面黒色の画像Bが表示される。画像Aから画像Bに更新する際は、まず、黒色の画素には電圧を印加せずに(0Vを印加して)白色の画素に負の電圧を印加する部分駆動方式により全面黒色の画像を表示させ、さらに、すべての画素に負の電圧を印加する全面駆動方式により全面黒色の画像を再表示させる。全面駆動方式とは、当該方式を用いた駆動(描画)の期間において、すべての画素に(共通電極137と画素電極135との間の)電位差が生じる駆動方式である。
次に、表示部4には、全面白色の画像Cが表示される。画像Bから画像Cに更新する際は、まず、すべての画素に正の電圧を印加する全面駆動方式により全面白色の画像を表示させ、次に、画像Aにおいて白色だった画素には電圧を印加せずに(0Vを印加して)画像Aにおいて黒色だった画素に正の電圧を印加する部分駆動方式により全面白色の画像を再表示させる。部分駆動方式とは、当該方式を用いた駆動(描画)の期間において、(共通電極137と画素電極135との間の)電位差が生じないと画素が存在する駆動方式である。
次に、時刻が10時6分になると、表示部4には、「10:06」の表示位置にある画素が黒色であり、その他の画素が白色である画像Dが表示される。画像Cから画像Dに更新する際は、「10:06」の表示位置にない画素には電圧を印加せずに(0Vを印加して)「10:06」の表示位置にある画素に負の電圧を印加する部分駆動方式により画像Dを表示させる。
このように、本実施形態では、部分駆動方式と全面駆動方式により全面黒色の画像を表示させ、さらに全面駆動方式と部分駆動方式により全面白色の画像を表示させることで元の画像を消去し、その後、部分駆動方式により次の画像(新規画像)を表示させる。すなわち、本実施形態の画像更新方法によれば、全画素が白色の状態から次の画像が表示されるため、画像毎に色合いが変わるという問題が生じにくい。また、本実施形態の画像更新方法によれば、各画素電極135と共通電極137との間に印加される電界の時間平均がほぼゼロになり、DCバランスがとられるため、電気泳動表示装置7の長期信頼性を確保することができる。
ところで、表示部4(EPDパネル)に対して、画像を消去し、あるいは新規画像を描画するために必要な駆動時間(駆動パルスの印加時間)は、温度に応じて変化し、一般に、温度が低いほど長い駆動時間が必要になる。そこで、本実施形態では、画像を更新する際に温度に応じて駆動時間を変更するために、演算IC10が内蔵するフラッシュROM12には、温度と駆動パルスの印加時間との対応関係を示すテーブル情報が記憶されている。
演算IC10は、画像を更新する前に温度計測IC40の温度計測値を取得し、フラッシュROM12に記憶されているテーブル情報を参照し、例えば、描画IC30に表示部4への画像データの転送を指示する際に、温度に応じた適切な駆動パルスの印加時間を指示する。
5.表示モードの遷移
図7は、表示部4の表示モードの遷移を示す図である。図7に示される例では、表示部4は、表示モードとして、時刻表示モードとスポーツタイマーモードとを有している。また、表示部4は、スポーツタイマーモードにおいて、表示モードとして、第1モードと第2モードとを有している。なお、表示部4は、スポーツタイマーモードにおいて、第1モードのみを有していてもよい。
本実施形態では、ユーザーが操作ボタンBを押して離すと、演算IC10は時刻表示モード、第1モード及び第2モードを順に切り替えて選択する。
6.時刻表示モード
時刻表示モードにおいて、表示部4は、時刻情報を1分毎に更新して表示する。なお、表示部4は、時刻情報を1秒毎に更新して表示してもよい。また、表示部4は、フォントや背景画像の異なる複数の時刻表示モードを有していてもよい。
7.スポーツタイマーモード;第1モード
図8は、スポーツタイマーモードにおける表示部4の表示内容の遷移を示す図である。図9は、スポーツタイマーモードにおける処理手順の概略を示すフローチャートである。
スポーツタイマーモードにおいて、表示部4は、操作部が操作を受け付けた時刻から第1所定時間が経過するまでの経過時間である第1時間を分単位で表示し、操作部が前記操作を受け付けた時刻から第1所定時間が経過した後の経過時間である第2時間を秒単位で表示する。
例えば、日本のプロサッカーリーグを観戦する場合には、第1所定時間を45分に設定する。この場合、試合の前半又は後半の開始から45分までが第1時間、45分を経過した後(アディショナルタイム)が第2時間に相当する。
まず、表示部4の表示モードがスポーツタイマーモードの第1モードに設定されると、表示部4は、図8(A)に示される初期画像を表示する(ステップS100)。本実施形態においては、演算IC10が描画ICに初期画像を表示させるマクロ命令を送信し、表示部4への画像データの転送及び表示部4の駆動を指示する。図8(A)に示される初期画像では、第1所定時間としての45分を表す「45」の文字が表示されている。また、図8(A)に示される画像では、0分から45分まで1分刻みで付された目盛りと分針とを有するアナログ時計に相当する(アナログ時計を模した)画像が表示されている。
