JP2015132314A - ディファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents

ディファレンシャル装置の潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ディファレンシャル装置の潤滑構造において、サイドベアリングの潤滑とインボード部の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリングの潤滑効率の向上を図る。【解決手段】サイドベアリング(22)は、軸方向においてファイナルドリブンギヤ(12)に近い第1端面(22a)及び反対側の第2端面(22b)と、第2端面(22b)に設置したシールド板(26)とを備え、ファイナルドリブンギヤ(12)で掻き上げたハウジング(10)内の潤滑油をサイドベアリング(22)及びインボード部(42)に導くための潤滑油ガイド部材(35)は、底壁(38)に設けた第1排出部(38a)と第2排出部(38b)を備え、第1排出部(38a)から排出された潤滑油を第1端面(22a)に供給し、第2排出部(38b)から排出された潤滑油を第2端面(22b)に供給するように構成した。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載されるディファレンシャル装置を潤滑するための潤滑構造に関する。
自動車用のオートマチックトランスミッション(AT)又はマニュアルトランスミッション(MT)には、トランスミッションケース(ハウジング)内に回転可能に設置されたディファレンシャルケースと、このディファレンシャルケースの外周に設けたファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)とを含むディファレンシャル装置が一体に組み込まれているものがある。
そして、上記のディファレンシャル装置を潤滑するための潤滑構造として、ファイナルドリブンギヤの回転を利用してトランスミッションケース内に溜められた潤滑油を掻き上げてギヤや回転軸などに供給するように構成した潤滑構造が設けられている。そして、上記のディファレンシャル装置は、ディファレンシャルケースから延びるインボード部と、インボード部をトランスミッションケースに対して回転可能に支持するサイドベアリングとを備えており、ファイナルドリブンギヤで掻き上げられた潤滑油がこれらインボード部やサイドベアリングにも供給されるようになっている。
上記のサイドベアリングには、軸方向(インボード部の軸方向)における外側の端面に該端面の少なくとも一部を覆うシールド板が設置されている。そして、このシールド板によって、サイドベアリングの側部に供給された潤滑油が溜まる油溜まりが画成されている。したがって、リングギヤで掻き上げられてサイドベアリングに供給される潤滑油は、シールド板によって画成された油溜まりに貯留されてからインボード部やディファレンシャル装置の下方に導かれる。ディファレンシャル装置の下方に導かれた潤滑油は、その一部がサイドベアリングの回転で再び上方へ戻り、サイドベアリング内の荷重の高い箇所(面圧が高い箇所)に供給される。そのため、潤滑油がサイドベアリング内の荷重の高い箇所に供給されるまでにタイムラグが発生する。
上記の潤滑構造では、特に車両の低速走行時にサイドベアリングに供給される潤滑油の量が不足するという問題がある。また、ヘリカルギヤで構成されたリングギヤは、出力軸上の出力ギヤとの噛み合いによって軸方向の荷重を受けるところ、当該リングギヤが受ける軸方向の荷重がかかるサイドベアリングの面圧(内外輪およびボールの面圧)が高くなる。これに対して、従来の潤滑手法では、潤滑油がサイドベアリングの内部に供給されるまでにタイムラグが発生することで、サイドベアリングの潤滑効率の低下による寿命低減を招くおそれがある。したがって、サイドベアリングの潤滑とインボード部の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリングの潤滑効率の向上を図る必要がある。
なお、サイドベアリングに潤滑油を導くための潤滑構造の従来例として、特許文献1に示す潤滑構造がある。この特許文献1に記載の潤滑構造では、リングギヤからスクレーパーで回収した潤滑油をバッフルプレートでサイドベアリングに供給するように構成している。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、バッフルプレートでサイドベアリングへの潤滑油の供給が可能であるものの、インボード部への潤滑油の供給については考慮されていない。そのため、インボード部の十分な潤滑が行えないおそれがある。
