JP2015137190A - 複合粉末及び複合粉末ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】鉛とビスマスを導入しなくても、耐酸性が高く、且つ軟化点が低い複合粉末を創案すること。【解決手段】本発明の複合粉末は、ガラス粉末 55〜95質量%、無機顔料粉末 5〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜20質量%を含有する複合粉末であって、ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、SiO235〜65%、B2O30〜20%、V2O50.01〜15%、ZnO 5〜35%、Li2O+Na2O+K2O 2〜28%を含有することを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、複合粉末及び複合粉末ペーストに関し、具体的には、自動車用窓ガラス、電車用窓ガラス、住宅用窓ガラス(以下、自動車用窓ガラス等)の内側周縁部に着色層を形成するための複合粉末及び複合粉末ペーストに関する。
自動車用窓ガラスの内側周縁部には、着色層が形成されている。着色層は、自動車ボディと窓ガラス(ソーダライムガラス板)を接合する有機接着剤の紫外線劣化の防止、有機接着剤のはみ出し部分の隠蔽のために形成される。更に、近年では、意匠性を高めるために、微小なドットパターンをグラデーション状に形成した着色層も広く用いられている。
着色層は、複合粉末をペースト化し、得られた複合粉末ペーストをソーダライムガラス板に塗布、乾燥、焼成して、ソーダライムガラス板の表面上に焼結させることにより形成される。複合粉末は、少なくともガラス粉末と無機顔料粉末を含み、必要に応じて、耐火性フィラー粉末を含む。なお、無機顔料粉末は、通常、黒色である。
近年、環境面において、酸性雨が問題になっている。各種ガラス製品に形成された着色層が酸性雨と接触すると、着色層中のガラスが白色等に変色する虞があり、また着色層が剥がれる虞もある。また、自動車用窓ガラスの洗浄時に、着色層が洗剤と接触しても、着色層中のガラスが白色等に変色する虞があり、また着色層が剥がれる虞もある。よって、ガラス粉末には、耐酸性が要求される。
また、着色層の形成する際に、複合粉末の焼成温度が高いと、ソーダライムガラス板が熱変形する虞がある。よって、ガラス粉末には、低軟化特性も要求される。
これらの要求を満たすガラス粉末として、従来、鉛系ガラス粉末又はビスマス系ガラス粉末が使用されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、鉛は、環境的負荷が大きい。また、ビスマスは、資源量が十分とは言えず、高価である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、鉛とビスマスを導入しなくても、耐酸性が高く、且つ軟化点が低い複合粉末を創案することである。
本発明者は、種々の検討を行った結果、ガラス粉末のガラス組成を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の複合粉末は、ガラス粉末 55〜95質量%、無機顔料粉末 5〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜20質量%を含有する複合粉末であって、ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、SiO2 35〜65%、B2O3 0〜20%、V2O5 0.01〜15%、ZnO 5〜35%、Li2O+Na2O+K2O 2〜28%を含有することを特徴とする。ここで、「Li2O+Na2O+K2O」は、Li2O、Na2O及びK2Oの合量である。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中のSiO2の含有量を35モル%以上、B2O3の含有量を20モル%以下に規制している。これにより、耐酸性を顕著に高めることができる。その一方で、SiO2の含有量を増加させて、B2O3の含有量を低下させると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇する事態が予測される。しかし、本発明者は、詳細な調査により、ガラス組成中にV2O5を0.01〜15モル%導入すれば、熱膨張係数を上昇させずに、鉛やビスマスを導入しなくても、軟化点の上昇を抑制し得ることを見出した。なお、ガラス組成中にアルカリ金属酸化物を所定量導入すれば、V2O5と同様にして、軟化点の上昇を抑制し得るが、その一方で熱膨張係数が不当に上昇する虞がある。
本発明の複合粉末は、更に、ガラス粉末中にTiO2+ZrO2を0.1〜10モル%含むことが好ましい。ここで、「TiO2+ZrO2」は、TiO2とZrO2の合量である。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中のモル比SiO2/B2O3が4〜20であることが好ましい。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中のモル比ZnO/B2O3が1〜6であることが好ましい。
