JP2015121651A - 光走査装置及びそれを有する画像形成装置並びに光走査装置の製造方法 - Google Patents

光走査装置及びそれを有する画像形成装置並びに光走査装置の製造方法 Download PDF

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【課題】複数の発光点を有する場合に十分な副走査方向のピッチ間隔の調整ができ、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくできる光走査装置及びそれを有する画像形成装置並びに光走査装置の製造方法を提供する。【解決手段】光走査装置で、複数の発光点を備える光源手段から出射する複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光する結像光学系と、を有する光走査装置であって、前記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφR、前記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθL、とするとき、以下の式を満たすことを特徴とする。0.1≰θL/φR≰0.9【選択図】図1

Description

本発明は、光走査装置に関し、特にレーザービームプリンタやデジタル複写機などが備える画像形成装置に好適なものである。
画像形成装置が備える光走査装置では、光源からの光束を略平行な光束に変換した後、回転多面鏡等の偏向器で反射偏向し、その後レンズやミラー等の走査光学系で感光体上に移動するスポットとして結像させ、直線に沿った光走査を繰り返し行う。
近年、光走査装置において、高速化及び高精細化を実現するために、複数の発光点を有する光源を採用することで、一度に複数本の走査線を書き込むことができる構成への移行(マルチビーム化)が進んでいる。
複数の発光点を有する光源を備える光走査装置に関して、高精細化のためには、各発光点の副走査方向のピッチ間隔を被走査面内で一様にする必要がある。しかしながら、光走査装置の高速化のためにマルチビーム化すると、発光点の間隔が広がるため、組立て時の公差による影響で画像形成時の副走査方向のピッチ間隔が場所によってばらつきの影響が大きくなる。このため、画像の不良、特に発光点の個数に依存したモアレが発生してしまい、高精細化が困難となる。
そこで、特許文献1には、結像光学素子に入射する複数の光束の副走査方向の入射位置を調整して、被走査面上の副走査方向のピッチ間隔を調整する入射位置調整手段と被走査面上での照射位置を調整する照射位置調整手段を有する光学装置が開示されている。この構成においては、副走査方向の照射位置曲がり(副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分)を光路折り曲げミラーの湾曲化で補正し、副走査方向の照射位置傾き(副走査方向のピッチ間隔の傾き成分)をトーリックレンズの光軸中心周りの回転で補正している。また、特許文献2には、光源装置の副走査方向における角度を調整する角度調整機構を有する光学装置の構成が開示されている。
特開2013−37342号公報 特開2001−125026号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の光走査装置では、結像光学素子上の光線通過位置を主走査方向に一律調整することはできるが、結像光学素子上の光線通過位置の傾きの成分は調整できない。このような特許文献1や特許文献2に記載の光走査装置では、被走査面における十分な副走査方向のピッチ間隔の調整(特に湾曲成分)ができず、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくできない。特に、高速化のために発光点の数を増やすと発光点の間隔が広がるので、副走査方向のピッチ間隔の面内のムラの影響は大きくなる。
本発明の目的は、複数の発光点を有する場合に十分な副走査方向のピッチ間隔の調整ができ、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくできる光走査装置及びそれを有する画像形成装置並びに光走査装置の製造方法を提供することにある。
そこで、上記目的を達成するため、本発明に係る光走査装置は、複数の発光点を備える光源手段から出射する複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光する結像光学系と、を有する光走査装置であって、前記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφ、前記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθ、とするとき、以下の式を満たすことを特徴とする。
0.1≦θ/φ≦0.9
また、本発明に係る画像形成装置は、上記光走査装置と、前記光走査装置で走査された光束によって感光体に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る別の画像形成装置は、上記光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラと、を有していることを特徴とする。
また、本発明に係る光走査装置の製造方法は、複数の発光点を備える光源手段から射出される複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光させる結像光学系と、を有する光走査装置の製造方法であって、
