JP2015133267A - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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一樹 池田
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弘之 高橋
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【課題】安価な構成により、精度よく荷電粒子ビームの照射位置制御が可能な荷電粒子ビーム装置を提供する。
【解決手段】荷電粒子銃と、該銃から照射された荷電粒子ビームの照射対象物に対する照射位置を、制御電圧値を出力し制御する荷電粒子ビーム位置制御部と、該位置制御部からの制御電圧値を補正して補正電圧値を出力する入力電圧補正部と、補正電圧値を記憶する補正記憶部と、入力電圧補正部からの出力により荷電粒子ビームの軌跡を変化させる静電電極と、静電電極に補正電圧値に応じた電圧を印加するアンプ部と、荷電粒子ビーム位置制御部からの制御電圧値の入力開始から経過時間を計測するタイマとを有し、入力電圧補正部は、補正記憶部の記憶内容から、タイマが計測した経過時間と制御電圧値とに応じた補正電圧値を設定し、該補正電圧値をもとに静電電極への出力電圧を制御することで、荷電粒子ビームの照射位置を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は荷電粒子ビーム装置に係り、特に、半導体基板を計測または検査する装置に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2007−81530号公報(特許文献1)がある。この公報には、「入力抵抗及び帰還抵抗は、n型ポリシリコン抵抗とp型ポリシリコン抵抗とを所定の比率で組み合わせる構成とした。これにより、センサ素子の温度特性を相殺し、温度変化に対して一定の出力を得る増幅回路を実現出来る。」と記載されている(上記公報の要約参照)。
特開2007−81530号公報
半導体測長や検査等を行う荷電粒子ビーム装置では、電界を用いて荷電粒子ビーム(たとえば電子ビーム)の軌跡を曲げ、目的の位置に照射する。電界を用いて荷電粒子ビームを制御するためには、高精度かつ高電圧出力アンプを用いる必要がある。高電圧アンプでは、ゲインを設定する入力抵抗と帰還抵抗の抵抗比が大きく、発熱量が帰還抵抗に偏るため、帰還抵抗の温度特性により抵抗値に変動が起こり、入力抵抗と帰還抵抗の比率が変化してしまい、アンプのゲインに変動が生じる。また、発熱量は入力電圧値によって異なるため、ゲイン変動量も入力電圧値によって異なってしまう。さらに、抵抗の温度変化に時間特性があるため、ゲイン変動量も時間により変化する。ゲイン変動が生じると、本来のビーム照射位置からのずれが起こり、例えばビーム照射により画像を得る荷電粒子ビーム装置の場合、得られる測定画像が意図した位置のものからずれてしまう。また、ゲインの時間変動が起こると、ビーム照射位置が定まらず分解能が低下し、また、測定画像の再現性も低下してしまう。
特許文献1では、入力抵抗及び帰還抵抗の温度特性をそろえて、抵抗発熱によるゲイン変動を低減する方法について記述しているが、入力抵抗と帰還抵抗が同温度であることが前提であり、帰還抵抗に偏って発熱が起こった場合にはゲインが変動してしまう。
入力抵抗と帰還抵抗を、すべて同抵抗値の抵抗を直列接続することにより形成し、抵抗ごとの発熱量を等しくして、ゲイン変動を低減する方法も考えられるが、高電圧アンプでは入力抵抗と帰還抵抗の抵抗比が大きいため、帰還抵抗は多数の抵抗素子で構成する必要がある。高電圧アンプは高精度の出力が求められるため、入力抵抗と帰還抵抗としてコストが高い精密抵抗を用いるので、多数の抵抗素子が必要になりコストが増加してしまう。また、入力抵抗と帰還抵抗ごとに温度を一定にするヒータを取り付け、ゲイン変動を低減する方法も考えらえるが、温度センサとヒータが抵抗素子ごとに必要となってしまうため、コストが増加してしまう。
