JP2015129885A - 反射型表示装置の駆動方法及び反射型表示装置 - Google Patents

反射型表示装置の駆動方法及び反射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法でありながら、所望の表示の内容に応じて電圧を印加して表示を書き換える表示書き換え工程において、効果的に電圧を印加できるような反射型表示装置の駆動方法を提供すること。【解決手段】反射型表示装置を駆動する方法であって、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間に、所望の表示の内容に応じて電圧を印加して表示を書き換える表示書き換え工程と、前記表示書き換え工程において書き換えられた表示を保持する表示保持工程と、を備え、前記表示書き換え工程は、表示媒体または当該表示媒体の周囲の温度と前記画像データとに基づいて階調データを生成する階調データ生成工程と、予め設定された駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加を制御する電圧印加制御工程とを有している特徴とする方法である。【選択図】図8

Description

本発明は、電子ペーパー等に応用されている反射型表示装置の駆動方法及び反射型表示装置に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体(通常は電気泳動する粒子)の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
より詳細に説明すれば、電子ペーパーの表示素子として、電位状態についてメモリー性を有する表示素子を利用できるため、電圧などのエネルギーを供給し続けなくても、画像データに応じた表示状態を維持できる。一般的には、電子ペーパーの表示素子として、気中移動型、電気泳動粒子型、2色回転粒子型が知られている。これらは、電圧を付与することでセル内の電荷粒子の状態を変化させ、そのことによって表示状態を可変とすることができる。一方、電圧の付与を止めても、その表示状態を長時間に亘って維持できる。これらの方式では、電圧を印加して電荷粒子を電気的に動かすことで、電荷粒子の位置や向きを変えている。
反射型表示装置の応答性の変化について、本件発明者は以下の知見を有している。すなわち、電荷粒子型の電気応答性材料では、表示媒体の温度によって応答性が変わり、特に閾値の変化や応答速度の変化が重要であるが、これらは、界面に対する吸着エネルギーの変化、帯電量の変化、電気応答性材料の粘度変化、などによって生じる。
具体的には、例えば電気泳動粒子が浮遊している液体の粘度が低温になって増加すると、粒子移動の抵抗が増えるため、応答速度が低下する。
以上のような応答性の変化が生じると、反射型表示装置に入力された画像データと、反射型表示装置において予め設定された駆動シーケンスと、に基づいて表示書き換え処理を実行するだけでは、表示書き換え処理が十分とは言えない場合が生じ得る。具体的には、同じ画像データと予め設定された駆動シーケンスとに基づいて表示書き換え処理を実行しても、電気応答性材料に付与される電気エネルギーが不足して、例えば反射率やダイナミックレンジが小さくなったり、コントラストが低下したり、階調表現が不十分であったりする。
この不具合を解消するために、センサを表示装置に搭載して表示媒体の温度に影響を与える外部環境等の要因の情報を取得し、それに応じて駆動シーケンスを直接的に補正することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。また、書き換え回数などの書き換えの情報を記憶し、当該情報に応じて駆動シーケンスを補正することも提案されている(特許文献3、特許文献4)。
特許第4196615号 特開2010−256516号公報 特許第4621678号 特許第4651992号
センサの取得情報や書き換えの情報に基づいて駆動シーケンスを補正する場合、予め補正の方法(プログラム)を決定しておく必要がある。しかしながら、駆動シーケンス自体を補正する方法は、回路構成が複雑になってしまう。
また、表示媒体の温度に応じて、より具体的には表示媒体の温度に影響を与える表示装置の周囲の環境温度に応じて、荷電粒子に印加される電圧の大きさを変化させることで、表示媒体の温度の変化による表示状態の変化を補正する、ということも考えられる。しかしながら、この場合、表示装置の駆動回路を高電圧にも耐えられるように設計する必要があり、回路を構成するために利用可能な部材や材料に制約が生じてしまう。また、高電圧がかかることで、表示媒体の劣化が促進されてしまう。
さらに、表示装置の周囲の環境温度に応じて表示パネル自体を加温または冷却することで、表示媒体の温度の変化による表示状態の変化を抑制する、ということも考えられる。しかしながら、この場合、表示パネルを面内均一に加温ないし冷却することは困難であり、表示パネルの面内において応答性にバラツキが生じてしまう虞がある。また、表示パネルが加熱によって損傷してしまう虞もある。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、簡易な方法でありながら、所望の表示の内容に応じて電圧を印加して表示を書き換える表示書き換え工程において、効果的に電圧を印加できるような反射型表示装置の駆動方法を提供することにある。また、本発明の目的は、そのような駆動方法に対応できる反射型表示装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をする、反射型表示装置を駆動する方法であって、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間に、所望の表示の内容に応じて電圧を印加して表示を書き換える表示書き換え工程と、前記表示書き換え工程において書き換えられた表示を保持する表示保持工程と、を備え、前記表示書き換え工程は、各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容が表された画像データを取得する画像データ取得工程と、前記表示媒体または当該表示媒体の周囲の温度を取得する温度取得工程と、前記取得された温度と前記画像データとに基づいて階調データを生成する階調データ生成工程と、予め設定された駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加を制御する電圧印加制御工程と、を有していることを特徴とする反射型表示装置の駆動方法である。
