JP2015123672A - 耐アルカリ性包装材および耐アルカリ性包装容器 - Google Patents
耐アルカリ性包装材および耐アルカリ性包装容器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】バリア性と耐アルカリ性に優れた包装材および該包装材からなるバリア性と耐アルカリ性に優れた医療用包装容器の提供。
【解決手段】本発明による耐アルカリ性包装材は、基材層と、無機物または無機酸化物からなるバリア層と、50〜300μmの厚さを有し、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層と、をこの順に含んでなる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明による耐アルカリ性包装材は、基材層と、無機物または無機酸化物からなるバリア層と、50〜300μmの厚さを有し、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層と、をこの順に含んでなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、耐アルカリ性包装材に関し、さらに詳細には、医療用包装容器に用いられるバリア性と耐アルカリ性に優れた包装材に関する。
従来、液体製剤を収容する容器として、ガラス製の容器が用いられてきたが、近年では、廃棄や軽量性の問題から樹脂製の容器への代替が所望されている。しかし、ガラスの容器と比べると樹脂製の容器はバリア性に乏しく、また内表面への有効成分の吸着等の問題から、液体製剤の保存性や、有効成分の減少および有効成分の容器内から外部への溶出等が懸念されている。
これらの問題に対して、環状オレフィンを内層に有する薬液バッグが提案されている(特許文献1参照)。また、内壁面側にガラス転移温度が110℃以下のポリ環状オレフィンを用いたプラスチックアンプルをブロー・フィル・シール法により形成することが提案されている(特許文献2参照)。
また、ガラス製の容器では、内容物が高アルカリ性溶液の場合、容器中のアルカリが溶出し、さらにガラス表面のシリカの微細な膜が剥がれ出る現象(フレーク現象)が起こることがあった。
本発明者らは、特許文献1および2の発明を検討した結果、内容物の長期保存を考慮した場合に包装容器のバリア性が十分ではなく、内容物の保存性等に問題があることを知見した。したがって、バリア性と耐アルカリ性を両立できる包装容器の開発が要望されている。
本発明は上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、バリア性と耐アルカリ性に優れた包装材を提供することにある。また、該包装材からなるバリア性と耐アルカリ性に優れた医療用包装容器を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、包装容器を形成した場合に内容物側に配置されるポリオレフィン樹脂層の厚みを特定の範囲内にし、かつ、基材層とポリオレフィン樹脂層の間にバリア層を設けた包装材によって、上記の課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
基材層と、
無機物または無機酸化物からなるバリア層と、
50〜300μmの厚さを有し、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層と、
をこの順に含んでなる、耐アルカリ性包装材が提供される。
基材層と、
無機物または無機酸化物からなるバリア層と、
50〜300μmの厚さを有し、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層と、
をこの順に含んでなる、耐アルカリ性包装材が提供される。
本発明の態様においては、前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記バリア層が、無機物または無機酸化物の蒸着膜からなることが好ましい。
本発明の態様においては、前記バリア層が、金属箔からなることが好ましい。
本発明の態様においては、前記基材層と前記ヒートシール性樹脂層との間に、接着層をさらに含んでなることが好ましい。
本発明の態様においては、前記基材層と前記ヒートシール性樹脂層との間に、ポリアミド樹脂層をさらに含んでなることが好ましい。
また、本発明の他の態様によれば、上記の耐アルカリ性包装材からなり、前記ヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されてなる、耐アルカリ性包装容器が提供される。
本発明の他の態様においては、前記内容物が、pH12以上のアルカリ性溶液であることが好ましい。
本発明の他の態様においては、前記内容物が、液体製剤であることが好ましい。
本発明によれば、バリア性と耐アルカリ性に優れた包装材を提供することができる。また、該包装材からなるバリア性と耐アルカリ性に優れた医療用包装容器を提供することができる。
<耐アルカリ性包装材>
本発明による耐アルカリ性包装材は、基材層と、バリア層と、特定の厚さを有し、かつ特定の樹脂を含むヒートシール性樹脂層と、をこの順に含んでなるものである。このような包装材は、バリア性と耐アルカリ性に優れたものとなる。耐アルカリ性包装材は、基材層とヒートシール性樹脂層との間に、接着層をさらに含んでもよいし、他の樹脂層をさらに含んでもよい。
本発明による耐アルカリ性包装材は、基材層と、バリア層と、特定の厚さを有し、かつ特定の樹脂を含むヒートシール性樹脂層と、をこの順に含んでなるものである。このような包装材は、バリア性と耐アルカリ性に優れたものとなる。耐アルカリ性包装材は、基材層とヒートシール性樹脂層との間に、接着層をさらに含んでもよいし、他の樹脂層をさらに含んでもよい。
まず、本発明による耐アルカリ性包装材の実施形態について、模式断面図を参照しながら説明する。図1に示される耐アルカリ性包装材11は、基材層14と、バリア層13と、ヒートシール性樹脂層12と、をこの順に含んでなる。
図2に示される耐アルカリ性包装材21は、基材層26、蒸着膜25、およびバリア性塗布膜24からなるバリア性基材27と、接着層23と、ヒートシール性樹脂層22と、をこの順に含んでなる。
