JP2015123766A - ダンプトラックおよびその荷台 - Google Patents
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Abstract
【課題】プルアウトの発生を抑止できるダンプトラックおよびその荷台を提供する。【解決手段】本発明に係るダンプトラックは、フレーム(2)と、このフレームに取り付けられ、底板(9)、両側板(8)、および前板(7)を有する略箱型の荷台(1A)と、この荷台を前記フレームに対して上下方向に回動させる油圧アクチュエータ(3)と、を備え、前記荷台の底板に、前記荷台の前後方向(XY方向)にスライドするライナー(21A)を設けたことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、土砂等の運搬対象物を運搬するダンプトラックおよびその荷台に関する。
建設機械用の大型のダンプトラックは、図20および図21で示すように、本体となるフレーム2と、土砂等の積載物を積み込むための荷台1とを備えており、フレーム2と荷台1は、油圧アクチュエータであるホイストシリンダ3、およびヒンジピン4で連結されている。ホイストシリンダ3を伸縮動作させると、荷台1がフレーム2に対してヒンジピン4を支点に上下方向に回動するようになっている。積込み時や走行時には、荷台1はフレーム2に着座しているが、荷降ろし時にはホイストシリンダ3が伸びることで、荷台1の前方部分が上方向に回動する。なお、車体前方には運転室5が設置されている。
荷台1の構造は、図21で示すように、前板7、2つの側板8、底板9、天板10で大略構成されている。運搬対象物は、主に前板7、両方の側板8、底板9で囲まれる空間とその上部に積載され、また、車体前方に設置された運転席5に積載物が落下することを防止するために天板10が設置されている。
荷降ろし時に運搬対象物が荷台1から滑り落ちることで、荷台1の各板に磨耗が生じる。この磨耗を防止するために、例えば、荷台1の底板9にボディライナー(磨耗板)を設ける技術が公知である。
特許文献1には、「底板のリア側の1/3の面上に、表面を高強度合金でコーティングした軟鋼の板材をストライプ状に溶接したボディライナーを含むダンプトラック」の構成が記載されている。
特許文献2には、「プレートをひだ状に切断し、切断した板同士の間隔をあけることで切断部であるひだ部に多数の隙間を設けた構造のボディライナーを荷台に溶接したダンプトラックであって、この隙間によって荷降ろし時に積載物がボディライナー上を滑るよりも跳ねるように排出されることでライナー自体の磨耗量を減らすことを可能とした」という記載がある。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、荷台の底板に対する磨耗の改善は図れるものの、積載物の荷降ろしをする際に、荷台の上げ動作速度が速すぎる場合や、積載物の粘性が高く荷台上げ時に積載物が1つの塊として一気に落下する場合、荷台には積載物より大きな落下エネルギーが与えられ、ホイストシリンダの衝撃的な伸び動作であるプルアウトが生じる。
プルアウトが生じた際に、ホイストシリンダがストロークエンドに到達するまでにその衝撃エネルギーを吸収できない場合には、吸収されなかった衝撃エネルギーによって車体前方が浮き上がり、その後、揺り戻しで車体全体が大きく揺れる現象が生じる。この衝撃反動により、ホイストシリンダや荷台、フレームに過大荷重がかかり寿命低下を引き起こすと同時にオペレータの乗り心地低下を招く可能性がある。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、プルアウトの発生を抑止できるダンプトラックおよびその荷台を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るダンプトラックは、フレームと、このフレームに取り付けられ、底板、両側板、および前板を有する略箱型の荷台と、この荷台を前記フレームに対して上下方向に回動させる油圧アクチュエータと、を備え、前記荷台の底板に、前記荷台の前後方向にスライドするライナーを設けたことを特徴としている。
本発明によれば、積載物の荷降ろし時において、ライナーが荷台の前後方向にスライドすることにより、積載物の滑り出しが誘発される。そのため、荷台が起き上がる途中の段階から、徐々に積載物を荷台から落下させることができる。即ち、本発明は、積載物を短期間で一気に落下させないようにすることができる。よって、本発明は、油圧アクチュエータの衝撃的に伸び動作であるプルアウトの発生を抑止することができる。そして、プルアウトの発生を抑止できるため、荷降ろし作業中にダンプトラックが大きく揺れる現象を防止でき、揺れに伴う各種部品の破損等も未然に防ぐことができる。
また、本発明は、上記構成において、前記ライナーは、複数の分割ライナーで構成され、前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向との少なくとも一方の方向に複数個並べられることを特徴としている。
本発明によれば、ライナーを複数の分割ライナーで構成することにより、例えば大きな1枚のライナーの場合に比べて、スライド動作がスムーズとなり、より確実にプルアウトの発生を抑止することができる。また、ライナーが磨耗した場合であっても、交換が必要な分割ライナーのみを交換できるため、メンテナンスコストも抑えることができる。
また、本発明は、上記構成において、前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向とのうち少なくとも前後方向に複数個並べられると共に、前記荷台の前後方向において隣り合う2つの前記分割ライナーのうち前側の前記分割ライナーの後端部が、後側の前記分割ライナーの前端部に上から被さるようにして配置されることを特徴としている。
本発明によれば、分割ライナーの一部がオーバーラップしているため、積載物が前後の分割ライナー間の隙間に積載物が入り込むことを防止できる。そのため、分割ライナーのスムーズなスライド動作を維持できるといった利点がある。
また、本発明は、上記構成において、前記複数の分割ライナーのうちの一部の分割ライナーは、残りの分割ライナーと比べて前記荷台の前後方向におけるスライド方向が異なることを特徴としている。
本発明によれば、分割ライナーのスライド方向が異なるため、積載物が異なる方向に滑り出しやすくなる。よって、プルアウトの発生をより確実に防ぐことができる。
