JP7267987B2 - オイル供給構造 - Google Patents

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Description

本発明は、手動変速機のアウトプットシャフトを支持する軸受にオイルを供給する構造に関する。
自動車などの車両に搭載される変速機として、手動変速機(MT:Manual Transmission)が広く知られている。
手動変速機は、互いに平行に配置されるインプットシャフトおよびアウトプットシャフトを備えている。インプットシャフトおよびアウトプットシャフトは、手動変速機の外殻をなすユニットケースに回転可能に支持されている。ユニットケース内には、ドライブギヤおよびこのドライブギヤと噛合するドリブンギヤの組が前進の各変速段に対して設けられている。各変速段のドライブギヤは、インプットシャフトに一体に形成されるか、または、インプットシャフトに相対回転可能に支持されている。各変速段のドリブンギヤは、アウトプットシャフトに相対回転不能に支持されるか、または、アウトプットシャフトに相対回転可能に支持されている。
ユニットケース内には、手動変速機とともに、デファレンシャルギヤが収容されている。デファレンシャルギヤには、動力が伝達されるリングギヤと、リングギヤと一体的に回転するデフケースとが備えられている。ユニットケース内には、オイル(潤滑油)が封入されており、オイルは、デファレンシャルギヤを収容する空間の底部に溜まる。リングギヤに動力が伝達されて、リングギヤおよびデフケースが回転すると、その溜まっているオイルがリングギヤに掻き上げられて飛沫となり、オイルの飛沫がユニットケース内の各部に供給される。
実開平5-90024号公報
アウトプットシャフトを支持する軸受には、オイルの供給不足による摩耗や焼き付きを防止するため、十分な量のオイルが供給されることが望ましい。たとえば、アウトプットシャフトの上方に、リングギヤによって掻き上げられたオイルの飛沫を受けるオイルレシーバを配置して、オイルレシーバに受けられたオイルをアウトプットシャフトを支持する軸受に供給する構成が考えられる。
ところが、車両の走行開始直後は、リングギヤの回転数が低く、リングギヤによるオイルの掻き上げ量が少ないため、アウトプットシャフトを支持する軸受へのオイルの供給が不十分となる。
本発明の目的は、車両の走行開始直後においても、アウトプットシャフトを支持する軸受の潤滑を確保できる、オイル供給構造を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係るオイル供給構造は、オイルが封入されたユニットケース内に手動変速機およびデファレンシャルギヤを収容した変速ユニットにおいて、手動変速機のアウトプットシャフトを支持する軸受にオイルを供給する構造であって、アウトプットシャフトの上方には、手動変速機のシフトアンドセレクトシャフトが軸線方向に移動可能に設けられ、軸受の上方には、シフトアンドセレクトシャフトの移動により、シフトアンドセレクトシャフトの周面に摺擦する摺擦部材が設定されている。
この構成によれば、デファレンシャルギヤに動力が伝達されて、デファレンシャルギヤが回転すると、ユニットケース内の底部に溜まっているオイルがデファレンシャルギヤに掻き上げられて飛散し、そのオイルの飛沫がユニットケース内の各部に供給される。
アウトプットシャフトの上方には、シフトアンドセレクトシャフトが軸線方向に移動可能に設けられている。アウトプットシャフトを支持する軸受の上方には、摺擦部材が設定されており、シフトアンドセレクトシャフトが軸線方向に移動すると、シフトアンドセレクトシャフトの周面と摺擦部材とが摺擦する。シフトアンドセレクトシャフトの周面には、デファレンシャルギヤの回転中に、オイルの飛沫が降りかかり、デファレンシャルギヤの回転停止後も、オイルが付着している。そのため、シフトアンドセレクトシャフトの周面と摺擦部材とが摺擦すると、シフトアンドセレクトシャフトの周面に付着しているオイルが摺擦部材に掻き寄せられ(シフトアンドセレクトシャフトの表面と摺擦部材との間からオイルが溢れ)、摺擦部材の端からオイルが落下(滴下ないしは流下)する。摺擦部材が軸受の上方に位置しているので、その摺擦部材の端から落下するオイルは、軸受に供給される。その結果、車両の走行開始前にシフトアンドセレクトシャフトを移動させる操作(シフト操作)が行われた段階で、軸受にオイルを供給でき、車両の走行開始直後においても、その軸受の潤滑を確保することができる。