特開2011−214640号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイドベアリングの潤滑とインボード部の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリングの潤滑効率の向上を図ることが可能となるディファレンシャル装置の潤滑構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかるディファレンシャル装置の潤滑構造は、ハウジング(10)と、ハウジング(10)内に収容されたディファレンシャルケース(30)と、ディファレンシャルケース(30)と一体に設けられて車両の駆動軸(18)の軸方向に延びるインボード部(42)と、ディファレンシャルケース(30)の外周に設けられたリングギヤ(12)と、を備えるディファレンシャル装置(1)と、インボード部(42)をハウジング(10)に対して回転可能に支持するサイドベアリング(22)と、を備え、リングギヤ(12)で掻き上げられたハウジング(10)内の潤滑油でサイドベアリング(22)及びインボード部(42)を潤滑するディファレンシャル装置の潤滑構造であって、サイドベアリング(22)の上方に配置されて、リングギヤ(12)で掻き上げられたハウジング(10)内の潤滑油をサイドベアリング(22)及びインボード部(42)に導くための潤滑油ガイド部材(35)を備え、サイドベアリング(22)は、軸方向においてリングギヤ(12)に近い第1端面(22a)と第1端面(22a)の反対側の第2端面(22b)と、第2端面(22b)に配置されて該第2端面(22b)の少なくとも一部を覆う板状部材(26)と、を備え、潤滑油ガイド部材(35)は、サイドベアリング(22)の第1端面(22a)に対応する位置に設けられた第1排出部(38a)と、第2端面(22b)に対応する位置に設けられた第2排出部(38b)とを備え、第1排出部(38a)から排出された潤滑油をサイドベアリング(22)の第1端面(22a)に供給し、第2排出部(38b)から排出された潤滑油を第2端面(22b)に供給するように構成したことを特徴とする。
本発明にかかるディファレンシャル装置の潤滑構造によれば、ディファレンシャルケースのリングギヤで掻き上げられた潤滑油を潤滑油ガイド部材でサイドベアリングに供給する際、潤滑油ガイド部材の第1排出部から排出された潤滑油をサイドベアリングの第1端面に供給し、潤滑油ガイド部材の第2排出部から排出された潤滑油をサイドベアリングの第2端面に供給するように構成した。これにより、サイドベアリングの軸方向の両側の端面に潤滑油を供給することができる。そして、潤滑油ガイド部材の第2排出部からサイドベアリングの第2端面に供給された潤滑油は、シールド板を介して(シールド板の外面を伝って)インボード部に導かれ、潤滑油ガイド部材の第1排出部からサイドベアリングの第1端面に供給された潤滑油は、直接的にサイドベアリングの内部へ導かれることで、サイドベアリングとインボード部との両方の潤滑を確保できる。したがって、簡単な構成でサイドベアリングの潤滑とディファレンシャルのインボード部の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリングの潤滑効率の向上を図ることが可能となる。
また、上記の潤滑構造では、ディファレンシャルケース(30)に固定されてサイドベアリング(22)に潤滑油を導入するための潤滑油導入部材(45)を備え、潤滑油導入部材(45)は、ディファレンシャルケース(30)を嵌装する筒状部(46a)を有する円盤状の本体部(46)と、本体部(46)の第1端面(22a)を向いた側面に突出形成されて筒状部(46a)から径方向の外側に延びる複数の羽根を有する羽根部(47)とを備え、羽根部(47)の複数の羽根は、それらの外径側の端部(47b)が内径側の端部(47a)に対して車両の前進時におけるディファレンシャルケース(30)の回転方向の進み側に位置するようにしてよい。
この構成によれば、上記の潤滑油導入部材を設置したことで、潤滑油ガイド部材の第1排出部からサイドベアリングの第1端面に供給される潤滑油を潤滑油導入部材の羽根部で捉えてサイドベアリングの内部へより効率的に取り込むことができる。したがって、サイドベアリングの潤滑の効果を高めることができる。
