JP2015127670A - 応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラム - Google Patents

応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エルボを対象とし、評価部位における応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムを提供することを目的とする。【解決手段】半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材10の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボ1の応力推定方法であって、複数のエルボ1に対し、エルボ1の評価部位におけるエルボ1の断面形状を特定し、断面形状に基づき評価部位の扁平率をエルボ1の溶接部30を含む外径と該外径に直交する外径との差分から算出し、断面形状に基づき評価部位の局所扁平度をエルボ1の溶接部30中央で周方向に直交する溶接部直交直線と、エルボ1の外周上の2つの隣り合う計測点を通る直線であって溶接部直交直線に対して周方向に相対する2つの直線とがそれぞれなす角の差分の絶対値から算出し、扁平率および局所扁平度に基づき評価部位に作用する応力の推定値を算出する応力推定方法。【選択図】図1

Description

本発明は、応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムに関し、より具体的にはエルボに対する応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムに関するものである。
火力プラントなどにおいて、液体・気体・紛体などの流体を輸送するために配管が設置される。配管には直管とエルボがあり、直管は空間設計により様々な曲げ率を持つエルボによって接続されている。よって、1のプラントにおいてエルボは複数設置されている。
特に、火力プラントや原子力発電設備などでは配管およびエルボは高温(クリープ温度域)かつ高圧下で外力を受けながら長時間にわたって使用されるため、クリープ損傷が進行してボイド(空孔)が発生し、さらに発生したボイドの連結によってき裂が生じ、最終的に破断に至る場合がある。特に、配管およびエルボが溶接により形成されている場合、その溶接部分は母材と比較してクリープ損傷の進行が早いため、クリープボイドは溶接部分の近傍に発生しやすい。
火力プラントにおいて、き裂や破断に至る前の配管およびエルボの交換の需要は高く、その交換指標となる寿命評価方法が種々提案されている。
例えば特許文献1には、断面形状、寿命消費率および損傷状態から配管溶接部の寿命を評価する方法が開示されている。また、特許文献2には、配管の溶接近傍部の歪みを計測することで、その歪み情報から余寿命を推定する方法が開示されている。
特開2010−236941号公報 特開2013−117485号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明は、配管、特に直管を対象とした寿命の評価方法であるため、エルボについての十分な考慮がなされていないという問題があった。
また、上記特許文献2に開示された発明では、歪みセンサによって測定された歪み情報にて余寿命を推定するため、全てのエルボに対して歪みセンサの設置が必須となり、その作業は煩雑である。
また、上記特許文献1及び2に開示された精密な検査方法は、どのエルボを優先的に検査していくべきか、その基準が定まっていないため、寿命が近いなどの優先すべきエルボの検査が後回しにされる可能性がある。また全てのエルボについて検査を行うことになるため、検査の必要がないエルボに対しても精密な検査を行わなければならない。
溶接して形成されたエルボでは、溶接部分の近傍が最大応力となることがわかっている。応力が高い箇所は寿命が短いことから、このエルボにおける溶接部分の近傍の応力を求めることはすなわちエルボの寿命を推定することにつながる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エルボを対象とし、評価部位における応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムは以下の手段を採用する。
