JP2015137015A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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弘之 黒澤
Hiroyuki Kurosawa
弘之 黒澤
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Abstract

【課題】通常走行時の走行性能を維持しながら、耐転覆性を向上させた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部2に一対のショルダー主溝9と一対のショルダー陸部10とを有する空気入りタイヤ1である。前記ショルダー陸部は、ショルダーブロック15がタイヤ周方向に並ぶブロック列からなる。前記ショルダーブロック15は、タイヤ軸方向の幅がトレッド接地幅TWの10〜25%である。ショルダー縦副溝16を少なくとも1本有する。前記ショルダーブロック15は、損失正接tanδが0.16よりも小さいゴム組成物からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車の中でも、重心を上げかつ径の大きいタイヤを採用し、雪路や泥寧路等の走行性能を向上させた、所謂SUV(Sports Utility Viechle)用のタイヤとして好適であり、通常走行時の走行性能を維持しながら、耐転覆性を向上させた空気入りタイヤに関する。
近年のSUV等の車両は、重心が高いことに加え、エンジンの高出力化に伴って高速走行の機会が増えているため、旋回時の車両の転覆を防ぐ性能(以下、「耐転覆性」という)の向上が重視されている。耐転覆性を高めた空気入りタイヤとして、例えば、トレッド表面に設けられたブロックの形状を規定することにより、高スリップ角でのコーナリングフォースを低減させた空気入りタイヤ(特許文献1参照)や、トレッド面のプロファイル及びトレッド部のキャップコンパウンドを規定することにより、コーナリングフォースを低減させた空気入りタイヤ(特許文献2参照)が提案されている。
特開2002−172916号公報 特開2007−160982号公報
しかしながら、これらの空気入りタイヤは、ブロックの剛性が低下して操縦安定性が悪化したり、接地面積が減少して制動距離が増加するなど、通常走行時の走行性能が低下するという問題があった。
本発明は、以上のような問題に鑑み案出されたもので、トレッド部のショルダー陸部をショルダーブロック列で構成するとともに、その損失正接と横剛性とを調整することを基本として、通常走行時の走行性能を維持しながら、車両が大きくロールした際のショルダーブロックのコーナリングフォースを低減し、耐転覆性を向上させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち、請求項1記載の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびかつトレッド接地端に最も近い主溝である一対のショルダー主溝と、前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側に配された一対のショルダー陸部とを有する空気入りタイヤであって、前記ショルダー陸部は、前記ショルダー主溝から前記トレッド接地端までタイヤ軸方向にのびるショルダー横溝によりショルダーブロックがタイヤ周方向に並ぶブロック列からなり、前記ショルダーブロックは、タイヤ軸方向の幅がトレッド接地幅の10〜25%であり、かつタイヤ周方向にのびるショルダー縦副溝を少なくとも1本有し、少なくとも前記ショルダーブロックは、損失正接tanδが0.16よりも小さいゴム組成物からなることを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記一対のショルダー主溝の間には、タイヤ赤道の両外側に配されタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝が設けられることにより、前記一対のクラウン主溝の間のクラウン陸部と、前記クラウン主溝と前記ショルダー主溝との間の一対のミドル陸部とが区分され、前記クラウン陸部及びミドル陸部は、損失正接tanδが0.16〜0.24のゴム組成物からなる請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記クラウン陸部と、前記ミドル陸部とは、ブロック列からなる請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記ショルダー縦副溝の溝深さは、前記ショルダー主溝の溝深さの40〜70%である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記ショルダー縦副溝の溝幅が、0.5〜1.5mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記ショルダー縦副溝は、隣接する一方側及び他方側のショルダー横溝から夫々前記ショルダーブロックの中央側にのびて互いに連なることなく終端し、かつ前記ショルダーブロックのタイヤ軸方向の中心から該ショルダーブロックのタイヤ軸方向の幅の20%の範囲に配され、一つの前記ショルダーブロックに配された前記ショルダー縦副溝の長さの合計が、前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の長さの25〜35%である請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部のショルダー陸部がショルダーブロックで形成される。