また、本発明は、上記構成において、前記複数の分割ライナーのうちの一部の分割ライナーは、残りの分割ライナーと比べて前記荷台の前後方向におけるスライド距離が異なることを特徴としている。
本発明によれば、分割ライナーのスライド距離が異なるため、荷台の回動位置に応じた積載物の滑り出しの誘発が可能となり、プルアウトの発生をより確実に防ぐことができる。
また、本発明は、上記構成において、前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向とのうち少なくとも左右方向に複数個並べられ、前記荷台の左右方向において隣り合う2つの前記分割ライナーの間に、当該2つの分割ライナーが前記荷台の前後方向へスライドするのを案内する案内部材をさらに設けたことを特徴としている。
本発明によれば、分割ライナーのスライド動作が案内部材によって案内されているため、より確かなスライド動作を実現でき、プルアウトの発生の防止に貢献することができる。
また、本発明は、上記構成において、前記荷台の左右方向において隣り合う2つの分割ライナーの間の隙間を塞ぐシール部材をさらに設けたことを特徴としている。
本発明によれば、シール部材によって積載物が分割ライナーの隙間に入り込むことを防止できる。そのため、分割ライナーのスムーズなスライド動作を維持でき、プルアウトの発生防止にも貢献できる。
また、本発明は、上記構成において、前記荷台の左右方向において隣り合う2つの分割ライナーが対向する互いの側面には、前記案内部材が入り込むための凹部が形成されることを特徴としている。
本発明によれば、案内部材が凹部に入り込むことによって、隣り合う分割ライナーの隙間から入り込んだ積載物が、そのまま真下に落下できなくなる。これにより、分割ライナーが底板上をスライドする際に異物によってスライド動作が妨げられるといった事態は殆ど解消される。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る荷台は、ダンプトラックのフレームに取り付けられ、底板、両側板、および前板を有する略箱型の荷台であって、前記荷台の前後方向にスライドするライナーを前記底板に設けたことを特徴としている。
本発明によれば、積載物の荷降ろし時において、ライナーがダンプトラックの前後方向にスライドすることにより、積載物の滑り出しが誘発される。そのため、荷台が起き上がる途中の段階から、徐々に積載物を荷台から落下させることができる。即ち、本発明は、積載物を短期間で一気に落下させないようにすることができる。よって、本発明に係る荷台をダンプトラックのフレームに取り付ければ、ダンプトラックの油圧アクチュエータが衝撃的に伸び動作すること、即ち、プルアウトの発生を抑止することができる。そして、プルアウトの発生を抑止できるため、荷降ろし作業中にダンプトラックが大きく揺れる現象を防止でき、揺れに伴う各種部品の破損等も未然に防ぐことができる。このように、本発明に係る荷台は、ダンプトラックのプルアウト防止に好適な荷台である。
本発明によれば、ダンプトラックのホイストシリンダの衝撃的な伸び動作であるプルアウトの発生を抑止できる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明に係るダンプトラックおよび荷台を実施するための形態を図に基づいて説明する。本発明の実施形態に係るダンプトラックは、荷台の構成を除けば、全体的に従来技術と同様の構成である。そのため、ここでは、従来技術として説明した図20および図21を用いて本発明の実施形態に係るダンプトラックの全体構成を簡単に説明する。
図20に示すように、本実施形態に係るダンプトラックは、フレーム2、一対の前輪13、一対の後輪14、および荷台1Aを備えている。一対の前輪13は、フレーム2の前部の左右両端に回転可能に取り付けられている。また、一対の後輪14は、フレーム2の後部の左右両端に回転可能に取り付けられている。さらに、荷台1Aは、土砂や砕石等の積載物を積載する部分であって、フレーム2上に起伏可能に取り付けられている。
フレーム2は、いわゆる車体であって、図21に示すように、一対のフレーム材2aにて構成されている。これら一対のフレーム材2aは、前後方向に細長く延びたフレーム形状を成しており、荷台1Aがフレーム2に着座した状態では、荷台1Aの一対のレール12がちょうど一対のフレーム材2aに載置されるように構成されている。なお、レール12の底面には、緩衝材としてのゴム製のパッド15が複数個設けられている。
また、フレーム2の後部には、荷台1Aを起立又は倒伏させる(上下方向に回動させる)際の回転中心となるヒンジピン4が取り付けられている。このフレーム2のうちのヒンジピン2より前方には、このフレーム2と荷台1Aとを連結する一対のホイストシリンダ(油圧アクチュエータ)3が取り付けられている。これら一対のホイストシリンダ3は、フレーム2の前後方向の略中央部に取り付けられている。また、フレーム2の左側の前輪の上方には、オペレータが乗車する運転室であるキャブ5が設けられている。
よって、オペレータがキャブ8からホイストシリンダ7を駆動すると、荷台1Aは、ホイストシリンダ3の収縮動作に伴ってヒンジピン4を中心に下方に回動し、フレーム2に着座する倒伏姿勢となる。また、荷台1Aは、ホイストシリンダ3の伸長動作に伴ってヒンジピン4を中心に上方に回動し、積載物を放出する起立姿勢となる。
次に、本発明に係る荷台の実施形態について、第1〜第13実施形態まで例を挙げて説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一構成については同一符号を付して説明は省略する。
[第1実施形態]
図1〜図3は第1実施形態に係る荷台1Aを示す図であり、図1は荷台1Aの外観斜視図、図2は荷台1Aの平面図、図3は荷台1Aの要部断面図(A1−A1断面図)である。図1に示すように、荷台1Aは、底板(フロア)9、前板(フロント)7、および2つの側板(サイド)8により上方および後方が開放された略箱型の形状を成しており、その内部に積載物を積載するための積載部11が形成されている。なお、底板9、前板7、および側板8はそれぞれ溶接により接合されている。そして、荷台1Aは、その底板9が前方にやや下り傾斜した状態で、フレーム2に着座している(図4(a)参照)。
