本発明の実施例を以下に説明する。
[スロットマシンの構成について]
本発明が適用されたスロットマシンの構成を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施例において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、当選している役を入賞させることができる操作タイミングを「入賞タイミング」という。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
[スロットマシン1の機能構成例]
次に、図4を用いて、スロットマシン1の機能構成例について説明する。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、メインCPU41aと、ROM41bと、RAM41cと、I/Oポート41dとを含む。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、ROM41bに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜65535が定められている。メイン制御部41は、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メイン制御部41は、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。そして、メイン制御部41は、スイッチ検出回路44からの検出信号により、遊技者により操作されたストップスイッチを特定することができる。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPUの動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
メイン制御部41のメインCPU41aは、ROM41bから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、メインCPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、メインCPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、メインCPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、メインCPU41aが外部バスインタフェースなどを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、メインCPU41aが外部バスインタフェースなどを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、メインCPU41aがROM41bに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はメインCPU41a)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、メインCPU41aがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM41bには、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM41bには、セキュリティチェックプログラムが記憶されている。メインCPU41aは、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM41bに記憶されたセキュリティチェックプログラムを読み出し、ROM41bの記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラムは、ROM41bとは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラムは、例えば外部バスインタフェースを介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
メイン制御部41が備えるRAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAMの全ての領域がバックアップRAM41cとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるROM41bには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM41bには、メインCPU41aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM41bには、メインCPU41aが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM41cには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM41cとしては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メインCPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはメインCPU41aがROM41bから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、メインCPU41aにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTCに含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
[電断処理について]
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAMのスタックに退避し、RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAMの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAMに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAMのデータが正常であると判定した場合に、RAMの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAMに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述するRTフラグ及びRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAMの格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAMの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAMのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAMの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしてもよい。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられたRTフラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。一方で、一般ワークに割り当てられた遊技状態フラグについては、初期化1が実行されることに伴って初期化されることとなる。
[遊技の流れについて]
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。特別役または一般役のうちいずれかに当選すると、当該当選した役を特定することができる当選フラグがRAM41cに格納される。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の操作検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止しかつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
[コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ実行可否コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンド(図18のS418参照)は、後述するフリーズ状態に制御する旨が決定された場合に、フリーズ状態に制御するか否か及びフリーズ状態に制御する場合にはそのタイミングを示すコマンドであり、後述するフリーズ抽選の終了時に送信される。
フリーズ実行可否コマンドは、図18のS406で実行されるフリーズ抽選の結果(フリーズ当選かフリーズ非当選か)を特定できるコマンドである。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態及びRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路の送信データレジスタに転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
前述のようにドアコマンドも操作検出コマンドもともにタイマ割込処理(メイン)のコマンド設定処理においてコマンドバッファに格納され、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信されることとなるが、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合、すなわちドアコマンドの送信が要求されている場合には、例え、操作検出コマンドの送信が要求されていても、ドアコマンドの送信を優先するようになっており、ドアコマンド送信要求2が設定されていない場合のみ操作検出コマンドが送信されることとなるため、ドアコマンド送信要求2と操作検出コマンド送信要求の双方が設定されている場合には、当該コマンド送信処理では、ドアコマンドが送信され、次回以降のコマンド送信処理において操作検出コマンドが送信されることとなる。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
[入賞について]
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、前述した内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
図5〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図であり、図10は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図9に示すように、通常遊技状態、内部中1、2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0〜4のいずれかに制御される。また、内部中1、2に制御されているときには、所定条件(たとえば、レア役(中段チェリー)の当選、内部抽選とは異なり1ゲーム毎に実行される所定抽選で当選)が成立することにより、内部中演出が実行される。当該内部中演出は、制御されている遊技状態が内部中であることを報知する演出であることから、内部中演出が実行されることにより、遊技者はボーナス当選していることを認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜4(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス1、2(以下、各々のレギュラーボーナスをRBと称する)の6種類のボーナスが含まれる。
BB1〜BB4はそれぞれ、「黒7−黒7−黒7」、「網7−網7−網7」、「白7−白7−白7」、「黒7−白7−網7」の組み合わせが入賞ラインに揃ったときに入賞となる。BB1〜BB4のいずれかに入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。BB1〜BB4のいずれかの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1、RB2はそれぞれ、「網7−網7−黒7」、「白7−白7−黒7」の組み合わせが入賞ラインに揃ったときに入賞となる。RB1、RB2のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。RB1、RB2のいずれかの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、6ゲーム消化したことを条件として終了する。
図9に示すように、BB1、BB3、RB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中1・RT0に制御され、BB2、BB4、RB1のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中2・RT0に制御される。また、図9に示すように、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、通常・RT4に制御される。なお、RT4は、RT1に制御される前の状態であることから、準備状態ともいう。
後述する内部抽選においてBB1〜BB4、RB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB4、RB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「網7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
次に、図6を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベが含まれる。
中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。その他の小役については、図6に示す通りなので主な説明を省略する。また、図6の「ANY」はいずれの図柄でも可であることを示す。
また、右下がりベルについては、プラム、リプレイのいずれか一方は、左リール2L、右リール2R各々において5コマ以内に配置されており、ベルは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
上段ベル1〜8については、左リール2Lにおいて、リプレイ及びプラムは、5コマ以内に配置されておらず、中リール2C、右リール2Rの各々について、オレンジ及びBARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において上段ベル1〜8のいずれかに当選していても、当選している上段ベルの構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
中段スイカについては、左リール2Lにおいて、黒7、白7、スイカのいずれかは、5コマ以内に配置されているが、中リール2C、右リール2Rの各々について、スイカは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において中段スイカに当選していても、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、中段スイカに入賞することはない。