具体的には、前記電圧印加制御工程では、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の回数が決定される。
好ましくは、前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最濃回数とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最淡回数とした時、前記温度取得工程で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記温度取得工程で取得される温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より狭く、前記温度取得工程で取得される温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より広い。
または、前記電圧印加制御工程では、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の時間長が決定される。
好ましくは、前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最濃時間長とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最淡時間長とした時、前記温度取得工程で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記温度取得工程で取得される温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より狭く、前記温度取得工程で取得される温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より広い。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をする、反射型表示装置であって、前記表示媒体または当該表示媒体の周囲の温度を取得する温度センサと、各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容を表す画像データを取得し、当該画像データと前記温度センサの出力とに基づいて階調データを生成する階調データ生成部と、予め設定された駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間の電圧の印加を制御する電圧印加制御部と、を備えたことを特徴とする反射型表示装置である。
具体的には、前記電圧印加制御部は、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の回数を決定するようになっている。
好ましくは、前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最濃回数とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最淡回数とした時、前記温度センサで取得された温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記温度センサで取得された温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より狭く、前記温度センサで取得された温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より広い。
または、前記電圧印加制御部は、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の時間長を決定するようになっている。
好ましくは、前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最濃時間長とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最淡時間長とした時、前記温度センサで取得された温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記温度センサで取得された温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より狭く、前記温度センサで取得された温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より広い。
本発明によれば、表示媒体または表示媒体の周囲の温度と画像データとに基づいて階調データが生成され、予め設定された駆動シーケンスと階調データとに基づいて電圧の印加が制御される。このため、複雑な構成を必要としない一方で、電圧の印加を表示媒体の温度に応じて効果的に行うことができ、表示媒体の温度が変化しても所望の表示書き換え動作を実現することができる。
本発明の一実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 図1に示す反射型表示装置の他方の基板上に形成された画素電極を示す平面図である。 図1に示す反射型表示装置の回路構成を示す図である。 基板温度25℃の場合の、階調データと、表示パネルに表示される濃淡表示と、の関係を示す図である。 階調データと、予め設定された駆動シーケンスと、に基づいて決定される電圧の印加の回数の一例を示す図である。 階調データと、予め設定された駆動シーケンスと、に基づいて決定される電圧の印加の時間長の例を示す図である。 同一の画像データに基づいて表示パネルに表示される濃淡表示の、基板温度の違いによる違いを示す図である。 基板温度と画像データとに基づく階調データの生成方法を説明するための図である。 本発明の一実施の形態による表示書き換え工程と、表示保持工程と、を示すフロー図である。 基板温度の変化による最濃回数と最淡回数との差の変化を示す図である。
図1は、本発明の一実施の形態による反射型表示装置の構成を概略的に示す断面図である。本実施の形態による反射型表示装置は、少なくとも一方が透光性を有しており各々電極111,161が形成されている対向する2枚の基板間11,16に、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体13が封入されていて、2枚の基板11,16間に所定の電界が与えられる際に表示媒体13が所望の表示をするようになっている。ここで、本件の明細書及び特許請求の範囲において「透光性」とは、光を透過する性質、という程度の意味である。本実施の形態においては、視認側に配置される基板は、全光透過率が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となるような透光性を有している。本実施の形態においては、一方の基板11が視認側に配置され、他方の基板16が非視認側に配置される。
