JP2015135459A - 偏光子および光配向装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光、および、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対しても、消光比に優れ、高いP波透過率を有する偏光子を提供することを主目的とする。
【解決手段】 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記偏光子の細線を、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成し、細線の膜厚、ピッチ、線幅を所定の範囲とすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比に優れ、高いP波透過率を有する偏光子、および、前記偏光子を備えた光配向装置に関するものである。
液晶表示装置は、一般に駆動素子が形成された対向基板とカラーフィルタとを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を充填した構造を有する。そして、液晶材料は屈折率異方性を有しており、液晶材料に印加された電圧の方向に沿うように整列される状態と、電圧が印加されない状態との違いから、オンオフを切り替えて画素を表示することができる。ここで液晶材料を挟持する基板には、液晶材料を配向させるために配向膜が設けられている。
配向膜としては、例えば、ポリイミドに代表される高分子材料が用いたものが知られており、この高分子材料を布等により摩擦するラビング処理が施されることによって配向規制力を有するものとなる。
しかしながら、このようなラビング処理により配向規制力が付与された配向膜では、布等が異物として残存するといった問題があった。
これに対して直線偏光を照射することにより配向規制力を発現する配向膜、すなわち光配向膜では、上述のような布等によるラビング処理を施すことなく配向規制力を付与できるため、布等が異物として残存する不具合がないことから近年注目されている。
このような光配向膜への配向規制力付与のための直線偏光の照射方法としては、偏光子を介して露光する方法が一般的に用いられる。偏光子としては、平行に配置された複数の細線を有するものが用いられ、細線を構成する材料としては、アルミや酸化チタンが用いられている(特許文献1等)。
特許第4523661号公報
しかしながら、上述のような材料から構成される細線を備えた偏光子では、紫外線領域のような短波長の光の場合には消光比(P波透過率/S波透過率)、すなわち、上記細線に対して平行な偏光成分(S波)の透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分、以下、単にS波透過率とする場合がある。)に対する、上記細線に対して垂直な偏光成分(P波)の透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分、以下、単にP波透過率とする場合がある。)の割合が特定の波長帯で低いといった問題があった。
例えば、細線を構成する材料としてアルミを用いたものは、波長が300nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光に対して、消光比等の偏光特性が不十分であり、また、細線を構成する材料として酸化チタンを用いたものは、波長が300nm以上の紫外光、特に、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対して、消光比等の偏光特性が不十分であった。
また、P波透過率は光配向膜への照射時における生産性に寄与するため、偏向子には、所望の消光比だけでなく、高いP波透過率も有していることが望まれる。しかしながら、偏光子の消光比を高くしようとする場合、P波透過率は低下してしまうという問題があった。例えば、偏光子の細線を、そのピッチを保ったまま線幅を太くすることで消光比を高くすることができるが、その一方で、P波透過率は大きく低下してしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、波長が240nm以上400nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光、および、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対しても、消光比に優れ、高いP波透過率を有する偏光子を提供することを主目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、偏光子の細線を、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成し、細線の膜厚、ピッチ、線幅を所定の範囲とすることで、波長が240nm以上400nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光、および、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対しても、優れた消光比と高いP波透過率とを両立できることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、波長が240nm以上260nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対し、消光比が100以上であって、P波透過率が60%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、波長が200nm以上600nm以下の光に対し、消光比が5以上の偏光特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、波長が220nm以上500nm以下の光に対し、消光比が20以上の偏光特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記細線のデューティー比が、0.25以上0.45以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記細線のアスペクト比が、2.22以上4.8以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、前記細線の幅が、25nm以上45nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項9に係る発明は、前記細線が、前記モリブデンシリサイドを含有する材料から構成される層の上に、クロムを含有する層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項10に係る発明は、前記細線が、その上面および側面に、酸化膜を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の偏光子である。
また、本発明の請求項11に係る発明は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の偏光子を備え、前記偏光子により偏光した光を前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置である。
また、本発明の請求項12に係る発明は、前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする請求項11に記載の光配向装置である。
本発明によれば、波長が240nm以上400nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光、および、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対しても、消光比に優れ、高いP波透過率を有する偏光子を提供できるといった効果を奏する。