軸受の潤滑が確保されることにより、たとえば、シフトレバーの振動(ノブ振動)対策の1つとして、アウトプットシャフトの軸受に4点接触玉軸受を採用しても、その4点接触玉軸受の潤滑を確保するためのグリース封入構造を設ける必要がなく、コストアップを回避することができる。
シフトアンドセレクトシャフトの上方には、デファレンシャルギヤの回転により飛散するオイルを受けるオイルレシーバが設定され、オイルレシーバには、シフトアンドセレクトシャフトに向けて突出する突起が設定されていることが好ましい。
この構成では、オイルレシーバの外表面には、デファレンシャルギヤの回転中に、オイルの飛沫が降りかかる。オイルレシーバの外表面に付着したオイルは、デファレンシャルギヤの回転中はもちろん、デファレンシャルギヤの回転停止後も、オイルレシーバの外表面を伝って流れ、突起に集まって、突起の先端から落下(滴下ないしは流下)する。突起がシフトアンドセレクトシャフトに向けて突出しているので、突起の先端から落下するオイルは、シフトアンドセレクトシャフトに供給される。これにより、シフトアンドセレクトシャフトの周面にオイルを良好に供給することができる。その結果、シフトアンドセレクトシャフトが軸線方向に移動したときに、摺擦部材に掻き寄せられるオイルの量を多く確保でき、摺擦部材の端から軸受に向けて落下するオイルの量を多く確保できる。
また、摺擦部材の下方には、摺擦部材から軸受に向けて筋状に延びる筋状部材が設定されていることが好ましい。
この構成では、摺擦部材の端から落下するオイルを筋状部材を伝わせて、軸受にオイルを良好に供給することができる。その結果、軸受のより良好な潤滑を確保することができる。
筋状部材は、ユニットケースに一体に形成されて、ユニットケースを補強するリブを兼ねていてもよい。
これにより、ユニットケースの強度を増大させることができ、変速ギヤが発生するギヤノイズの低減を図ることができる。
本発明によれば、車両の走行開始直後においても、アウトプットシャフトを支持する軸受の潤滑を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る変速ユニットの構成を示す断面図である。 アウトプットシャフトのエンジン側と反対側の端部を支持するボールベアリングへのオイルの供給のための構造を示す断面図であり、シフトアンドセレクトシャフトが相対的にエンジン側に位置する状態を示す。 アウトプットシャフトのエンジン側と反対側の端部を支持するボールベアリングへのオイルの供給のための構造を示す断面図であり、シフトアンドセレクトシャフトが相対的にエンジン側と反対側に位置する状態を示す。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<変速ユニットの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る変速ユニット1の構成を示す断面図である。なお、図1以降の各図では、断面を表すハッチングの付与が省略されている。
変速ユニット1は、その外殻をなすユニットケース2内に変速機(トランスミッション)3およびデファレンシャルギヤ4を備えるトランスアクスルの形態を採用している。変速ユニット1は、エンジン(図示せず)を駆動源とする車両に搭載されて、エンジンの動力を変速機3で変速し、その変速された動力をデファレンシャルギヤ4を介して左右の駆動輪に伝達する。ユニットケース2内には、オイルが封入されている。
変速機3は、前進5段/後進1段の変速段を有する手動変速機(MT:Manual Transmission)であり、車両のエンジンコンパートメント内において、エンジンに対する車幅方向の一方側に配置される。変速機3は、車幅方向に延びるインプットシャフト11と、インプットシャフト11と平行に配置されたアウトプットシャフト12とを備えている。
インプットシャフト11のエンジン側の端部は、ユニットケース2を貫通して、ユニットケース2の外部において、クラッチ機構(図示せず)に接続されている。インプットシャフト11には、クラッチ機構を介して、エンジンの動力が入力される。ユニットケース2内におけるインプットシャフト11のエンジン側の端部は、ボールベアリング13を介して、ユニットケース2に回転可能に支持されている。一方、インプットシャフト11のエンジン側と反対側の端部は、ボールベアリング14を介して、ユニットケース2に回転可能に支持されている。