一方の基板11としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透光性フィルムや透光性ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透光性電極を付したものが、典型的に用いられ得る。
透光性電極は、塗工法や蒸着法等によって少なくとも一方の基板11の表示領域を覆うように形成され得る。ここで、「表示領域」とは、反射型表示装置において所望の表示に利用される領域、という意味である。
透光性電極は、アクティブマトリクス駆動の場合及びセグメント駆動の場合は共通電極として用いられるので、必ずしもパターンが形成されている必要は無く、基板全面が電極であってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動の場合、対向する両方の基板はパターン電極である必要があるため、当該透光性電極もストライプなどのパターンで形成される。本実施の形態の共通電極111は、アクティブマトリクス駆動の共通電極として形成されている。
一方の基板11の厚みは、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
一方の基板11は、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
他方の基板16としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の基材が用いられ得る。また他方の基板16は、透光性を有する基材が用いられてもよい。さらに透光性を有しているが不透明な基材であってもよく、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板16は、視認側と反対側の位置に配置されるため、透光性を有している必然性はない。しかし、熱膨張特性など一方の基板11と同じ物性が必要とされる場合は、一方の基板11と同様の透光性の部材が使用され得る。本実施の形態では、他方の基板16も、可撓性であるが、剛性であってもよい。
他方の基板16には、対向電極161が、金属等の導電性材料によって、少なくとも他方の基板16の表示領域を覆うように形成されている。対向電極161としては、セグメント駆動およびパッシブマトリクス駆動の場合はパターン状の電極、また、アクティブマトリクス駆動の場合はTFT(Thin Film Transistor)が配置される画素電極が用いられる。本実施の形態の対向電極161は、アクティブマトリクス駆動用のTFT(Thin Film Transistor)に電気的に接続された画素電極として形成されている。表示パネルにおける各画素領域は、個々の画素電極161によって規定される。
他方の基板16の厚みも、一方の基板11の厚みと同様に、10μm〜1mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、1mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜300μm程度である。
他方の基板16も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
本実施の形態では、一方の基板11と他方の基板16との間には、複数のセルを区画する隔壁12が形成されており、各セル内には、表示媒体13が配置されている。ここで、「セル」とは、電気応答性材料の沈降や偏在に起因して表示の不良、特にコントラストの低下を防止するべく上下の電極基板11,16間において分割された、電気泳動する電気応答性材料の微小な泳動空間、すなわち移動空間を意味する。なお、当該移動空間は、マイクロカプセル等、他の構造物によって分割されてもよい。また、電気応答性材料の沈降や偏在の虞が低い場合には、上下の電極基板11,16間の空間は、このような構造物によって分割されていなくてもよい。
隔壁12は、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、常温硬化樹脂等によって構成可能であり、隔壁12の形成方法は、フォトリソグラフィ法の他、エンボス加工などの型転写方法も採用され得る。さらに、所望のパターンの構造物を隔壁として製造しておいて、それを一方の基板11に貼り付けるという方法も採用され得る。開口率は、70%以上が好ましく、特に90%以上が好ましい。高開口率であるほど、表示可能エリアが広くなるため、高コントラストを得ることができる。
隔壁12の単位パターンの形状は、円、格子、六角形、その他の多角形など、基本的に任意である。また、セルのサイズ(ピッチ)は、表示パネルの大きさにもよるが、0.05mm〜1mmピッチ、好ましくは0.1mm〜0.5mmピッチである。ここで、ピッチとは、隣接するセルの中心点の距離を意味している。
隔壁12の高さは、5〜50μm、好ましくは10〜50μmである。5μm以下では、充填するインキ量が少なく、十分な表示特性、特にコントラストが得られない一方、50μm以上では、パネルの厚みが厚すぎて、駆動電圧が上昇し過ぎてしまう。低駆動電圧で良好な表示特性が得られるという観点から、10〜50μmの範囲の高さが好適である。
隔壁12の頂面と、他方の基板16上の画素電極161または他方の基板16上の他の要素または他方の基板16と、の間には、隔壁12の頂面と、他方の基板16上の画素電極161または他方の基板16上の他の要素または他方の基板16と、を接着させるための接着層(不図示)が設けられていてもよい。
接着層は、例えば転写法や印刷法により、ポリエステル系熱可塑性接着剤のような熱可塑性樹脂が、1μm〜100μmの厚みで形成される。好ましくは、1μm〜50μmの厚みで形成され、特に好ましくは、1μm〜20μmの厚みで形成される。
接着層を形成するための接着剤としては、熱可塑性材料を用いた接着剤が好ましく、加熱により軟化して、冷却すると固化する性質を有し、冷却と加熱を繰り返した場合に、塑性が可逆的に保たれる材料である。
