JP2015136374A - 挿入機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成にて挿入部に設けられた動作部の動作状態を可変させる複数の線状部材の同時固定を確実かつ安定して行うことができる構成を有する挿入機器を提供する。
【解決手段】少なくとも2本の内側ガイドシース40と、線状部材固定機構と、を具備し、線状部材固定機構は、ガイド部材117と、ブレーキ部材118、119と、カム120と、カム回動機構と、を具備し、ブレーキ部材118、119に、空間117vにおいて軸部121と第1の壁面117kとの間に位置するとともに、カム120の回動に伴う軸部121の挿入方向Sの後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持する腕部128、129が設けられている。
【選択図】図9

Description

本発明は、被検体内に挿入される細長な挿入部と、操作部とを有し、挿入部に操作部からの操作入力によって動作する動作部が設けられた挿入機器に関する。
近年、被検体内に挿入される挿入機器、例えば内視鏡の挿入部に、動作部、例えば複数方向に湾曲自在な湾曲部が設けられた構成が周知である。湾曲部は、管路内の屈曲部における挿入部の進行性を向上させる他、挿入部において、湾曲部よりも挿入方向の先端側(以下、単に先端側と称す)に位置する先端部に設けられた観察光学系の観察方向を可変させる。
通常、内視鏡の挿入部に設けられた湾曲部は、複数の湾曲駒が挿入部の挿入方向に沿って連結されることにより、例えば上下左右の4方向に湾曲自在となるよう構成されており、湾曲駒の内、最も先端側に位置する湾曲駒に先端が固定された挿入部内に挿通された挿入方向の前後に移動自在な4本のワイヤのいずれかが操作部から牽引操作されることにより、上下左右のいずれかの方向に湾曲自在となっている。
尚、ワイヤの牽引に伴い湾曲部のみが湾曲するのは、挿入部において、湾曲部よりも挿入方向の基端側(以下、単に基端側と称す)に位置する柔軟な可撓管部内に挿通されているワイヤの外周には、ガイドシース等が挿入方向の先端と基端(以下、単に、先端、基端と称す)が可撓管部内に固定された状態で被覆されているためであり、ワイヤが牽引されてもガイドシースに付加される該ガイドシースの延在方向に沿った圧縮力にガイドシースが抗するためである。
ここで、挿入部の挿入性を向上させるため、湾曲部の長さを可変できる内視鏡も周知である。特許文献1には、挿入部の先端側に湾曲部が第1の湾曲部、第2の湾曲部として2つ設けられ、挿入部内に挿通された4本のワイヤの外周に、挿入方向の前後に移動自在な線状部材である4本の内側ガイドシースがそれぞれ被覆され、該各内側ガイドシースの先端が第2湾曲部の先端に固定され、各内側ガイドシースの基端が線状部材固定機構により同時に固定状態と非固定状態とが切り換え可能となるよう構成されているとともに、各内側ガイドシースの外周に外側ガイドシースがそれぞれ被覆され、該各外側ガイドシースの先端が可撓管部の先端に固定され、各外側ガイドシースの基端が可撓管部の基端よりも後方に固定されている内視鏡の構成が開示されている。
特許文献1に記載の構成によれば、一方、線状部材固定機構により各内側ガイドシースの基端の固定を解除した状態で湾曲操作ノブの操作を行ってワイヤの牽引を行えば、各外側ガイドシースの先端を起点として第1湾曲部及び第2湾曲部が湾曲する。他方、線状部材固定機構により固定切り換え部材を操作して、各内側ガイドシースの基端を同時に固定した状態で湾曲操作ノブの操作を行ってワイヤの牽引を行えば、各内側ガイドシースの先端を起点として第1湾曲部のみが湾曲する。このことから、使用状況に応じて、湾曲部の長さを容易に可変することができることにより、簡単な構成にて挿入部の挿入性を向上させることができる。
特許第4856289号公報
しかしながら、特許文献1に記載された線状部材固定機構は、基材と2つの挟接部材とから構成され、2つの挟接部材を、リンク機構を用いてそれぞれ基材に向けて挿入方向に直交する幅方向に移動させ、2つの挟接部材と基材との間に各内側ガイドシースの基端を挟む込むことにより各内側ガイドシースの基端を固定する構成を有している。
よって、各内側ガイドシースの移動を確実に固定するためには、各移動部材に対する基材及び2つの挟持部材の接触面積を大きくしなければならず、即ち大きな基材及び2つの挟持部材を操作部内に設けなければならないことから操作部が大型化してしまうといった問題があった。このことから、操作部の大型化を防ぐには、小さな基材及び2つの挟持部材を用いなければならず、内側ガイドシースの基端を確実に固定することが難しくなってしまうといった問題があった。
このような問題に鑑み、操作部内に、2本から構成された一方の内側ガイドシースと2本から構成された他方の内側ガイドシースとが幅方向に所定の間隔離間した状態で挿入方向に貫通されたガイド部材を設け、さらに、ガイド部材内に、リンク機構により同時に回動自在な2つのカムを該2つのカムの各軸部がガイド部材の底面に回動自在に軸支されるよう設けるとともに、各カムの接触に伴い幅方向に摺動移動自在な2つの摺動部材を設け、各カムの回動に伴い各カムが接触する各摺動部材を幅方向外側に移動させることにより、各摺動部材にて、一方の内側ガイドシース及び他方の内側ガイドシースの各基端をガイド部材の挿入方向に沿った2つの壁面に同時に押し付けることによって、小型の構成にて確実に各内側ガイドシースの基端を固定できる線状部材固定機構も周知である。
しかしながら、ガイド部材に対する各カムの位置決め精度が悪かったり、各カムの寸法精度が悪かったり、一方の内側ガイドシースと他方の内側ガイドシースとの外径が異なっていたり、各摺動部材の幅方向の厚みが異なっていたりすると、一方のカムが移動させる一方の摺動部材による一方の内側ガイドシースの基端の固定力と、他方のカムが移動させる他方の摺動部材による他方の内側ガイドシースの基端の固定力とが異なってしまう。
このような事情に鑑み、リンク機構を用いた1つのカムの回動にて2つの摺動部材をそれぞれ移動させる構成も考えられる。1つのカムを幅方向に移動自在としておけば、1つのカムが移動させる一方の摺動部材による一方の内側ガイドシースの基端の固定力と、他方の摺動部材による他方の内側ガイドシースの基端の固定力とを同じにすることができるためである。
ところが、この構成では、リンク機構を用いて1つのカムを回動させる際、リンク機構は挿入方向の前後に移動することにより1つのカムを回動させるとともに1つのカムが幅方向に移動自在なことから、該前後への移動に伴い、ガイド部材の底面に回動自在に軸支された1つのカムの軸部が、挿入方向の前後に傾いてしまう可能性があった。この場合、1つのカムの回動により移動する各摺動部材の移動力が低下してしまうことにより、各内側ガイドシースの基端の固定力が低下してしまうばかりか各摺動部材を移動させる操作力量が大きくなってしまう可能性があった。
尚、以上の問題は、内視鏡に限らず、挿入部の先端に動作部を有しているものであれば、ガイドチューブや、各種処置具、マニュピレータ等の他の挿入機器であっても同様である他、動作部も湾曲部に限らず、挿入部の先端部内に設けられた鉗子起上台等の他の動作部であっても同様であり、さらに、線状部材は、内側ガイドシースに限らず、湾曲用のワイヤや鉗子起上台を起上させるワイヤ等、複数から構成されているものでれば同様である。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、簡単な構成にて挿入部に設けられた動作部の動作状態を可変させる複数の線状部材の同時固定を確実かつ安定して行うことができる構成を有する挿入機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の一態様による挿入機器は、被検体内に挿入される細長な挿入部と、該挿入部の挿入方向の基端側に接続された操作部とを有し、前記挿入部に前記操作部からの操作入力によって動作する動作部が設けられた挿入機器であって、前記挿入部及び前記操作部内に挿通されるとともに前記動作部の動作状態を可変させる前記挿入方向の前後に移動自在な少なくとも2本の線状部材と、前記操作部内に設けられた、前記線状部材における前記挿入方向の移動を固定する線状部材固定機構と、を具備し、前記線状部材固定機構は、前記線状部材が前記挿入方向に沿って貫通されるとともに、内部の空間に対し貫通された前記線状部材の一部が露出されるガイド部材と、前記ガイド部材の前記空間において、前記空間に位置する前記線状部材の露出部位よりも前記挿入方向に直交する前記ガイド部材の幅方向の内側に位置するとともに前記ガイド部材の底面に載置された、前記幅方向に沿って前記底面を摺動移動自在であるとともに、前記露出部位に接触自在な摺動部材と、前記ガイド部材の前記空間において、前記摺動部材よりも前記幅方向の内側に位置する、前記ガイド部材の前記底面に回動自在に軸支された軸部と、該軸部とともに回動して接触する前記摺動部材を前記幅方向に移動させて複数の前記露出部位の移動を固定するカム部とを有するカムと、前記操作部に設けられた前記カムを回動させるカム回動機構と、を具備し、前記摺動部材に、前記ガイド部材の前記空間において前記軸部と前記ガイド部材の前記幅方向に沿った第1の壁面との間に位置するとともに、前記カムの回動に伴う前記軸部の前記挿入方向への傾きを抑制するよう前記軸部を支持する腕部が設けられている。