右下がりスイカについては、左リール2Lにおいて、ベルは、5コマ以内に配置されているが、中リール2Cのスイカ、右リール2Rの黒7、白7は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において右下がりスイカに当選していても、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、右下がりスイカに入賞することはない。
上段スイカについては、左リール2Lにおいて、ベルは、5コマ以内に配置されているが、中リール2Cの黒7、白7、右リール2Rのリプレイは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において上段スイカに当選していても、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、上段スイカに入賞することはない。
下段チェリーについては、中リール2Cにおいてオレンジ、BAR、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lにおいて、BARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、下段チェリーに入賞することはない。
中段チェリーについては、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、チェリーは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において中段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、中段チェリーに入賞することはない。
1枚役については、図3を参照すると、左リール2Lの黒7、中リールのチェリー、右リールの網7は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚役に当選していても、左リール2L、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、1枚役に入賞することはない。
右上がりベルについては、左リール2Lにおいて黒7、白7、スイカの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、BARの1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右上がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右上がりベベリについては、左リール2Lにおいて黒7、白7、スイカの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2C、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右上がりベベリに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右上がりリベベについては、左リール2L、中リール2Cにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、BARの1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右上がりリベベに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、図7を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイが含まれる。
通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。他の再遊技役については、図7に示す通りなので、主な説明を省略する。
下段リプレイについては、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、チェリー、スイカ、黒7、網7、白7の1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において下段リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイについては、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において転落リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図9に示すように、通常・RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。昇格リプレイ1については、左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ2については、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において昇格リプレイ2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図9に示すように、通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4から通常・RT0に制御されないように構成されており、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御されるように構成されている。
特殊リプレイについては、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図9に示すように、通常・RT1、通常・RT3において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT4においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT2に制御されないように構成されており、通常・RT0、通常・RT3であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該通常・RT0、通常・RT3からのみ通常・RT2に制御されるように構成されている。尚、通常・RT2において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT2が維持されることとなる。
SPリプレイについては、左リール2Lにおいてリプレイ、プラムは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいて黒7、網7、白7、プラムは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選においてSPリプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図9に示すように、通常・RT2においてSPリプレイに入賞した後は、通常・RT3に制御される。後述するように、SPリプレイは、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役とSPリプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4においてはSPリプレイに入賞しない。その結果、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT3に制御されないように構成されており、通常・RT2であるときにのみSPリプレイ入賞し、当該通常・RT2からのみ通常・RT3に制御されるように構成されている。尚、通常・RT3において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT3が維持されることとなる。
次に、図8を参照して、移行出目について説明する。入賞を発生させる出目以外の出目には、図8に示す移行出目と、外れ出目とが設けられている。移行出目は、図8に示すように、「リプレイ−オレンジ−ベル」などからなる20種類の組み合わせである。本実施例では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。一方、本実施例における外れ出目は、何らの入賞を発生させるものでもなく、遊技用価値を付与するものでもなく、遊技状態を変更させるものでもなく、遊技者にとって有利な制御または不利な制御が行われるものでもない。なお、外れ出目は、移行出目が入賞ラインLNに揃った場合と、遊技者にとっての有利度合いが異なるものであればよい。また、外れ出目は押し順ベル以外の当選役が当選したときにおいても、当該当選した当選役が入賞されなかったら、外れ出目が導出される。
図9に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、通常・RT1に制御される。尚、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、通常・RT1が維持されることとなる。また、本実施例の通常状態において、RT1と、RT0、RT2、およびRT3とを比較すると、後述するようにメダル払出率が低い点でRT1の方がRT0、RT2、およびRT3よりも有利度は低いといえる。したがって、RT0、RT2、またはRT3において、移行出目が導出されることは、遊技者にとって不利になるということである。一方、RT0、RT2、またはRT3において、外れ出目が導出されたとしても、そのことによってRT1に制御されることがないため、移行出目が導出されたときよりも、遊技者にとって有利であるといえる。
次に、図11〜図15を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中1(BB1、BB3、RB2が当選している状態)であるか、内部中2(BB2、BB4、RB1が当選している状態)であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT0〜4の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図11〜図15においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図11〜図15においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
また、図11及び図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組み合わせを示し、図13は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組み合わせを示し、図14は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される再遊技役の組み合わせを示している。また、図15は、図11〜14に示す抽選対象役を構成する役、および抽選対象役を構成する役の組み合わせを示している。
図11〜図14に示すように、通常・RT0であるときには、BB1、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25などが内部抽選の対象役となる。また、他の遊技状態であるときの内部抽選の対象役については、図11〜図14に示す通りなので説明を省略する。
また、図15に示すように、弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカである。強スイカとは上段スイカ+右下がりスイカ+中段スイカである。また、図13の※3に示すように、弱スイカが当選したゲームまたは強スイカが当選したゲームに関わらず、遊技者により入賞タイミングで逆押しされたときには、上段スイカまたは右下がりスイカが入賞する。一方、弱スイカが当選したゲームにおいて、遊技者により入賞タイミングで順押しされたときには、上段スイカまたは右下がりスイカが入賞し、強スイカが当選したゲームにおいて、遊技者により入賞タイミングで順押しされたときにのみ、中段スイカが入賞可能となる。
つまり、弱スイカが当選したゲームまたは強スイカが当選したゲームにおいて、遊技者により逆押しされたときには、共通の入賞役である「上段スイカまたは右下がりスイカ」が導出可能とされていることにより、弱スイカまたは強スイカのうちいずれが当選したのかを遊技者が判別できないようになっている。一方、弱スイカが当選したゲームまたは強スイカが当選したゲームにおいて、遊技者により順押しされたときには、当選した役に対応した入賞役が導出可能とされていることにより、弱スイカまたは強スイカのうちいずれが当選したのかを遊技者が判別できるようになっている。具体的には、弱スイカが当選したゲームにおいて、順押しされたときには「上段スイカまたは右下がりスイカ」が入賞可能となり、強スイカが当選したゲームにおいて、順押しされたときには「中段スイカ」が入賞可能となる。その他の対象役については、図15に記載の通りなので説明を省略する。
また、通常・RT0〜4などにおいて、BB1〜BB4、RB1、RB2のいずれかと同時当選し得る弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイの判定値数は、内部中1・RT0、内部中2・RT0においては、各々、ボーナスと別個に読み出される、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイに加算されているため、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイ各々の当選確率が一定となるように担保されている。
このように、遊技状態が通常遊技状態であるか、内部中1、2であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率が通常遊技状態及び内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が内部中1、2である場合には、内部中1であるか、内部中2であるか、によって内部抽選の対象役は変わらないが、内部中1であるか、内部中2であるか、によって対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT0〜4のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜4のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役及びその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図16に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図16は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。他のリプレイGRは、図16に示す通りなので説明を省略する。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR11〜16とで、昇格リプレイ1、2に入賞させ、かつ転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR11〜16が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR11〜16のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞して通常・RT0が維持される一方で、5/6の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