本発明の複合粉末は、更に、ガラス粉末中にBaOを0.1〜5モル%含むことが好ましい。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中のSiO2+ZnOの含有量が58%以上であることが好ましい。ここで、「SiO2+ZnO」は、SiO2とZnOの合量である。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中のLi2Oの含有量が5〜20%であることが好ましい。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末中に、実質的にPbO、Bi2O3を含まないことが好ましい。ここで、「実質的に〜を含まない」とは、明示の成分が不純物レベルで混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.1モル%未満の場合を指す。
本発明の複合粉末は、無機顔料粉末がCr系複合酸化物であることが好ましい。ここで、「〜系複合酸化物」とは、明示の成分を必須成分として含む複合酸化物を指す。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末 55〜85質量%、無機顔料粉末 15〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜10質量%を含有することが好ましい。
本発明の複合粉末ペーストは、複合粉末とビークルを含む複合粉末ペーストであって、複合粉末が上記の複合粉末であることを特徴とする。
本発明の着色層付きガラス板は、着色層が複合粉末の焼結により形成されており、且つ複合粉末が上記の複合粉末であることを特徴とする。
本発明の着色層付きガラス板は、ガラス板がソーダライムガラス板であることが好ましい。
本発明の複合粉末は、少なくともガラス粉末と無機顔料粉末を含み、必要に応じて、耐火性フィラー粉末等を含む。ガラス粉末は、無機顔料粉末を分散させて、ソーダライムガラス板に固着させるための成分である。無機顔料粉末は、黒色等に着色させて、紫外線や可視光の遮蔽性を高めるための成分である。耐火性フィラー粉末は、任意成分であり、機械的強度を高める成分であり、また熱膨張係数を調整するための成分である。なお、上記以外にも、型離れ性を高めるために、無機耐熱ウィスカ等を添加してもよく、発色性を高めるために、Cu粉末等の金属粉末を添加してもよい。
本発明の複合粉末において、ガラス粉末は、ガラス組成として、モル%で、SiO2 35〜65%、B2O3 0〜20%、V2O5 0.01〜15%、ZnO 5〜35%、Li2O+Na2O+K2O 2〜28%を含有する。上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
SiO2は、ガラス骨格を形成する成分であり、耐酸性を高める成分である。SiO2の含有量は35〜65%、好ましくは40〜63%、45〜62%、46〜59%、47〜57%、48〜55%、特に49〜53%である。SiO2の含有量が少な過ぎると、熱的安定性(耐失透性)が低下し易くなると共に、耐酸性が低下し易くなる。一方、SiO2の含有量が多過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
B2O3は、ガラス骨格を形成する成分であり、また熱膨張係数を上昇させずに、軟化点を低下させる成分である。B2O3の含有量は0〜20%、好ましくは0〜15%、0.1〜10%、1〜8%、2〜7%、3〜6.5%、特に4〜6%である。B2O3の含有量が多過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。なお、B2O3の含有量が少な過ぎると、熱的安定性が低下し易くなる。
モル比SiO2/B2O3は、好ましくは4〜20、5〜15、6〜14、7〜13、8〜12、特に9〜11である。モル比SiO2/B2O3が小さ過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。一方、モル比SiO2/B2O3が大き過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
V2O5は、熱膨張係数を上昇させずに、軟化点を低下させる成分である。V2O5の含有量は0.01〜15%、好ましくは0.1〜12%、0.5〜10%、1〜8%、2〜7%、2.5〜6%、特に3〜5%である。V2O5の含有量が少な過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなることに加えて、熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。また着色性が低下し易くなる。一方、V2O5の含有量が多過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。