そこで、本発明は、安価な構成により、精度よく荷電粒子ビームの照射位置制御が可能な荷電粒子ビーム装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明の荷電粒子ビーム装置の主たる特徴は、たとえば以下の通りである。
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子銃と、荷電粒子銃から照射された荷電粒子ビームの照射対象物に対する照射位置を、制御電圧値を出力し制御する荷電粒子ビーム位置制御部と、荷電粒子ビーム位置制御部から出力される制御電圧値を補正して補正電圧値を出力する入力電圧補正部と、補正電圧値を記憶する補正記憶部と、入力電圧補正部からの出力に基づいて荷電粒子ビームの軌跡を変化させる静電電極と、静電電極に補正電圧値に応じた電圧を印加するアンプ部と、荷電粒子ビーム位置制御部からの制御電圧値の入力開始から経過時間を計測するタイマと、を有し、入力電圧補正部は、補正記憶部に記憶された内容から、タイマが計測した経過時間と制御電圧値とに応じた補正電圧値を設定し、その補正電圧値をもとに、静電電極への出力電圧を制御することにより、荷電粒子ビームの照射位置を制御することを特徴とする。
本発明によれば、安価な構成により、精度よく荷電粒子ビームの照射位置制御が可能な荷電粒子ビーム装置を提供することができる。
荷電粒子ビーム装置の構成図の例である。 第1の実施例に係る電子ビーム制御部の構成図の例である。 第1の実施例に係るゲイン変動補正のフローチャートの例である。 第1の実施例に係る補正記憶部の表の例である。 第2の実施例に係る電子ビーム制御部の構成図の例である。 第2の実施例に係るゲイン変動補正のフローチャートの例である。 第2の実施例に係る補正記憶部の表の例である。 経過時間に対するアンプ部のゲイン変動の特性例である。 第3の実施例に係る電子ビーム制御部の構成図の例である。 第3の実施例に係るゲイン変動補正表作成のフローチャートの例である。 第3の実施例に係る経過時間を含めたゲイン変動補正表作成のフローチャートの例である。 入力電圧ごとの経過時間に対するアンプ部のゲイン変動の特性例である。 第4の実施例に係る、経過時間に対するアンプ部のゲイン変動の特性例である。 第4の実施例に係る、経過時間に対するアンプ部のゲイン変動の特性例である。 第4の実施例に係る、入力電圧変化に対応したゲイン変動補正のフローチャートの例である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本実施例では、アンプ部の帰還抵抗発熱によるゲイン変動に影響されない荷電粒子ビーム装置の例を説明する。
[構成]
まず、図1に荷電粒子ビーム装置の構成を示す。荷電粒子ビーム装置は電子ビーム3を出力する電子銃1、電子ビーム3を集束する集束レンズ2、電子ビーム3の方向を変えて、電子ビームを試料5に当てる位置を制御する電子ビーム制御部10、電子ビーム3を再び集束させる対物レンズ4、測定対象物である試料5、電子ビーム3が試料5に当たり、放出される2次電子6、放出された2次電子を検出する検出器7から構成される。
本実施例は、上記荷電粒子ビーム装置を構成する電子ビーム制御部10に関する。
図2に電子ビーム制御部100の構成を示す。電子ビーム制御部100は、デジタル信号により電子ビーム位置を制御する電子ビーム位置制御部101、電子ビーム位置制御部の制御値と補正記憶部の補正制御値とをもとにして補正入力電圧を出力する入力電圧補正部102、入力電圧補正部へ補正値を出力する補正記憶部103、入力デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(デジタル-アナログ変換器)105、アナログ信号を増幅して出力するアンプ部110、電子ビームの方向を変える静電電極104から構成される。また、アンプ部110は、入力抵抗111、帰還抵抗112、増幅回路113から構成される。
[動作]
図3に、電子ビーム制御部100の動作を表すフローチャートを示す。
