JP2007211898A - ボールねじ用循環こま及びボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】ナットに循環こまを装着するに際し、その組み付けに要する時間及びコストを低減する。
【解決手段】このボールねじ10は、循環こま8が、ボール戻し溝13が形成された循環こま本体15と、その循環こま本体15の両側面からそれぞれ突出して設けられてナット2に係止する係止部11と、を有して構成されている。循環こま8の係止部11は、ナット2の内周面に対して係合するようになっている。さらに、循環こま本体15には、ナット2に装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って凹の段部12が形成されている。そして、この段部12に沿って接着剤Sが塗布されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボールねじ用循環こま及びこれを備えたボールねじに関する。
従来から、ねじ軸とナットとの間に介在された複数のボールを循環するようにした、内部循環方式のボールねじが知られている(例えば、特許文献1参照。)。図5に、この種の内部循環方式のボールねじの一例を示す。
この種のボールねじでは、同図に示すように、ねじ軸1の外周面に、ボール転動溝4が所定のリードを有して形成されている。また、ナット200の内周面には、このボール転動溝4に対応して、ボール転動溝5が形成されている。これらボール転動溝によってボール3が転がる際の軌道6が形成され、軌道6には複数のボール3が配置されている。そして、ナット200には、ボール3が循環できるように、軌道6の一端と他端とを連結し、軌道6を転がるボール3を一端から他端に戻す、ボール戻し溝を有する循環こま108が装着される。
ここで、この種のボールねじでは、ナットに対して循環こまを装着するに際し、例えば同図(a)での下方に図示するように、まず、循環こま108をナット200の外周側から装着し、次いで、接着剤を用いる場合には、例えば同図(a)〜(c)に示すように、接着剤Sを循環こま108の上面に充填するようにして固定していた。なお、同図(a)に符号Cで示す矢印は、循環こまをナットの外周側から装着するイメージを示している。
特開2004−138179号公報
しかしながら、接着剤で循環こまをナットに固定する場合、接着剤が実用強度に達するまでには、ある程度の時間が必要であり、接着剤の量が多ければ、その分、十分硬化するまでの養生に要する時間も長くなる。そのため、接着剤の量に比例して組立て時間及び組立てコストも余分に掛かることになる。
そこで、本発明は、このような点に着目してなされたものであって、ナットに対して循環こまを装着するに際し、接着剤を不要またはその使用量を少なくし、その組み付けに要する時間及びコストを低減し得る循環こま及びボールねじを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち第一の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体と、該循環こま本体の両側面からそれぞれ突出して設けられた係止部と、を有し、当該係止部は、前記ナットに装着されたときに、その径方向外側への前記循環こま本体の移動を拘束するように前記ナットに係止するようになっていることを特徴としている。
第一の発明に係る循環こまによれば、その循環こま本体に係止部を設けており、この係止部が、ナットに装着されたときに、ナットに係止するようになっているので、この循環こまをナットに対して装着するに際し、例えば接着剤を不要またはその使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
また、本発明のうち第二の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体を有し、当該循環こま本体は、前記ナットに装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って形成されている凹の段部を有することを特徴としている。
第二の発明に係る循環こまによれば、その循環こま本体には、ナットに装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って形成されている凹の段部を設けているので、ナットに装着されたときに、この凹の段部を、接着剤を充填するための充填溝とすることができる。したがって、この循環こまをナットに対して装着するに際し、例えば接着剤を凹の段部に沿って充填すれば、その使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