半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定方法であって、複数の前記エルボに対し、前記エルボの評価部位における前記エルボの断面形状を特定し、前記断面形状に基づき前記評価部位の扁平率を前記エルボの溶接部を含む外径と該外径に直交する外径との差分から算出し、前記断面形状に基づき前記評価部位の前記局所扁平度を前記エルボの溶接部中央で周方向に直交する溶接部直交直線と、前記エルボの外周上の2つの隣り合う計測点を通る直線であって前記溶接部直交直線に対して周方向に相対する2つの直線とがそれぞれなす角の差分の絶対値から算出し、前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出することを特徴とする応力推定方法を採用する。
本発明によれば、溶接して形成されたエルボの評価部位における断面形状と扁平率と局所扁平度に基づいて評価部位に作用する応力を推定することから、エルボの不連続な断面において最も大きな応力となる最大応力を推定することができる。
また断面形状は、外形計測という簡易な計測方法で算定が可能である。エルボ内部を流れる流体が外部に影響を及ぼさない場合は、外形計測であることから検査のために流体の輸送を停止する必要がない。
上記発明において、前記エルボについて算出された前記評価部位に作用する前記応力の前記推定値にもとづき、前記エルボの溶接部の推定寿命を評価するとしてもよい。
本発明によれば、エルボについて算出された評価部位に作用する応力の推定値にもとづき、エルボの溶接部の推定寿命を評価することから、外形計測という簡易的な方法によってエルボの寿命を推定することができる。また、例えばプラントにおいて複数存在するエルボについて寿命を推定し、これを比較することで、精密検査を行う前に優先的に検査を行うべきエルボを簡易的な方法によって前もって選定することができ、精密検査に必要な時間や人的資源などを抑えることができる。また、破損などの恐れの無いエルボに対して不要な精密検査を行わずに済むとともに、寿命の短い精密検査の優先度の高いエルボの検査が延期され検査前に破損などが発生するのを防ぐことができる。さらに、優先検査エルボを選定することで、精密検査を行う場合の検査計画の策定基準とすることができる。
上記発明において、前記エルボの溶接部の推定寿命は、あらかじめ得ておいた前記応力と前記エルボの溶接部の破断までの時間との関係に対し、前記評価部位に作用する前記応力の前記推定値を適用することで得られるとしてもよい。
本発明によれば、エルボの溶接部の寿命が、あらかじめ得ておいた応力とエルボの溶接部の破断までの時間との関係に対し、評価部位に作用する応力の推定値を適用することで得られることから、事前に応力と寿命との関係を得ておくことでエルボの溶接部の寿命が容易に評価可能である。また、応力を算出するだけでエルボの溶接部の寿命が得られるため、寿命を算出するための精密検査に必要な時間や人的資源などを抑えることができる。
本発明は、半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定システムであって、エルボの断面形状の特定と、前記断面形状に基づき前記エルボの評価部位の扁平率および局所扁平度の算出を行う算出部と、算出された前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出する推定部と、を備え、上記いずれかに記載の応力推定方法を用いた応力推定システムを採用する。
本発明によれば、溶接して形成されたエルボの評価部位における断面形状と扁平率と局所扁平度に基づいて評価部位に作用する応力を推定する方法を用いたシステムであることから、エルボの不連続な断面において最も大きな応力となる最大応力を推定することができる。
また断面形状は、外形計測という簡易な計測方法で算定が可能である。エルボ内部を流れる流体が外部に影響を及ぼさない場合は、外形計測であることから検査のために流体の輸送を停止する必要がない。
本発明は、半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定プログラムであって、複数の前記エルボに対し、前記エルボの評価部位における前記エルボの断面形状を特定する処理と、前記断面形状に基づき前記評価部位の扁平率を前記エルボの溶接部を含む外径と該外径に直交する外径との差分から算出する処理と、前記断面形状に基づき前記評価部位の前記局所扁平度を前記エルボの溶接部中央で周方向に直交する溶接部直交直線と、前記エルボの外周上の2つの隣り合う計測点を通る直線であって前記溶接部直交直線に対して周方向に相対する2つの直線とがそれぞれなす角の差分の絶対値から算出する処理と、前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出する処理と、をコンピュータに実行させるための応力推定プログラムを採用する。