図1〜図3は第1実施形態に係る荷台1Aを示す図であり、図1は荷台1Aの外観斜視図、図2は荷台1Aの平面図、図3は荷台1Aの要部断面図(A1−A1断面図)である。図1に示すように、荷台1Aは、底板(フロア)9、前板(フロント)7、および2つの側板(サイド)8により上方および後方が開放された略箱型の形状を成しており、その内部に積載物を積載するための積載部11が形成されている。なお、底板9、前板7、および側板8はそれぞれ溶接により接合されている。そして、荷台1Aは、その底板9が前方にやや下り傾斜した状態で、フレーム2に着座している(図4(a)参照)。
また、前板7の上部には、略板状の天板(キャノピ)10が取り付けられている。この天板10は、前板7の上部からダンプトラックの前方上部を覆うように前方に突出させて取り付けられている。すなわち、この天板10は、フレーム2上に荷台1Aが着座する倒伏状態で、この荷台1Aからの積載物の落下によるキャブ5等の損傷を防止するために設けられている。
さらに、本実施形態に係る荷台1Aは、前後方向(図2のXY方向)にスライドするライナー21Aを底板9に設けている点に特徴がある。以下、ライナー21Aの構成について詳しく説明する。図1および図2に示すように、ライナー21Aは、1枚の平板で構成され、底板9の略後ろ半分に設けられる。
図3に示すように、ライナー21Aの前側の位置には、フロントストッパ31が、ボルトおよびナット(図示せず)によって底板9に固定されている。なお、図中の一点鎖線は、ボルトおよびナットの取付け位置である。このフロントストッパ31は、底板9に取り付けられた状態で、底板9との間にライナー21Aの板厚より僅かに大きい隙間が形成される。この隙間にライナー21Aが入り込んでライナー21Aがフロントストッパ31と当接することにより、ライナー21AのX方向へのスライドが規制される。なお、フロントストッパ31とライナー21Aとの間の隙間は、荷台1Aに積載される積載物の種類や大きさを考慮して、ライナー21Aのスライドが妨げられない程度の隙間に形成されていることは言うまでもない。
一方、ライナー21Aの後側の位置には、リアストッパ31がボルトおよびナット(図示せず)によって底板9に固定されている。なお、図中の一点鎖線は、ボルトおよびナットの取付け位置である。このリアストッパ32は、ブロック状の構造体であり、ライナー21Aがリアストッパ32の端面に当接することで、ライナー21AのY方向へのスライドを規制している。この構成により、ライナー21Aはフロントストッパ31およびリアストッパ32にXY方向の移動が規制され、XY方向に距離Lだけ底板9の面上をスライドすることができる。
なお、荷台1Aの傾斜角度が小さいときにライナー21Aのスムーズなスライドを実現するために、ライナー21Aと底板9との接触面、およびライナー21Aとフロントストッパ31との接触面の摩擦係数を小さくしておくのが好ましい。例えば、鋼製のライナー21Aの表面を低摩擦係数とするコーティングを施したり、低摩擦係数のエンジニアリングプラスチックスやFRPでライナー21Aを構成したり、接触面の間にベアリングを設置することで、ライナー21Aのスムーズなスライドを実現できる。
次に、荷台1Aの作用について図4を用いて説明する。図4(a)は、荷台1Aの着座時におけるライナー21Aおよび積載物Mの状態を示す図であり、同図(b)は荷台1Aの起立途中におけるライナー21Aおよび積載物Mの状態を示す図である。図4(a)に示すように、荷台1Aの着座時には、積載物Mがライナー21Aに上に積載されている。このとき、荷台1Aは前傾姿勢になっており、底板9の前側(図4の右側)が後側(図4の左側)より低い位置にある。そのため、ライナー21Aは、自重によりX方向にスライドし、フロントストッパ31と当接した状態に保持されている。
この状態で荷降ろしが開始されると(荷台1Aが起き上がると)、荷台1Aは徐々に傾斜角度が上昇していくが、図4(b)に示すように、底板9の前側が後側よりも高い位置にきたある傾斜角度で、底板9の上をライナー21Aが前側から後側(図中のY方向)にスライドする。このライナー21Aのスライド動作が積載物Mの滑り出しを誘発し、スライドしたライナー21Aの上部の積載物Mから落下が始まる。
これにより、荷台1Aの傾斜角度が小さい段階から徐々に積載物Mを落下させることが可能となり、短時間で大量の積載物Mが一気に落下することを防止でき、衝撃的な落下エネルギーを軽減することができる。即ち、本実施形態によれば、ホイストシリンダ3の衝撃的な伸び動作であるプルアウトが生じるのを抑止できる。
更には、積載物Mの落下エネルギーを吸収できるホイストシリンダ3のストローク量を大きくとれるようになるため、ホイストシリンダ3のシリンダがストロークエンドに到達する前に荷降ろしを完了させる、もしくはストロークエンドに到達したとしても、吸収エネルギーが大きいため、車体振動を軽減することができる。ライナー21Aと底板9との摩擦係数、およびライナー21Aとフロントストッパ31との摩擦係数を小さくすることで、これらの効果はより顕著となる。
積載物Mが荷台1Aから降ろされた後は、荷台1Aは、図4(a)に示すように、フレーム2に着座した状態に戻る。このとき、ライナー21Aも自重によってX方向にスライドしてフロントストッパ31と当接する。なお、ライナー21Aのスライドが困難である場合は、スライドを補助的にサポートするばねや駆動装置をライナー21Aと底板9との間、あるいはライナー21Aとストッパ31、32との間に設置してもよい。また、ライナー21Aのスライド量は、積載物Mの種類や積載量等に応じて適宜決定すれば良い。
なお、本実施形態では、フロントストッパ31およびリアストッパ32はボルトおよびナットで底板9に固定されているため、ライナー21Aが磨耗により交換が必要となった場合でも、ボルトおよびナットを緩めてストッパ31,32を取り外せば、簡単にライナー21Aの交換が可能であるという利点もある。即ち、本実施形態に係る荷台1Aは、メンテナンス性にも優れている。勿論、ストッパ31,32を底板9にボルト/ナット以外の固定方法を用いて固定しても良い。
[第2実施形態]