また、本発明のうち第三の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体と、該循環こま本体の両側面からそれぞれ突出して設けられた係止部と、を有し、当該係止部は、前記ナットに装着されたときに、その径方向外側への前記循環こま本体の移動を拘束するように前記ナットに係止するようになっており、さらに、前記循環こま本体は、前記ナットに装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って形成されている凹の段部を有することを特徴としている。
第三の発明に係る循環こまによれば、その循環こま本体に、上記第一の発明に係る係止部を設けており、さらに、上記第二の発明に係る凹の段部を形成しているので、この循環こまをナットに対して装着するに際し、例えば接着剤を不要またはその使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
ここで、前記循環こま本体に形成される前記ボール戻し溝は、前記循環こま本体の一方の側に開口して形成されており、前記係止部は、前記循環こま本体の両側面の、前記ボール戻し溝の開口している側の縁部に沿って、それぞれ鍔状に突出して設けられ、さらに、その鍔状をなす前記ボール戻し溝の開口している側とは反対側の面が、ナットの径方向内側の周面に倣う曲面として形成されていれば好ましい。このような構成であれば、例えば循環こまをナットの内周側から装着する上で好適である。
また、本発明のうち第四の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、前記ナットは、前記循環こまが装着される循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、上記第一から第三の発明のうちいずれか一つの発明に係るボールねじ用循環こまが装着されていることを特徴としている。
第四の発明に係るボールねじによれば、その循環こまとして、上記第一または第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されているので、接着剤を不要またはその使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
また、本発明のうち第五の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、前記ナットは、前記循環こまが装着される循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、上記第一または第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されており、さらに、前記係止部は、前記ナットの径方向内側の周面に対して係止されていることを特徴としている。
第五の発明に係るボールねじによれば、その循環こまとして、上記第一または第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されているので、接着剤を不要またはその使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。特に、この第五の発明によれば、係止部は、ナットの径方向内側の周面に対して係止されているので、ナットには、特段の被係止部を設けることなく循環こまを固定することができる。
また、本発明のうち第六の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、前記ナットは、前記循環こまを装着する循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、上記第二または第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されており、さらに、前記循環こま挿入穴内の前記循環こま本体に形成されている凹の段部に沿って接着剤が充填されていることを特徴としている。
第六の発明に係るボールねじによれば、その循環こまとして、上記第二または第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されており、さらに、接着剤を凹の段部に沿って充填しているので、接着剤の使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
また、本発明のうち第七の発明は、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、前記ナットは、前記循環こまが装着される循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、上記第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されており、さらに、前記係止部は、前記ナットの径方向内側の周面に対して係止されるとともに、前記循環こま挿入穴内の前記循環こま本体に形成されている凹の段部に沿って接着剤が充填されていることを特徴としている。