図3に示すように、特殊リプレイ及び転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。このように、リプレイGR21〜25とで、特殊リプレイに入賞させ、かつ転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR21〜25が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR21〜25のいずれかが当選していれば1/5の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行することとなる一方で、4/5の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
図3に示すように、SPリプレイ、特殊リプレイ及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、SPリプレイ、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR31〜36とで、SPリプレイを入賞させる操作態様として異なる操作態様が設定され、さらにSPリプレイか通常リプレイを入賞させて、かつ特殊リプレイを回避するための操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して通常・RT3へ移行させることができる一方で、5/6の確率で通常リプレイまたは特殊リプレイが入賞して通常・RT2が維持されることとなる。また、後述のようにSPリプレイが入賞すると、遊技者にとって有利なナビストックが1つ以上必ず付与されることとなるため、通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞してナビストックが1つ以上付与され、かつSPリプレイに入賞しやすい、すなわちナビストックが付与される可能性の高い通常・RT3へ移行させることができる。
また、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT3において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して後述するナビストックが1つ以上付与される一方で、1/6の確率で通常リプレイが入賞して通常・RT3が維持され、4/6の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2へ移行することとなる。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図17に示すように、同時当選した小役の種類及び停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図17は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
左ベル1(右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル6、上段ベル7、移行出目、または外れ出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。他の当選役については、図17に示した通りなので説明を省略する。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできない。そして、左ベル1または左ベル2が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、移行出目または外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される一方、左ベル3または左ベル4が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできない。そして、中ベル1または中ベル2が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、移行出目または外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される一方、中ベル3または中ベル4が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。そして、右ベル1または右ベル2が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、移行出目または外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される一方、右ベル3または右ベル4が当選したときにおいて、当該上段ベルが揃えられないときには、外れ出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施例では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目または外れ出目(当選役によっては、外れ出目)が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。
また、各当選役(内部抽選の結果)に対応する対応操作手順で操作されたときに導出される小役を「主役」といい、当該対応操作手順以外の操作手順で操作されたときに導出され得る小役を「副役」という。また、対応操作手順とは、主役を入賞させる操作手順である。たとえば、図17の中ベル1において、「主役」は中段ベルとなり、「副役」は上段ベル2または上段ベル5となり、対応操作手順は中第1停止となる。
また、押し順ベルには、主役および副役を取りこぼしてしまう場合に、移行出目も外れ出目も導出可能な押し順ベルと、外れ出目は導出可能であるが移行出目は導出不可能な押し順ベルとがある。以下では、主役および副役を取りこぼしてしまう場合に、移行出目も外れ出目も導出可能な押し順ベルを「移行出目導出可能役」という。また、主役および副役を取りこぼしてしまう場合に、外れ出目は導出可能であるが移行出目は導出不可能な押し順ベルを「移行出目導出不可能役」という。図17の例では、移行出目導出可能役は、左ベル1、2と、中ベル1、2と、右ベル1、2となる。また、移行出目導出不可能役は、左ベル3、4と、中ベル3、4と、右ベル3、4となる。
また、RT0、RT2、RT3、RT4のうちいずれかの状態で移行出目が導出されることにより遊技状態はRT1に移行される一方、外れ出目が導出されたとしても遊技状態は変化することはない。また、後述するように、RT1のメダル払出率はRT0、2、3のメダル払出率よりも低いことから、RT1は、RT0、2、3よりも不利な遊技状態である。また、RT0、2、3のいずれにおいて、移行出目が導出されると、RT1に制御される一方、外れ出目が導出されても遊技状態は変更されない(RT0、2、3からRT1に移行しない)。したがって、RT0、2、3のいずれにおいて、移行出目が導出されることは外れ出目が導出されることと比較して、遊技者にとって不利な事象となる。
また、RT1とRT4とを比較すると、RT4からは、RT1やRT4よりもメダル払出率が高いRT0、2、3に制御されない一方、RT1からは当該RT0、2、3に制御され得ることから、RT1はRT4よりも有利な遊技状態であるといえる。また、RT4おいて移行出目が導出されるとRT1に制御される一方、外れ出目が導出されても遊技状態は変更されない(RT4からRT1に移行しない)。したがって、RT4において、移行出目が導出されることは外れ出目が導出されることと比較して、遊技者にとって有利な事象となる。
このように、移行出目が導出されることは、遊技状態に応じて、有利な事象となるときと不利な事象となるときがある。
図3に示すように、右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、RBベル1〜4が当選した場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリのいずれかの組み合わせが入賞ラインLNに揃って10枚のメダルが払い出されることとなるが、1/3の割合でのみ、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うこととなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。また、全役(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベ)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うように制御される。
本実施例では、図9及び図10に示すように、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT0〜4のいずれかに制御される。前述のように、メイン制御部41のRAM41cには、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。遊技状態フラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態を示し、0001が内部中1を示し、0010が内部中2を示し、0100がRBを示し、1100がBB(RB)を示す。RTフラグは、4ビットのデータであり、0000がRT0を示し、0001がRT1を示し、0010がRT2を示し、0011がRT3を示し、0100がRT4を示す。また、RAMには、RTフラグの格納領域とともにRT残りゲーム数を格納可能な領域が1バイト分割り当てられており、RTが終了するまでの残りゲーム数が格納される。尚、ゲーム数の消化で終了しないRT0、3、4の場合には、RT残りゲーム数として0が設定される。
図10に示すように、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0000の場合は、通常遊技状態かつRT0であることを示す。他の遊技状態については、図10に示す通りなので説明を省略する。
一方、本実施例では、対象役の判定値数が定められた抽選テーブルとして、内部中1用の抽選テーブル、内部中2用の抽選テーブル、RB用の抽選テーブル、BB(RB)用の抽選テーブル、通常遊技状態用の抽選テーブルをそれぞれ有しており、さらに通常遊技状態用の抽選テーブルとして、RT0用の抽選テーブル、RT1用の抽選テーブル、RT2用の抽選テーブル、RT3用の抽選テーブル、RT4用の抽選テーブルをそれぞれ有している。
そして、内部抽選処理においてRAMに格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態及びRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、遊技状態及びRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行われるようになっている。
詳しくは、まず、RAM41cに格納されている遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態がBB(RB)中か否か、RB中か否か、内部中1か否か、内部中2か否か、を判定し、現在の遊技状態がBB(RB)中であれば、BB(RB)中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたBB(RB)用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、RB中であれば、RB中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたRB用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中1であれば、内部中1における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された内部中1用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中2であれば、内部中2における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された内部中2用の抽選テーブルを選択して抽選を行う一方で、現在の遊技状態がBB(RB)中でもなく、RB中でもなく、内部中1、2でもない場合、すなわち通常遊技状態であれば、さらにRAMに格納されているRTフラグの値を参照し、その値から特定されるRTの種類に応じて内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された通常用の抽選テーブルを選択して抽選を行うことで、各遊技状態及びRTの種類に応じた対象役の抽選が、各遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて行われることとなる。
通常・RT0は、通常・RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)、通常・RT1、通常・RT2が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT0を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常・RT0は、通常・RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止により通常・RT1に移行するか、特殊リプレイの入賞により通常・RT2に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT0における特別役の当選確率は通常(約1/239)、再遊技役の当選確率は高確率(約1/1.4)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、通常・RT0では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイGR11〜16及びリプレイGR21〜25のみが内部抽選の対象となる。また、リプレイGR11〜16の当選確率の合計は約1/2であり、そのうち5/6の確率で転落リプレイが入賞し、RT1へ移行するとともに、リプレイGR21〜25の当選確率の合計は約1/4.5であり、そのうち1/5の確率で特殊リプレイが入賞し、RT2へ移行し、4/5の確率で転落リプレイが入賞し、RT1へ移行し、さらに左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の当選確率の合計は約1/3.9であり、そのうち2/3×3/4の確率で移行出目が停止し、RT1へ移行することとなるので、当選確率の低い特別役の当選を考慮しなければ、通常・RT0に移行した場合、その期待ゲーム数(平均ゲーム数)は約1.3ゲームとなる。その他の遊技状態については、図11に示す通りなので、説明を省略する。
ここで本実施例の遊技状態及びRTの移行状況について説明すると、図9に示すように、RBまたはBB(RB)が終了すると、通常・RT4に移行する。通常・RT4では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。その他の移行契機については、図9に示す通りなので説明を省略する。
また、本実施例では、前述のように遊技状態フラグは、RAMの領域のうち設定変更時に初期化される一般ワークに割り当てられる一方で、RTフラグ及びRT残りゲーム数は、RAMの領域のうち設定変更時に初期化されない重要ワークに割り当てられている。