前記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφ、前記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθ、とするとき、以下の式を満たすように前記結像光学素子の位置を調整する調整工程を有することを特徴とする。
0.1≦θ/φ≦0.9
本発明によれば、複数の発光点を有する場合に十分な副走査方向のピッチ間隔の調整ができ、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくできる。
(a)乃至(d)は本発明の実施形態に係る光走査装置における偏向器における軸倒れの様子を示す概略図、(e)(f)はfθレンズの調整方法の概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の主走査断面の概略図である。 第1の実施形態に係る光走査装置の副走査断面の概略図である。 (a)(b)は入射ベクトルLを説明する概略図である。 (a)(b)は法線ベクトルNを説明する概略図である。 (a)(b)は第1の実施形態に係る光走査装置の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラの設計値と実施形態を示す図である。 (a)(b)は第1の実施形態に係る副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラの湾曲成分、傾き成分の概略図である。 (a)乃至(e)は第1の実施形態に係る軸倒れが発生した場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを示した図である。 第1の実施形態に係る軸倒れが発生した場合のfθレンズの光線通過位置を示した図である。 近似式による近似の結果を説明する図である。 (a)(b)は第1の実施形態に係る軸倒れが発生した場合の被走査面上における走査線を示した図である。 (a)(b)は本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラの設計値と実施形態を示す図である。 (a)乃至(c)は第2の実施形態に係る軸倒れが発生した場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを示した図である。 第2の実施形態に係る軸倒れが発生した場合のfθレンズの光線通過位置を示した図である。 (a)(b)は第2の実施形態に係る軸倒れが発生した場合の被走査面上における走査線を示した図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置を搭載した画像形成装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る光走査装置を搭載したカラー画像形成装置の概略図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面は、本発明を容易に理解できるようにするために、実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図16は、本発明の実施形態に係る光走査装置を搭載した画像形成装置を示す副走査方向の要部断面図である。図16において、符号1204は画像形成装置を示す。この画像形成装置1204には、パーソナルコンピュータ等の外部機器1217からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ1211によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、光走査装置としての光走査ユニット1200に入力される。
そして、この光走査ユニット1200からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム1203が出射され、この光ビーム1203によって感光ドラム1201の感光面が主走査方向に走査される。
静電潜像担持体(感光体)たる感光ドラム1201は、モーター1215によって時計廻りに回転させられる。そして、この回転に伴って、感光ドラム1201の感光面が光ビーム1203に対して、主走査方向と直交する副走査方向に移動する。感光ドラム1201の上方には、感光ドラム1201の表面を一様に帯電せしめる帯電ローラ1202が表面に当接するように設けられている。そして、帯電ローラ1202によって帯電された感光ドラム1201の表面に、光走査ユニット1200によって走査される光ビーム1203が照射されるようになっている。
先に説明したように、光ビーム1203は、画像データDiに基づいて変調されており、この光ビーム1203を照射することによって感光ドラム1201の表面に静電潜像を形成せしめる。この静電潜像は、光ビーム1203の照射位置よりもさらに感光ドラム1201の回転方向の下流側で感光ドラム1201に当接するように配設された現像器1207によってトナー像として現像される。
現像器1207によって現像されたトナー像は、感光ドラム1201の下方で、感光ドラム1201に対向するように配設された転写器としての転写ローラ1208によって被転写材たる用紙1212上に転写される。用紙1212は、感光ドラム1201の前方(図において右側)の用紙カセット1209内に収納されているが、手差しでも給紙が可能である。用紙カセット1209の端部には、給紙ローラ1210が配設されており、用紙カセット1209内の用紙112を搬送路へ送り込む。