まず、電子ビーム位置制御部101は、電子ビーム照射位置に対応した制御電圧値を出力する(S101)。入力電圧補正部102は、電子ビーム位置制御部101から出力された制御電圧値を入力電圧値として取得し(S102)、補正記憶部103からその入力電圧値に対応した補正電圧値を取得して(S103)、DAC105へ補正電圧値を出力する(S104)。その後、DAC105は、補正電圧値に対応した電圧をアンプ部110へ出力し、アンプ部110はその電圧を増幅して、静電電極104に印加する。
図4は、第1の実施例にかかる補正記憶部の表の例である。本表では、補正記憶部103に記憶されている、入力電圧に対する補正電圧値を示している。
入力電圧補正部102に入力される入力電圧値1001に対して、入力電圧補正部が出力する補正電圧値1002が記憶される。設計ゲインをG、変動したゲインをG+ΔG、入力電圧値をVINとしたとき、補正電圧値は、VIN・G/(G+ΔG)で表される。入力電圧値に対する補正電圧値はあらかじめ設定されており、設定方法については第3の実施例で説明する。なお、本実施例では表の形で補正値を表したが、入力電圧値の関数として補正値を表し、記憶させておいてもよい。
このように、補正電圧をアンプの入力とすることで、増幅回路の帰還抵抗の発熱によるアンプ部のゲイン変動の影響を受けずに、安定して電子ビーム制御信号を増幅することができる。また、入力電圧に対応した補正電圧をアンプの入力とすることで、入力電圧ごとに抵抗の発熱量が異なり、ゲイン変動量も異なるという点にも対応して、ゲイン変動を補正することができる。これらから、荷電粒子ビーム装置は、どのような大きさのビーム照射位置制御に対してもビームの位置ずれを起こすことなく、ビーム制御を行うことができる。
なお、本実施例では荷電粒子を電子として各部の名称を説明したが、イオンなど他の荷電粒子であってもよい。
本実施例では、ゲインの時間変動に対しても補正が行える荷電粒子ビーム装置の例を説明する。
[構成]
図5に電子ビーム制御部200の構成を示す。既に説明した図2に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
電子ビーム制御部200は、電子ビーム位置制御部101の制御値と、補正記憶部の補正制御値と、経過時間とをもとにして補正入力電圧を出力する入力電圧補正部202、入力電圧補正部へ経過時間にも対応した補正値を出力する補正記憶部203、経過時間を計測するタイマ204から構成される。その他の構成は第1の実施例と同様である。
[動作]
図6に、電子ビーム制御部200の動作を表すフローチャートを示す。
まず、電子ビーム位置制御部101は、電子ビーム照射位置に対応した制御電圧値を出力する(S201)。入力電圧補正部202は、電子ビーム位置制御部101から出力された制御電圧値を入力電圧値として取得し(S202)、さらに、タイマのカウント時間をリセットする(S203)。その後、入力電圧補正部202は、補正記憶部203から、タイマの経過時間と取得した電子ビーム制御電圧値を入力電圧値とした値に対応した補正電圧値を取得して(S204)、DAC105へ補正電圧値を出力する(S205)。DAC105は、補正電圧値に対応した電圧をアンプ部110へ出力し、アンプ部はその電圧を増幅して、静電電極104に印加する。さらに、入力電圧補正部202は、再度、制御電圧値を入力電圧値として取得する(S206)。再度取得した制御電圧値が以前の値と変化していた場合は、タイマをリセットして再び補正記憶部203から、入力電圧と経過時間に対応した補正値を取得し(S207でYesの場合、S203、S204へと進む)、再度取得した制御電圧値が以前の値と変化していない場合は、そのまま補正記憶部203から、入力電圧と経過時間に対応した補正値を取得する(S207でNoの場合、S204へ進む)。
図7は、第2の実施例にかかる補正記憶部の表の例である。本表では、補正記憶部203に記憶されている、入力電圧に対する補正電圧を示している。
入力電圧補正部に入力される電圧値[V]1201と、タイマが計測した経過時間[ms]1202とに対応する入力電圧補正部102が出力する補正電圧値1203が記憶される。入力電圧値と経過時間に対する補正電圧値はあらかじめ設定されており、設定方法については第3の実施例で説明する。なお、本実施例では表の形で補正値を表したが、入力電圧値と時間の関数として補正値を表し、記憶させておいてもよい。