また、前記ショルダーブロックは、タイヤ周方向にのびるショルダー縦副溝を少なくとも1本有するため、タイヤ軸方向の横剛性が低下する。このため、旋回時、車両が大きくロールしてショルダーブロックへの接地圧が増加した際のコーナリングフォースが低減され、例えばショルダーブロックの端を支点としたタイヤの路面からの浮き上がりを防止でき、耐転覆性が向上する。さらに、前記ショルダーブロックは損失正接tanδが0.16よりも小さいゴム組成物からなるため、ショルダーブロックの走行時の発熱による摩擦力増加が抑制され、旋回時、ショルダーブロックのコーナリングフォースがさらに減じられ、耐転覆性が向上する。なお、ショルダーブロックのタイヤ軸方向の幅がトレッド接地幅の10〜25%と小さく設定される。このため、ショルダーブロックの走行性能への寄与が限定され、直進走行時の走行性能の低下が防止される。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。 図1のトレッド部の展開図である。 図2のショルダー陸部の拡大図である。 図1のトレッド部の拡大断面図である。 図2のミドル陸部の拡大図である。 図2のクラウン陸部の拡大図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態におけるタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面図である。ここで、正規状態とは、タイヤを正規リムにリム組みし、かつ、正規内圧を充填した無負荷の状態とする。以下、特に言及しない場合、タイヤの各部の寸法はこの正規状態で測定された値とする。
また前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。さらに「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴム8とが設けられており、この例ではSUV用のラジアルタイヤが示される。
また、前記カーカス6は、1枚のカーカスプライ6Aからなり、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状の本体部6aと、ビードコア5の周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。また、前記カーカスプライ6Aは、カーカスコードをトッピングゴムで被覆したコードプライであって、本実施形態では前記カーカスコードがタイヤ赤道Cに対して例えば75〜90゜の角度で傾けて配されている。カーカスコードには、ポリエステルコード、ナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードが好適であり、必要によりスチールコードが採用される。
前記ベルト層7は、ベルトコードがタイヤ赤道Cに対して、例えば10〜45度の角度で傾斜して配列された2枚のベルトプライ7A、7Bを、ベルトコードが交差する向きにタイヤ半径方向で重ね合わされて構成される。このベルトコードには、例えば、スチールコード、アラミド又はレーヨン等が好適に採用される。
前記ビードエーペックスゴム8は、硬質のゴムからなり、前記本体部6aと折返し部6bとの間に配され、かつビードコア5からタイヤ半径方向外方に向かって先細状にのびる。これにより、ビード部4及びサイドウォール部3が補強される。
図2は、トレッド部2の展開図である。
図2に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、タイヤ周方向に連続してのびかつトレッド接地端Teに最も近い主溝である一対のショルダー主溝9、9が設けられ、このショルダー主溝9のタイヤ軸方向外側に一対のショルダー陸部10、10が区分される。
ここで、トレッド接地端Teとは、前記正規状態のタイヤ1に、正規荷重を付加しかつキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地端を意味する。なお「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば"最大負荷能力"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
また、ショルダー主溝9、9の間には、タイヤ赤道Cの両外側に配されタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝11、11が設けられる。これにより、トレッド部2には、一対のクラウン主溝11、11の間のクラウン陸部12と、このクラウン主溝11とショルダー主溝9との間の一対のミドル陸部13、13とが区分される。
前記ショルダー陸部10は、ショルダー主溝9からトレッド接地端Teまでタイヤ軸方向にのびるショルダー横溝14によりショルダーブロック15がタイヤ周方向に並ぶブロック列からなる。