第七の発明に係るボールねじによれば、その循環こまとして、上記第三の発明に係るボールねじ用循環こまが装着されており、係止部は、ナットの径方向内側の周面に対して係止されているので、ナットに、特段の被係止部を設けることなく循環こまを固定することができる。さらに、接着剤を凹の段部に沿って充填しているので、接着剤の使用量を少なくしても、循環こまを固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。また、接着剤が塗布される部分の面積を広く確保できるので、その使用量を少なくしても、循環こま挿入穴と循環こまとの隙間からの油脂(グリース、潤滑油等)の漏れを効果的に防止することができる。さらにまた、この第六の発明によれば、例えば、循環こまをその係止部のみで固定することもできるので、上記凹の段部に沿って充填する接着剤をより少なくすることができる。
上述のように、本発明によれば、ナットに循環こまを装着するに際し、その組み付けに要する時間及びコストを低減することができる。
以下、本発明に係る循環こま及びその循環こまを装着したボールねじの一実施形態である内部循環方式のボールねじについて図面を適宜参照しつつ説明する。図1は、その内部循環方式のボールねじを説明する平断面図であり、同図では、ナット2をその軸線を含む面で切断した状態で示している。なお、以下の説明において、上記図5に示した従来の内部循環方式のボールねじと同一の部分については、同一の符号を用いて説明する。
図1に示すように、このボールねじ10は、ねじ軸1と、ナット2と、ボール3と、を備えて構成されている。
ねじ軸1は、その外周面に、所定のリードを有する螺旋状のボール転動溝4が形成されている。ナット2は、略円筒状をなし、その内径はねじ軸1の外径よりも大きく形成されており、ねじ軸1に所定の隙間をもって外嵌している。このナット2は、その一端部に案内対象と結合するためのフランジ22を有する。ナット2の内周面には、ねじ軸1のリードと等しいリードを有する螺旋状のボール転動溝5が形成されている。そして、ねじ軸1とナット2との対向するボール転動溝4とボール転動溝5とによって断面略円状の軌道6が形成されている。そして、この軌道6内に複数のボール3が充填配置されている。なお、各ボール転動溝は、通常のものと同様であり、同図では、ボール転動溝4については、溝中心の仮想線のみを図示し、また、ボール転動溝5については、溝の谷径の仮想線のみを図示している。
さらに、ナット2には循環こま8を取り付けるための循環こま挿入穴9が形成されている。この循環こま挿入穴9は、ナット2の外周から内周に向かって貫通した長孔からなっている。この長孔は、例えばエンドミルで加工され、エンドミルをナット2の中心線に直交する線に対して所定の角度だけ傾けて形成される。この所定の角度は、ボール転動溝4を転がるボール3が循環こま8に形成されたボール戻し溝13によって、急激に方向転換をしない角度に設定されている。なお、循環こま挿入穴9は、ナット2の周方向に均等間隔を空けて、循環コマ8の個数に合わせて複数個(例えば3個等)加工される。
そして、ナット2の各循環こま挿入穴9には、循環こま8が装着される。この循環こま8には、上記軌道6の一端と一巻き手前の軌道6の他端とを連結するボール戻し溝13が形成されている。そして、このボール戻し溝13により、循環こま8に向かって軌道6を転がってくるボール3をねじ軸1の径方向に掬い上げ、さらに、そのねじ山を乗り越えさせ、一巻き手前(一リード手前)の軌道6に戻すことでボール3を循環可能になっている。そして、このボール戻し溝13及び軌道6によって形成される通路によってねじ軸1の外側に略円環状の無限循環路が形成される。これにより、ナット2に対するねじ軸1の相対的な回転に伴って、ボール3がボール転動溝4とボール転動溝5との間を転がり運動することによって、ナット2がねじ軸1に対してねじ軸の軸方向に直線運動することを可能にしている。
次に、上述の循環こま8についてより詳しく説明する。
図2は、その循環こま8を説明する図であり、同図(a)はその平面図、同図(b)はその正面図、同図(c)はその右側面図、同図(d)は同図(b)でのD方向矢視図である。
この循環こま8は、例えば焼結合金から成形されており、図2に示すように、循環こま本体15と、その循環こま本体15の両側面からそれぞれ突出して設けられた係止部11と、を有して構成されている。
詳しくは、循環こま本体15は、その外形形状が、上述したナット2の循環こま挿入穴9に整合して形成されており、半円形に形成された端部15aを、その長手方向の両端に有する(平面形状(図2(a)参照))。そして、循環こま本体15の外形は、循環こま挿入穴9の孔との間にわずかな隙間が生じる程度に、循環こま挿入穴9の内形よりも若干小さく形成されている。ここで、この循環こま本体15には、循環こま本体15がナット2に装着されたときに、ナット2の外周側となる面の周縁部分に、その全周に亘って凹の段部12が形成されている。凹の段部12の幅は、平面視において、その全周に亘って一定であり(同図(a)ないし(d)参照)、また、高さ方向での段部の深さについても、全周に亘って一定に形成されている(同図(b)ないし(c)参照)。