ステップS100の後に、表示部4が図8(A)に示される初期画像を表示している状態で、演算IC10は、操作部が所定の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。本実施形態においては、操作ボタンA(操作部)を押して離す操作(所定の操作の一例)を受け付けたか否かを演算IC10が判定する。操作部が所定の操作を受け付けていないと演算IC10が判定した場合(ステップS102でNOの場合)には、ステップS102を繰り返す。
操作部が所定の操作を受け付けたと演算IC10が判定した場合(ステップS102でYESの場合)には、計時部が計時を開始する(ステップS104)。本実施形態においては、演算IC10がリアルタイムクロックIC20に計測開始要求信号を送信することによって、リアルタイムクロックIC20が計時を開始する。
ステップS104の後に、又はステップS104と同時に、表示部4は、表示を更新して、図8(B)に示される第1経過時間表示画像を表示する(ステップS106)。本実施形態においては、演算IC10が描画ICに第1経過時間表示画像を表示させるマクロ命令を送信し、表示部4への画像データの転送及び表示部4の駆動を指示する。図8(B)に示される第1経過時間表示画像では、操作部が所定の操作を受け付けたタイミングからの経過時間(第1時間)が分単位で表示されている。また、図8(B)に示される画像では、0分から45分まで1分刻みで付された目盛りと分針とを有するアナログ時計に相当する画像が表示されている。図8(B)はカウントアップの表示を行う例を示しており、図8(A)の「45」の表示に替えて、計時された経過時間を示す「00」が表示されており、時計の針は0分の位置に表示されている。また、図8(A)のメニュー(「MODE」「START」)を示す表示に替えて、試合中(計時中)であることを示す文字列「DURING THE MATCH」が表示されている。
ステップS106の後に、演算IC10は、操作部が所定の操作を受け付けてから(計時を開始してから)第1所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS108)。
操作部が所定の操作を受け付けてから(計時を開始してから)第1所定時間を経過していないと演算IC10が判定した場合(ステップS108でNOの場合)には、演算IC10は、ステップS106を実行してから1分が経過したか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、リアルタイムクロックIC20から、1分が経過したことを示す時刻情報を演算IC10が受信したか否かを判定する。例えば、リアルタイムクロックIC20は、計時を開始してから1分が経過する毎に演算IC10に時刻情報(経過時間の情報)を送信し、演算IC10は、時刻情報を受信した場合に1分が経過したと判定してもよい。ステップS106を実行してから1分が経過していないと演算IC10が判定した場合(ステップS110でNOの場合)には、ステップS110を繰り返す。
ステップS106を実行してから1分が経過したと演算IC10が判定した場合(ステップS110でYESの場合)には、表示部4は、表示内容を更新して、図8(B)に示される第1経過時間表示画像を表示する(ステップS106)。第1経過時間表示画像には、操作部が所定の操作を受け付けたタイミングからの経過時間が分単位で表示されているので、ステップS106が実行される毎に、第1経過時間表示画像を新たな表示内容、つまり時間が1分変化した画像に更新して表示部4に表示させる。本実施形態においては、カウントアップの場合、時計の針が1分進み、数字が「01」に更新された画像を表示させる。
ステップS108で、操作部が所定の操作を受け付けてから(計時を開始してから)第1所定時間を経過したと演算IC10が判定した場合(ステップS108でYESの場合)には、表示部4は、表示を更新して、図8(C)に示される第2経過時間表示画像を表示する(ステップS112)。本実施形態においては、演算IC10が描画ICに第1経過時間表示画像を表示させるマクロ命令を送信し、表示部4への画像データの転送及び表示部4の駆動を指示する。図8(C)に示される第2経過時間表示画像では、操作部が所定の操作を受け付けたタイミングからの経過時間(第2時間)が秒単位で表示されている。また、図8(C)に示される第2経過時間表示画像では、デジタル時計を模した画像と、アディショナルタイムであることを示す文字列が表示されている。なお、第1所定時間が経過した後の経過時間の表示は、第2時間をそのまま表示しても、第2時間から第1時間を除いた時間を表示してもよい。例えば、図8(C)において第1時間を除いた表示を行う場合には、分桁(「45」)をゼロ(「00」)にすればよい。
