JP2015129266A - フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は、
[1]下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂、
[2]前項[1]に記載のフェノール樹脂と、下記式(2)で表されるバイノールを含有するフェノール樹脂、
[4]前記式(3)で表されるバイノールをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定において10〜90面積%含有している前項[2]または前項[3]に記載のフェノール樹脂、
[5]前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、
[6]前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物、
[7]前項[5]に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/または硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物、
[8]前項[5]に記載のエポキシ樹脂と重合触媒を含有するエポキシ樹脂組成物、
[9]前項[6]〜[8]のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物、
を、提供するものである。
本発明のフェノール樹脂はバイノールとビフェニル化合物との反応によって得られる。
本発明で用いられるバイノールとは、下記の構造(A)を有する化合物である。
また、乾燥減量は0.2面積%以下が好ましく、特に好ましくは0.1面積%以下である。乾燥減量が多い場合、製造工程において製造ラインを汚す等の問題が生じる。
さらに、融点は200〜220℃が好ましく、特に好ましくは212~219℃である。これら市販品としてはAldrich、SR−CHEMから入手可能である。
反応時間は通常5〜150時間であり、反応温度は通常40〜150℃である。
このようにして得られたフェノール樹脂は用途によって、精製せずに用いることもできるが、通常、反応終了後に反応混合物を必要に応じて中和等の処理をしてから、晶析あるいは加熱減圧下において溶媒類を除去する事で精製して各種用途に使用する。
溶媒の使用量はバイノール100重量部に対し、通常5〜500重量部であり、好ましくは10〜400重量部の範囲である。
触媒を使用する場合、酸性触媒の具体例としては塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類;シュウ酸、トルエンスルホン酸、酢酸等の有機酸類;タングステン酸等のヘテロポリ酸、活性白土、無機酸、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄等、その他酸性を示す有機、無機酸塩類、等のノボラック樹脂製造用に通常使用される酸性触媒などが好ましく挙げられる。これら触媒は、前述に挙げたものに限定されるものではなく、単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
触媒の使用量は、バイノールに対し、通常0.005〜2.0倍モルであり、好ましくは0.01〜1.1倍モルの範囲であり、もしくはバイノール100gに対し0.1〜10gであり、より好ましくは0.3〜7gである。触媒量が少ないと反応の進行が遅くなる。また高温での反応が必要になる、反応が最後まで進まない等の課題が生じるため、好ましくない。一方、触媒量が多すぎる場合、中和・精製等の後処理において多大な労力がかかることから好ましく無い。
なお、反応により腐食性ガスが生成する場合は、引圧、もしくは窒素等の不活性ガスを送り込むことにより、系内から排出させることが好ましい。
また、水酸基当量は150〜500g/eq.が好ましく、より好ましくは150〜350g/eq.、特に好ましくは150〜245g/eq.である。
繰り返し数nとしては、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。
一方、バイノールが90面積%を超える場合、本発明の特徴である高耐熱性が損なわれるため、好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂は本発明のフェノール樹脂とエピハロヒドリンを反応させることで得られる。反応の手法としては特に限定しないが、以下に本発明のエポキシ樹脂の合成方法の一例を記載する。
本発明のエポキシ樹脂の具体的な構造式としては下記一般式(3)で示される構造である。
一方、バイノールのグリシジル化物が90面積%を超える場合、本発明の特徴である高耐熱性が損なわれるため、好ましくない。
また、エポキシ樹脂に残存している全塩素としては5000ppm以下が好ましく、より好ましくは3000ppm以下、特に2000ppm以下であることが好ましい。塩素量による悪影響については前述同様である。なお、塩素イオン、ナトリウムイオンについては各々5ppm以下が好ましく、より好ましくは3ppm以下である。塩素イオンは先に記載したとおりであるが、ナトリウムイオン等のカチオンも、特にパワーデバイス用途においては非常に重要なファクターとなり、高電圧がかかった際の不良モードの一因となる。
ここで、軟化点としては55〜130℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。軟化点が低すぎると保管時のブロッキングが問題となり、低温で取り扱いをしないといけない等、課題が多い。一方、軟化点が高すぎる場合、他の樹脂との混練の際に、ハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。
また、溶融粘度は2Pa・s(ICI 溶融粘度 150℃ コーンプレート法)以下であることが好ましい。無機材料(フィラー等)を混合して用いる場合、流動性が悪い、また、ガラスクロス等もその網目がより微細になっており、含浸性に劣る等の課題が生じる。
エピハロヒドリンの使用量は本発明のエポキシ樹脂の水酸基1モルに対し通常3.0〜15モルであり、好ましくは3.0〜10モルであり、より好ましくは3.5〜8.5モルであり、特に好ましくは5.5〜8.5モルである。
3.0モルを下回るとエポキシ当量が大きくなる恐れがあり、また、できたエポキシ樹脂の作業性が悪くなる可能性が高いため好ましくなく、15モルを超えると溶剤量が多量であり、産業上好ましくない。
