JP2015133263A - 開閉器 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗体を備えながら、大型化を抑制することのできる開閉器を提供する。【解決手段】開閉器は、消弧室106内に配置される固定電極107と、固定電極107に対して接離する可動電極114とを備える。開閉器は、消弧室106内の可動電極114の移動軌跡上に少なくとも一部が位置する補助電極116と、補助電極116に接続される抵抗体130と、を備える。消弧室106は、固定電極107を収容する第1拡大部106bと、補助電極116を収容する第2拡大部106cと、第1拡大部106bと第2拡大部106cとの間に設けられる第1細隙部106dと、消弧室106に可動電極114が進入する開口部106aと第2拡大部106cとの間に設けられる第2細隙部106eと、を備える。よって、抵抗体130を備えながら、大型化を抑制することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、固定電極に可動電極を接離することで、回路の開放と投入とを行う開閉器に関する。
従来、アークの発生を抑制して、遮断能力の向上を目的とする開閉器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の開閉器は、固定電極の固定接点と可動電極の可動接点とからなる主接点と、固定電極の補助固定接点と可動電極の補助可動接点とからなる補助接点とを備えている。主接点には、抵抗体としての限流素子が並列に接続されている。主接点と補助接点とは、時差を有して動作する。このような開閉器では、主接点を開放すると、電流は限流素子に転流して、限流素子により限流された状態で、補助接点が開放される。
また、大容量変圧器の加圧時の励磁突入電流による系統電圧の低下の抑制を目的とするガス遮断器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のガス遮断器は、一対の接触子を有する遮断部と、該一対の接触子に先行して投入される抵抗接点及び固定抵抗体から成る投入抵抗装置とを備えている。遮断部と投入抵抗装置とは、電気的並列に接続されている。このようなガス遮断器では、遮断部に先行して投入抵抗装置が投入されるので、変圧器の励磁電流が投入抵抗装置の抵抗体によって限流された状態で、遮断部が投入される。
特開平6−60777号公報 特開平6−103856号公報
ところで、上記特許文献2に記載のガス遮断器は遮断部(主接点)と投入抵抗装置(抵抗体)とが並列に接続されている。すなわち、上記ガス遮断器では、主接点と抵抗体との並列接続構造とするために異相間の間隔が広がり、主接点の駆動構造が複雑となっている。このため、上記ガス遮断器は、抵抗体を備えないガス遮断機と比較して、体格が大型化している。そこで、ガス遮断器を含む開閉器において、抵抗体を備えながら、大型化を抑制することが望まれている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、抵抗体を備えながら、大型化を抑制することのできる開閉器を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する開閉器は、消弧室内に配置される固定電極と、当該固定電極に対して接離する可動電極とを備える開閉器において、前記消弧室内の前記可動電極の移動軌跡上に少なくとも一部が位置する補助電極と、前記補助電極に接続される抵抗体と、を備え、前記消弧室は、前記固定電極を収容する第1拡大部と、前記補助電極を収容する第2拡大部と、当該第1拡大部と当該第2拡大部との間に設けられる第1細隙部と、当該消弧室に前記可動電極が進入する開口部と当該第2拡大部との間に設けられる第2細隙部と、を備えることをその要旨としている。
上記構成によれば、抵抗体が接続されるとともに、消弧室内の可動電極の移動軌跡上に少なくとも一部が位置する補助電極が備えられる。すなわち、可動電極により、固定電極及び補助電極に対して接触及び離間する。このため、開閉器の異相間の間隔を広げることはなく、駆動構造も複雑とならない。よって、抵抗体を備えながら大型化を抑制することができる。
また、消弧室内において第1拡大部と第2拡大部とによってアークによって発生した消弧ガスを貯留して、第1拡大部と第2拡大部とで加圧された消弧ガスが第1細隙部と第2細隙部とに噴き出すことでアークを確実に消弧することができる。さらに、消弧ガスが噴き出すことでアークを確実に消弧することができるので、消弧ガスによる消弧室内面が汚損されて絶縁低下を招くことを抑制することができる。
