JP2015132369A - ボールねじ - Google Patents

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大輔 黒岩
Daisuke Kuroiwa
大輔 黒岩
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Abstract

【課題】ナットの外径が大きい場合でも、コマの固定部品の取り付けが容易で、凹部および溝加工にかかるコストが低減できるコマ式ボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじを構成するナット2の貫通穴22にコマ4を固定する固定部品6として、中央部61cに凸部62a,62b,63a,63bが存在しないものを使用する。ナット2は、軸方向と交差する所定方向で貫通穴22を挟んだ両側となる位置に、第一係合部62および第二係合部63がそれぞれ配置される凹部23を有する。固定部品6を所定方向に移動させてナット2に取り付ける際に、凸部62a,62b,63a,63bがナット2の凹部23に形成された溝42a,42bに嵌まる。
【選択図】図4

Description

この発明は、ボール戻し路を形成する部品としてコマを有するボールねじに関する。
ボールねじは、ねじ軸とナットと複数のボールを有する。ねじ軸はナット内に配置されている。ねじ軸の螺旋溝とナットの螺旋溝とでボールの転動路が形成される。ナットは、ボールを転動路の終点から始点に戻すボール戻し路を備えている。ボールは、転動路とボール戻し路内とからなる循環経路内に配置されている。ボールねじは、循環経路を循環し転動路内で転動(負荷状態で回転しながら移動)するボールを介して、ねじ軸とナットとが相対移動する装置である。ボール戻し路は、ナットにリターンチューブやコマを取り付けることで形成される。
ボール戻し路を形成する部品としてコマを有するコマ式ボールねじでは、コマはナットを径方向に貫通する貫通穴内に取り付けられている。従来より、コマ式ボールねじにおいては、貫通内でのコマの位置を保持するために、例えば別部材を使ったり、カシメなどの作業を行って、貫通穴内にコマを固定している。また、作業時間やコストの低減を目的として、ナットの貫通穴に対するコマの取り付け構造に関する提案がなされている。
特許文献1には、コマ式ボールねじにおいて、ナットへの取り付け方向がコマとは異なる抜け防止部材(コマの固定部品)を用いて、コマの抜けを防止することが記載されている。
具体的には、図14に示すように、コマ4をナット2の上側からナット2の貫通穴22に挿入し、抜け防止部材60を横方向(貫通穴22が延びる方向と垂直な方向)に沿って移動させて、ナット2の凹部23および貫通穴22内に配置している。以下、この具体例について説明する。
図2は、コマ4の各方向から見た図である。(a)は、コマ4のナット2の内周面側に配置される面を示す。(b)(c)は、それぞれコマ4を(a)のb方向c方向から見た図である。(d)はコマ4を(c)のd方向から見た図である。(e)はコマ4を(d)のe方向から見た図である。これらの図に示すように、コマ4は円板状の本体41と、その外周から突出する一対の突起42とからなり、本体41の円板面にS字状の凹部(ボール戻し路)43を有する。
図14および図15に示すように、抜け防止部材60は、胴部601と平板部602とからなる。胴部601および平板部602の平面形状は長辺と短辺からなる長方形である。両長方形の長辺は同じであり、短辺は胴部601の方が平板部602より短い。これにより、一対の凸部602aが胴部601の各側方に突出している。
胴部601の平板部602と反対側の面は円弧面601bとなっている。平板部602の胴部601と反対側の面に、コマ4との接触面602bが形成されている。平板部602の接触面602bをなす部分(中央部)602cは、それ以外の部分よりも突出している。円弧面601bは、ナット2の外周円と同心円の一部である。つまり、凸部602aは接触面602bの部分も含め、抜け防止部材60をなす長方形の長辺の全体に沿って形成されている。