ZnOは、熱膨張係数を上昇させずに、軟化点を低下させる成分である。ZnOの含有量は5〜35%、好ましくは7〜31%、8〜28%、9〜26%、10〜24%、11〜22%、特に12〜20%である。ZnOの含有量が少な過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。また熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。
SiO2+ZnOは、好ましくは58%以上、60%以上、62%以上、63%以上、特に64%以上である。SiO2+ZnOの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
モル比ZnO/B2O3は、好ましくは1〜6、1.5〜4.5、2〜4、2.3〜3.8、特に2.5〜3.5である。このようにすれば、熱膨張係数を上昇させずに、軟化点と耐酸性を最適化し易くなる。
Li2O+Na2O+K2Oは、軟化点を低下させる成分である。Li2O+Na2O+K2Oの含有量は2〜28%、好ましくは5〜27%、8〜26%、12〜25%、14〜24%、16〜23%、17〜22%、特に18〜21%である。Li2O+Na2O+K2Oの含有量が少な過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。一方、Li2O+Na2O+K2Oの含有量が多過ぎると、耐水性、耐酸性が低下し易くなる。また熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
Li2Oは、熱膨張係数を上昇させずに、軟化点を低下させる成分である。Li2Oの含有量は、好ましくは0〜22%、1〜20%、5〜17%、7〜15%、9〜13%、特に8〜12%である。Li2Oの含有量が多過ぎると、耐水性、耐酸性が低下し易くなる。また焼成時に意図しない結晶が析出して、着色層が異常膨張を示す虞がある。なお、Li2Oの含有量が少な過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
Na2Oは、軟化点を低下させる成分である。Na2Oの含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜12%、1〜10%、2〜9%、特に3〜8%未満である。Na2Oの含有量が多過ぎると、耐水性、耐酸性が低下し易くなる。また熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。なお、Na2Oの含有量が少な過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
K2Oは、軟化点を低下させる成分であるが、Li2O、Na2Oに比べると、その低下幅は小さい。K2Oの含有量は、好ましくは0〜8%、0〜7%、0.1〜6%、1〜5%、特に2〜4%である。K2Oの含有量が多過ぎると、耐水性、耐酸性が低下し易くなる。また熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
Li2O、Na2O、K2Oの内、二種をガラス組成中に各々0.1%以上導入することが好ましく、三種を各々0.1%以上導入することがより好ましい。このようにすれば、アルカリ混合効果を享受することができ、一種を単独で導入する場合よりも、耐酸性を維持しつつ、熱膨張係数、軟化点を低下させることができる。
Li2O、Na2O、K2Oの内、熱膨張係数と軟化点を最適化するために、Li2Oを優先的に導入することが好ましく、モル比Li2O/(Li2O+Na2O+K2O)は、好ましくは0.4以上、0.45以上、特に0.5以上である。
上記成分以外にも、必要に応じて、他の成分を例えば25%、20%、15%、特に10%まで導入することができる。
Al2O3は、耐酸性を高める成分である。Al2O3の含有量は、好ましくは0〜12%、0〜8%、0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%未満である。Al2O3の含有量が多過ぎると、軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
SrOは、熱的安定性を高める成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜7%、0〜5%、0〜3%未満、特に0〜1%未満である。SrOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
BaOは、熱的安定性を高める成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜7%、0〜5%、0〜3%未満、特に0.1〜2%未満である。BaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が不当に上昇して、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