図8は、経過時間に対するアンプ部のゲイン変動の特性例を示す。増幅回路の帰還抵抗の発熱温度の時間変化に起因するアンプ部のゲイン変動が起こると、図8に示すように、設計ゲイン(点線)に対して、電圧を入力してから経過時間に応じてゲイン変動量が変化する。本実施例のように、電圧を入力した後の経過時間にも対応して補正を行い、アンプの入力とすることで、増幅回路の帰還抵抗の時間変化によるゲインの時間変化にも対応して予測しリアルタイムにゲイン補正を行えるという特徴がある。このため、時間にも安定して電子ビーム制御信号を増幅することができる。
よって、荷電粒子ビーム装置において、時間経過に影響を受けずにビームの位置ずれを起こすことなく、ビーム制御を行うことができ、測定精度や分解能を高くできる。
なお、本実施例では荷電粒子を電子として各部の名称を説明したが、イオンなど他の荷電粒子であってもよい。
本実施例では、ゲインの補正表の作成例、及び、補正の式の導出例について説明する。
[構成]
図9に電子ビーム制御部300の構成を示す。既に説明した図2、図5に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
電子ビーム制御部300は、入力電圧に対する補正値を記憶する補正記憶部303、任意の電圧値を出力すると共に、経過時間と補正値情報を補正記憶部303へ記憶させる入力電圧補正部302、アンプ部110の出力値を測定する出力電圧測定部304から構成される。その他の構成は第1または第2の実施例と同様である。
[動作]
[入力補正]
図4の例に示した入力電圧値に対する補正値の表を作成する動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、入力電圧補正部302がアンプの入力電圧値として出力する電圧VINを0.1Vに設定し、入力電圧補正部302が電圧値0.1VをDAC105に出力して、DAC105はアンプ部に0.1Vを入力する(S301、S302)。その後、十分な時間、VIN電圧を入力したまま待機する(S303)。ここで、十分な時間とは、帰還抵抗112の発熱によるゲイン変動が収束するまでの時間を意味するものとする。その後、出力電圧測定部304により、アンプの出力電圧値VOUTを測定し、その値を入力電圧補正部へ出力する(S304)。入力電圧補正部は、設計ゲインGと抵抗発熱によるゲイン変動ΔGを足し合わせたゲイン変動込みのゲイン量G+ΔGを下記に示す式1、
Figure 2015133267
の計算から求める(S305)。このG+ΔGが本来設計ゲイン量であるGとなるように、入力電圧を補正した値が補正値Cとなり、補正値Cは式2で表わされ、
Figure 2015133267
となる。
入力電圧補正部は、この補正値Cを求める(S306)。その後、入力電圧補正部は、入力電圧値VINとそれに対応する補正値Cを補正記憶部に書き込む(S307)。VINがあらかじめ定めた測定上限値、例えば5.0V、に達した場合は処理を終了し(S308でYesの場合)、測定上限値に達していない場合は、VINを1段階、例えば0.1V増加させ、入力電圧補正部が電圧値0.2VをDAC105に出力して、DAC105はアンプ部に0.2Vを入力する(S308でNoの場合、S309、S302へと進む)。この一連の動作を行うことで、図4の入力電圧値に対する補正値の表を作成することができる。
[補間]
図10のフローチャートにより作成した入力電圧値に対する補正値の表から、補正値Cを入力電圧値VINの関数として表す方法について説明する。
帰還抵抗112の抵抗値をR、消費電力をΔW、消費電力あたりの抵抗値変動率をkとし、入力抵抗112の抵抗値をR、消費電力をΔW、消費電力あたりの抵抗値変動率をkとすると、ゲイン変動ΔGは、下記式3、
Figure 2015133267
と表せる。設計ゲインGはG=R/Rとあらわされることと、式2から補正値Cは、下記式4、
Figure 2015133267
と表せる。RとRは回路設計時に既知であり、ΔWとΔWもそれぞれ、
ΔW=VIN ・R/R 、ΔW=VIN /Rとして求めることができるため、未知数はkとkとなる。補正値の表の入力電圧値に対する補正値と式4から最小二乗法を用いて、kとkを求めることで、補正値Cを入力電圧値VINの関数として表せる。