上記開閉器について、前記消弧室の前記固定電極側端部の設置状態における上部には、閉鎖突出部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、閉鎖突出部を備えたので、消弧室の固定電極側端部の上側から消弧ガスが抜けるのを防止している。このため、発生した消弧ガスが消弧室の固定電極側端部から排出されるのを防止して、消弧性能を向上させることができる。
上記開閉器について、前記消弧室を組み立て固定する消弧室固定部に前記補助電極の取付部を締結することが好ましい。
上記構成によれば、消弧室の消弧室固定部に補助電極の取付部を締結したので、締結箇所を削減することができ、締結部材の数量と取り付け作業とを削減することができる。
上記開閉器について、前記消弧室は、一対の形成部材を備え、前記消弧室の少なくとも一方の形成部材は、前記補助電極を固定する補助電極固定部を備え、前記補助電極固定部には、前記補助電極の接続部と、前記抵抗体に接続される接続線とが締結されることが好ましい。
上記構成によれば、補助電極の接続部と接続線とを補助電極固定部に締結したので、締結箇所を削減することができ、締結部材の数量と取り付け作業とを削減することができる。
上記開閉器について、前記第2拡大部は、前記補助電極の移動を規制する寸法とすることが好ましい。
上記構成によれば、第2拡大部が補助電極の移動を規制するので、可動電極が補助電極に対して投入及び接離されることによる補助電極の変形を抑制することができる。
上記開閉器について、前記消弧室の前記固定電極側の端部に、前記固定電極を覆う包囲突出部を設けることが好ましい。
上記構成によれば、固定電極を覆う包囲突出部を設けたので、固定電極の周囲に消弧ガスを貯留することができ、消弧性能を向上させることができる。
上記開閉器について、前記消弧室及び前記固定電極は、支持碍子に固定され、前記支持碍子は、前記固定電極と対向する対向部に凹部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、支持碍子の固定電極と対向する対向部に備える凹部に、アークによって発生した消弧ガスを貯留してアークを確実に消弧することができる。
上記開閉器について、前記抵抗体は、前記消弧室の異相間方向の側方に傾斜して設置されていることが好ましい。
上記構成によれば、消弧室の異相間方向の側方に抵抗体が傾斜して設置されるので、同相間方向の大きさを抑制することができる。すなわち、抵抗体の傾斜角度は、可動電極と上部導電端部との絶縁距離と、可動電極と補助電極との絶縁距離とが所定の絶縁距離以上に設定されている。これにより、取付状態の上下方向の全長を抑制できる。
上記開閉器について、前記消弧室及び前記固定電極は、支持碍子に固定され、前記抵抗体は、抵抗体固定部材に固定され、前記抵抗体固定部材は、前記支持碍子に前記消弧室と一緒に締結されることが好ましい。
上記構成によれば、抵抗体が固定される抵抗体固定部材と消弧室とを支持碍子に同一の締結としたので、締結箇所を削減することができ、締結部材と取り付け作業とを削減することができる。
上記開閉器について、前記可動電極は、前記可動電極の先端上部と前記固定電極との間にアークが発生するとともに、前記可動電極の先端下部が前記補助電極の接触部に接触するように配置されることが好ましい。
上記構成によれば、可動電極の先端上部と固定電極との間にアークが発生するとともに、可動電極の先端下部が補助電極の接触部に接触する。このため、開放時に可動電極の先端上部と固定電極との間にアークが発生するので、可動電極の先端上部の損傷が激しく、先端下部の損傷は少ない。これにより、可動電極が補助電極に対して投入及び開放される際の補助電極の損傷を抑制することができる。
本発明によれば、抵抗体を備えながら、大型化を抑制することができる。
開閉器の概略構成を示す正面図。 開閉器の開放状態の概略構成を示す右側面図。 開閉器の投入途中状態の概略構成を示す右側面図。 開閉器の投入状態の概略構成を示す右側面図。 開閉器の消弧室の形状を示す拡大右側面図。 開閉器の各部材の取付を示す拡大左側面図。 開閉器の各部材の取付を示す拡大正面図。 開閉器の消弧室の組み付け構造を示す上面図。 開閉器の消弧室の組み付け構造を示す下面図。
以下、図1〜図9を参照して、開閉器を限流ヒユーズ付開閉器に具体化した一実施形態について説明する。
図1及び図2に示されるように、限流ヒユーズ付開閉器は、配電盤内の垂直板に取り付けられ、上側に固定電極107が位置し、下側に可動電極114が支持されている。各相の間には、異相間の絶縁を保つための異相間バリヤ171が設置されている。異相間方向の両端には、対地間の絶縁を保つための対地間バリヤ172が設置されている。