熱可塑性材料からなる接着剤を接着層として用いた場合には、転写シート基材上の固化している接着剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱することにより軟化させて、隔壁上面のみに確実に接着剤を熱転写することもできる。また、熱転写後の接着剤は常温まで冷却して再び固化することにより、タック、すなわちねばつきが無くなるため、取り扱いの便宜が極めて良い。また、タック、すなわちねばつきが無いことによって、セル内に充填された表示媒体13が接着剤と接着してしまうことがない。そして、再び隔壁12の頂面の接着剤をその軟化温度を超える温度にまで加熱して軟化させることにより、タック、すなわちねばつきを有するようになるため、他方の基板16に確実に接着される。他方の基板16との接着後の接着剤は、再び常温においてはタック、すなわちねばつきが無いため、やはり表示媒体13が接着剤と接着してしまうことがなく、表示品質の低下のおそれもない。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタンなどの熱可塑性ベースポリマーや、天然ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの熱可塑性エラストマーを主成分とし、粘着性付与樹脂や可塑剤を配合した樹脂が主に使用される。
隔壁12と接着剤との密着性を上げるために、隔壁12に紫外線照射やプラズマ処理などにより表面処理が施されてもよいし、プライマーが形成されてもよい。あるいは、接着剤221の方にシランカップリング剤が添加されてもよい。
表示媒体13は、少なくとも1種以上の電気応答性材料を含んでいる。電気応答性材料としては、電荷粒子材料、液晶材料があり、電荷粒子材料には白や黒、カラーなどの色づけされた粒子が電場に応答して移動するいわゆる電気泳動材料、または、粒子が二色に色分けされ電場により回転するツイストボールに代表される材料、または、電場により移動するナノ粒子材料等がある。一方、液晶材料は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)で知られる透過と散乱を電気的に制御する材料や、液晶に色素を混合した材料、コレステリック液晶材料などがある。
本実施の形態においては、表示媒体13は、分散媒と、当該分散媒に分散された白の電気応答性材料及び黒の電気応答性材料と、を含んでいる。白の電気応答性材料は、正に帯電されており、黒の電気応答性材料は、負に帯電されている。これにより、画素電極161の電位が共通電極111の電位よりも低くされると、負に帯電した黒の電気応答性材料が、分散媒中を共通電極111の側に引き寄せられるように泳動し、表示媒体13中の正に帯電した白の電気応答性材料が、分散媒中を画素電極161の側に引き寄せられるように泳動するようになっている。また、画素電極161の電位が共通電極111の電位よりも高くされると、負に帯電した黒の電気応答性材料が、分散媒中を画素電極161の側に引き寄せられるように泳動し、表示媒体13中の正に帯電した白の電気応答性材料が、分散媒中を共通電極111の側に引き寄せられるように泳動するようになっている。そして、このような白及び黒の電気応答性材料の泳動を制御することにより、表示パネルにおいて、図4に示すような濃淡が互いに異なる複数種類の表示を行うことができるようになっている。
本実施の形態の表示媒体13の分散媒は、低温であるほど粘度が増加する材料で構成されている。このため、表示媒体13の応答性は、表示媒体13が低温であるほど低くなる。
本実施の形態の反射型表示装置は、更に、表示媒体13または表示媒体13の周囲の温度を取得する温度センサ20を備えている。表示媒体13の温度を取得する温度センサ20とは、表示媒体13の温度を直接的にまたは間接的に測定し得るように備えられた温度センサのことである。また、表示媒体13の周囲の温度を取得する温度センサ20とは、表示媒体13の温度に影響を与え得る部材の温度、例えば基板11ないし16の温度や反射型表示装置の筐体の温度、電極111ないし116の温度や当該電極を駆動する回路の温度、を測定し得るように備えられた温度センサのことであり、あるいは、表示媒体13の温度に影響を与える反射型表示装置の周囲の環境温度、例えば反射型表示装置が置かれている場所の室温や外気温、を測定し得るように備えられた温度センサのことである。本実施の形態の温度センサ20は、基板11の温度を取得するように備えられている。
また、本実施の形態の反射型表示装置は、各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容を表す画像データを入力する画像データ入力部21を備えている。
次に、本実施の形態の反射型表示装置の表示パネルの回路構成について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、他方の基板16上に形成された画素電極161を示す平面図であり、図3は、図1に示す反射型表示装置の表示領域の回路構成を示す図である。
図2及び図3に示すように、本実施の形態では、m×n個の画素電極161が、他方の基板16の表示領域を網羅するように、マトリクス状に配置されている。画素電極161の各々は、ゲート電極164とソース電極165とドレイン電極166とを有するTFT163と、当該ドレイン電極166を介して電気的に接続されている。
具体的には、本実施の形態では、図3に示すように、ゲート電極164は、マトリクス状に配置されたm×n個の画素電極161に対応して、m×n個がマトリクス状に配列されている。m×n個のゲート電極164は、複数のゲート電極164の配列の行方向(図3の横方向)に延びるm本の平行な走査線であって一方の端部が走査線ドライバ17に接続された走査線Y1ないしYmによって、行毎に接続されている。また、ソース電極165も、マトリクス状に配置されたm×n個の画素電極161に対応して、m×n個がマトリクス状に配列されている。m×n個のソース電極165は、複数のソース電極165の配列の列方向(図3の縦方向)に延びるn本の平行な信号線であって一方の端部が信号線ドライバ18に接続された信号線X1ないしXnによって、列毎に接続されている。共通電極111は、本実施の形態では、駆動装置100のGND(以下「GND」という。)に接続されている。本実施の形態では、GNDの電位は、0(V)である。そして、走査線ドライバ17と信号線ドライバ18とは、電圧印加制御部19に接続されている。