このため、通常遊技状態において設定変更された場合には、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新されるが、RTフラグの値やRT残りゲーム数の値は、設定変更前のまま維持されるので、通常遊技状態において設定変更された場合には、設定変更前のRTの種類及び残りRTゲーム数が設定変更後も引き継がれることとなる。
また、本実施例では、前述のように遊技状態が通常遊技状態から内部中1または内部中2に移行した場合には、RTフラグの値がRT0を示す0000に更新され、その後、移行したRBまたはBB(RB)が終了するまで、RTフラグの値がRT0を示す0000のまま維持されるようになっている。
このため、内部中1、2において設定変更された場合には、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新され、RTフラグの値は維持されるものの、必ずRT0を示す0000が設定されているので、内部中において設定変更された場合には、必ず通常遊技状態のRT0の状態となる。
また、BB(RB)において設定変更された場合も同様で、遊技状態フラグは初期化されて通常遊技状態を示す0000に更新され、RTフラグの値は維持されるものの、必ずRT0を示す0000が設定されているので、BB(RB)において設定変更された場合にも、必ず通常遊技状態のRT0の状態となる。
設定変更しても、その変更前の遊技状態を維持できるスロットマシンであっても、ボーナスなどの極端に有利な遊技状態などは、開店前には初期化するのが一般的である。このため、従来のスロットマシンでは、設定変更により遊技者にとって極端に有利な特定の遊技状態を終了させるものの、設定変更前が特定の遊技状態であるか否かを特定するために、特定の遊技状態を示すデータは維持し、設定変更後、特定の遊技状態を示すデータが設定されている場合には、特定の遊技状態を示すデータをその時点で初期化するとともに、遊技状態を改めて設定するようになっており、特定の遊技状態において設定変更した場合に、その変更後、遊技状態を初期化するために、変更後に初期化されるデータ、すなわち設定変更後は必要としないデータまで維持しておく必要があった。
これに対して本実施例では、設定変更がされた場合に、RTフラグ及びRT残りゲーム数については変更前のデータが維持される一方で、遊技状態フラグについては、設定変更前の値が初期化され、通常遊技状態を示す値に更新されるので、RTフラグにより特定される内部抽選の確率とその残りゲーム数のみ、設定変更後も引き継ぐことが可能となり、遊技状態フラグにより特定される内部抽選の確率については、設定変更により初期化することが可能となる。そして、遊技状態フラグとして特定の遊技状態を示す値(内部中またはBB(RB)を示す値)が設定された場合には、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化され、遊技状態フラグとして特定の遊技状態を示す値が設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うようになっており、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更された場合には、設定変更後、遊技状態フラグも、RTフラグ及びRT残りゲーム数も初期化された状態とすることが可能となるため、RTフラグ及びRT残りゲーム数のみ設定変更後も変更前のものが維持されるものにおいて、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態で設定変更された場合には、従来のように設定変更後、その変更後は用いられることのないデータ、すなわち必要のなくなるデータを保持することなく、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態とすることができる。
また、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更された場合には、設定変更後、遊技状態フラグ、RTフラグに加え、RT残りゲーム数も初期化された状態とすることが可能となるため、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更した場合に、当該遊技状態フラグが設定されてからのゲーム数に関わらず、設定変更後は、同一の状態、すなわち遊技状態フラグ、RTフラグ、RT残りゲーム数の全てが初期化された状態となるので、設定変更の時期によって遊技者に対して不公平となることがないため、ゲームの公正さを担保することができる。
また、本実施例では、内部抽選を行うにあたり、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択するとともに、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す場合には、RTフラグを参照せずに特定の遊技状態に用いる抽選テーブルを選択して抽選を行うようになっている。このため、RTフラグを参照したうえで、遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す遊技状態フラグであると判定された場合には、遊技状態フラグに対応する抽選テーブルが選択され、RTフラグを参照する処理が無駄になるが、本実施例のように、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択することで、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている場合において抽選テーブルに影響しないRTフラグを参照する処理を省くことができる。
また、本実施例では、特定の遊技状態として内部中1、2、すなわち特別役が当選している状態を示す遊技状態フラグが設定された場合に、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化され、内部中1、2を示す遊技状態フラグが設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うので、特別役が当選している状態では、設定変更するのみで、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態となるので、特別役の当選が持ち越されたまま遊技店が閉店した場合には、特別役が当選している状態を初期化し、かつRTフラグやRT残りゲーム数も初期化したい場合に、ただ設定変更するだけの作業で済むため、翌朝の開店までに遊技者を迎える準備として特別役の当選が持ち越された状態を終了させるための作業を効率的に行うことができる。
また、本実施例では、特定の遊技状態としてRBまたはBB(RB)、すなわち遊技者にとって有利なボーナス中を示す遊技状態フラグが設定された場合にも、RTフラグ及びRT残りゲーム数が初期化された状態が維持され、RBまたはBB(RB)を示す遊技状態フラグが設定された場合には、内部抽選においてRTフラグから特定される抽選テーブルを用いずに、遊技状態フラグから特定される抽選テーブルのみを用いて抽選を行うので、RB、BB(RB)では、設定変更するのみで、遊技状態フラグもRTフラグも初期化された状態となるので、RB中またはBB(RB)中に遊技店が閉店した場合には、RB、BB(RB)を初期化し、かつRTフラグやRT残りゲーム数も初期化する場合に、ただ設定変更するだけの作業で済むため、翌朝の開店までに遊技者を迎える準備としてRB、BB(RB)を終了させるための作業を効率的に行うことができる。
また、本実施例では、RBまたはBB(RB)終了時、すなわち特定の遊技状態の終了時に、RTフラグを初期化時のRTフラグ、すなわちRT0を示すRTフラグとは異なるRT4を示すRTフラグが設定されるようになっており、特定の遊技状態において設定変更するか、特定の遊技状態の終了後に、設定変更するか、に応じて異なるRTフラグの状態を設定することが可能となる。すなわち特定の遊技状態において閉店した場合には、特定の遊技状態のまま設定変更するか、特定の遊技状態を終了させてから設定変更するか、を遊技店側で選択することにより、開店時においてRTの状態をRT0とするか、RT4とするか、選択することが可能となる。
また、本実施例では、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合には、他の遊技状態または他のRTへ移行するまでの期待ゲーム数(平均ゲーム数)が最も少ない通常遊技状態のRT0となるので、特定の遊技状態において設定変更した場合には、少ないゲーム数で他の遊技状態やRTへ変更することが可能であり、通常遊技状態のRT0のままとするか、他の遊技状態やRTへ変更するか、を遊技店側で容易に選択できる。
また、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合に移行する通常遊技状態のRT0は、移行後のゲーム数に関わらず、他の遊技状態や他のRTへ移行する構成であるため、設定変更時に移行するRTのゲーム数を選択する必要もないうえに、規定ゲーム数消化するまで他の遊技状態や他のRTへ移行できないようなこともなく、特定の遊技状態において設定変更した場合において遊技店側が、他の遊技状態やRTへ変更することが制限されてしまうことを防止できる。さらに、通常遊技状態を構成するRT0〜4のうち、特定の遊技状態において設定変更した場合に移行する通常遊技状態のRT0、すなわち特定の遊技状態への移行時に同時に移行するRTは、ゲーム数に制限のないRTであり、特定の遊技状態を示す遊技状態フラグが設定されている状態において設定変更した場合に、当該遊技状態フラグが設定されてからのゲーム数に関わらず、設定変更後のRT0から他のRTへ移行する条件も、設定変更前の状態によって変わることがないため、設定変更の時期によって遊技者に対して不公平となることがないため、ゲームの公正さを担保することができる。
尚、本実施例では、内部抽選を行うにあたり、まず遊技状態フラグを参照し、遊技状態フラグが特定の遊技状態以外の遊技状態を示す場合のみ、RTフラグを参照して抽選テーブルを選択するとともに、遊技状態フラグが特定の遊技状態を示す場合には、RTフラグを参照せずに特定の遊技状態に用いる抽選テーブルを選択して抽選を行う構成、すなわち遊技状態フラグを優先して参照し、必要な場合のみRTフラグを参照する構成であるが、遊技状態フラグの値と、RTフラグの値と、の双方を用いて内部抽選に用いる抽選テーブルが特定される構成としてもよい。
[ペナルティについて]
本実施例においては、AT中ではない非AT中のゲームにおいて推奨操作手順で操作されなかった場合には、推奨操作手順で操作されたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを生じさせる制御が行われる。ここで、推奨操作手順とは、左第1停止、中第2停止、右第3停止であり、推奨操作手順以外の操作手順を非推奨操作手順という。推奨操作手順については、左第1停止、中第2停止、右第3停止に限らず、他の操作手順であってもよい。このように、推奨操作手順以外の操作手順により操作がされるとペナルティを付与させることにより、非AT中のゲームにおいて遊技者に推奨操作手順で操作させることを遊技者に促すことができる。また、換言すれば、推奨操作手順に応じた順番でリールを停止させたときにはペナルティが付与されない一方、推奨操作手順に応じた順番とは異なる順番でリールを停止させたときにはペナルティは付与される。たとえば、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの順番で停止されたときには、ペナルティは付与されないが、中リール2C、左リール2L、右リール2Rの順番で停止されたときには、ペナルティは付与される。
一方、後述する選択説明演出が実行されるゲームであれば、推奨操作手順に応じた順番とは異なる順番で遊技者に操作されたとしても、ペナルティは付与されない。
また、所定のペナルティとしては、ナビストックを付与するか否かのAT抽選において、AT当選確率や付与されるナビストック数の期待値が低下されたり、後述するATフリーズが実行されなくなったりする。ペナルティは、これらに限らず、遊技者にとって不利益を被るものであれば、如何なるものであってもよい。これにより、ペナルティが科されてしまうと、遊技者にとって有利となるATに制御されにくくなるため、ペナルティが科されないように、遊技者は非AT中に推奨操作手順でストップスイッチを操作するようになる。
[フリーズについて]
以下では、リプフリーズ以外のフリーズを単に「フリーズ」という。次に、本実施例のスロットマシン1で実行されるフリーズについて説明する。以下では、フリーズである状態を「フリーズ状態」といい、フリーズではない状態を「非フリーズ状態」であるという。本実施例では、強スイカまたは弱スイカが当選したときに、フリーズ抽選が実行され、当該フリーズ抽選によりフリーズ当選したゲームで、遊技者により逆押し操作されると、次のゲームでフリーズが実行される。つまり、フリーズ状態に制御されることにより、後述するAT当選した可能性を報知することができる(AT当選したか否かを遊技者に対して煽ることができる)。
また、非フリーズ状態のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されると、前回ゲーム開始時から所定のウェイトタイムが経過していることを条件として、ゲームを進行させる操作(ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち少なくともいずれかの操作であり、以下「ゲーム進行操作」という。)が有効化される。
一方、フリーズ状態のゲームでは、非フリーズ状態とは異なる態様で、メイン制御部41によりリールが制御される。「非フリーズ状態とは異なる態様」とはたとえば、リールが回転しなかったり、非フリーズ状態とは異なる速度でリールが回転したり、非フリーズ状態とは逆回転にリール回転することである。また、フリーズ状態中は、ゲーム進行操作が有効化されず、非フリーズ状態に切り替わったときに、ゲーム進行操作が有効化される。つまり、フリーズは、ゲーム進行操作を有効化させるタイミングを強制的に所定期間、遅延させるものである。また、遅延されるゲーム進行操作は、複数の操作のうち少なくとも1つとしてもよい。本実施例では、ゲーム進行操作をストップスイッチ8L、8C、8Rすべての操作とする。なお、ゲーム進行操作は他の操作部(たとえば、スタートスイッチ7やMAXBETスイッチ6)としてもよい。
また、フリーズ状態中では、サブ制御部91により、後述するフリーズ演出が実行される。具体的には、フリーズ演出とは、フリーズに対応して、サブ制御部91により実行される演出である。具体的には、フリーズ演出は、フリーズに対応させて液晶表示器51に画像を表示させる演出や、フリーズに対応させて演出効果LED52を発光させる演出や、フリーズに対応させてスピーカ53、54から音を出力させる演出等を含む。本実施例では、液晶表示器51に、「AT当選しているかも」などといったメッセージを表示させる。また、AT当選しているか否かを遊技者に対して煽るメッセージであれば、如何なるメッセージでもよい。
[フリーズ関連処理について]
図18を用いて、フリーズ関連処理について説明する。図18は、フリーズ関連処理を説明するための図である。フリーズ関連処理は、メイン制御部41により、1ゲーム開始に関連するタイミング(たとえば、遊技者によりスタートスイッチ7が操作されるタイミング)で実行される。以下の説明では、フリーズ関連処理が実行されているゲームを「今回ゲーム」といい、当該今回ゲームの1ゲーム前のゲームを「前回ゲーム」という。当該今回ゲームの1ゲーム後のゲームを「次回ゲーム」という。