また、上記構成によれば、潤滑油導入部材の羽根部によって、ディファレンシャルケースの回転数が所定値以下の場合において潤滑油ガイド部材から供給された潤滑油を他へ飛散させないようにすることができるので、車両の低車速での走行におけるディファレンシャルケースの回転で掻き上げられた潤滑油を潤滑油導入部材で効率的に回収できる。したがって、車両が低車速での走行中にサイドベアリングに供給される潤滑油が不足することを効果的に防止できる。
また、上記の潤滑構造では、潤滑油導入部材(45)における羽根部(47)の内径側の端部(47a)と、サイドベアリング(22)の内輪(23)における外径側の端面(23a)とが径方向の同一位置に配置されていてよい。
この構成によれば、羽根部の内径側の端部とサイドベアリングの内輪における外径側の端面とが径方向の同一位置に配置されるので、羽根部で捉えた潤滑油を効率的にサイドベアリングの内部へ導くことができる。したがって、サイドベアリングの内部における高い面圧(接触圧)が発生する部分の効果的な潤滑が可能となる。
また、上記の潤滑構造では、リングギヤ(12)は、他のギヤ(5)に噛み合うヘリカルギヤであり、ガイド部材(35)からの潤滑油が供給されるサイドベアリング(22)は、ディファレンシャルケース(30)の軸方向の一端側に配置される第1サイドベアリング(22)であり、第1サイドベアリング(22)に対してディファレンシャルケース(30)の軸方向の他端側に配置される第2サイドベアリング(20)をさらに備え、リングギヤ(12)は、車両の前進時の回転で他のギヤ(5)から第1サイドベアリング(22)側への軸方向の荷重(F1)を受けるようにしてよい。
この構成によれば、リングギヤと他のギヤとの噛合(ヘリカルギヤ同士の噛み合い)によってリングギヤに対して軸方向の荷重が発生するため、特に車両の急発進などでインボード部が急激に高回転となる場合、第1サイドベアリングに高荷重(高い面圧)が発生するおそれがある。これに対して、従来の潤滑構造では、潤滑油がシールド板を介してサイドベアリングの下部に到達してからインボード部の回転によりサイドベアリングに導かれるため、潤滑油がサイドベアリングに到達するまでにタイムラグがある。そのため、高荷重となる第1サイドベアリングへの潤滑油の供給量が不足するおそれがある。
これに対して、本発明にかかる上記構成によれば、リングギヤからの荷重により高い面圧が生じる第1サイドベアリングに対応して潤滑油ガイド部材及び潤滑油導入部材を設置したことで、高い荷重が発生する第1サイドベアリングに対して迅速且つ直接的に潤滑油を供給することができる。したがって、高い面圧による第1サイドベアリングの摩耗を低減でき、第1サイドベアリングの高寿命化を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるディファレンシャル装置の潤滑構造によれば、サイドベアリングの潤滑とインボード部の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリングの潤滑効率の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる潤滑構造を備えたディファレンシャル装置を示す側断面図である。 図1のA−A矢視断面を示す図である。 図2のB部分を示す部分拡大図である。 潤滑油ガイドプレートを示す斜視図である。 潤滑油導入プレートを示す斜視図である。 潤滑油導入プレートによる潤滑油の取り込みについて説明するための図である。 リングギヤからディファレンシャルケース及びサイドベアリングにかかる荷重について説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる潤滑構造を備えたディファレンシャル装置を示す側断面図で、図2は、図1のA−A矢視断面を示す図である。また、図3は、図2のB部分を示す部分拡大図である。なお、図1及び図2では、後述するトランスミッションケース10は一部のみが図示されている。ディファレンシャル装置1は、トランスミッションケース(ハウジング)10に左右一対のサイドベアリング(第1,第2サイドベアリング)20,22を介して回転自在に支持されたディファレンシャルケース30を含んでいる。ディファレンシャルケース30の外周には、ファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)12が複数本のボルト(一本のみ図示)14により固定されている。