インプットシャフト11には、エンジン側から順に、1速ドライブギヤ21、リバースドライブギヤ22および2速ドライブギヤ23が一体に形成されている。また、インプットシャフト11には、2速ドライブギヤ23に対してエンジン側と反対側において、2速ドライブギヤ23側から順に、3速ドライブギヤ24、4速ドライブギヤ25および5速ドライブギヤ26がそれぞれ相対回転可能に支持されている。
アウトプットシャフト12のエンジン側の端部は、ユニットケース2内において、ニードルベアリング27を介して、ユニットケース2に回転可能に支持されている。一方、アウトプットシャフト12のエンジン側と反対側の端部は、ユニットケース2内において、ボールベアリング28を介して、ユニットケース2に回転可能に支持されている。
アウトプットシャフト12のエンジン側の端部には、出力ギヤ31が一体に形成されている。また、アウトプットシャフト12には、出力ギヤ31に対してエンジン側と反対側において、出力ギヤ31側から順に、1速ドリブンギヤ32、リバースドリブンギヤ33および2速ドリブンギヤ34が支持されている。1速ドリブンギヤ32および2速ドリブンギヤ34は、アウトプットシャフト12に対して回転可能に設けられ、リバースドリブンギヤ33は、アウトプットシャフト12に対して回転不能に設けられている。さらに、アウトプットシャフト12には、2速ドリブンギヤ34に対してエンジン側と反対側において、2速ドリブンギヤ34側から順に、3速ドリブンギヤ35、4速ドリブンギヤ36および5速ドリブンギヤ37がそれぞれスプライン嵌合により相対回転不能に支持されている。
1速ドリブンギヤ32は、1速ドライブギヤ21と常に噛合し、2速ドリブンギヤ34は、2速ドライブギヤ23と常に噛合している。また、3速ドリブンギヤ35は、3速ドライブギヤ24と常に噛合し、4速ドリブンギヤ36は、4速ドライブギヤ25と常に噛合し、5速ドリブンギヤ37は、5速ドライブギヤ26と常に噛合している。
ユニットケース2内には、リバースアイドラ軸41がインプットシャフト11およびアウトプットシャフト12と平行に配置されている。リバースアイドラ軸41のエンジン側の端部は、ユニットケース2に形成された凹部42に挿入されている。ユニットケース2には、リバースアイドラ軸41のエンジン側と反対側の端部に上方から対向する位置に、ボルト挿通孔43が貫通して形成されている。ボルト挿通孔43には、ユニットケース2の外側からボルト44が挿入される。このボルト44の先端部がリバースアイドラ軸41に形成された固定穴45にねじ込まれることにより、リバースアイドラ軸41がユニットケース2に対して回転不能に固定される。
リバースアイドラ軸41には、リバースアイドラギヤ46が相対回転可能かつ回転軸線方向に移動可能に支持されている。リバースアイドラギヤ46は、回転軸線方向の移動により、リバースドライブギヤ22とリバースドリブンギヤ33との両方に噛合する噛合位置と、それらとの噛合が解除される非噛合位置とに変位する。
1速ドリブンギヤ32と2速ドリブンギヤ34との間には、1-2速シンクロメッシュ(ハブアッシ)51が設けられている。1-2速シンクロメッシュ51は、公知の構成であり、アウトプットシャフト12にスプライン嵌合されたシンクロハブ52、シンクロハブ52の両側に配置されたシンクロナイザリング53およびシンクロハブ52の外周を取り囲むスリーブ54などを含む。スリーブ54の内周面は、シンクロハブ52の外周面とスプライン嵌合しており、スリーブ54は、シンクロハブ52およびアウトプットシャフト12と一体に回転する。リバースドリブンギヤ33は、スリーブ54と一体に形成されている。
3速ドライブギヤ24と4速ドライブギヤ25との間には、3-4速シンクロメッシュ55が設けられている。また、5速ドライブギヤ26に対してエンジン側と反対側には、5速シンクロメッシュ56が設けられている。3-4速シンクロメッシュ55および5速シンクロメッシュ56の構成は、公知であるから、その構成についての説明を省略する。
車室内に配設されたシフトレバーのセレクト操作およびシフト操作により、シフトレバーが1速段の位置に入れられると、1-2速シンクロメッシュ51の機能により、1速ドリブンギヤ32がアウトプットシャフト12に相対回転不能に結合される。これにより、インプットシャフト11に入力される動力が1速ドライブギヤ21および1速ドリブンギヤ32を介してアウトプットシャフト12に伝達される。このとき、エンジンの動力は、1速段の変速比で変速されて、アウトプットシャフト12に伝達される。