図5〜図7に示すように、凹部23は、ナット2の軸方向Jと垂直な方向(ナット2の軸方向と交差する所定方向)Kで貫通穴22を挟んだ両側となる位置に形成されている。凹部23の深さ方向はナット2の径方向である。凹部23の底面は、ナット2の径方向でコマ4の外端面ラインLより少し外側の位置に存在する。
ナット2の凹部23の両側部に、抜け防止部材60の各凸部602aが嵌まる溝24が形成されている。凹部23は、溝24が形成されている部分(溝有り部)23aと、その外側(方向Kで貫通穴22とは反対側)に配置された、溝有り部23aより幅が広い部分(幅広部)23bとからなる。凹部23の開口の幅は、溝有り部23aで胴部601の幅より僅かに大きく、幅広部23bで平板部602の幅より僅かに大きい。
また、貫通穴22の周面の互いに対向する位置に、一対の凹部22a(突起42を嵌める凹部)が形成されている。凹部22aは凹部23の底面にも開口している。
コマ4を取り付ける際には、先ず、コマ4をナット2の上側からナット2の貫通穴22に挿入し、突起42を凹部22aに嵌め入れる。次に、図16(a)に示すように、例えば、ナット2の左側から抜け防止部材60を凹部23に向かわせ、凸部602aを左側の溝24bに嵌めて、抜け防止部材60を右側に移動する。その際に、コマ4側に突出している中央部602cは、撓んだ状態で凹部23内を移動する。
この移動により、図16(b)に示すように、凸部602aの両端部が溝24a,24bに嵌まった状態とする。その結果、抜け防止部材60の両端部が各凹部23に配置され、中央部602cが貫通穴22の凹部23の底面より深い位置まで入り、接触面602bがコマ4に接触した状態となって、抜け防止部材60でコマ4が貫通穴22に固定される。
また、凸状の中央部602cを有することで、抜け防止部材60のK方向への移動が規制されるため、抜け防止部材60がナット2の凹部23から外れることが防止される。さらに、突起42と凹部22aの嵌め合いにより、コマ4の貫通穴22での回転が防止される。
特開2005−9624号公報
上述のように、特許文献1に記載された具体例では、図16に示すように、抜け防止部材60の円弧面601bの直径がナット2の外径と同等程度の場合は、凹部23に抜け防止部材60を容易に取り付けることができる。
しかし、通常、コマ4と抜け防止部材60は、ナット2の外径に関わらず同じ寸法のものを共通に使用することになるため、ナット2の外径が大きくなると、上述の具体例には以下の問題点が生じる。
図17に示すように、例えば、ナット2の外径が抜け防止部材60の円弧面601bの直径の1.5倍以上で、抜け防止部材60を真横から取り付ける場合は、溝24をナット2の外周面まで広範囲に形成する必要がある。このような形状の溝24の加工を広範囲に行うことは難しい。また、凸部602aを長い溝24に沿わせて移動する必要があるため、抜け防止部材60の取り付けに手間がかかる。
また、例えば、ナット2の外径が抜け防止部材60の円弧面601bの直径の2.0倍以上の場合には、図19に示すように、凹部23を広範囲に形成して、溝24の形成を貫通穴22の周囲のみとし、抜け防止部材60を上から凹部23に入れた後に凸部602aを溝24に沿わせて移動する取り付け方法が考えられる。
この方法を採用するためには、凹部23の溝24が形成されている部分(溝有り部)23aの外側に、溝有り部23aより幅が広い部分(幅広部)23bを広範囲に設ける必要がある。すなわち、抜け防止部材60には、長辺方向全体に凸部602aが形成されているため、図18および図19に示すように、溝無し部23bのK方向に沿った寸法Xを、抜け防止部材60の全長以上(例えば、抜け防止部材60の全長+凹部23の形成用工具が入る寸法)にする必要がある。
つまり、この方法では、凹部23の加工コストが嵩むとともに、凹部23が深く形成されるため、コマ4および抜け防止部材60の取り付けに手間がかかる。
このように、特許文献1のコマの取り付け構造には、ナット2の外径が大きい(ナット2の外径が抜け防止部材60の円弧面601bの直径より大きい)ほど、加工コストが嵩み、コマ4および抜け防止部材60の取り付けに手間がかかるという問題点がある。