開閉器は、山形状に折曲げ形成された取付ベース101を備えている。取付ベース101の左右両側には、一対の断面L字状の固定フレーム102,103が固定されている。取付ベース101には、異相間バリヤ171及び対地間バリヤ172が固定されている。取付ベース101の山形状部における上向きの斜面には、各相別に上部支持碍子104が固定板を介して固定されている。また、取付ベース101の山形状部における下向きの斜面には、上部支持碍子104に対してV字状をなすように各相別に下部支持碍子105が固定されている。
図5に示されるように、上部支持碍子104の先端には、消弧室106が固定されている。上部支持碍子104には、凹溝104aが形成されている。凹溝104a内には、電源側接続端子108が導電板163とともに螺子150により固定されている。電源側接続端子108には、固定電極107が接続固定されている。電源側接続端子108は、消弧室106よりも上外側方向に導出されている。これにより、固定電極107は、上部支持碍子104の凹溝104a内に配置されている。また、消弧室106は、固定電極107を覆うように固定されている。消弧室106内には、固定電極107と補助電極116とが配置されている。消弧室106は、消弧性及び絶縁性を有する合成樹脂材料にて形成されている。電源側接続端子108には、抵抗体固定部材160及び導電板163を介して抵抗体130が接続されている。
図6及び図7に示されるように、抵抗体130は、抵抗体固定部材160に固定されている。抵抗体固定部材160は、板材がL字状に折り曲げられた部材である。抵抗体固定部材160の固定部161は、導電板163及び消弧室106と一緒に螺子150によって上部支持碍子104に締結されている。
詳述すると、図6〜図9に示されるように、消弧室106には、固定脚部106h,106i,106j,106kが形成されており、固定脚部106h,106iは、螺子150によって上部支持碍子104に締結されている。固定脚部106jは、抵抗体固定部材160の固定部161を差し込む隙間が形成されており、固定部161と一緒に螺子150によって上部支持碍子104に締結されている。固定脚部106kは、抵抗体固定部材160の固定部161と導電板163を差し込む隙間が形成されており、固定部161と導電板163と一緒に螺子150によって上部支持碍子104に締結されている。導電板163は、電源側接続端子108と抵抗体固定部材160に導通接続されている。抵抗体130には、環状の上部導電端部131と環状の取付金具132a,132bが嵌装されている。抵抗体固定部材160の取付部162には、取付金具132a,132bが螺子150とナット151とによって締結されている。抵抗体固定部材160と抵抗体130は、取付金具132bによって導通接続されている。上部導電端部131には、接続線(リード線)152の一端が螺子150とナット151とによって接続されている。抵抗体130は、消弧室106の異相間方向の側方に傾斜して配置されている。抵抗体130の傾斜角度は、可動電極114と上部導電端部131との絶縁距離D1と、可動電極114と補助電極116との絶縁距離D2とが所定の絶縁距離以上になるように設定されている。これにより、取付状態の上下方向の全長を抑制できる。
抵抗体130には、補助電極116が接続されている。補助電極116は、消弧室106内に固定されるとともに、固定電極107の上部に配置されている。補助電極116は、固定電極107の直上近傍の離間した位置に配置されている。補助電極116の設置方向は、可動電極114向きの斜め下方向に向いて配置されている。補助電極116は、固定電極107側の斜め上方向に向いて設置されている。
図2〜図4に示されるように、下部支持碍子105の先端には、上下方向に延びるヒューズ支持台109が一体に形成されている。ヒューズ支持台109の中央部が下部支持碍子105と連結されている。ヒューズ支持台109の下端部は、ヒューズ支持台109の上端部よりも下部支持碍子105側に傾斜されている。
ヒューズ支持台109の上下各端部には、上部ヒューズ挟持金具110及び下部ヒューズ挟持金具111が固定されている。下部ヒューズ挟持金具111には、下外側方向に導出される負荷側接続端子112が接続されている。
可動電極114は、1枚の板によってV字状に形成された1枚刃である。可動電極114は、ヒューズ支持台109に回動可能に支持されている。可動電極114の下端部は、軸115によりヒューズ支持台109に回動可能に支持されている。可動電極114は、補助電極116及び固定電極107に接離可能に設けられている。また、可動電極114は、補助電極116に接触し、固定電極107に接離可能に設けられている。