本発明によれば、簡単な構成にて挿入部に設けられた動作部の動作状態を可変させる複数の線状部材の同時固定を確実かつ安定して行うことができる構成を有する挿入機器を提供することができる。
第1実施の形態を示す内視鏡を具備する内視鏡装置の外観を示す斜視図 図1の挿入部の先端側の内部の構成を概略的に示す部分断面図 図2の湾曲部の第1の湾曲部と第2の湾曲部とが接続口金によって接続された変形例を示す部分断面図 図2の湾曲部において、第2の湾曲部の基端側から湾曲部が湾曲された状態を概略的に示す図 図2の湾曲部において、第1の湾曲部の基端側から湾曲部が湾曲された状態を概略的に示す図 図4の内側ガイドシースの基端が固定され、図4の湾曲部の第1の湾曲部が、第2の湾曲部の湾曲方向とは反対側に湾曲された状態を概略的に示す図 図1の内視鏡の操作部内に線状部材固定機構が設けられた構成を概略的に示す図 図7の線状部材固定機構を、内側ガイドシース、外側ガイドシース、ワイヤとともに示す部分斜視図 図7の線状部材固定機構におけるガイド部材、カム、摺動部材をワイヤとともに拡大して示す図 図9のカムが一方向に回転するとともに摺動部材の移動により、内側ガイドシースの基端を固定した状態を示す図 図10中のXI-XI線に沿う線状部材固定機構の断面を、蓋、第2のリンク機構、ワイヤとともに示す図 図8の摺動部材を拡大して示す斜視図 図10中のXIII-XIII線に沿う線状部材固定機構の断面を、蓋、第2のリンク機構とともに示す図 図12の各腕部が各摺動部材にくびれ部を介さずに固定されている変形例を示す斜視図 第2実施の形態の内視鏡の操作部内に設けられる線状部材固定機構におけるそれぞれ腕部が設けられた一対のブレーキ部材を示す斜視図 図15のブレーキ部材がガイド部材の空間に設けられた状態を、スライドリンク、カムの軸部とともに示す断面図 第3実施の形態の内視鏡の操作部内に設けられる線状部材固定機構におけるそれぞれ腕部が設けられた一対のブレーキ部材を示す斜視図 図17のブレーキ部材がガイド部材の空間に設けられた状態を、スライドリンク、カムの軸部とともに示す断面図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下、挿入機器は、内視鏡を例に挙げて説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態を示す内視鏡を具備する内視鏡装置の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、内視鏡装置1は、内視鏡2と周辺装置10とにより主要部が構成されている。内視鏡2は、被検体内に挿入される挿入部4と、該挿入部4の基端側に接続された操作部3と、ユニバーサルコード5と、コネクタ19とから主要部が構成されている。
周辺装置10は、架台26に配置された、光源装置21と、ビデオプロセッサ22と、接続ケーブル23と、キーボード24と、モニタ25とから主要部が構成されている。また、このような構成を有する内視鏡2と周辺装置10とは、コネクタ19により互いに接続されている。
内視鏡2の操作部3に、他の操作部材である湾曲操作ノブ9と、送気送水操作釦16と、吸引操作釦17と、処置具挿入口18と、操作部材である回動自在な固定用レバー80とが設けられている。尚、湾曲操作ノブ9は、左右湾曲操作用ノブ9aと上下湾曲操作用ノブ9bとから構成されている。
内視鏡2の挿入部4は、先端側から順に、先端部6と、該先端部6の基端側に連設された動作部である複数方向に湾曲自在な湾曲部7と、該湾曲部7の基端側に連設された可撓管部8とにより構成されており、挿入方向Sに沿って細長に形成されている。
湾曲部7は、操作部3に設けられた湾曲操作ノブ9への操作入力によって動作する、即ち湾曲するものであり、湾曲操作ノブ9の湾曲操作による挿入部4内に挿通された後述するワイヤ30(図2参照)の牽引弛緩に伴い、例えば上下左右の4方向に湾曲自在となっている。
先端部6の先端側の先端面に、先端部6内に設けられた図示しない撮像ユニットにおける対物レンズ11aが設けられているととともに、被検体内の被検部位に向けて流体を供給する図示しないチャンネルの先端開口12と、被検体内を照明するための照明窓13と、図示しない処置具挿通チャンネルの先端開口14とが設けられている。
先端開口12からは、操作部3の送気送水操作釦16の釦操作により、気体と液体とが選択的に噴出される。先端開口14からは、操作部3の吸引操作釦17の釦操作により、処置具挿通チャンネルを介して、体腔内の粘液等が選択的に回収される他、処置具挿入口18から挿入された各種処置具が、被検部位に向けて突出される。
内視鏡2のユニバーサルコード5の先端に、コネクタ19が設けられ、このコネクタ19は、周辺装置10の光源装置21に接続されている。コネクタ19には、図示しない各種口金や、各種電気接点が設けられているとともに、ビデオプロセッサ22が、接続ケーブル23を介して電気的に接続されている。尚、上述した内視鏡装置1の構成はあくまでも一例であり、上述の構成に限定されない。
次に、挿入部4の先端側内の構成について、図2、図3を用いて説明する。図2は、図1の挿入部の先端側の内部の構成を概略的に示す部分断面図、図3は、図2の湾曲部の第1の湾曲部と第2の湾曲部とが接続口金によって接続された変形例を示す部分断面図である。
図2に示すように、湾曲部7の内部には、複数の湾曲駒7kが、挿入方向Sに沿って連結されて設けられている。また、複数の湾曲駒7kの外周に、ブレード7hが被覆されており、該ブレード7hの外周に、湾曲ゴム7gが被覆されている。
尚、以下、湾曲部7の内、挿入方向Sにおける前半部に位置する部位を第1の湾曲部7aと称し、挿入方向Sにおける後半部に位置する部位を第2の湾曲部7bと称す。
操作部3及び挿入部4内には、湾曲部7の動作状態を可変する、即ち湾曲部7を湾曲させる挿入方向Sの前後(以下、単に前後と称す)に移動自在な、例えば4本のワイヤ30が互いに挿入部4の円周方向に略90°ずれて挿通されており、第1の湾曲部7aに位置する複数の湾曲駒7kに、4本のワイヤ30を保持するワイヤガイド7uがそれぞれ設けられている。
また、各ワイヤ30の先端は、複数の湾曲駒7kの内、挿入方向Sの最も先端側に位置する湾曲駒7kに対し固定されている。
さらに、上下湾曲用の2本のワイヤ30の各基端は、後述する図4に示すように、湾曲操作ノブ9の上下湾曲操作用ノブ9bに連結された図示しないスプロケットに図示しないチェーンを介して巻回され、左右湾曲用の2本のワイヤ30の各基端は、湾曲操作ノブ9の上下湾曲操作用ノブ9bに連結されたスプロケットとは別の左右湾曲操作用ノブ9aに連結された図示しないスプロケットにチェーンを介して巻回されている。
即ち、上下湾曲操作用ノブ9bが操作されると、2本の上下用のワイヤ30は、一方が挿入方向Sの後方(以下、単に後方と称す)に移動され、他方が挿入方向Sの前方(以下、単に前方と称す)に移動される、即ち、一方が牽引され他方が弛緩されることにより、湾曲部7は上下方向いずれかに湾曲する。
また、左右湾曲操作用ノブ9aが操作されると、2本の左右用のワイヤ30は、一方が後方に移動され、他方が前方に移動される、即ち、一方が牽引され他方が弛緩されることにより、湾曲部7は左右方向いずれかに湾曲する。
また、第2の湾曲部7bにおいて、複数の湾曲駒7kの内、最も基端側に位置する湾曲駒7kには、連結部材33の先端側が固定されており、連結部材33の基端側の外周には、可撓管部8を構成するブレード8hの先端側が固定されている。尚ブレード8hの外周には、外皮チューブ8gが被覆されている。
また、操作部3、挿入部4内に挿通された4本の各ワイヤ30の外周には、例えば柔軟であって挿入方向Sに沿って細長なコイルシースから構成された、湾曲部7の湾曲状態を可変させる線状部材である内側ガイドシース40がそれぞれ被覆されている。
即ち、操作部3、挿入部4内においては、各内側ガイドシース40は、挿入部4の円周方向においてずれた位置に4本挿通されている。尚、各内側ガイドシース40は、例えばステンレスのコイルシースから形成されている。
また、各内側ガイドシース40内において、各ワイヤ30は、前後に移動自在となっている。
さらに、各内側ガイドシース40が柔軟なコイルシースから構成されているのは、例えば通常の金属製の硬質なパイプを各ワイヤ30の外周に被覆してしまうと、湾曲部7が湾曲しなくなってしまうばかりか、可撓管部8の可撓性が低下してしまうためである。