図3に示される耐アルカリ性包装材31は、基材層38、蒸着膜37、およびバリア性塗布膜36からなるバリア性基材39と、接着層35と、ポリアミド樹脂層34と、接着層33と、ヒートシール性樹脂層32と、をこの順に含んでなる。
図4に示される耐アルカリ性包装材41は、基材層46と、接着層45と、バリア層44と、接着層43と、ヒートシール性樹脂層42と、をこの順に含んでなる。
図5に示される耐アルカリ性包装材51は、基材層58と、接着層57と、バリア層56と、接着層55と、ポリアミド樹脂層54と、接着層53と、ヒートシール性樹脂層52と、をこの順に含んでなる。以下、耐アルカリ性包装材を構成する各層について詳細に説明する。
(基材層)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する基材層は、特に限定されないが、成形性や透明性を有する樹脂を用いて形成することが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル樹脂等を用いて形成することができる。これらのうち、成形性や透明性が良好であることから、ポリエステル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好ましい。通常、基材層の厚さは、成形性や透明性の観点から、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmの範囲である。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する基材層は、特に限定されないが、成形性や透明性を有する樹脂を用いて形成することが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、低結晶性の飽和ポリエステルまたは非晶性のポリエステル樹脂等を用いて形成することができる。これらのうち、成形性や透明性が良好であることから、ポリエステル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が好ましい。通常、基材層の厚さは、成形性や透明性の観点から、好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜50μmの範囲である。
(バリア層)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成するバリア層は、無機物または無機酸化物からなるものであり、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜または金属箔からなるものが好ましい。耐アルカリ性包装材が、バリア層を有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を向上させることができる。また、必要に応じて、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を付与することもできる。なお、耐アルカリ性包装材は、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。通常、バリア層の厚さは、ガスバリア性や透明性の観点から、好ましくは0.01〜500μmであり、より好ましくは1〜300μmの範囲である。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成するバリア層は、無機物または無機酸化物からなるものであり、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜または金属箔からなるものが好ましい。耐アルカリ性包装材が、バリア層を有することで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を向上させることができる。また、必要に応じて、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性を付与することもできる。なお、耐アルカリ性包装材は、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。通常、バリア層の厚さは、ガスバリア性や透明性の観点から、好ましくは0.01〜500μmであり、より好ましくは1〜300μmの範囲である。
無機物または無機酸化物の金属箔としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔等が好ましい。
蒸着膜は、従来公知の無機物または無機酸化物を用いて、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物の蒸着膜を使用することができる。特に、包装材に適するものとしては、アルミニウム金属の蒸着膜またはケイ素酸化物もしくはアルミニウム酸化物の蒸着膜を用いるのがよい。
無機酸化物の表記は、例えば、SiOX、AlOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装材には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機物または無機酸化物の蒸着膜の膜厚は、使用する無機物または無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば10〜2000Å位であり、好ましくは10〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚は、好ましくは10〜600Å位であり、より好ましくは10〜400Å位である。また、ケイ素酸化物またはアルミニウム酸化物の蒸着膜の場合には、膜厚は、好ましくは10〜500Å位であり、より好ましくは10〜300Åである。