ヒューズ支持台109の上端には、被動レバー117が回動可能に支持されている。被動レバー117の上端部には、欠相防止機構の一部を構成する図示しない連結ロッドの一端が固着されている。両ヒューズ挟持金具110,111間には、限流ヒューズ119が接続されている。限流ヒューズ119は、溶断時に表示部(図示略)が突出する溶断表示装置120を備えている。溶断表示装置120の表示部が突出すると、被動レバー117が回動され、欠相防止機構を介して各相の可動電極114を一斉に開放動作させる。
また、可動電極114の中央部には、開閉機構の一部を構成する押上棒121の一端部が回動可能に軸着されている。押上棒121は、合成樹脂等の絶縁材からなる。
そして、両固定フレーム102,103間には、回動可能に操作軸123が架設されている。操作軸123の右端部には、操作ハンドル122が固着されている。操作ハンドル122が操作されると、押上棒121を含む開閉機構を介して可動電極114が回動される。操作軸123と取付ベース101内面との間には、図示しない開放バネが掛装されている。操作ハンドル122を引張力に抗して図示しない投入ロック解除レバーに掛止すると投入状態となる。
そして、操作ハンドル122の操作、あるいは各相のいずれかの限流ヒューズ119が溶断したことによる欠相防止機構の動作により、開閉機構を介して可動電極114が投入状態から開放動作する。
補助電極116は、固定電極107よりも上部支持碍子104から離間した位置に設置されている。補助電極116の一部は、可動電極114の移動軌跡上に位置している。すなわち、投入時及び開放時には、可動電極114が補助電極116の先端の一部のみに接触する。補助電極116の設置方向は、固定電極107の設置方向と異なる方向に向いている。具体的には、固定電極107は、可動電極114が直角に接触する方向、すなわち水平方向に向いて設置されている。補助電極116は、可動電極114側の斜め下方向に向いて設置されている。これにより、固定電極107と補助電極116とは、可動電極114の移動軌跡上を含めた位置に直列に設置されている。補助電極116は可動電極114の移動軌跡上を含めた位置に設置されるので、補助電極116を設置するための設置スペースを新たに確保しなくてよい。
抵抗体130は、固体抵抗体を使用し、補助電極116を介して短時間で励磁突入電流を低減する。すなわち、投入時に可動電極114が補助電極116に接触した場合には、大容量変圧器の加圧時の励磁突入電流による系統電圧の低下を抑制することができる。
図5に示されるように、消弧室106は、一対の形成部材141,142を備えており、箱体状に形成されている。消弧室106の先端には、可動電極114が進入する正面側(図中左側)に開口部106aを備えている。開口部106aは、正面下側(図中左下側)の先端側の途中まで連続している。消弧室106は、異相間方向において可動電極114が通過する寸法の隙間が形成されている。消弧室106の上部支持碍子104側には、固定電極107を収容する第1拡大部106bと、補助電極116を収容する第2拡大部106cとを備えている。第1拡大部106bは、固定電極107を覆う大きさに設定されている。第2拡大部106cは、補助電極116の上下方向及び異相間方向への移動を規制する寸法に設定されている。また、消弧室106は、第1拡大部106bと第2拡大部106cとの間に設けられる第1細隙部106dと、開口部106aと第2拡大部106cとの間に設けられる第2細隙部106eとを備えている。第1細隙部106dと第2細隙部106eとは、可動電極114が通過できる寸法の隙間であって、狭く形成されている(図中ではドットにて示す)。このため、可動電極114と固定電極107及び補助電極116との間にアークが発生した際には、アークによって発生した消弧ガスが第1細隙部106d及び第2細隙部106eによる細隙消弧とともに、第1拡大部106bと第2拡大部106cとに貯留した消弧ガスによって、第1細隙部106dと第2細隙部106eとに噴出して確実に消弧する。
消弧室106の固定電極107側端部の設置状態における上部には、閉鎖突出部106fが設けられている。閉鎖突出部106fは、消弧室106の固定電極107側端部から突出して、電源側接続端子108の近傍まで延びている。上部支持碍子104の凹溝104aの上端部は、閉鎖突出部106fにより閉鎖されている。また、閉鎖突出部106fは、消弧室106の形成部材141,142の個々に断面コ字形状に形成されており、2個の閉鎖突出部106fで凹溝104aを閉鎖している。これにより、消弧室106の固定電極107側端部の上部から消弧ガスが抜けるのを防止している。このため、発生した消弧ガスが消弧室106の固定電極107側端部から排出されるのを防止して、消弧性能を向上させることができる。