よって、各内側ガイドシース40は、湾曲部7の湾曲性及び可撓管部8の可撓性を低下させないものであって、湾曲部7の湾曲の際、各内側ガイドシース40の延在方向に沿って働く圧縮力に抗することができるものであれば、各内側ガイドシース40を構成する部材は、コイルシースに限定されない。
また、図2に示すように、各内側ガイドシース40の先端40sは、湾曲部7の挿入方向Sにおける中途位置、例えば、第2の湾曲部7bの先端位置において、ブレード7hに対して、例えばロウ付けにより固定されている。
尚、各内側ガイドシース40の基端40kは、操作部3内に設けられた後述する線状部材固定機構100(図4参照)により、固定状態と非固定状態とが切り換え可能となるよう構成されている。即ち、線状部材固定機構100は、各内側ガイドシース40の挿入方向Sにおける移動を固定するものである。尚、線状部材固定機構100の説明は、後述する。
さらに、図2に示すように、可撓管部8内に位置する4本の内側ガイドシース40の外周には、例えば柔軟なコイルシースから構成された外側ガイドシース50がそれぞれ被覆されている。尚、各外側ガイドシース50内において挿通されている各内側ガイドシース40は、挿入方向Sに対して進退自在となっている。また、各外側ガイドシース50も、例えばステンレスのコイルシースから形成されている。
また、各外側ガイドシース50は、4本、全ての内側ガイドシース40の外周に被覆されていなくても良く、例えば湾曲部7をUP方向に湾曲させるワイヤ30の外周に被覆された内側ガイドシース40の外周のみに被覆されていても構わない。この場合、外側ガイドシース50が被覆されていない3本の内側ガイドシース40は、それぞれ先端40sと基端40kとが固定されていれば良い。
尚、従来製品で使用していたコイルシースをワイヤ30に対して2重に被覆すると可撓管部8の可撓性が低下することから、内外のコイルシースとともにワイヤ30の牽引力に耐えて、湾曲部7を湾曲する圧縮力にも座屈せず且つ2重になっていても可撓管部8の可撓性が大きく低下しないように、コイルシースの肉厚と材質、素線の断面形状は工夫されており、柔軟なものから形成されている。
よって、各外側ガイドシース50は、可撓管部8の可撓性を低下させないものであって、湾曲部7の湾曲の際、各外側ガイドシース50の延在方向に働く圧縮力に抗することができるものであれば、各外側ガイドシース50を構成する部材は、コイルシースに限定されない。
また、図2に示すように、各外側ガイドシース50の先端50sは、可撓管部8の先端、具体的には、連結部材33の基端側に対して、例えばロウ付けによって固定されており、基端50k(図4参照)は、可撓管部8よりも後方に位置する止め部材105(図7参照)対して、例えばロウ付けにより固定されている。
このように、可撓管部8内に、先端50s及び基端50kが固定された状態において各外側ガイドシース50が挿通されていることにより、4本のワイヤ30の内、いずれかが牽引されて湾曲部7を湾曲させる際、各外側ガイドシース50が該外側ガイドシース50の延在方向に沿って可撓管部8に働く圧縮力に抗する。このことから、可撓性を有する可撓管部8までもが、湾曲部7とともに湾曲してしまうことが防止されている。
尚、各外側ガイドシースの先端50sと基端50kとが固定された状態において、各内側ガイドシース40は、先端40sが第2の湾曲部7bの先端に固定され、基端40kが、各外側ガイドシース50の基端50kよりも先端側に引き込まれない長さに、挿入方向Sに沿って形成されている。
また、図3に示すように、湾曲部7は、第1の湾曲部7aと第2の湾曲部7bとが、接続口金7mによって、挿入方向Sに沿って連結された構成を有していても構わない。
具体的には、第1の湾曲部7aにおいて最も基端側に位置する湾曲駒7kと、第2の湾曲部7bにおいて最も先端側に位置する湾曲駒7kとが、外径が各湾曲駒7kの内径よりも小さい接続口金7mに嵌合されることにより、第1の湾曲部7aと第2の湾曲部7bとが、接続口金7mを介して接続された構成を湾曲部7は有していても構わない。
尚、第1の湾曲部7aの最も基端側に位置する湾曲駒7kと、第2の湾曲部7bの最も先端側に位置する湾曲駒7kとには、それぞれ図示しない穴が形成されており、各駒7kは、該穴を介して、接続口金7mに設けられた図示しないネジ穴に、図示しないビス等を介して締結されている。
また、この図3に示す構成においては、4本の内側ガイドシース40の先端40sは、接続口金7mに対して、例えばロウ付け等で固定されている。
このような図3に示す構成によれば、図2の構成と比べ、湾曲部7の中途位置に各内側ガイドシース40の先端40sを接合する際、接続口金7mに接合すれば良いことから、組立性が向上する。
次に、図4〜図6を用いて図2の湾曲部の湾曲動作について説明する。図4は、図2の湾曲部において、第2の湾曲部の基端側から湾曲部が湾曲された状態を概略的に示す図、図5は、図2の湾曲部において、第1の湾曲部の基端側から湾曲部が湾曲された状態を概略的に示す図、図6は、図4の内側ガイドシースの基端が固定され、図4の湾曲部の第1の湾曲部が、第2の湾曲部の湾曲方向とは反対側に湾曲された状態を概略的に示す図である。
先ず、湾曲部7を第2の湾曲部7bの基端側から湾曲させたい場合は、即ち、湾曲部7全体を湾曲させたい場合は、操作者は、固定用レバー80の回転操作を行わず、線状部材固定機構100を用いた各内側ガイドシース40の基端40kの固定を解除しておく。
この状態において、操作者は、湾曲操作ノブ9の内、上下湾曲操作用ノブ9b、左右湾曲操作用ノブ9aのいずれかを操作して、4本のワイヤ30の内、いずれかのワイヤ30を牽引すると、各内側ガイドシース40は、基端40kが固定されていないことから、湾曲部7の第2の湾曲部7bにおいて各内側ガイドシース40の延在方向に沿って作用する圧縮力に抗することができず、基端40kが後方に移動する。
また、可撓管部8内においては、各外側ガイドシース50は、先端50sと基端50kとが固定されていることから、各外側ガイドシース50は、各外側ガイドシース50の延在方向に沿って作用する圧縮力に抗する。
その結果、図4に示すように、湾曲部7は、各外側ガイドシース50の先端を起点として、第2の湾曲部7bの基端側から、第1の湾曲部7a及び第2の湾曲部7bが湾曲する。即ち、湾曲部7全体が湾曲する。
次に、湾曲部7において、第1の湾曲部7aだけを湾曲させたい場合には、操作者は、固定用レバー80の回転操作を行って、線状部材固定機構100を用いて各内側ガイドシース40の基端40kを固定する。
この状態において、操作者は、湾曲操作ノブ9の内、上下湾曲操作用ノブ9b、左右湾曲操作用ノブ9aのいずれかを操作して、4本のワイヤ30の内、いずれかのワイヤ30を牽引すると、各内側ガイドシース40は基端40kが固定されていることから、湾曲部7の第2の湾曲部7bにおいて各内側ガイドシース40の延在方向に沿って作用する圧縮力に抗する。
その結果、図5に示すように、湾曲部7は、各内側ガイドシース40の先端を起点として、第1の湾曲部7aの基端側から、第1の湾曲部7aのみが湾曲する。
また、図4に示すように、各内側ガイドシース40の基端40kが非固定状態において、上下湾曲操作用ノブ9bが操作されて4本のワイヤ30の内、いずれか1本、例えば上側のワイヤ30が牽引されると、第1の湾曲部7a、第2の湾曲部7bは、上述したように上側に湾曲するが、その後、第1の湾曲部7aを第2の湾曲部7bとは異なる方向に湾曲させたい場合は、操作者は、固定用レバー80を回転操作して線状部材固定機構100により各内側ガイドシース40の基端40kを固定する。
その後、操作者は、上下湾曲操作用ノブ9bを操作して、下側のワイヤ30を牽引すると、図6に示すように、基端40kが固定されていることから、第2の湾曲部7bの上側への湾曲形状が固定された状態において、第1の湾曲部7aのみが基端側から、上側とは反対の下側に湾曲する。
尚、湾曲方向は、上側及び下側に限定されない。即ち、第2の湾曲部7bが上側に湾曲している状態で、それぞれ対応するワイヤ30を牽引することにより第1の湾曲部7aを左または右に湾曲させても良い他、第2の湾曲部7bが、上、下、左、右のいずれか側に湾曲している状態で、第1の湾曲部7aを、第2の湾曲部7bの湾曲方向とは異なる上、下、左、右のいずれか側に湾曲させても良い。
即ち、第1の湾曲部7aと第2の湾曲部7bとを別方向に湾曲させることができる構成を、本実施の形態の内視鏡2は有している。尚、第1の湾曲部7aと第2の湾曲部7bとを別方向に湾曲させることができることにより、胃の噴門や、直腸の肛門裏近傍、大腸の襞裏等の病変を正面視し難い場所において、観察・処置が行いやすくなるといった効果が期待できる他、術者は、片手のみで簡単に湾曲操作することができる。
以上により、各内側ガイドシース40の基端40kの固定、非固定を切り換えることにより、湾曲部7の湾曲状態を切り替えることができる。