以下、本発明の好ましい態様として、酸化珪素の蒸着膜についてさらに詳細に説明する。酸化珪素の蒸着膜(薄膜)は、一般式:SiOx(式中、xは、0〜2の数を表す)で表され、xの値は1.3〜1.9が好ましい。また、酸化珪素薄膜は、酸化珪素を主体とし、さらに、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または2種類以上の元素からなる化合物の少なくとも1種類を化学結合等により含有してもよい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。例えば、CH3部位を持つハイドロカーボン、SiH3シリル、SiH2シリレン等のハイドロシリカ、SiH2OHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記の化合物が酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50質量%、好ましくは5〜20質量%である。また、酸化珪素薄膜が上記化合物を含有する場合、化合物の含有量が酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少していることが好ましい。これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面では上記化合物等により耐衝撃性等が高められ、他方、基材層との界面では、上記化合物の含有量が少ないために基材層と酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなる。
本発明においては、上記の酸化珪素の蒸着膜上に、ガスバリア性を高めるために、バリア性塗布膜をさらに設けることが好ましい。バリア性塗布膜は、少なくとも水酸基を有する水溶性高分子とアルコキシシランとを含む溶液でコーティングすることにより形成できる。少なくとも水酸基を有する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ、特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールが好ましい。これら樹脂は市販のものを使用してもよく、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合体として、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。また、ポリビニルアルコールとして、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
アルコキシシランとしては、一般式:
R1nSi(OR2)m
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜8の有機基を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表すが、n+mはSiの原子価を表す。)で表されるものが好適に使用できる。上記式において、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン:Si(OCH3)4 、テトラエトキシシラン:Si(OC2H5)4 、テトラプロポキシシラン:Si(OC3H7)4 、テトラブトキシシラン:Si(OC4H9)4等を使用することができる。
R1nSi(OR2)m
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜8の有機基を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表すが、n+mはSiの原子価を表す。)で表されるものが好適に使用できる。上記式において、R1で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン:Si(OCH3)4 、テトラエトキシシラン:Si(OC2H5)4 、テトラプロポキシシラン:Si(OC3H7)4 、テトラブトキシシラン:Si(OC4H9)4等を使用することができる。
上記した水溶性高分子とアルコキシシランとを混合し、さらに所望によりゾル−ゲル法触媒、水、および、有機溶剤を添加した溶液を、酸化アルミニウムまたは酸化珪素からなる薄膜の表面に塗布し、重縮合することにより、バリア性塗布膜を形成することができる。また、本発明においては、酸化アルミニウムまたは酸化珪素からなる薄膜の上に、上記の塗布膜を2層以上重層した複合ポリマー層を形成することもできる。
また、本発明においては、上記のバリア性塗布膜形成用塗布液に、シランカップリング剤を添加することができ、これにより得られるバリア性塗布膜は特に好ましいものである。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100質量部に対して1〜20質量部程度の範囲内で使用することができる。
バリア性塗布膜形成用塗布液の塗布方法としては、通常用いられる、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の従来公知の手段が用いられる。塗布膜の厚さは塗布液の種類によって異なるが、乾燥後の厚さは、好ましくは0.01〜100μmの範囲であり、より好ましくは0.01〜50μmである。乾燥後の厚さが100μm以下であれば、クラックの発生を抑制することができる。
塗布液と重縮合させる際のゾル−ゲル法触媒としては、水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンが用いられる。具体的には、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等を使用することができる。特に、N,N−ジメチルべンジルアミンが好適であり、アルコキシシラン、およびシランカップリング剤の合計量100質量部当り、例えば0.01〜1.0質量部、特に約0.03質量部程度を使用することが好ましい。
また、ゾル−ゲル法の触媒として、酸を使用することもでき、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他を使用することができる。酸の使用量は、アルコキシシランおよびシランカップリング剤のアルコキシシラン分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、好ましくは0.001〜0.05モルであり、より好ましくは0.01〜0.03モルである。
塗布液に含まれる水は、溶液アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1〜100モル、より好ましくは0.8〜2モルの割合で添加される。また、バリア性塗布膜形成用塗布液に含まれるポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシシランやシランカップリング剤などを含む塗布液中で溶解した状態であることが好ましく、そのために有機溶媒を適宜選択して添加してもよい。例えば、有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等を用いることができる。