まず、S402において、次ゲームフリーズ許可フラグが、RAM41cにセット(格納)されているか否かが判断される。次ゲームフリーズ許可フラグとは、次回ゲームでフリーズ実行が許可されていることを示すフラグである。S402において、次ゲームフリーズ許可フラグがセットされていないと判断されると、S404に移行する。
S404において、今回ゲームのスタートスイッチ7操作時の内部抽選により、中段チェリーまたは強チェリーが当選しているか否かが判断される。中段チェリーまたは強チェリーが当選していると判断された場合には(S404のYES)、S406に移行してフリーズ抽選が実行される。このように、中段チェリーまたは強チェリーの当選は、フリーズ抽選が実行される契機となる。一方、強スイカおよび弱スイカのいずれにも当選していないと判断された場合には(S404のNO)、フリーズ関連処理は終了される。
S406において、フリーズ抽選用テーブルを用いて、次回ゲームにおいてフリーズが実行されるか否かを決定するフリーズ抽選を実行する。図19は、フリーズ抽選用テーブルの一例である。以下では、フリーズ抽選により、「フリーズを実行することが決定される」ことを「フリーズ当選」といい、「フリーズを実行しないことが決定される」ことを「フリーズ非当選」という。また、フリーズ当選したゲームを「フリーズ当選ゲーム」という。つまり、フリーズ当選ゲームは、中段チェリーまたは強チェリーが当選したゲームでもある。
後述する図21で説明するように、中段チェリーが当選したときは、AT抽選に必ず当選する(必ず1以上のナビストックが付与される)一方、強チェリーが当選したときは、AT抽選に当選しない場合がある。また、本実施例のスロットマシン1は、AT確定フリーズと、ATチャンスフリーズを有する。図19の例では、中段チェリーが当選したときには、90%の確率でAT確定フリーズに当選し、ATチャンスフリーズには当選せず、10%の確率でフリーズ非当選となる。一方、強チェリーが当選したときには、AT確定フリーズに当選せず、90%の確率でATチャンスフリーズに当選し、10%の確率でフリーズ非当選となる。
ここで、AT確定フリーズの当選確率は、中段チェリーが当選したときには90%であるのに対し、強チェリーが当選したときには0%である。つまり、AT確定フリーズが当選して実行されるということは、中段チェリーに当選しているということであるからAT当選している(1以上のナビストックが付与される)ことが確定しているということである。一方、ATチャンスフリーズが当選して実行されるということは、強チェリーに当選していることからAT当選しているか否かが不確定であるということである。
また、AT確定フリーズおよびATチャンスフリーズの動作態様については、遊技者がこれら2つのフリーズを判別することができれば、如何なる動作態様であってもよい。前述のように、AT確定フリーズはAT当選していることが確定されたフリーズであり、ATチャンスフリーズはAT当選していることが不確定であるフリーズである。したがって、AT確定フリーズはATチャンスフリーズよりも派手な態様であることが好ましい。
たとえば、AT確定フリーズは、非フリーズ状態と比較して大きく異なった態様でリールを制御させる。AT確定フリーズは、たとえば、非フリーズ状態のリール回転方向と逆方向に、非フリーズ状態のリール回転速度よりもかなり速い速度でリールを回転させるフリーズである。さらに、AT確定フリーズが実行される際には、サブ制御部91により、派手なフリーズ演出を実行するようにしてもよい。
一方、ATチャンスフリーズは、AT確定フリーズよりも地味な態様であることが好ましい。ATチャンスフリーズは、たとえば、非フリーズ状態のリール回転方向と同一方向に、非フリーズ状態のリール回転速度よりも少し速い速度でリールを回転させるフリーズである。また、ATチャンスフリーズが実行される際には、サブ制御部91によりフリーズ演出を実行させないようにしてもよい。
このように、本実施例では、派手な態様のAT確定フリーズと地味な態様のATチャンスフリーズとがあり、AT当選している確率が異なる2種類のフリーズを実行することが可能であるから、遊技の興趣を向上させることができる。より詳細には、AT確定フリーズを実行することにより、AT当選が確定していることを遊技者に思わせることができ、ATチャンスフリーズを実行することにより、AT当選しているか否かの期待感を遊技者に与えることができるので遊技の興趣を向上させることができる。
S408において、メイン制御部41は、フリーズ抽選に応じたフリーズ実行可否コマンドをサブ制御部41に対して送信する。具体的には、S406のフリーズ抽選の結果が、フリーズ当選であるときには、フリーズ当選した旨のフリーズ実行可否コマンドをサブ制御部41に対して送信する。また、S406のフリーズ抽選の結果が、フリーズ非当選であるときには、フリーズ非当選した旨を示すフリーズ実行可否コマンドをサブ制御部41に対して送信する。
S410において、S408のフリーズ抽選の結果がフリーズ当選であるときには(S410のYES)、S412に移行する。また、S408のフリーズ抽選の結果がフリーズ非当選であるときには(S410のNO)、フリーズ関連処理を終了させる。S412では、次ゲームフリーズ許可フラグがRAM41cにセット(格納)される。S412の処理終了後、フリーズ関連処理を終了させる。
一方、S402において、次ゲームフリーズ許可フラグがセットされていると判断されたときには(S402のYES)、S414に移行する。S414では、前回ゲームが逆押しされたか否かが判断される。ここで、「前回ゲーム」とは、次ゲームフリーズ許可フラグがセットされたゲームであり、フリーズ当選ゲームである。S414において、前回ゲームで逆押しされたと判断されたときには(S414のYES)、S416に移行し、前回ゲームで逆押しされていないと判断されたときには(S414のYES)、S420に移行する。前回ゲームで逆押しされたか否かの判断は、右ストップスイッチ8R、中ストップスイッチ8C、左ストップスイッチ8Lの順番で、スイッチ検出回路44が、検出信号を取り込んだか否かで判断する。
S416において、メイン制御部41は、S406のフリーズ抽選で当選した種類のフリーズ(AT確定フリーズまたはATチャンスフリーズ)を実行する(フリーズ状態に制御する)。次に、S418において、メイン制御部41は、サブ制御部91に対してフリーズコマンドを送信する。サブ制御部91は、当該フリーズコマンドを受信して当該フリーズコマンドを解析することにより、フリーズが実行されること、および実行されるフリーズの種類を特定することができる。なお、S416の処理とS418の処理の順番は逆であってもよい。次に、S420において、RAM41bに格納されていた次ゲームフリーズコマンドがクリアされる。
[AT関連処理について]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨及びナビストック数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。ATである旨を示すATフラグがセットされている状態であるときに、ナビストック数を1消費してATに制御可能となる。
尚、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数を獲得したときには、ATフラグから特定されるナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
例えば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、AT抽選が行われる場合には、当該AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、例えば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回のAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであっても良く、AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
サブ制御部91は、通常・RT1〜4であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、通常・RT1において、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。すなわち、ナビストックが残っているときには、ATの制御を開始する。通常・RT1から通常・RT0に移行するまでの期間においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、通常ナビ演出が実行可能となる。
ATに制御されているときであって、通常・RT1から通常・RT0に制御されるときまたは通常・RT0または通常・RT2において所定ゲーム数経過したときには、ナビストック数を1消費(減算)することによるATへの開始条件が成立し、所定ゲーム数(本実施例では50ゲーム)の通常ナビ演出が実行されるまでの間、再遊技役の当選確率が高いRTかつATであるARTに制御する。尚、ナビストック数を1消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。
サブ制御部91は、AT管理処理においてナビストックを1消費したとき、すなわち通常・RT1から通常・RT0に移行したときまたは通常・RT0または通常・RT2において所定ゲーム数経過したときに、所定のATゲーム数だけATに制御する。本実施例では、1ナビストック当たり50ゲームのATゲーム数に制御されるが、他のATゲーム数であってもよい。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、ARTであるときには、残りゲーム数が0となったときには非ATに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。すなわち、一連のATの終了条件は、ATから非ATに制御するときのATフラグがナビストック数0であるときに成立する。
非ATに制御されたときのATフラグからATでない旨が特定されたときには、再度ATに制御されず、通常ナビ演出が実行されない。これにより、通常・RT0または通常・RT2であるときには、移行出目が揃う可能性が高まり、通常・RT1に制御される可能性が高まる。
一方、非ATに制御されたときのATフラグから特定されるナビストック数が1以上であれば、通常ナビ演出の対象役が当選したときに、ナビストック数を1消費し、50ゲームにわたり通常ナビ演出が行われるまでATに制御される。そしてナビストック数も0となり、ナビ回数も0となることでATが終了することとなる。
サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、ATフラグからATである旨が特定されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、通常ナビ演出を実行する。本実施例では、ナビ対象役は押し順ベルであるとする。また、押し順ベルのいずれかに当選したときの通常ナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベル(主役)を確実に入賞させるための押し順(図17参照)が報知される。例えば、左ベルに当選したときには、左リールを第1停止リールとして停止させることにより右下がりベルを確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止リールとして停止させるための「左!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベルに当選したときには、中リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止リールとして停止させるための「中!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、右ベルに当選したときには、右リールを第1停止リールとして停止させることにより中段ベルを確実に入賞させることができるため、右リールを第1停止リールとして停止させるための「右!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施例における通常ナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
尚、通常ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、通常ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
そして、通常ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、SPリプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞回避させることができる。
[演出関連処理について]
次に、図20を用いて、演出関連処理について説明する。図20は、演出関連処理を説明するための図である。演出関連処理は、図18記載のフリーズ関連処理が終了したときに、サブ制御部91により実行される。また、以下の説明では、演出関連処理が実行されているゲームを「今回ゲーム」といい、当該今回ゲームの1ゲーム前のゲームを「前回ゲーム」といい、当該今回ゲームの1ゲーム後のゲームを「次回ゲーム」という。
まず、S500において、AT抽選用テーブルを用いて、AT抽選が実行される。図21は、AT抽選用テーブルの一例を示したものである。図21を用いて、AT抽選用テーブルおよびATに関連する処理について説明する。なお、AT抽選用テーブルはROM91bに予め格納されている。
AT抽選条件は、RT0〜4において、チェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)、スイカ(弱スイカ、強スイカ)が当選することにより成立する。また、チェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)、スイカ(弱スイカ、強スイカ)をまとめて「AT抽選対象役」という。
通常・RT0〜4であるときにAT抽選対象役が当選することにより、AT抽選条件が成立したときには、図21に示すAT抽選用テーブルを参照してAT抽選が行われる。尚、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、通常・RT0〜4であることを特定し、内部当選コマンドに基づきAT抽選対象役のいずれかに当選したことを特定する。
また、図21に示すように、AT抽選対象役として、弱スイカ当選、強スイカ当選、弱チェリー当選、強チェリー当選、中段チェリー当選により、それぞれ、ナビストックが付与される確率が異なるように設定されている。また、以下では、付与されるナビストックが「0」であるときを「AT非当選」といい、付与されるナビストックが「1以上」であるときを「AT当選」という。
次に、図21の詳細を説明する。弱スイカが当選したときには、95%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が1に決定されるように、AT抽選が行われる。つまり、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、0.05(=0×95%+1×5%)となるように構成されている。また、AT当選確率は、5%となる。他のAT抽選対象役については、図21に示す通りなので説明を省略する。なお、図21に示すように、強チェリーが当選したときのAT当選確率は40%であるのに対し、中段チェリーが当選したときのAT当選確率は100%である。
