JP2015130050A - 透明導電フィルム、その製造方法およびタッチパネル - Google Patents

透明導電フィルム、その製造方法およびタッチパネル Download PDF

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賢悟 岡田
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Abstract

【課題】低抵抗・高透明の透明導電フィルムを提供することを主要な目的とする。【解決手段】透明導電フィルム9は、透明基板10を備える。透明基板10の少なくとも一方の主面側に透明導電膜11が設けられている。透明導電膜11の上に、導電性インクの滲みを防止するための、多数の微細な孔を持つ透明多孔質のインク受容層12が設けられている。インク受容層12を介して上記透明導電膜11の上に、積層方向に重なるように、幾何学状のパターンを有する導電性インク層13が設けられている。インク受容層12の厚み方向には、透明導電膜11と導電性インク層13との間で電子が流れるトンネル14が生じている。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に透明導電フィルムに関し、より特定的には低抵抗・高透明の透明導電フィルムおよびその製造方法に関する。この発明は、また、そのような透明導電フィルムを用いたタッチパネルに関するものである。
近年、コンピュータや電子機器において、押しボタンを用いずにディスプレイの表示を利用した操作の開発が盛んである。その操作のために、ディスプレイの前面に透明のタッチパネルを配置して、タッチ位置を検出する。タッチパネルの種類としては、抵抗膜方式、表面弾性波式、赤外線方式などがあり、指のタッチや近接による静電容量の変化で位置検出をする静電容量式もある。例えば特許文献1にはマトリクス状の電極(X方向、Y方向の2層構造)の静電容量式タッチパネルが記載されている。
図7(A)(B)に示す従来の静電容量式タッチパネル1は、1枚の誘電体基板2の一方の面に第1電極3、他方の面に第2電極4が形成されている。第1電極3と第2電極4はそれぞれ直線状の電極であり、互いに直交する方向に配置されている。第1電極3の上方には透明樹脂でできたカバーフィルム5が設けられ、カバーフィルム5はアクリル系の透明接着剤6または粘着剤によって誘電体基板2の一方の面に接着されている。誘電体基板2の他方の面は、アクリル系の透明接着剤7または粘着剤によってディスプレイ8に接着されている。
操作者の指がタッチパネル1に近接されると、第1電極3と第2電極4が交叉する部分の静電容量が変化する。静電容量式タッチパネル1は、その静電容量の変化を検出して座標を求める。
従来、第1電極3および第2電極4には、ITO(Indium Tin Oxide)をスパッタリングによってすることによって形成された透明導電膜が多く用いられる。ITOの表面抵抗値はITOの膜厚が大きいほど低くなるが、厚みが大きいほど透過率や色目等の見栄えが悪化するため、一般に200Ω/□〜1000Ω/□の範囲で用いられている。近年、タッチパネルの面積が大きくなったとき、または手袋などでタッチしたときに十分な感度が得られるように電極の抵抗値を低くしたいとの要望があるが、ITOのみで所望の低抵抗を実現することは難しい。さらにITOに含まれるインジウムは希少元素であるため、できる限り使用を避けることが望まれている。
特開2010−39537号公報
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、低抵抗の透明導電フィルムを提供することを目的とする。
この発明の他の目的は、電極等の低抵抗化を図りながらタッチパネルの大型化を実現でき、さらに見栄えのよい透明導電フィルムを提供することにある。
この発明の他の目的は、引き回しの配線の狭幅化(配線印刷を細くする)を実現でき、タッパネル額縁部の狭幅化を可能にする透明導電フィルムを提供することにある。
この発明の他の目的は、ワイヤ電極構成が目につく(視認性)不具合を改善でき、さらに引き回し配線の導通不良などを改善できる透明導電フィルムを提供することにある。
この発明の他の目的は、作業効率の高い印刷法で電極を形成できる透明導電フィルムを提供することにある。
この発明の他の目的は、そのような透明導電フィルムを用いたタッチパネルを提供することにある。
この発明のさらに他の目的は、そのような透明導電フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明に係る透明導電フィルムは、透明基板を備える。該透明基板の上に透明導電膜が設けられている。上記透明導電膜の少なくとも一方の主面側に、導電性インクの滲みを防止するための、多数の微細な孔を持つ透明多孔質のインク受容層が設けられている。上記インク受容層を介して上記透明導電膜の上に印刷された幾何学パターンを有する導電性インク層が設けられている。上記インク受容層の厚み方向には、上記透明導電膜と上記導電性インク層との間で電子が流れるトンネルが生じている。