上述した特許文献1の具体例のコマ式ボールねじは、ナットのコマを配置する貫通穴の周囲に、コマの固定部品(抜け防止部材)を配置する凹部が形成され、この凹部に、固定部品の側方に形成された凸部が嵌まる溝が形成され、この溝に沿って移動させて凹部に配置された固定部品により、コマが貫通穴に固定されている構成を有する。
そして、この発明の課題は、前記構成を有するコマ式ボールねじにおいて、ナットの外径が大きい場合でも、上述した特許文献1の具体例と比較して、コマの固定部品の取り付けが容易で、凹部および溝加工にかかるコストが低減できるコマ式ボールねじを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様のボールねじは、下記の構成(1) 〜(5) を有することを特徴とする。
(1) ねじ軸と、ナットと、複数のボールを有し、前記ねじ軸は前記ナットを貫通する。前記ねじ軸の螺旋溝と前記ナットの螺旋溝とにより、前記ボールが転動する転動路が形成されている。前記ナットは、前記ボールを前記転動路の終点から始点に戻すボール戻し路が形成されたコマを有する。前記コマは前記ナットを径方向に貫通する貫通穴内に配置されている。前記ボールは、前記転動路内と前記ボール戻し路内に配置されている。前記転動路内で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動するボールねじである。
(2) 前記コマとの接触面を有する本体と、前記本体の前記接触面を挟んで対向する位置に独立に形成された第一係合部および第二係合部と、を有する固定部品を備えている。前記第一係合部および前記第二係合部は、それぞれ、前記本体の側方(前記第一係合部および前記第二係合部が互いに向かい合う方向と垂直な方向)に突出する凸部を有する。
(3) 前記ナットは、軸方向と交差する所定方向で前記貫通穴を挟んだ両側となる位置に、前記第一係合部および前記第二係合部がそれぞれ配置される凹部を有する。前記凹部の深さ方向は前記ナットの径方向である。前記凹部の底面は、前記ナットの径方向で前記コマの外端面と同じか前記外端面より外側の位置に存在する。
(4) 前記ナットは、前記凹部の少なくとも前記貫通穴の周囲に、前記固定部品の前記第一係合部および第二係合部の凸部が移動可能に嵌まる第一および第二の溝を有する。前記凹部の前記溝が形成されている部分の開口の幅(前記所定方向と垂直な方向の寸法)は、前記本体の接触面を有する部分の幅(同方向の寸法)より大きく、且つ、前記第一係合部および第二係合部の最大幅より小さい。
(5) 前記第一係合部の凸部が前記第一の溝に嵌まり、前記第二係合部の凸部が前記第二の溝に嵌まった状態で、前記固定部品が前記凹部および前記貫通穴の前記コマより前記ナットの径方向外側に配置されて、前記コマが前記貫通穴に固定されている。
この態様のボールねじを構成する固定部品は、第一係合部および第二係合部がコマとの接触面を挟んで対向する位置に独立に形成されていることで、接触面の位置に本体の両側に突出する凸部がないため、固定部品を上側からナットの貫通穴と一方の凹部に入れて、凹部の底面とコマの上に置くことができる。その状態で、固定部品を前記所定方向に移動すれば、第一の凸部を第一の溝に、第二の凸部を第二の溝に嵌めることができる。
ナットの外径が大きい場合には、例えば、前記凹部を下記の構成(6) を満たすように形成することで、前記溝の加工範囲および前記凹部の形成範囲を特許文献1の具体例よりも狭くすることができる。
(6) 前記溝は、前記貫通穴の周囲のみに形成され、前記凹部は、前記所定方向で前記溝が形成されている部分の前記貫通穴とは反対側に、前記凸部が入る幅広部を有する。前記幅広部の前記所定方向に沿った寸法は、前記凸部の同方向に沿った寸法より長く、前記固定部品の同方向に沿った寸法より短い。
この態様のボールねじは、下記の構成(7) を有することが好ましい。
(7) 前記凹部の底面は、前記ナットの径方向で前記コマの外端面より外側の位置に存在し、前記本体の前記コマとの接触面は、前記第一係合部および第二係合部の前記コマ側に配置される面よりも突出している。
前記構成(7) を有することより、前記本体の中央部(前記接触面をなす部分)が前記貫通穴の凹部の底面より深い位置まで入り、前記接触面が前記コマに接触した状態となるため、前記固定部品の前記所定方向への移動が規制されて、前記固定部品が前記凹部から外れることが防止される。