以上のように、アンプ部の入力電圧値と出力電圧値の測定値から補正値を求める動作を行うことで、自動的に入力電圧値に対応する補正値の表を作成することができる。また、補正値を入力電圧値の関数として表すようにすることで、測定を行っていない入力電圧値においても補正値を計算で求めることができるようになり、表の作成に要する時間を短縮できる。
[時間考慮]
図7の例に示した入力電圧値と経過時間に対する補正値の表を作成する動作について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。まず、入力電圧補正部302がアンプの入力電圧値として出力する電圧VINを、例えば0.1Vに設定する(S321)。次に、タイマ204をリセットした(S322)後、入力電圧補正部が電圧値0.1VをDAC105に出力して、DAC105はアンプ部に0.1Vを入力する(S323)。その後、出力電圧測定部304により、アンプの出力電圧値VOUTを測定し、その値を入力電圧補正部へ出力する(S324)。出力電圧測定と同時にタイマから経過時間を読み取る(S325)。入力電圧補正部は、設計ゲインGと抵抗発熱によるゲイン変動ΔGを足し合わせたゲイン変動込みのゲイン量G+ΔGを、前掲の式1、
Figure 2015133267
の計算から求める(S326)。このG+ΔGが本来設計ゲイン量であるG=R/Rとなるように、入力電圧を補正した値が補正値Cとなり、補正値Cは前掲の式2で表すと、
Figure 2015133267
となる。入力電圧補正部は、この補正値Cを求める(S327)。その後、入力電圧補正部は、入力電圧値VINとタイマから読み取った経過時間と、対応する補正値Cとを補正記憶部に書き込む(S328)。経過時間があらかじめ定めた測定上限値に達していない場合は、測定間隔時間だけ待機し、再びVOUTを測定する(S329でNoの場合、S331へと進む)。経過時間があらかじめ定めた測定上限値に達した場合で、VINがあらかじめ定めた測定上限値、例えば5.0V、に達した場合は処理を終了する(S329でYes、且つS330でYesの場合)。測定上限値に達していない場合は、VINを1段階、例えば0.1V増加させ、抵抗温度が周辺温度と等しくなるまで十分な時間待機した後、入力電圧補正部が電圧値0.2VをDAC105に出力して、DAC105はアンプ部に0.2Vを入力する(S330でNoの場合、S332、S333、S322へと進む)。この一連の動作を行うことで、図7の入力電圧値と経過時間に対する補正値の表を作成することができる。
[時間補間]
図11のフローチャートにより作成した入力電圧値と経過時間tに対する補正値の表から、補正値Cを経過時間tの関数として表す方法について説明する。
ゲイン変動ΔG(t)の時間変化は、時定数Tと十分時間(例えば、加熱部が冷却され温度が飽和状態になるまでの時間)がたった後のΔGをΔGとして導入すると、下記式5、
Figure 2015133267
と表せる。
ΔGは入力電圧値VINと経過時間tに対する補正値の表から、十分時間がたった後の補正値Cを読み取り,設計ゲインGと式2を用いることで求めることができる。
一方で、式2の変数を時間考慮した下記式13で表され、
Figure 2015133267
を変形すると、下記式6、
Figure 2015133267
となり、式6に測定により得られた各時間ごと(たとえば10msごと)の補正値C(t)データを離散値として代入することで、ΔG(t)の時間離散値が求められる。
式6により求めた、ゲイン変動値の経過時間離散値ΔG(t)を式5の左辺データとして適用し、式5が成り立つ未知時定数Tを最小二乗法を用いてを求める。求めた時定数Tを式5の右辺に代入することで、ΔG(t)を時間の連続値の関数として表すことができる。このΔG(t)を用いて式6から補正値C(t)を求めるとC(t)も時間の関数として表すことができる。
なお、時定数Tを、上記計算を複数の入力電圧VIN条件のデータに対して行い、各々のVIN条件に対するTを求め、それらTの平均値をとることでより精度のよい時定数Tを得ることもできる。