以上、未定着トナー像を転写された用紙1212は、感光ドラム1201後方(図の左側)の定着器へと搬送される。定着器は、内部に定着ヒータ(不図示)を有する定着ローラ1213と、定着ローラ1213に圧接するように配設された加圧ローラ1214と、で構成される。そして、転写部から搬送されてきた用紙1212を、定着ローラ1213と加圧ローラ1214の圧接部にて加圧しながら加熱することにより、用紙1212上の未定着トナー像を定着せしめる。更に、定着ローラ1213の後方には排紙ローラ1216が配設されており、定着された用紙1212を画像形成装置の外に排出せしめる。
なお、図16においては図示していないが、プリントコントローラ1211は、上述したデータの変換だけでなく、モーター1215など画像形成装置内の各部や、後述する光走査ユニット内のポリゴンモーターなどの制御を行う。
(光走査装置)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の主走査断面の概略図である。また、図3は第1の実施形態に係る光走査装置の副走査断面の概略図である。以下の説明において、主走査方向(Y方向)とは偏向器110の回転軸及び第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112の光軸方向(X方向)に垂直な方向である。また、副走査方向(Z方向)とは、偏向手段である偏向器110の回転軸と平行な方向である。
また、主走査断面とは、第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112の光軸と主走査方向とを含む平面である。また、副走査断面とは、第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112の光軸を含み主走査断面に垂直な面である。副走査方向の露光分布の作成は、主走査露光毎に、感光体を副走査方向に移動(回転)させることによって達成している。
1)入射光学系
図2で、光走査装置100は、光源101、開口絞り102、コリメータレンズ103及びシリンドリカルレンズ105を備えている。また、光走査装置100は、開口絞り106、光線分離素子107、アナモフィックレンズ108及び光量検出手段109を備えている。さらに光走査装置100は、偏向器110、第1のfθレンズ111、第2のfθレンズ112、防塵手段114、被走査面115及び偏向ミラー116を備えている。なお、被走査面115は、感光体の表面であってもよい。
光源101は、複数の発光点を有しており、例えば端面発光型のレーザーやVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER(垂直共振器面発光レーザー))等の面発光型の半導体レーザーなどが用いられる。VCSELを用いた光走査装置では、従来の端面発光型の半導体レーザーでは実現が困難な数の発光点を有する光源を備えることが可能となる。
開口絞り102は、光源101より出射された光束の副走査方向の光束径を制限する。コリメータレンズ103は、光源101より出射された光束を略平行な光束(もしくは発散光束もしくは収束光束)に変換する光学素子である。光源101、開口絞り102及びコリメータレンズ103によって、レーザーユニット104が構成される。
シリンドリカルレンズ105は、副走査断面内のみに有限のパワー(屈折力)を有している。開口絞り106は、コリメータレンズ103から出射された光束の主走査方向の光束径を制限する。開口絞り106、光線分離素子107を通過した光源101からの入射光束は偏向器110に向かう。開口絞り102、コリメータレンズ103、シリンドリカルレンズ105などによって、入射光学系が構成される。
2)偏向手段
偏向手段としての偏向器110は、モーター等の駆動手段(不図示)により一定方向(例えば、図中Aの方向)に一定速度で回転するポリゴンミラー(多面鏡)などで構成される。
3)結像光学系
第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112は、主走査断面内と副走査断面内とで異なるパワーを有する結像レンズ(アナモフィックレンズ)などの結像光学素子である。第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112により、fθ特性を決定する結像光学系113が構成される。
防塵手段114は、不図示のハウジング内部へのゴミ等の侵入を防ぐために設けられており、ガラス板などが用いられる。
偏向ミラー116は、fθレンズ111より出射した光線を副走査方向に折り返すために設けられており、反射ミラーなどが用いられる。
4)発光制御系(同期検出系)
光線分離素子107は、透過と反射の機能を併せ持つ光学素子であり、ハーフミラー、クサビプリズムや平行平板などが用いられる。なお、本実施形態では、光線分離素子107として、クサビプリズムを用いている。アナモフィックレンズ108は、光線分離素子107で反射された光束を集光する。光量検出手段109は、光源101の発光光量を検出し、フォトダイオードやCMOSセンサなどが用いられる。発光制御系としての発光制御手段124は、光量検知手段109から得られた光量の情報を基に、光源101の発光光量を決定し、光源手段101の発光タイミングを制御する(同期検出系として機能)。
(光走査装置の動作)