TiO2+ZrO2は、耐酸性を高める成分である。TiO2+ZrO2の含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜10%、1〜8%、1.5〜7%、特に2〜6%である。TiO2+ZrO2の含有量が多過ぎると、熱的安定性が低下し易くなり、また軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。なお、TiO2+ZrO2の含有量が少な過ぎると、耐酸性を高めることが困難になる。
TiO2は、耐酸性を高める成分である。TiO2の含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜12%、1〜9%、2〜8%、特に3.5〜7%である。TiO2の含有量が多過ぎると、熱的安定性が低下し易くなり、また軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。なお、TiO2の含有量が少な過ぎると、耐酸性が低下し易くなる。
ZrO2は、耐酸性を高める成分である。ZrO2の含有量は、好ましくは0〜8%、0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0.1〜1%未満である。ZrO2の含有量が多過ぎると、熱的安定性が低下し易くなり、また軟化点が上昇して、複合粉末の焼成温度が上昇し易くなる。
CuOは、黒色に着色させるための成分である。CuOの含有量は、好ましくは0〜8%、0〜5%、0〜3%、0.5〜2%、特に0〜1%未満である。CuOの含有量が多過ぎると、熱的安定性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、MgO、CaO、Cr2O3、MnO、SnO2、CeO2、P2O5、La2O3、Nd2O3、Co2O3、F、Cl等を導入することができる。
なお、ガラス粉末中に、実質的にPbO、Bi2O3を含有しないことが好ましい。
本発明の複合粉末は、ガラス粉末 55〜95質量%、無機顔料粉末 5〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜20質量%を含有する。
ガラス粉末の含有量は55〜95質量%であり、好ましくは55〜90質量%、55〜85質量%、60〜80質量%、特に65〜75質量%である。ガラス粉末の含有量が少な過ぎると、ソーダライムガラス板と着色層の固着性が低下し易くなる。一方、ガラス粉末の含有量が多過ぎると、無機顔料粉末が相対的に少なくなり、紫外線の遮蔽性が低下して、有機接着剤が劣化し易くなり、また可視光の遮蔽性が低下して、意匠性が低下し易くなる。
ガラス粉末の熱膨張係数は、好ましくは70〜110×10−7/℃、75〜105×10−7/℃、特に80〜100×10−7/℃である。熱膨張係数が低過ぎると、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなり、熱膨張係数が高過ぎても、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。なお、着色層とソーダライムガラス板の熱膨張係数が不整合であると、着色層及び/又はソーダライムガラス板にクラックが発生し易くなり、また着色層の脱落等も発生し易くなる。なお、「ガラス粉末の熱膨張係数」は、押棒式TMA装置により30〜300℃の温度範囲で測定した値を指し、測定試料として、ガラス粉末を緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを用いてもよく、溶融ガラスをバルク状に成形、アニールした後、所定形状に加工したものを用いてもよい。
押棒式TMA装置で測定した時のガラス粉末のガラス転移点は、好ましくは415〜500℃、435〜480℃、特に455〜470℃である。ガラス転移点が低過ぎると、他の特性、特に耐酸性、熱的安定性の低下を招き易くなる。一方、ガラス転移点が高過ぎると、焼成温度が上昇し、焼成時にソーダライムガラス板が熱変形する虞がある。なお、ガラス転移点が低い程、焼成温度を低下させることが可能になる。なお、「押棒式TMA装置で測定した時のガラス粉末のガラス転移点」は、測定を空気中で行い、昇温速度を10℃/分とし、測定試料として、ガラス粉末を緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを用いてもよく、溶融ガラスをバルク状に成形、アニールした後、所定形状に加工したものを用いてもよい。
マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末のガラス転移点は、好ましくは400〜490℃、420〜470℃、特に430〜460℃である。ガラス転移点が低過ぎると、他の特性、特に耐酸性、熱的安定性の低下を招き易くなる。一方、ガラス転移点が高過ぎると、焼成温度が上昇し、焼成時にソーダライムガラス板が熱変形する虞がある。なお、ガラス転移点が低い程、焼成温度を低下させることが可能になる。なお、「マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末のガラス転移点」は、測定を空気中で行い、昇温速度を10℃/分とする。