本発明によれば、溶接して形成されたエルボの評価部位における断面形状と扁平率と局所扁平度に基づいて評価部位に作用する応力を推定することから、エルボの不連続な断面において最も大きな応力となる最大応力を推定することができる。
また断面形状は、外形計測という簡易な計測方法で算定が可能である。エルボ内部を流れる流体が外部に影響を及ぼさない場合は、外形計測であることから検査のために流体の輸送を停止する必要がない。
本発明によれば、エルボに対し断面形状などに基づき評価部位に作用する応力を推定するので、エルボの不連続な断面において最も大きな応力となる最大応力を推定することができる。
本発明の一実施形態にかかる溶接前および溶接後のエルボの形状を示した斜視図である。 本発明の一実施形態にかかるエルボの横断面図である。 本発明の一実施形態にかかるエルボの評価部位における溶接部近傍の横断面図である。 本発明の一実施形態にかかるTOFD法にかかる説明図である。 本発明の一実施形態にかかるエルボの評価部位における溶接部近傍の計測点を含めた横断面図である。 本発明の一実施形態にかかるエルボの等価一定応力のFEM解析結果と推定値を比較したグラフである。 本発明の一実施形態にかかるエルボのクリープ破断曲線のグラフである。 本発明の一実施形態にかかるエルボのクリープき裂発生寿命のFEM解析結果と推定値を比較したグラフである。
以下に、本発明に係る応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかるエルボの斜視図を示している。図1(A)が溶接前、図1(B)が溶接後の形状を示している。エルボ1は、図1(A)に示すように、母材10が半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工されており、図1(B)に示すように、各母材の端部を溶接金属を用いて長手方向に溶接(溶接部30)して形成されたものである。
図2は、本実施形態にかかるエルボ1の横断面図を示している。
エルボ1の評価部位の周方向断面形状(以下、「周方向断面」を「断面」といい、「周方向断面形状」を「断面形状」という)を評価するにあたり、評価部位の外径及び管厚の寸法を計測する。評価対象のエルボ1は、鋼板にプレス加工等によって曲げ加工が施され長手方向に溶接されたものであることから、曲げ加工や溶接の精度を考慮するとエルボ1の断面形状は真円にはならず、扁平する(楕円状になる)場合が多い。このため、評価部位の同一断面において、同一円周上の複数箇所で計測した外径は、計測箇所によってその外径値が異なる。従って、エルボ1の評価部位における溶接部30近傍の断面形状を判定するには、具体的には、評価部位の同一断面の同一円周上において、少なくとも2箇所以上の外径を計測する必要がある。この外径を計測する箇所の外周上の各点を、計測点5とする。
評価部位における断面同一円周上の2箇所の外径を計測して形状を判定する場合は、例えば、図1に示すように、この円周の仮想中心と長手方向の溶接部付近とを通る外径Daと、この外径からずれた任意の位置での外径Dbを計測し、これら2つの計測値を比較する。なお、必要に応じて、例えば図2に示すように、エルボ1の外径を所定の角度毎に(例えば、5°ピッチ)全周に亘って計測し、その結果を実測値として設計値からの誤差を評価することで、断面形状を評価してもよい。
ここで、断面形状を評価する断面は、エルボ1の中央部分にとるものとする。例えばエルボ1の長手方向の曲げ角度が90°の場合は、45°の地点の断面形状を計測する。これは、エルボ1の中央部分の応力が最も高い、すなわち最も寿命が短いためである。
次に、評価部位の溶接部30の形状を計測する。溶接部30の形状を計測するために、例えば、Phased Array法によるTOFD(Time of Flight Diffraction Technique)法などを用いることが出来る。本実施形態においては、Phased Array法によるTOFD法を用いて溶接部30の形状を計測するために、熱影響部20の形状を計測する。
図3は、本実施形態にかかるエルボ1の評価部位における溶接部近傍の横断面図を示している。図3に示すように、各母材10が溶接金属によって溶接部30にて接続されている。この時、母材10の端部は、溶接の際の熱により影響を受けた熱影響部20となっている。特に溶接製エルボについては、この熱影響部20にクリープボイドが発生する傾向にある。