透明多孔質のインク受容層は、導電性インクの滲みを防止するために用いられるもので、本来電気絶縁材料である。したがって、上記インク受容層を介して設けられた上記透明導電膜と上記導電性インク層とは電気的に導通しない。しかし、上記導電性インク層を上記透明導電膜の上に上記インク受容層を介して積層方向に重ねて印刷する際に、上記インク受容層の厚みを薄くしていくと、該インク受容層の厚み部分に、上記透明導電膜と上記導電性インク層との間で電子が流れるトンネルが自然発生的に生じ、両者の間で電気的導通が生じることを見出し、本発明に到ったものである。以下これをトンネル生成効果と略す。
ITOなどで作られる透明導電膜は透明性が高いが、あまり低抵抗のものではない。一方、銀などで作られる導電性インク層は、抵抗値は低いが、不透明である。本発明によれば、銀などで作られる導電性インク層を設けることにより、ITOなどで作られる透明導電膜の低抵抗を補う。また、滲みを防止するインク受容層の作用により導電性インク層の線幅を狭くすることで、視認されることをできる限り少なくし、ITOなどで作られる透明導電膜の透明性を低下させない。透明導電膜と導電性インク層とが上記トンネル生成効果により一部で導通することにより、両者の良い点(透明性と導電性)が相乗し、視認性が良く、かつ低抵抗の透明導電フィルムとなるのである。
上記導電性インク層は、導電性ペーストの印刷により形成されるのが好ましい。印刷法は、作業性が良いばかりか、エッチングや無電解めっき等の湿式プロセスを含まないため簡便であり、また、基材フィルムの耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等を全く考慮する必要が無い点でも有利である。
上記インク受容層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなるのが好ましい。
上記インク受容層の厚みは0.1μm〜0.8μmであるのが好ましく、0.2μm〜0.6μmであるのがさらに好ましい。インク受容層の厚みが0.8μmを超えると電気的に導通しないことが認められた。インク受容層を貫通して上記透明導電膜に達するトンネルが完成しないと考えられる。インク受容層の厚みは0.1μm以下であると、導電性インクペーストの滲みを防止することができず、導電性インク層の線幅が広がり、視認性を悪くする。
上記導電性インク層は、平均粒子径がナノサイズの金属微粒子を含むのが好ましい。
上下に配置された上記透明導電膜と上記導電性インク層を、隣接する領域と絶縁させてタッチパネルの電極を構成すると、得られた透明導電フィルムはタッチパネルに好ましく使用できる。
また、上記透明導電膜がタッチパネルの電極を構成し、上記導電性インク層が、その一方端が上記インク受容層を介して上記透明導電膜に接続され、他方端がコネクタに接続されるような配線を構成するようにしても、タッチパネルに好ましく使用できる。
上記透明基板は、本発明のフィルムに必要な強度や腰を付与するものであれば特に材質は限定されない。基材樹脂としては、耐熱性が高く、透明であり、該基材上に該透明多孔質層を形成し得るものであれば特に限定はない。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂;シリコン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂などが例示される。上記のうち、透明性、コスト、耐久性、耐熱性等の観点から総合的に判断すると、ポリエステル樹脂、特にPET又はPENが好ましく採用される。またガラスなどの無機材料からなる透明基板を用いてもよい。
ここで透明基板における透明性とは、用途により求められる透明性は異なるが、表示部の用途に用いる場合、通常、JIS K7105で測定した全光線透過率が85〜90%程度、及びJIS K7105で測定したヘイズ値が0.1〜3%程度が好ましい。
上記透明基板の厚さとしては特に限定されないが、可とう性を持たせる場合、好ましい下限は50μm、好ましい上限は250μmである。50μm未満であると、あまりに薄いため折れやしわが発生するなど加工工程での取扱い性に不具合が生じることがあり、250μmを超えると、あまりに厚いため可とう性が低下して基材フィルムを連続加工する際の障害となる。より好ましい下限は75μm、より好ましい上限は125μmである。
上記透明導電膜は、透明性が高い材料からなることが好ましく、具体的には、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系、酸化亜鉛、スズ酸化膜等の透明導電材料、或いは、スズ、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属材料、金属酸化物材料を例示することができ、これら2種以上を複合して形成してもよい。また、金属単体でも導電材料として使用できる。