次に、内側ガイドシース40の基端40kの移動を固定する線状部材固定機構100について、図7〜図14を用いて説明する。
図7は、図1の内視鏡の操作部内に線状部材固定機構が設けられた構成を概略的に示す図、図8は、図7の線状部材固定機構を、内側ガイドシース、外側ガイドシース、ワイヤとともに示す部分斜視図である。
また、図9は、図7の線状部材固定機構におけるガイド部材、カム、摺動部材をワイヤとともに拡大して示す図、図10は、図9のカムが一方向に回転するとともに摺動部材の移動により、内側ガイドシースの基端を固定した状態を示す図である。
図11は、図10中のXI-XI線に沿う線状部材固定機構の断面を、蓋、第2のリンク機構、ワイヤとともに示す図、図12は、図8の摺動部材を拡大して示す斜視図、図13は、図10中のXIII-XIII線に沿う線状部材固定機構の断面を、蓋、第2のリンク機構とともに示す図、図14は、図12の各腕部が各摺動部材にくびれ部を介さずに固定されている変形例を示す斜視図である。
図7に示すように、操作部3内には、各内側ガイドシース40の基端40k側の挿入方向Sの移動を同時に固定する線状部材固定機構100が設けられている。尚、以下、線状部材固定機構100は、4本全ての内側ガイドシース40の基端40k側を同時に固定する場合を例に挙げて示すが、これに限らず、同時に固定する内側ガイドシース40の本数は、2本以上であれば何本であっても構わない。
線状部材固定機構100は、ガイド部材117と、摺動部材である一対のブレーキ部材118、119と、カム120と、カム回動機構300とを具備して主要部が構成されている。
カム回動機構300は、固定用レバー80と、スライダ111と、第1のリンク機構110と、第2のリンク機構であるスライドリンク115と、ピン130とにより主要部が構成されている。
スライダ111は、操作部3内において前後に移動自在であるとともに挿入方向Sに沿って細長な部材である。
第1のリンク機構110は、一端である基端が固定用レバー80の操作部3内の端部に接続されているとともに、他端である先端に固定用レバー80の回動操作に伴い前後に移動自在なスライダ111に接続されている。即ち、第1のリンク機構110は、固定用レバー80の回動を、スライダ111の前後への往復運動に変換する機能を有している。
また、ピン130は、スライダ111の先端に設けられており、スライドリンク115の後述する溝115sに嵌入されるとともに、スライダ111の前後に移動に伴って溝115s内を移動することにより、スライドリンク115を回動させるものである。
スライドリンク115は、ピン130が嵌入される溝115sを有するとともに、カム120の後述する軸部121の上端121a(図11参照)に固定されることによりカム120とともに回動する部材となっている。
このような構成を有するカム回動機構300においては、固定用レバー80を反時計周りに回転させると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が後方に移動することにより、溝115sをピン130が端部115sb側に移動することによって、スライドリンク115が一方向、具体的には反時計周りに回転する。
反対に、固定用レバー80を時計周りに回転させると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が前方に移動することにより、溝115sをピン130が端部115sa側に移動することによって、スライドリンク115が他方向、具体的には時計周りに回転する。
ガイド部材117は、挿入方向S及び該挿入方向Sに直交する幅方向Rに対してそれぞれ直交する後述する軸部121の延在方向Qから平面視した形状が矩形の枠状を有している。尚、ガイド部材117は、操作部3内の図示しない構造体に固定されている。
図7、図8に示すように、ガイド部材117は、挿入方向Sにおいて先端側及び基端側に位置するとともに幅方向Rに沿った第1の壁面117s、117k(図9参照)を有する先端側部位及び基端側部位における幅方向Rの一端及び他端寄りに、挿入方向Sに沿ってガイド部材117内の空間117vに貫通する貫通孔117hが2つずつ形成されている。即ち、貫通孔117hは、先端側部位及び基端側部位に4つずつ形成されている。
尚、各貫通孔117hには、図8に示すように、内側ガイドシース40の基端40k側が挿入方向Sに沿って貫通している。
具体的には、幅方向Rにおいて一端側に、延在方向Qに沿って2つ形成された貫通孔117hには、例えば湾曲部7を上方向及び右方向に湾曲させる用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40がそれぞれ貫通しており、幅方向Rにおいて他端側に、延在方向Qに沿って2つ形成された貫通孔117hには、例えば湾曲部7を下方向及び左方向に湾曲させる用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40がそれぞれ貫通している。
よって、貫通後、各内側ガイドシース40は、空間117vに対し、空間117v内に位置する部位が露出する。尚、以下、各内側ガイドシース40の空間117vにおける露出部位には、符号40rを付す。
また、空間117vにおいて、湾曲部7を上方向及び右方向に湾曲させる用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された各内側ガイドシース40の露出部位40rと、湾曲部7を下方向及び左方向に湾曲させる用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された各内側ガイドシース40の露出部位40rとは、幅方向Rにおいて設定間隔離間して位置している。
さらに、空間117vにおいて、湾曲部7を上方向に湾曲される用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40と、湾曲部7を右方向に湾曲される用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40とは、延在方向Qにおいて設定間隔離間して位置しており、湾曲部7を下方向に湾曲される用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40と、湾曲部7を左方向に湾曲される用のワイヤ30がそれぞれ内部に挿通された内側ガイドシース40とは、延在方向Qにおいて設定間隔離間して位置している。
一対のブレーキ部材118、119は、ガイド部材117内の空間117vにおいて、空間117vに位置する各内側ガイドシース40の露出部位40rよりも幅方向Rの内側、具体的には、幅方向Rにおけるカム120と各露出部位40rとの間にそれぞれ位置しているとともにガイド部材117の底面117t(図11参照)に載置されている。
また、各ブレーキ部材118、119は、図9に示すように、幅方向Rにおいて各露出部材40rから各内側ガイドシース40の挿入方向Sにおける動きを阻害しない程度の所定の距離を開けて離間する位置と、図10に示すように、カム120の回動によって押圧されることにより各露出部位40rに接触する位置との間において、幅方向Rに沿って底面117tを摺動移動自在となっている。尚、一対のブレーキ部材118、119の詳しい形状及び機能については、後述する。
カム120は、ガイド部材117の空間117vにおいて、各ブレーキ部材118、119よりも幅方向Rの内側に位置しており、図7に示すように、軸部121と、カム部122とから主要部が構成されている。
図11に示すように、軸部121は、延在方向Qの上端121a及び下端121bが他の部位よりも小径に形成されており、下端121bが、ガイド部材117の底面117tに形成された貫通孔117hに遊嵌状態で嵌入していることにより、底面117tに回動自在に軸支されている。
また、上端121aは、ガイド部材117の上面を塞ぐカバー139において延在方向Qに貫通するよう形成された貫通孔139hを介して延在方向Qの上方にガイド部材117から突出しており、上述したように、スライドリンク115において延在方向Qに貫通するよう形成された貫通孔に嵌入されて固定されている。このことにより軸部121は、カバー139にも回動自在に軸支されており、スライドリンク115とともに回動自在となっている。尚、上端121aは、貫通孔139hに対して遊嵌状態で嵌入している。
カム部122は、軸部121の延在方向Qの中途位置において、軸部121を幅方向Rに貫通するとともに幅方向Rの中途位置が軸部121に固定された棒状部材であり、幅方向Rにおけるブレーキ部材118、119に接触自在な各端部が、図9、図10に示すように曲面に形成されている。
カム部122は、軸部121とともに回動自在なことにより、各端部がそれぞれ接触するブレーキ部材118、119を幅方向Rの外側に移動させることにより、複数の各露出部位40rの移動を固定するものである。