電圧印加制御部19は、走査線ドライバ17及び信号線ドライバ18に、個々の画素電極161に印加される電圧の制御を実現する制御信号を出力するようになっている。制御信号は、予め設定された駆動シーケンスを、電圧印加制御部19に入力される階調データに基づいて実行することによって生成される。具体的には、図5に示すように、本実施の形態の電圧印加制御部19は、階調データG0、G1、G2、G3、G4、G5、G6が入力されると、予め設定された駆動シーケンスと当該階調データG0、G1、G2、G3、G4、G5、G6とに基づいて、対応する画素電極161に対する電圧の印加の回数、したがって一方の基板11の電極111と他方の基板16の電極161との間の電圧の印加の回数を、それぞれ、0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回に決定するようになっている。もっとも、電圧印加制御部19は、図6に示すように、階調データG0、G1、G2、G3、G4、G5、G6が入力されると、予め設定された駆動シーケンスと当該階調データG0、G1、G2、G3、G4、G5、G6とに基づいて、対応する画素電極161に対する電圧の印加の時間長、したがって一方の基板11の電極111と他方の基板16の電極161との間の電圧の印加の時間長を、それぞれ、0、T1、T2=T1×2、T3=T1×3、T4=T1×4、T5=T1×5、T6=T1×6に決定するようになっていてもよい。
走査線ドライバ17は、電圧印加制御部19から入力された制御信号に基づいて、所望のタイミングで、m本の走査線Y1ないしYmに接続されたゲート電極164に、TFT163のON状態に対応するON電圧またはTFT163のOFF状態に対応するOFF電圧を印加するようになっている。また、走査線ドライバ17に電圧印加制御部19から制御信号が入力されない場合には、走査線Y1ないしYmに接続されたゲート電極164の電位は、GNDの電位と同じ電位、すなわち0(V)になるようになっている。
信号線ドライバ18は、電圧印加制御部19から入力された制御信号に基づいて、n本の信号線X1ないしXnに、第1電圧+a(V)または第2電圧−b(V)を印加するようになっている。また、信号線ドライバ18に電圧印加制御部19から制御信号が入力されない場合には、信号線X1ないしXnの電位は、GNDの電位と同じ電位、すなわち0(V)になるようになっている。
ソース電極165は、当該ソース電極165に対応するゲート電極がON電圧の状態の間に当該ソース電極165に接続された信号線に第1電圧+a(V)が印加されると、第1電圧の状態となる一方、当該ソース電極165に対応するゲート電極がON電圧の状態の間に当該ソース電極165に接続された信号線に第2電圧−b(V)が印加されると、第2電圧の状態となるようになっている。また、ソース電極165は、当該ソース電極165に接続されている信号線がGNDに接続されている場合には、GND電位の状態となるようになっている。
そして、TFT163のゲート電極164がON電圧の状態であって当該TFT163のソース電極165が第1電圧又は第2電圧の状態の場合に、対応する画素電極161に第1電圧+a(V)または第2電圧−b(V)が印加されて一方の基板11の電極111と他方の基板16の電極161との間に電界が発生し、当該画素電極161によって規定される画素領域内において表示媒体13中の電気応答性材料が電極111及び161間を泳動するようになっている。
本実施の形態では、電圧印加制御部19、走査線ドライバ17、信号線ドライバ18、画素電極161及び共通電極111がこのような回路構成で接続されていることにより、表示パネルにおける表示の書き換えの際、電圧印加制御部19で設定される電圧の印加の回数に応じて、対応する画素電極161に、パルス幅T1の第1電圧+a(V)または第2電圧−b(V)が印加されるようになっている。
ここで、本実施の形態の表示媒体13の分散媒は、低温であるほど粘度が増加する材料で構成されている。このため、分散媒の温度が低いほど、分散媒中を泳動する電気応答性材料の移動の抵抗が増す。一方、分散媒の温度が高いほど、分散媒中を泳動する電気応答性材料の移動の抵抗が減る。この結果、表示媒体13の応答性は、分散媒の温度が低いほど低くなり、分散媒の温度が高いほど高くなる。このような表示媒体13を用いた反射型表示装置においては、電圧印加制御部19に入力される階調データが同じであっても、したがって電圧印加制御部19によって設定される電圧の印加の回数が同じであっても、分散媒の温度が異なれば、表示パネルに表示される濃淡表示は異なってしまう。ここで、分散媒の温度は、分散媒の周囲の部材、例えば基板11ないし16の温度や反射型表示装置の筐体の温度、電極111ないし161の温度や当該電極を駆動するための回路の温度、の影響を受ける。また、分散媒の温度は、反射型表示装置の周囲の環境温度、例えば反射型表示装置が置かれている場所の室温や外気温、の影響を受ける。あるいは、上述の分散媒の周囲の部材は、反射型表示装置の周囲の環境温度の影響を受け、分散媒の温度は、このような部材の温度の影響を受ける。以下では、一例として、一方の基板11の温度の違いによる濃淡表示の違いについて説明する。
例えば、図4に示すように、一方の基板11の温度(以下「基板温度」という。)が25℃の場合の、画素電極161にパルス幅T1の第1電圧+a(V)を0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回印加することによって表示パネルに表示される濃淡表示が、それぞれ、C0,C1、C2、C3、C4、C5、C6であるとする。具体的には、表示書き換え工程の最初に、視認側の一方の基板11側に黒の電気応答性材料が背面側の他方の基板16側に白の電気応答性材料が集められ、表示パネルの濃淡表示がC0にされるものとし、濃淡表示がC0の状態から、所定のパルス幅T1の第1電圧+a(V)を画素電極161に0回、1回、2回、3回、4回、5回、6回だけ印加することによって、電圧の印加の回数に応じて、一方の基板11側の黒の電気応答性材料を他方の基板16の側に、他方の基板16の側の白の電気応答性材料を一方の基板の側に移動させ、この結果、基板温度が25℃の場合に表示パネルに表示される濃淡表示を、それぞれ、C0、C1、C2、C3、C4、C5、C6とする。
基板温度が25℃よりも低い0℃の場合も、電圧印加制御部19に入力される階調データが例えばG5であれば、電圧印加制御部19によって設定される電圧の印加の回数は5であり、画素電極161に所定のパルス幅T1の第1電圧+a(V)が5回印加される。しかしながら、基板温度が0℃の場合、基板温度が25℃の場合と比較して表示媒体13中の分散媒の粘度が高くなるため、電気応答性材料の移動の抵抗が大きくなる。このため、表示パネルには、濃淡表示C5よりも濃い、例えば濃淡表示C4が表示される。
