JP2015129895A - マイクロレンズアレイ、マイクロレンズアレイの製造方法、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

マイクロレンズアレイ、マイクロレンズアレイの製造方法、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】光の利用効率が高いマイクロレンズアレイとその製造方法とを提供する。【解決手段】マイクロレンズアレイ10の製造方法は、第一透光性材11に第1の凹部131を形成する工程と、第1の凹部131を覆う様に保護部材を形成する工程と、保護部材及び第一透光性材11をエッチングして第一透光性材11に第2の凹部132を形成する工程と、第一透光性材11よりも屈折率が高い第二透光性材12を、第2の凹部132を覆う様に形成する工程と、を含む。マイクロレンズML間の境界Bが滑らかにつながるので、境界Bに於ける光の散乱が抑制され、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を製造する事ができる。【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロレンズアレイ、マイクロレンズアレイの製造方法、電気光学装置、及び電子機器に関する。
素子基板と対向基板との間に液晶等の電気光学材料を備えた電気光学装置が知られている。電気光学装置として、例えば、プロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置等を挙げる事ができる。この様な液晶装置に於いては、高い光の利用効率を実現する事が求められている。
液晶装置は、素子基板上の画素電極外に画素電極を駆動するTFT素子や配線等が設けられ、これらと平面的に重なる様に遮光層が設けられている。その為に、入射する光の一部は遮光層で遮光されて利用されない。そこで、特許文献1に記載されている様に、液晶装置の素子基板及び対向基板の少なくとも一方に、マイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイを備える事により、入射した光をマイクロレンズで集光して光の利用効率を高める構成が知られている。
特開2001−21702号公報
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロレンズアレイでは、光の利用効率が悪いという課題があった。マイクロレンズアレイを備えた液晶装置であっても、液晶装置から出射された光束の立体角が大きくなる事がある。斯うしたマイクロレンズアレイを備えた液晶装置をプロジェクターの液晶ライトバルブとして用いると、液晶装置から出射される光の広がり角度が、投射レンズのF値が規定する入射角を超える事がある。その場合、液晶装置から出射される光の一部は投射レンズに入射されず、その結果、スクリーンに投射される光量が低下する事になる。取り分け、特許文献1に記載のマイクロレンズアレイでは、この課題が深刻で、マイクロレンズアレイを用いても、明るさの向上が限られていた。換言すると、従来のマイクロレンズアレイでは、光の利用効率を十分に高め難いという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
(適用例1) 本適用例に係わるマイクロレンズアレイの製造方法は、第一透光性材に第1の凹部を形成する工程と、第1の凹部を覆う様に保護部材を形成する工程と、保護部材及び第一透光性材をエッチングして第一透光性材に第2の凹部を形成する工程と、第一透光性材よりも屈折率が高い第二透光性材を、第2の凹部を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とする。
この方法に依ると、マイクロレンズ間の境界が滑らかにつながるので、境界に於ける光の散乱が抑制され、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を製造する事ができる。
(適用例2) 本適用例に係わるマイクロレンズアレイの製造方法は、第一透光性材に第1の凹部を形成する工程と、第一透光性材と略同じ屈折率を有する第三透光性材を第1の凹部を覆う様に形成する工程と、第一透光性材よりも屈折率が高い第二透光性材を、第三透光性材を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とする。
この方法に依ると、マイクロレンズ間の境界が滑らかにつながるので、境界に於ける光の散乱が抑制され、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を製造する事ができる。
(適用例3) 本適用例に係わるマイクロレンズアレイの製造方法は、第1凸形状を有する第二透光性材を形成する工程と、第1凸形状を有する第二透光性材を覆う様に保護部材を形成する工程と、保護部材及び第1凸形状を有する第二透光性材をエッチングして第2凸形状をなす第二透光性材を形成する工程と、第二透光性材よりも屈折率が低い第一透光性材を、第2凸形状を有する第二透光性材を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とする。
この方法に依ると、マイクロレンズ間の境界が滑らかにつながるので、境界に於ける光の散乱が抑制され、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を製造する事ができる。
(適用例4) 上記適用例1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法に於いて、第一透光性材の屈折率は1.46から1.50の範囲にある事が好ましい。
この方法に依ると、第一透光性材に酸化珪素等の無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料を用いる事ができる。
(適用例5) 上記適用例1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法に於いて、第一透光性材が酸化珪素膜である事が好ましい。