(ヒートシール層)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成するヒートシール層は、ポリオレフィン樹脂を含んでなり、かつ50〜300μmの厚さを有するものである。ヒートシール層の厚さは、好ましくは55μm〜250μm、より好ましくは60μm〜200μmであり、さらに好ましくは65μm〜150μmである。包装容器を形成した場合に内容物側に配置されるポリオレフィン樹脂層が従来に比べて厚いため、耐アルカリ性を向上させることができる。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成するヒートシール層は、ポリオレフィン樹脂を含んでなり、かつ50〜300μmの厚さを有するものである。ヒートシール層の厚さは、好ましくは55μm〜250μm、より好ましくは60μm〜200μmであり、さらに好ましくは65μm〜150μmである。包装容器を形成した場合に内容物側に配置されるポリオレフィン樹脂層が従来に比べて厚いため、耐アルカリ性を向上させることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の単体、または、ポリプロピレンと低密度ポリエチレンとの混合物や、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの混合物等が挙げられる。特に、ポリオレフィン樹脂層は、ポリプロピレンを含むことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂層の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法により形成することができる。例えば、ポリオレフィン樹脂層は、ポリオレフィン樹脂を押出成形により形成してもよいし、ポリオレフィンフィルムを用いてもよい。
(接着層)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する接着層は、いずれか2層をラミネートにより貼合するために形成される、接着剤層または接着樹脂層である。ラミネート用接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。その塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する接着層は、いずれか2層をラミネートにより貼合するために形成される、接着剤層または接着樹脂層である。ラミネート用接着剤としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。その塗布量としては、0.1g/m2〜10g/m2(乾燥状態)位が好ましく、1g/m2〜5g/m2(乾燥状態)位がより好ましい。
また、接着樹脂層としては、熱可塑性樹脂層からなる樹脂層が使用される。具体的には、接着樹脂層の材料としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−αオレフィンとの共重合体樹脂、エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン−マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、接着樹脂層として、極性基を導入したポリオレフィン系接着性樹脂を用いることが好ましい。無極性のポリオレフィンに極性基を導入することで、無機物または無機酸化物からなるバリア層と、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層とを強固に接着することができる。本発明においては、市販の極性基を導入したポリオレフィン系接着性樹脂を用いることができ、例えば、アドマー(三井化学((株)製)が挙げられる。
(他の樹脂層)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する他の樹脂層としては、ポリアミド樹脂層が挙げられる。ポリアミド樹脂層としては、ナイロン6、ナイロン6,6、およびナイロン12等のナイロン類を用いることが好ましい。ナイロン類を用いることで、耐アルカリ性包装材に耐屈曲性を付与することができる。他の樹脂層の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法により形成することができる。例えば、他の樹脂層は、樹脂を押出成形により形成してもよいし、樹脂フィルムを用いてもよい。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する他の樹脂層としては、ポリアミド樹脂層が挙げられる。ポリアミド樹脂層としては、ナイロン6、ナイロン6,6、およびナイロン12等のナイロン類を用いることが好ましい。ナイロン類を用いることで、耐アルカリ性包装材に耐屈曲性を付与することができる。他の樹脂層の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法により形成することができる。例えば、他の樹脂層は、樹脂を押出成形により形成してもよいし、樹脂フィルムを用いてもよい。
(添加剤)
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する樹脂層には、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤等、従来公知の各種添加剤を適宜添加することができる。光安定剤、紫外線吸収剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、フェノール系、リン系、ヒンダードアミン系の光吸収剤や、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系の紫外線吸収剤が使用できる。