シフトレバーが2速段の位置に入れられると、1-2速シンクロメッシュ51の機能により、2速ドリブンギヤ34がアウトプットシャフト12に相対回転不能に結合される。これにより、インプットシャフト11に入力される動力が2速ドライブギヤ23および2速ドリブンギヤ34を介してアウトプットシャフト12に伝達される。このとき、エンジンの動力は、2速段の変速比で変速されて、アウトプットシャフト12に伝達される。
シフトレバーが3速段の位置に入れられると、3-4速シンクロメッシュ55の機能により、3速ドライブギヤ24がインプットシャフト11に相対回転不能に結合される。これにより、インプットシャフト11に入力される動力が3速ドライブギヤ24および3速ドリブンギヤ35を介してアウトプットシャフト12に伝達される。このとき、エンジンの動力は、3速段の変速比で変速されて、アウトプットシャフト12に伝達される。
シフトレバーが4速段の位置に入れられると、3-4速シンクロメッシュ55の機能により、4速ドライブギヤ25がインプットシャフト11に相対回転不能に結合される。これにより、インプットシャフト11に入力される動力が4速ドライブギヤ25および4速ドリブンギヤ36を介してアウトプットシャフト12に伝達される。このとき、エンジンの動力は、4速段の変速比で変速されて、アウトプットシャフト12に伝達される。
シフトレバーが5速段の位置に入れられると、5速シンクロメッシュ56の機能により、5速ドライブギヤ26がインプットシャフト11に相対回転不能に結合される。これにより、インプットシャフト11に入力される動力が5速ドライブギヤ26および5速ドリブンギヤ37を介してアウトプットシャフト12に伝達される。このとき、エンジンの動力は、5速段の変速比で変速されて、アウトプットシャフト12に伝達される。
シフトレバーがリバース位置に入れられると、シフトレバーのセレクト操作およびシフト操作に伴って、シフトアンドセレクトシャフト81(図2A参照)が軸線方向および周方向に動作し、リバースシフトフォークが移動することにより、リバースアイドラギヤ46がリバースドライブギヤ22およびリバースドリブンギヤ33と噛合する位置に変位される。このとき、インプットシャフト11に入力される動力がリバースドライブギヤ22、リバースアイドラギヤ46およびリバースドリブンギヤ33を介してアウトプットシャフト12に伝達される。これにより、アウトプットシャフト12が1-5速段の場合と逆方向に回転する。
デファレンシャルギヤ4は、デフケース61を備えている。デフケース61は、ギヤ収容空間62を内部に提供するギヤ収容部63と、ギヤ収容部63の外周から回転径方向に張り出すフランジ部64とを有している。
ギヤ収容部63には、回転径方向に延びるピニオンシャフト65がギヤ収容空間62を貫通して保持されている。ピニオンシャフト65には、2個のピニオンギヤ66,67が互いに間隔を開けて回転可能に保持されている。また、ギヤ収容空間62内には、2個のサイドギヤ68,69がピニオンシャフト65の両側に分かれて配置されている。サイドギヤ68,69およびピニオンギヤ66,67は、いずれもかさ歯車からなり、各サイドギヤ68,69は、ピニオンギヤ66,67の両方と噛合している。
また、ギヤ収容部63には、サイドギヤ68,69が対向する方向、言い換えればピニオンシャフト65と直交する方向に貫通する円筒状のシャフト挿入部71,72が形成されている。シャフト挿入部71,72には、それぞれドライブシャフト(図示せず)がデフケース61の外部から挿入される。ドライブシャフトの先端部は、ギヤ収容空間62内において、それぞれサイドギヤ68,69に相対回転不能に結合される。
シャフト挿入部71,72には、それぞれベアリング73,74が外嵌されている。ベアリング73,74のアウタレース(外輪)は、ユニットケース2に回転不能に保持されている。これにより、デフケース61は、ベアリング73,74を介してユニットケース2に、ドライブシャフトと同一の回転軸線まわりに回転可能に支持されている。
フランジ部64には、リングギヤ75が固定されている。リングギヤ75は、デフケース61を取り囲む略円環板状のウェブ76と、ウェブ76の外周を取り囲む略円筒状のリム77とを一体的に有している。リム77は、ウェブ76からデフケース61の回転軸線に沿う方向の両側に突出している。リム77の外周面には、ギヤ歯が形成されており、このギヤ歯は、変速機3の出力ギヤ31と噛合している。