さらに、この循環こま本体15の内側には、その長手方向に略S字形状をなして延びるボール戻し溝13がナット2の内周側に向けて開口して形成されている。この略S字形状は、ボール3を戻すための機能から決定される形状である。つまり、ボール戻し溝13は、軌道6を転動するボール3を、1巻き分手前の軌道6に戻すようにボール3の進路を変え、且つ、軌道6に整合することが必要である。そのため、その平面形状をカム曲線としたときに、その揚程に対して加速度の急激な変動を抑えるように、例えば、変形正弦曲線に相当するカム曲線を組み合わせた結果として、略S字形状に形成されている。ここで、ボール戻し溝は、これに進入してきたボールが、ねじ軸の外径を乗り越えられ、且つ、ナットの円環状の断面形状と整合する必要もある。そのため、このボール戻し溝13は、循環こま本体15の開口側の中央位置で最も窪んだ円弧形状13bをなすように形成されている(右側面形状(図2(c)参照)。また、このボール戻し溝13は、循環こま8長手方向両端のボール掬い上げ部14から循環こま本体15の長手方向の中央部に向かって、循環こま本体15の短手方向の断面が、ボール3の外径と整合した内径を備えた連続したU字形状をなし、これが前述の略S字形状と一体をなして溝形状を形成している。
そして、上記係止部11は、図2(a)ないし(d)に示すように、循環こま本体15の外形形状に沿って延びており、循環こま本体15の両側面、且つ、ボール戻し溝13の開口している側に、それぞれ鍔状に突出して設けられている。この両側面の各係止部11は、互いに対をなしている。そして、循環こま本体15の外形形状に沿って形成される各係止部11の長さは、ボール掬い上げ部14が形成されている半円形の端部15aに僅かに掛かる位置までそれぞれ延びている。また、各係止部11は、ボール戻し溝13の開口している側の面が、図2(c)に示すように、循環こま本体15の窪んだ円弧形状15bに倣うように、これに沿ってそれぞれ形成されている。さらに、この係止部11は、ボール戻し溝13の開口している側とは反対側の面が、ナット2の径方向内側の周面に倣う曲面からなる位置決め面11bとして形成されている。ここで、上記形状をもつ鍔状の係止部11の高さ方向での厚さ及び平面視方向での幅は、装着されたときに、他の部材との干渉が生じない範囲で、それぞれ任意に設定可能である。
なお、この循環こま8は、ボールねじ10に充填配置されるボール列の一巻きに対して一つ設けられる。すなわち、ボール3の巻き数はボールねじ10に加わる荷重等から決定されるので、循環こま8の個数はボールねじ10に加わる荷重等に応じて適宜(例えば3個等)決定される。
そして、図1に示すように、このボールねじ10では、その循環こま8は、ナット2の内側から循環こま挿入穴9に挿入される(図1に符号Tで示す矢印は、その装着されるイメージを示している。)。循環こま8が循環こま挿入穴9にナット2の内側から挿入されると、一対の係止部11は、図3に示すように、それぞれの位置決め面11bが、ナット2の内側の周面2nに当接する。
これにより、循環こま8は、ナット2の半径方向外側への移動が拘束され、ナット2に対する循環こま8の位置が決まるようになっている。ここで、ナット2の半径方向内側に対しては、循環こま本体15とねじ軸1との間には複数のボール3が介装されているので、循環こま8はこれらのボール3によって、ねじ軸1から適度に浮き上がるように、一定の間隔を開けて支持される。
さらに、このボールねじ10では、図3および図4に示すように、凹の段部12と循環こま挿入穴9との間の隙間の部分に、循環こま本体15の全周に亘って形成されている凹の段部12に沿って接着剤S(シーリング剤)が充填されている(図3では、右側の部分のみに接着剤Sを図示している。)。この接着剤Sは、循環こま8を固定するとともに、循環こま挿入穴9と循環こま8との隙間からの油脂(グリース、潤滑油等)の漏れを防止するものである。なお、図3および図4での符号2tは、ナットの谷径の線を示している。
次に、上記循環こま8及びこれを備えたボールねじ10の作用・効果について説明する。
上述のように、このボールねじ10によれば、循環こま8は、その循環こま本体15に係止部11を設けており、この係止部11が、ナット2に装着されたときに、ナット2に係止するようになっているので、接着剤を不要またはその使用量を少なくしても、循環こま8をナット2に固定することができる。したがって、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
また、このボールねじ10によれば、係止部11は、ナット2の径方向内側の周面2nに対して係止されるようになっているので、ナット2には、特段の被係止部を設けることなく循環こま8を固定することができる。そして、循環こま8は、循環こま挿入穴9にナット2の内側から挿入することで、循環こま8をナット2に対して簡単に位置決めすることができる。