ディファレンシャルケース30は、車体の左右方向に延びる1対の筒状のインボード部(ボス部)32,42を有している。左側のインボード部32の内周には、左車軸16の軸端部が回転自在に支持されると共に、右側のインボード部42の内周には、右車軸18の軸端部が回転自在に支持されている。
ディファレンシャルケース30には、両車軸16,18の対向端部間に位置し、且つ両車軸16,18の軸線と直交するように、互いに直交する一対のピニオンシャフト52,54が支持されている。各ピニオンシャフト52,54は、ディファレンシャルケース30に回転不能且つ挿抜不能に固定されている。
ピニオンシャフト52には、一対のピニオンギヤ(ディファレンシャルピニオン)56,58が回転自在に支持されている。同様に、ピニオンシャフト54には、一対のピニオンギヤ(図示せず)が回転自在に支持されている。これらのピニオンギヤ56,58に噛合する一対のサイドギヤ(ドライブピニオン)60,62が左車軸16及び右車軸18にそれぞれスプライン結合されている。
図3に示すように、右側のインボード部42を支持するサイドベアリング(第1サイドベアリング)22は、インボード部42の外周面42aに嵌合する内輪23と、トランスミッションケース10の内面10a(図7参照)に嵌合する外輪24と、これら内輪23と外輪24との間に設置した球状の転動体25とを備えたボールベアリングである。このサイドベアリング22は、軸方向においてファイナルドリブンギヤ12に近い内側端面(第1端面)22aと該内側端面22aの反対側の外側端面(第2端面)22bとを備える。そして、外側端面22bに設置されたシールド板(板状部材)26を備える。シールド板26は、サイドベアリング22の外側端面22bの一部を覆う略円形環状の平板状の部材である。このシールド板26は、サイドベアリング22の外側端面22bから内部に潤滑油が侵入することを防止(抑制)して、サイドベアリング22の下端部及びその近傍の外側端面22bとそれに対向するトランスミッションケース10の内面10a及びオイルシール74との隙間76(図2参照)に油溜まりを画成するための部材であって、外縁の上端が後述する潤滑油ガイドプレート35の第2排出部38bに隣接し、内縁がインボード部42の外周面42aに隣接している。
そして、サイドベアリング22の上方には、ファイナルドリブンギヤ12によって掻き上げられたトランスミッションケース10内の潤滑油をサイドベアリング22及びインボード部42に導くための潤滑油ガイドプレート(潤滑油ガイド部材)35が設置されている。図4は、潤滑油ガイドプレート35を示す斜視図である。潤滑油ガイドプレート35は、合成樹脂製の一体成型品で、トランスミッションケース10の内面10aに沿う位置にボルトなど固定具39(図1参照)で固定されている。この潤滑油ガイドプレート35は、上側に向けて開口する上端辺35aと、上端辺35aの下側に設けられた受皿状の油受け部36と、油受け部36の下側でトランスミッションケース10の内面10aに沿って上下方向に延びる略平板状の側壁37と、側壁37の下端からトランスミッションケース10の内面10aに向けて該側壁37と直交する横向きに延びる底壁38とを備える。
また潤滑油ガイドプレート35は、底壁38の略中央部分に形成された第1排出部38aと、底壁38におけるトランスミッションケース10の内面10a側の端辺38cに設けた第2排出部38bとを備える。第1排出部38aは、底壁38に設けた貫通孔からなり、サイドベアリング22の内側端面22aに対応する位置(内側端面22aの真上位置)に設けられている。第2排出部38bは、サイドベアリング22の外側端面22bに対応する位置(外側端面22bの真上位置)に設けられている。また、側壁37の一部には、固定具39を挿通させるための貫通孔からなる固定部37aが設けられている。
上記構成の潤滑油ガイドプレート35は、側壁37とトランスミッションケース10の内面10aとの間に隙間が形成された状態で、固定部37aに挿通した固定具39でトランスミッションケース10の内面10aに固定される。そして、上端辺35a側から油受け部36に導入された潤滑油が側壁37とトランスミッションケース10の内面10aとの間を通って底壁38上に導かれ、第1排出部38a及び第2排出部38bから潤滑油ガイドプレート35の下方へ排出されるようになっている。