変速機3のアウトプットシャフト12に伝達される動力は、出力ギヤ31からリングギヤ75に伝達される。これにより、リングギヤ75およびデフケース61が一体に回転する。デフケース61の回転は、ピニオンギヤ66,67を介して、各サイドギヤ68,69の回転に変換される。これにより、各サイドギヤ68,69と一体にドライブシャフトが回転し、ドライブシャフトの回転が車両の駆動輪に伝達される。
<オイル供給構造>
図2Aおよび図2Bは、アウトプットシャフト12のエンジン側と反対側の端部を支持するボールベアリング28へのオイルの供給のための構造を示す断面図である。
アウトプットシャフト12の上方には、シフトアンドセレクトシャフト81がアウトプットシャフト12と平行をなして設けられている。シフトアンドセレクトシャフト81のエンジン側と反対側の端部(左側の端部)は、ユニットケース2に形成された円柱状の凹部82に嵌められて、メタルブッシュ83を介して、ユニットケース2に軸線方向に移動可能に保持されている。メタルブッシュ83は、圧入により、ユニットケース2に対して固定されている。また、図示されていないが、シフトアンドセレクトシャフト81のエンジン側の端部(右側の端部)についても、その反対側と同様の構成により、ユニットケース2に軸線方向に移動可能に保持されている。
シフトアンドセレクトシャフト81には、変速ユニット1が搭載される車両の車室内に配設されたシフトレバーのセレクト操作およびシフト操作の各操作力がケーブルを介して伝達される。シフトレバーのセレクト操作が行われると、そのセレクト操作による操作力がシフトアンドセレクトシャフト81に伝達され、シフトアンドセレクトシャフト81が軸線を中心に回転する。シフトレバーのシフト操作が行われると、そのシフト操作による操作力がシフトアンドセレクトシャフト81に伝達され、シフトアンドセレクトシャフト81が軸線方向に移動する。
シフトアンドセレクトシャフト81の上方には、オイルレシーバ84が設けられている。オイルレシーバ84は、オイルを貯留可能な容器状に形成されている。オイルレシーバ84には、内部に溜まったオイルを排出する排出孔が形成されており、その排出孔から排出されるオイルは、ユニットケース2に形成された供給孔を通して、潤滑を必要とする各部に供給される。
オイルレシーバ84の外底面(外表面の下面)には、円錐状の突起85が形成されている。突起85は、軸線方向において、メタルブッシュ83に対してエンジン側に所定の間隔を空けた位置に配置され、オイルレシーバ84の外底面からシフトアンドセレクトシャフト81の周面に向けて突出している。
また、ユニットケース2には、凹部82と、アウトプットシャフト12を支持するボールベアリング28の内輪がすき間ばめにより固定された凹部86との間に、筋状のオイル案内リブ87が一体に形成されている。オイル案内リブ87が一体に形成されることにより、ユニットケース2が補強されて、その強度の増大が図られている。オイル案内リブ87は、凹部82の開口端の下端から下方に延び、エンジン側と反対側に屈曲して斜めに延びて、凹部86の開口端の上端に接続されている。
<作用効果>
デファレンシャルギヤ4のデフケース61(リングギヤ75)が一体に回転すると、ユニットケース2内の底部に溜まっているオイルがデフケース61(リングギヤ75)に掻き上げられて飛散し、そのオイルの飛沫がユニットケース2内の各部に供給される。
アウトプットシャフト12の上方には、シフトアンドセレクトシャフト81が軸線方向に移動可能に設けられている。アウトプットシャフト12を支持するボールベアリング28の上方には、メタルブッシュ83が設定されており、シフトアンドセレクトシャフト81が軸線方向に移動すると、シフトアンドセレクトシャフト81の周面とメタルブッシュ83とが摺擦する。シフトアンドセレクトシャフト81の周面には、リングギヤ75の回転中に、オイルの飛沫が降りかかり、リングギヤ75の回転停止後も、オイルが付着している。そのため、シフトアンドセレクトシャフト81が図2Aに示される位置から図2Bに示される位置に移動し、その移動に伴って、シフトアンドセレクトシャフト81の周面とメタルブッシュ83とが摺擦すると、シフトアンドセレクトシャフト81の周面に付着しているオイルがメタルブッシュ83に掻き寄せられ(シフトアンドセレクトシャフト81の表面とメタルブッシュ83との間からオイルが溢れ)、メタルブッシュ83の端からオイルが落下(滴下ないしは流下)する。メタルブッシュ83がボールベアリング28の上方に位置しているので、そのメタルブッシュ83の端から落下するオイルは、ボールベアリング28に供給される。その結果、車両の走行開始前にシフトアンドセレクトシャフト81を移動させる操作(シフト操作)が行われた段階で、ボールベアリング28にオイルを供給でき、車両の走行開始直後においても、そのボールベアリング28の潤滑を確保することができる。