この方法に依ると、第一透光性材を無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料にて形成する事ができる。
(適用例6) 上記適用例1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法に於いて、第二透光性材が酸窒化珪素膜である事が好ましい。
この方法に依ると、第二透光性材を無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料にて形成する事ができる。
(適用例7) 上記適用例1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法に於いて、第二透光性材が窒化珪素膜である事が好ましい。
この方法に依ると、第二透光性材を無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料にて形成する事ができる。
(適用例8) 本適用例に係わるマイクロレンズアレイは、第一マイクロレンズと第二マイクロレンズとを有し、第一マイクロレンズと第二マイクロレンズとは、第一透光性材と、第一透光性材と異なる屈折率を有する第二透光性材と、を含み、第一マイクロレンズと第二マイクロレンズとの境界に於いて、第一透光性材と第二透光性材との界面が滑らかで有る事を特徴とする。
この構成に依ると、第一マイクロレンズと第二マイクロレンズとの境界に於ける光の散乱が抑制されるので、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を実現する事ができる。
(適用例9) 上記適用例1乃至7のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法にて製造されたマイクロレンズアレイを備えた事を特徴とする電気光学装置。
この構成によれば、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を実現する事ができる。
(適用例10) 上記適用例8に記載のマイクロレンズアレイを備えた事を特徴とする電気光学装置。
この構成によれば、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を実現する事ができる。
(適用例11) 上記適用例9又は10に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
この構成によれば、光の利用効率が高く、明るい表示を可能とする電気光学装置を備えて電子機器を実現する事ができる。
実施形態1に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 実施形態1に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 実施形態1に係る液晶装置の構成を示す概略断面図。 実施形態1に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す概略断面図。 実施形態1に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図。 実施形態2に係わるマイクロレンズアレイを有する対向基板を説明する断面図。 実施形態3に係わるマイクロレンズアレイの製造方法を説明する断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となる様に、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
尚、以下の形態に於いて、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接する様に配置される場合、又は基板の上に他の構成物を介して配置される場合、又は基板の上に一部が接する様に配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表す物とする。
(実施形態1)
「電気光学装置」
ここでは、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いる事ができる。
図1は、実施形態1に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、実施形態1に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図3は、実施形態1に係る液晶装置の構成を示す概略断面図であり、詳しくは、図1のA−A’線に沿った一部の概略断面図である。まず、実施形態1に係る液晶装置1について、図1と図2、及び図3を参照して説明する。
図1及び図3に示す様に、実施形態1に係る液晶装置1は、第一基板としての素子基板20と、素子基板20に対向配置された第二基板としての対向基板30と、シール材42と、電気光学材料としての液晶40とを備えている。素子基板20と対向基板30とは、対向配置されている。図1に示す様に、素子基板20は対向基板30よりも大きく、両基板は、対向基板30の縁部に沿って枠状に配置されたシール材42を介して接合されている。
図1に示す様に、液晶40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とに依って囲まれた空間に挟持されており、正又は負の誘電異方性を有している。シール材42は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂等の接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持する為のスペーサー(図示省略)が混入されている。
枠状に配置されたシール材42の内側には、枠状の周縁部を有する遮光部としての遮光層32(22,26)が設けられている。遮光層32(22,26)は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物等からなる。遮光層32(22,26)の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、行列状に配列されている。