また、本発明に係る偏光子を備えた光配向装置においては、波長240nm以上400nm以下の紫外光、特に、波長が240nm以上260nm以下の紫外光、および、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に感度を有する光配向膜に配向規制力を付与することを効率良く行うことができ、生産性を向上させることができる。
本発明に係る偏光子の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明に係る偏光子の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明に係る光配向装置の構成例を示す図である。 本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。 本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の例を示す図である。 実施例1の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例2の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例3の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例4の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例5の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例6の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 実施例7の偏光子の偏光特性の測定結果を示すグラフである。 本発明に係る偏光子(モデル1)の偏光特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明に係る偏光子(モデル2)の偏光特性のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る偏光子および光配向装置について説明する。
<偏光子>
まず、本発明に係る偏光子について説明する。
本発明の偏光子は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を有するものである。
図1は、本発明に係る偏光子の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に例示するように、偏光子10は、透明基板1の上に、複数本の細線2が並列に配置された構成を有している。
なお、この例では、細線2が、モリブデンシリサイドを含有する材料であるモリブデンシリサイド系材料層3の上面および側面に、酸化膜4を有する形態を示している。細線2が、その上面および側面に酸化膜4を有することで、長時間の紫外線照射に対する耐久性や、酸性溶液に対する洗浄耐性に優れた偏光子とすることができる。
また、本発明において細線2は、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されるモリブデンシリサイド系材料層3の上に、クロム(Cr)を含有する層(クロム系材料層)を有する構成であっても良い。偏光子の偏光特性を維持しつつ、偏光子製造工程で形成するハードマスク層(すなわち、クロム系材料層)を除去するという工程を省くことができるからである。
この場合、細線2の構成は、図2に示すモリブデンシリサイド系材料層3の上であって、酸化膜4の下に、上記のクロム系材料層を有する構成であることが好ましい。クロム系材料層を有する細線2の上面および側面に酸化膜4を有することで、上記のように、耐久性や洗浄耐性に優れた偏光子とすることができるからである。
以下、本発明の偏光子の各構成について詳細に説明する。
1.細線
本発明における細線は、直線状に形成され、かつ、平行に配置されるものであり、モリブデンシリサイド系材料層を有するものである。
(1)モリブデンシリサイド系材料層
上記モリブデンシリサイド系材料層は、モリブデンシリサイド系材料を含有する層である。
上記モリブデンシリサイド系材料としては、モリブデン(Mo)およびシリコン(Si)を含み、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)等を挙げることができ、なかでも、モリブデンシリサイド(MoSi)であることが好ましい。上記材料であることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。
上記モリブデンシリサイド系材料層は、モリブデンシリサイド系材料を主原料として含むものである。
ここで、主原料として含むとは、具体的には、上記モリブデンシリサイド系材料層中のモリブデンシリサイド系材料の含有量が、70質量%以上であることをいうものであり、なかでも本発明においては、90質量%以上であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、モリブデンシリサイド系材料層がモリブデンシリサイド系材料からなるものであることが好ましい。上記含有量であることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。
また、上記含有量の測定方法としては、含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記細線の断面について、XPS表面分析を行う方法を挙げることができる。
上記モリブデンシリサイド系材料層の断面視形状としては、所望の消光比を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、正方形や長方形等の四角形状等とすることができる。
(2)細線
本発明における細線は、上記モリブデンシリサイド系材料層を少なくとも有するものであり、上記モリブデンシリサイド系材料層のみを有するものであっても良いが、必要に応じてモリブデンシリサイド系材料以外の他の材料を主原料として含む非モリブデンシリサイド系材料層を有するものであっても良い。
本発明における上記モリブデンシリサイド系材料層の上記細線中の含有量としては、所望の消光比およびP波透過率を得られるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、上記モリブデンシリサイド系材料層の上記細線中の含有量が70質量%以上であることが好ましく、なかでも80質量%以上であることが好ましく、特に、90質量%以上であることが好ましい。上記含有量であることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。また、上限については、含有量が大きい程好ましいため特に限定されるものではないが、上記モリブデンシリサイド系材料層の形成容易のため、95質量%以下であることが好ましい。
また、上記含有量は、上記細線の幅方向の断面に占めるモリブデンシリサイド系材料層の質量割合をいうものであり、この測定方法としては、上記含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記モリブデンシリサイド系材料の含有量の測定方法と同様の方法を用いることができる。
上記非モリブデンシリサイド系材料層に含まれる他の材料としては、所望の消光比およびP波透過率を得られるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素等を挙げることができ、なかでも、酸化ケイ素を含むことが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層上に非モリブデンシリサイド系材料層として酸化ケイ素を含有する酸化ケイ素層が形成されたものである場合、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングする方法により上記構造の細線を得ることができ、上記モリブデンシリサイド系材料層を含む細線の形成が容易だからである。