ボールベアリング28の潤滑が確保されることにより、たとえば、シフトレバーの振動(ノブ振動)対策の1つとして、アウトプットシャフト12のボールベアリング28に4点接触玉ボールベアリング28を採用しても、その4点接触玉ボールベアリング28の潤滑を確保するためのグリース封入構造を設ける必要がなく、コストアップを回避することができる。
シフトアンドセレクトシャフト81の上方には、リングギヤ75の回転により飛散するオイルを受けるオイルレシーバ84が設定され、オイルレシーバ84には、シフトアンドセレクトシャフト81に向けて突出する突起85が設定されている。
オイルレシーバ84の外表面には、リングギヤ75の回転中に、オイルの飛沫が降りかかる。オイルレシーバ84の外表面に付着したオイルは、リングギヤ75の回転中はもちろん、リングギヤ75の回転停止後も、オイルレシーバ84の外表面を伝って流れ、突起85に集まって、突起85の先端から落下(滴下ないしは流下)する。突起85がシフトアンドセレクトシャフト81に向けて突出しているので、突起85の先端から落下するオイルは、シフトアンドセレクトシャフト81に供給される。これにより、シフトアンドセレクトシャフト81の周面にオイルを良好に供給することができる。その結果、シフトアンドセレクトシャフト81が軸線方向に移動したときに、メタルブッシュ83に掻き寄せられるオイルの量を多く確保でき、メタルブッシュ83の端からボールベアリング28に向けて落下するオイルの量を多く確保できる。
メタルブッシュ83の下方には、メタルブッシュ83からボールベアリング28に向けて筋状に延びるオイル案内リブ87が設定されている。これにより、メタルブッシュ83の端から落下するオイルは、オイル案内リブ87を伝って、ボールベアリング28に供給される。その結果、ボールベアリング28のより良好な潤滑を確保することができる。
また、オイル案内リブ87がユニットケース2を補強するリブを兼ねていることにより、ユニットケース2の強度が増大させることができ、変速ギヤが発生するギヤノイズの低減を図ることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、シフトアンドセレクトシャフト81の端部は、メタルブッシュ83を介して、ユニットケース2に軸線方向に移動可能に保持されているとしたが、メタルブッシュ83に代えて、樹脂製のブッシュが採用されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1:変速ユニット
2:ユニットケース
3:変速機
4:デファレンシャルギヤ
12:アウトプットシャフト
28:ボールベアリング(軸受)
81:シフトアンドセレクトシャフト
83:メタルブッシュ(摺動部材)
84:オイルレシーバ
85:突起
87:オイル案内リブ(筋状部材)

Claims (1)

  1. オイルが封入されたユニットケース内に手動変速機およびデファレンシャルギヤを収容した変速ユニットにおいて、前記手動変速機のアウトプットシャフトを支持する軸受にオイルを供給する構造であって、
    前記アウトプットシャフトの上方には、前記手動変速機のシフトアンドセレクトシャフトが軸線方向に移動可能に設けられ、
    前記軸受の上方には、前記シフトアンドセレクトシャフトの移動により、前記シフトアンドセレクトシャフトの周面に摺擦する摺擦部材が設定され
    前記シフトアンドセレクトシャフトの上方には、前記デファレンシャルギヤの回転により飛散するオイルを受けるオイルレシーバが設定され、
    前記オイルレシーバには、前記シフトアンドセレクトシャフトに向けて突出する突起が設定され、
    前記摺擦部材の下方には、前記摺擦部材から前記軸受に向けて筋状に延びる筋状部材が設定されている、オイル供給構造。
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Citations (2)

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JP2014185670A (ja) 2013-03-22 2014-10-02 Toyota Motor Corp 手動変速機のシフト機構
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