表示領域Eは、液晶装置1に於いて、実質的に表示に寄与する領域である。図3に示す様に遮光層22aと遮光層26aとは、表示領域Eに於いて、画素Pを平面的に区画する様に、各画素Pの境界部に例えば格子状に設けられている。なお、液晶装置1は、表示領域Eの周囲を囲む様に設けられた、実質的に表示に寄与しないダミー領域を備えていても良い。
素子基板20の第一辺に沿って形成されたシール材42の表示領域Eと反対側には、第一辺に沿ってデータ線駆動回路51及び複数の外部接続端子54が設けられている。又、その第一辺に対向する他の第二辺に沿ったシール材42の表示領域E側には、検査回路53が設けられている。更に、これらの二辺と直交し互いに対向する他の二辺に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた第二辺のシール材42の表示領域E側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。又、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通を取る為の上下導通部56が設けられている。尚、検査回路53の配置はこの構成に限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けても良い。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた第一辺に沿った方向を第一方向(X方向)とし、この第一辺と直交する方向を第二方向(Y方向)とする。X方向は、図1のA−A’線に平行な方向である。素子基板20には、遮光層22aと遮光層26aとで、X方向とY方向とに沿ったブラックマトリックスが格子状に設けられている。従って、画素Pは、遮光層22aと遮光層26aとからなるブラックマトリックスに依って格子状に区画されており、画素Pで遮光層22aと遮光層26aとに平面視で重ならない領域が画素Pに於ける開口領域(光変調部)となる。
尚、X方向及びY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見る事を「平面視」と称する。
図2に示す様に、表示領域Eには、走査線2とデータ線3とが互いに交差する様に形成され、走査線2とデータ線3との交差に対応して画素Pが設けられている。画素Pの其々には、画素電極28とスイッチング素子であるTFT24とが設けられている。
TFT24のソースドレインの一方は、データ線駆動回路51から延在するデータ線3に電気的に接続されている。データ線3には、データ線駆動回路51(図1参照)から画像信号S1,S2,…,Snが供給される。TFT24のゲートは、走査線駆動回路52から延在する走査線2の一部に電気的に接続されている。走査線2には、走査線駆動回路52から走査信号G1,G2,…,Gmが供給される。TFT24のソースドレインの他方は画素電極28に電気的に接続されている。
画像信号S1,S2,…,Snは、TFT24を一定期間だけオン状態とする事により、データ線3を介して画素電極28に所定のタイミングで書き込まれる。画素Pには、画素電極28に供給された画像信号S1,S2,…,Snを維持する為に、走査線2に沿って形成された容量線4と画素電極28との間に蓄積容量5が形成されている。蓄積容量5は液晶容量と並列に配置される。斯うして、各画素Pの液晶40(図3参照)に画像信号S1,S2,…,Snに応じた電圧が印加されると、印加された電圧により液晶40の配向状態が変化し、液晶40に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
図3に示す様に、液晶装置1は、素子基板20と対向基板30とを有しており、対向基板30は、更に、マイクロレンズアレイ10と、光路長調整層31と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。尚、図3では、説明を判り易くする為に6画素分の断面を描いてある。
マイクロレンズアレイ10は、第一マイクロレンズML1と第二マイクロレンズML2とを有し、第一マイクロレンズML1と第二マイクロレンズML2とは、隣り合って配置されている任意の2つのマイクロレンズMLである。更に、マイクロレンズアレイ10は、第一透光性材11と、第二透光性材12とを備えている。第一透光性材11と第二透光性材12とは、互いに異なる屈折率を有する光透過性の材料である。そして第一マイクロレンズML1と第二マイクロレンズML2との境界Bに於いて、第一透光性材11と第二透光性材12の界面が滑らかにつながっている。第一マイクロレンズML1と第二マイクロレンズML2とは、隣り合って配置された任意の2つのマイクロレンズMLであるので、数学的な言葉で厳密に記述すると、第一透光性材11と第二透光性材12の界面は少なくとも表示領域Eに於いて、偏微分可能となっている。尚、第一マイクロレンズML1や第二マイクロレンズML2を特に区別する必要がない場合、これらを総じて単にマイクロレンズMLと称する。
第一透光性材11は酸化珪素膜(SiOX、Xは1以上2以下の値)等の光透過性を有する無機材料からなる。第一透光性材11をなす酸化珪素膜の屈折率は1.46から1.50の範囲にある。本実施形態では、第一透光性材11は石英基板であり、対向基板30の基板となっている。第一透光性材11には第2の凹部132が形成されており、第2の凹部132の表面は、第一透光性材11と第二透光性材12との界面の一部となっている。酸化珪素膜は、無害で透光性に優れ、製造も加工も容易であるので、第一透光性材を無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料とする事ができる。尚、本明細書にて透光性材とは、光を透過する部材であり、可視光領域全体に渡って光を透過する透明部材や、可視光領域の一部の光を透過する着色部材等、を含んでいる。本実施形態では、透光性材に酸化珪素や酸窒化珪素(SiON)等の透明部材が用いられているが、マイクロレンズアレイ10が特定波長の光に対して使用される場合、その波長の光を透過する材料を透光性材として用いる事ができる。