図5〜図7は第2実施形態に係る荷台1Bを示す図であり、図5は荷台1Bの平面図、図6は荷台1Bの要部断面図(A2−A2断面図)、図7は荷台1Bの要部断面図(B−B断面図)である。第2実施形態に係る荷台1Bは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図5においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図5〜図7は第2実施形態に係る荷台1Bを示す図であり、図5は荷台1Bの平面図、図6は荷台1Bの要部断面図(A2−A2断面図)、図7は荷台1Bの要部断面図(B−B断面図)である。第2実施形態に係る荷台1Bは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図5においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図5に示すように、第2実施形態に係る荷台1Bは、底板9の面上をXY方向にスライドするライナー21Bを備えている。ライナー21Bは、複数の分割ライナー22から成る。分割ライナー22は、平面視において細長い矩形体に形成され、その長手方向が底板9の前後方向を向くようにして、底板9の左右方向および前後方向に整列して配置される。そして、全ての分割ライナー22で形成される形状が、底板9の左右方向の中央部が側部より高い略ホームベース型となっている。即ち、側板8側の分割ライナー22の長さより、中央部の分割ライナーの長さの方が長くなるように構成されている。そして、各分割ライナー22は、荷台1Bの前後方向(XY方向)および左右方向へ移動が規制されながら、XY方向へスライドすることができるように構成されている。
次に、分割ライナー22と、分割ライナー22のスライドをガイドまたは規制する部材の詳細について説明する。図6に示すように、分割ライナー22は、前側と後側とにそれぞれ段差22a,22bを設けた形状であり、別言すれば、断面略クランク状に形成されている。分割ライナー22の段差22aは、分割ライナー22の下面(底板9と接触する面)から、リアストッパ32の厚みより若干大きい高さ位置に形成された段差である。
一方、分割ライナー22の段差22bは、分割ライナー22の下面からフロントストッパ31と底板9との間の隙間より若干低い高さ位置に形成された段差である。さらに、段差22bと分割ライナー22の上面(底板9と接触する面と反対側の面)とは、傾斜面22cで繋がっている。図6から明らかなように、段差22aの面は、段差22bの面より若干高い位置にある。
このように構成された分割ライナー22は、後側(図6の左側)の分割ライナー22の前端側の段差22bに対して、前側(図6の右側)の分割ライナー22の後端側の段差22aが上方から被さるようにして底板9の上に配置される。各分割ライナー22は、両者間に隙間があればそれぞれ単独でXY方向にスライド可能であるし、前側の分割ライナー22の後端部と後側の分割ライナー22の前端部とが互いに当接することにより、2つの分割ライナー22が一体的にXY方向にスライドすることもできる構成となっている。勿論、フロントストッパ31とリアストッパ32とが図6の一点鎖線の位置に図示しないボルトおよびナットでそれぞれ固定されているため、分割ライナー22のXY方向のスライドはこれらストッパ31,32によって制限されている。即ち、フロントストッパ31およびリアストッパ32は、分割ライナー22の前後方向(XY方向)のスライドを規制する部材として機能する。
さらに、分割ライナー22は、図7に示すように、底板9と接触する下面の中央に長手方向(図7の紙面に直交する方向)に沿って溝22dが形成されると共に、上面から下り傾斜する傾斜面22eと、この傾斜面22eと連続する段差22fとが左右対称に形成されている。分割ライナー22の溝22dは、底板9に設けられたガイドレール41が入り込むための凹部である。ガイドレール41が溝22dに入り込むように位置合わせして分割ライナー22をガイドレール41の上に配置することにより、分割ライナー22はガイドレール41に沿って荷台1Bの前後方向へスライド可能となる。このとき、ガイドレール41が溝22dに入り込んでいるため、荷台1Bの左右方向の移動は規制される。
また、分割ライナー22の左右の段差22fは、案内部材であるサイドストッパ33と、T型サイドストッパ34とによって、上下方向と左右方向との移動が規制されている。即ち、ストッパ33,34によって分割ライナー22の左右方向の移動が制限されると共に、荷台1Bが起き上がった状態であっても分割ライナー22が落下しないように、ストッパ33,34は段差22fの上下方向への移動を規制している。なお、サイドストッパ33およびT型サイドストッパ34は、図7の二点鎖線で示す位置で図示しないボルトおよびナットで底板9に固定されている。そのため、これらストッパ33,34を取り外せば、分割ライナー22を容易に交換することができる。なお、ライナー21Bのスムーズなスライドを実現するために、第1実施形態と同様に、摩擦面の摩擦係数を小さくしておくと良い。
次に、荷台1Bの作用について図8を用いて説明する。図8(a)は、荷台1Bの着座時における分割ライナー22および積載物Mの状態を示す図であり、同図(b)は荷台1Bの起立途中における分割ライナー22および積載物Mの状態を示す図である。図8(a)に示すように、荷台1Bの着座時には、積載物Mが分割ライナー22に上に積載されている。このとき、荷台1Bは前傾姿勢になっており、底板9の前側(図8の右側)が後側(図8の左側)より低い位置にある。そのため、各分割ライナー22は、自重によりそれぞれX方向にスライドし、フロントストッパ31と当接した状態に保持されている。
この状態で荷降ろしが開始されると(荷台1Bが起き上がると)、荷台1Bは徐々に傾斜角度が上昇していくが、図8(b)に示すように、底板9の前側が後側よりも高い位置にきたある傾斜角度で、底板9の上を各分割ライナー22が前側から後側(図中のY方向)にスライドする。この分割ライナー22のスライド動作が積載物Mの滑り出しを誘発し、スライドした分割ライナー22の上部の積載物Mから落下が始まる。ここで、各分割ライナー22は、一斉にY方向にスライドする場合もあれば、後側の分割ライナー22が前側の分割ライナー22によりも先にY方向にスライドする場合もあり得る。
これにより、荷台1Bの傾斜角度が小さい段階から徐々に積載物Mを落下させることが可能となり、短時間で大量の積載物Mが一気に落下することを防止でき、衝撃的な落下エネルギーを軽減することができる。即ち、本実施形態によれば、ホイストシリンダ3の衝撃的な伸び動作であるプルアウトが生じるのを抑止できる。
更には、積載物Mの落下エネルギーを吸収できるホイストシリンダ3のストローク量を大きくとれるようになるため、ホイストシリンダ3のシリンダがストロークエンドに到達する前に荷降ろしを完了させる、もしくはストロークエンドに到達したとしても、吸収エネルギーが大きいため、車体振動を軽減することができる。なお、各分割ライナー22と底板9との摩擦係数、分割ライナー22と各ストッパ31,32,33,34との摩擦係数、および分割ライナー22とガイドレール41との摩擦係数を小さくすることで、これらの効果はより顕著となる。