説明を図20に戻す。S500のAT抽選処理が終了すると、S502に移行する。S502において、説明済みフラグがRAM91cにセット(格納)されているか否かが判断される。説明済みフラグについては後述する。S502において、説明済みフラグがセットされていないと判断されると(S502のYES)、S504に移行する。
S504においては、フリーズ当選した旨のフリーズ実行可否コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、当該フリーズ実行可否コマンドは、S504の処理が実行されたゲームで行われたフリーズ関連処理のS408(図18参照)において、送信されたものである。S504において、フリーズ当選した旨のフリーズ実行可否コマンドを受信したと判断されると(S504のYES)、S506に移行する。一方、S504において、フリーズ非当選した旨のフリーズ実行可否コマンドを受信したと判断されると(S504のNO)、演出関連処理を終了させる。
S506において、規制カウンタが1以上であるか否かが判断される。ここで、本実施例では、規制カウンタは、規制期間が終了するまでのゲーム数を示す。当該規制期間とは、フリーズ当選したときには、フリーズの実行を間接的に規制するための順押し説明演出が実行される期間である。後述するS522において、フリーズ状態に制御された(AT確定フリーズまたはATチャンスフリーズが実行される)ときには、規制カウンタは「5」にセットされる。たとえば、規制カウンタが「3」を示している場合には、規制期間が終了するまでのゲーム数が「3」であることを示す。また、規制カウンタは、1ゲームが開始される(スタートスイッチ7が操作される)ごとに、1減少される。
S506において、規制カウンタが1以上でないと判断された場合(S506のNO)S508に移行する。規制カウンタが1以上でないと判断されるということは、規制カウンタがセットされていないことをいう。S508においては、遊技状態が内部中(図9に示すように内部中1または内部中2)であるか否かが判断される。内部中であるか否かの判断は、メイン制御部41から送信される遊技状態コマンドを解析することにより実行される。
内部中ではないと判断されると(S508のNO)、S510に移行される。S510においては、選択説明演出背景抽選が実行される。まず、選択説明演出について説明する。当該選択説明演出とは、当該選択説明演出が実行されたゲームの次のゲームにおいて、フリーズを実行させるか、単ゲーム演出を実行させるかが選択可能であることを遊技者に報知する演出である。具体的には、当該選択説明演出は、「逆押しすれば、当該逆押しした次のゲームのスタート時にフリーズが実行され、順押しすれば当該順押しした次のゲームのスタート時に後述する単ゲーム演出(S526参照)が実行される」ことを特定可能な情報を報知する演出である。たとえば、選択説明演出は、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」旨のメッセージを液晶表示器51に表示させることである。遊技者は、当該メッセージを目視することにより、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」ことを認識することができる。また、本実施例では、選択説明演出が実行されたゲームにおいて、遊技者が逆押ししたとしても、ペナルティは付与されない。
次に、選択説明演出背景抽選について説明する。選択説明演出背景抽選は、図22に示す選択説明演出背景決定用テーブルを用いて、選択説明演出の背景色を決定する抽選である。図22の例では、S510の処理が実行されるゲームにおいて、S500のAT抽選の結果、AT当選しているときには、90%の確率で、選択説明演出の背景色を「赤色」に決定し、10%の確率で選択説明演出の背景色を「青色」に決定する。また、ATに当選していないときには、10%の確率で、選択説明演出の背景色を「青色」に決定し、90%の確率で選択説明演出の背景色を「赤色」に決定する。次に、S512において、S510で決定された背景色を適用して選択説明演出を開始する。また、背景色が赤色であるときには、「AT当選しているかも」というメッセージも表示され、背景色が青色であるときには、「AT当選していないかも」というメッセージも表示される。以下では、これらのメッセージを「背景色に付随したメッセージ」という。
このような選択説明演出を実行することにより、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」ことを遊技者に認識させることができる。さらに、選択説明演出の背景色および当該背景色に付随したメッセージにより、AT当選している可能性を遊技者に報知できる。具体的には、選択説明演出の背景色が「赤色」である場合には、AT当選している確率が高い旨を遊技者に認識させることができ、選択説明演出の背景色が「青色」である場合には、AT当選している確率が低い旨を遊技者に認識させることができる。したがって、選択説明演出で表示される「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」旨のメッセージのみならず、選択説明演出の背景色についても遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
S512の処理において、選択説明演出が開始されると、S514において、説明済みフラグがRAM91cにセット(格納)される。説明済みフラグとは、選択説明演出が開始されたことを特定するフラグである。
次に、S506において、規制カウンタが1以上であると判断されたときについて説明する(S506のYES)。規制カウンタが1以上であると判断されたということは、規制期間に制御されていることをいう。つまり、S504およびS506においてYESと判断されたということは、規制期間中にフリーズ当選したことをいう。このように、規制期間中にフリーズ当選した場合には、順押し説明演出が実行される。
ここで、順押し説明演出について説明する。順押し説明演出とは、遊技者に対して、順押しを実行することを推奨する演出である。具体的には、「左中右」といった順押しを想起させるメッセージを液晶表示器51に表示させる。また、順押し説明演出は、通常ナビ演出と同じ態様で実行することが好ましい。
一般的に、遊技者は、有利な状態に移行させるため、または不利な状態に移行させないために、通常ナビ演出が実行されたときには、当該通常ナビ演出で報知された操作手順通りに操作を行う可能性が高い。したがって、順押し説明演出を、通常ナビ演出と同じ態様で実行することにより、遊技者は、順押し説明演出が報知される操作手順通り(順押し)に操作を行う可能性が高い。
ここで、順押しが実行されることにより、当該順押しされたゲームの次のゲームで実行されるフリーズ関連処理(図18参照)のS414でNOと判断されるため、当該次のゲームでフリーズが実行されなくなる。つまり、順押し説明演出を実行することにより、当該順押し説明演出が実行されたゲームの次のゲームで間接的にフリーズを実行させないようにすることができる。S516の処理が終了すると、S514において、説明済みフラグがセットされる。
次に、S502において、説明済みフラグがセットされていると判断された場合(S502のYES)について説明する。この場合には、S518に移行する。S518では、フリーズコマンドを受信したか否かを判断する。ここで、当該フリーズコマンドとは、このS518の処理が実行されたゲームで行われたフリーズ関連処理のS418で送信されたフリーズコマンドである。つまり、S518でフリーズコマンドを受信したと判断されたということは、「前回ゲームで遊技者により逆押しされたことにより、今回ゲームでフリーズが実行される」ことを意味する。逆に、S518でフリーズコマンドを受信していないと判断されたということは、「前回ゲームで遊技者により逆押し以外の操作手順で操作されたことにより、今回ゲームではフリーズが実行されない」ことを意味する。
S518において、フリーズコマンドを受信したと判断されると(S518のYES)、S520に移行する。一方、S518において、フリーズコマンドを受信していないと判断されると(S518のNO)、S524に移行する。
S524においては、「前回ゲームで順押しされた旨の操作検出コマンド」を受信したか否かが判断される。ここで、「前回ゲームで順押しされた旨の操作検出コマンドを受信する」とは、左ストップスイッチ8Lの操作を検出した操作検出コマンド、中ストップスイッチ8Lの操作を検出した操作検出コマンド、右ストップスイッチ8Lの操作を検出した操作検出コマンド、の順番で操作検出コマンドを受信することである。S524において、前回ゲームで順押しされた旨の操作検出コマンドを受信したと判断された場合には(S524のYES)、S526に移行する。一方、S524において、前回ゲームで順押しされた旨の操作検出コマンドを受信したと判断されなかった場合には(S524のNO)、S522に移行する。また、S524でNOと判断されるということは、前回ゲームにおいて、逆押しおよび順押しのいずれでもない操作手順で操作されたことをいう。
S520においては、S418で送信されたフリーズコマンドを解析することにより、S416で実行されるフリーズの種類を特定し、当該特定された種類のフリーズに対応するフリーズ演出データをRAM91cにセットすることにより、フリーズと同期させてフリーズ演出が実行される。また、フリーズ演出データは、フリーズに対応させて液晶表示器51に画像を表示させる演出データや、フリーズに対応させて演出効果LED52を発光させる演出データや、フリーズに対応させてスピーカ53、54から音を出力させる演出データ等を含む。また、フリーズ演出は、フリーズと同時に実行されることが好ましい。
S520においては、さらに、フリーズ演出を実行した後、フリーズが終了するときにフリーズ演出を終了させてバトル演出を実行するためのデータを設定する。当該バトル演出とは、液晶表示器51において、味方キャラクタAと敵キャラクタBがバトルを行い、味方キャラクタAが勝利すると、当該勝利した旨とともに、AT当選した旨が報知され、バトル演出が終了する。一方、味方キャラクタが敗北すると、当該敗北した旨と共にAT当選しなかった旨が報知され、バトル演出が終了する。以下では、味方キャラクタAが勝利した旨、およびAT当選した旨が報知されるバトル演出を「勝利バトル演出」といい、味方キャラクタAが敗北した旨、およびAT当選しなかった旨が報知されるバトル演出を「敗北バトル演出」という。つまり、AT当選のときに実行されるバトル演出は、「勝利バトル演出」であり、AT非当選のときに実行されるバトル演出は、「敗北バトル演出」である。
このように、バトル演出は、規制期間(規制カウンタが1〜5である期間)中に亘って実行される演出である。また、バトル演出では、最終的にAT当選したか否かの結果(バトル演出の結果)を報知する。
S520の処理が終了すると、S522において、規制カウンタが5にセットされる。前述したように、規制カウンタが5にセットにされるということは、5ゲームの規制期間への移行が開始されたことをいう。S522の処理が終了すると、S523の処理へ移行する。
また、S526においては、単ゲーム演出データをRAM91cにセットすることにより、単ゲーム演出が実行される。ここで、単ゲーム演出とは、スタートスイッチが操作されたときに実行開始され、第1停止および第2停止がされる毎に進行され、第3停止がされたときに終了する演出である。フリーズは、ゲーム進行操作を有効化させるタイミングを強制的に所定期間、遅延させるものである。一方、単ゲーム演出は遊技の進行操作に応じて進行される演出であってかつ1ゲーム間で終了する演出であり、遊技者の意思により終了させることができる演出である。したがって、第1〜第3停止が早く実行されたときの単ゲーム演出の実行時間は、フリーズの実行時間よりも短いといえる。
S522の処理またはS526の処理が終了すると、S523において、説明済みフラグがクリアされる。
つまり、前回ゲームにおいて逆押しされたときには、今回ゲームでフリーズが実行されることになり、前回ゲームにおいて順押しされたときには、今回ゲームで単ゲーム演出が実行されることになり、さらに、前回ゲームにおいて、逆押しおよび順押しのいずれでもない操作手順で操作されたときには、フリーズおよび単ゲーム演出のいずれも実行されないことになる。
[フリーズと順押し説明演出について]
次に、図23を用いて、フリーズと順押し説明演出の関係について説明する。図23(A)(B)はそれぞれ、本実施例、変形例のフリーズと順押し説明演出の関係を示したものである。また、図18のS518、S520で説明したように、本実施例では、フリーズの発生を契機としてバトル演出が実行される。また、図23において、「G」は「ゲーム」を示す。
図23(a)に示すように、フリーズが実行されると(図18のS416)、バトル演出が実行されるとともに(図20のS520参照)、規制期間に移行される(図20のS522)。図23(b)に示すように、当該規制期間中に新たにフリーズ当選すると(S504のYESおよびS506のYES)、図23(c)に示すように、順押し説明演出が実行される(S516)。当該順押し説明演出が実行されることにより、遊技者に対して、順押しすることを推奨することができることから、当該順押しされた次のゲームでは、フリーズを実行させないようにすることができる。
以下に、本実施例のスロットマシンンの効果について説明する。
(1) もし、フリーズが実行されることによりバトル演出が実行され、当該バトル演出中に、再びフリーズ当選してフリーズが発生すると仮定すると、バトル演出による結果(フリーズによる結果)が報知されるまでに、当該フリーズが発生することになり、遊技者が混乱してしまう虞がある。
そこで、本実施例のスロットマシンでは、バトル演出中(規制期間中)に、再びフリーズ当選したときには、順押し説明演出を実行する(S516)。当該順押し説明演出が実行されることにより、遊技者に対して、順押しすることを推奨することができることから、当該順押しされた次のゲームでは、フリーズを実行させないようにすることができる。したがって、当該バトル演出中(規制期間中)に再びフリーズ当選したときには、順押し説明演出が実行されることにより、間接的にフリーズを実行させないようにすることができ、前述した遊技者の混乱を防止することができる。
さらに、通常ナビ演出と同じ態様で順押し説明演出は実行される。したがって、高い割合で、順押し説明演出で報知した順押操作を遊技者に行なわせることができ、規制期間中にフリーズが実行されることを規制することができる。
(2) また、フリーズ当選したときにおいて、AT当選した可能性を報知するバトル演出を実行した後に、AT当選したか否かの結果報知を実行する。したがって、当該バトル演出を実行することにより、AT当選したか否かの期待感を遊技者に対して抱かせることができる。これとともに、バトル演出実行中は、フリーズ当選したとしても、間接的にフリーズを実行させないようにすることから、当該バトル演出とフリーズが並行して実行されることを防止できることから、遊技者の混乱を防止することができる。
(3) また、本実施例のスロットマシン1は、AT当選した期待度が異なる2種類のフリーズ(AT確定フリーズおよびATチャンスフリーズ)を有する。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。また、規制期間中に、当該2種類のフリーズのうちいずれがフリーズ当選したとしても、順押し説明演出を実行することにより、当該フリーズ当選に基づくフリーズを間接的に実行させないようにすることができ、当該順押し説明演出を実行する処理を共通化させることができ、処理負担を軽減することができる。