図8、及び図9に示されるように、消弧室106の形成部材141,142には、凹凸嵌合する凸条147及び凹溝148が設けられており、さらに円筒凸部143b〜146bと円筒凹溝143a〜146aとからなる第1固定部143、第2固定部144、第3固定部145、及び第4固定部146が設けられている。なお、固定部143〜146が消弧室固定部として機能する。
凸条147側には、固定部143〜146の円筒凹溝143a〜146aが形成されている。凹溝148側には、固定部143〜146の円筒凸部143b〜146bが形成されている。形成部材141,142は、互いに組み付けられ、第1固定部143〜第4固定部146を絶縁樹脂製の螺子150とナット151とにて一体に組み付けられる。これらの凹凸嵌合組立により、嵌合の深さを長くできるので、絶縁性の向上と消弧ガスの抜けを防止することができる。また、消弧室106の変形を防止することもできる。
図5に示されるように、消弧室106の形成部材141の上外側方向には、補助電極固定部141aが突出形成されている。補助電極116は、一対の電極板から構成されている。電極板は、接触部116c、取付部116a、及び接続部116bが一体に折曲形成されている。接触部116cは、楕円の円弧形状に形成されており、可動電極114の先端下部と確実に接触する。接触部116cの上外側方向には、取付部116a及び接続部116bが形成されている。取付部116aには、螺子150を挿入するための嵌通孔が形成されている。補助電極116は、一対の形成部材141,142を合わせて消弧室106を形成する際に、一対の接触部116cの円弧形状の頂部が対向するように取付部116aを合わせて、第2固定部144と補助電極116の取付部116aとを絶縁樹脂製の螺子150とナット151とによって一緒に締結されている。両接触部116cの最短距離は、可動電極114の板厚寸法よりも若干狭く設定されている。また、補助電極116の接触部116cは、可動電極114の先端下部114aが接触するように設定されている。補助電極116の接続部116bは、消弧室106の外部に突出して、補助電極固定部141aの嵌通孔に抵抗体130に接続される接続線(リード線)152の一端とともに接続されている。これにより、補助電極116は、消弧室106に対して第2固定部144及び補助電極固定部141aの2箇所で固定されている。よって、補助電極116は、不安定な固定とならず、消弧室106に確実に固定される。また、補助電極116は、接続線152、上部導電端部131、抵抗体130、取付金具132b、抵抗体固定部材160、導電板163を介して電源側接続端子108及び固定電極107には導通接続されている。
消弧室106の固定電極107側端部の設置状態における中央部には、中央突出部106gを備えている。中央突出部106gは、消弧室106の固定電極107側端部から突出して消弧室106を補強する。
上部支持碍子104の凹溝104a内には、固定電極107と対向する対向部に凹部104bを形成した。この凹部104bは、第1拡大部106bと同様に、アークによって発生した消弧ガスが凹部104bに貯留して、第1細隙部106dと第2細隙部106eとに噴出して確実に消弧する。
次に、前述のように構成された開閉器の作用について説明する。
図2に示されるように、開放状態では、可動電極114が固定電極107及び補助電極116から離間している。そして、操作ハンドル122が操作されると、可動電極114が開閉機構を介して軸115を回動中心として固定電極107側へ回動し、可動電極114の先端部が消弧室106本体内に向かって移動する。
図3に示されるように、可動電極114が軸115を中心に固定電極107側へ回動されると、可動電極114の先端部が消弧室106本体に進入する。その後、可動電極114の先端下部114aが補助電極116の接触部116cに接触する(投入途中状態)。この状態では、電源側接続端子108と補助電極116との間には抵抗体130が存在するので、電源側接続端子108と可動電極114との間の電路は、補助電極116、抵抗体130、電源側接続端子108を経由する。この時に、抵抗体130が固定抵抗体であるため、抵抗体130を介して通電され短時間で励磁突入電流を低減する。
図4に示されるように、補助電極116に接触した可動電極114は、軸を中心に固定電極107に向かって回動される。そして、可動電極114の先端部が固定電極107に接触する(投入状態)。この時、可動電極114は、固定電極107と補助電極116との両方に接触している。この状態では、電源側接続端子108と補助電極116との間には抵抗体130が存在するので、電源側接続端子108と可動電極114との間の電路は、電源側接続端子108、固定電極107を経由する。