また、本実施形態のディファレンシャル装置1は、ディファレンシャルケース30に固定された潤滑油導入プレート(潤滑油導入部材)45を備えている。図5は、潤滑油導入プレート45を示す斜視図である。潤滑油導入プレート45は、潤滑油ガイドプレート35の第1排出部38aから排出された潤滑油をサイドベアリング22の内部に効率的に供給するための部材である。この潤滑油導入プレート45は、ディファレンシャルケース30におけるインボード部42の根元部分の外周に取り付けた略円形平板状の部材で、ディファレンシャルケース30を嵌装する筒状部46aを有する円盤状の本体部46と、該本体部46のサイドベアリング22側の側面(サイドベアリング22の外側端面22bに対向する面)に突出形成された複数の羽根を有する羽根部47とを備える。羽根部47の各羽根は、筒状部46aの外周面から径方向の外側に延びており、外径側の端部47bが内径側の端部47aに対して車両の前進時におけるディファレンシャルケース30の回転方向(図1及び図5の符号R1で示す方向)の進み側に位置するように形成されている。
また、図3に示すように、潤滑油導入プレート45は、羽根部47の内径側の端部47aとサイドベアリング22の内輪23における外径側の端面23aとが径方向の同一位置(同一の高さ位置)Hに配置されるように形成されている。
また、図3に示すように、右車軸18とトランスミッションケース10との間に設けられたオイルシール74とサイドベアリング22の外側端面22b(シールド板26)との間には、環状溝(環状空間)76が形成されている。環状溝76には、潤滑油ガイドプレート35の第2排出部38bから排出された潤滑油が供給される。
図7は、ファイナルドリブンギヤ12及びディファレンシャルケース30にかかる荷重について説明するための図で、同図(a)は、ディファレンシャルケース30の一部及びその周辺の部分拡大図、同図(b)は、ファイナルドリブンギヤ12と出力ギヤ6にかかる荷重を示す図である。同図(a)に示すように、ファイナルドリブンギヤ12は、変速機の出力軸(カウンタシャフト)5上に設けた出力ギヤ6と噛合している。そして、出力ギヤ6及びファイナルドリブンギヤ12は、ヘリカルギヤから構成されている。
図7(b)に示すように、出力ギヤ6のヘリカルギヤの方向(軸方向に対する歯面6aの傾斜方向)は、車両の前進時の回転方向R2に対して同図の左向きの荷重F2を受ける方向であり、ファイナルドリブンギヤ12のヘリカルギヤの方向(軸方向に対する歯面12aの傾斜方向)は、車両の前進時の回転方向R1に対して同図の右向きの荷重F1を受ける方向である。これにより、ファイナルドリブンギヤ12及びディファレンシャルケース30は、車両の前進時に軸方向における一端側(潤滑油導入プレート45を設けた第1サイドベアリング22側)への荷重F1を受ける。この荷重F1によって、ディファレンシャルケース30を支持するサイドベアリング22には、図7(a)の符号C1,C2に示す部分(内輪23の外径側の端面23aにおける軸方向の内側の部分C1と、外輪24の内径側の端面24aにおける軸方向の外側の部分C2)に高荷重(高い面圧)がかかるようになっている。
本実施形態のディファレンシャル装置1の潤滑構造では、ディファレンシャルケース30のファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)12で掻き上げられて飛散し、トランスミッションケース10の内面10aを伝って集められた潤滑油が潤滑油ガイドプレート35の上端辺35aから油受け部36に導入される。この潤滑油を潤滑油ガイドプレート35で下方のサイドベアリング22及びインボード部42に供給する際、潤滑油ガイドプレート35の第1排出部38aから排出された潤滑油をサイドベアリング22の内側端面22aに供給し、潤滑油ガイドプレート35の第2排出部38bから排出された潤滑油を環状溝76からサイドベアリング22の外側端面22b(シールド板26の外面)に供給する。これにより、サイドベアリング22の内側端面22aと外側端面22bの両方に潤滑油を供給することができる。