上記酸化ケイ素層としては、酸化ケイ素を主として含むものであれば特に限定されるものではないが、酸化ケイ素の酸化ケイ素層中の含有量としては、80質量%であることが好ましく、なかでも90質量%であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、酸化ケイ素層が酸化ケイ素からなるものであることが好ましい。酸化ケイ素層を形成容易なものとすることができるからである。
上記酸化ケイ素層の膜厚としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、薄い程好ましく、例えば、10nm以下であることが好ましく、なかでも6nm以下であることが好ましく、特に4nm以下であることが好ましい。上記膜厚であることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。また、上記膜厚の下限については、薄い程好ましいため特に限定されるものではないが、製造容易なことから、2nm以上であることが好ましい。
なお、上記酸化ケイ素層の膜厚は、上記モリブデンシリサイド系材料層表面からの厚みの最大の厚みをいうものであり、具体的には図2中のdで示される厚みをいうものである。
また、細線は、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されるモリブデンシリサイド系材料層の上に、クロム(Cr)を含有する層(クロム系材料層)を有する構成であっても良い。偏光子の偏光特性を維持しつつ、偏光子製造工程で形成するハードマスク層(すなわち、クロム系材料層)を除去するという工程を省くことができるからである。
上記クロム系材料としては、クロム(Cr)を含み、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、クロム(Cr)、クロム酸化物(CrO)、クロム窒化物(CrN)、クロム酸化窒化物(CrON)等を挙げることができる。
上記クロム系材料層は、クロム系材料を主原料として含むものである。
ここで、主原料として含むとは、具体的には、上記クロム系材料層中のクロム系材料の含有量が、70質量%以上であることをいうものであり、なかでも本発明においては、90質量%以上であることが好ましく、特に100質量%、すなわち、クロム系材料層がクロム系材料からなるものであることが好ましい。クロム系材料層を形成容易なものとすることができるからである。
また、上記含有量の測定方法としては、含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記細線の断面について、XPS表面分析を行う方法を挙げることができる。
上記クロム系材料層の膜厚としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、薄い程好ましく、例えば、10nm以下であることが好ましく、なかでも5nm以下であることが好ましい。上記膜厚であることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。また、上記膜厚の下限については、薄い程好ましいため特に限定されるものではないが、製造容易なことから、2nm以上であることが好ましい。
膜厚の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、AFMにより膜表層の形状を測定し、透過型エリプソメータで偏光特性を測定することにより、膜を構成する組成とそれぞれの膜厚を得ることができる。また、以下、細線の膜厚等のサイズについても、上記測定方法により得ることができる。
上記細線の厚みとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、60nm以上であることが好ましく、なかでも60nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、特に80nm〜140nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、高いP波透過率を有したまま消光比に優れ、さらに容易に加工することができるからである。
なお、上記細線の厚みは、細線の長手方向および幅方向に垂直な方向の厚みのうち最大の厚みをいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層をも有する場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含む厚みをいうものである。具体的には図2中のaで示される厚みをいうものである。
また、上記細線の厚みは一の偏光子内に異なる厚みのものを含むものであっても良いが、通常、同一の厚みで形成される。
上記細線の本数および長さとしては、所望の消光比を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の偏光子の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記細線のピッチとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、直線偏光の生成に用いる光の波長等に応じて異なるものであるが、例えば、60nm以上140nm以下の範囲内とすることができ、なかでも80nm以上120nm以下の範囲内であることが好ましく、特に90nm以上110nm以下の範囲内であることが好ましい。上記ピッチであることにより、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。
なお、上記細線のピッチは、幅方向に隣接する細線間のピッチの最大ピッチをいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層を含む場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含むものである。具体的には図2中のcで示される長さをいうものである。
また、上記細線のピッチは一の偏光子内に異なるピッチのものを含むものであっても良いが、通常、同一ピッチで形成される。
上記細線のデューティー比、すなわち、細線のピッチに対する幅の比(幅/ピッチ)としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.2以上0.6以下の範囲内とすることができ、なかでも0.25以上0.45以下の範囲内であることが好ましい。上記デューティー比であることにより、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して、高いP波透過率を有したまま消光比に優れた偏光子とすることができ、さらに細線加工を容易にすることができるからである。
なお、上記細線の幅は、細線の長手方向に垂直方向の長さをいうものであり、細線が非モリブデンシリサイド系材料層をも含む場合には、非モリブデンシリサイド系材料層をも含む幅をいうものである。具体的には図2中のbで示される長さをいうものである。
また、上記細線の幅は一の偏光子内に異なる幅のものを含むものであっても良いが、通常、同一幅で形成される。
上記細線のアスペクト比、すなわち、細線の幅に対する厚みの比(厚み/幅)としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1.67以上6以下の範囲内とすることができ、なかでも2.22以上4.8以下の範囲内であることが好ましい。上記アスペクト比であることにより、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して、高いP波透過率を有したまま消光比に優れた偏光子とすることができ、さらに細線加工を容易にすることができるからである。