また、透明導電膜としては、カーボンナノチューブやカーボンナノホーン、カーボンナノワイヤ、カーボンナノファイバー、グラファイトフィブリルなどの極細導電炭素繊維や銀素材からなる極細導電繊維をバインダーとして機能するポリマー材料に分散させた複合材を用いることもできる。ここでポリマー材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリp−フェニレン、ポリ複素環ビニレン、PEDOT:poly(3,4-ethylenedioxythiophene)などの導電ポリマーを採用することができる。なお、このような導電ポリマー単体で透明導電膜を形成してもよい。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、脂肪族環状ポリオレフィン、ノルボルネン系の熱可塑性透明樹脂などの非導電ポリマーを採用することもできる。
透明導電膜の形成方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などのPVD法や、CVD法、塗工法、印刷法などを例示することができる。また厚みは、特に限定されないが、例えばスパッタリング法でITO膜を成膜する場合であって、視認性の向上を図る場合には、60nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。なお、膜厚が5nm以下では連続した膜になり難く、安定な導電層を形成することは困難である。また、低抵抗化を図る場合には、30nm以上の厚みとすることが好ましい。
上記透明多孔質のインク受容層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分として含有するのが好ましい。
ここで、酸化物セラミックスとしては、チタニア、アルミナ、マグネシア、ベリリア、ジルコニア、シリカ等の単純酸化物、シリカ、ホルステライト、ステアタイト、ワラステナイト、ジルコン、ムライト、コージライト、スポジェメン等のケイ酸塩、チタン酸アルミニウム、スピネル、アパタイト、チタン酸バリウム、PZT、PLZT、フェライト、ニオブ酸リチウム等の複酸化物が例示できる。
非酸化物セラミックスとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステン等の炭化物、アモルファス炭素、黒鉛、ダイヤモンド、単結晶サファイヤ等の炭素が例示できる。その他、ホウ化物・硫化物・ケイ化物が例示できる。金属としては、金、銀、鉄、銅、ニッケル等が例示できる。これらのうち少なくとも1つを原料として用いればよく、より好ましいのはシリカ、チタニア、アルミナであり、その他成分や配合は特に制限はない。
上記インク受容層の表面の粗さは、中心線平均粗さ0.10〜0.50μm、最大粗さ1.0〜5.0μmである。上記表面の粗さを有する層は印刷受容層の1層のみであってもよいが、全ての層で上記表面粗さを有することが好ましい。
上記中心線平均粗さが0.10μm未満であると、充分な干渉斑の抑制効果が得られず、0.50μmを超えると、細いパターンの場合に断線するおそれがある。中心線平均粗さのより好ましい下限は0.15μmであり、より好ましい上限は0.40μmである。上記最大粗さが1.0μm未満であると、充分な干渉斑の抑制効果が得られず、5.0μmを超えると、細いパターンの場合に断線するおそれがある。最大粗さの好ましい下限は1.5μm、好ましい上限は4.0μmである。
上記表面の粗さを有する層を形成する方法としては、インク受容層中にフィラーを含有させる方法が好適である。これにより、インク受容層の表面に上記表面粗さが付与される。ひいては、干渉斑を効果的に抑制することができる。上記フィラーとしては特に限定されず、例えば、クレー、カオリン等のシリカ−アルミナ系粘土鉱物;タルク等のシリカ−マグネシウム類;ケイ酸カルシウム;シリカ;アルミナ;炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでもシリカが好適である。
上記インク受容層中にフィラーを含有させる方法を採用する場合、上記フィラーの平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は4.0μmである。この範囲外であると、所望の表面粗さが得られないことがある。より好ましい下限は1.0μm、より好ましい上限は3.5μmである。なお、フィラーの平均粒子径は、コールター法(電気抵抗法)で測定することができる。コールター法は、細孔に電流を流し、その細孔の中を通過する粒子の体積に比例して電気抵抗が変化することを検出するものであり、フィラーの形状、色、屈折率に影響されない測定方法である。
また、本発明で用いられる透明基板には、ハードコート層などを設けてもよい。
ハードコート層としては、透明性を損なわないものであれば一般的な材料を用いればよく、特に制限はない。そのうち紫外線硬化型アクリレート樹脂が好ましい。その主成分としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の2官能基以上を有する紫外線硬化型のアクリレートであれば特に限定されるものではない。1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレートのような2官能性アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、PO変性グリセリントリアクリレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリアクリレートのような多官能アクリレート等の使用が好ましい。