本実施形態では、電源側接続端子108に抵抗体130が接続されるとともに、消弧室106本体内に設置された補助電極116が固定抵抗体からなる抵抗体130に接続されている。このような場合において、投入時、可動電極114が補助電極116に接触したときには、抵抗体130によって短時間で励磁突入電流を低減させることができる。
投入状態では、可動電極114が固定電極107と補助電極116との両方に接触している。そして、操作ハンドル122が操作されると、可動電極114が開閉機構を介して軸115を回動中心として固定電極107から離間する側へ回動し、可動電極114の先端部が固定電極107から離間する。このとき、固定電極107と可動電極114の先端上部との間にアークが発生する。
図3に示されるように、可動電極114が軸115を中心に固定電極107から離間する側へ回動されると、可動電極114の先端下部が補助電極116の接触部116cのみに接触する(開放途中状態)。このとき、電源側接続端子108と可動電極114との間の電路は、電源側接続端子108、抵抗体130、補助電極116を経由する。しかしながら、抵抗体130が固定抵抗体であるため、電源側接続端子108と可動電極114との間の電路は、電源側接続端子108、固定電極107を経由する。このため、第1細隙部106d及び第2細隙部106eによる2段階の細隙消弧効果及び消弧ガスが第1拡大部106b及び第2拡大部106cに貯留して加圧され、第1細隙部106d及び第2細隙部106eに噴出することにより、固定電極107と可動電極114との間に発生したアークを消滅させる。
図2に示されるように、補助電極116に接触した可動電極114が軸115を中心に固定電極107から離間する側へ回動されると、可動電極114が補助電極116から離間して、消弧室106からも離間する(開放状態)。
本実施形態では、電源側接続端子108に抵抗体130が接続されるとともに、消弧室106内に設置された補助電極116が固定抵抗体からなる抵抗体130に接続されている。このような場合において、開放時、可動電極114が固定電極107から離間したときには、可動電極114が補助電極116に接触しているので、抵抗体130によって遮断されて、補助電極116と可動電極114との間に発生したアークを消滅させることができる。よって、補助電極116と抵抗体130とを既存の開閉器に備えることができるので、抵抗体130を備えながら、大型化を抑制することができる。
また、アークによって発生した消弧ガスを第1拡大部106bと第2拡大部106cとに貯留して、第1拡大部と第2拡大部とで加圧された消弧ガスが第1細隙部106dと第2細隙部106eとに噴き出すことでアークを確実に消弧することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)抵抗体130が接続されるとともに、消弧室106内の可動電極114の移動軌跡上に少なくとも一部が位置する補助電極116が備えられる。すなわち、可動電極114により、固定電極107及び補助電極116に対して接触及び離間する。このため、開閉器の異相間の間隔を広げることはなく、駆動構造も複雑とならない。よって、抵抗体130を備えながら大型化を抑制することができる。
また、消弧室106内において第1細隙部106dと第2細隙部106eとの2段階の細隙によりアークを確実に消弧することができる。また、第1拡大部106bと第2拡大部106cとによってアークによって発生した消弧ガスを貯留して、第1拡大部106bと第2拡大部106cとで加圧された消弧ガスが第1細隙部106dと第2細隙部106eとに噴き出すことでアークを確実に消弧することができる。さらに、消弧ガスが噴き出すことでアークを確実に消弧することができるので、消弧ガスによる消弧室106内面が汚損されて絶縁低下を招くことを抑制することができる。
(2)閉鎖突出部106fを備えたので、消弧室106の固定電極107側端部の上側から消弧ガスが抜けるのを防止している。このため、発生した消弧ガスが消弧室106の固定電極107側端部から排出されるのを防止して、消弧性能を向上させることができる。
(3)消弧室106の第2固定部144に補助電極116の取付部116aを締結としたので、締結箇所を削減することができ、螺子等の締結部材の数量と取り付け作業とを削減することができる。
(4)補助電極116の接続部116bと接続線152とを同一の締結としたので、締結箇所を削減することができ、螺子等の締結部材の数量と取り付け作業とを削減することができる。
(5)第2拡大部106cが補助電極116の移動を規制するので、可動電極114が補助電極116に対して投入及び開放されることによる補助電極116の変形を抑制することができる。
(6)上部支持碍子104の固定電極107と対向する対向部に備える凹部104bに、アークによって発生した消弧ガスを貯留してアークを確実に消弧することができる。