次に、光走査装置100の動作について説明する。先ず、光源101の複数の発光点から出射した複数の光束は、それぞれ副走査方向の光束を制限する開口絞り102を通過し、コリメータレンズ103によって略平行な光束に変換される。そして、シリンドリカルレンズ105によって、副走査断面内で収束光束に変換される。その後、主走査方向の光束を制限する開口絞り106を通過し、クサビプリズム107により、光束の一部が反射され、残りは透過する。本実施形態では、光束は29.28度の角度で、クサビプリズム107に入射している。
クサビプリズム107によって反射された光束は、アナモフィックレンズ108に入射し、光量検出手段109に入射する。一方、クサビプリズム107を透過した光束は、A方向に回転している偏向器110に入射する。
偏向器110に入射した光束は、偏向器110により偏向走査された後、第1のfθレンズ111、第2のfθレンズ112により防塵ガラス114を介して被走査面で集光され、被走査面115上を等速度で走査する。なお、偏向器110はA方向に回転しているので、偏向走査された光束は、被走査面115をB方向に走査する。ここで、第2のfθレンズ112は、後に詳述するように、光軸周りの回転と副走査方向への変位(シフト)による調整が行われる。
(入射光学系、結像光学系、同期検出系の諸特性)
次に、本実施形態における入射光学系の諸特性、結像光学系、同期検出光学系(同期検出系を構成するアナモフィックレンズ108)の諸特性をそれぞれ、以下の表1、表2に示す。
なお、表1、表2において、各レンズ面と光軸との交点を原点としたときの、光軸方向、主走査断面内において光軸と直交する軸、及び副走査断面内において光軸と直交する軸をそれぞれ、X軸、Y軸及びZ軸としている。また、表1乃至表3において、「E−x」は、「×10−x」を意味している。
コリメータレンズ103は、収差補正の為の非球面形状を有する回転対称なガラスモールドレンズである。その形状は、以下の式(1)で表される。
ここで、Rは曲率半径、kは離心率、C(i=2,4,6)は非球面係数である。第1のfθレンズ111及び第2のfθレンズ112における各レンズ面の主走査断面の非球面形状は、以下の式(2)で表される。
ここで、Rは曲率半径、kは離心率、B(i=4,6,8,・・・,16)は非球面係数である。yに関してプラス側とマイナス側で係数Bが異なる場合は、表2にあるように、プラス側の係数には添字uを附し(すなわち、B)、マイナス側終了側の係数には添字lを付している(すなわち、B)。
第1のfθレンズ111の入射面と射出面、及び第2のfθレンズ112の入射面における各レンズ面の副走査断面の非球面形状は、以下の式(3)で表される。
すなわち、式(3)におけるSは、母線上の任意の点において母線の面法線を含み主走査断面と垂直な面内に定義される子線形状に対応する。なお、式(3)における副走査断面の曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、以下の式(4)のように連続的に変化する。
ここで、rは光軸上における副走査断面の曲率半径、D(j=2,4,6,8,10)は副走査断面の曲率半径の変化係数である。yに関してプラス側とマイナス側で係数Dが異なる場合は、表2にあるように、プラス側の係数には添字uを附し(すなわち、D)、マイナス側終了側の係数には添字lを付している(すなわち、D)。
同様に、第2のfθレンズ112の出射面における副走査断面の非球面形状は、以下の式(5)のように表される。
すなわち、式(5)におけるSは、母線上の任意の点において母線の面法線を含み主走査断面と垂直な面内に定義される子線形状に対応する。なお、式(5)における副走査断面の曲率半径r’は、レンズ面のy座標に従って、以下の式(6)のように連続的に変化する。
ここで、rは光軸上における副走査断面の曲率半径、D(j=2,4,6,8,10)は副走査断面の曲率半径の変化係数である。yに関してプラス側とマイナス側で係数Dが異なる場合は、表2にあるように、プラス側の係数には添字uを付し(すなわち、D)、マイナス側終了側の係数には添字lを付している(すなわち、D)。すなわち、副走査断面は、レンズ面のy座標に対して連続的に変化しており、yの10次関数で表される球面形状となっている。
(fθレンズ112の調整)
次に、本実施形態に係る光走査装置100における第2のfθレンズ112を調整することで、副走査方向のピッチ間隔の被走査面上におけるムラを低減できることについて説明する。なお、被走査面において副走査方向における複数の発光点が夫々移動(走査)する中で、副走査方向における2つの発光点の副走査方向の間隔が複数考えられるが、本実施形態では副走査方向における最も離れた2つの発光点の副走査方向の間隔をピッチ間隔とする。しかし、本発明はこれに限定されず、副走査方向における他の2つの発光点の副走査方向の間隔をピッチ間隔としても良い。
図1(a)乃至(d)は、偏向器110における光路の様子を示す概略図である。図1(a)は、主走査断面内における光路を示す概略図である。図1(b)は、偏向器110に対する入射ベクトルと法線ベクトルと反射ベクトルを示す概略図である。図1(c)は、副走査断面内における光路を示す概略図である。図1(d)は、副走査断面内における第2のfθレンズ上での光路を示す概略図である。なお、図1(d)では、複数の発光点から出た複数の光線の内、代表的な1つの光線を示している(実際には、図示された方向と平行な複数の光線が存在する)。
図1(b)は、主走査断面内における偏向器110の回転方向と軸倒れの方向を示し、図1(c)は副走査断面内における偏向器110の回転方向と軸倒れの方向を示す。図1(a)で、θは偏向器110の回転角度を示している。