この発明のボールねじによれば、特許文献1に記載されたボールねじと比較して、ナットの外径が大きい場合でも、コマの固定部品の取り付けが容易で、凹部および溝加工にかかるコストが低減できる。
実施形態のボールねじを説明する図であって、ナットを断面にした概略構成図である。 実施形態および従来例のボールねじを構成するコマを各方向から見た図であって、(a)はナットの内周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向c方向から見た図、(c)は(a)のc方向から見た図、(d)は(c)のd方向から見た図、(e)は(d)のe方向から見た図である。 実施形態のボールねじを構成する固定部品を各方向から見た図であって、(a)はコマ側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向c方向から見た図、(c)は(a)のc方向から見た図、(d)は(c)のd方向から見た図、(e)は(d)のe方向から見た図、(f)は斜視図である。 実施形態のボールねじのコマの取り付け方法を説明する斜視図である。 実施形態および従来例のボールねじを構成するナットの貫通穴および凹部を示す平面図である。 図5のA−A断面図である。 図5、図11、および図18のB−B断面図である。 実施形態のボールねじコマの取り付け方法(第一の方法)を説明する図(ナットは図6に示す断面図)であって、(a)はコマを貫通穴に挿入した状態を示す図、(b)は固定部品をナットに取り付けた状態を示す図である。 図8(b)の状態を示す図であって、ナットは図7に示す断面図である。 実施形態のボールねじコマの取り付け方法(第二の方法)を説明する図であって、(a)と(b)は固定部品をナットに取り付けている途中の状態を示す図、(c)は固定部品をナットに取り付けた状態を示す図である。 実施形態のボールねじでナット外径が大きい場合を説明するナットの外周側から見た図である。 図11のA−A断面図である。 実施形態のボールねじでナット外径が大きい場合のコマの取り付け方法を説明する図であって、(a)は固定部品をナットに取り付けている途中の状態を示す図、(b)は固定部品をナットに取り付けた状態を示す図である。 従来例のボールねじのコマの取り付け方法を説明する斜視図である。 従来例のボールねじを構成する抜け防止部材を各方向から見た図であって、(a)はコマ側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向c方向から見た図、(c)は(a)のc方向から見た図、(d)は(c)のd方向から見た図、(e)は(d)のe方向から見た図、(f)は斜視図である。 従来例のボールねじコマの取り付け方法を説明する図であって、(a)はコマを貫通穴に挿入した状態を示す図、(b)は抜け防止部材をナットに取り付けた状態を示す図である。 従来例のボールねじでナット外径が大きい場合のコマの取り付け方法を説明する図である。 従来例のボールねじでナット外径が大きい場合を説明するナットの外周側から見た図である。 従来例のボールねじでナット外径が大きい場合のコマの取り付け方法を説明する図であって、ナットは図18のA−A断面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。
図1に示すように、この実施形態のボールねじは、ねじ軸1、ナット2、複数のボール3、複数のコマ(ボール戻し路43が形成されている部品)4、一対のシール5、複数の固定部品(コマを固定する部品)6を有する。ねじ軸1の外周面とナット2の内周面に、螺旋溝11,21が形成されている。ねじ軸1はナット2を貫通している。
図1に示すように、ナット2は、円筒部2Aの軸方向一端にフランジ部2Bを有する。ナット2の円筒部2Aは、径方向に貫通する貫通穴22を有する。
ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とにより、ボール3が転動する転動路が形成される。ボール3は、転動路とコマ4のボール戻し路41とからなる循環経路(図1に一点鎖線で表示)内に配置されている。コマ4は、ナット2の貫通穴22のナット2の径方向内側に配置され、径方向外側に配置された固定部品6で固定されている。ボール3は、転動路内で負荷転動し循環経路内を循環する。ボール3を介してねじ軸1とナット2が相対移動する。