押棒式TMA装置で測定した時のガラス粉末の屈伏点は、好ましくは450〜550℃、470〜530℃、特に490〜520℃である。屈伏点が低過ぎると、他の特性、特に耐酸性、熱的安定性の低下を招き易くなる。一方、屈伏点が高過ぎると、焼成温度が上昇し、焼成時にソーダライムガラス板が熱変形する虞がある。なお、屈伏点が低い程、焼成温度を低下させることが可能になる。なお、「押棒式TMA装置で測定した時のガラス粉末の屈伏点」は、測定を空気中で行い、昇温速度を10℃/分とし、測定試料として、ガラス粉末を緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを用いてもよく、溶融ガラスをバルク状に成形、アニールした後、所定形状に加工したものを用いてもよい。
マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末の軟化点は、好ましくは500〜600℃、510〜570℃、特に530〜550℃である。軟化点が低過ぎると、他の特性、特に耐酸性、熱的安定性の低下を招き易くなる。一方、軟化点が高過ぎると、焼成温度が上昇し、焼成時にソーダライムガラス板が熱変形する虞がある。なお、軟化点が低い程、焼成温度を低下させることが可能になる。ここで、「マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末の軟化点」は、マクロ型DTA装置により測定した第四変曲点の温度を指し、測定を空気中で行い、昇温速度を10℃/分とする。
マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末の結晶化温度は、好ましくは550℃以上、580℃以上、590℃以上、特に600℃以上である。結晶化温度が低過ぎると、溶融時、成形時にガラスが失透し易くなり、ガラス粉末を安定生産し難くなる。ここで、「マクロ型DTA装置で測定した時のガラス粉末の結晶化温度」は、マクロ型DTA装置により測定した結晶化ピーク温度を指し、測定を空気中で行い、昇温速度を10℃/分とする。
ガラス粉末の平均粒子径D50は10μm以下、1〜7μm、特に2〜5μmが好ましい。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは15μm以下、特に3〜10μmが好ましい。ガラス粉末の粒度が大き過ぎると、スクリーン印刷性が低下し易くなり、また着色層の色調が不均一になり易い。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
無機顔料粉末の含有量は5〜45質量%であり、好ましくは10〜45質量%、15〜45質量%、20〜40質量%、特に25〜35質量%である。無機顔料粉末の含有量が少な過ぎると、紫外線の遮蔽性が低下して、有機接着剤が劣化し易くなり、また可視光の遮蔽性が低下して、意匠性が低下し易くなる。一方、無機顔料粉末の含有量が多過ぎると、ガラス粉末が相対的に少なくなり、ソーダライムガラス板と着色層の固着性が低下し易くなる。
無機顔料粉末は、複合酸化物が好ましい。複合酸化物は、構造的に安定であるため、耐熱性、耐酸性、耐水性が高い。このような複合酸化物として、Al−Co系複合酸化物、Al−Co−Cr系複合酸化物、Al−Cr−Fe−Zn系複合酸化物、Al−Co−Li−Ti系複合酸化物、Al−Cu−Fe−Mn系複合酸化物、Al−Fe−Mn系複合酸化物、Al−Si系複合酸化物、Ba−Ni−Ti系複合酸化物、Ca−Cr−Si−Sn系複合酸化物、Co−Cr系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni−Si−Zr系複合酸化物、Co−Cr−Fe系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni−Zn系複合酸化物、Co−Fe系複合酸化物、Co−Fe−Mn−Ni系複合酸化物、Co−Li−P系複合酸化物、Co−Ni−Si−Zr系複合酸化物、Co−Ni−Nb−Ti系複合酸化物、Co−Ni−Sb−Ti系複合酸化物、Co−Ni−Ti−Zn系複合酸化物、Co−Si系複合酸化物、Co−Si−Zn系複合酸化物、Co−Ti系複合酸化物、Cr−Cu系複合酸化物、Cr−Cu−Mn系複合酸化物、Cr−Fe系複合酸化物、Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Zn系複合酸化物、Cr−Nb−Ti系複合酸化物、Cr−Sb−Ti系複合酸化物、Fe−Cr系複合酸化物、Fe−Mn系複合酸化物、Fe−Ti系複合酸化物、Fe−Ti−W系複合酸化物、Fe−Ti−Zn系複合酸化物、Fe−Zn系複合酸化物、Ni−Nb−Ti系複合酸化物、Ni−Sb−Ti系複合酸化物、Ni−Ti−W系複合酸化物、Sb−Sn系複合酸化物から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。