TOFD法は、図4に示すように、同一の超音波特性を持つ2つの縦波斜角探触子をそれぞれ送信探触子21と受信探触子22として、エルボ1の外表面の周方向に沿った位置に、エルボ1の熱影響部20を挟んで等距離に載置し、送信探触子21によりエルボ1内に超音波25を発信させ、受信探触子22により熱影響部20からの回折波26を受信させて検出することによりエルボ1内の熱影響部20の形状を検出する方法である。
具体的には、送信探触子21によりエルボ1内に超音波25を発信させ、受信探触子22により熱影響部20からの回折波26を受信させて検出した結果、熱影響部20を検出しない場合には、受信される信号はエルボ1の表面を伝播する表面透過波27と底面反射波28のみであるが、熱影響部20を検出した場合には、表面透過波27と底面反射波28との間にさらに熱影響部20の回折波26が得られる。そして、送信探触子21と受信探触子22との距離Dが一定であることから、各々の伝播時間を読み取ることにより、熱影響部20の形状を幾何学的に求め、溶接部30の形状を求める。
以上、断面形状の評価、及び溶接部30の形状の計測により、エルボ1の断面形状が特定される。
この特定された断面形状から実機形状を再現し、その扁平率と局所扁平度を求める。
評価部位における断面同一円周上の真円からの扁平の度合いを計測して形状を判定する場合は、図2に示すようにこの円周の仮想中心と長手方向の各溶接部30付近とを通る外径φ1と、この外径φ1に直交する位置での外径φ2を計測し、これら2つの計測値を比較する。この評価部位における断面同一円周上の真円からの扁平の度合いを扁平率とする。扁平率は以下の式(1)で表される。
[数1]
(φ1−φ2)/φ1×100・・・(1)
また、溶接して形成されたエルボ1は、各母材10を溶接部30にて接続しているが、溶接の精度によりその母材10同士に周方向に直交する向きにずれが生じている。この評価部位の断面同一円周上における各母材10の溶接部30近傍のずれを局所扁平度とし、計測する。
局所扁平度の計測には、図2に示されるように、全周にわたるエルボ1の所定の角度毎(例えば5°ピッチ)の計測点5における外径および肉厚の計測が必要である。図5には、本実施形態にかかる評価部位における溶接部近傍の計測点を含めた横断面図が示されている。図5に示すように、エルボ1の外径および肉厚を計測する計測点5A、5B、5C及び5Dがエルボ1の外表面の周方向に沿って5°ピッチで設定されている。これら計測点5毎にエルボ1の外径が計測される。
また、各計測点5から肉厚を考慮して計測点5A、5B、5C及び5Dに対し、それぞれ内径位置7A、7B、7C及び7Dが設定される。これら各内径位置7を結ぶことで、エルボ1の内径が推測可能である。
以下の説明において、各計測点5及び各内径位置7を区別する場合は、末尾にA〜Dのいずれかを付し、各計測点5及び各内径位置7を区別しない場合は、A〜Dを省略する。
ここで、計測点5A及び5Bは、評価部位における各溶接部30の中央と評価部位における断面同一円周の仮想中心とを結ぶ周方向と直交する直線Rに対して、計測点5D及び5Cと周方向に相対する位置に設定されている。
よって、計測点5Aと5Bとを結ぶ直線L1と溶接部30の中央を通り周方向と直交する直線Rとがなす角θ1と、計測点5D及び5Cとを結ぶ直線L2と溶接部30の中央を通り周方向と直交する直線Rとがなす角θ2との差分から、各母材10の溶接部30近傍のずれ、すなわち局所扁平度を求めることができる。
局所扁平度は以下の式(2)で表される。
[数2]
|θ1−θ2|・・・(2)
次に、各エルボ1を対象に、FEM(Finite Element Method/有限要素法)クリープ解析を実施し、各エルボ1の等価一定応力のFEMクリープ解析結果を求める。このFEMクリープ解析結果は、後に述べる各エルボ1の等価一定応力の推定値との比較のために求めるものである。
また、各エルボ1の評価部位における等価一定応力と公称応力の比と、扁平率および局所扁平度の関係を最小二乗法に基づき求める。等価一定応力と公称応力の比と、扁平率および局所扁平度の関係、すなわち等価一定応力の推定値の推定式は以下の式(3)で表される。
[数3]
等価一定応力/公称応力=A×扁平率+B×局所扁平度+1・・・(3)
ここで、公称応力は部材における平均的な応力を示し、以下の式(4)で表される。
[数4]
{(P×R)/2t}×{(2R−R)/(R−R)}・・・(4)