本発明による耐アルカリ性包装材を構成する樹脂層には、必要に応じて、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤等、従来公知の各種添加剤を適宜添加することができる。光安定剤、紫外線吸収剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、フェノール系、リン系、ヒンダードアミン系の光吸収剤や、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系の紫外線吸収剤が使用できる。
<耐アルカリ性包装容器>
本発明による耐アルカリ性包装容器は、本発明による耐アルカリ性包装材からなり、耐アルカリ性包装材のヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されてなるものである。ヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されることで、耐アルカリ性を向上させることができる。
本発明による耐アルカリ性包装容器は、本発明による耐アルカリ性包装材からなり、耐アルカリ性包装材のヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されてなるものである。ヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されることで、耐アルカリ性を向上させることができる。
<用途>
本発明による耐アルカリ性包装容器は、様々な内容物を収容することができ、内容物は特に限定されない。本発明による耐アルカリ性包装容器は、耐アルカリ性に優れるため、pHが12以上の高アルカリ性溶液であっても収容することができる。例えば、医療用包装容器として好適に使用することができ、液体製剤等の長期間の保存性が要求されるものも収容することができる。医療用包装容器としては、薬液バッグ等を挙げることができる。
本発明による耐アルカリ性包装容器は、様々な内容物を収容することができ、内容物は特に限定されない。本発明による耐アルカリ性包装容器は、耐アルカリ性に優れるため、pHが12以上の高アルカリ性溶液であっても収容することができる。例えば、医療用包装容器として好適に使用することができ、液体製剤等の長期間の保存性が要求されるものも収容することができる。医療用包装容器としては、薬液バッグ等を挙げることができる。
[実施例1]
<バリア性基材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T−4102)を用意し、一方の面上に、蒸着装置を用いて下記の条件にて、膜厚20nmとなるように酸化ケイ素薄膜を形成した。
蒸着条件:
蒸着チャンバー内の真空度(酸素導入後):2×10−4mbar
巻き取りチャンバー内の真空度:5×10−3mbar
電子ビーム電力:25kW
<バリア性基材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T−4102)を用意し、一方の面上に、蒸着装置を用いて下記の条件にて、膜厚20nmとなるように酸化ケイ素薄膜を形成した。
蒸着条件:
蒸着チャンバー内の真空度(酸素導入後):2×10−4mbar
巻き取りチャンバー内の真空度:5×10−3mbar
電子ビーム電力:25kW
次いで、下記の組成Iからなるポリビニルアルコール溶液とイソプロピルアルコールとイオン交換水とを含む混合液に、下記組成IIからなる加水分解液を加えて充分に攪拌し、バリア性塗布膜形成用塗布液と調製した。
組成I:
ポリビニルアルコール 2.33(質量%)
イソプロピルアルコール 2.70(質量%)
水 51.75(質量%)
組成II(加水分解液):
エチルシリケート 16.60(質量%)
シランカップリング剤 1.66(質量%)
イソプロピルアルコール 3.90(質量%)
0.5N塩酸水溶液 0.53(質量%)
水 20.53(質量%)
合計 100.00(質量%)
組成I:
ポリビニルアルコール 2.33(質量%)
イソプロピルアルコール 2.70(質量%)
水 51.75(質量%)
組成II(加水分解液):
エチルシリケート 16.60(質量%)
シランカップリング剤 1.66(質量%)
イソプロピルアルコール 3.90(質量%)
0.5N塩酸水溶液 0.53(質量%)
水 20.53(質量%)
合計 100.00(質量%)
上記の塗工液を、酸化ケイ素薄膜上にグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、180℃で60秒間加熱処理を行い、0.2μm(乾操状態)の厚さのバリア性塗布膜を形成することによりバリア性基材を得た。
<耐アルカリ性包装材の作製>
上記で作製したバリア性基材のバリア性塗布膜面と、厚さ100μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を介して貼合して、実施例1の耐アルカリ性包装材を得た。実施例1の耐アルカリ性包装材の層構成は、図2に示す通りであった。
上記で作製したバリア性基材のバリア性塗布膜面と、厚さ100μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、接着性樹脂(アドマー、三井化学(株)製)を介して貼合して、実施例1の耐アルカリ性包装材を得た。実施例1の耐アルカリ性包装材の層構成は、図2に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した実施例1の耐アルカリ性包装材を用いて、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した実施例1の耐アルカリ性包装材を用いて、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
[実施例2]
<耐アルカリ性包装材の作製>
実施例1で作製したバリア性基材バリア性塗布膜面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例2の耐アルカリ性包装材を得た。実施例2の耐アルカリ性包装材の層構成は、図3に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装材の作製>