即ち、カム120は、カム回動機構300によるスライドリンク115を介した軸部121の反時計周りの回転により、反時計周りに回転するカム部122が接触するブレーキ部材118、119を空間117vにおいて幅方向Rの外側に移動させて、図10に示すように、複数の露出部位40rをガイド部材117の挿入方向Sに沿った第2の壁面117x、117yに対してそれぞれ2本ずつ同時に幅方向Rに押し付けることにより複数の露出部位40rの移動を固定するとともに、カム回動機構300によるスライドリンク115を介した軸部121の時計周りの回転により、時計周りに回転するカム部122を、各ブレーキ部材118、119に対して非接触とする機能を有している。
尚、各ブレーキ部材118、119へカム部122が非接触となると、各ブレーキ部材118、119は、各露出部位40rの断発力により幅方向Rの内側に移動し、各露出部位40rに対して設定間隔離間することにより非接触となる。この際、各内側ガイドシース40の基端40k側は、前後に移動自在となっている。
また、カム部122が各ブレーキ部材118、119に対して非接触となっていれば、仮に、各ブレーキ部材118、119が各露出部位40rに接触していたとしても、各内側ガイドシース40の基端40kの前後の移動を阻害してしまうことはない。
また、カム120は、軸部121の上端121a及び下端121bがそれぞれ貫通孔139h、117hに遊嵌状態にて軸支されていることにより、幅方向Rにおいて移動自在となっている。
これは、仮にカム120の寸法精度が悪かったり、カム120の位置決め精度が悪かったりしても、軸部121の反時計周りの回転に伴い、例えばカム部122の一端がブレーキ部材118に、カム部122の他端がブレーキ部材119に接触するよりも前に接触して、ブレーキ部材118を幅方向Rの外側に押圧したとしても、カム120全体が幅方向Rに移動自在となっていれば、後からカム部122の他端が接触することにより付与されるブレーキ部材119を幅方向Rの外側に押圧する押圧力と、カム部122の一端が接触することにより付与されるブレーキ部材118を幅方向Rの外側に押圧する押圧力とを略同じにできるためである。
次に、各ブレーキ部材118、119の構成について説明する。図7〜図11に示すように、各ブレーキ部材118、119は、ガイド部材117の空間117vに幅方向Rにおいて設定間隔離間した状態で配置されており、空間117vにおいて、図9、図10に示すように、軸部121とガイド部材117の後方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117kとの間に位置するとともに、カム120を反時計周りの回転させるため、スライダ111を後方に移動させることに起因する軸部121の後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持する腕部128、129がそれぞれ設けられていることにより、延在方向Qから平面視した形状がL字状を有している。
具体的には、空間117vにおいて、腕部128は、ブレーキ部材118におけるブレーキ部材119の対向面118tにおいて、後方かつ延在方向Qの下方、即ちガイド部材117の底面117t側に位置するよう設けられており、腕部129は、ブレーキ部材119におけるブレーキ部材118の対向面119tにおいて、後方かつ延在方向Qの上方、即ちカバー139側に位置するよう設けられている。
尚、腕部128、129は、ブレーキ部材118、119に一体的に形成されていても構わない。
また、腕部128、129がそれぞれ設けられたブレーキ部材118、119は、同一形状を有しており、空間117vに対し、延在方向Qにおいて互いに向きが上下反転された状態で設けられている。
即ち、ブレーキ部材118、119を入れ換えて上下反転することにより、空間117vにおいて、腕部129が、対向面119tにおいて、後方かつ延在方向Qの下方に位置しているとともに、腕部128が対向面118tにおいて、後方かつ延在方向Qの上方に位置していても構わない。
尚、空間117vにおいては、腕部128と腕部129とは、図9、図10、図13に示すように、延在方向Qから平面視した際、重なって位置するとともに、図13に示すように、延在方向Qにおいてずれて位置している。
また、図9、図10、図12、図13に示すように、各腕部128、129は、軸部121が当接する軸部当接面128t、129tをそれぞれ有している。尚、腕部128と腕部129とが延在方向Qにおいてずれて位置していることから、軸部当接面128t、129tが当接する軸部121の延在方向Qの位置もそれぞれ異なっている。
さらに、図9に示すように、軸部当接面128t、129tは、空間117vにおける各ブレーキ部材118、119の幅方向Rにおける移動に関わらず軸部121が常時当接する幅r1を有している。
また、腕部128、129は、図12に示すように、それぞれ対向面118t、119tに対して、くびれ部128c、129c介して固定されている(図12には、くびれ部128cは図示されず)。
くびれ部128c、129cは、軸部121が軸部当接面128t、129tに当接した際や、各ブレーキ部材118、119が各露出部位40rに押し付けられた際、各腕部128、129を変形しやすくすることにより、各ブレーキ部材118、119が底面117tに対して傾いてしまうことを防止する機能を有している。尚、このことを無視すれば、図14に示すように、各腕部128、129は、各対向面118t、119tに対して、くびれ部128c、129cを介さずに固定されていても構わない。
また、各腕部128、129は、それぞれ底面117t及びカバー139に大きな面積にて面接触することにより、底面117t及びカバー139に対する各ブレーキ部材118、119の傾きを防止する機能も有している。
また、上述したように各腕部128、129は、空間117vにおいて、図9、図10に示すように、軸部121とガイド部材117の後方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117kとの間に位置するとともに、カム120を反時計周りに回転させるため、スライダ111を後方に移動させることに起因する軸部121の後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持すると示した。
尚、軸部121の後方への傾きは、貫通孔139hへの軸部121の上端121aの嵌入によっても防ぐことができるが、カバー139の厚みが薄いと軸部121の後方への傾きに伴いカバー139が変形してしまうことから、軸部121の傾きを防ぐには、カバー139の厚みを厚くしなければならず、線状部材固定機構100が大型化してしまう。このため、本実施の形態においては、空間117v内の空いているスペースを利用して延在方向Qに十分な厚みを有することにより変形し難い腕部128、129を配置し、軸部121の後方への傾きを抑制しているのである。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
操作者は、各ブレーキ部材118、119が各露出部位40rを固定していない状態において、固定用レバー80を、反時計周りに回転操作すると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において後方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sb側に移動することから、図9、図10に示すように、スライドリンク115が反時計周りに回転することによって、カム120も反時計周りに回転することにより、カム部122の反時計周りの回転に伴って、各ブレーキ部材118、119が幅方向Rの外側に移動し、各露出部位40rを第2の壁面117x、117yに押し付けることにより、各露出部位40rが同時に固定される。
この際、スライダ111が後方に移動することにより、軸部121にも後方に傾けようとする力が働くが、各ブレーキ部材118、119に設けられた各腕部128、129に当接していることにより、軸部121の後方への傾きが防止される。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図5に示すように、湾曲部7は、第1の湾曲部7aの基端から湾曲する。
その後、各露出部位40rの固定を解除するため、操作者によって、固定用レバー80が時計周りに回転操作されると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において前方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sa側に移動することから、図9、図10に示すように、スライドリンク115が時計周りに回転することによって、カム120も時計周りに回転することにより、カム部122が各ブレーキ部材118、119に対して非接触となる。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図4に示すように、湾曲部7は、第2の湾曲部7bの基端から湾曲する。