以上のように、経過時間ごとのアンプ部の入力電圧値と出力電圧値の測定値から補正値を求める動作を行うことで、自動的に入力電圧値と経過時間に対応する補正値の表を作成することができる。また、補正値を経過時間の関数として表すようにすることで、測定を行っていない経過時間においても補正値を計算で求めることができるようになり、表の作成に要する時間を短縮できる。
なお、出力電圧測定部は微小な電圧変化を測定できるよう高精度な測定器を用いることが望ましい。
本実施例では、アンプ部に電圧を入力し、ゲインが時間変化している途中にアンプ部への入力電圧が変化した場合に対応する方法について説明する。
構成は、第2の実施例の構成を示す図5と同様とし、また、第3の実施例の方法で各経過時間を変数とするΔG(t)の関数が求められている状態を前提とする。
図12にゲイン変動の時間変化例を示す。帰還抵抗の温度変化により時間経過に従ってゲインは変化していく。アンプ部の入力電圧がVIN1のときのゲイン変動の収束値がΔG、VIN2のときのゲイン変動の収束値がΔGとすると、ゲイン変動はそれぞれ、下記式7及び8、
Figure 2015133267
Figure 2015133267
として表せる。ΔG、ΔG、時定数Tは第3の実施例の動作から求められる。
[ゲイン変動増加方向の場合]
アンプ部への入力電圧が変化し、ゲイン変動が増加する場合の動作について説明する。
図13に、ゲイン変動中にゲイン変動がさらに増加する方向に入力電圧値が変化した場合の、経過時間に対するゲイン変動量のグラフを示す。アンプに電圧が入力され始めた時間を0とする。0〜tの間はVを入力し、tの時点で入力電圧値が変化し、Vが入力されゲイン変動値が大きくなる場合を例とする。0〜tの間は式7に従い、ゲインが変動するため、そのまま補正値Cを式13から算出できる。t1で入力電圧がVに変化すると、入力電圧補正部は、t時点のゲイン変動量ΔGを、下記式9、
Figure 2015133267
として算出し、t以降のゲイン変動ΔG(t)の式を、ΔGとΔG間の過渡特性として、下記式10、
Figure 2015133267
と算出する。ゲイン変動ΔG(t)の式が導出されたので、式13から補正値C(t)を求めることができ、入力電圧が装置動作中に変化して、ゲイン変動が増加する方向に変化しても、ゲイン変動量を予測し、補正することができる。
[ゲイン変動減少方向の場合]
アンプ部への入力電圧が変化し、ゲイン変動が減少する場合の動作について説明する。
図14に、ゲイン変動中にゲイン変動が減少する方向に入力電圧値が変化した場合の、経過時間に対するゲイン変動量のグラフを示す。アンプに電圧が入力され始めた時間を0とする。0〜tの間はVを入力し、tの時点で入力電圧値が変化し、Vが入力されゲイン変動値が減少する。0〜tの間は式8に従い、ゲインが変動するため、そのまま補正値C(t)を式13から算出できる。tで入力電圧がVに変化すると、入力電圧補正部は、t時点のゲイン変動量ΔGを、下記式11、
Figure 2015133267
として算出し、t以降のゲイン変動ΔG(t)の式を、ΔGとΔG間の過渡特性として、下記式12、
Figure 2015133267
と算出する。ゲイン変動ΔG(t)の式が導出されたので、式13から補正値C(t)を求めることができ、入力電圧が装置動作中に変化して、ゲイン変動が減少する方向に変化しても、ゲイン変動量を予測し、補正することができる。
なお、式10と式12が同様であるので、ゲイン変動が増加する場合でも減少する場合でも、同様の式で入力電圧変化後のゲイン変動を表すことができる。
以上の本実施例の動作をフローチャートとして図15に示す。ゲイン変動が増加する場合でも減少する場合でも動作は同じであることから、ゲイン変動が増加する場合を例として示している。本実施例の電子ビーム制御部の構成としては、図5に示す構成を用いる。
まず、電子ビーム位置制御部101は、電子ビーム照射位置に対応した制御電圧値を出力し、入力電圧補正部202は、制御電圧値を入力電圧値VIN1として取得する(S401)。