そして、潤滑油ガイドプレート35の第2排出部38bからサイドベアリング22の外側端面22bに供給する潤滑油は、シールド板26によって画成された隙間76の油溜まりに溜まり、そこからインボード部42に導かれる。一方、潤滑油ガイドプレート35の第1排出部38aからサイドベアリング22の内側端面22aに供給する潤滑油は、直接的にサイドベアリング22の内部に供給される。したがって、サイドベアリング22とインボード部42との両方の潤滑を確保できる。これにより、簡単な構成でサイドベアリング22の潤滑とインボード部42の潤滑との両立を図りながら、サイドベアリング22の潤滑効率の向上を図ることが可能となる。
また、図6は、潤滑油導入プレート45による潤滑油の取り込みについて説明するための図である。既述のように、潤滑油導入プレート45の羽根部47は、その外径側の端部47bが内径側の端部47aに対して車両の前進時におけるディファレンシャルケース30の回転方向R1の進み側に位置している。これにより、同図(a)〜(d)に示すように、車両の前進時におけるディファレンシャルケース30の回転に伴い、潤滑油ガイドプレート35の第1排出部38aから供給される潤滑油を潤滑油導入プレート45の羽根部47で捉えてサイドベアリング22の内部へ効率的に取り込むことができる。したがって、サイドベアリング22の潤滑の効果を高めることができる。
また、上記構成によれば、潤滑油導入プレート45の羽根部47は、その外径側の端部47bが内径側の端部47aに対して車両の前進時におけるディファレンシャルケース30の回転方向R1の進み側に位置していることで、ディファレンシャルケース30の回転数が低回転の場合でも潤滑油ガイドプレート35から供給された潤滑油を他へ飛散させないように構成されている。これにより、車両の低車速での走行におけるディファレンシャルケース30の回転で掻き上げられた潤滑油を潤滑油導入プレート45で効率的に回収できる。したがって、車両が低車速での走行中にサイドベアリング22に供給される潤滑油が不足することを効果的に防止できる。
また、既述のように、潤滑油導入プレート45の羽根部47における内径側の端部47aと、サイドベアリング22の内輪23における外径側の端面23aとが径方向の同一位置Hに配置されている。これにより、羽根部47で捉えた潤滑油を羽根部47の内径側の端部47aからサイドベアリング22の内部へスムーズに流入させることができる。したがって、潤滑油ガイドプレート35の第1排出部38aから排出された潤滑油をより効率的にサイドベアリング22内に導くことができる。特に、サイドベアリング22における高い面圧の部分(図7(a)の符号C1,C2の部分)の効果的な潤滑が可能となる。
また、本実施形態のディファンシャル装置1では、ファイナルドリブンギヤ12は、出力ギヤ6に噛み合うヘリカルギヤであり、潤滑油ガイドプレート35からの潤滑油が供給されるサイドベアリング22は、ディファレンシャルケース30の軸方向の一端側(図2の右側)に配置される第1サイドベアリング22である。そして、第1サイドベアリング22に対してディファレンシャルケース30の軸方向の他端側(図2の左側)に配置される第2サイドベアリング20をさらに備え、ファイナルドリブンギヤ12は、車両の前進時の回転で出力ギヤ6からサイドベアリング22側への軸方向の荷重F1を受けるように構成されている。
この構成によれば、ファイナルドリブンギヤ12と出力ギヤ6との噛合(ヘリカルギヤ同士の噛み合い)によってファイナルドリブンギヤ12及びディファレンシャルケース30に対して軸方向の荷重F1が発生するため、特に車両の急発進などでインボード部42が急激に高回転となる場合、サイドベアリング22に高荷重(高い面圧)が発生するおそれがある。しかしながら、従来の潤滑構造では、既述のように、潤滑油がサイドベアリング内の高荷重の箇所に到達するまでにタイムラグがある。そのため、高荷重となる第1サイドベアリングへの潤滑油の供給量が不足するおそれがある。
これに対して、本実施形態の潤滑構造によれば、ファイナルドリブンギヤ12からの荷重により高い面圧が生じるサイドベアリング22に対応して上記の潤滑油ガイドプレート35及び潤滑油導入プレート45を設置したことで、高い荷重が発生するサイドベアリング22に対して迅速且つ直接的に潤滑油を供給することができる。したがって、高い面圧によるサイドベアリング22の摩耗を効果的に低減でき、サイドベアリング22の高寿命化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示す潤滑油ガイドプレート35や潤滑油導入プレート45の具体的な形状、寸法、配置などはいずれも一例であって、これらは、本発明の範囲内の態様であれば、上記実施形態に示す以外の形状等であってもよい。