第二透光性材12は、第一透光性材11を覆い、第2の凹部132を埋め込む様に形成されている。第二透光性材12は、光透過性を有し、第一透光性材11とは異なる屈折率を有する材料からなる。より具体的には、第二透光性材12は、第一透光性材11よりも屈折率の高い無機材料からなる。この様な無機材料としては、例えば酸窒化珪素膜(SiON)や窒化珪素膜(SiN)、アルミナ膜(Al23)等が挙げられ、好ましい屈折率は1.60程度である。酸窒化珪素膜や窒化珪素膜は、無害で透光性に優れ、製造も加工も容易であるので、第二透光性材を無害で透光性に優れ、製造も加工も容易な材料とする事ができる。第二透光性材12にて第2の凹部132が埋め込まれ、凸状のマイクロレンズMLが構成される。マイクロレンズMLの製造方法に関しては後に詳述する。本実施形態では、第2の凹部132は、画素Pと1対1に対応する様に配置されているが、これに限らず、一つの画素Pが複数個のマイクロレンズMLを備えている構成としても良い。
第二透光性材12は第2の凹部132の深さよりも厚く形成されており、第二透光性材12の表面は略平坦な面となっている。即ち、第二透光性材12は、第2の凹部132を埋めてマイクロレンズMLを構成する部分と、第一透光性材11の上面とマイクロレンズMLの表面を覆う平坦化層の役割を果たす部分とを有している。
光路長調整層31は、マイクロレンズアレイ10を覆う様に設けられている。光路長調整層31は、光透過性を有し、例えば、第一透光性材11とほぼ同じ屈折率を有する無機材料からなる。光路長調整層31は、マイクロレンズMLから遮光層26a迄の距離を調整し、マイクロレンズMLにて集光された光が遮光層26aや遮光層22aに遮られず画素Pの開口領域を通過する様に設定されている。従って、光路長調整層31の厚みは、光の波長に応じたマイクロレンズMLの焦点距離等の光学条件に基づいて適宜設定される。
遮光層32は、光路長調整層31上(液晶40側)に設けられている。遮光層32は、素子基板20の遮光層22及び遮光層26に平面視で重なる様に枠状に形成されている。遮光層32に囲まれた領域(表示領域E)は、光が透過し得る領域となる。尚、平面視にて遮光層22aと遮光層26aとに重なる光路長調整層31上に、遮光層32と同じ材料にて更に不図示の遮光層を設けても良い。この不図示の遮光層は、各画素Pの角部若しくは各画素Pの周囲に配置され、マイクロレンズMLで集光しきれずに素子基板20側の遮光層22aや遮光層26aに当たり得る光を対向基板30側で反射して、液晶装置1の温度上昇を防ぐ効果をもたらす。
保護層33は、光路長調整層31と遮光層32とを覆う様に設けられている。共通電極34は、保護層33を覆う様に設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)等の透明導電膜からなる。配向膜35は、共通電極34を覆う様に設けられている。
尚、保護層33は遮光層32を覆って、共通電極34の液晶40側の表面を平坦とする物で、必須な構成要素ではない。従って、例えば、導電性の遮光層32を共通電極34が直接覆う構成としても良い。
素子基板20は、基板21と、遮光層22及び遮光層22aと、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26及び遮光層26aと、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板21は、例えばガラスや石英等の光透過性を有する材料からなる。
遮光層22及び遮光層22aは基板21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なる様に枠状に形成されている。遮光層22a及び遮光層26aは、素子基板20の厚さ方向(Z方向)に於いて、TFT24をこれらの間に挟む様に配置されている。遮光層22a及び遮光層26aは、TFT24の少なくともチャネル形成領域と平面視で重なっている。遮光層22a及び遮光層26aが設けられている事により、TFT24への光の入射が抑制される。平面視にて、遮光層22aと遮光層26aとに囲まれた領域は、画素Pにて光が透過する領域となる。
絶縁層23は、基板21と遮光層22と遮光層22aとを覆う様に設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2等の無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられている。TFT24は画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層とゲート電極とソース電極とドレイン電極とを含んでいる。半導体層には、ソースとチャネル形成領域とドレインとが形成されている。チャネル形成領域とソース、又は、チャネル形成領域とドレインとの界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていても良い。
ゲート電極は、素子基板20に於いて平面視で半導体層のチャネル形成領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加される事に依ってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆う様に設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2等の無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24に依って生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26及び遮光層26aが設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26及び遮光層26aとを覆う様に、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素P毎に設けられている。画素電極28は画素Pの開口領域に平面視で重なる様に配置され、画素電極28のエッジ部は遮光層22a又は遮光層26aと重なっている。画素電極28は、例えば、ITOやIZO等の透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆う様に設けられている。液晶40は、素子基板20の配向膜29と対向基板30の配向膜35との間に挟持されている。