アルカリ金属水酸化物の使用量は本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対して通常0.90〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.25モル、より好ましくは0.99〜1.15モルである。
4級アンモニウム塩の使用量としては本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
炭素数1〜5のアルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類である。
非極性プロトン溶媒もしくは炭素数1〜5のアルコールの使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常2〜50重量%であり、好ましくは4〜25重量%である。
また、共沸脱水等の手法により、系内の水分をコントロールしながらエポキシ化を行ってもかまわない。系中の水分が多い場合には、得られたエポキシ樹脂において電気信頼性が悪くなるため好ましくなく、水分は5%以下にコントロールして合成することが好ましい。また、非極性プロトン溶媒を使用してエポキシ樹脂を得た際には、電気信頼性に優れるエポキシ樹脂が得られるため、非極性プロトン溶媒は好適に使用できる。
反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間、特に好ましくは1〜3時間である。反応時間が短いと反応が進みきらず、反応時間が長くなると副生成物ができることから好ましく無い。
またエピハロヒドリンとの反応においては反応初期から窒素等の不活性ガスで置換されていることが好ましく、空腔内の酸素濃度は10%以下であることが好ましい。酸素の残留は着色に影響する。手法としては本発明のフェノール樹脂を仕込む前に窒素等不活性ガスを吹き込み(気中、もしくは液中)、もしくは、いったん減圧で真空にした後、不活性ガスで置換する方法が挙げられる。不活性ガスでの置換が無い場合、得られる樹脂に着色が生じる場合がある。不活性ガスの吹き込みを行う場合、その量はその釜の容積によっても異なるが、0.5〜10時間でその釜の容積の1〜3倍量が置換できる量の不活性ガスの吹き込みが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、フェノール樹脂または重合触媒を必須成分として使用する。
硬化性樹脂組成物Aはエポキシ樹脂−硬化剤を必須成分とする組成物であり、本発明のエポキシ樹脂、本発明のフェノール樹脂少なくとも一種を必ず含有する。また、必要に応じて硬化促進剤を含有する。
硬化性樹脂組成物Bは本発明のエポキシ樹脂と重合触媒を必須成分とする組成物である。
硬化性樹脂組成物Aと硬化性組樹脂成物Bにおいて、本発明のエポキシ樹脂以外に他のエポキシ樹脂を併用してもよく、もしくは単独で使用することが出来る。併用する場合、本発明のエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。ただし、本発明のエポキシ樹脂を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1〜30重量%の割合で添加する。
硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)
本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、本発明のフェノール樹脂以外に他の硬化剤を併用、もしくは単独で使用することが出来る。併用する場合、本発明のフェノール樹脂の全エポキシ樹脂中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。ただし、本発明のエポキシ樹脂を硬化性樹脂組成物の改質剤として使用する場合は、1〜30重量%の割合で添加する。
用いることができる硬化剤の具体例としては、例えばフェノール樹脂、フェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては フェノール樹脂、フェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
アミン系化合物、アミド系化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物
酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂;
その他;イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物などが好ましく挙げられる
これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の具体例として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が例示される。
光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
これら無機充填剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中において0〜95重量%を占める量が用いられる。更に本発明の硬化性樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物Aは従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のエポキシ樹脂と硬化剤並びに必要により硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して硬化性樹脂組成物を得、その硬化性樹脂組成物をポッティング、溶融後(液状の場合は溶融無しに)注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物Bが含有しうる重合触媒としては、熱または光により重合を開始させる触媒であれば限定なく使用できるが、具体的には、硬化促進剤または酸性硬化触媒が使用できる。用いる硬化促進剤の具体例としては前記のものが挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜5.0重量部が必要に応じて用いられる。
以下に、実施例で用いた各種分析方法について記載する。
・エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
・ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
・軟化点: JIS K 7234 に準拠
・GPC: カラム(Shodex KF−603、KF−602.5、KF−602、KF−601x2)
溶媒はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらバイノール(GPC純度>99% Aldrich製 試薬融点216−218℃)129部、4,4′−ビス(ヒドロキシメチル)ビフェニル(Qingdao Union Fine Chemical製)34部、メチルイソブチルケトン(純正化学製 試薬)243部、パラトルエンスルホン酸・一水和物(東京化成製 試薬)1.8部加え、生成する水を抜きながら、120℃6時間反応を行った。
反応終了後、50℃まで冷却、水洗を繰り返し、水層が中性になったことを確認した後、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、溶剤類を留去することで本発明のフェノール樹脂(P−1)156部を得た。得られたフェノール樹脂の軟化点は124℃であった。なお、GPCのチャートは下記チャートのようであった。本GPCの結果から残留バイノール量はフェノール樹脂(P−1)に対する面積比率で43.1面積%である事が確認された。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら本発明のフェノール樹脂(P−1 水酸基当量193g/eq.)124部、エピクロロヒドリン416部(7モル当量 対 フェノール樹脂)、メタノール125部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム29部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水86部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン304部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行った。得られた溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下、メチルイソブチルケトン等を留去することで本発明のエポキシ樹脂(EP−1)160部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は251g/eq.、軟化点85.8℃、ICI粘度0.57Pa・sであった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらバイノール214部、エピクロロヒドリン555部(4モル当量 対 フェノール樹脂)、メタノール55部を加え、撹拌下で溶解し、70〜75℃にまで昇温した。次いでフレーク状の水酸化ナトリウム60部を90分かけて分割添加した後、更に75℃で75分反応を行った。反応終了後,水400部で水洗を行い、油層からロータリーエバポレーターを用いて減圧下、過剰のエピクロルヒドリン等の溶剤類を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン500部を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部、メタノール10部を加え、1時間反応を行った後、油層の洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液から、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで比較用のエポキシ樹脂(EP−2)403部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は230g/eq.、軟化点58℃であった。
<耐熱性試験・難燃性試験>
前記で得られたエポキシ樹脂を表1、表2の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、硬化性樹脂組成物を得た。この硬化性樹脂組成物をミキサーにて粉砕し、更にタブレットマシーンにてタブレット化した。このタブレット化された硬化性樹脂組成物をトランスファー成型(175℃×60秒)し、更に脱型後160℃×2時間+180℃×6時間の条件で硬化、評価用試験片を得た。 なお、硬化物の物性は以下の要領で測定した。
・耐熱性(DMA)
動的粘弾性測定器:TA−instruments、DMA−2980
測定温度範囲:−30〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)
Tg:Tan−δのピーク点をTgとした
Claims (9)
- バイノールとビフェニル化合物との反応により得られるフェノール樹脂のうち、バイノールとビフェニル化合物の仕込比が2:1〜11:1である請求項1または請求項2に記載のフェノール樹脂。
- 前記式(2)で表されるバイノールをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定において10〜90面積%含有している請求項2または請求項3に記載のフェノール樹脂。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂とエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項5に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/または硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項5に記載のエポキシ樹脂と重合触媒を含有するエポキシ樹脂組成物。
- 請求項6及至請求項8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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- 2014-12-01 JP JP2014242827A patent/JP6403554B2/ja active Active
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