ステップS112の後に、演算IC10は、第1所定時間を経過してから第2所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS114)。
第1所定時間を経過してから第2所定時間を経過していないと演算IC10が判定した場合(ステップS114でNOの場合)には、演算IC10は、ステップS112を実行してから1秒が経過したか否かを判定する(ステップS116)。具体的には、リアルタイムクロックIC20から、1秒が経過したことを示す時刻情報を演算IC10が受信したか否かを判定する。例えば、リアルタイムクロックIC20は、計時を開始してから1秒が経過する毎に演算IC10に時刻情報(経過時間の情報)を送信し、演算IC10は、時刻情報を受信した場合に1秒が経過したと判定してもよい。ステップS112を実行してから1秒が経過していないと演算IC10が判定した場合(ステップS116でNOの場合)には、ステップS114を繰り返す。
ステップS112を実行してから1分が経過したと演算IC10が判定した場合(ステップS116でYESの場合)には、表示部4は、表示内容を更新して、図8(C)に示される第2経過時間表示画像を表示する(ステップS112)。第2経過時間表示画像には、操作部が所定の操作を受け付けたタイミングからの経過時間(第2時間)が秒単位で表示されているので、ステップS112が実行される毎に、第2経過時間表示画像を新たな表示内容に更新して表示部4に表示させる。
ステップS114で、第1所定時間を経過してから第2所定時間を経過したと演算IC10が判定した場合(ステップS114でYESの場合)には、表示部4は、表示を更新して、図8(A)に示される初期画像を表示する(ステップS100)。初期画像に戻ることで、例えば、試合に前半と後半がある場合に、ユーザーは1回の操作で計時を開始することができる。モードを選択し直す手間を省くことができ、操作が容易な電子時計1を実現できる。
本実施形態に係る電子時計1によれば、1回の操作で第1時間(例えば、日本のプロサッカーリーグの場合、前半又は後半の45分間)と、第2時間(例えば、日本のプロサッカーリーグの場合、アディショナルタイム)とを計時することができる。また、第2時間を秒単位で表示することによって、終了間際の緊迫感を演出できる。したがって、簡単な操作で、スポーツの緊迫感を楽しめる電子時計1を実現できる。
本実施形態においては、画像の更新は部分駆動方式と全面駆動方式を組み合わせて行う例を説明したが、少なくとも一つの表示モードまたは動作モードにおいて、部分駆動方式のみ、又は全面駆動方式のみによって画像を更新してもよい。例えば、秒更新モード(全ての秒更新モードでも、スポーツタイマーモードに限ってもよい)の場合には、部分駆動方式によって秒の表示を更新してもよい。この場合、例えば、図6の画像Aに続いて画像Dが表示される。全面駆動方式と組み合わせる場合よりも短時間で次の画像を表示できるので、画像の更新間隔が短い場合でも、画像が更新されるタイミングに遅れが発生しにくくできる。
また、本実施形態に係る電子時計1によれば、電気泳動素子を含む表示部4を有するので、高コントラストでかつ広視野角で第1時間及び第2時間を表示できる。したがって、野外の競技場の観客席でも見やすい電子時計1を実現できる。例えば、表示部4に液晶を採用した場合、直射日光が射している場合などにおいては表示内容の判読が困難になりやすいが、電気泳動表示素子を用いた表示であれば容易に判読できる。
また、上述のように、表示部4は、第1時間を分単位で表示するので、秒単位で表示する場合に比べて書き換え回数を減らすことができる。したがって、消費電力を抑制できる電子時計1を実現できる。
本実施形態に係る電子時計1において、計時部(リアルタイムクロックIC20)は、第1所定時間が経過した時刻から第2所定時間が経過した場合に、計時を終了してもよい。例えば、日本のプロサッカーリーグの場合には、アディショナルタイムは10分以内であることが通常であるので、第2所定時間を10分としてもよい。
本実施形態に係る電子時計1によれば、多くの場合では計時を終了させる操作が不要になるので、例えば、試合開始のタイミング(例えば、日本のプロサッカーリーグの場合には、前半と後半のそれぞれの開始タイミング)で操作するだけで経過時間を計時することができる。したがって、操作が容易な電子時計1を実現できる。なお、次の操作を受け付けるまで計時を継続する仕様や、計時を継続している間は第2経過時間表示画像を更新し続ける仕様とすることも可能である。