尚、TFT24と、TFT24に電気信号を供給する電極や配線等(図示しない)とは、平面視で遮光層22や遮光層22a及び遮光層26や遮光層26aに重なる領域に設けられている。これらの電極や配線等が遮光層22や遮光層22a及び遮光層26や遮光層26aを兼ねる構成であっても良い。
実施形態1に係る液晶装置1では、例えば、光源等から発せられた光は、マイクロレンズMLを備える対向基板30側から入射し、マイクロレンズMLに依って集光される。例えば、遮光層22aや遮光層26aと平面視にて重なる領域に入射した光でも、マイクロレンズML(第一透光性材11と第二透光性材12との屈折率差に依る屈折)にて、画素Pの平面的な中心側へと集光される。液晶装置1では、この様にマイクロレンズML間の境界Bへの入射光も、境界Bに於ける集光作用に依って画素Pの開口領域内に入射させられ、液晶40を通過する事ができる。この結果、素子基板20側から出射される光量が増大し、光の利用効率が高められる訳である。本願発明人が鋭意研究した所に依ると、従来のマイクロレンズMLを用いた電気光学装置で光の利用効率が低かった理由は、以下の様に説明される。即ち、特許文献1に記載されている様なマイクロレンズアレイを用いた電気光学装置では、マイクロレンズ間の境界が鋭角状となっており(微分不能点となっており)、光の散乱性が高くなる事がある。この傾向はマイクロレンズサイズ(画素サイズ)が小さくなる程深刻で、その為に高精細な画素を有する液晶装置に特許文献1に記載されている様なマイクロレンズアレイを用いた場合、境界に於ける散乱に依る光束の広がりが深刻となる。即ち、高精細なマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイの場合、マイクロレンズ間の境界に於ける散乱光の割合が大きくなる。従来のマイクロレンズアレイを用いた電気光学装置からの出射光の立体角は大きくなるので、投射レンズに入射される割合が減り、従来の電気光学装置では明るさが低下していた、と考えられる。
そこで本実施形態のマイクロレンズアレイ10では、第一マイクロレンズML1と第二マイクロレンズML2との境界Bに於いて、第一透光性材11と第二透光性材12の界面を滑らかにつなげて、境界Bに於ける光の散乱を抑制し、光の利用効率を高めているのである。
「電気光学装置の製造方法」
図4は、実施形態1に係るマイクロレンズアレイの製造方法を示す概略断面図である。次に、実施形態1に係るマイクロレンズアレイ10を有する液晶装置1の製造方法を、図4を参照して、説明する。尚、図4は、説明を分かり易くする為に、マイクロレンズアレイ10が完成した際に、5個のマイクロレンズMLに相当する断面図を描いてある。又、図示しないが、マイクロレンズアレイ10の製造工程では、マイクロレンズアレイ10を複数枚取る事ができる大型の基板(マザー基板)で加工が行われ、最終的にそのマザー基板を切断して個片化する事に依り、複数のマイクロレンズアレイ10が得られる。従って、以下に説明する各工程では個片化する前のマザー基板の状態で加工が行われるが、ここでは、マザー基板の中の個別のマイクロレンズアレイ10に対する加工について説明する。
まず、基板上に第一透光性材11を形成する工程を行う。本実施形態では、石英基板が第一透光性材11を兼用しているので、この工程は石英基板を準備する工程となる。
次に、第一透光性材11上に不図示のマスク層を形成する工程を進める。マスク層は、複数個の開口部(不図示)を有し、各開口部は、平面視にて、マイクロレンズアレイ10が完成した際にマイクロレンズの頂点(マイクロレンズピーク)と平面視で一致する部位である。
この様なマスク層は第一透光性材11の上面に、例えば、多結晶シリコン等で形成される。マスク層となる多結晶シリコンは、例えば、化学気相堆積法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や物理気相堆積法(例えば、スパッタリング法等)等で堆積される。堆積された薄膜にはフォトリソグラフィー法とドライエッチング処理とが施されて、開口部を有するマスク層が形成される。
次に、マスク層を介して第一透光性材11に等方性エッチングを施す事に依り、第一透光性材11に第1の凹部131を形成する工程を進める。即ち、マスク層を介して第一透光性材11に、例えばフッ化水素酸水溶液等のエッチング液を用いたウエットエッチング等の等方性エッチング処理を施す。このエッチング処理により、第一透光性材11が上面側から開口部を中心として等方的にエッチングされる。この結果、図4(a)に示す様に、第一透光性材11に、開口部に対応して第1の凹部131が形成される。このエッチング処理に依り、第1の凹部131は半球状に形成され、平面視では開口部を中心として同心円状となる。開口部からの平面方向(X方向及びY方向)へのエッチング量と深さ方向(Z方向)へのエッチング量とは、ほぼ同程度である。エッチング処理が終了した後、第一透光性材11からマスク層を除去する。この状態では、隣り合う第1の凹部131間の境界は鋭角な凸状となっている。
次に、第1の凹部131を覆う様に保護部材を形成する工程を進める。保護部材には、一例として、フォトレジスト14を用いる事ができる。フォトレジスト14は第1の凹部131間の鋭角な凸状の境界を覆い、且つ第1の凹部131にて凹状に窪む様に形成する。この結果、図4(a)に示す様に、フォトレジスト14の表面形状は滑らかとなる。