積載物Mが荷台1Bから降ろされた後は、荷台1Bは、図8(a)に示すように、フレーム2に着座した状態に戻る。このとき、各分割ライナー22も自重によってそれぞれX方向にスライドしてフロントストッパ31と当接する。なお、分割ライナー22のスライドが困難である場合は、スライドを補助的にサポートするばねや駆動装置を分割ライナー22と底板9との間、あるいは分割ライナー22と各ストッパ31,32,33,34との間に設置してもよい。
また、分割ライナー22のスライド量は、積載物Mの種類や積載量等に応じて適宜決定すれば良い。また、各分割ライナー22のスライドが一斉に開始するような構造としても良いし、例えば底板9との摩擦係数を変えるなどして、複数の分割ライナー22のうちの一部の分割ライナー22がそれ以外の分割ライナー22と比べてスライドを開始するタイミングが早くなる、あるいは遅くなるようにしても良い。なお、XY方向へのスライドを実現するだけであれば、ガイドレール41および溝22dは設けなくても良い。
[第3実施形態]
図9は第3実施形態に係る荷台1Cを示す平面図である。第3実施形態に係る荷台1Cは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図9においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図9は第3実施形態に係る荷台1Cを示す平面図である。第3実施形態に係る荷台1Cは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図9においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図9に示すように、第3実施形態に係る荷台1Cは、複数の分割ライナー22で構成されるライナー21Cが底板9に対してXY方向にスライドするように取り付けられている。具体的には、分割ライナー22のそれぞれ長手方向が底板9の前後方向を向くようにして、底板9に並べて配置される。そして、ライナー21Cの全体形状が略M字型となるように構成されている。即ち、底板9の中央が両側部より分割ライナー22の高さが低い構成となっている。この構成によっても、各分割ライナー22がXY方向にスライドすることにより、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。
[第4実施形態]
図10は第4実施形態に係る荷台1Dを示す平面図である。第4実施形態に係る荷台1Dは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図10においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図10は第4実施形態に係る荷台1Dを示す平面図である。第4実施形態に係る荷台1Dは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図10においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図10に示すように、第4実施形態に係る荷台1Dでは、同じ大きさの分割ライナー22が荷台1Dの前後方向および左右方向に並べられ、ライナー21Dの全体が略長方形状を成している。そして、各分割ライナー22がXY方向にスライドするようになっている。別言すれば、第4実施形態に係るライナー21Dは、第1実施形態に係るライナー21A(図2参照)を縦と横に複数個分割した構成である。この構成によっても、各分割ライナー22がXY方向にスライドすることにより、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。
[第5実施形態]
図11は第5実施形態に係る荷台1Eを示す平面図である。第5実施形態に係る荷台1Eは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図11においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図11は第5実施形態に係る荷台1Eを示す平面図である。第5実施形態に係る荷台1Eは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図11においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図11に示すように、第5実施形態に係る荷台1Eでは、複数の分割ライナー22が、それぞれ長手方向が荷台1Eの左右方向を向くようにして底板9に設けられる。そして、ライナー21Eは、全体としてホームベース型に形成されている。分割ライナー22の向きは上記した実施形態と異なるが、各分割ライナー22のスライドする方向は上記した実施形態と同様にXY方向である。この構成によっても、各分割ライナー22がXY方向にスライドすることにより、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。
[第6実施形態]
図12は第6実施形態に係る荷台1Fを示す平面図である。第6実施形態に係る荷台1Fは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図5においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図12は第6実施形態に係る荷台1Fを示す平面図である。第6実施形態に係る荷台1Fは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図5においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図12に示すように、第6実施形態に係る荷台1Fでは、複数の分割ライナー22が、それぞれ長手方向が荷台1Fの前後方向を向くようにして底板9に設けられる。さらに、分割ライナー22の前側に、固定ライナー23が設けられる。分割ライナー22はXY方向にスライドするが、固定ライナー23は底板9に溶接により固定される。即ち、第6実施形態に係るライナー21Fは、スライド式の分割ライナー22と固定ライナー23とを組み合わせた構成である。この構成によっても、各分割ライナー22がXY方向にスライドすることにより、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。