これらの無機顔料としては、(Co,Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)2O4、(Ni,Co,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Ni,Co,Fe)(Fe,Cr)2O4・(Zn,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Co,Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)2O4、(Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4(Manganese ferrite black spinel)、(Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)O4、Cu(Cr,Mn)2O4、CuCr2O4、(Co,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Co,Ni)O・ZrSiO4、(Sn,Sb)O2、(Ni,Co,Fe)(Fe,Cr)2O4・ZrSiO4、Fe(Fe,Cr)2O4、(Zn,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Zn,Fe)(Fe,Cr,Al)2O4、(Fe,Co)Fe2O4、(Zn,Fe)Fe2O4、(Ti,Sb,Ni)O2、(Ti,Sb,Cr)O2、(Ti,Cr,Nb)O2、(Ti,Sb,Ni,Co)O2、(Ti,Nb,Ni,Co)O2、(Ti,Ni,W)O2、(Ti,Ni,Nb)O2、(Ti,Fe,W)O2、(Ti,Nb,Ni)O2、(Zn,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Fe,Zn)Fe2O4:TiO2、(Co,Ni,Zn)TiO4、CoCr2O4、CoAl2O4、CoAl2O4:TiO2:Li2O、CoSi2O4、Co2TiO4、CoLiPO4、Co(Al,Cr)2O4、Fe2TiO4、Cr2O3:Fe2O3、(Co,Zn)2SiO4、2NiO,3BaO,17TiO2、CaO,SnO2,SiO2:Cr2O3等を挙げることができる。
無機顔料粉末は、黒色であることが好ましく、黒色無機顔料粉末として、Al−Cu−Fe−Mn系複合酸化物、Al−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni−Zn系複合酸化物、Co−Fe−Mn−Ni系複合酸化物、Cr−Cu系複合酸化物、Cr−Cu−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Fe−Mn系複合酸化物、TinO2n―1(nは整数)、Cr2O3、Cが好ましく、例えば、(Co,Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)2O4、(Ni,Co,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Ni,Co,Fe)(Fe,Cr)2O4・(Zn,Fe)(Fe,Cr)2O4、(Co,Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)2O4、(Fe,Mn)(Fe,Mn)2O4、(Fe,Mn)(Fe,Cr,Mn)O4、Cu(Cr,Mn)2O4、CuCr2O4、(Co,Fe)(Fe,Cr)2O4、カーボンブラック等を例示することができる。
無機顔料粉末として、可視光の遮蔽性、紫外線の遮蔽性、黒色の発色性の観点から、Cr−Cu−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Cr−Co系複合酸化物、Cr−Fe−Ni系複合酸化物等のCr系複合酸化物が好ましく、特にCr−Cu−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Mn系複合酸化物が好ましい。
無機顔料粉末の平均粒子径D50は9μm以下、特に1〜4μmが好ましい。無機顔料粉末の最大粒子径Dmaxは5μm以下、特に2〜6μmが好ましい。無機顔料粉末の粒度が大き過ぎると、スクリーン印刷性が低下し易くなり、また着色層の色調が白くなり易い。
耐火性フィラー粉末の含有量は0〜20質量%であり、好ましくは0〜15質量%、0〜10質量%、0〜5質量%、0〜1質量%、特に0〜0.1質量%未満である。耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ソーダライムガラス板と着色層の固着性が低下し易くなる。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズ、ムライト、シリカ、β-ユークリプタイト、β-スポジュメン、β-石英固溶体、リン酸タングステン酸ジルコニウム等が使用可能である。