透明基板にハードコート層を設けることにより、焼成時に、基材樹脂からのオリゴマーの析出による白化や黄変を抑制することができる。
上記導電性インク層を形成するために用いられる導電ペーストに含まれる金属としては、導電の高いものであれば特に限定されず、例えば、銀、銅、白金、ニッケル、金、パラジウム、アルミニウム等が挙げられる。
上記導電性インク層は、導電ペーストを例えばスクリーン印刷法で印刷した後、焼成することにより形成される。印刷方法については特に限定はなく、スクリーン印刷以外にも、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷など公知の方法を用いて行うことができる。
上記導電ペーストとしては、導電に優れる金属粒子、バインダー樹脂及び有機溶媒を含むものが挙げられる。金属粒子として、例えば銀粒子が用いられ、純銀粒子、銀で表面被覆された金属粒子またはこれらの混合物などの形態があるが、導電性とコスト面から純銀粒子が好ましい。銀粒子等の導電性粒子の平均粒子径は0.05〜5μm程度が好ましく、平均粒子径2μm以下(200〜500nm)がより好ましい。また平均粒子径が異なる大小2種類またはそれ以上の銀粒子を組み合わせて、銀の充填密度を向上させることにより導電性を向上させてもよい。例えば上記サイズの粒子に、粒子径がナノサイズ(数nm〜数百nm)の銀粒子と組み合わせる。
上記導電ペーストに含まれるバインダー樹脂としては、印刷受容層と密着性がよくこれを侵さないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂及びそれらの共重合樹脂等が挙げられる。上記バインダー樹脂の含有量としては特に限定されないが、金属粒子100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部であり、より好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は10重量部である。
上記導電ペーストに含まれる有機溶媒としては、金属粒子及びバインダー樹脂と反応を起こさず、これらを良好に分散するものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル等のグリコールのエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(酢酸カルビトール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールのエーテルエステル類、テルピネオール等が挙げられる。
上記導電ペーストは、必要に応じて、分散剤、可塑剤等の従来公知の添加剤を含有してもよい。上記導電性インク層は、上記導電ペーストを上記インク受容層上に印刷した後、焼成することにより得られる。
上記焼成温度としては、上記導電ペーストのバインダー樹脂、及び、上記基材フィルム層、オリゴマー拡散防止層及び印刷受容層の耐熱性を考慮して決定されるが、通常は130〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で行われる。加熱処理では、例えば、外部加熱方式(蒸気又は電気加熱熱風、赤外線ヒーター、ヒートロール等)、内部加熱方式(誘導加熱、高周波加熱、抵抗加熱等)等が採用される。加熱時間は、通常、5分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。なお、加熱処理(焼成)を多段階で行っても良い。例えば、第一段階として50〜60℃で10〜20分程度加熱処理した後、引き続き、第二段階として160〜180℃で10分〜40分程度加熱処理することも可能である。
上記金属粒子の含有量は、上記導電ペーストの全体量の50〜95質量%である。この範囲を選ぶことにより、焼成後、残存バインダー樹脂中において、金属粒子を互いに融着させたまま、インク受容層の面上に密着性よく留まらせながら、上記トンネル生成効果が得られる。金属粒子は互いにくっつき合い、電気的接続され、導電は損なわれない。
また、導電ペーストは、印刷に適した粘度及びチキソトロピー性に調製される。粘度及びチキソトロピー性の調製は、金属粒子の粒径、バインダーの種類、有機溶媒の種類等に応じて適宜選択することができる。例えばスクリーン印刷に用いる場合、導電ペーストの粘度は、通常、10〜10000dPa・s程度であれば良く、チキソトロピーインデックスは1.5〜4.0程度の範囲で適宜選択すればよい。
スクリーン印刷に用いるスクリーン版は、十分な透視性が確保できる程度の導電性インク層が形成されるようなパターン、特に、格子状、網目状などの連続した幾何学パターンを有するものが用いられる。例えば、直径11〜30μmのステンレスワイヤで織られた360〜700メッシュのステンレス紗に、線幅10〜30μm程度、模様ピッチ200〜400μm程度の格子状パターンを設けたスクリーン版が挙げられる。