図3にはショルダー陸部10の部分拡大図が示される。
図3に示されるように、前記ショルダーブロック15は、タイヤ周方向にのびるショルダー縦副溝16を少なくとも1本有する。また、前記ショルダー縦副溝16は、本実施形態では、隣接する一方側のショルダー横溝14A及び他方側のショルダー横溝14Bから夫々ショルダーブロック15の中央側にのびて互いに連なることなく終端する第1のショルダー縦副溝16a及び第2のショルダー縦副溝16bからなる。
このようなショルダー縦副溝16は、タイヤ周方向にのびているため、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の横剛性を効果的に低減させる。このため、旋回走行時、車両が大きくロールしてショルダーブロック15への接地圧が増加した際のコーナリングフォースが低減する。従って、例えば高速走行時に急激な操舵を行った際でも、ショルダーブロック15が柔軟に変形し、タイヤ1はショルダー陸部10を支点として路面から浮き上がりを防止でき、耐転覆性が向上する。
また、前記ショルダーブロック15は、タイヤ軸方向の幅W1がトレッド接地幅TWの10〜25%で形成される。ショルダー陸部10はタイヤ赤道Cから離間しているため、直進走行時、クラウン陸部12及びミドル陸部13と比較して、ショルダーブロック15に作用する接地圧が小さく、かつ前記幅W1がトレッド接地幅TWの10〜25%と小さく設定されるため、ショルダーブロック15の直進走行性能への寄与が限定され、通常走行時の走行性能の悪化が防止される。
前記幅W1は、小さ過ぎると、偏摩耗やブロック欠けのおそれがあるため、望ましくはトレッド接地幅TWの13%以上、より好ましくは15%以上が望ましい。逆に、前記幅W1が大き過ぎると、クラウン陸部12及びミドル陸部13の接地幅が相対的に小さくなり、直進走行時の走行性能が悪化するおそれがある。このため前記幅W1は、トレッド接地幅TWの22%以下、より好ましくは20%以下が望ましい。
前記ショルダー縦副溝16は、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の中心C1近傍に配されるのが望ましい。即ち、ショルダー縦副溝16の中心線と前記中心C1とのタイヤ軸方向の距離W2が大きくなると、剛性が小さい側のブロック小片に欠け等が誘発されるおそれがある。このため、前記距離W2は、前記幅W1の20%の範囲、より好ましくは10%の範囲に配されるのが望ましい。
また、前記ショルダー縦副溝16は、その長さが大きくなると、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の横剛性が過度に低下し、高速旋回時の操縦安定性が低下するおそれがあり、逆に、長さが小さ過ぎると耐転覆性の向上効果が得られないおそれがある。このような観点から、前記第1及び第2のショルダー縦副溝16a及び16bの長さの合計L1+L2は、前記ショルダーブロック15のタイヤ周方向の最大長さL3の25%以上、より好ましくは28%以上が望ましく、また35%以下、より好ましくは32%以下が望ましい。なお、ショルダー縦副溝16は、各ショルダーブロックに1本のみ設けられるものでも良いのは言うまでもない。
また、ショルダーブロック15のタイヤ周方向の長さL3は、特に限定されるものではないが、大き過ぎると、ワンダリング性能が低下するおそれがあり、小さ過ぎるとブロック欠けが発生し易くなるおそれがある。このような観点から、前記長さL3は、トレッド接地幅TWの15〜25%、より好ましくは18〜22%に設定されるのが望ましい。
前記ショルダー縦副溝16の溝幅t1は、0.5〜1.5mmに設定される。これにより、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の横剛性を効果的に低減しつつ、ショルダーブロック15のゴムボリュームが確保されるため、ブロック欠け等が防止される。
図4に示されるように、前記ショルダー縦副溝16の溝深さd1は、大き過ぎると、ショルダーブロック15のブロック欠けが発生するおそれがあり、逆に小さ過ぎると、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の横剛性が十分に低下せず、耐転覆性の向上効果が得られないおそれがある。このような観点から、ショルダー縦副溝16の溝深さd1は、ショルダー主溝9の溝深さd2の40%以上、より好ましくは50%以上が望ましく、また70%以下、より好ましくは60%以下が望ましい。
前記ショルダーブロック15は、ショルダー横溝14が配されることで、タイヤ周方向に隔設される。このショルダー横溝14により、ショルダーブロック15と路面との間の水膜が排水される他、ショルダー主溝9の排水を補う。ショルダー横溝14のタイヤ周方向の溝幅t2は、排水性及びショルダー陸部10の剛性の観点から、4〜6mmに設定されるのが望ましい。
前記ショルダー横溝14は、溝幅t2が一定の第1のショルダー横溝14Aと、溝幅t2が変化する第2のショルダー横溝14Bとがタイヤ周方向に交互に設けられる。前記第1のショルダー横溝14Aは、溝幅t2が一定であるため、排水性を得ながら、ショルダーブロック15の剛性が確保される。また、第2のショルダー横溝14Bは、溝幅t2がショルダー縦副溝16の位置で変化し、溝幅が相対的に小さい溝狭部14a及び溝幅が相対的に大きくかつトレッドTe側の溝広部14bを有する。このようなショルダー横溝14Bは、接地圧が低いトレッド接地端Te付近で溝幅が大きくなるため、通常走行時の走行性能を低下させずに、排水性を向上させ、ウェット性能が向上しうる。