[第7実施形態]
図13は第7実施形態に係る荷台1Gを示す平面図である。第7実施形態に係る荷台1Gは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図13においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図13は第7実施形態に係る荷台1Gを示す平面図である。第7実施形態に係る荷台1Gは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図13においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図13に示すように、第7実施形態に係る荷台1Gでは、分割ライナー22を荷台1Gの前後方向および左右方向に並べて、ライナー21Gの全体が略ホームベース型を成すように底板9に設けられている。そして、各分割ライナー22のスライド方向が異なる点に本実施形態の特徴がある。具体的には、左側の3列の分割ライナー22は、スライド方向が荷台1Gの前後方向に対してやや右斜めの方向となるX1−Y1方向であり、中央の3列の分割ライナー22は、荷台1Gの前後方向に沿ったXY方向であり、右側の3列の分割ライナー22は、荷台1Gの前後方向に対してやや左斜めの方向となるX2−Y2方向である。
この構成によれば、ライナー21Gが全体的に荷台1Gの略前後方向にスライドするので、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。さらに、本実施形態では、荷台1Gの中央部の分割ライナー22はXY方向に、荷台1Gの左側板8近傍の分割ライナー22はX1−Y1方向に、荷台1Gの右側板8近傍の分割ライナー22はX2−Y2方向に、それぞれスライドする。そのため、両側板8と底板9との接合部(隅部)に積載物(土砂等)が固着しにくいといった利点もある。
[第8実施形態]
図14は第8実施形態に係る荷台1Hを示す平面図である。第8実施形態に係る荷台1Hは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図14においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図14は第8実施形態に係る荷台1Hを示す平面図である。第8実施形態に係る荷台1Hは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図14においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図14に示すように、第8実施形態に係る荷台1Hでは、分割ライナー22を荷台1Hの前後方向および左右方向に並べて、ライナー21Hの全体が略ホームベース型を成すように底板9に設けられている。そして、各分割ライナー22のスライド方向が異なる点に本実施形態の特徴がある。具体的には、左側の3列の分割ライナー22は、スライド方向が荷台1Hの前後方向に対してやや左斜めの方向となるX2−Y2方向であり、中央の3列の分割ライナー22は、荷台1Hの前後方向に沿ったXY方向であり、右側の3列の分割ライナー22は、荷台1Hの前後方向に対してやや右斜めの方向となるX1−Y1方向である。
この構成によれば、ライナー21Hが全体的に荷台1Hの略前後方向にスライドするので、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。さらに、本実施形態では、荷台1Hの中央部の分割ライナー22はXY方向に、荷台1Hの左側板8近傍の分割ライナー22はX2−Y2方向に、荷台1Hの右側板8近傍の分割ライナー22はX1−Y1方向に、それぞれスライドする。そのため、両側板8と底板9との接合部(隅部)に積載物(土砂等)が固着しにくいといった利点もある。
[第9実施形態]
図15は第9実施形態に係る荷台1Iを示す平面図である。第9実施形態に係る荷台1Iは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図15においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図15は第9実施形態に係る荷台1Iを示す平面図である。第9実施形態に係る荷台1Iは、ライナーの構成が上記実施形態と相違するが、その他の構成は基本的に同じである。なお、図15においてストッパ31,32,33,34は図示していない。
図15に示すように、第9実施形態に係る荷台1Iでは、同じ大きさの分割ライナー22を荷台1Iの前後方向および左右方向に並べて、ライナー21Iの全体が略長方形状を成すよう底板9に設けられている。そして、各分割ライナー22がXY方向にスライドするようになっている。さらに、本実施形態では、前側の分割ライナー22と後側の分割ライナー22とは、スライド方向は同じであるが、スライド距離が異なる点に特徴がある。具体的には、前側の分割ライナー22はスライド距離がL1であるのに対して、後側の分割ライナー22はスライド距離がL1より大きいL2となっている。
この構成によれば、各分割ライナー22がXY方向にスライドすることにより、上記した各実施形態と同様に、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生を防止できるなどの効果を奏し得る。さらに、後側の分割ライナー22の方が前側の分割ライナー22よりスライド距離が大きいため、荷降ろし時に積載物を徐々に崩しながら放出させることができる。即ち、積載物が一気に落下しにくくなる。そのため、ホイストシリンダ3のプルアウトの発生をより一層防止できる。なお、本実施形態では、前側の分割ライナー22のスライド距離より後側の分割ライナー22のスライド距離を大きく設定したが、その逆にしても良い。
[第10実施形態]
図16は第10実施形態に係る荷台1Jの要部を示す断面図(図5のA2−A2に相当する断面図)である。第10実施形態に係る荷台1Jでは、分割ライナー22同士をワイヤ等の連結体52で繋いでいる点、およびフロントストッパ31とリアストッパ32とにゴム等の緩衝材51を設けている点に特徴がある。この構成によれば、上記した各実施形態と同様の効果を奏するうえ、さらに、分割ライナー22がストッパ31,32と衝突した際の衝撃を緩衝材51によって緩和させ、破損等を防止できる効果や、複数の分割ライナー22を連結体52によって同時にスライドさせることができるという効果をも奏し得る。