(7)消弧室106の異相間方向の側方に抵抗体130が傾斜して設置されるので、同相間方向の大きさを抑制することができる。すなわち、抵抗体130の傾斜角度は、可動電極114と上部導電端部131との絶縁距離D1と、可動電極114と補助電極116との絶縁距離D2とが所定の絶縁距離以上に設定されている。これにより、取付状態の上下方向の全長を抑制できる。
(8)抵抗体130が固定される抵抗体固定部材160と消弧室106とを上部支持碍子104に同一の締結としたので、締結箇所を削減することができ、締結部材と取り付け作業とを削減することができる。
(9)消弧室106の一対の形成部材141,142に凸条147と凹溝148の凹凸嵌合部を備えたので、強度を確保する重ね代の厚みを長くすることができる。また、消弧室106の上側と下側とで凹凸嵌合部を異ならせるので、組み付けによる消弧室106の歪みを抑制することができる。
(10)可動電極114の先端上部と固定電極107との間にアークが発生するとともに、可動電極114の先端下部が補助電極116の接触部116cに接触する。このため、開放時に可動電極114の先端上部と固定電極107との間にアークが発生するので、可動電極114の先端上部の損傷が激しく、先端下部の損傷は少ない。これにより、可動電極114が補助電極116に対して投入及び開放される際の補助電極116の損傷を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、抵抗体130を消弧室106の異相間方向の側面に設置したが、同相間方向の大きさに制限がなければ、抵抗体130を消弧室106の上面側に設置してもよい。
・上記実施形態では、補助電極116の設置方向を可動電極114側の斜め下方向に向いて設置した。しかしながら、補助電極116の設置方向を可動電極114と反対側の斜め下方向に向いて設置してもよい。このようにしても、投入時に可動電極114の補助電極116への挿入は容易に可能となる。
・上記実施形態では、固定電極107と補助電極116とは、異なる形状の接触電極を使用した。しかしながら、同一形状の接触電極、すなわち固定電極107を使用してもよい。
・上記実施形態では、補助電極116は、投入時に可動電極114を挟入接触する形状の一対の接触電極を使用した。しかしながら、補助電極116は、可動電極114と接触すれば、接触電極を片側1枚の構成としてもよい。
・上記各実施形態では、抵抗体130に固定抵抗体を選択したが、非線形抵抗等からなる限流抵抗体を設置してもよい。抵抗体130に限流抵抗体を使用した場合は、補助電極116を介して短絡電流が発生すると半サイクル以内に遮断する。すなわち、開放時に補助電極116と可動電極114との間にアークが発生した場合には、短時間で遮断して、アークを消滅させることができる。
・また、抵抗体130として限流抵抗体と固定抵抗体とを並列に設置してもよい。このようにすれば、投入時の電流抑制と開放時の短時間遮断との両効果を奏することができる。
・また、抵抗体130として限流抵抗体と固定抵抗体とを並列に設置して、投入時と開放時とに接続を限流抵抗体と固定抵抗体とに切り替えてもよい。すなわち、投入時に固定抵抗体に接続し、開放時に源流抵抗体に接続する。
・上記各実施形態では、補助電極116を固定電極107の直上近傍の離間した位置に配置した。しかしながら、同相間方向の可動電極114からの絶縁距離が確保できれば、補助電極116の位置を固定電極107から離れた消弧室106の上部に配置してもよい。このようにすれば、投入時に励磁突入電流を抑制することができるとともに、開放時に短時間でアークを消滅させることができる。
・上記各実施形態では、補助電極116の一部に可動電極114が接触するように構成した。しかしながら、接触抵抗が許容されるのであれば、補助電極116の大部分に可動電極114が接触するように構成してもよい。
・上記各実施形態では、可動電極114を1枚刃とした。しかしながら、可動電極114を2枚刃としてもよい。この場合、消弧室106内に補助電極116を2個設け、抵抗体130に接続してもよい。
・上記各実施形態では、消弧室106の補強するための中央突出部106gを備えたが、中央突出部106gによって固定電極107を覆うように延長し包囲突出部としても良い。このようにすれば、消弧ガスを固定電極107の周囲に貯留することができ、アークを確実に消弧することができる。
・上記各実施形態では、消弧室106の形成部材141に補助電極固定部141aを突出形成したが、補助電極固定部141aを消弧室106の形成部材142に形成してもよい。また、補助電極固定部141aを消弧室106の形成部材141,142の両方に形成してもよい。