上記細線の幅としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記のデューティー比、および、アスペクト比を満たすものとすることが好ましい。例えば、上記細線の厚みが100nmであってピッチが100nmの場合、細線の幅は、35nm以上45nm以下であることが好ましい。また、上記細線の厚みが120nmであってピッチが100nmの場合には、細線の幅は、25nm以上40nm以下であることが好ましい。波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して、高いP波透過率を有したまま消光比に優れた偏光子とすることができ、さらに細線加工を容易にすることができるからである。
2.透明基板
本発明の偏光子は上記細線を有するものであるが、上記細線は、紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に配置されるものである。
上記透明基板としては、上記細線を安定的に支持することができ、紫外光透過性に優れたものであり、露光光による劣化の少ないものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定している合成石英ガラスを挙げることができる。本発明においては、なかでも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、短波長の光、すなわち、高エネルギーの露光光を用いた場合であっても劣化が少ないからである。
上記透明基板の厚みとしては、本発明の偏光子の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。
3.偏光子
本発明の偏光子は、上記細線を有するものである。
上記偏光子は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比(P波透過率/S波透過率)が40以上であることが好ましく、なかでも、50以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、光配向層への配向規制力を安定的に付与できるからである。
また、上記消光比については大きければ大きい程好ましいので、特に上限は限定されるものではない。
なお、上記消光比の測定方法は、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
また、上記偏光子のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、40%以上であることが好ましく、なかでも、50%以上であることが好ましい。上記範囲であることにより、光配向層への配向規制力を効率的に付与できるからである。
なお、P波透過率の測定方法としては、偏光子の分野における一般的な測定方法を用いることができ、例えば、紫外光の偏光特性を測定することが可能な透過型エリプソメータ、例えばウーラム社製VUV-VASEなどの透過型エリプソメータを用いることで測定することができる。
また、本発明の偏光子は、波長が200nm以上600nm以下の光に対し、消光比が5以上であることが好ましく、さらには、波長が220nm以上500nm以下の光に対し、消光比が20以上であることが好ましい。上記の広い波長範囲の光を、光配向層への配向規制力の付与に効率的に用いることができるからである。
一般に、光配向層の吸収スペクトルは、特定の波長範囲においてピークを持つものの、広い波長範囲で光を吸収することが知られている。
そのため、従来の偏光子においては、消光比が低くなる波長範囲の光をバンドパスフィルターによりカットしていた。例えば、アルミから構成される細線を備えた偏光子では、300nm以下の波長範囲の光をカットしており、酸化チタンから構成される細線を備えた偏光子では、300nm以上の波長範囲の光をカットしていた。
しかしながら、上記の方法では、光のカットにより、光配向層に配向規制力を付与する効率も低下してしまうという不具合があった。
一方、本発明の偏光子は、上記のように広い波長範囲において一定以上の消光比を確保できるため、バンドパスフィルターを用いる必要はなくなり、広い波長範囲の光を、光配向層への配向規制力の付与に効率的に用いることができる。
上記偏光子の消光比の調整方法としては、P波透過率およびS波透過率の割合を変化させる方法を用いることができる。例えば、上記細線が酸化ケイ素層により被覆されるものである場合、P波透過率を大きくする方法としては、上記細線に占めるモリブデンシリサイド系材料層の割合を小さくする方法が挙げられる。S波透過率を小さくする方法としては、上記細線のピッチを小さくする方法や上記細線に占めるモリブデンシリサイド系材料層の割合を大きくする方法が挙げられる。
上記偏光子の用途としては、直線偏光生成に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、紫外光領域のような短波長の光の直線偏光生成用に用いられることが好ましく、なかでも、波長240nm〜400nmの範囲内の光の直線偏光生成用であることが好ましい。上記モリブデンシリサイド系材料層を含むことによる効果をより効果的に発揮することができるからである。
また、本発明においては、液晶表示装置において液晶材料を挟持する液晶表示装置用光配向膜への配向規制力付与に用いられることが好ましい。光配向膜への配向規制力付与を効果的に行うことができるからである。
上記偏光子の製造方法としては、上記細線を所望のサイズで精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、特開2012−203290号公報や2010−191009号公報に開示される方法を用いることができる。具体的には、図3に示すように、透明基板1を準備し(図3(a))、上記透明基板上にスパッタリング法等により、モリブデンシリサイド系材料膜3´を形成した後(図3(b))、フォトリソ法やインプリント法、電子線描画法等によりパターン状レジスト11を形成し、パターン状レジスト11をマスクとしてエッチングすることにより(図3(c))、モリブデンシリサイド系材料層3およびモリブデンシリサイド系材料膜の形成時やエッチング時等に形成された酸化膜4を有する細線2を備える偏光子10を得る方法を用いることができる(図3(d))。
また、上記偏光子の製造方法においては、図3(b)に示す、モリブデンシリサイド系材料膜3´を形成する工程の後に、スパッタリング法等により、上記モリブデンシリサイド系材料膜3´上に、ハードマスク層を形成し、その後、フォトリソ法やインプリント法、電子線描画法等によりパターン状レジスト11を形成し、パターン状レジスト11をマスクとして、まず上記ハードマスク層をエッチングし、その後、上記ハードマスク層をマスクとして、モリブデンシリサイド系材料膜3´をエッチングすることにより、細線2を備える偏光子10を得る方法を用いてもよい。
ここで、上記ハードマスク層については、モリブデンシリサイド系材料膜3´をエッチングする工程の後に除去してもよいが、偏光子に求められる所望の偏光特性を維持することができるものであれば、除去せずに残しておいても良い。例えば、上記ハードマスク層として、上述したクロム系材料膜を形成する場合は、除去せずに残しておくことができる。この場合、偏光子の偏光特性を維持しつつ、偏光子の製造工程からはハードマスク層除去工程を省くことができることができ、工程短縮や製造コスト抑制等の効果を奏する。
<光配向装置>
次に、本発明に係る光配向装置について説明する。
本発明の光配向装置は、紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、上記の本発明に係る偏光子を備え、偏光子により偏光した光を光配向膜に照射するものである。
図4は、本発明に係る光配向装置の構成例を示す図である。