コマ4は図2に示す特許文献1の具体例と同じであり、ナット2の円筒部2Aも図5〜7に示す特許文献1の具体例と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図3に示すように、固定部品6は、本体61と第一係合部62と第二係合部63とからなる。本体61は、コマ4との接触面61aと円弧面61bを有する。接触面61aと円弧面61bは互いに反対側の面である。
円弧面61bをなす円弧は、ナット2の外周円と同心で径が僅かに小さい円の一部である。本体61の平面形状は、長辺と短辺からなる長方形の短辺が円弧状に突出している形状である。第一係合部62と第二係合部63は同一形状で、本体61の長辺方向両端の厚さ方向(円弧面61bの頂点から接触面61aに下ろした垂線の方向)で接触面61a側に形成されている。すなわち、第一係合部62と第二係合部63は、本体61の接触面61aを挟んで対向する位置に、独立に形成されている。
本体61の長辺方向の中央部61cは、円弧面61b側を上側としたときに、第一係合部62および第二係合部63の下面より下側に突出している。この中央部61cの下面がコマ4との接触面61aである。
第一係合部62および第二係合部63の平面形状は、図3(a)に示すように、本体61の長辺方向両端の円弧64と、その延長線65と、コマ4をなす円の一部となる円弧66と、この円弧66と長方形との交点から長辺の両側に延びる垂線67と、で形成されている。
つまり、第一係合部62は、本体61の側方(第一係合部62および第二係合部63が互いに向かい合う方向と垂直な方向)に突出する一対の凸部62a,62bを有し、第二係合部63は、本体61の側方に突出する一対の凸部63a,63bを有する。固定部品6の接触面61aの位置には凸部62a,62b,63a,63bが存在しない。
この実施形態において、コマ4および固定部品6は合成樹脂製である。コマ4および固定部品6をなす合成樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、6ナイロン、4,6ナイロン、6,6ナイロン等が挙げられる。また、コマ4および固定部品6は、これらの合成樹脂にガラス繊維、チタン酸カリウム繊維等からなる強化材が混合された樹脂組成物で形成されていてもよい。
なお、コマ4は金属製でもよく、例えば、金属粉末射出成形法(MIM)により形成されたものであってもよい。使用するMIM用合金としては、例えば、Fe−Ni−C(1〜8%Ni、〜0.8%C)が挙げられる。
図4に示すように、ナット2の円筒部2Aには、図14と同様に、貫通穴22と一対の凹部22aと一対の凹部23と二対の溝24が形成されている。二対の溝24の一方を第一の溝24aとし、他方を第二の溝24bとする。二対の溝24a,24bは、固定部品6の第一係合部62および第二係合部63が移動可能に嵌まる寸法に形成されている。
また、固定部品6は、図15に示す抜け防止部材60において、凸部602aが接触面602bの位置で欠損し、胴部601および平板部602の長辺方向両端部が円弧状になっている形状を有する。つまり、固定部品6と抜け防止部材60の基本的な寸法は同じである。そのため、図5に示す凹部23の開口の幅は、溝有り部23aで本体61の幅より僅かに大きく、幅広部23bで第一係合部61および第二係合部62の最大幅より僅かに大きくなっている。
コマ4を取り付ける際には、先ず、コマ4をナット2の上側からナット2の貫通穴22に挿入し、突起42を凹部22aに嵌め入れる。
次に、図8(a)に示すように、例えば、ナット2の左側から固定部品6を凹部23に向かわせ、第一係合部62の凸部62a,62bを左側の凹部23の溝(第二の溝)24bに嵌めて、固定部品6を溝24bに沿って右側に移動する。その際に、コマ4側に突出している中央部61cは、撓んだ状態で凹部23内を移動する。
この移動により、図8(b)および図9に示すように、第一係合部62の凸部62a,62bが右側の凹部23の溝(第一の溝)24aに嵌まり、第二係合部63の凸部63a,63bが左側の凹部23の溝(第二の溝)24bに嵌まった状態とする。