次に、保護部材であるフォトレジスト14及び第一透光性材11をエッチングして、図4(b)に示す様に、第一透光性材11に第2の凹部132を形成する工程を進める。この際に、保護部材のエッチングレートと第一透光性材のエッチングレートとをほぼ等しくする。斯うすると、エッチング後に形成される第2の凹部132の形状は、図4(a)に示したフォトレジスト14の最初の表面形状とほぼ同じとなる。即ち、フォトレジスト14の最初の表面形状が第一透光性材11に転写されて、第2の凹部132の表面形状は滑らかとなる。保護部材がフォトレジスト14で、第一透光性材11が酸化珪素膜の場合、保護部材のエッチングレートと第一透光性材11のエッチングレートとをほぼ等しくするには、フッ化炭素(例えば四フッ化炭素、CF4)と酸素(O2)とを原料ガスとして化学ドライエッチング法(Chemical Dry Etching、CDE法)等のプラズマエッチング法を用いる事ができる。この際にフッ化炭素と酸素との割合を適宜調整する事で、保護部材のエッチングレートと第一透光性材11のエッチングレートとをほぼ等しくする事ができる。
次に、第一透光性材11よりも屈折率が高い第二透光性材12を、第2の凹部を覆う様に形成する工程をすすめる。即ち、第2の凹部132を第一透光性材11の屈折率とは異なる屈折率を有する第二透光性材12にて埋め込む工程を進める。まず、第一透光性材11の全領域を覆い第2の凹部132を埋め込む様に、光透過性を有し、第一透光性材11よりも高い屈折率を有する無機材料からなる第二透光性材12を成膜する。第二透光性材12は、例えばCVD法を用いて形成する事ができる。第二透光性材12は第一透光性材11の上面に堆積する様に形成される為、第二透光性材12の表面は第一透光性材11の第2の凹部132及びに起因する凹凸が反映された凹凸形状となる。第二透光性材12を堆積した後に、この膜に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、化学機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing)等を用いて、第二透光性材12の上層の凹凸が形成された部分を研磨して除去する事により、第二透光性材12の上面が平坦化される。斯うして、図4(c)に示す様に、第二透光性材12の上面が平坦化されて、マイクロレンズアレイ10が完成する。
次に、公知の技術を用いて、マイクロレンズアレイ10上に、光路長調整層31と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを順に形成して対向基板30を得る。以降の工程は、詳細な図示を省略し、図3を参照して説明する。一方、基板21上に、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に形成して素子基板20を得る。
次に、素子基板20と対向基板30との間に、熱硬化性又は光硬化性の接着剤をシール材42(図1参照)として配置して硬化させる。これにより、素子基板20と対向基板30とが接合されて、液晶装置1が完成する。
「電子機器」
次に、電子機器について図5を参照して説明する。図5は、実施形態1に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図5に示す様に、実施形態1に係る電子機器としてのプロジェクター(投射型表示装置)100は、偏光照明装置110と、2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、クロスダイクロイックプリズム116と、投射レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプ等の白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から出射された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対して其々対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて出射される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜に依って3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ117に依ってスクリーン130上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、上述した液晶装置1が適用されたものである。液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と出射側とに於いてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。
実施形態1に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、入射した色光を効率よく利用可能でマイクロレンズML間の散乱に起因する光の広がり角度がより小さく抑えられた液晶装置1を備えているので、品質が高く明るいプロジェクター100を提供する事ができる。
(実施形態2)
「製造方法が異なる形態1」
図6は、実施形態2に係わるマイクロレンズアレイを有する対向基板を説明する断面図である。次に、図6を参照して、実施形態2に係わるマイクロレンズアレイ10とその製造方法とを説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図6に示す本実施形態のマイクロレンズアレイ10は、図4(c)に示された実施形態1のマイクロレンズアレイ10と比べて、製造方法が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1のマイクロレンズアレイ10(図4(c))では、エッチング法に依って第2の凹部132が形成されていた。これに対し、本実施形態のマイクロレンズアレイ10では、図6に示す様に、薄膜の堆積法に依って第2の凹部132が形成される。
本実施形態のマイクロレンズアレイの製造方法は、第一透光性材11に第1の凹部131を形成する工程と、第2の凹部132を形成する工程と、第一透光性材11よりも屈折率が高い第二透光性材12を、第2の凹部を覆う様に形成する工程と、を含んでいる。この内で、第2の凹部132を形成する工程以外は実施形態1と同様である。