図4に示す光配向装置20は、本発明の偏光子10が収められた偏光子ユニット21と紫外光ランプ22を備えており、紫外光ランプ22から照射された紫外光を偏光子ユニット21に収められた偏光子10により偏光し、この偏光された光(偏光光24)をワーク26の上に形成された光配向膜25に照射することで、光配向膜25に配向規制力を付与するものである。
また、光配向装置20には、光配向膜25を形成したワーク26を移動させる機構が備えられており、ワーク26を移動させることにより、光配向膜25の全面に偏光光24を照射することができる。例えば、図4に示す例において、ワーク26は図中右方向(図4における矢印方向)に移動する。
なお、図4に示す例においては、ワーク26を矩形状の平板として示しているが、本発明において、ワーク26の形態は、偏光光24を照射することができるものであれば特に限定されず、例えば、ワーク26はフィルム状の形態であっても良く、また、巻取り可能なように帯状(ウェブ状)の形態であっても良い。
本発明において、紫外光ランプ22は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光を照射することができるものであることが好ましく、また、光配向膜25は、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対して感度を有するものであることが好ましい。
光配向装置20は、上記の波長の範囲の紫外光に対して消光比に優れ、高いP波透過率を有する本発明に係る偏光子10を備えているため、上記の波長の範囲の紫外光に感度を有する光配向膜に配向規制力を付与することを効率良く行うことができ、生産性を向上させることができるからである。
また、紫外光ランプ22からの光を効率良く偏光子に照射するために、光配向装置20は、紫外光ランプ22の背面側(偏光子ユニット21とは反対側)や側面側に紫外光を反射する反射鏡23を有していることが好ましい。
また、大面積の光配向膜25に対して効率良く配向規制力を付与するためには、図4に示すように、紫外光ランプ22に棒状のランプを用いて、ワーク26の移動方向(図4における矢印方向)に対して直交する方向に長い照射領域となる偏光光24が照射されるように、光配向装置20を構成することが好ましい。
この場合、偏光子ユニット21も大面積の光配向膜25に対して偏光光24を照射することに適した形態となるが、大面積の偏光子を製造することには困難性があるため、偏光子ユニット21内に、複数個の偏光子を配置することが、技術的にも経済的にも好ましい。
また、本発明に係る光配向装置は、複数個の紫外光ランプを備える構成であっても良い。
図5は、本発明に係る光配向装置の他の構成例を示す図である。
図5に示すように、光配向装置30は、2個の紫外光ランプ32を備えており、各紫外光ランプ32とワーク36の間には、それぞれ、本発明の偏光子10が収められた偏光子ユニット31が備えられている。また、各紫外光ランプ32には、それぞれ反射鏡33が備えられている。
このように、紫外光ランプ32を複数個備えることにより、紫外光ランプ32を1個備える場合よりも、ワーク36の上に形成された光配向膜35に照射する偏光光34の照射量を増加させることができる。それゆえ、紫外光ランプ32を1個備える場合よりも、ワーク36の移動速度を大きくすることができ、その結果、生産性を向上させることができる。
なお、図5に示す例においては、ワーク36の移動方向(図5における矢印方向)に2個の紫外光ランプ32を並列配置した構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、ワーク36の移動方向に直交する方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良く、さらに、ワーク36の移動方向及びそれに直交する方向の両方向に、複数個の紫外光ランプを配置した構成であっても良い。
また、図5に示す例においては、1個の紫外光ランプ32に対して1個の偏光子ユニット31が配設された構成を示しているが、本発明はこれに限らず、例えば、複数個の紫外光ランプに対して、1個の偏光子ユニットが配設された構成であっても良い。この場合、1個の偏光子ユニットは、複数個の紫外光ランプの照射領域を包含できる大きさを有していれば良い。
図6は、本発明に係る光配向装置における偏光子の配置形態の例を示す図である。なお、図6(a)〜(d)に示す偏光子の配置形態は、いずれも、平板状の偏光子10が光配向膜の膜面に対向して平面的に配列された形態を示している。
例えば、図4に示す光配向装置20において、ワーク26の移動方向に対して直交する方向に帯状の偏光光24を照射する場合は、偏光子ユニット21内には、図6(a)に示すように、ワーク26の移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に、偏光子10を複数個配置することが効率的である。偏光子10の数を少なく抑えることができるからである。
一方、偏光子10の面積が小さい場合や、光配向装置が複数個の紫外光ランプを備える場合には、図6(b)に示すように、ワークの移動方向(矢印方向)に対して直交する方向に加えて、移動方向(矢印方向)に沿う方向にも、偏光子10を複数個配置することが好ましい。紫外光ランプからの光を無駄なく光配向膜に照射でき、生産性を向上させることができるからである。
ここで、本発明においては、図6(c)および図6(d)に示すように、複数個配置する偏光子が、ワークの移動方向(矢印方向)に沿って一列に揃わないように、隣り合う偏光子の位置を、ワークの移動方向に直交する方向(図中の上下方向)にシフトさせて配置することが好ましい。
言い換えれば、本発明においては、光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う複数個の偏光子間の境界部が、光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、複数個の偏光子が配置されていることが、好ましい。
偏光子間の境界部においては、通常、偏光光が生じないため、この境界部が光配向膜に与える弊害を抑制するためである。
ここで、図6(c)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
また、図6(d)に示す配置形態は、配置される複数個の偏光子が、いずれも同じ形状、同じサイズを有し、左右方向において隣り合う偏光子の上下方向の位置が、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしている配置形態である。
上記について、より詳しく説明する。
図6(c)に示す配置形態において、上下方向に隣接配置された偏光子10aと偏光子10bの境界部41は、左右方向に配置された偏光子10cと偏光子10dによって、左右方向に伸びていくことを阻まれている。
すなわち、図6(c)に示す配置形態においては、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部が左右方向に連続的に繋がっていくことを、阻止している。
それゆえ、図6(c)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
同様に、図6(d)に示す配置形態においても、上下方向に隣接配置された偏光子間の境界部が左右方向に連続的に繋がっていくことが、阻止されている。
それゆえ、図6(d)に示す配置形態を採用して、光配向膜に偏光光を照射する場合、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを抑制することができる。
なお、図6(c)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2の大きさのステップで上下方向にシフトしているため、左右方向(ワークの移動方向)に対して、偏光子2個毎に境界部41の上下方向の位置が揃うことになる。