その結果、図8(b)に示すように、本体61の長辺方向両端部と第一係合部62および第二係合部63が凹部23に配置され、本体61の中央部61cが貫通穴22の凹部23の底面より深い位置まで入り、接触面61aがコマ4に接触した状態となって、固定部品6でコマ4が貫通穴22に固定される。また、中央部61cにより、固定部品6が凹部23から外れることが防止される。また、突起42と凹部22aの嵌め合いにより、コマ4の貫通穴22での回転が防止される。
固定部品6を用いたコマ4の取り付け方法としては、図8に示す方法以外に、図10に示す取り付け方法も採用できる。
この方法では、コマ4を上側から貫通穴22に挿入した後に、先ず、図10(a)に示すように、固定部品6を上側から貫通穴22と右側の凹部23に入れて、凹部23の底面とコマ4の上に配置する。図10(b)に示すように、この状態で、第二係合部63は貫通穴22に配置され、第一係合部62は凹部23の右側にはみ出る。このように配置できるのは、固定部品6の接触面61aの位置に、第一係合部62および第二係合部63(凸部62a,62b,63a,63b)が存在しないためである。
次に、固定部品6を左に移動して、図10(c)および図9に示すように、第一係合部62の凸部62a,62bが右側の凹部23の溝(第一の溝)24aに嵌まり、第二係合部63の凸部63a,63bが左側の凹部23の溝(第二の溝)24bに嵌まった状態とする。この移動の際に、コマ4側に突出している中央部61cは、撓んだ状態で凹部23内を移動する。
その結果、図10(c)に示すように、本体61の長辺方向両端部と第一係合部62および第二係合部63が凹部23に配置され、本体61の中央部61cが貫通穴22の凹部23の底面より深い位置まで入り、接触面61aがコマ4に接触した状態となって、固定部品6でコマ4が貫通穴22に固定される。また、中央部61cにより、固定部品6が凹部23から外れることが防止される。また、突起42と凹部22aの嵌め合いにより、コマ4の貫通穴22での回転が防止される。
[ナットの外径が大きい場合]
例えば、ナット2の外径が固定部品6の円弧面61bの直径の1.5倍以上の場合は、図11および図12に示すように、凹部23の溝24が形成されている部分(溝有り部)23aの外側に、溝有り部23aより幅が広い部分(幅広部)23bを設ける。幅広部23bのK方向に沿った寸法Xは、固定部品6の第一係合部62および第二係合部63(凸部62a,62b,63a,63b)の最大長さより少し長い。つまり、幅広部23bのK方向に沿った寸法Xは、凸部62a,62b,63a,63bの同方向に沿った寸法より長く、固定部品6の同方向に沿った寸法より短い。
この場合には、図13に示す方法で、固定部品6を用いてコマ4をナット2に取り付けることができる。
この方法では、コマ4を上側から貫通穴22に挿入した後に、先ず、図13(a)に示すように、固定部品6を上側から貫通穴22と右側の凹部23に入れて、凹部23の底面とコマ4の上に配置する。この状態で、第二係合部63は貫通穴22に配置され、第一係合部62は凹部23の幅広部23bに配置される。このように配置できるのは、固定部品6の接触面61aの位置に、第一係合部62および第二係合部63(凸部62a,62b,63a,63b)が存在しないためである。
次に、固定部品6を左に移動して、図13(b)に示すように、第一係合部62の凸部62a,62bが右側の凹部23の溝(第一の溝)24aに嵌まり、第二係合部63の凸部63a,63bが左側の凹部23の溝(第二の溝)24bに嵌まった状態とする。この移動の際に、コマ4側に突出している中央部61cは、撓んだ状態で凹部23内を移動する。
その結果、本体61の長辺方向両端部と第一係合部62および第二係合部63が凹部23に配置され、本体61の中央部61cが貫通穴22の凹部23の底面より深い位置まで入り、接触面61aがコマ4に接触した状態となって、固定部品6でコマ4が貫通穴22に固定される。また、中央部61cにより、固定部品6が凹部23から外れることが防止される。また、突起42と凹部22aの嵌め合いにより、コマ4の貫通穴22での回転が防止される。