前記ショルダーブロック15には、タイヤ軸方向の外側縁15aからショルダーブロック15の中央側にのびるショルダー横副溝17が設けられる。これにより、ショルダーブロック15の剛性がさらに調整され、耐転覆性と高速旋回時の操縦安定性との均衡がとられる他、泥濘地や雪上でのワンダリング性能が向上する。
前記ショルダー横副溝17のタイヤ軸方向の長さW3は、大き過ぎるとブロック欠けのおそれがあり、逆に、小さ過ぎるとワンダリング性能が低下するおそれがある。このような観点から、前記長さW3は、ショルダーブロック15のタイヤ軸方向の幅W1の30〜36%、より好ましくは32〜34%に設定されるのが望ましい。
前記ショルダー横副溝17は、第1及び第2のショルダー縦副溝16のタイヤ周方向の延長線に至る前に終端するのが望ましい。これにより、ショルダーブロック15の中央部のゴムボリュームが確保され、ブロック欠けや偏摩耗等の損傷が防止される。
また、ショルダーブロック15には、タイヤ軸方向の内側縁15bからショルダーブロック15の中央側にのびるサイピング18が設けられる。これにより、ウェットグリップ性能が向上し、特に雪上での旋回安定性が向上する。
また、前記サイピング18は、第1及び第2のショルダー縦副溝16のタイヤ周方向の延長線に至る手前で終端するのが望ましく、より好ましくは、前記中心C1に至ることなく終端するのが望ましい。これにより、ショルダーブロック15の中央部のゴムボリュームが確保され、ブロック欠けや偏摩耗等の損傷が防止される。
また、図4に示されるように、ショルダー陸部10は、損失正接tanδ1が0.16よりも小さいゴム組成物G2からなる。このように、損失正接tanδの小さいゴム組成物がショルダー陸部10に用いられることにより、ショルダーブロック15の走行時の発熱による摩擦力増加が抑制されるため、旋回時のショルダーブロック15のコーナリングフォースがさらに減じられ、耐転覆性が向上する。前記損失正接tanδ1は、0.16以上になると、耐転覆性の向上効果が得られない。他方、tanδ1が小さ過ぎると、雪上走行時のワンダリング性能が低下するおそれがある。このため、前記損失正接tanδ1は、より好ましくは0.14以上0.16未満が望ましい。
なお、本明細書において、損失正接tanδは、JIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用いて測定された値である。
初期歪:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:30℃
なお、前記クラウン陸部12及びミドル陸部13は、種々のゴム組成物が用いられても良いが、本実施形態では、損失正接tanδ2が0.16〜0.24のゴム組成物G2からなる。これにより、直進走行時のタイヤ1の接地荷重の大半が作用するクラウン陸部12及びミドル陸部13が、従来の空気入りタイヤのトレッドゴムと同程度に発熱するため、走行性能が維持される。
前記損失正接tanδ2は、小さくなると走行時のタイヤの発熱が小さくなり、特に雪上での走行性能が低下するおそれがあり、大き過ぎると、高速走行時の発熱が大きくなり、操縦安定性の低下、燃費性能の低下、及び偏摩耗の発生のおそれがある。このような観点から、前記損失正接tanδ2は、より好ましくは0.18〜0.22が望ましい。
また、ショルダー陸部10、クラウン陸部12、及びミドル陸部13は、ガラス転移温度Tgが−35℃以下のゴム組成物からなる。これにより、氷上及び雪上での走行性能が確保される。
前記ゴム組成物G1及びG2の境界線GLは、ショルダー主溝9のタイヤ半径方向の内側に位置させるのが望ましい。これにより、剛性が急変する箇所である前記境界線GLが路面と接触しないため、トレッド部2の偏摩耗や剥離等の損傷を未然に防止することができる。また、前記境界線GL1は、タイヤ半径方向に対して傾斜してのびてもよい。これにより、タイヤ軸方向の剛性の変化が緩和されるため、旋回時の操縦安定性が向上しうる。
図5には、ミドル陸部13の拡大図が示される。
図5に示されるように、ミドル陸部13は、タイヤ周方向連続してのびるミドル細溝20と、クラウン主溝11からミドル細溝20までタイヤ軸方向にのびるミドル横溝21aと、ミドル細溝20からショルダー主溝9までタイヤ軸方向にのびるミドル横溝21bとで隔てられたブロック片19a、19b、19c、及び19dを有するミドルブロック19がタイヤ周方向に並ぶブロック列からなる。
また、前記ミドルブロック19は、ミドルブロック19内部で終端する副溝22を有する。これにより、ミドルブロック19の剛性と、クラウン主溝11及びショルダー主溝9の排水性とが調整され、通常走行性能及びウェットグリップ性能が両立して発揮される。
図6には、クラウン陸部12の拡大図である。