一方、図6(d)に示す配置形態においては、偏光子の上下方向の大きさの1/2よりも小さいステップで上下方向にシフトしているため、境界部42の上下方向の位置は、より揃い難くなる。
それゆえ、図6(d)に示す配置形態においては、上記偏光子間の境界部に起因する弊害が光配向膜に連続的に及ぶことを、より抑制することができる。
なお、図6(a)〜図6(d)に示す例においては、個々の偏光子は、その側面が互いに接するように配置されているが、本発明は、この形態に限定されず、隣り合う偏光子間の境界部が隙間を有している形態であっても良い。
また、隣り合う偏光子の端部を互いに重ねることにより、偏光子間の境界部に隙間が生じない形態としても良い。
以上、本発明に係る偏光子および光配向装置についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(偏光子の製造)
透明基板として膜厚6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜として、膜厚100nmのモリブデンシリサイド膜を形成した。
次いで、モリブデンシリサイド系材料膜上に、ピッチが100nmのラインアンドスペースパターンを有するパターン状レジストを形成した。その後、エッチングガスとして、SF6を用いて、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングし、その後パターン状レジストを剥離することにより、実施例1の偏光子を得た。
この実施例1の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、36nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例1の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ31.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例1の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜400nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表1および図7に示す。
表1および図7に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例1の偏光子のP波透過率は64.3%以上であり、消光比は55.1以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例1の偏光子のP波透過率は64.3%以上であり、消光比は55.1以上であった。また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例1の偏光子のP波透過率は77.1%以上であり、消光比は277.9以上であった。
Figure 2015135459
[実施例2]
(偏光子の製造)
実施例1と同様にして、細線の幅が実施例1とは異なる実施例2の偏光子を得た。
この実施例2の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、39nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例2の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ34.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例2の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜400nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表2および図8に示す。
表2および図8に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は60.2%以上であり、消光比は70.8以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は60.2%以上であり、消光比は70.8以上であった。また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例2の偏光子のP波透過率は72.6%以上であり、消光比は505.8以上であった。
Figure 2015135459
[実施例3]
(偏光子の製造)
実施例1と同様にして、細線の幅が実施例1および実施例2とは異なる実施例3の偏光子を得た。
この実施例3の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、41nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例3の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ36.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmnmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例3の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜700nmの範囲内の光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表3および図9に示す。
表3および図9に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例3の偏光子のP波透過率は58.4%以上であり、消光比は80.9以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例3の偏光子のP波透過率は58.4%以上であり、消光比は80.9以上であった。
また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例3の偏光子のP波透過率は70.6%以上であり、消光比は655.0以上であった。
また、波長200nm以上600nm以下の範囲において、実施例3の偏光子のS波透過率は6.82%以下であり、消光比は13.1以上であった。
また、波長220nm以上500nm以下の範囲において、実施例3の偏光子のS波透過率は1.97%以下であり、消光比は42.7以上であった。
Figure 2015135459
[実施例4]
(偏光子の製造)
実施例1と同様にして、細線の幅が実施例1〜実施例3とは異なる実施例4の偏光子を得た。
この実施例4の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、42nm、100nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例4の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ37.8nmおよび95.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例4の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長240nm〜400nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表4および図10に示す。
表4および図10に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例4の偏光子のP波透過率は56.0%以上であり、消光比は90.5以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例4の偏光子のP波透過率は56.0%以上であり、消光比は90.5以上であった。また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例4の偏光子のP波透過率は68.8%以上であり、消光比は866.4以上であった。