図16は第10実施形態に係る荷台1Jの要部を示す断面図(図5のA2−A2に相当する断面図)である。第10実施形態に係る荷台1Jでは、分割ライナー22同士をワイヤ等の連結体52で繋いでいる点、およびフロントストッパ31とリアストッパ32とにゴム等の緩衝材51を設けている点に特徴がある。この構成によれば、上記した各実施形態と同様の効果を奏するうえ、さらに、分割ライナー22がストッパ31,32と衝突した際の衝撃を緩衝材51によって緩和させ、破損等を防止できる効果や、複数の分割ライナー22を連結体52によって同時にスライドさせることができるという効果をも奏し得る。
[第11実施形態]
図17は第11実施形態に係る荷台1Kの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第11実施形態に係る荷台1Kでは、分割ライナー122の両側面に凹部122cが形成され、隣り合う2つの分割ライナーの凹部122cによって断面が扁平な楕円形状の空間が形成されるよう構成される。そして、この空間にT型サイドストッパ36が配置されている。また、左右方向の端に位置する分割ライナー122は、サイドストッパ35によって左右方向の移動が規制されている。こうして、各分割ライナー122はガイドレール42によって案内され、かつ、案内部材であるサイドストッパ35およびT型サイドストッパ36によって荷台1Kの左右方向への移動が規制されながら、荷台1Kの前後方向(図17において紙面に直交する方向)にスライドする。なお、ガイドレール42は頂部が曲面で形成されている点において、上記したガイドレール41と構成が相違する。
図17は第11実施形態に係る荷台1Kの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第11実施形態に係る荷台1Kでは、分割ライナー122の両側面に凹部122cが形成され、隣り合う2つの分割ライナーの凹部122cによって断面が扁平な楕円形状の空間が形成されるよう構成される。そして、この空間にT型サイドストッパ36が配置されている。また、左右方向の端に位置する分割ライナー122は、サイドストッパ35によって左右方向の移動が規制されている。こうして、各分割ライナー122はガイドレール42によって案内され、かつ、案内部材であるサイドストッパ35およびT型サイドストッパ36によって荷台1Kの左右方向への移動が規制されながら、荷台1Kの前後方向(図17において紙面に直交する方向)にスライドする。なお、ガイドレール42は頂部が曲面で形成されている点において、上記したガイドレール41と構成が相違する。
さらに、本実施形態では、隣り合う分割ライナー122の隙間を埋めるように、例えば硬質なゴム製のシート61が設けられている。このシート61は、隣り合う分割ライナー122のうちの一方にのみ接着により固定されている。そのため、一方の分割ライナー122のみがスライドする場合も、シート61によってスライド動作が妨げられることはない。勿論、複数の分割ライナー122が同時にスライドする構成にすれば、シート61は隣り合う分割ライナー122の両方に固定することもできる。
この構成によれば、上記した各実施形態と同様の効果を奏するうえ、さらに、サイドストッパ35,36は分割ライナー122の凹部122cに収容されているため、土砂等の積載物によってサイドストッパ35,36が磨耗することが低減される。加えて、シート61があることで、隣り合う分割ライナー122間の隙間に積載物が入り込むことを防止することができる。そのため、サイドストッパ35,36と分割ライナー122とが摺動する部分の磨耗は大幅に低減される。
[第12実施形態]
図18は第12実施形態に係る荷台1Lの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第12実施形態に係る荷台1Lでは、第11実施形態と比べて、ガイドレール42の本数が異なる以外は、同じ構成である。この構成であっても、上記した各実施形態と同様の効果を奏し得る。
図18は第12実施形態に係る荷台1Lの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第12実施形態に係る荷台1Lでは、第11実施形態と比べて、ガイドレール42の本数が異なる以外は、同じ構成である。この構成であっても、上記した各実施形態と同様の効果を奏し得る。
[第13実施形態]
図19は第13実施形態に係る荷台1Mの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第13実施形態に係る荷台1Mは、サイドストッパの構造に特徴がある。図19に示すように、T型サイドストッパ36は、上面が平坦な断面略T字形状で構成される。このT型サイドストッパ36が分割ライナー122の凹部122cに入り込むことにより、T型サイドストッパ36と分割ライナー122の凹部122cとの間の隙間CLは、図19に示す断面において円弧状に形成されている。そのため、仮に、積載物が2つの分割ライナー122の間の隙間から入り込んできても、隙間CLが円弧状に形成されているため、積載物が底板9と分割ライナー122との間にまで入り込むことは殆どない。よって、分割ライナー122のスムーズなスライド動作を長期間に亘って維持できる。
図19は第13実施形態に係る荷台1Mの要部を示す断面図(図5のB−Bに相当する断面図)である。第13実施形態に係る荷台1Mは、サイドストッパの構造に特徴がある。図19に示すように、T型サイドストッパ36は、上面が平坦な断面略T字形状で構成される。このT型サイドストッパ36が分割ライナー122の凹部122cに入り込むことにより、T型サイドストッパ36と分割ライナー122の凹部122cとの間の隙間CLは、図19に示す断面において円弧状に形成されている。そのため、仮に、積載物が2つの分割ライナー122の間の隙間から入り込んできても、隙間CLが円弧状に形成されているため、積載物が底板9と分割ライナー122との間にまで入り込むことは殆どない。よって、分割ライナー122のスムーズなスライド動作を長期間に亘って維持できる。