基板温度が25℃よりも高い40℃の場合も、電圧印加制御部19に入力される階調データが例えばG5であれば、電圧印加制御部19によって設定される電圧の印加の回数は5であり、画素電極161に所定のパルス幅T1の第1電圧+a(V)が5回印加される。しかしながら、基板温度が40℃の場合、基板温度が25℃の場合と比較して表示媒体13中の分散媒の粘度が低くなるため、電気応答性材料の移動の抵抗が小さくなる。この結果、表示パネルには、濃淡表示C5よりも淡い、例えば濃淡表示C6が表示される。
したがって、基板温度を考慮することなく画像データ入力部21によって入力される画像データに基づいて階調データが生成され、当該階調データが電圧印加制御部19に入力されると、表示パネルの濃淡表示は、図7に示すように、画像データによって表される所望の濃淡表示の内容と異なってしまう。
このような課題を解決するため、本実施の形態の反射型表示装置は、温度センサ20の出力と画像データ入力部21によって入力される画像データとに基づいて階調データを生成する階調データ生成部22を備えている。階調データ生成部22では、基板温度の違いによる表示状態の違いを補正するよう、基板温度を取得するように備えられた温度センサ20の出力と、画像データと、に基づいて階調データG0、G1、G2、G3、G4、G5またはG6を生成する。
例えば、基板温度が25℃よりも低い0℃の場合、図8に示すように、画像データ入力部21によって入力される画像データにより表される所望の濃淡表示の内容がC5であれば、25℃という基板温度条件下において表示パネルにC5の濃淡表示を表示するために必要な電圧の印加の回数よりも多い回数の電圧が画素電極161に印加されるよう、階調データG6を生成し、階調データG6を電圧印加制御部19に渡す。これにより、電圧印加制御部19では、予め設定された駆動シーケンスと階調データG6とに基づいて、画素電極161に印加される電圧の印加の回数が6に設定される。この結果、画素電極161にはパルス幅T1の電圧+a(V)の電圧が6回印加され、表示パネルには、0℃という基板温度条件下において電圧印加制御部19に階調データG5が入力される場合に表示される濃淡表示C4よりも淡い濃淡表示、例えばC5が表示される。
また、基板温度が25℃よりも低い40℃の場合、図8に示すように、画像データ入力部21によって入力される画像データにより表される所望の濃淡表示の内容がC5であれば、25℃という基板温度条件下において表示パネルにC5の濃淡表示を表示するために必要な電圧の印加の回数よりも少ない回数の電圧が画素電極161に印加されるよう、階調データG4を生成し、階調データG4を電圧印加制御部19に渡す。これにより、電圧印加制御部19では、予め設定された駆動シーケンスと階調データG4と基づいて、画素電極161に印加される電圧の印加の回数が4に設定される。この結果、画素電極161にはパルス幅T1の電圧+a(V)の電圧が4回印加され、表示パネルには、40℃という基板温度条件下において電圧印加制御部19に階調データG5が入力される場合に表示される濃淡表示C6よりも濃い濃淡表示、例えばC5が表示される。
なお、画像データ入力部21によって入力される画像データがC0の場合には、電極111,161間に電圧を印加して表示媒体13中の電気応答性材料を移動させる必要がないため、基板温度の違いによる濃淡表示の違いは生じない。このため、階調データ生成部22は、基板温度の違いによることなく、階調データG0を電圧印加制御部19に渡す。この結果、画素電極161にはパルス幅T1の電圧+a(V)の電圧は印加されず、表示パネルに表示される濃淡表示は、C0のままとなる。
以上より、図10に示すように、電圧印加制御部19の予め設定された駆動シーケンスと、階調データ生成部22において生成される階調データと、に基づいて電圧印加制御部19において設定される電圧の印加の回数は、温度センサ20で取得される温度の違いによって、本実施の形態では基板温度の違いによって、次のような違いを有することとなる。すなわち、電圧印加制御部19において、駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される電圧の印加の回数を最濃回数とし、駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される電圧の印加の回数を最淡回数とした時、温度センサ20で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下、例えば40℃、での最濃回数と最淡回数との差は、温度センサ20で取得される温度が第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下、例えば25℃、での最濃回数と最淡回数との差より狭く、温度センサ20で取得される温度が所定の第2温度より低い低温条件下、例えば0℃、での最濃回数と前記最淡回数との差は、中温条件下での最濃回数と最淡回数との差より広くなる。
なお、電圧印加制御部19が駆動シーケンスと、電圧印加制御部19に入力される階調データと、に基づいて電圧の印加の時間長を決定するようになっている場合には、電圧印加制御部19によって設定される電圧の印加の時間長は、温度センサ20で取得される温度の違いによって、本実施の形態では基板温度の違いによって、次のような違いを有することとなる。ここで、電圧の印加の時間長とは、電圧の印加状態の継続時間の長さ、具体的には、電圧の印加状態に対応する信号パルスの幅、を意味する。すなわち、電圧印加制御部19において、駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される電圧の印加の時間長を最濃時間長とし、駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される電圧の印加の時間長を最淡時間長とした時、温度センサ20で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下での最濃時間長と最淡時間長との差は、温度センサ20で取得される温度が第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での最濃時間長と最淡時間長との差より狭く、温度センサ20で取得される温度が所定の第2温度より低い低温条件下での最濃時間長と最淡時間長との差は、中温条件下での最濃時間長と最淡時間長との差より広くなる。
次に、このような構成からなる反射型表示装置の駆動方法について、図9を参照して説明する。