実施例1で作製したバリア性基材バリア性塗布膜面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例2の耐アルカリ性包装材を得た。実施例2の耐アルカリ性包装材の層構成は、図3に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した実施例2の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した実施例2の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
[実施例3]
<耐アルカリ性包装材の作製>
実施例1で作製したバリア性基材バリア性塗布膜面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層東レフィルム加工(株))製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例3の耐アルカリ性包装材を得た。実施例3の耐アルカリ性包装材の層構成は、図3に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装材の作製>
実施例1で作製したバリア性基材バリア性塗布膜面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層東レフィルム加工(株))製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例3の耐アルカリ性包装材を得た。実施例3の耐アルカリ性包装材の層構成は、図3に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した実施例3の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した実施例3の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
[実施例4]
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T−4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(AL、日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例4の耐アルカリ性包装材を得た。実施例4の耐アルカリ性包装材の層構成は、図4に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T−4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(AL、日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例4の耐アルカリ性包装材を得た。実施例4の耐アルカリ性包装材の層構成は、図4に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した実施例4の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した実施例4の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
[実施例5]
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(AL、日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例5の耐アルカリ性包装材を得た。実施例5の耐アルカリ性包装材の層構成は、図5に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(AL、日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ15μmの両面にコロナ処理が施されたナイロンフィルム(ONY、東洋紡績社製:ハーデンN1200)の一方の面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合した。次に、該ナイロンフィルムの他方の面と、厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(CPP、ヒートシール性樹脂層、東レフィルム加工(株)製、型番:ZK99S)のコロナ処理を施した面とを、ウレタン系接着剤(ロックペイント社製:RU004/H1)を用いてドライラミネートにより貼合して、実施例5の耐アルカリ性包装材を得た。実施例5の耐アルカリ性包装材の層構成は、図5に示す通りであった。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した実施例5の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した実施例5の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
[比較例1]
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、押し出しラミネート法により300℃で押し出したポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製:Z568、厚さ15μm)で貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ25μmの低密度ポリエチレンフィルム(日本ポリエチレン(株)製:ノバテック)のコロナ処理を施した面とを、アンカーコート剤(酸変性ポリオレフィン、ユニチカ株)製、型番:SE−1200)を介して貼合して、比較例1の耐アルカリ性包装材を得た。
<耐アルカリ性包装材の作製>
基材層として厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、型番:T4102)を用意し、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面と、厚さ7μmのアルミ箔(日本製箔社製:1N30材)の一方の面とを、押し出しラミネート法により300℃で押し出したポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製:Z568、厚さ15μm)で貼合した。次に、該アルミ箔の他方の面と、厚さ25μmの低密度ポリエチレンフィルム(日本ポリエチレン(株)製:ノバテック)のコロナ処理を施した面とを、アンカーコート剤(酸変性ポリオレフィン、ユニチカ株)製、型番:SE−1200)を介して貼合して、比較例1の耐アルカリ性包装材を得た。