(4) また、規制期間中でなくとも(S508のNO)、内部中であっても(S508)、フリーズ当選したときには、順押し説明演出が実行されることにより、間接的にフリーズを実行させないようにすることができる。もし、内部中にフリーズ当選してフリーズが発生すると仮定すると、当該内部中に内部中演出が実行された場合には、当該内部中演出実行中にも当該フリーズが発生することになり、遊技者が混乱してしまう虞がある。
そこで、本実施例のように内部中に制御されているときも、順押し説明演出を実行することにより、間接的にフリーズを実行させないようにし、遊技者の混乱を防止することができる。
また、本実施例では、内部中は2種類(内部中1、内部中2)あり、いずれの内部中に制御されているときでも、フリーズ当選したときには、順押し説明演出を実行する。したがって、内部中の種類に問わず、当該順押し説明演出を実行する処理は同一となるので、当該処理を共通化させることができ、処理負担を軽減することができる。
(5) また、実行されたフリーズが、AT確定フリーズおよびATチャンスフリーズのいずれであっても、当該フリーズが実行されたときにはフリーズの種類を問わず、共通の規制期間に制御される。したがって、フリーズの種類を問わず、規制期間に制御させる処理や、順押し説明演出を実行する処理などを同一とすることができるので、これらの処理を共通化でき、処理負担を軽減することができる。
(6) また、フリーズは、ゲーム進行操作を有効化させるタイミングを所定期間、遅延させるものである。したがって、フリーズは、比較的、遊技時間を要するものであるといえる。よって、遊技店の閉店時刻間近に遊技を開始させた遊技者など、遊技時間をあまり確保できない遊技者にとって、遊技時間を要するフリーズが実行されると、遊技の低下を招く場合がある。
そこで、本実施例のように、フリーズ当選ゲームにおいて、逆押しされたときおよび規制期間に制御されていないときには、次のゲームでフリーズを実行させる。一方、逆押し以外の操作手順で操作されたときには、フリーズを実行させない。したがって、遊技者の操作手順に応じて、遊技者は、フリーズを実行させるか否かを選択することができ、遊技者の趣向に合わせて遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、フリーズ当選したか否かや、逆押しされたか順押しされたかに関わらず、後述するAT抽選時に参照されるAT抽選用テーブル(図21参照)は同一である。したがって、フリーズ当選ゲームにおいて、逆押しされたことによりフリーズが実行されたときであっても、順押しされたことにより単ゲーム演出が実行されたときであっても、「AT当選確率」および「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」は同一である。したがって、逆押しされたときと順押しされたときとでの不平等感を防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) また、フリーズ当選ゲームにおいて、規制期間に制御されていないときに逆押しされたときには、フリーズが実行されることにより、AT当選したか否かを遊技者に対して煽る。一方、フリーズ当選ゲームにおいて、順押しされたときには、フリーズよりも実行時間が短い単ゲーム演出が実行されることにより、AT当選したか否かを遊技者に対して煽る。したがって、遊技者の操作手順に応じて、フリーズまたは単ゲーム演出のいずれかを実行させることができるので、遊技者の趣向に合わせた演出を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) また、本実施例では、フリーズ当選ゲームであって、逆押し以外の操作手順で操作されたときには、フリーズを必ず実行させない。したがって、遊技時間をあまり確保できない遊技者は、逆押し以外の操作手順で操作することにより、遊技時間を要するフリーズを必ず実行させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、順押しされたゲームの次のゲームでは、フリーズより実行時間が短いといえる単ゲーム演出が実行され、当該単ゲーム演出は、1ゲームで終了する演出である。したがって、遊技時間をあまり確保できない遊技者は、単ゲーム演出を実行させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) また、本実施例では、強チェリーまたは中段チェリーが当選したゲームにおいて、フリーズ当選すると、選択説明演出を実行する。選択説明演出は、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」ルールを特定可能な情報を報知する演出である。したがって、フリーズを実行させる手順および単ゲーム演出を実行させる手順を遊技者に認識させることができる。特に、このようなルールを知らない遊技者に対して、当該ルールを認識させることができることから、このような遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
(10) また、本実施例では、ストップスイッチ8が操作される前に、フリーズ抽選(図18のS406参照)によりフリーズを実行するか否かを決定する。このような構成により、実行する演出を多様化することができる。たとえば、逆押しすることで発生されるフリーズによるAT当選の確率(期待度)を報知することができる。本実施例では、AT当選したか否かで選択説明演出の背景色を変更することにより、フリーズによるAT当選の確率(期待度)を報知している。
(11) また、本実施例では、中段チェリーまたは強チェリーが当選しており(図18のS404のYES)、かつフリーズ抽選でフリーズ当選したときに(図20のS504のYES)、選択説明演出を実行する。したがって、ストップスイッチ8が操作される前に、フリーズ抽選を実行することにより、選択説明演出で報知している内容を確実なものとすることができる。もし、第3停止後にフリーズ抽選をする構成であると仮定した場合、選択説明演出で報知された内容通りに遊技者が操作(第3停止)したときでも、フリーズ抽選の結果がフリーズ非当選である場合には、フリーズが実行されないことになる。そうすると、選択説明演出で報知された内容は、虚偽の内容となり、遊技者の選択説明演出に対する信頼感が喪失されてしまう虞がある。そこで、本実施例のように、ストップスイッチ8が操作される前に、フリーズ抽選を行うことにより、このような信頼感が喪失されてしまうということを回避することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施例で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施例で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[フリーズの規制について]
(1) 本実施例では、サブ制御部91により規制期間に制御する構成を説明した。具体的には、図23(A)に示したように、規制期間中にフリーズ当選したときには、サブ制御部91が順押し説明演出を実行することにより、当該サブ制御部91により間接的にフリーズを発生しないようにするとして説明した。しかしながら、「サブ制御部91により規制期間に制御する」構成を、「メイン制御部41により制御期間に制御する」構成に代替するようにしてもよい。「メイン制御部41により制御期間に制御する」構成とは、具体的には、規制期間中は、メイン制御部41により直接的にフリーズを発生させない制御を行なうようにしてもよい。一例を図23(B)に示す。図23(B)(d)に示すように、フリーズが当選したときには、規制期間に制御させる。当該規制期間はたとえば、5ゲームとする。当該規制期間に制御されているときには、規制フラグがRAM41cに格納され、当該規制期間が終了すると、当該格納されていた規制フラグはクリアされる。
また、図23(B)(e)に示すように、当該規制期間中(規制フラグが格納されているとき)にフリーズが当選したときには、フリーズを実行させないようにする。このような構成にすることにより、規制期間は確実にフリーズを実行させないようにすることができることから、確実に前述の遊技者の混乱を防止できる。また、サブ制御部91は、フリーズを実行させない処理に関しては、何ら、処理を実行する必要がなく、サブ制御部91の処理負担を軽減できる。以下では、本実施例で説明した順押し説明演出を実行することにより間接的にフリーズを実行させないこと、および本変形例でメイン制御部41がフリーズを実行させないことをまとめて「フリーズを規制する」という。
このように、スロットマシン1においては、規制期間に制御する処理を、メイン制御部41またはサブ制御部91のいずれか一方に行なわせることができる。
(2) 本実施例では、通常ナビ演出と同じ態様で、順押し説明演出を実行するとして説明したが、通常ナビ演出と異なる態様で、順押し説明演出を実行するようにしてもよい。また、順押し説明演出で報知した順押しで操作をしなかった場合(順押し以外で操作した場合)には、ペナルティを付与するようにしてもよい。たとえば、順押し説明演出において、「左中右」というメッセージを表示するとともに、「左中右で操作しなければ、ペナルティ付与!」というメッセージも表示するようにしてもよい。このような順押し説明演出を実行することにより、遊技者はペナルティが付与されることを回避するために、順押し操作を行う割合が高くなり、さらに規制期間中にフリーズが発生されることを防止できる。
[フリーズについて]
(1) 本実施例では、2種類のフリーズとして、AT確定フリーズとATチャンスフリーズがあるとし、規制期間中に、当該2種類のフリーズのいずれが当選したとしても、順押し説明演出を実行することにより、間接的に当該2種類のフリーズを実行させない(フリーズを規制する)として説明した。しかしながら、規制期間中にATチャンスフリーズが当選すると当該ATチャンスフリーズを規制する一方、AT確定フリーズが当選すると、当該AT確定フリーズを規制せずにAT確定フリーズを実行させるようにしてもよい。このような構成によれば、実行されたときには必ずAT当選していることを報知できるAT確定フリーズが規制されないことから、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施例では、必ずAT当選する役(本実施例では中段チェリー)が当選したときに、AT確定フリーズは実行されるとして説明した。しかしながら、たとえば、当選確率が低いボーナス(本実施例では、たとえば、BB1)が当選したときに、AT確定フリーズの代わりにボーナス当選フリーズを実行するようにしてもよい。
(3) 本実施例では、AT確定フリーズとATチャンスフリーズの2種類のフリーズを有するとして説明したが、3種類以上のフリーズを備えるようにしてもよい。また、規制期間については、5ゲームであるとして説明したが、5ゲーム以外のゲーム数であってもよい。
(4) 本実施例では、スタートスイッチ操作時に実行されるフリーズ抽選によりフリーズ当選したゲームにおいて、遊技者が逆押しすると、次のゲームでフリーズが必ず発生するとして説明した。しかしながら、フリーズ当選したゲームにおいて、第3停止後に、再度、フリーズ抽選(「以下、2度目のフリーズ抽選」という。)を行い、次のゲームにおいてフリーズを実行するか否かを決定するようにしてもよい。ここで、当該2度目のフリーズ抽選は、逆押しで操作されたときには、順押しで操作されたときよりも、高い確率でフリーズが実行されるように設計されているとする。
このような構成の場合において、2度目のフリーズ抽選の結果が、フリーズ非当選である場合には、遊技者により逆押しされたとしても、次のゲームにおいてフリーズは実行されないことになる。したがって、フリーズを実行させないことを意図している遊技者が、逆押しをしたとしても、次のゲームでは必ずしもフリーズが実行されるということにはならないので、当該遊技者に対して緊張感を与えることができる。
また、このような構成において、スタートスイッチ操作時に実行されるフリーズ抽選を省略するようにしてもよい。つまり、フリーズ抽選は、「2度目のフリーズ抽選」のみとしてもよい。このような構成によれば、フリーズ抽選の回数を削減することができるので、制御負担を低減させることができる。
(5) 本実施例においては、フリーズを実行させる操作手順を「逆押し」とし、連続演出を実行させる操作手順を「順押し」として説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、フリーズを実行させる操作手順と、フリーズを実行させない(単ゲーム演出を実行させる)ための操作手順とが異なるものであれば、如何なる操作手順としてもよい。この場合には、順押し説明演出が、フリーズを実行させない操作手順を報知する演出に代替される。たとえば、フリーズを実行させる操作手順を「順押し」とし、連続演出を実行させる操作手順を「逆押し」としてもよい。
また、フリーズを実行させる操作手順は、リールの停止順番にかかわらず、リールの所定停止タイミングとしてもよい。また、フリーズを実行させる操作手順は、リールの所定停止タイミングおよびリールの所定停止順番としてもよい。
(6) 本実施例においては、特定条件を「中段チェリーまたは強チェリーが当選して、かつフリーズ当選することにより成立する条件」として、当該特定条件が成立したときに、逆押しされたときに、次のゲームで、フリーズが実行されるとして説明した。しかしながら、特定条件を他の条件としてもよい。さらに、特定条件を、「遊技者にとって後述する特典が付与される条件」とすることがさらに好ましい。
たとえば、特定条件を特定役が、1以上の所定回数、当選または入賞することにより成立する条件としてもよい。また、特定条件を、「表示ゲーム数が、天井ゲーム数(たとえば、999ゲーム)に到達することにより成立する条件」としてもよい。なお、表示ゲーム数とは、たとえば、液晶表示器51に表示されるゲーム数であって、1ゲーム消化するごとに、1ゲームずつ増加するゲーム数である。
(7) 本実施例において、フリーズ当選したゲームにおいて、逆押しされたときには、次のゲームのスタートスイッチ操作時に、フリーズが実行されるとして説明した。しかしながら、フリーズ実行タイミングは、これに限られるものではなく、他のタイミングとしてもよい。たとえば、フリーズ実行タイミングを、逆押しされたゲームの終了時としてもよい。また、フリーズ実行タイミングを、フリーズ当選したゲームの次のゲームの第1停止時などとしてもよい。また、フリーズ実行タイミングを、フリーズ当選したゲームの2ゲーム以降の所定のタイミングとしてもよい。
(8) 以下では、次のゲームでフリーズを実行させる手順を「フリーズ実行手順」といい、フリーズを実行させない手順を「フリーズ非実行手順」という。本実施例では、フリーズ実行手順を「逆押し」とし、フリーズ非実行手順を、「順押し」として、全てのゲームにおいて、フリーズ実行手順およびフリーズ非実行手順は固定であるとして説明した。しかしながら、所定の実行手順変更条件が成立する毎に、フリーズ実行手順を変更するようにしてもよい。ここで、「所定の実行手順変更条件」とは、1ゲーム消化する毎に成立する条件や、乱数抽選で当選することにより成立する条件や、AT当選したことにより成立する条件であってもよい。また、たとえば、当該乱数抽選により、フリーズ実行手順を変更する旨が決定されたときには、同時にフリーズ実行手順を決定するようにしてもよい。