Figure 2015135459
[実施例5]
(偏光子の製造)
透明基板として膜厚6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜として、膜厚100nmのモリブデンシリサイド膜を形成した。
次に、クロムターゲットを用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、クロム系材料膜として、膜厚5nmのクロム膜を形成した。
次に、クロム系材料膜上に、ピッチが100nmのラインアンドスペースパターンを有するパターン状レジストを形成した。その後、エッチングガスとして、塩素と酸素の混合ガスを用いて、クロム系材料膜をドライエッチングし、次いで、エッチングガスとして、SF6を用いて、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングし、その後パターン状レジストを剥離することにより、実施例5の偏光子を得た。
この実施例5の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、41nm、103.5nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例5の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ36.8nmおよび100nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、幅および厚みがそれぞれ32.8nmおよび3nmのクロム系材料からなるクロム系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層とクロム系材料層の2層から構成される構造体の上面に0.5nmの酸化クロムからなる酸化膜および側面に4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例5の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜400nmの範囲内の紫外光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表5および図11に示す。
表5および図11に示すように、波長240nm〜400nmの範囲において、実施例5の偏光子のP波透過率は55.6%以上であり、消光比は89.4以上であった。
なお、波長240nm〜260nmの範囲において、実施例5の偏光子のP波透過率は55.6%以上であり、消光比は89.4以上であった。また、波長355nm〜375nmの範囲において、実施例5の偏光子のP波透過率は68.3%以上であり、消光比は809.2以上であった。
Figure 2015135459
[実施例6]
(偏光子の製造)
透明基板として膜厚6.35mmの合成石英ガラスを準備し、モリブデンとシリコンとの混合ターゲット(Mo:Si=1:2mol%)を用いアルゴンガス雰囲気で反応性スパッタリング法により、モリブデンシリサイド系材料膜として、膜厚120nmのモリブデンシリサイド膜を形成した。
次いで、モリブデンシリサイド系材料膜上に、ピッチが100nmのラインアンドスペースパターンを有するパターン状レジストを形成した。その後、エッチングガスとして、SF6を用いて、モリブデンシリサイド系材料膜をドライエッチングし、その後パターン状レジストを剥離することにより、実施例6の偏光子を得た。
この実施例6の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、36.5nm、120nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例6の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ32.3nmおよび115.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例6の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜700nmの範囲内の光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表6および図12に示す。
表6および図12に示すように、波長240nm以上400nm以下の範囲において、実施例6の偏光子のP波透過率は67.0%以上であり、消光比は114.7以上であった。
なお、波長240nm以上260nm以下の範囲において、実施例6の偏光子のP波透過率は67.0%以上であり、消光比は114.7以上であった。
また、波長355nm以上375nm以下の範囲において、実施例6の偏光子のP波透過率は76.9%以上であり、消光比は723.6以上であった。
また、波長200nm以上600nm以下の範囲において、実施例6の偏光子のS波透過率は6.62%以下であり、消光比は13.9以上であった。
また、波長220nm以上500nm以下の範囲において、実施例6の偏光子のS波透過率は1.84%以下であり、消光比は48.1以上であった。
Figure 2015135459
[実施例7]
(偏光子の製造)
実施例6と同様にして、細線の幅が実施例6とは異なる実施例7の偏光子を得た。
この実施例7の偏光子の細線の幅、厚み、およびピッチをVistec社製SEM測定装置LWM9000とVEECO社製AFM装置DIMENSION−X3Dにより測定したところ、それぞれ、34nm、120nm、および100nmであった。
(細線の構造評価)
実施例7の偏光子の細線について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により構造を評価した。
その結果、上記細線が、幅および厚みがそれぞれ29.8nmおよび115.8nmのモリブデンシリサイド系材料からなるモリブデンシリサイド系材料層と、上記モリブデンシリサイド系材料層の上面の膜厚および側面の膜厚がそれぞれ4.2nmおよび4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜と、を有することが確認できた。
(P波透過率およびS波透過率の測定)
実施例7の偏光子について透過型エリプソメータ(ウーラム社製VUV-VASE)により波長200nm〜700nmの範囲内の光のP波透過率(出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)およびS波透過率(出射光中のS波成分/入射光中のS波成分)を測定し、消光比(P波透過率/S波透過率)を算出した。結果を表7および図13に示す。
表7および図13に示すように、波長240nm以上400nm以下の範囲において、実施例7の偏光子のP波透過率は70.5%以上であり、消光比は79.5以上であった。
なお、波長240nm以上260nm以下の範囲において、実施例7の偏光子のP波透過率は70.5%以上であり、消光比は79.5以上であった。
また、波長355nm以上375nm以下の範囲において、実施例7の偏光子のP波透過率は79.6%以上であり、消光比は346.5以上であった。
また、波長200nm以上600nm以下の範囲において、実施例7の偏光子のS波透過率は8.44%以下であり、消光比は10.9以上であった。
また、波長220nm以上500nm以下の範囲において、実施例7の偏光子のS波透過率は2.69%以下であり、消光比は33.5以上であった。
Figure 2015135459
[実施例の評価]