このように、この実施形態のボールねじによれば、固定部品6の凸部62a,62b,63a,63bが接触面61aの位置に存在しないため、ナット2の外径が大きい場合に、溝無し部23bの寸法Xを、図18および図19に示す例のように固定部品6の全長以上にする必要がない。
よって、この実施形態のボールねじによれば、特許文献1の具体例と比較して、ナット外径が大きい場合に凹部23を広範囲に形成する必要がないため、ナットの外径が大きい場合でも、固定部品6の取り付けが容易で、凹部23および溝24の加工にかかるコストが低減できる。
1 ねじ軸
11 ねじ軸の螺旋溝
2 ナット
2A ナットの円筒部
2B ナットのフランジ部
21 ナットの螺旋溝
22 ナットの貫通穴
23 ナットの凹部
23a 凹部の溝有り部
23b 凹部の幅広部
24 ナットの溝
24a 第一の溝
24b 第二の溝
3 ボール
4 コマ
41 本体
42 突起
43 ボール戻し路
5 シール
6 固定部品
61 本体
61a コマとの接触面
61b 本体の円弧面
61c 本体の中央部
62 第一係合部
63 第二係合部
62a,62b 第一係合部の凸部
63a,63b 第二係合部の凸部
60 抜け防止部材
601 胴部
601b 胴部の円弧面
602 平板部
602a 凸部
602b コマとの接触面
602c 平板部の中央部(接触面をなす部分)

Claims (3)

  1. ねじ軸と、ナットと、複数のボールを有し、
    前記ねじ軸は前記ナットを貫通し、
    前記ねじ軸の螺旋溝と前記ナットの螺旋溝とにより、前記ボールが転動する転動路が形成され、
    前記ナットは、前記ボールを前記転動路の終点から始点に戻すボール戻し路が形成されたコマを有し、
    前記コマは前記ナットを径方向に貫通する貫通穴内に配置され、
    前記ボールは、前記転動路内と前記ボール戻し路内に配置され、
    前記転動路内で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動するボールねじにおいて、
    前記コマとの接触面を有する本体と、前記本体の前記接触面を挟んで対向する位置に独立に形成された第一係合部および第二係合部と、を有する固定部品を備え、
    前記第一係合部および前記第二係合部は、それぞれ前記本体の側方に突出する凸部を有し、
    前記ナットは、軸方向と交差する所定方向で前記貫通穴を挟んだ両側となる位置に、記第一係合部および前記第二係合部がそれぞれ配置される凹部を有し、
    前記凹部の深さ方向は前記ナットの径方向であり、前記凹部の底面は、前記ナットの径方向で前記コマの外端面と同じか前記外端面より外側の位置に存在し、
    前記ナットは、前記凹部の少なくとも前記貫通穴の周囲に、前記固定部品の前記第一係合部および第二係合部の凸部が移動可能に嵌まる第一および第二の溝を有し、
    前記凹部の前記溝が形成されている部分の開口の幅は、前記本体の接触面を有する部分の幅より大きく、且つ、前記第一係合部および第二係合部の最大幅より小さく、
    前記第一係合部の凸部が前記第一の溝に嵌まり、前記第二係合部の凸部が前記第二の溝に嵌まった状態で、前記固定部品が前記凹部および前記貫通穴の前記コマより前記ナットの径方向外側に配置されて、前記コマが前記貫通穴に固定されていることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記溝は、前記貫通穴の周囲のみに形成され、
    前記凹部は、前記所定方向で前記溝が形成されている部分の前記貫通穴とは反対側に、前記凸部が入る幅広部を有し、前記幅広部の前記所定方向に沿った寸法は、前記凸部の同方向に沿った寸法より長く、前記固定部品の同方向に沿った寸法より短い請求項1記載のボールねじ。
  3. 前記凹部の底面は、前記ナットの径方向で前記コマの外端面より外側の位置に存在し、前記本体の前記コマとの接触面は、前記第一係合部および第二係合部の前記コマ側に配置される面よりも突出している請求項1または2記載のボールねじ。
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