図6に示す様に、第2の凹部132を形成する工程では、第一透光性材11とほぼ同じ屈折率を有する第三透光性材13を第1の凹部131を覆う様に形成する。この際に、第三透光性材13は、化学気相堆積法等にて、コンフォーマルに堆積される。換言すると、第1の凹部131の表面形状に沿って第三透光性材13を形成する。第三透光性材13は第一透光性材11とほぼ同じ屈折率を有する事が好ましいので、同じ材料とするのが好適である。本実施形態では、第一透光性材11が石英であるので、第三透光性材13を酸化珪素膜としている。酸化珪素膜は化学気相堆積法にて容易にコンフォーマルに形成される事ができる。一例としては、テトラエチルオーソシリケート(Tetraethyl orthosilicate、TEOS、Si(OC254)と酸素とを原料ガスとして、大気圧化学気相堆積法等で第三透光性材13となる酸化珪素膜を堆積する。
次いで、第三透光性材を覆う様に第二透光性材12を形成する。以降の工程は実施形態1と同様である。
斯うした製造方法を採っても、実施形態1と同じ効果が得られる。
(実施形態3)
「製造方法が異なる形態2」
図7は、実施形態3に係わるマイクロレンズアレイの製造方法を説明する断面図である。次に、図7を参照して、実施形態3に係わるマイクロレンズアレイ10とその製造方法とを説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
図7に示す本実施形態のマイクロレンズアレイ10は、図4(c)に示された実施形態1のマイクロレンズアレイ10と比べて、製造方法が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。実施形態1のマイクロレンズアレイ10(図4(c))では、第一透光性材11をエッチングする事に依って第2の凹部132が形成されていた。これに対し、本実施形態のマイクロレンズアレイ10では、図7に示す様に、第二透光性材12をエッチングする事に依ってマイクロレンズアレイ10を形成している。
本実施形態のマイクロレンズアレイの製造方法は、第1凸形状151をなす第二透光性材12を形成する工程と、第1凸形状151をなす第二透光性材12を覆う様に保護部材(フォトレジスト14)を形成する工程と、保護部材(フォトレジスト14)及び第1凸形状151をなす第二透光性材12をエッチングして第2凸形状152をなす第二透光性材12を形成する工程(第2の凹部132を形成する工程)と、第二透光性材12よりも屈折率が低い第一透光性材11を、第2凸形状152をなす第二透光性材12を覆う様に形成する工程と、を含んでいる。
まず、マイクロレンズアレイ10の元基板109を準備する。本実施形態では、元基板109として石英基板を用いている。
次に、第1凸形状151をなす第二透光性材12を形成する工程を行う。まず、元基板109上に第二透光性材12をCVD法等で形成する。第二透光性材12は酸窒化珪素膜や窒化珪素膜等である。酸窒化珪素膜や窒化珪素膜等はモノシラン(SiH4)や亜酸化窒素(N2O)、アンモニア(NH3)等を原料ガスとしてプラズマCVD法等で堆積する事ができる。斯うした第二透光性材12上に不図示のフォトレジストを半球状(凸状)に形成する。半球状(凸状)のフォトレジストは、リフロー法やグレースケールマスク法等で形成される。リフロー法とはフォトレジストを立方体状に形成した後に熱を掛けて、立方体のフォトレジストをリフローさせて半球状(凸状)とする方法である。又、グレースケールマスク法とは、中心から同心円状に光の透過率が変わる様にしたマスクを用いて露光する事で現像後のフォトレジストを半球状(凸状)とする方法である。
次に、フォトレジストのエッチングレートと第二透光性材12のエッチングレートとをほぼ等しくして、エッチングを行う。斯うすると、エッチング後に形成される第二透光性材12の形状は、半球状(凸状)のフォトレジストの形状とほぼ同じとなる。即ち、半球状(凸状)のフォトレジストの表面形状が、図7(a)に示す様に、第二透光性材12に転写されて、第二透光性材12は第1凸形状151となる。第二透光性材12が酸窒化珪素膜や窒化珪素膜の場合、フォトレジストのエッチングレートと第二透光性材12のエッチングレートとをほぼ等しくするには、フッ化炭素(例えば四フッ化炭素、CF4)と酸素とを原料ガスとしてCDE法等のプラズマエッチング法を用いる事ができる。この際にフッ化炭素と酸素との割合を適宜調整する事で、フォトレジストのエッチングレートと第二透光性材12のエッチングレートとをほぼ等しくする事ができる。第1凸形状151の第二透光性材12の境界は鋭利となっている。
次に、第2の凹部132を形成する工程を行う。第2の凹部132を形成する工程は第1凸形状151をなす第二透光性材12を覆う様に保護部材(フォトレジスト14)を形成する工程と、保護部材(フォトレジスト14)及び第1凸形状151をなす第二透光性材12をエッチングして第2凸形状152をなす第二透光性材12を形成する工程と、を含んでいる。まず、図7(a)に示す様に、第1凸形状151をなす第二透光性材12を覆う様に保護部材(フォトレジスト14)を塗布する。フォトレジスト14の量を適宜調整して、第1凸形状151をなす第二透光性材12間の鋭角な凹状の境界を厚く覆い、且つ第1凸形状151の頂点を薄く覆う様にフォトレジスト14を形成する。この結果、図7(a)に示す様に、フォトレジスト14の表面形状は滑らかとなる。次に、フォトレジスト14のエッチングレートと第二透光性材12のエッチングレートとをほぼ等しくして、保護部材(フォトレジスト14)及び第1凸形状151をなす第二透光性材12のエッチングを行う。斯うすると、エッチング後に形成される第二透光性材12の形状は、滑らかとなる。即ち、図7(a)に示す滑らかなフォトレジスト14の表面形状が、図7(b)に示す様に、第二透光性材12に転写されて、第二透光性材12の表面は滑らかとなる。