図1(a)で、401は偏向手段である偏向器110に入射する光線である。また、402は偏向器110によって偏向された光線である。図1(c)の403は、偏向器110によって偏向された光線402の第2のfθレンズ112上での光線の軌跡である。
ここで、図4と図5を用いて、図1(b)における入射ベクトルL、反射ベクトルRを求める。図4(a)では、主走査断面内における入射ベクトルを示し、図4(b)では、副走査断面内における入射ベクトルを示す。また、図5(a)では、法線ベクトルNの主走査断面内の成分、図4(b)では、法線ベクトルNの副走査断面内の成分を示す。図4において、主走査断面内における入射角θはx軸(光軸)となす角であり、副走査断面内における入射角θはXY平面となす角である。
入射ベクトルLは式(7)であらわされる。
また、法線ベクトルNは式(8)であらわされる。
なお、図1(b)に示すθは式(9)で表現される。
また、入射ベクトルL、反射ベクトルRが求まれば、反射ベクトルRは、式(10)として計算することができる。
このようにして、式(7)〜(10)を用いて、偏向器110に軸倒れが発生した場合の光線の出射角度θを求めることができる。
続いて、偏向器110に軸倒れが発生した場合の影響を説明する。偏向器110に軸倒れが発生した場合、図1(c)のように、光線401が偏向器110に反射されて副走査方向にθだけ角度を持って反射されて光線402となる。また、軸倒れが発生したときは、画角に応じてθが異なるので、図1(d)のようにfθレンズ112上で、光線の軌跡403が高さhだけz方向にシフトし、fθレンズ112の長手方向(図1(d)中の水平方向)に対して傾き角度φだけ傾くこととなる。
ここで、傾きとは、fθレンズ近傍での光線の軌跡403の傾きのことである(正確には、走査線は湾曲しているが、簡単のために湾曲の成分は図示していない)。
図1(d)の傾き角度φに関しては、副走査方向に最もパワーを有するfθレンズ112で偏向器110に軸倒れが発生すると、特に副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラが発生して画像不良となる。なお、本実施形態では、偏向器110が入射角度の二等分線方向に直交する方向(125度方向)に5分の軸倒れが発生した場合を示す(図1(b))。
偏向器110に軸倒れが発生すると、被走査面におけるムラが生じる。図6(a)は偏向器110に軸倒れが発生していない場合であり、図6(b)は偏向器110に軸倒れ方向θが125度方向で、軸倒れ量θが5分の軸倒れが発生したした場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラである。
図7では、副走査方向のピッチ間隔の被走査面における湾曲の成分と傾きの成分を示している。図7(a)は湾曲の成分であり、図7(b)は傾きの成分である。ここで、任意の像高Yにおけるピッチ間隔をP(Y)とすると、湾曲の成分P、傾きの成分PとピッチムラのPVは次の式で表される。
本実施形態において、Y=±110mm像高で評価した場合、偏向器110の軸倒れが発生していない図6(a)のとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.01μm、傾き成分Pは、−0.05μmである。また、ピッチムラのPVは1.60μmである。一方、偏向器110の軸倒れが発生した図6(b)のとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは−0.47μm、傾き成分Pは、0.64μmである。また、ピッチムラのPVは2.49μmである。
上記のように、偏向器110に軸倒れが発生すると、副走査方向に最もパワーを有するfθレンズ112を介した副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラが発生して画像不良となる。
次に、形状を維持したfθレンズ112のみを調整(変位)することで、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを低減(補正)することができることを説明する。本実施形態では、被走査面における副走査方向のピッチ間隔が湾曲成分Psおよび傾き成分Pを備える場合に、湾曲成分Psをfθレンズ112の光軸方向周りの回転による変位で補正する(図1(e))。かつ、傾き成分Pをfθレンズ112の副走査方向への変位による変位で補正する(図1(f))。
図8に、偏向器110に軸倒れ(125度方向に5分の倒れ)が発生した場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを示す。図8(a)はfθレンズ112を調整する前であり、図8(b)は比較例としてfθレンズの光線通過位置が設計と同等になるように調整された場合であり、図8(c)乃至(e)は本実施形態における調整を行った場合を示す。
また、図9に、本実施形態における偏向器110に125度方向に5分の倒れとなる軸倒れが発生したときのfθレンズ112上での光線の軌跡を示している。これは、前述の図1(d)の光線の軌跡403に相当するものである。
本実施形態においては、以下に示すようにfθレンズ112を光軸周りに回転調整することで、副走査方向のピッチ間隔の調整し、その結果としての被走査面のピッチ間隔のムラを図8(c)乃至(e)に示す。なお、図8(a)は軸倒れが発生した調整前の状態であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは−0.47μm、傾き成分Pは0.64μmである。また、ピッチムラのPVは2.49μmである。