積載物が底板9と分割ライナー122との間により一層入り込みにくくするために、本実施形態では、さらに、Y型サイドストッパ37を採用している。このY型サイドストッパ37は、図19に示すように、上面に凹部37aが形成された断面略Y字形状で構成される。仮に積載物が2つの分割ライナー122の間から入り込んできても、積載物はY型サイドストッパ37の凹部37aに溜められるため、T型サイドストッパ36よりもさらに積載物が底板9と分割ライナー122との間の隙間に侵入することを防止できる。よって、分割ライナー122のスムーズなスライド動作をより長期間に亘って維持できる。
また、第13実施形態では、分割ライナー122の磨耗による交換時期を目視確認するために、分割ライナー122の内部に交換時期告知線125を設けている。この交換時期告知線125とは、例えば、交換時期告知線125まで磨耗が進行すると、母材の色が変わるといった形式のものである。その他、分割ライナー122を異なる色彩のエンジニアリングプラスチックやFRPの材料を用いて積層状に形成する構成とすることもできる。この構成を備えることで、分割ライナー122のメンテナンス性が向上する。
以上説明したように、各実施形態によれば、荷降ろしの際に、ライナーが荷台の前後方向にスライドすることにより、荷台の傾斜角度が小さい段階から徐々に積載物を落下させることができる。そのため、短時間で大量の積載物が一気に落下することがなくなり、ホイストシリンダの衝撃的な伸び動作であるプルアウトの発生を抑止できる。
なお、上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
例えば、複数の分割ライナーの一部を異なる材料で製作しても良い。具体的には、磨耗の進行が激しいものとそうでないものがある場合、磨耗の激しい分割ライナーを耐磨耗性により優れた材料にすれば良い。また、分割ライナーの形状は細長い長方形状だけでなく、例えば正方形や三角形のものも適用できる。また、様々な形状の分割ライナーを1つの荷台に設けることもできる。
1A〜1M 荷台
2 フレーム
3 ホイストシリンダ(油圧アクチュエータ)
7 前板
8 側板
9 底板
10 天板
21A〜21I ライナー
22 分割ライナー
33 サイドストッパ(案内部材)
34 T型サイドストッパ(案内部材)
35 サイドストッパ(案内部材)
36 T型サイドストッパ(案内部材)
37 Y型サイドストッパ(案内部材)
122 分割ライナー
122c 凹部
2 フレーム
3 ホイストシリンダ(油圧アクチュエータ)
7 前板
8 側板
9 底板
10 天板
21A〜21I ライナー
22 分割ライナー
33 サイドストッパ(案内部材)
34 T型サイドストッパ(案内部材)
35 サイドストッパ(案内部材)
36 T型サイドストッパ(案内部材)
37 Y型サイドストッパ(案内部材)
122 分割ライナー
122c 凹部
Claims (9)
- フレームと、このフレームに取り付けられ、底板、両側板、および前板を有する略箱型の荷台と、この荷台を前記フレームに対して上下方向に回動させる油圧アクチュエータと、を備え、前記荷台の底板に、前記荷台の前後方向にスライドするライナーを設けたことを特徴とするダンプトラック。
- 請求項1において、
前記ライナーは、複数の分割ライナーで構成され、
前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向との少なくとも一方の方向に複数個並べられることを特徴とするダンプトラック。 - 請求項2において、
前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向とのうち少なくとも前後方向に複数個並べられると共に、前記荷台の前後方向において隣り合う2つの前記分割ライナーのうち前側の前記分割ライナーの後端部が、後側の前記分割ライナーの前端部に上から被さるようにして配置されることを特徴とするダンプトラック。 - 請求項3において、
前記複数の分割ライナーのうちの一部の分割ライナーは、残りの分割ライナーと比べて前記荷台の前後方向におけるスライド方向が異なることを特徴とするダンプトラック。 - 請求項3において、
前記複数の分割ライナーのうちの一部の分割ライナーは、残りの分割ライナーと比べて前記荷台の前後方向におけるスライド距離が異なることを特徴とするダンプトラック。 - 請求項2において、
前記複数の分割ライナーは、前記荷台の前後方向と左右方向とのうち少なくとも左右方向に複数個並べられ、
前記荷台の左右方向において隣り合う2つの前記分割ライナーの間に、当該2つの分割ライナーが前記荷台の前後方向へスライドするのを案内する案内部材をさらに設けたことを特徴とするダンプトラック。 - 請求項6において、
前記荷台の左右方向において隣り合う2つの分割ライナーの間の隙間を塞ぐシール部材をさらに設けたことを特徴とするダンプトラック。 - 請求項6において、
前記荷台の左右方向において隣り合う2つの分割ライナーが対向する互いの側面には、前記案内部材が入り込むための凹部が形成されることを特徴とするダンプトラック。 - ダンプトラックのフレームに取り付けられ、底板、両側板、および前板を有する略箱型の荷台であって、前記荷台の前後方向にスライドするライナーを前記底板に設けたことを特徴とする荷台。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013267470A JP2015123766A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | ダンプトラックおよびその荷台 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2015123766A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021105120A1 (en) * | 2019-11-25 | 2021-06-03 | Metso Sweden Ab | Lining for on-road truck body |
-
2013
- 2013-12-25 JP JP2013267470A patent/JP2015123766A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021105120A1 (en) * | 2019-11-25 | 2021-06-03 | Metso Sweden Ab | Lining for on-road truck body |
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