複合粉末の熱膨張係数は、好ましくは80〜115×10−7/℃、85〜110×10−7/℃、特に90〜105×10−7/℃である。熱膨張係数が低過ぎると、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなり、熱膨張係数が高過ぎても、ソーダライムガラス板の熱膨張係数に整合させ難くなる。
本発明の複合粉末ペーストは、複合粉末とビークルを含む複合粉末ペーストであって、複合粉末が上記の複合粉末であることを特徴とする。本発明の複合粉末ペーストは、本発明の複合粉末の技術的特徴を含むが、その内容は記載済みであるため、便宜上、その説明を省略する。
ビークルは、主に溶媒と樹脂で構成される。溶媒は、樹脂を溶解させつつ、複合粉末を均一に分散させる目的で添加される。樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。
樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、エチルセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒として、パインオイル、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
複合粉末ペーストは、例えば、複合粉末とビークルを混合後、3本ロールミルで均一に混練することにより作製される。
複合材料ペーストは、スクリーン印刷機等の塗布機を用いてソーダライムガラス板に塗布された後、乾燥工程、焼成工程に供される。これにより、着色層をソーダライムガラス板の表面上に形成することができる。自動車用窓ガラス用途の場合、複合材料ペーストが塗布される部位は、フロントガラス、サイドガラス、リアガラスの周縁部である。自動車用窓ガラス用途の場合、複合粉末ペーストを塗布した後、その一部を覆うように銀ペースト層が形成される場合がある。乾燥工程は、溶媒を揮発させる工程である。乾燥工程の条件は、70〜150℃で10〜60分間が一般的である。焼成工程は、樹脂を分解揮発させると共に、複合粉末を焼結させて、ソーダライムガラス板の表面上に着色層を固着させる工程である。焼成工程の条件は、580℃〜640℃で5〜30分間が一般的である。焼成工程で焼成温度が低い程、生産効率が向上する。なお、自動車の軽量化のために、フロントガラス、サイドガラス、リアガラスの薄肉化が求められる場合がある。フロントガラスの場合、自重で形状を変形させるが、従来の焼成温度では変形量が過度になる虞がある。この問題を回避するためには、焼成温度を従来よりも低温化することが有効であり、具体的には焼成温度を550〜570℃まで低温化することが有効である。
本発明の着色層付きガラス板は、着色層を有する着色層付きガラス板であって、着色層が複合粉末の焼結体であり、且つ複合粉末が上記の複合粉末であることを特徴とする。本発明の着色層付きガラス板は、本発明の複合粉末の技術的特徴を含むが、その内容は記載済みであるため、便宜上、その説明を省略する。
着色層には、結晶が析出していないことが好ましいが、ソーダライムガラス板との固着性、発色性を損なわない限り、結晶が析出していてもよい。
本発明の着色層付きガラス板は、平板形状のみならず、曲げ加工等が施されていてもよい。自動車用窓ガラス用途の場合、着色層付きガラス板は、プレス装置又は真空吸着成形装置等の成形装置により曲げ加工が施される。曲げ加工の際に、成形型には、通常、ガラス繊維の布で被覆されたステンレス鋼が使用される。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜7)及び比較例(試料No.8)を示している。
まず表中に記載のガラス組成になるように、原料を調合し、均一に混合し、ガラスバッチを得た後、ガラスバッチを白金坩堝に入れて、1300℃で2時間溶融した。その後、溶融ガラスをフィルム状又はバルク状に成形した。続いて、得られたガラスフィルムをボールミルにて粉砕した後、空気分級して、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが6.0μmのガラス粉末を得た。各試料について、密度、ガラス転移点、屈伏点、軟化点、結晶化温度を測定した。
密度は、アルキメデス法で測定した値であり、測定試料として、アニール済みのバルク状のガラスを用いた。
熱膨張係数は、押棒式TMA装置により30〜300℃の温度範囲で測定した値であり、測定試料として、アニール済みのバルク状のガラスを所定形状に加工したものを用いた。
ガラス転移点は、押棒式TMA装置及びマクロ型DTA装置で測定した。測定は、空気中で行い、昇温速度を10℃/分とした。
屈伏点(自重変形温度)は、押棒式TMA装置で測定した値であり、測定試料として、アニール済みのバルク状のガラスを所定形状に加工したものを用いた。
軟化点は、各ガラス粉末をマクロ型DTA装置により測定した第四変曲点の温度である。測定は、空気中で行い、昇温速度を10℃/分とした。
結晶化温度は、各ガラス粉末をマクロ型DTA装置により測定したピーク温度である。測定は、空気中で行い、昇温速度を10℃/分とした。