<耐アルカリ性包装容器の作製>
上記で作製した比較例1の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
上記で作製した比較例1の耐アルカリ性包装材を用いて、実施例1と同様にして、注出口付きパウチおよび4方パウチを作製した。
<耐アルカリ性包装容器の評価>
上記の実施例および比較例で作製したパウチにpH13の水酸化ナトリウム水溶液を充填して、密封して、サンプルを作製した。加熱殺菌のために、サンプルをレトルト処理(121℃20分または110℃30分)した。レトルト処理後、60℃のドライ環境で加速試験を3週間行った。レトルト処理後から加速試験終了まで、数回にわたりサンプルの質量変化(−%、作製直後のサンプル質量に対する減少量)を測定した。結果を表1に示す。加速試験終了後の質量変化は、5質量%以下であることが好ましい。
上記の実施例および比較例で作製したパウチにpH13の水酸化ナトリウム水溶液を充填して、密封して、サンプルを作製した。加熱殺菌のために、サンプルをレトルト処理(121℃20分または110℃30分)した。レトルト処理後、60℃のドライ環境で加速試験を3週間行った。レトルト処理後から加速試験終了まで、数回にわたりサンプルの質量変化(−%、作製直後のサンプル質量に対する減少量)を測定した。結果を表1に示す。加速試験終了後の質量変化は、5質量%以下であることが好ましい。
次に、上記サンプルについて、レトルト処理前、レトルト処理後、および加速試験終了後に、ラミネート強度を測定した。ラミネート強度の測定は、各サンプルを15mm巾に切り出して、引っ張り試験機(オリエンテック社製:テンシロンRTC−125A)を用いて、50mm/分の速度で引っ張り、ラミネート強度(N/15mm)を測定した。結果を表2に示す。加速試験終了後のラミネート強度(N/15mm)は、5N/15mm以上であることが好ましい。
表2に示す通り、実施例1〜5では、ラミ強度の著しい低下やデラミは、発生しなかった。しかし、比較例1では、デラミが発生したことから、耐アルカリ性に劣ることが分かった。
11 耐アルカリ性包装材
12 ヒートシール性樹脂層
13 バリア層
14 基材層
21 耐アルカリ性包装材
22 ヒートシール性樹脂層
23 接着層
24 バリア性塗布膜
25 蒸着膜
26 基材層
27 バリア性基材
31 耐アルカリ性包装材
32 ヒートシール性樹脂層
33 接着層
34 ポリアミド樹脂層
35 接着層
36 バリア性塗布膜
37 蒸着膜
38 基材層
39 バリア性基材
41 耐アルカリ性包装材
42 ヒートシール性樹脂層
43 接着層
44 バリア層
45 接着層
46 基材層
51 耐アルカリ性包装材
52 ヒートシール性樹脂層
53 接着層
54 ポリアミド樹脂層
55 接着層
56 バリア層
57 接着層
58 基材層
12 ヒートシール性樹脂層
13 バリア層
14 基材層
21 耐アルカリ性包装材
22 ヒートシール性樹脂層
23 接着層
24 バリア性塗布膜
25 蒸着膜
26 基材層
27 バリア性基材
31 耐アルカリ性包装材
32 ヒートシール性樹脂層
33 接着層
34 ポリアミド樹脂層
35 接着層
36 バリア性塗布膜
37 蒸着膜
38 基材層
39 バリア性基材
41 耐アルカリ性包装材
42 ヒートシール性樹脂層
43 接着層
44 バリア層
45 接着層
46 基材層
51 耐アルカリ性包装材
52 ヒートシール性樹脂層
53 接着層
54 ポリアミド樹脂層
55 接着層
56 バリア層
57 接着層
58 基材層
Claims (9)
- 基材層と、
無機物または無機酸化物からなるバリア層と、
50〜300μmの厚さを有し、ポリオレフィンを含んでなるヒートシール性樹脂層と、
をこの順に含んでなる、耐アルカリ性包装材。 - 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンである、請求項1に記載の耐アルカリ性包装材。
- 前記バリア層が、無機物または無機酸化物の蒸着膜からなる、請求項1または2に記載の耐アルカリ性包装材。
- 前記バリア層が、金属箔からなる、請求項1または2に記載の耐アルカリ性包装材。
- 前記基材層と前記ヒートシール性樹脂層との間に、接着層をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐アルカリ性包装材。
- 前記基材層と前記ヒートシール性樹脂層との間に、ポリアミド樹脂層をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の耐アルカリ性包装材。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐アルカリ性包装材からなり、前記ヒートシール性樹脂層が内容物側に配置されてなる、耐アルカリ性包装容器。
- 前記内容物が、pH12以上のアルカリ性溶液である、請求項7に記載の耐アルカリ性包装容器。
- 前記内容物が、液体製剤である、請求項7または8に記載の耐アルカリ性包装容器。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021109700A (ja) * | 2020-01-15 | 2021-08-02 | 凸版印刷株式会社 | 自立性包装袋 |
-
2013
- 2013-12-26 JP JP2013269861A patent/JP2015123672A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2021109700A (ja) * | 2020-01-15 | 2021-08-02 | 凸版印刷株式会社 | 自立性包装袋 |
JP7452020B2 (ja) | 2020-01-15 | 2024-03-19 | Toppanホールディングス株式会社 | 自立性包装袋 |
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