式(4)において、Pはエルボ1の内圧、Rはエルボ1の断面形状の平均半径、tはエルボ1の母材10の肉厚、Rはエルボ1の断面中心に基づく曲げ半径である。
よって、FEMクリープ解析から求めた等価一定応力の解析値、式(4)で求めた公称応力、および断面形状から求めた扁平率および局所扁平度から対象のエルボ1について式(3)の係数A及びBが算出される。さらに、係数A及びBを適用した式(3)に対し、式(1)及び(2)で求めた各計測点5における扁平率および局所扁平度と公称応力を適用することで、対象のエルボ1の等価一定応力の推定値が導出される。
図6には、本実施形態にかかる等価一定応力の予測傾向を表したグラフが示されている。
図6において、縦軸はエルボ1の評価部位における等価一定応力の推定値、横軸はエルボ1の評価部位におけるFEMクリープ解析での等価一定応力の解析結果の値を示す。また実線は、FEMクリープ解析での解析結果と等価一定応力の推定値とが等しい場合、すなわち誤差の無い場合を示している。よって、実線に近づくほど推定値が実際の値に近く精度が高いことを示し、実線から離れるほど推定値が実際の値とはかけ離れていることを示す。また各点線は、解析結果と推定値との誤差がそれぞれ5%の範囲を示している。
各エルボ1における、FEMクリープ解析から求めた等価一定応力の解析結果と、式(3)から求められた等価一定応力の推定値とを比較した。比較した結果はグラフ上の各記号で示されている。
図6に示されるように、各エルボ1におけるFEMクリープ解析から求めた等価一定応力の解析結果と、式(3)から求められた等価一定応力の推定値とは、誤差が少なくほぼ5%の誤差の範囲内であることがわかる。よって、扁平率および局所扁平度を用いた式(3)によって求められるエルボ1の等価一定応力の推定値は、高い精度で推定されるといえる。
また、あらかじめ応力とその応力によってクリープ破断が発生するまでの時間との関係から、図7に示すようなクリープ破断曲線を得ておくことができる。
図7において、縦軸は応力、横軸はその応力に対してクリープ破断が発生する時間を示す。応力が高いほどクリープ破断までの時間すなわち寿命が短いことから、クリープ破断曲線は右下がりの曲線となる。
このクリープ破断曲線に対し、式(3)から求められた等価一定応力の推定値を適用し、該当するき裂発生寿命を求めることができる。例えば、等価一定応力の推定値がSの場合、その時のき裂発生寿命はクリープ破断曲線からLであると求めることができる。
図8には、本実施形態にかかるき裂発生寿命の予測傾向を表した両対数グラフが示されている。
図8において、縦軸はエルボ1の評価部位におけるき裂発生寿命の推定値、横軸はエルボ1の評価部位におけるFEMクリープ解析の解析結果を図7のクリープ破断曲線に適用し求めたエルボ1の評価部位におけるき裂発生寿命を示す。
また実線は、FEMクリープ解析での解析結果から求めたき裂発生寿命とき裂発生寿命の推定値とが等しい場合、すなわち誤差の無い場合を示している。よって、実線に近づくほど推定値が実際の値に近く精度が高いことを示し、実線から離れるほど推定値が実際の値とはかけ離れていることを示す。また各点線は、解析結果と推定値との誤差がそれぞれ5%の範囲を示している。
各エルボ1における、FEMクリープ解析の解析結果から求めたき裂発生寿命と、推定式から求められたき裂発生寿命の推定値とを比較した。比較した結果はグラフ上の各記号で示されている。また、図6の各記号と図8の各記号は対応しており、それぞれ同一のエルボ1に対する値を示している。
図8に示されるように、各エルボ1におけるFEMクリープ解析の解析結果から求めたき裂発生寿命と、き裂発生寿命の推定値とは、誤差が少なくほぼ5%の誤差の範囲内であることがわかる。よって、等価一定応力の推定値をクリープ破断曲線に適用して求められるき裂発生寿命の推定値は、高い精度で推定されるといえる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る応力推定方法、応力推定システムおよび応力推定プログラムによれば、溶接して形成されたエルボ1の評価部位における断面形状と扁平率と局所扁平度に基づいて評価部位に作用する応力を推定することから、エルボ1の不連続な断面において最も大きな応力となる最大応力を推定することができる。
また断面形状は、外形計測という簡易な計測方法で算定が可能である。エルボ1内部を流れる流体が外部に影響を及ぼさない場合は、外形計測であることから検査のために流体の輸送を停止する必要がない。