図9は、本発明の一実施の形態による表示書き換え工程と表示保持工程とを示すフロー図である。本実施の形態においては、共通電極111は、GNDに接続されており、その電位は、0Vとなっている。また、本実施の形態においては、表示書き換え工程が開始される前は、全ての走査線Y1ないしYm及び全ての信号線X1ないしXmは、GNDに接続されている。
先ず、表示書き換え工程について説明する。電圧印加制御部19に表示書き換え工程を開始するための信号が入力されると、当該入力信号に対応する制御信号が、電圧印加制御部19から走査線ドライバ17及び信号線ドライバ18に入力され、具体的には、複数の画素電極161の複数のゲート電極164の全てがON電圧の状態に維持されたまま、電圧印加制御部19からの制御信号に基づいて、信号線ドライバ18から全ての信号線X1ないしXnに、パルス幅T1の第2電圧−bVが印加される。これにより、複数のソース電極165の全てが、GND電位よりも低い第2電圧の状態に切り替えられ、画素電極161が、共通電極111よりも相対的に低電位にされる。この結果、表示媒体13中の負に帯電した黒の電気応答性材料が、共通電極111の側に引き寄せられ、表示媒体13中の正に帯電した白の電気応答性材料が、画素電極161の側に引き寄せられる。画素電極161に第2電圧−bVがパルス状に印加されて複数の画素電極161の電位が繰り返し共通電極111の電位よりも相対的に低くされることによって、共通電極111の側に黒の電気応答性材料が集まり、複数の画素電極161の側に白の電気応答性材料が集まることとなる。そして、表示パネルの全面が、最も濃い濃淡表示C0で表示される(リセットシーケンス)。
次に、画像データ入力部21から階調データ生成部22に、各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容が表された画像データが入力され(画像データ取得工程)、温度センサ20から表示パネルの温度が取得される(温度取得工程)と、階調データ生成部22において、当該画像データと温度センサ20からの出力とに基づいて階調データが生成される(階調データ生成工程)。具体的には、温度センサ20からの出力が基板温度が25℃であることを示しており、入力された画像データによって表される所望の濃淡表示の内容がC5である場合、階調データG5が生成される。一方、温度センサ20からの出力が基板温度が0℃であることを示しており、入力された画像データによって表される所望の濃淡表示の内容がC5である場合、25℃の基板温度条件下において濃淡表示C5を表示するために必要な電圧の印加の回数よりも多い回数の電圧が画素電極161に印加されるよう、階調データG6が生成される。また、温度センサ20からの出力が基板温度が40℃であることを示しており、入力された画像データによって表される所望の濃淡表示の内容がC5である場合、25℃の基板温度条件下において濃淡表示C5を表示するために必要な電圧の印加の回数よりも少ない回数の電圧が画素電極161に印加されるよう、階調データG4が生成される。そして、生成された階調データG5、G6またはG4は、電圧印加制御部19に渡される。
続いて、電圧印加制御部19では、階調データ生成部22から入力された階調データと、予め設定された駆動シーケンスと、に基づいて、電圧の印加の回数が決定され、決定された電圧の印加の回数に応じた制御信号が、走査線ドライバ17及び信号線ドライバ18に入力される。具体的には、図5に示すように、階調データC4、G5、G6が入力された場合、電圧の印加の回数は、それぞれ、4回、5回、6回に設定される。
電圧印加制御部19からの制御信号に基づいて走査線ドライバ17からm本の走査線Y1ないしYmに、TFTのON状態に切り替えるON電圧またはTFTのOFF状態に対応するOFF電圧が印加される。ON電圧は、走査線Y1ないしYmに順次排他的に印加され、ON電圧が印加されていない走査線には、OFF電圧が印加される。また、各走査線Y1ないしYmにON電圧が印加されている間に、信号線ドライバ18から各信号線X1ないしXnに、パルス幅T1の第1電位+a(V)が、電圧印加制御部19で決定された電圧の印加の回数だけ印加される。これにより、各画素電極161には、各画素電極161に対してパルス幅T1の第1電位+a(V)が決定された回数だけ印加され、当該画素電極161に印加された電圧の回数に対応して、表示媒体13中の黒及び白の電気応答性材料が、それぞれ、画素電極161の側及び共通電極111の側に移動される。そして、表示パネルには、画素電極161に印加された電圧の回数に応じた濃淡表示がなされる(電圧印加制御工程)。
その後、表示保持工程において、複数のゲート電極164の全てがGND電位の状態に切り替えられると共に、複数のソース電極165の全てが、GND電位の状態に切り替えられる。この結果、駆動休止工程中、反射型表示装置の表示領域に表示された画像の表示状態が維持される。なお、共通電極111がGNDに接続されていない場合は、共通電極111は、駆動休止工程においてGNDに接続されてもよい。
以上の通り、本実施の形態によれば、表示媒体13または表示媒体13の周囲の温度、具体的には一方の基板11の温度、と、画像データと、に基づいて階調データが生成され、予め設定された駆動シーケンスと階調データとに基づいて電圧の印加が制御される。このため、複雑な構成を必要としない一方で、電圧の印加を表示媒体13の温度に応じて効果的に行うことができ、表示媒体13の温度が変化しても所望の表示書き換え動作を実現することができる。
また、表示媒体13の温度が低いほど応答性が低くなる反射型表示装置において、表示媒体13の温度の変化によらない所望の表示書き換え動作が実現され得る。また、電圧の印加の回数または時間長を調節することで表示媒体13の温度の変化による表示状態の変化を補正するため、高電圧の印加や表示パネルの加熱を必要としない。
11 一方の基板
111 共通電極
12 隔壁
13 インキ(表示媒体)
16 他方の基板
161 画素電極
163 TFT
164 ゲート電極
165 ソース電極
17 走査線ドライバ
18 信号線ドライバ
19 電圧印加制御部
20 温度センサ
21 画像データ入力部
22 階調データ生成部

Claims (10)

  1. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をする、反射型表示装置を駆動する方法であって、
    一方の基板の電極と他方の基板の電極との間に、所望の表示の内容に応じて電圧を印加して表示を書き換える表示書き換え工程と、
    前記表示書き換え工程において書き換えられた表示を保持する表示保持工程と、
    を備え、
    前記表示書き換え工程は、