ところで、従来の循環こま108では、図5(b)に例示するように、上述のような凹の段部を周縁部の全周に亘って有しないので、この従来の循環こま108を接着剤で固定する場合には、図5(c)に例示するように、接着剤Sを、循環こま108の上面108u全面に充填することで、十分な固着強度をもたせるようにしていた。そのため、全面に充填する分だけ接着剤を余分に必要とし、接着剤の塗布される量が多い分、十分硬化するまでの養生に要する時間も長くなり、そのため、接着剤の量に比例して組立て時間及び組立てコストも余分に掛かっていた。さらに、ボールねじは、ナットの外径を小さくし、コンパクトであることが機能上望ましい。しかし、接着剤の塗布される量が多い分、その径方向での厚みも増すので、その分、ナットの外径が大きくなるという問題もある。
これに対し、上記ボールねじ10によれば、循環こま8には、その循環こま本体15に、ナット2に装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って凹の段部12が形成されており、この循環こま8をナット2に対して固定する際に、凹の段部12による隙間の部分にのみ接着剤Sを充填しているので、循環こま8を確実に固定しつつ、ナット2の径方向での接着剤Sの厚さを薄くすることができる。したがって、このボールねじ10によれば、接着剤を用いた場合であっても、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。さらに、ナット2の径方向での接着剤Sの厚さを薄くすることができるので、ナット2の外径をその分小さくできるので、ボールねじをコンパクト化することができる。
なお、本発明に係る循環こま及びボールねじは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、ボールねじ10は、その循環こま8が、係止部11および凹の段部12を共に有する例で説明したが、これに限定されず、係止部11および凹の段部12のいずれか一方を有する構成としてもよい。つまり、係止部11および凹の段部12のいずれか一方を有する構成であっても、ナットに対して循環こまを装着するに際し、接着剤を不要またはその使用量を少なくし、その組み付けに要する時間及びコストを低減可能である。
例えば、循環こま8を単に固定するだけであれば、係止部11による位置決めのみであっても、差し支えない。しかし、ボールねじには油等の潤滑剤が用いられるので、循環こま挿入穴9と循環こま8との隙間から潤滑剤が漏れることを防止する上では、上記実施形態のように、係止部11および凹の段部12を共に有する構成とすることが好ましい。また、特に、潤滑剤が漏れることをより好適に防止する上では、凹の段部12は、循環こま本体15の全周に亘って形成されていることが好ましい。
また、例えば、循環こま8の構造を簡単にして、製造コストを抑制する上では、係止部11を設けずに、凹の段部12のみを設け、その凹の段部12の全周に亘って接着するようにしてもよい。しかし、接着剤の量を少なくしても、やはり接着剤が実用強度に達するまでには、ある程度の時間が必要なので、循環こま8をナット2に対して簡単に位置決めし、固定された状態とする上では、上記実施形態のように、係止部11および凹の段部12を共に有する構成とすることが好ましい。
また、例えば、上記実施形態では、剛体としての係合部材がナット2の内側の周面に係止するようにした係止部11を循環こま本体15の両側に形成しているが、これに限定されず、例えば、係止部を一方側にのみ設けてもよい。また、弾性的な係止部(例えば樹脂やばね等の部材を別途装着したもの)を設けてもよい。さらにまた、係合部材がナット2の被係合部材に係合するようにして両者を係合させることで固定する等、係止部の構成も任意に決定することができる。しかし、位置決め姿勢を安定させる上では、係止部を、循環こま本体の両側面からそれぞれ突出して設けることが好ましい。また、対称形状に一対の係止部を設けて、これを係止させることは係止による姿勢を安定させる上でより好ましい。
また、上記実施形態では、係止部11は、ナット2に装着されたときに、その径方向外側への循環こま本体15の移動を拘束するように、ナットの径方向内側の周面に対して係止するように構成されている例で説明したが、これに限定されず、例えば、循環こま挿入穴9の内面に溝を形成し、その溝に、循環こま本体の係止部を係止させて位置決めするようにしてもよい。しかし、ナットに、特段の被係止部を設けることなく循環こまを固定可能とする上では、上記実施形態のように、係止部をナットの径方向内側の周面に対して係止するように構成することが好ましい。
本発明の一実施形態におけるボールねじを説明する平断面図である。 本発明の一実施形態における循環こまの説明図(a)〜(d)である。 本発明の一実施形態における循環こまの装着状態を説明する図であり、同図では、その循環こまの装着部分を軸方向から見た図を示している。 図1でのA部拡大図である。 従来の内部循環方式のボールねじを説明する図であり、同図(a)は、その平断面図、同図(b)は、その循環こまの装着部分を軸方向から見た図、同図(c)は、同図(a)でのB部拡大図である。
符号の説明
1 ねじ軸
2 ナット
3 ボール
4 (ねじ軸の)ボール転動溝
5 (ナットの)ボール転動溝
6 軌道