次に、第二透光性材12よりも屈折率が低い第一透光性材11を、第2凸形状152をなす第二透光性材12を覆う様に形成する工程を進める。即ち、第2凸形状152をなす第二透光性材12とは異なる屈折率を有する第一透光性材11にて埋め込む工程を進める。第一透光性材11としては、酸化珪素膜を用いる事ができる。まず、第二透光性材12の全領域を覆い第2凸形状152を埋め込む様に、光透過性を有し、第二透光性材12よりも低い屈折率を有する無機材料からなる第一透光性材11を成膜する。第一透光性材11は、例えばCVD法を用いて形成する事ができる。第一透光性材11は第二透光性材12の上面に堆積する様に形成される為、第一透光性材11の表面は第二透光性材12に起因する凹凸が反映された凹凸形状となる。そこで、第一透光性材11を堆積した後に、この膜に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、化学機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing)等を用いて、第一透光性材11の上層の凹凸が形成された部分を研磨して除去する事により、第一透光性材11の上面が平坦化される。図7(b)に示す様に、第一透光性材11の上面が平坦化されると、マイクロレンズアレイ10が完成する。マイクロレンズアレイ10が完成した際には、第2凸形状152は第2の凹部132となる。
斯うした製造方法を採っても、実施形態1と同じ効果が得られる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。
E…表示領域、ML…マイクロレンズ、P…画素、1…液晶装置、2…走査線、3…データ線、4…容量線、5…蓄積容量、10…マイクロレンズアレイ、11…第一透光性材、12…第二透光性材、13…第三透光性材、14…フォトレジスト、20…素子基板、21…基板、22…遮光層、22a…遮光層、23…絶縁層、24…TFT、25…絶縁層、26…遮光層、26a…遮光層、27…絶縁層、28…画素電極、29…配向膜、30…対向基板、31…光路長調整層、32…遮光層、33…保護層、34…共通電極、35…配向膜、40…液晶、42…シール材、51…データ線駆動回路、52…走査線駆動回路、53…検査回路、54…外部接続端子、55…配線、56…上下導通部、100…プロジェクター、101…ランプユニット、102…インテグレーターレンズ、103…偏光変換素子、104…ダイクロイックミラー、105…ダイクロイックミラー、106…反射ミラー、107…反射ミラー、108…反射ミラー、109…元基板、110…偏光照明装置、111…リレーレンズ、112…リレーレンズ、113…リレーレンズ、114…リレーレンズ、115…リレーレンズ、116…クロスダイクロイックプリズム、117…投射レンズ、121…液晶ライトバルブ、122…液晶ライトバルブ、123…液晶ライトバルブ、130…スクリーン、131…第1の凹部、132…第2の凹部、151…第1凸形状、152…第2凸形状。

Claims (11)

  1. 第一透光性材に第1の凹部を形成する工程と、
    前記第1の凹部を覆う様に保護部材を形成する工程と、
    前記保護部材及び前記第一透光性材をエッチングして前記第一透光性材に第2の凹部を形成する工程と、
    前記第一透光性材よりも屈折率が高い第二透光性材を、前記第2の凹部を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  2. 第一透光性材に第1の凹部を形成する工程と、
    前記第一透光性材と略同じ屈折率を有する第三透光性材を前記第1の凹部を覆う様に形成する工程と、
    前記第一透光性材よりも屈折率が高い第二透光性材を、前記第三透光性材を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  3. 第1凸形状を有する第二透光性材を形成する工程と、
    前記第1凸形状を有する第二透光性材を覆う様に保護部材を形成する工程と、
    前記保護部材及び前記第1凸形状を有する第二透光性材をエッチングして第2凸形状をなす第二透光性材を形成する工程と、
    前記第二透光性材よりも屈折率が低い第一透光性材を、前記第2凸形状を有するなす第二透光性材を覆う様に形成する工程と、を含む事を特徴とするマイクロレンズアレイの製造方法。
  4. 前記第一透光性材の屈折率は1.46から1.50の範囲にある事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
  5. 前記第一透光性材が酸化珪素膜である事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
  6. 前記第二透光性材が酸窒化珪素膜である事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
  7. 前記第二透光性材が窒化珪素膜である事を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法。
  8. 第一マイクロレンズと第二マイクロレンズとを有し、
    前記第一マイクロレンズと前記第二マイクロレンズとは、第一透光性材と、前記第一透光性材と異なる屈折率を有する第二透光性材と、を含み、
    前記第一マイクロレンズと前記第二マイクロレンズとの境界に於いて、前記第一透光性材と前記第二透光性材との界面が滑らかで有る事を特徴とするマイクロレンズアレイ。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマイクロレンズアレイの製造方法にて製造されたマイクロレンズアレイを備えた事を特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項8に記載のマイクロレンズアレイを備えた事を特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項9又は10に記載の電気光学装置を備えた事を特徴とする電子機器。
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