1 ディファレンシャル装置
5 出力軸
6 出力ギヤ
10 トランスミッションケース(ハウジング)
10a 内面
12 ファイナルドリブンギヤ(リングギヤ)
16 左車軸
18 右車軸
20 サイドベアリング(第2サイドベアリング)
22 サイドベアリング(第1サイドベアリング)
22a 内側端面(第1端面)
22b 外側端面(第2端面)
23 内輪
23a 外周側の端面
24 外輪
24a 内周側の端面
25 転動体
26 シールド板
30 ディファレンシャルケース
32 インボード部
35 ガイド部材(潤滑油ガイド部材)
35a 上端辺
36 油受け部
37 側壁
37a 固定部
38 底壁
38a 第1排出部
38b 第2排出部
38c 端辺
39 固定具
42 インボード部
42a 外周面
45 潤滑油導入プレート(潤滑油導入部材)
46 本体部
46a 筒状部
47 羽根部
47a 内径側の端部
47b 外径側の端部
52,54 ピニオンシャフト
56,58 ピニオンギヤ
74 オイルシール
76 環状溝(油溜まり)

Claims (4)

  1. ハウジングと、前記ハウジング内に収容されたディファレンシャルケースと、前記ディファレンシャルケースと一体に設けられて車両の駆動軸の軸方向に延びるインボード部と、前記ディファレンシャルケースの外周に設けられたリングギヤと、を備えるディファレンシャル装置と、
    前記インボード部を前記ハウジングに対して回転可能に支持するサイドベアリングと、を備え、
    前記リングギヤで掻き上げられた前記ハウジング内の潤滑油で前記サイドベアリング及び前記インボード部を潤滑するディファレンシャル装置の潤滑構造であって、
    前記サイドベアリングの上方に配置されて、前記リングギヤで掻き上げられた前記ハウジング内の潤滑油を前記サイドベアリング及び前記インボード部に導くための潤滑油ガイド部材を備え、
    前記サイドベアリングは、
    軸方向において前記リングギヤに近い第1端面と前記第1端面の反対側の第2端面と、
    前記第2端面に配置されて該第2端面の少なくとも一部を覆う板状部材と、を備え、
    前記潤滑油ガイド部材は、
    前記サイドベアリングの前記第1端面に対応する位置に設けられた第1排出部と、前記第2端面に対応する位置に設けられた第2排出部とを備え、
    前記第1排出部から排出された潤滑油を前記サイドベアリングの前記第1端面に供給し、前記第2排出部から排出された潤滑油を前記第2端面に供給するように構成した
    ことを特徴とするディファレンシャル装置の潤滑構造。
  2. 前記ディファレンシャルケースに固定されて前記サイドベアリングに潤滑油を導入するための潤滑油導入部材を備え、
    前記潤滑油導入部材は、前記ディファレンシャルケースを嵌装する筒状部を有する円盤状の本体部と、前記本体部の前記第1端面を向いた側面に突出形成されて前記筒状部から径方向の外側に延びる複数の羽根を有する羽根部とを備え、
    前記羽根部の複数の羽根は、それらの外径側の端部が内径側の端部に対して前記車両の前進時における前記ディファレンシャルケースの回転方向の進み側に位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
  3. 前記潤滑油導入部材における前記羽根部の内径側の端部と、前記サイドベアリングの内輪における外径側の端面とが径方向の同一位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
  4. 前記リングギヤは、他のギヤに噛み合うヘリカルギヤであり、
    前記ガイド部材からの潤滑油が供給される前記サイドベアリングは、前記ディファレンシャルケースの軸方向の一端側に配置される第1サイドベアリングであり、
    前記第1サイドベアリングに対して前記ディファレンシャルケースの軸方向の他端側に配置される第2サイドベアリングをさらに備え、
    前記リングギヤは、前記車両の前進時の回転で前記他のギヤから前記第1サイドベアリング側への軸方向の荷重を受ける
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディファレンシャル装置の潤滑構造。
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