8 循環こま
9 循環こま挿入穴
10 ボールねじ
11 係止部
11b 位置決め面
12 段部
13 ボール戻し溝
14 ボール掬い上げ部
15 循環こま本体
S 接着剤

Claims (8)

  1. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、
    前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体と、該循環こま本体の両側面からそれぞれ突出して設けられた係止部と、を有し、当該係止部は、前記ナットに装着されたときに、その径方向外側への前記循環こま本体の移動を拘束するように前記ナットに係止するようになっていることを特徴とするボールねじ用循環こま。
  2. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、
    前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体を有し、当該循環こま本体は、前記ナットに装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って形成されている凹の段部を有することを特徴とするボールねじ用循環こま。
  3. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、を備えた内部循環方式のボールねじに用いられ、前記ナットに装着され、前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を備えた循環こまであって、
    前記ボール戻し溝が形成された循環こま本体と、該循環こま本体の両側面からそれぞれ突出して設けられた係止部と、を有し、当該係止部は、前記ナットに装着されたときに、その径方向外側への前記循環こま本体の移動を拘束するように前記ナットに係止するようになっており、
    さらに、前記循環こま本体は、前記ナットに装着されたときに外周側となる周縁部に、その全周に亘って形成されている凹の段部を有することを特徴とするボールねじ用循環こま。
  4. 前記循環こま本体に形成される前記ボール戻し溝は、前記循環こま本体の一方の側に開口して形成されており、
    前記係止部は、前記循環こま本体の両側面の、前記ボール戻し溝の開口している側の縁部に沿って、それぞれ鍔状に突出して設けられ、さらに、その鍔状をなす前記ボール戻し溝の開口している側とは反対側の面が、ナットの径方向内側の周面に倣う曲面として形成されていることを特徴とする請求項3に記載のボールねじ用循環こま。
  5. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、
    前記ナットは、前記循環こまを装着する循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボールねじ用循環こまが装着されていることを特徴とするボールねじ。
  6. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、
    前記ナットは、前記循環こまが装着される循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、請求項1または3に記載のボールねじ用循環こまが装着されており、
    さらに、前記係止部は、前記ナットの径方向内側の周面に対して係止されていることを特徴とするボールねじ。
  7. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、
    前記ナットは、前記循環こまを装着する循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、請求項2または3に記載のボールねじ用循環こまが装着されており、
    さらに、前記循環こま挿入穴内の前記循環こま本体に形成されている凹の段部に沿って接着剤が充填されていることを特徴とするボールねじ。
  8. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、該ねじ軸に外嵌して内周面に螺旋状のボール転動溝を有するナットと、これらのボール転動溝で形成される軌道内に配置される複数のボールと、前記ナットに装着されて前記ボールを手前の軌道に戻すためのボール戻し溝を有する循環こまと、を備えた内部循環方式のボールねじであって、
    前記ナットは、前記循環こまが装着される循環こま挿入穴を備え、当該循環こま挿入穴に、前記循環こまとして、請求項3または4に記載のボールねじ用循環こまが装着されており、
    さらに、前記係止部は、前記ナットの径方向内側の周面に対して係止されるとともに、前記循環こま挿入穴内の前記循環こま本体に形成されている凹の段部に沿って接着剤が充填されていることを特徴とするボールねじ。
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