また、図8(b)は、比較例(本実施形態の光学系に特許文献1の従来技術を適用)としてfθレンズ112における光線通過位置に沿うようにfθレンズ112を傾けて調整した場合(φR=θL)を示す。即ち、fθレンズ112における光線の光軸方向周りの角度をφR(分)とし、調整後のfθレンズ112の光軸方向周りの角度をθL(分)とすると、図8(b)はφR=θL=4.64分である。このとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.26μm、傾き成分Pは、1.03μmである。また、ピッチムラのPVは2.28μmとなる。
この比較例でも調整前のピッチムラのPVより小さくなりピッチムラは改善されてはいるが、傾き成分は劣化しており、不十分な調整となっている。
そこで、上記のような調整を行うと過補正となるため、本実施形態では式(14a)のようにfθレンズ112を光軸周りに回転調整する。
0.1≦θ/φ≦0.9 (14a)
即ち、偏向器110の軸倒れに基づくfθレンズ112における光線の光軸方向周りのずれがφである場合に、fθレンズ112の主走査断面における母線方向(長手方向)に対してfθレンズ112を光軸方向周りにθだけφと同方向に回転変位させる。
式(14)の下限を満たさない場合は、無調整の状態と変わらず、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくできない。一方、上限を超える場合は上述したように過補正となり、良好な画像が得られない。
ここで、角度φについては、光源手段101を発光させて偏向器110(静止させていても良い)を介したfθレンズ112における光線の位置を測定することで、評価が可能である。また、角度θについては、レンズ形状を測定することで評価が可能である。
なお、式(14)は以下のようにも表わされる。
0.1×φ≦ θ ≦0.9×φ(14’)
0.1×φ≦ φ―θ ≦0.9×φ(14’’)
式(14)の範囲に関しては、より好ましくは、以下の式(14b)を満たすことが望ましい。
0.2≦θ/φ≦0.8 (14b)
本実施形態においては、fθレンズ112における光線の光軸方向周りの角度φRが4.64分であるのに対して、fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを1.31分調整している。これは、θ/φ=0.28に該当し、式(14a)、(14b)を満たしている。
図8(c)は本実施形態における上記の調整を行った結果であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.30μm、傾き成分Pは、0.68μmである。また、ピッチムラのPVは2.27μmとなり、調整前より良好なピッチムラになっている。
さらに好ましくは、fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを3.61分調整するとより良好にピッチムラを調整できる。これは、θ/φ=0.78に該当し、式(14a)、(14b)を満たしている。図8(d)はこの調整を行った結果であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.01μm、傾き成分Pは、0.76μmである。また、ピッチムラのPVは2.07μmとなり、調整前より良好なピッチムラになっている。
さらに好ましくは、fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを3.61分調整すると共に、fθレンズ112をz112方向へ変位させる調整(変位)をすることで、よりピッチムラを小さくできる。具体的に、本実施形態においてfθレンズ112をz112方向に−0.04mmシフト(変位)させる。図8(e)はこの調整を行った結果であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは−0.01μm、傾き成分Pは、0.06μmである。また、ピッチムラのPVは1.59μmである。
このように調整することで、軸倒れが発生しているにもかかわらず、軸倒れが発生していないときと同等の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラにでき、良好な画像を得ることができる。
また、式(14)のφRは式(7)〜(10)の関係から、式(15)のように近似することができる。
φ=θa×sinθb (15)
この式は、θaが5°以下で1分以内の誤差で近似することができ、一般的に発生する軸倒れ量は数分なので、式(15)のように近似をしても実使用上問題がない。式(7)〜(10)と式(15)から求めたθの関係を図10に示している。図10におけるAとBはほぼ同一の線上に重なっており、それぞれの誤差もほぼゼロとなり、よい近似となっている。このとき、式(14)は式(16)のように変形ができる。
0.1≦θ/(θa×sinθb)≦0.9 (16)
本実施形態において、偏向器110は軸倒れ方向θが125度方向で、軸倒れ量θが5分の軸倒れが発生しているので、分母は4.10となり、fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを3.61分調整している本実施形態は式(16)を満たす。このように調整することで、軸倒れが発生しているにもかかわらず、軸倒れが発生していないときと同等の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラにでき、良好な画像を得ることができる。