スクリーン印刷では、微細な粒子状金属を含む導電ペーストを用いているため、パターンにムラの発生がほとんどない。また、該導電ペーストと透明多孔質層とのマッチングがよいため、透明多孔質層上に形成されたパターンの細線に、断線や滲みがほとんど発生しない。
一般に、スクリーン印刷されるパターンの線幅は、原理上、スクリーン版の線幅より少し太くなる傾向があるが、線間隔のズレやパターンの歪みがほとんど発生せず、スクリーン版のパターンに対しほぼ忠実なパターンが透明多孔質層上に再現されることとなる。少し太くなる傾向を嫌う場合、スクリーン版のスリット幅を、透明多孔質層に形成される所望の線幅よりも小さく設定すればよく、当業者であればかかる設定は容易に行うことができる。
続いて、印刷された透明導電フィルムを、130〜200℃程度(特に、160〜180℃程度)の低温で加熱処理(焼成)して、透明多孔質層に格子状パターンなどの導電性インク層を形成する。焼成により金属銀粒子の融着が起こり、連続した金属銀の塗膜を形成することができる。加熱処理では、例えば、外部加熱方式(蒸気又は電気加熱熱風、赤外線ヒーター、ヒートロール等)、内部加熱方式(誘導加熱、高周波加熱、抵抗加熱等)等が採用される。加熱時間は、通常、5分〜120分程度、好ましくは10分〜40分程度である。
さらに、上記で得られた格子状パターンの導電性インク層が形成された透明基材の透明多孔質層上に、酸化物セラミックス前駆体及び/又は透明性樹脂と溶媒とを含むオーバーコート液を塗布、乾燥してオーバーコート層を形成してもよい。
また、導電性インク層の線幅(W)は、通常、2〜30μm程度、好ましくは3〜20μm程度、より好ましくは5〜10μm程度である。線幅が約2μm未満である幾何学パターンは、その作製が困難となる傾向にあり、30μmを越えるとパターンが目に付きやすくなる傾向にあるため好ましくない。
なお、印刷される線の間隔(ピッチ)(P)は、上記の開口率及び線幅を満たす範囲で適宜選択することができる。通常、100〜1000μm程度、好ましくは150〜600μm程度、より好ましくは200〜400μm程度の範囲であればよい。
細線の厚み(透明多孔質層面から垂直方向の細線の最大高さ)は、線幅等によって変動し得るが、通常約1μm以上であり、特に1〜30μm程度である。
本透明導電フィルムは、高い導電性を有し、透明性及び透視性に優れている。しかも、透明導電膜と導電性インク層の導電性が相乗した低抵抗という特徴も有している。
本透明導電フィルムの全光線透過率(JIS K7105)は、72〜91%程度と高い値を達成できる。また、ヘイズ値(JIS K7105)は、0.5〜6%程度と低い。
本透明導電フィルムは、さらに機能性フィルム等が積層されていてもよい。機能性フィルムとしては、フィルムの表面の光反射を防止する反射防止層が設けられた反射防止フィルム、着色や添加剤によって着色された着色フィルム、近赤外線を吸収又は反射する近赤外線遮蔽フィルム、指紋など汚染物質が表面に付着することを防止する防汚性フィルムなどが挙げられる。
本発明の他の局面に従う透明導電フィルムの製造方法は、透明基板を準備する工程と、上記透明基板の上に透明導電膜を設ける工程とを備える。上記透明導電膜の上に、導電性インクの滲みを防止するための透明多孔質のインク受容層を設ける。上記インク受容層を介して上記透明導電膜の上に、導電性インクペーストを用いて印刷により幾何学模様の導電性インク層のパターンを形成する。上記スクリーン印刷された導電性インクペーストを加熱処理して上記導電性インク層を形成する。上記透明多孔質のインク受容層の膜厚を0.8μm以下に制御することにより、上記インク受容層の厚み方向に、上記透明導電膜と上記導電性インク層との間で電子が流れるトンネルを自然発生的に生じさせることを特徴とする。
本発明によれば、透明導電膜と導電性インク層とが上記トンネル生成効果により導通した、視認性が良く、かつ低抵抗の透明導電フィルムが得られる。
(A)は本発明の実施の形態に係る透明導電フィルムの概念図であり、(B)は、図1(A)におけるB−B線に沿う断面図である。 (A)〜(C)は、表1中の実験例1〜3の透明導電膜の構成をそれぞれ順に図示したものであり、(D)(E)は、比較例1〜2の構成をそれぞれ順に図示したものである。 端子間の抵抗値(Ω)の測定方法を示す図である。 それぞれの構成の端子間の抵抗値を、電極間距離を横軸にしてプロットした結果を示す図である。 実施例2に係る透明導電フィルムの概念図である。 実施例3に係る透明導電フィルムの概念図である。 (A)従来の静電容量式タッチパネルの概念図であり、(B)は(A)におけるB−B線に沿う断面図である。
低抵抗で、視認性を維持しつつ大型化が可能となる透明導電フィルムを得るという目的を、導電性インクの滲みを防止するために用いられる透明多孔質のインク受容層の厚みを薄くし、トンネル生成効果により、透明導電膜と導電性インク層とを導通させることによって実現した。以下、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰り返さない。