・上記各実施形態では、配電盤内に設置される限流ヒユーズ付開閉器としたが、電柱上に設置されるケール入り開閉器に用いてもよい。
101…取付ベース、102,103…固定フレーム、104…上部支持碍子、104a…凹溝、104b…凹部、105…下部支持碍子、106…消弧室、106a…開口部、106b…第1拡大部、106c…第2拡大部、106d…第1細隙部、106e…第2細隙部、106f…閉鎖突出部、106g…中央突出部、106h〜106k…固定脚部、107…固定電極、108…電源側接続端子、109…ヒューズ支持台、110…ヒューズ挟持金具、110…上部ヒューズ挟持金具、111…下部ヒューズ挟持金具、112…負荷側接続端子、114…可動電極、114a…先端下部、115…軸、116…補助電極、116a…取付部、116b…接続部、116c…接触部、117…被動レバー、119…限流ヒューズ、120…溶断表示装置、121…押上棒、122…操作ハンドル、123…操作軸、130…抵抗体、131…上部導電部、132a,132b…取付金具、141,142…形成部材、141a…補助電極固定部、143…第1固定部、144…第2固定部、145…第3固定部、146…第4固定部、143a〜146a…円筒凹溝、143b〜146b…円筒凸部、147…凸条、148…凹溝、150…螺子、151…ナット、152…接続線、160…抵抗体固定部材、161…固定部、162…取付部、163…導電板、171…異相間バリヤ、172…対地間バリヤ、D1,D2…距離。

Claims (10)

  1. 消弧室内に配置される固定電極と、当該固定電極に対して接離する可動電極とを備える開閉器において、
    前記消弧室内の前記可動電極の移動軌跡上に少なくとも一部が位置する補助電極と、
    前記補助電極に接続される抵抗体と、を備え、
    前記消弧室は、前記固定電極を収容する第1拡大部と、前記補助電極を収容する第2拡大部と、当該第1拡大部と当該第2拡大部との間に設けられる第1細隙部と、当該消弧室に前記可動電極が進入する開口部と当該第2拡大部との間に設けられる第2細隙部と、を備える
    ことを特徴とする開閉器。
  2. 請求項1に記載の開閉器において、
    前記消弧室の前記固定電極側端部の設置状態における上部には、閉鎖突出部を備える
    ことを特徴とする開閉器。
  3. 請求項1又は2に記載の開閉器において、
    前記消弧室を組み立て固定する消弧室固定部に前記補助電極の取付部を締結する
    ことを特徴とする開閉器。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記消弧室は、一対の形成部材を備え、
    前記消弧室の少なくとも一方の形成部材は、前記補助電極を固定する補助電極固定部を備え、
    前記補助電極固定部には、前記補助電極の接続部と、前記抵抗体に接続される接続線とが締結される
    ことを特徴とする開閉器。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記第2拡大部は、前記補助電極の移動を規制する寸法とする
    ことを特徴とする開閉器。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記消弧室の前記固定電極側の端部に、前記固定電極を覆う包囲突出部を設ける
    ことを特徴とする開閉器。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記消弧室及び前記固定電極は、支持碍子に固定され、
    前記支持碍子は、前記固定電極と対向する対向部に凹部を備える
    ことを特徴とする開閉器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記抵抗体は、前記消弧室の異相間方向の側方に傾斜して設置されている
    ことを特徴とする開閉器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記消弧室及び前記固定電極は、支持碍子に固定され、
    前記抵抗体は、抵抗体固定部材に固定され、
    前記抵抗体固定部材は、前記支持碍子に前記消弧室と一緒に締結される
    ことを特徴とする開閉器。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の開閉器において、
    前記可動電極は、前記可動電極の先端上部と前記固定電極との間にアークが発生するとともに、前記可動電極の先端下部が前記補助電極の接触部に接触するように配置される
    ことを特徴とする開閉器。
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