実施例1〜4から、細線の厚みが100nm、ピッチが100nmであって、細線の幅が35nm以上45nm以下の範囲の本発明の偏光子であれば、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、波長が240nm以上260nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対し、消光比が100以上であって、P波透過率が60%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、実施例5から、細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成される層の上に、クロム(Cr)を含有する層を有する構成であっても、波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、波長が240nm以上260nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対し、消光比が100以上であって、P波透過率が60%以上の偏光特性を満たすことが可能なことを確認できた。
また、実施例3、6、7から、波長が200nm以上600nm以下の光に対し、消光比が5以上の偏光特性を有することを確認できた。
また、波長が220nm以上500nm以下の光に対し、消光比が20以上の偏光特性を有することを確認できた。
[シミュレーション]
下記のモデル1について、「回折光学素子の数値解析とその応用」(丸善出版、小館香椎子慣習)に記載のRCWA(Regorous Coupled Wave Analysis)に基づくシミュレーションモデルを作成し、細線の幅が30nm〜60nmの範囲における波長255nmの紫外光についてのP波透過率および消光比のシミュレーションを行った。結果を図14に示す。
なお、図14において、TpとはP波透過率のことであり、Sim_Tpはシミュレーションにより得られたP波透過率のことであり、Exp_Tpは実施例1〜4により得られたP波透過率のことである。また、同様に、Sim_消光比はシミュレーションにより得られた消光比のことであり、Exp_Tpは実施例1〜4により得られた消光比のことである。
(モデル1)
膜厚が95.8nm、ピッチが100nmのモリブデンシリサイド系材料層の上面および側面に、上面方向の膜厚および側面方向の膜厚が、いずれも4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜を有する細線モデル。
(シミュレーションの評価)
図14に示すように、シミュレーション結果は、実施例1〜4のP波透過率および消光比とほぼ同様の値となることが確認できた。
また、図14から、モデル1の条件において、細線の幅が、35nm以上45nm以下の範囲であれば、波長が255nmの紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことも確認できた。
(モデル2)
膜厚が115.8nm、ピッチが100nmのモリブデンシリサイド系材料層の上面および側面に、上面方向の膜厚および側面方向の膜厚が、いずれも4.2nmの酸化ケイ素からなる酸化膜を有する細線モデル。
(シミュレーションの評価)
図15に示すように、シミュレーション結果は、実施例6〜7のP波透過率および消光比とほぼ同様の値となることが確認できた。
また、図15から、モデル2の条件において、細線の幅が、25nm以上40nm以下の範囲であれば、波長が255nmの紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を満たすことも確認できた。
1・・・透明基板
2・・・細線
3・・・モリブデンシリサイド系材料層
3´・・・モリブデンシリサイド系材料膜
4・・・酸化膜
10、10a、10b、10c、10d・・・偏光子
11・・・パターン状レジスト
20、30・・・光配向装置
21、31・・・偏光子ユニット
22、32・・・紫外光ランプ
23、33・・・反射鏡
24、34・・・偏光光
25、35・・・光配向膜
26、36・・・ワーク
41、42・・・境界部

Claims (12)

  1. 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、
    前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、
    波長が240nm以上400nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子。
  2. 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、
    前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、
    波長が240nm以上260nm以下の紫外光に対し、消光比が50以上であって、P波透過率が50%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子。
  3. 紫外光に対して透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、
    前記細線が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されており、
    波長が355nm以上375nm以下の紫外光に対し、消光比が100以上であって、P波透過率が60%以上の偏光特性を有することを特徴とする偏光子。
  4. 波長が200nm以上600nm以下の光に対し、消光比が5以上の偏光特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の偏光子。
  5. 波長が220nm以上500nm以下の光に対し、消光比が20以上の偏光特性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の偏光子。
  6. 前記細線のデューティー比が、0.25以上0.45以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の偏光子。
  7. 前記細線のアスペクト比が、2.22以上4.8以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の偏光子。
  8. 前記細線の幅が、25nm以上45nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の偏光子。
  9. 前記細線が、前記モリブデンシリサイドを含有する材料から構成される層の上に、クロムを含有する層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の偏光子。
  10. 前記細線が、その上面および側面に、酸化膜を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の偏光子。
  11. 紫外光を偏光して光配向膜に照射する光配向装置であって、
    請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の偏光子を備え、
    前記偏光子により偏光した光を前記光配向膜に照射することを特徴とする光配向装置。
  12. 前記光配向膜を移動させる機構が備えられており、
    前記偏光子が前記光配向膜の移動方向および前記光配向膜の移動方向に直交する方向の両方向に複数個備えられており、
    前記光配向膜の移動方向に直交する方向において隣り合う前記複数個の偏光子間の境界部が、前記光配向膜の移動方向に連続的に繋がらないように、前記複数個の偏光子が配置されていることを特徴とする請求項11に記載の光配向装置。
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