図1(A)(B)を参照して、本発明の実施の形態に係る透明導電フィルム9は、透明基板10を備える。透明基板10(PET,100μm)の上に幾何学状のパターンを有する透明導電膜11(ITO,150〜200nm)が設けられている。透明導電膜11を覆うように、導電性インクの滲みを防止するための、多数の微細な孔を持つ透明多孔質のインク受容層12が透明基板10の上に設けられている。インク受容層12を介して上記透明導電膜11の上に、積層方向に重なるようように、幾何学状のパターンを有する導電性インク層13が設けられている。導電性インク層13は、導電性インクペーストがインク受容層12の上にスクリーン印刷され、これを加熱処理して形成される。インク受容層12の厚み部分には、透明導電膜11と導電性インク層13との間で電子が流れるトンネル14が生じている。
なお、図1(A)(B)は、簡略化したイメージ図であり、トンネル14は図のように一部ではなく、導電性インク層13層の下に全体的に発生していると考えられる。後述する図5、図6においても同様である。
インク受容層12は、導電性インクの滲みを防止するために用いられるもので、本来電気絶縁材料である。従って、インク受容層12を介して設けられた透明導電膜11と導電性インク層13とは、通常は導通しない。しかし、インク受容層12の厚みを薄くしていくと、インク受容層12の厚み部分に、透明導電膜11と導電性インク層13との間で電子が流れるトンネル14が生成することを見出した。インク受容層12は、多数の微細な孔を有する物質からなる。トンネル14は、導電性インクペーストがこの多数の微細な孔の間隙を縫ってインク受容層12の厚み方向に流れ込み、透明導電膜11の表面にまで到達し、その状態で焼成されて固まって生成したものであると考えている。透明導電膜11と導電性インク層13が一部でこのトンネル14により導通し、低抵抗の透明導電フィルム9が得られるのである。
このようなトンネルを有する透明導電フィルム9は次のようにして得られる。すなわち、透明基板10の上に透明導電膜11をまず設け、幾何学模様の透明導電膜11のパターンを形成し、この透明導電膜11を覆うように、導電性インクの滲みを防止するための透明多孔質のインク受容層12を設ける。次にインク受容層12を介して透明導電膜11の上に、積層方向に重なるように、導電性インクペーストを用いてスクリーン印刷により幾何学模様の導電性インク層13のパターンを形成する。その後、上記スクリーン印刷された導電性インクペーストを加熱処理して導電性インク層13を形成する。透明多孔質のインク受容層12の膜厚を0.8μm以下に制御することにより、インク受容層12の厚み部分に、透明導電膜11と導電性インク層13との間で電子が流れるトンネル14を自然発生的に生じさせるのが特徴である。
次に得られた透明導電フィルム9の特徴について説明する。ITOなどで作られる透明導電膜11は透明性が高いが、あまり低抵抗のものではない。一方、銀などで作られる導電性インク層13は抵抗値は低いが、不透明である。本実施例によれば、銀などで作られる導電性インク層13を設けることにより、ITOなどで作られる透明導電膜11の低抵抗を補う。滲みを防止するインク受容層12の作用により導電性インク層13の線幅を狭くすることで、その不透明性をできる限り少なくし、ITOなどで作られる透明導電膜11の透明性を低下させない。透明導電膜11と導電性インク層13とがトンネル14の生成効果により一部で導通することにより、両者の良い点が相乗し、視認性が良く、かつ低抵抗の透明導電フィルム9となるのである。電極等の低抵抗化を図りながらタッチパネルの大型化を実現でき、さらに見栄えのよい透明導電フィルムとなる。また、ワイヤ電極構成が目につく(視認性)のを改善でき、さらに引き回し配線の導通不良などを改善できる透明導電フィルムとなる。
また、導電性インク層13を印刷法により形成するので、作業性が良く、エッチングや無電解めっき等の湿式プロセスを含まない。そのため簡便であり、また、基材フィルムの耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等を全く考慮する必要が無いという効果を奏する。
幾何学状のパターンを有する積層方向に重なる透明導電膜11と導電性インク層13の両方で、1本の線状電極が形成された透明導電フィルム9は、例えばタッチパネルの電極と成り得る。これらの透明導電フィルム9を、電極が互いに直交するように、2枚重ねにして、タッチパネルが構成される。
上記トンネル生成効果による電気的導通を確かめるために種々の実験を行った。条件と結果を表1に示す。
表1中の実験例1〜3の透明導電膜の構成をそれぞれ順に図2(A)〜図2(C)に示す。比較例1〜2の構成をそれぞれ順に図2(D)(E)に示す。滲みを反映する導電性インク層の線幅をそれぞれ測定した結果を表1に示す。それぞれの構成の全光線透過率(%)とヘーズ値(%)も併せて表1に示す。なお表1の受容層厚みは、数種の厚みのインク受容層12をコーティングしたサンプルの断面からSEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡S−4800、測定倍率:5k〜50k倍)でインク受容層12の厚みを実測し、そのデータからコーティング条件を算出した理論厚みである。