次に、ガラス粉末と無機顔料粉末を表中に記載の割合(合計100質量%)で混合し、複合粉末を得た。各複合粉末について、熱膨張係数を測定した。なお、表中の「Cr−Cu−Mn」は、Cr−Cu−Mn系複合酸化物(平均粒径D50が1.5μm、最大粒径Dmaxが4.0μm)であり、「Cr−Fe−Mn」は、Cr−Fe−Mn系複合酸化物(平均粒子径D50が1.5μm、最大粒子径Dmaxが4.0μm)である。
複合粉末の熱膨張係数は、各複合粉末を560℃20分間保持焼成で、緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを測定試料とし、押棒式TMA装置により30〜300℃の温度範囲で測定した値である。
更に、得られた複合粉末とビークルを混合後、3本ロールミルで均一に混練し、複合粉末ペーストを得た。なお、ビークルとして、エチルセルロースをα−テルピネオールに溶解させたものを用い、質量比複合粉末/ビークルを2〜3に調整した。
続いて、複合粉末ペーストを10cm角のソーダライムガラス板(日本板硝子株式会社製:板厚2.8mm)の片面全体にスクリーン印刷した後、120℃で20分間乾燥した上で、560℃の電気炉に投入して、20分間焼成し、室温まで自然冷却することにより、厚み10μmの着色層付きガラス板を得た。
以下のようにして、耐酸性を評価した。着色層付きガラス基板を80℃、0.1規定の硫酸(0.05mol/l)に8時間浸漬した後、着色層の脱落がなく、ソーダライムガラス板側から観察した時に変色が認められず、且つ浸漬前後でL*値の変化が+2以内であった場合を「○」、着色層の脱落があるか、或いは着色層の脱落がなく、ソーダライムガラス板側から観察した時に変色が認められないものの、浸漬前後でL*値の変化が+2超であった場合を「×」として、評価した。なお、L*値は、ミノルタカメラ株式会社製CR−200で測定したものである。
表1から明らかなように、試料No.1〜7は、軟化点が低く、560℃20分間の焼成でも着色層が良好に形成されていた。更に耐酸性が良好であった。一方、試料No.9は、軟化点が高く、着色層が適正に形成されておらず、耐酸性も不良であった。
Claims (13)
- ガラス粉末 55〜95質量%、無機顔料粉末 5〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜20質量%を含有する複合粉末であって、
ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、SiO2 35〜65%、B2O3 0〜20%、V2O5 0.01〜15%、ZnO 5〜35%、Li2O+Na2O+K2O 2〜28%を含有することを特徴とする複合粉末。 - 更に、ガラス粉末中にTiO2+ZrO2を0.1〜10モル%含むことを特徴とする請求項1に記載の複合粉末。
- ガラス粉末中のモル比SiO2/B2O3が4〜20であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合粉末。
- ガラス粉末中のモル比ZnO/B2O3が1〜6であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の複合粉末。
- 更に、ガラス粉末中にBaOを0.1〜5モル%含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の複合粉末。
- ガラス粉末中のSiO2+ZnOの含有量が58モル%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の複合粉末。
- ガラス粉末中のLi2Oの含有量が5〜20%であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の複合粉末。
- ガラス粉末中に、実質的にPbO、Bi2O3を含まないことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の複合粉末。
- 無機顔料粉末がCr系複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の複合粉末。
- ガラス粉末 55〜85質量%、無機顔料粉末 15〜45質量%、耐火性フィラー粉末 0〜10質量%を含有することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の複合粉末。
- 複合粉末とビークルを含む複合粉末ペーストであって、複合粉末が請求項1〜10の何れかに記載の複合粉末であることを特徴とする複合粉末ペースト。
- 着色層を有する着色層付きガラス板であって、
着色層が複合粉末の焼結体であり、且つ複合粉末が請求項1〜10の何れかに記載の複合粉末であることを特徴とする着色層付きガラス板。 - ガラス板がソーダライムガラス板であることを特徴とする請求項12に記載の着色層付きガラス板。
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