次に、入力電圧補正部202は、タイマ204のカウント時間をリセットする(S402)。その後、入力電圧補正部は、補正記憶部203から入力電圧値VIN1に対応する十分時間がたった後の補正値Cを取得し、その補正値Cから式13を用いて十分時間がたったときのΔG(t)をゲイン変動値ΔGとして計算する(S403)。
そして、入力電圧値VIN1とタイマの経過時間tと十分時間がたった後のゲイン変動値ΔGを用いて式7から現在のゲイン変動値ΔG(t)を算出して、さらにΔG(t)を用いて式13から現在の補正値C(t)を求めDAC105に出力する。
その後、入力電圧補正部202は入力電圧値に変化があるか判断し、変化がない場合は、引き続き式7と式13を用いて補正値を出力する(S405でNoの場合)。入力電圧値に変化があるがある場合(変化後の入力電圧値をVIN2とする)は、現在のゲイン変動値ΔG(t)をΔG,経過時間tをtとして補正記憶部に記憶させる(S406)。
入力電圧補正部は、補正記憶部203から入力電圧値VIN2に対応する十分時間がたった後の補正値Cを取得し、そのCから式13を用いて十分時間がたったときのΔG(t)をゲイン変動値ΔGとして計算する(S407)。
そして、入力電圧値VIN2とタイマの経過時間tと十分時間がたった後のゲイン変動値ΔGと入力電圧変化時の経過時間tとゲイン変動値ΔGを用いて式10から現在のゲイン変動値を算出し、さらに式13から補正値C(t)を求めて、DAC105に出力する。
その後、入力電圧補正部202は入力電圧値に変化があるか判断し、変化がない場合は、引き続き式10を用いて補正値を出力する(S405でNoの場合)。入力電圧値に変化がある場合は、(変化後の入力電圧値をVIN2とする)は、現在のゲイン変動値ΔG(t)をΔG,経過時間tをtとして補正記憶部に記憶させる(S409でYesの場合、S406へ進む)。
以上から、ゲイン変動が時間変化している途中に、変動の収束値が増加する方向や減少する方向に変化しても、経過時間に対するゲイン変動量を予測してリアルタイムに補正することができるので、装置のビーム制御が時々刻々と変化してもそれに対応して補正を行い、ビームの位置ずれを起こさないようにできる。
上述した本発明の特徴の主たるものは、以下の通りである。
(1)荷電粒子ビームを生成する荷電粒子銃と、前記荷電粒子銃から照射された荷電粒子ビームの照射対象物に対する照射位置を、制御電圧値を出力し制御する荷電粒子ビーム位置制御部と、前記荷電粒子ビーム位置制御部から出力される制御電圧値を補正して補正電圧値を出力する入力電圧補正部と、前記補正電圧値を記憶する補正記憶部と、前記入力電圧補正部からの出力に基づいて前記荷電粒子ビームの軌跡を変化させる静電電極と、前記静電電極に前記補正電圧値に応じた電圧を印加するアンプ部と、前記荷電粒子ビーム位置制御部からの制御電圧値の入力開始から経過時間を計測するタイマと、を有し、前記入力電圧補正部は、前記補正記憶部に記憶された内容から、前記タイマが計測した経過時間と前記制御電圧値とに応じた補正電圧値を設定し、その前記補正電圧値をもとに、前記静電電極への出力電圧を制御することにより、前記荷電粒子ビームの照射位置を制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
(2)任意の電圧値を出力する入力電圧補正部と、補正電圧値を記憶する補正記憶部と、前記補正電圧値に応じた電圧を出力するアンプ部と、前記アンプ部の出力電圧を測定する出力電圧測定部、を有し、前記入力電圧補正部は、前記アンプ部の入力電圧値と、前記出力電圧測定部で測定された値から補正値を計算し、補正記憶部に入力電圧値と補正値を対応づけて記憶させ、また、複数の入力電圧値と補正値の対応から入力電圧値を変数とする補正値の関数を求め補正記憶部に記憶させることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
1:電子銃、2:収束レンズ、3:電子ビーム、4:対物レンズ、5:試料、6:2次電子、7:検出器、10:電子ビーム制御部、
100:電子ビーム制御部、101:電子ビーム位置制御部、102:入力電圧補正部、103:補正記憶部、104:静電電極、105:デジタル-アナログ変換器(DAC)、110:アンプ部、111:入力抵抗、112:帰還抵抗、113:増幅回路、
204:タイマ。