また、エルボ1について算出された応力にもとづき、エルボ1の溶接部30の推定寿命を評価することから、外形計測という簡易的な方法によってエルボ1の寿命を推定することができる。また、例えばプラントにおいて複数存在するエルボ1について寿命を推定し、これを比較することで、精密検査を行う前に優先的に検査を行うべきエルボ1を簡易的な方法によって前もって選定することができ、精密検査に必要な時間や人的資源などを抑えることができる。また、破損などの恐れの無いエルボ1に対して不要な精密検査を行わずに済むとともに、寿命の短い精密検査の優先度の高いエルボ1の検査が延期され検査前に破損などが発生するのを防ぐことができる。さらに、優先検査エルボ1を選定することで、精密検査を行う場合の検査計画の策定基準とすることができる。
また、エルボ1の溶接部30の寿命が、あらかじめ得ておいた応力とエルボ1の溶接部30の破断までの時間との関係に対し、評価部位の応力を適用することで得られることから、事前に応力と寿命との関係を得ておくことでエルボ1の溶接部30の寿命が容易に評価可能である。また、応力を算出するだけでエルボ1の溶接部30の寿命が得られるため、寿命を算出するための精密検査に必要な時間や人的資源などを抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
たとえば、上述した各実施形態においては母材10が左右対称であるエルボ1についての応力推定方法であるとしたが、左右が非対称である部材についての応力を推定する方法であるとしてもよい。
1 エルボ
10 母材
20 熱影響部
30 溶接部

Claims (5)

  1. 半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定方法であって、
    複数の前記エルボに対し、
    前記エルボの評価部位における前記エルボの断面形状を特定し、
    前記断面形状に基づき前記評価部位の扁平率を前記エルボの溶接部を含む外径と該外径に直交する外径との差分から算出し、
    前記断面形状に基づき前記評価部位の前記局所扁平度を前記エルボの溶接部中央で周方向に直交する溶接部直交直線と、前記エルボの外周上の2つの隣り合う計測点を通る直線であって前記溶接部直交直線に対して周方向に相対する2つの直線とがそれぞれなす角の差分の絶対値から算出し、
    前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出することを特徴とする応力推定方法。
  2. 前記エルボについて算出された前記評価部位に作用する前記応力の前記推定値にもとづき、前記エルボの溶接部の推定寿命を評価することを特徴とする請求項1に記載の応力推定方法。
  3. 前記エルボの溶接部の推定寿命は、あらかじめ得ておいた前記応力と前記エルボの溶接部の破断までの時間との関係に対し、前記評価部位に作用する前記応力の前記推定値を適用することで得られることを特徴とする請求項1または2に記載の応力推定方法。
  4. 半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定システムであって、
    エルボの断面形状の特定と、前記断面形状に基づき前記エルボの評価部位の扁平率および局所扁平度の算出を行う算出部と、
    算出された前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出する推定部と、を備え、
    請求項1から3のいずれかに記載の応力推定方法を用いた応力推定システム。
  5. 半円筒状に曲げ加工され、かつ、長手方向に曲げ加工された母材の端部を長手方向に溶接して形成された、流体を輸送するエルボの応力推定プログラムであって、
    複数の前記エルボに対し、
    前記エルボの評価部位における前記エルボの断面形状を特定する処理と、
    前記断面形状に基づき前記評価部位の扁平率を前記エルボの溶接部を含む外径と該外径に直交する外径との差分から算出する処理と、
    前記断面形状に基づき前記評価部位の前記局所扁平度を前記エルボの溶接部中央で周方向に直交する溶接部直交直線と、前記エルボの外周上の2つの隣り合う計測点を通る直線であって前記溶接部直交直線に対して周方向に相対する2つの直線とがそれぞれなす角の差分の絶対値から算出する処理と、
    前記扁平率および前記局所扁平度に基づき前記評価部位に作用する応力の推定値を算出する処理と、
    をコンピュータに実行させるための応力推定プログラム。
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