図6に示されるように、クラウン陸部12は、タイヤ周方向連続してのびるクラウン中溝23と、一対のクラウン主溝11、11間をタイヤ軸方向にのびるクラウン横溝24とで隔てられたブロック片25a、25bを有するクラウンブロック25がタイヤ周方向に並ぶブロック列からなる。これにより、最も大きく接地圧が作用するタイヤ赤道C付近にクラウンブロック25が配され、通常走行性能が維持される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本構造をなすサイズが275/60R18の空気入りタイヤが表1の仕様に基づき試作されるとともに、各試供タイヤについて、耐転覆性試験、制動試験、乗り心地性、耐摩耗性がテストされた。テスト方法は以下の通りである。
<耐転覆性試験>
各テストタイヤを18×8JJの正規リムに装着し、内圧240kPaを充填し、排気量4600ccのSUV車に装着したテスト車両を使用して試験が実施された。テスト車両は、速度80km/h(舵角0°)でテストコース内を直進させ、2回転/秒の速度で操舵輪を一方側に操舵して舵角+α°を与えた後、すぐに他方側に操舵して舵角−α°を与えたときの、タイヤの最大浮き上がり量が計測された。結果は、比較例1を100とした指数であり、数値が小さい程浮き上がり量が小さいことを示す。
<制動試験>
前記テスト車両にて、乾燥アスファルト路で100km/hからABSを作動させて急制動を行い、制動距離が計測された。結果は、比較例を100とした指数であり、数値が小さい程制動距離が小さいことを示す。
<乗り心地性>
前記と同様のテスト車両を用いてドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等において、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関して官能評価が実施された。結果は、比較例1を100とした指数であり、数値が大きい程乗り心地性が高いことを示す。
<耐摩耗性>
前記車両を用い、12000km走行した後、ショルダー陸部に偏摩耗の程度について、外観目視により以下の3段階で評価した。
○:商品として合格レベル
△:商品として許容範囲であるが改善が望まれるレベル。
×:商品として不合格レベル
Figure 2015137015
Figure 2015137015
テストの結果、実施例は、比較例と比べ、制動性能及び乗り心地性を維持しながら耐転覆性が有意に向上しているのが確認できる。
9 ショルダー主溝
10 ショルダー陸部
11 クラウン主溝
12 クラウン陸部
13 ミドル陸部
14 ショルダー横溝
15 ショルダーブロック
16 ショルダー縦副溝
19 ミドルブロック
25 クラウンブロック

Claims (6)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびかつトレッド接地端に最も近い主溝である一対のショルダー主溝と、
    前記ショルダー主溝のタイヤ軸方向外側に配された一対のショルダー陸部とを有する空気入りタイヤであって、
    前記ショルダー陸部は、前記ショルダー主溝から前記トレッド接地端までタイヤ軸方向にのびるショルダー横溝によりショルダーブロックがタイヤ周方向に並ぶブロック列からなり、
    前記ショルダーブロックは、タイヤ軸方向の幅がトレッド接地幅の10〜25%であり、かつタイヤ周方向にのびるショルダー縦副溝を少なくとも1本有し、
    少なくとも前記ショルダーブロックは、損失正接tanδが0.16よりも小さいゴム組成物からなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一対のショルダー主溝の間には、タイヤ赤道の両外側に配されタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝が設けられることにより、
    前記一対のクラウン主溝の間のクラウン陸部と、
    前記クラウン主溝と前記ショルダー主溝との間の一対のミドル陸部とが区分され、
    前記クラウン陸部及びミドル陸部は、損失正接tanδが0.16〜0.24のゴム組成物からなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記クラウン陸部と、前記ミドル陸部とは、ブロック列からなる請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ショルダー縦副溝の溝深さは、前記ショルダー主溝の溝深さの40〜70%である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー縦副溝の溝幅が、0.5〜1.5mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ショルダー縦副溝は、隣接する一方側及び他方側のショルダー横溝から夫々前記ショルダーブロックの中央側にのびて互いに連なることなく終端し、
    かつ前記ショルダーブロックのタイヤ軸方向の中心から該ショルダーブロックのタイヤ軸方向の幅の20%の範囲に配され、
    一つの前記ショルダーブロックに配された前記ショルダー縦副溝の長さの合計が、前記ショルダーブロックのタイヤ周方向の長さの25〜35%である請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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