このように、本実施の形態においては、ガイド部材117の空間117vにおいて幅方向Rに設定間隔離間して設けられる各ブレーキ部材118、119において、軸部121とガイド部材117の後方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117kとの間に位置する各腕部128、129が設けられているとともに、各腕部128、129は、カム120を反時計周りに回転させるため、スライダ111を後方に移動させることに起因する軸部121の後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持すると示した。
このことによれば、各露出部位40rを、各ブレーキ部材118、119を用いて同時に固定するため、カム120を反時計周りに回転させるスライダ111を後方に移動させても、各腕部128、129によりカム120の軸部121が後方に傾いてしまうことがない。
よって、カム120の回動により移動する各ブレーキ部材118、119の移動力が低下してしまうことにより、各内側ガイドシース40の基端40kの固定力が低下してしまうことが無く、基端40kを確実に固定することができる。さらには、各ブレーキ部材118、119を移動させる固定用レバー80の操作力量が大きくなってしまうことを防ぐことができる。
また、各基端40kは、1つのカム120によって確実に固定することができるため、線状部材固定機構100の構成が簡単になる。
さらに、各腕部128、129が設けられた各ブレーキ部材118、119は、同一形状に形成されているため、部品を共通化できることから、コスト削減を図ることができる。
以上から、簡単な構成にて挿入部4に設けられた湾曲部7の動作状態を可変させる複数の内側ガイドシース40の同時固定を確実かつ安定して行うことができる構成を有する内視鏡2を提供することができる。
(第2実施の形態)
図15は、本実施の形態の内視鏡の操作部内に設けられる線状部材固定機構におけるそれぞれ腕部が設けられた一対のブレーキ部材を示す斜視図、図16は、図15のブレーキ部材がガイド部材の空間に設けられた状態を、スライドリンク、カムの軸部とともに示す断面図である。
この第2実施の形態の内視鏡の構成は、上述した図1〜図14に示した第1実施の形態の内視鏡と比して、腕部の形状が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図15、図16に示すように、摺動部材である各ブレーキ部材218、219は、ガイド部材117の空間117vに幅方向Rにおいて設定間隔離間した状態で配置されており、空間117vにおいて、図16に示すように、軸部121とガイド部材117の後方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117kとの間に位置するとともに、軸部121とガイド部材117の前方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117sとの間に位置する腕部228、229がそれぞれ設けられていることにより、延在方向Qから平面視した形状がコの字状を有している。
腕部228は、腕部228aと腕部228bとを有しているとともに、腕部229は、腕部229aと腕部229bとを有している。
腕部228a、229aは、カム120を時計周りに回転させるため、スライダ111を前方に移動させることに起因する軸部121の前方への傾きを抑制するよう軸部121を支持し、腕部228b、229bは、カム120を反時計周りに回転させるため、スライダ111を後方に移動させることに起因する軸部121の後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持する。
具体的には、空間117vにおいて、腕部228aは、ブレーキ部材218におけるブレーキ部材219の対向面218tにおいて、前方かつ延在方向Qの下方、即ち底面117t側に位置するよう設けられており、腕部228bは、ブレーキ部材218におけるブレーキ部材219の対向面218tにおいて、後方かつ延在方向Qの下方、即ち底面117t側に位置するよう設けられている。尚、腕部228aと腕部228bとの挿入方向Sの間には、軸部121が嵌入するとともに延在方向Qから平面視した形状がT字状のスリット228mが形成されている。
また、空間117vにおいて、腕部229aは、ブレーキ部材219におけるブレーキ部材218の対向面219tにおいて、前方かつ延在方向Qの上方、即ちカバー139側に位置するよう設けられており、腕部229bは、ブレーキ部材219におけるブレーキ部材218の対向面219tにおいて、後方かつ延在方向Qの上方、即ちカバー139側に位置するよう設けられている。尚、腕部229aと腕部229bとの挿入方向Sの間には、軸部121が嵌入するとともに延在方向Qから平面視した形状がT字状のスリット229mが形成されている。
尚、腕部228、229は、ブレーキ部材218、219に一体的に形成されていても構わない。
また、腕部228、229がそれぞれ設けられたブレーキ部材218、219は、同一形状を有しており、空間117vに対し、延在方向Qにおいて互いに向きが上下反転された状態で設けられている。
即ち、ブレーキ部材218、219を入れ換えて上下反転することにより、空間117vにおいて、腕部229が、対向面219tにおいて、延在方向Qの下方に位置しているとともに、腕部228が対向面218tにおいて、延在方向Qの上方に位置していても構わない。
尚、空間117vにおいては、腕部228と腕部229とは、図16に示すように、延在方向Qから平面視した際、重なって位置するとともに、延在方向Qにおいてずれて位置している。
また、図16に示すように、各腕部228a、228b、229a、229bは、軸部121が当接する軸部当接面228at、228bt、229at、229btをそれぞれ有している。尚、腕部228と腕部229とが延在方向Qにおいてずれて位置していることから、軸部当接面228at、228btと、軸部当接面229at、229btとが当接する軸部121の延在方向Qの位置もそれぞれ異なっている。
さらに、図示しないが、軸部当接面228at、228bt、229at、229btは、空間117vにおける各ブレーキ部材218、219の幅方向Rにおける移動に関わらず軸部121が常時当接する幅r1を有している。
また、各腕部228、229は、上述したように、それぞれT字状のスリット228m、229mが形成されている。T字状のスリット228m、229mは、軸部121を嵌入される他、軸部121が軸部当接面228at、228bt、229at、229btに当接した際や、各ブレーキ部材118、119が各露出部位40rに押し付けられた際、各腕部228a、228b、229a、229bを変形しやすくすることにより、各ブレーキ部材218、119が底面117tに対して傾いてしまうことを防止する機能を有している。
また、各腕部228、229は、それぞれ底面117t及びカバー139に大きな面積にて面接触することにより、底面117t及びカバー139に対する各ブレーキ部材218、219の傾きを防止する機能も有している。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
操作者は、各ブレーキ部材218、219が各露出部位40rを固定していない状態において、固定用レバー80を、反時計周りに回転操作すると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において後方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sb側に移動することから、スライドリンク115が反時計周りに回転することによって、カム120も反時計周りに回転することにより、カム部122の反時計周りの回転に伴って、各ブレーキ部材218、219が幅方向Rの外側に移動し、各露出部位40rを第2の壁面117x、117yに押し付けることにより、各露出部位40rが同時に固定される。
この際、スライダ111が後方に移動することにより、軸部121にも後方に傾けようとする力が働くが、各ブレーキ部材218、219に設けられた各腕部228b、229bにより、軸部121の後方への傾きが防止される。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図5に示すように、湾曲部7は、第1の湾曲部7aの基端から湾曲する。