Claims (6)

  1. 荷電粒子ビームを生成する荷電粒子銃と、
    前記荷電粒子銃から照射された荷電粒子ビームの照射対象物に対する照射位置を、制御電圧値を出力し制御する荷電粒子ビーム位置制御部と、
    前記荷電粒子ビーム位置制御部から出力される制御電圧値を補正して補正電圧値を出力する入力電圧補正部と、
    前記補正電圧値を記憶する補正記憶部と、
    前記入力電圧補正部からの出力に基づいて前記荷電粒子ビームの軌跡を変化させる静電電極と、
    前記静電電極に前記補正電圧値に応じた電圧を印加するアンプ部と、
    前記荷電粒子ビーム位置制御部からの制御電圧値の入力開始から経過時間を計測するタイマと、
    を有し、
    前記入力電圧補正部は、前記補正記憶部に記憶された内容から、前記タイマが計測した経過時間と前記制御電圧値とに応じた補正電圧値を設定し、その前記補正電圧値をもとに、前記静電電極への出力電圧を制御することにより、前記荷電粒子ビームの照射位置を制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子ビーム装置であって、
    前記記憶部は、前記荷電粒子ビーム位置制御部から出力される制御電圧値と前記タイマにより計測される経過時間とに応じた補正電圧値の決定が可能な参照テーブルを備えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  3. 請求項1記載の荷電粒子ビーム装置であって、
    前記補正記憶部は、前記荷電粒子ビーム位置制御部から出力される制御電圧値と前記タイマにより計測される経過時間とに応じた補正電圧値の決定が可能な時間変数を有する補正電圧関数を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  4. 請求項1記載の荷電粒子ビーム装置であって、
    前記入力電圧補正部は、前記制御電圧値が前記荷電粒子ビーム位置制御中に変化した際に、前記変化時点に応じた前記補正電圧関数を新たに設定し、前記新たな補正電圧関数をもとに、前記静電電極への出力電圧を制御することにより、前記荷電粒子ビームの照射位置を制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  5. 任意の電圧値を出力する入力電圧補正部と、
    補正電圧値を記憶する補正記憶部と、
    前記補正電圧値に応じた電圧を出力するアンプ部と、
    前記アンプ部の出力電圧を測定する出力電圧測定部と、を有し、
    前記入力電圧補正部は、前記アンプ部の入力電圧値と、前記出力電圧測定部で測定された値から補正値を計算し、前記補正記憶部に前記入力電圧値と前記補正値とを対応づけて記憶させ、また、複数の入力電圧値と補正値の対応から入力電圧値を変数とする補正値の関数を求め前記補正記憶部に記憶させることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  6. 請求項5記載の荷電粒子ビーム装置であって、
    入力電圧補正部の出力開始からの経過時間を計測するタイマを有し、
    前記入力電圧補正部は、前記タイマが計測する経過時間ごとに、前記アンプ部への入力電圧値と、前記出力電圧測定部で測定された値から補正値を計算し、前記補正記憶部に入力電圧値と経過時間と補正値を対応づけて記憶させ、また、複数の入力電圧値と経過時間と補正値の対応から経過時間を変数とする補正値の関数を求め前記補正記憶部に記憶させることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
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WO2022013918A1 (ja) * 2020-07-13 2022-01-20 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置、およびスキャン波形生成方法

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