実験例1〜3、比較例1〜2のそれぞれ構成について、図3に示す方法により、端子間の抵抗値(Ω)の測定を行った。図3に示す測定用試料では、透明基板10の上の透明導電膜11は幾何学状のパターンではなく、透明基板10の表面全面に広がるものとした。端子13a、13b、13c、13dの長さは60mmと一定にした。導電性インク層13である端子13a、13b間の距離を25mmにし、この間の抵抗値を測定した。端子13b、13c間の距離を50mmにし、この間の抵抗値を測定した。端子13c、13d間の距離を105mmにし、この間の抵抗値を測定した。これらの結果を表1に示す。
それぞれの構成の端子間の抵抗値を、電極間距離を横軸にしてプロットした結果を図4に示す。これらの結果より、インク受容層の厚みが0.5μm以下であれば、比較的安定な導通が得られることがわかった。トンネル生成効果により、透明導電膜11と導電性インク層13とがトンネル14の生成効果により一部で導通することにより、両者の良い点が相乗し、視認性が良く、かつ低抵抗の透明導電フィルムが得られることもわかった。
以下、この発明の実施例を説明する。
<基材フィルム>
厚さ100μm、幅300mmのPETフィルム(東レ社製 ルミラーU463)を基材フィルム(ハードコート層(HC)付き)として用いた。
<透明導電膜>
スパッタリング法でITO膜を成膜した。膜厚は、150nmにした。
<インク受容層>
導電インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製:ハイセラテック(登録商標)IR−S220S)100重量部に、コールター法で測定した平均粒子径が2.0μmであるシリカ粒子を0.20重量部、コールター法で測定した平均粒子径が1.2μmであるシリカ粒子を0.31重量部加えて均一に分散させて出発原料液を得た。得られた出発原料液をオリゴマー拡散防止層上にグラビアコーターにより厚さ約1.0μm塗布し、インク受容層を形成した。得られたインク受容層の表面粗さは、中心線平均粗さ0.22μm、最大粗さ2.48μmであった。なお、表面粗さは、東京精密社製サーフコム575A(JIS B0651−1976)により測定した。
<導電性インク層>
粒径0.1〜2.0μmの球状銀粉末100重量部に対し粒径5〜45nmの銀粒子を10質量重量部、また、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートに溶解したアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製 商品名『EMB005』)の樹脂固形分が5.0質量重量部を攪拌混合後、3本ロールにて混練、高粘度導電ペーストを作製した。
次に、この高粘度導電ペースト100重量部に対し、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートに溶解した飽和共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製 商品名『バイロン(登録商標)220』)の樹脂固形分として2.5重量部、ブロックポリイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製 商品名『デュラネート(登録商標)17B60PX』)1.0重量部、カップリング剤0.5重量部、可塑剤3.0重量部をそれぞれ攪拌混合後、3本ロールにて混練し、導電組成物を得た。ペースト粘度は、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを希釈剤として用いて2000〜3000dPa・sになるよう適宜調整した。
該フィルムの多孔質層膜面に、スクリーン印刷機により、上記製造例の導電ペーストを用いて、格子状パターンのスクリーン印刷を行った。
スクリーン版は、直径23μmのステンレスワイヤで織られた400メッシュのステンレス紗に、線幅20μm、模様ピッチ300μm、開口率87.1%の格子状乳剤パターンを設けたスクリーン版を用いた。
印刷後、フィルムごと導電ペーストを170℃で30分間焼成して、正方形模様を格子状に描いた導電性インク層を形成し、透明導電フィルムを得た。
図1の実施の形態では、同じ幾何学状のパターンを有する導電性インク層13と透明導電膜11を有する透明導電フィルムを例示したが、この発明はこれに限られるものでなく、図5に示すように、透明導電膜11を幾何学状のパターンにして、これに積層方向に重なるように、線状のパターンを有する導電性インク層13を設けてもよい。導電性インク層13の幅が狭くなり、視認性が向上する。インク受容層2の膜厚を薄くすることにより、トンネル14が自然発生的に生じ、導電性インク層13と透明導電膜11とが導通した低抵抗の透明導電フィルムが得られる。電極等の低抵抗化を図りながらタッチパネルの大型化を実現でき、さらに見栄えのよい透明導電フィルムとなる。