本実施形態に係る電子時計1において、表示部4は、第1時間を表示する場合の背景画像と、第2時間を表示する場合の背景画像とが異なるように第1時間及び第2時間を表示してもよい。図8に示される例では、第1時間を表示する第1経過時間表示画像(図8(B))と、第2時間を表示する第2経過時間表示画像(図8(C))とで、背景色が異なっている。
第1時間及び第2時間を文字で表示する場合には、文字よりも背景の方が、表示面積が大きいのが一般的である。本実施形態に係る電子時計1によれば、第1時間を表示する場合の背景画像と、第2時間を表示する場合の背景画像とが異なるので、表示されているのが第1時間であるか第2時間であるかを容易に識別できる電子時計1を実現できる。図8の例では、具体的には、第1経過時間表示画像の背景は黒、時間の表示は白、第2経過時間表示画像の背景は白、時間の表示は黒となっている。逆の組み合わせや、背景の模様や濃淡を異ならせても良いことは勿論である。
本実施形態に係る電子時計1において、表示部4は、第1時間をカウントアップで更新して表示してもよい。これによって、テレビ中継などでユーザーが見慣れた経過時間の表示方法と同じになるので、ユーザーが経過時間を認識しやすい電子時計1を実現できる。
本実施形態に係る電子時計1において、表示部4は、第2時間をカウントアップで更新して表示してもよい。これによって、テレビ中継などでユーザーが見慣れた経過時間の表示方法と同じになるので、経過時間を認識しやすい電子時計1を実現できる。
なお、第1時間と第2時間の少なくとも一方を、カウントダウンで表示することも可能である。
8.スポーツタイマーモード;第2モード
本実施形態に係る電子時計1の計時部は、第1所定時間がそれぞれ異なる第1モード及び第2モードを有していてもよい。第2モードにおける電子時計1の動作は、第1所定時間が第1モードと異なるのみで、図8及び図9を用いて説明した第1モードの動作と同様である。なお、第1モードと第2モードとで、異なる画面(文字やイラストなど)を表示してもよい。また、少なくとも1つのモードにおいて、第1所定時間をユーザーが設定できるようにしてもよい。
本実施形態によれば、試合時間が異なる複数のスポーツに対応した電子時計1、又は、通常の試合時間と延長戦の試合時間とが異なるスポーツに対応した電子時計1を実現できる。例えば、日本のプロサッカーリーグの場合には、第1モードにおける第1所定時間を45分、第2モードにおける第1所定時間を15分とすることで、通常の試合時間と延長戦の試合時間とに対応した電子時計1を実現できる。
本実施形態に係る電子時計1において、第1モードにおける第2所定時間と、第2モードにおける第2所定時間とがそれぞれ異なっていてもよい。また、少なくとも1つのモードにおいて、第2所定時間をユーザーが設定できるようにしてもよい。
本実施形態に係る電子時計1によれば、ハーフタイムやアディショナルタイムの標準的な時間の長さが異なる複数のスポーツに対応した電子時計1、又は、通常のハーフタイムやアディショナルタイムの時間の長さと延長戦のハーフタイムやアディショナルタイムの時間の長さとが異なるスポーツに対応した電子時計1を実現できる。例えば、日本のプロサッカーリーグの場合には、第1モードにおける第2所定時間を10分、第2モードにおける第1所定時間を5分とすることで、通常の試合時間と延長戦の試合時間とに対応した電子時計1を実現できる。
本実施形態に係る電子時計1において、第1時間及び第2時間の計時中においては、1つの操作では計時が終了しないように構成されていてもよい。本実施形態においては、操作ボタンA及び操作ボタンBを同時に押して離す操作を受け付けると、表示部4は、計時の終了を伴う動作を行わせるためのメニューを表示させる(図8(D)及び図8(E))。表示部4にメニューが表示されている状態で、操作ボタンAを押して離す操作を受け付けると、演算IC10は、計時部による計時を終了させて、表示部4は、図8(A)に示される初期画像を表示する。また、表示部4にメニューが表示されている状態で、操作ボタンBを押して離す操作を受け付けると、演算IC10は、計時部による計時を終了させて、表示部4の表示モードを他の表示モードへ遷移させる。
本実施形態に係る電子時計1によれば、ユーザーの誤操作によって計時が終了してしまう可能性を低減できる。
上述した実施形態においては、電子時計1は腕時計型に構成されているが、これに限らず、例えば、置時計型や掛け時計型に構成されていてもよいし、携帯電話やタブレット型コンピューターなどの電子機器の一部として構成されていてもよい。
また、上述した実施形態においては、電子時計1はサッカーの観戦に供する例で説明したが、これに限らず、例えば、陸上ホッケーなど、他のスポーツの観戦に供する電子時計1として構成されていてもよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。