    各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容が表された画像データを取得する画像データ取得工程と、
    前記表示媒体または当該表示媒体の周囲の温度を取得する温度取得工程と、
    前記取得された温度と前記画像データとに基づいて階調データを生成する階調データ生成工程と、
    予め設定された駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加を制御する電圧印加制御工程と、
    を有している
    ことを特徴とする反射型表示装置の駆動方法。
  2. 前記電圧印加制御工程では、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の回数が決定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置の駆動方法。
  3. 前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最濃回数とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最淡回数とした時、
    前記温度取得工程で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記温度取得工程で取得される温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より狭く、
    前記温度取得工程で取得される温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より広い
    ことを特徴とする請求項2に記載の反射型表示装置の駆動方法。
  4. 前記電圧印加制御工程では、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の時間長が決定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置の駆動方法。
  5. 前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最濃時間長とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最淡時間長とした時、
    前記温度取得工程で取得される温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記温度取得工程で取得される温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より狭く、
    前記温度取得工程で取得される温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より広い
    ことを特徴とする請求項4に記載の反射型表示装置の駆動方法。
  6. 少なくとも一方が透光性を有しており各々電極が形成されている対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に所望の表示をする、反射型表示装置であって、
    前記表示媒体または当該表示媒体の周囲の温度を取得する温度センサと、
    各画素領域毎の所望の濃淡表示の内容を表す画像データを取得し、当該画像データと前記温度センサの出力とに基づいて階調データを生成する階調データ生成部と、
    予め設定された駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間の電圧の印加を制御する電圧印加制御部と、
    を備えたことを特徴とする反射型表示装置。
  7. 前記電圧印加制御部は、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の回数を決定するようになっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の反射型表示装置。
  8. 前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最濃回数とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の回数を最淡回数とした時、
    前記温度センサで取得された温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記温度センサで取得された温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より狭く、
    前記温度センサで取得された温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差は、前記中温条件下での前記最濃回数と前記最淡回数との差より広い
    ことを特徴とする請求項7に記載の反射型表示装置。
  9. 前記電圧印加制御部は、前記駆動シーケンスと前記階調データとに基づいて、前記一方の基板の電極と前記他方の基板の電極との間の電圧の印加の時間長を決定するようになっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の反射型表示装置。
  10. 前記駆動シーケンスと最も濃い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最濃時間長とし、前記駆動シーケンスと最も淡い濃淡表示の内容を表す画像データに対応する階調データとに基づいて決定される前記電圧の印加の時間長を最淡時間長とした時、
    前記温度センサで取得された温度が所定の第1温度より高い高温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記温度センサで取得された温度が前記第1温度より低く所定の第2温度より高い中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より狭く、
    前記温度センサで取得された温度が前記所定の第2温度より低い低温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差は、前記中温条件下での前記最濃時間長と前記最淡時間長との差より広い
    ことを特徴とする請求項9に記載の反射型表示装置。
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