実施例1,2では、上下に重なる上記透明導電膜と上記導電性インク層が、それぞれタッチパネルの電極を構成する場合を例示したがこの発明はこれに限られるものではない。すなわち、図6を参照して、透明導電膜11が、タッチパネルの電極を構成し、導電性インク層13が、その一方端がトンネル14により透明導電膜11に接続され、他方端がコネクタ15に接続される配線16を構成する透明導電フィルムにも本発明は適用できる。引き回しの配線の狭幅化(配線印刷を薄くする)を実現でき、タッパネル額縁部の狭幅化を可能にする透明導電フィルムとなる。なお、図面では、透明基板10に段差があるように描かれているが、これは図面作成上の便宜によるもので、実際には段差はない。平坦な透明基板10の上に、透明導電膜11、インク受容層12及び導電性インク層13が形成されている。
また、透明導電膜11のパターンを形成せずに、透明基板10の上に均一に形成し、インク受容層12を介して、網目状(メッシュ状)に導電性インク層13のパターンを全面に形成することで、抵抗値や見栄えの均一な導電フィルムとしてもよい。例えば、電磁波シールドとして用いることができる。
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、透明導電膜と導電性インク層とがトンネルにより導通した、低抵抗・高透明の透明導電フィルムが得られる。得られた透明導電フィルムは、タッチパネル、電磁波メッシュ材などに利用できる。
1 静電容量式タッチパネル
2 誘電体基板
3 第1電極
4 第2電極
5 カバーフィルム
6、7 透明接着剤
8 ディスプレイ
9 透明導電フィルム
10 透明基板
11 透明導電膜
12 インク受容層
13 導電性インク層
13a、13b、13c、13d 端子
14 トンネル
15 コネクタ
16 配線

Claims (8)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の少なくとも一方の主面側に設けられた透明導電膜と、
    前記透明導電膜の上に設けられ、導電性インクの滲みを防止するための透明多孔質のインク受容層と、
    前記インク受容層を介して前記透明導電膜の上に印刷され、幾何学パターンを有する導電性インク層とを備え、
    前記インク受容層の厚み方向に、前記透明導電膜と前記導電性インク層との間で電子が流れるトンネルが生じている透明導電フィルム。
  2. 前記インク受容層は、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス及び金属からなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする微粒子の集合体からなる、請求項1に記載の透明導電フィルム。
  3. 前記インク受容層の厚みが0.1μm〜0.8μmである請求項1又は2に記載の透明導電フィルム。
  4. 前記導電性インク層は、平均粒子径がナノサイズの金属微粒子を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電フィルム。
  5. 上下に配置された前記透明導電膜と前記導電性インク層が、隣接する領域と絶縁されてタッチパネルの電極を構成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電フィルム。
  6. 前記透明導電膜がタッチパネルの電極を構成し、
    前記導電性インク層が、その一方端が前記インク受容層を介して前記透明導電膜に接続され、他方端がコネクタに接続される配線を構成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電フィルムを用いたタッチパネル。
  8. 透明基板を準備する工程と、
    前記透明基板の少なくとも一方の主面側に透明導電膜を設ける工程と、
    前記透明導電膜の上に、導電性インクの滲みを防止するための透明多孔質のインク受容層を設ける工程と、
    前記インク受容層を介して前記透明導電膜の上に、導電性インクペーストを用いてスクリーン印刷により幾何学模様の導電性インク層のパターンを形成する工程と、
    前記スクリーン印刷された導電性インクペーストを加熱処理して前記導電性インク層を形成する工程とを備え、
    前記透明多孔質のインク受容層の膜厚を0.8μm以下に制御することにより、前記インク受容層の厚み方向に、前記透明導電膜と前記導電性インク層との間で電子が流れるトンネルを自然発生的に生じさせることを特徴とする、透明導電フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017191770A (ja) * 2017-02-17 2017-10-19 尾池工業株式会社 透明導電性基材及びこれを製造するための積層体
KR102396680B1 (ko) * 2021-02-18 2022-05-12 한국과학기술원 복층의 패시브 매트릭스형 투명 기판 및 그 제조 방법
WO2023151637A1 (zh) * 2022-02-10 2023-08-17 四川旭虹光电科技有限公司 具有感光性和导电性的显示基体

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