その後、各露出部位40rの固定を解除するため、操作者によって、固定用レバー80が時計周りに回転操作されると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において前方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sa側に移動することから、スライドリンク115が時計周りに回転することによって、カム120も時計周りに回転することにより、カム部122が各ブレーキ部材218、219に対して非接触となる。
この際、スライダ111が前方に移動することにより、軸部121にも前方に傾けようとする力が働くが、各ブレーキ部材218、219に設けられた各腕部228a、229aにより、軸部121の前方への傾きが防止される。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図4に示すように、湾曲部7は、第2の湾曲部7bの基端から湾曲する。
このような構成によれば、各腕部228、229によりカム120の軸部121が後方に傾いてしまうことを防ぐだけでなく、軸部121が前方に傾いてしまうことを防ぐことができるため、上述した第1実施の形態よりも、確実にカム120の回動により移動する各ブレーキ部材218、219の移動力が低下してしまうことを防ぐことができる。尚、その他の効果は、上述した第1実施の形態と同じである。
(第3実施の形態)
図17は、本実施の形態の内視鏡の操作部内に設けられる線状部材固定機構におけるそれぞれ腕部が設けられた一対のブレーキ部材を示す斜視図、図18は、図17のブレーキ部材がガイド部材の空間に設けられた状態を、スライドリンク、カムの軸部とともに示す断面図である。
この第3実施の形態の内視鏡の構成は、上述した図1〜図14に示した第1実施の形態の内視鏡、図15、図16に示した第2実施の形態の内視鏡と比して、腕部の形状が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1、第2実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図17、図18に示すように、摺動部材である各ブレーキ部材318、319は、ガイド部材117の空間117vに幅方向Rにおいて設定間隔離間した状態で配置されており、空間117vにおいて、図16に示すように、軸部121とガイド部材117の後方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117kとの間に位置するとともに、軸部121とガイド部材117の前方に位置する幅方向Rに沿った第1の壁面117sとの間に位置する腕部328、329がそれぞれ設けられていることにより、延在方向Qから平面視した形状がコの字状を有している。
腕部328は、腕部328aと腕部328bとを有しているとともに、腕部329は、腕部329aと腕部329bとを有している。腕部328a、329aは、カム120を時計周りに回転させるため、スライダ111を前方に移動させることに起因する軸部121の前方への傾きを抑制するよう軸部121を支持し、腕部328b、329bは、カム120を反時計周りに回転させるため、スライダ111を後方に移動させることに起因する軸部121の後方への傾きを抑制するよう軸部121を支持する。
具体的には、空間117vにおいて、腕部328aは、ブレーキ部材318におけるブレーキ部材319の対向面318tにおいて、前方かつ延在方向Qの上方、即ちカバー139側に位置するよう設けられており、腕部328bは、ブレーキ部材318の対向面318tにおいて、後方かつ延在方向Qの下方、即ち底面117t側に位置するよう設けられている。尚、腕部328aと腕部328bとの挿入方向Sの間には、軸部121が嵌入する間隔が形成されている。
また、空間117vにおいて、腕部329aは、ブレーキ部材319におけるブレーキ部材318の対向面319tにおいて、前方かつ延在方向Qの下方、即ち底面117t側に位置するよう設けられており、腕部329bは、ブレーキ部材319の対向面319tにおいて、後方かつ延在方向Qの上方、即ちカバー139側に位置するよう設けられている。尚、腕部329aと腕部329bとの挿入方向Sの間には、軸部が嵌入する間隔が形成されている。
尚、腕部328、329は、ブレーキ部材318、319に一体的に形成されていても構わない。
また、腕部328、329がそれぞれ設けられたブレーキ部材318、319は、同一形状を有しており、空間117vに対し、延在方向Qにおいて互いに向きが上下反転された状態で設けられている。
即ち、ブレーキ部材318、319を入れ換えて上下反転することにより、空間117vにおいて、腕部329b、328aが、延在方向Qの下方に位置しているとともに、腕部329a、328bが、延在方向Qの上方に位置していても構わない。
尚、空間117vにおいては、腕部328aと腕部329a及び腕部328bと腕部329bとは、図18に示すように、延在方向Qから平面視した際、重なって位置するとともに、延在方向Qにおいてずれて位置している。
また、図18に示すように、各腕部328a、328b、329a、329bは、軸部121が当接する軸部当接面328at、328bt、329at、329btをそれぞれ有している。尚、腕部328aと腕部329a及び腕部328bと腕部329bとが延在方向Qにおいてずれて位置していることから、軸部当接面328at、329btと、軸部当接面329bt、329atとが当接する軸部121の延在方向Qの位置もそれぞれ異なっている。
さらに、図示しないが、軸部当接面328at、328bt、329at、329btは、空間117vにおける各ブレーキ部材318、319の幅方向Rにおける移動に関わらず軸部121が常時当接する幅r1を有している。
また、各腕部329a、328b、329b、328aは、それぞれ底面117t及びカバー139に大きな面積にて面接触することにより、底面117t及びカバー139に対する各ブレーキ部材318、319の傾きを防止する機能も有している。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
操作者は、各ブレーキ部材318、319が各露出部位40rを固定していない状態において、固定用レバー80を、反時計周りに回転操作すると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において後方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sb側に移動することから、スライドリンク115が反時計周りに回転することによって、カム120も反時計周りに回転することにより、カム部122の反時計周りの回転に伴って、各ブレーキ部材318、319が幅方向Rの外側に移動し、各露出部位40rを第2の壁面117x、117yに押し付けることにより、各露出部位40rが同時に固定される。
この際、スライダ111が後方に移動することにより、軸部121にも後方に傾けようとする力が働くが、各ブレーキ部材318、319に設けられた各腕部328b、329bにより、軸部121の後方への傾きが防止される。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図5に示すように、湾曲部7は、第1の湾曲部7aの基端から湾曲する。
その後、各露出部位40rの固定を解除するため、操作者によって、固定用レバー80が時計周りに回転操作されると、第1のリンク機構110を介してスライダ111が、操作部3内において前方に移動することにより、ピン130もスライドリンク115の溝115sにおいて端部115sa側に移動することから、スライドリンク115が時計周りに回転することによって、カム120も時計周りに回転することにより、カム部122が各ブレーキ部材318、319に対して非接触となる。
この際、スライダ111が前方に移動することにより、軸部121にも前方に傾けようとする力が働くが、各ブレーキ部材318、319に設けられた各腕部328a、329aにより、軸部121の前方への傾きが防止される。
よって、上述したように、その後、湾曲操作ノブ9の回動操作を行うと、図4に示すように、湾曲部7は、第2の湾曲部7bの基端から湾曲する。
このような構成によっても上述した第2実施の形態と同様の効果を得ることができる。
尚、上述した第1〜第3実施の形態においては、挿入機器は、内視鏡2を例に挙げて示したが、内視鏡に限らず、挿入部の先端に動作部を有しているものであれば、ガイドチューブや、各種処置具、マニュピレータ等の他の挿入機器であっても適用可能である。
また、動作部も湾曲部7に限らず、挿入部の先端部内に設けられた鉗子起上台等の他の動作部であっても構わない。
さらに、線状部材固定機構100によって基端が固定される線状部材は、内側ガイドシース40を例に挙げて示したが、湾曲用のワイヤ30であっても構わず、さらには、鉗子起上台を起上させるワイヤ等、複数から構成されているものでれば同様に適用可能である。