このような構成によれば、熟練度が高い遊技者であっても、フリーズを実行させる操作手順を特定することはできないため、本実施例よりも、さらに選択説明演出に対して注目を集めることができる。
(9) 本実施例では、フリーズおよびフリーズ演出により、AT当選している可能性を遊技者に対して報知するとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、フリーズ演出を実行せずに、フリーズのみでAT当選している可能性を報知するようにしてもよい。このような構成の場合には、フリーズ演出用のデータを用いる必要はないことから、データ容量の削減を図ることができる。
(10) 本実施例では、フリーズおよびフリーズ演出により、AT当選している可能性を遊技者に対して報知するとして説明した。しかしながら、報知する対象を「AT当選している可能性」ではなく、「AT当選した旨」としてもよい。この場合には、液晶表示器51に、AT当選した旨を特定できるメッセージ「AT当選おめでとう!」などといったメッセージを報知するようにしてもよい。さらに、付与されたナビストック数も特定できる情報も報知するようにしてもよい。たとえば、「AT当選おめでとう!ナビストック1追加!」などといったメッセージを報知するようにしてもよい。
(11) 本実施例においては、フリーズ当選ゲームにおいて、順押しされたか逆押しされたかに関わらず、「AT当選確率」および「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」は同一である、として説明した。しかしながら、フリーズ当選ゲームにおいて、順押しされたか逆押しされたかに関わらず、「AT当選確率」および「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」のうち、いずれか一方が同一であってもよい。また、順押しされたか逆押しされたかによって、「AT当選確率」および「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」の双方が異なる場合であっても、「AT当選確率」と「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」とから定まる値が同一であってもよい。当該「定まる値」とは、「AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値」に「AT当選確率」を乗算させた値としてもよい。
(12) 本実施例では、中段チェリーまたは強チェリーが当選したときに、フリーズ抽選を行うとして説明した。しかしながら、他のAT抽選対象役が当選したときや、いずれのAT抽選対象役も当選していないときに、フリーズ抽選を実行するようにしてもよい。特に、いずれのAT抽選対象役にも当選していないときに、実行されたフリーズ抽選により、フリーズ当選してフリーズが実行される場合、当該フリーズは、いわゆるガセフリーズ(AT当選していないにも関わらず実行されるフリーズ)となる。したがって、フリーズが実行されたからといって、必ずしもAT当選しているとは限らないことから、フリーズに対して、遊技者に緊張感を抱かせることができる。
(13) 本実施例では、図23(A)に示すように、フリーズ抽選を実行し、当該フリーズ抽選によりフリーズ当選し、当該フリーズ当選に基づくフリーズが実行されたときに、5ゲームの規制期間に制御させるとして説明した。しかしながら、当該フリーズ抽選によりフリーズ非当選した場合にも、5ゲームの規制期間に制御させるようにしてもよい。このような構成であれば、フリーズ抽選されて、フリーズ当選したか否かに関わらず、規制期間に制御されることから、当該規制期間に制御させる処理を共通化することができるので、処理負担を軽減することができる。
[フリーズ抽選条件について]
本実施例では、フリーズ抽選条件として、中段チェリー当選または強チェリー当選することにより成立する条件であるとして説明したが、当該フリーズ抽選条件は他の条件であってもよい。たとえば、フリーズ抽選条件は、「殆ど取りこぼすために当選していたことが遊技者により特定不能である(または特定し難い)特定役」に当選したことにより成立する条件であってもよい。当該特定役は、具体的には、全てのリールが停止されたときに、入賞したか否かを特定できる役であり、たとえば、中段スイカなどである。
また、たとえば、フリーズ抽選条件を弱スイカ当選または強スイカ当選とする構成であってもよい。このような構成において、強スイカまたは弱スイカが当選し、さらにフリーズ当選したゲームにおいて、入賞タイミングでかつ、「フリーズを実行させる逆押し」で操作されたときには、弱スイカまたは強スイカが当選したかに関わらず、共通の入賞役である「上段スイカまたは右下がりスイカ」を導出させる(図13参照)。したがって、弱スイカまたは強スイカが当選したゲームにおいて、入賞タイミングで逆押しされて「上段スイカまたは右下がりスイカ」が導出されたとしても、弱スイカまたは強スイカのうちいずれが当選したのかを、特定することはできない。よって、導出された出目でAT当選したか否かを煽るのではなく、あくまでフリーズによりAT当選したか否かを煽ることができ、フリーズに対して遊技者の注目を集めることができる。なお、入賞タイミングとは異なるタイミングで逆押し操作されたときには、「上段スイカ」および「右下がりスイカ」のいずれも導出されない。
一方、弱スイカまたは強スイカが当選したゲームにおいて、入賞タイミングでかつ、「フリーズを実行させない順押し」で操作されたときには、当選役に応じた入賞役を導出させる。本実施例では、弱スイカが当選したゲームでは、「上段スイカまたは右下がりスイカ」が導出され、強スイカが当選したゲームでは、「中段スイカ」が導出される(図13参照)。したがって、導出された出目により、弱スイカまたは強スイカのうちいずれが当選したのかを遊技者に特定させることができる。よって、フリーズを実行させない順押しで操作されたときには、導出された出目でAT当選したか否かを遊技者に煽ることができる。なお、入賞タイミングとは異なるタイミングで逆押し操作されたときには、「中段スイカ」は導出されない。
また、フリーズ抽選条件を弱スイカ当選または強スイカ当選とした場合には、さらに以下のような構成でもよい。たとえば、強スイカおよび弱スイカの当選状況(以下、「特定当選状況」という。)を以下のようにしてもよい。ただし、スイカA、スイカBは共に入賞役である。
強スイカ・・・スイカA+スイカB
弱スイカ・・・スイカA
このような当選状況の場合に、弱スイカが当選したか強スイカが当選したかに関わらず、逆押しされたときには、スイカAを導出させる。これにより、中段チェリーまたは強チェリーが当選したときにおいて、逆押しされたときには、「スイカA」を導出させることにより、「弱スイカが当選したか強スイカが当選したか」を遊技者に判別させないようにすることができる。一方、強スイカが当選したときにおいて、順押しされたときには、「スイカB」を導出させ、弱スイカが当選したときにおいて、順押しされたときには、「スイカA」を導出させる。したがって、中段チェリーまたは強チェリーが当選したときにおいて、逆押しされたときには、当選役を遊技者に判別させることができる。
また、特定当選状況のときにおいて、以下のような構成であってもよい。中段チェリーまたは強チェリーが当選したときにおいて、逆押しされたときには、弱スイカが当選したか強スイカが当選したかに関わらず、特定出目を導出させる。このような構成であっても、逆押しされたときには、「弱スイカが当選したか強スイカが当選したか」を遊技者に判別させないようにすることができる。
[リールについて]
本実施形態では、リール数が3つであるとして説明した。しかしながら、リール数は3以外の数であってもよい。以下にリール数(およびストップスイッチ)が1つである場合について説明する。以下では、1つのリールが「図3に示す左リール2L」であるとして説明する。左リール2Lは、全ての図柄において、5コマ以内にベルが配列されている構成となっている。
このような構成の場合において、特定条件(「フリーズについて」の(3)参照)が成立したゲームにおいて、ベルが入賞ラインLN上に位置するときから、0コマ前〜2コマ前のうちいずれかで、ストップスイッチを操作することを「フリーズ実行手順」とし、3コマ前、4コマ前でストップスイッチを操作することを「フリーズ非実行手順」としてもよい。このような構成によれば、リール数が1つであっても、本実施例と同様の効果を奏することができる。また、これに限られず、「フリーズ実行手順」と、「フリーズ非実行手順」とを異ならせるようにすれば、如何なる構成であってもよい。
[演出について]
(1) 本実施例では、図20のS520に示したように、フリーズが実行されるときに、複数ゲームに亘って実行される連続演出は「バトル演出」であるとして説明した。当該連続演出は他の演出であってもよい。たとえば、連続演出を楽曲としてもよく、またドラマおよび映画等の映像としてもよい。また、連続演出は、たとえば、パートが進行するにつれて、所定のキャラクタが成長するような演出であってもよい。
(2) 本実施例では、図20のS526に示したように、フリーズ当選したゲームにおいて、順押しされたときには、次のゲームで単ゲーム演出が実行されるとして説明した。しかしながら、逆押し以外の全ての操作手順のうち、いずれかの操作手順で操作されたときには、単ゲーム演出が実行されるようにしてもよい。
(3) 本実施例の選択説明演出では、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」旨のメッセージを液晶表示器51に表示させる演出であるとして説明した。しかしながら、これに限られず、選択説明演出は、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」ことを特定可能な情報を報知する演出であれば、如何なる演出であってもよい。たとえば、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」旨を遊技者に連想させる所定のキャラクタを液晶表示器51に表示させるようにしてもよい。また、音声出力により、「逆押しすればフリーズが実行され、順押しすれば単ゲーム演出が実行される」旨を遊技者に特定させるようにしてもよい。
(4) また、本実施例では、AT当選している可能性を報知する演出(以下、「AT可能性報知演出」という。)と、選択説明演出とが一体的になっているとして説明した。具体的には、選択説明演出の背景色により、AT当選している可能性を報知するとして説明した。しかしながら、選択説明演出と、AT可能性報知演出とを、個別に実行するようにしてもよい。たとえば、選択説明演出開始前、または、選択説明演出終了後において、AT可能性報知演出を実行するようにしてもよい。AT可能性報知演出は、たとえば、所定のメッセージやキャラクタを液晶表示器51に表示させることにより、AT当選している可能性を報知する演出としてもよい。
(5) また、本実施例で説明した各演出については、液晶表示器51に所定のメッセージを表示するとして説明したが、たとえば、所定のメッセージを音声で出力する演出としてもよい。また、当該所定のメッセージとともに、当該所定のメッセージを音声出力するようにしてもよい。
(6) 本実施例では、フリーズが発生したゲームにおいて、バトル演出が実行されるとして説明した。しかしながら、フリーズが発生したゲームの所定ゲーム数(たとえば、1〜3ゲーム)消化後にバトル演出を実行するようにしてもよい。
(7) 本実施例では、規制期間中にフリーズ当選すると、順押し操作を推奨する順押し説明演出を実行するとして説明した。しかしながら、一般的に、推奨操作手順である順押し操作で操作されることが多いことから、順押し説明演出を実行しないようにしてもよい。つまり、フリーズを実行させない操作手順を推奨操作手順(つまり、ペナルティが付与されない操作手順)とすることにより、フリーズを実行させない操作手順を推奨する演出(つまり、順押し説明演出)を実行する必要がなくなり、当該演出の実行処理負担を軽減できる。
(8) 本実施例では、フリーズが発生しなかった場合において、順押しされたときには、単ゲーム演出が実行されるとして説明したが、フリーズが発生しなかった場合には、単ゲーム演出など、何らの演出を実行しないようにしてもよい。また、フリーズが発生せず、かつ順押しされた場合において、規制期間であるか否かで異なる演出を実行するようにしてもよい。たとえば、このような場合において、規制期間であるときには、単ゲーム演出を実行しないようにしてもよい。
[ペナルティについて]
本実施例では、選択説明演出が実行されるゲームであれば、推奨操作手順に応じた順番とは異なる順番で遊技者に操作されたとしても、ペナルティは付与されない、として説明した。しかしながら、たとえば、特定ゲームにおいて、推奨操作手順に応じた順番とは異なる順番で遊技者に操作されたとしても、ペナルティは付与されない、としてもよい。特定ゲームとは、たとえば、非ATであっても、当選役、および当該当選役を入賞させる操作手順を報知するゲームである。また、非ATおよびATを含む全てのゲームにおいて、ペナルティ付与制御を省略するようにしてもよい。
[フリーズ抽選について]
本実施例のフリーズ抽選は、図18に示すように、スタートスイッチ操作時に実行されるとして説明した。しかしながら、フリーズ抽選が実行されるタイミングは、如何なるタイミングであってもよい。たとえば、遊技者の操作前に、フリーズを実行するか否かを決定する構成であれば、遊技者の第1操作前であれば如何なるタイミングで実行するようにしてもよい。たとえば、スタートスイッチ操作から所定時間(たとえば、1秒)経過後に実行するようにしてもよい。また、遊技者の操作後に、フリーズを実行するか否かを決定する構成であれば、第1停止時以降にフリーズ抽選を実行するようにしてもよい。
[特典について]
前述した実施例では、特典としてメダルの払出率に直接影響を及ぼす価値であるナビストックが付与される例について説明した。しかし、特典はこれに限らず、たとえば、「以前のゲームにおいて、付与されていたナビストックを報知すること」としてもよい。また、付与される特典は、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値に限らず、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。特典としては、たとえば、前述したナビストックの付与や、遊技者にとって有利な状態(ボーナス、RTなど)への移行、液晶表示器51に音声とともに特典演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別ボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示などであってもよい。
[操作手順について]
本実施例の操作手順とは、主に「操作順序」を意味していたが、操作手順を「操作タイミング」および「操作順序」を含めるような概念としてもよい。また、操作手順を「操作タイミング」を意味するようにしてもよい。
[その他]
前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、上記の実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
また、本実施例では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
本実施例として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施例はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。