尚、ブレーキ部材118、119の形状は、上述した実施の形態のような略L字型の形状に限定されず、端面に曲面を設けたカム120の動きに干渉しやすい部分に切り欠きを設けたりするなど、類似する他の形状であっても良い。
2…内視鏡(挿入機器)
3…操作部
4…挿入部
7…湾曲部(動作部)
7a…第1の湾曲部
7b…第2の湾曲部
8…可撓管部
9…湾曲操作ノブ(他の操作部材)
30…ワイヤ
40…内側ガイドシース(線状部材)
40r…内側ガイドシースの露出部位
40s…内側ガイドシースの先端
50…外側ガイドシース
50k…外側ガイドシースの基端
50s…外側ガイドシースの先端
80…固定用レバー(操作部材)
100…線状部材固定機構
110…第1のリンク機構
111…スライダ
115…スライドリンク(第2のリンク機構)
115s…スライドリンクの溝
117…ガイド部材
117k…第1の壁面
117s…第1の壁面
117t…ガイド部材の底面
117v…ガイド部材の空間
117x…第2の壁面
117y…第2の壁面
118…ブレーキ部材(摺動部材)
119…ブレーキ部材(摺動部材)
120…カム
121…軸部
122…カム部
128…腕部
128t…軸部当接面
129…腕部
129t…軸部当接面
130…ピン
218…ブレーキ部材(摺動部材)
219…ブレーキ部材(摺動部材)
228…腕部
228at…軸部当接面
228bt…軸部当接面
229…腕部
229at…軸部当接面
229bt…軸部当接面
300…カム回動機構
318…ブレーキ部材(摺動部材)
319…ブレーキ部材(摺動部材)
328…腕部
328at…軸部当接面
328bt…軸部当接面
329…腕部
329at…軸部当接面
329bt…軸部当接面
Q…延在方向
R…幅方向
r1…軸部当接面の幅
S…挿入方向

Claims (11)

  1. 被検体内に挿入される細長な挿入部と、該挿入部の挿入方向の基端側に接続された操作部とを有し、前記挿入部に前記操作部からの操作入力によって動作する動作部が設けられた挿入機器であって、
    前記挿入部及び前記操作部内に挿通されるとともに前記動作部の動作状態を可変させる前記挿入方向の前後に移動自在な少なくとも2本の線状部材と、
    前記操作部内に設けられた、前記線状部材における前記挿入方向の移動を固定する線状部材固定機構と、
    を具備し、
    前記線状部材固定機構は、
    前記線状部材が前記挿入方向に沿って貫通されるとともに、内部の空間に対し貫通された前記線状部材の一部が露出されるガイド部材と、
    前記ガイド部材の前記空間において、前記空間に位置する前記線状部材の露出部位よりも前記挿入方向に直交する前記ガイド部材の幅方向の内側に位置するとともに前記ガイド部材の底面に載置された、前記幅方向に沿って前記底面を摺動移動自在であるとともに、前記露出部位に接触自在な摺動部材と、
    前記ガイド部材の前記空間において、前記摺動部材よりも前記幅方向の内側に位置する、前記ガイド部材の前記底面に回動自在に軸支された軸部と、該軸部とともに回動して接触する前記摺動部材を前記幅方向に移動させて複数の前記露出部位の移動を固定するカム部とを有するカムと、
    前記操作部に設けられた前記カムを回動させるカム回動機構と、
    を具備し、
    前記摺動部材に、前記ガイド部材の前記空間において前記軸部と前記ガイド部材の前記幅方向に沿った第1の壁面との間に位置するとともに、前記カムの回動に伴う前記軸部の前記挿入方向への傾きを抑制するよう前記軸部を支持する腕部が設けられていることを特徴とする挿入機器。
  2. 前記カムは、前記軸部の一方向への回転により該一方向に回転する前記カム部が接触する前記摺動部材を前記幅方向の外側に移動させて、複数の前記露出部位を前記ガイド部材の前記挿入方向に沿った第2の壁面に対して同時に前記幅方向に押し付けることにより複数の前記露出部位の移動を固定するととともに、前記軸部の他方向への回転により該他方向へ回転する前記カム部を前記摺動部材に対して非接触とすることを特徴とする請求項1に記載の挿入機器。
  3. 前記腕部は、前記摺動部材に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の挿入機器。
  4. 前記少なくとも2本の線状部材は、前記幅方向に離間して前記ガイド部材を貫通しているとともに、前記摺動部材は、前記ガイド部材の前記空間において2つ設けられており、
    前記腕部が設けられた前記各摺動部材は同一形状を有しており、前記空間において前記挿入方向及び前記幅方向に直交する前記カムの前記軸部の延在方向において、互いに向きが上下反転された状態でそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の挿入機器。
  5. 一方の前記摺動部材の前記腕部と他方の前記摺動部材の前記腕部とは、前記延在方向から平面視した際、重なって位置しているとともに、前記延在方向においてずれて位置していることを特徴とする請求項4に記載の挿入機器。
  6. 一方の前記摺動部材の前記腕部と他方の前記摺動部材の前記腕部とは、前記軸部が当接する軸部当接面をそれぞれ有しており、
    各前記軸部当接面に対して、前記軸部が当接する前記軸部の前記延在方向の位置がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項5に記載の挿入機器。
  7. 前記各軸部当接面は、前記空間における前記カムによる前記摺動部材の前記幅方向における移動に関わらず前記軸部が当接する幅を前記幅方向において有していることを特徴とする請求項6に記載の挿入機器。
  8. 前記各摺動部材は、前記各腕部が前記回動軸と前記ガイド部材の前記挿入方向後方に位置する前記第1の壁面との間に位置しているとともに、前記各腕部が設けられた状態でそれぞれ前記延在方向から平面視した形状がL字状を有しており、
    前記各腕部は、前記軸部の前記挿入方向における後方への傾きを抑制するよう前記軸部をそれぞれ支持していることを特徴とする請求項4に記載の挿入機器。
  9. 前記各摺動部材は、前記各腕部が前記回動軸と前記ガイド部材の前記挿入方向後方及び前記挿入方向前方に位置する2つの前記第1の壁面との間に位置しており、前記各腕部が設けられた状態でそれぞれ前記延在方向から平面視した形状がコの字状を有しており、
    前記各腕部は、前記軸部の前記挿入方向における前方及び後方への傾きを抑制するよう前記軸部をそれぞれ支持していることを特徴とする請求項4に記載の挿入機器。
  10. 前記カム回動機構は、
    回動自在な操作部材と、
    前記挿入方向の前後に移動自在なスライダと、
    一端が操作部材の回動軸に固定され他端が前記スライダの前記挿入方向の基端に固定された、前記操作部材の回動を前記スライダの前記挿入方向における前後への移動に変換する第1のリンク機構と、
    前記カムの前記軸部に固定されるとともに前記カムとともに回動する、溝が形成された第2のリンク機構と、
    前記スライダの前記挿入方向の先端に設けられた、前記溝に嵌入されるとともに、前記スライダの前記挿入方向の前後の動きに伴って前記溝を移動することにより、前記第2のリンク機構を回動させるピンと、
    を具備していることを特徴とする請求項1に記載の挿入機器。
  11. 前記動作部は、前記挿入部の一部を構成するとともに複数方向に湾曲自在な湾曲部であるとともに、前記湾曲部は、第1の湾曲部と、該第1の湾曲部の前記挿入方向の基端に接続された前記第1の湾曲部とともに湾曲自在な第2の湾曲部とから構成されており、
    前記挿入部において、前記第2の湾曲部に対して前記挿入部の挿入方向の基端側に接続された可撓管部と、
    前記挿入方向の先端が前記第1の湾曲部の前記挿入方向の先端に接続されるとともに、前記操作部に設けられた前記操作部材とは異なる他の操作部材によって前記挿入方向の前後に移動されることにより、前記第1の湾曲部または前記第1の湾曲部及び前記第2の湾曲部を湾曲させるワイヤと、
    前記挿入部内に設けられた、前記ワイヤが前記挿入方向に対して進退自在に内部に挿通されるとともに、前記挿入方向の先端が前記第2の湾曲部の前記挿入方向の先端に固定された内側ガイドシースと、
    前記挿入部内に設けられるとともに前記挿入方向の先端が前記可撓管部の前記挿入方向の先端に固定され、前記挿入方向の基端が前記可撓管部よりも前記挿入方向の後方において固定された、前記内側ガイドシースが前記挿入方向に対して進退自在に内部に挿通された外側ガイドシースと、
    を具備し、
    前記線状部材は、前記内側ガイドシースであることを特徴とする請求項10に記載の挿入機器。
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