ここで、fθレンズ112を調整すると、被走査面上115における照射位置がずれる。その為、fθレンズ112を調整した後、光走査装置100(偏向器110と結像光学系113を保持すると共に、被走査面に対し一体的に移動可能な光学箱)を調整する。即ち、
光走査装置100をシフト(変位)やz軸回りの回転の調整を行うことで、照射位置と走査線傾きを調整(補正)するとより良好な画像を得ることができる。図11に本実施形態の光走査装置100の調整前後の被走査面115上における走査線を示している。図11(a)は調整前であり、図11(b)は調整後である。本実施形態において、x軸方向に−0.092mm、z軸を中心に反時計回りに3.78分回転させることで、図11(b)のようになる。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、結像光学素子だけの変位で副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくしつつ、光走査装置の小型化、高速化及び高精細化を実現することができる。なお、画像形成装置の記録密度は、特に限定されないが、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置においてより効果を発揮する。
また、本発明においてfθレンズを調整することで副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくする方法について言及したが、それは走査装置内で行っても、製造時に行っても同等の効果が得られる。
《第2の実施形態》
本実施形態は、第1の実施形態と同一の光学系において、主走査断面内における軸倒れの方向を変えたものである。第1の実施形態では、偏向器110が入射角度の二等分線方向に直交する方向(125度方向)に5分の軸倒れが発生した場合を示したが、本実施形態では入射角度の二等分線方向に直交する方向(35度方向)に5分の軸倒れが発生した場合を示す。他の点は、第1の実施形態と同様である。
図12において、本実施形態における副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを示している。図12(a)は偏向器110に軸倒れが発生していない場合であり、図12(b)は偏向器110に軸倒れ方向θが35度方向で、軸倒れ量θが5分の軸倒れが発生したした場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラである。
本実施形態において、Y=±110mm像高で評価した場合、偏向器110の軸倒れが発生していない図12(a)のとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.01μm、傾き成分Pは、−0.05μmである。また、ピッチムラのPVは1.60μmである。また、同様に偏向器110の軸倒れが発生した図12(b)のとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは−0.19μm、傾き成分Pは、−3.33μmである。また、ピッチムラのPVは4.35μmである。
上記のように、副走査方向に最もパワーを有するfθレンズ112で偏向器110に軸倒れが発生すると、副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラが発生して画像不良となる。図13において、偏向器110に軸倒れ(35度方向に5分の倒れ)が発生した場合の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを示している。図13(a)はfθレンズ112を調整する前であり、図13(b)は比較例としてfθレンズの光線通過位置が設計と同等になるように調整された場合であり、図13(c)は本実施形態による調整を行った場合である。
図14に、本実施形態における偏向器110に35度方向に5分の倒れとなる軸倒れが発生したときのfθレンズ上での光線の軌跡を示す。これは、前述の図1(d)の光線の軌跡403に相当するものである。
図15において、図15(a)は軸倒れが発生した調整前の状態であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは−0.19μm、傾き成分Pは、−3.33μmである。また、ピッチムラのPVは4.35μmである。図15(b)はfθレンズ112における光線通過位置に沿うようにfθレンズ112を傾けて調整した場合を示している。
fθレンズ112における光線の光軸方向周りの角度をφR(分)とし、調整後のfθレンズ112の光軸方向周りの角度をθL(分)とすると、図15(b)はφR=θL=3.21分である。このとき、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.08μm、傾き成分Pは、1.46μmである。また、ピッチムラのPVは2.61μmとなる。この状態でも調整前のピッチムラのPVより小さくなりピッチムラは改善されてはいるが、図15(a)の軸倒れがない場合に比べると、不十分な調整となっている。
これに対し、本実施形態においては、fθレンズ112における光線の光軸方向周りの角度φRが3.21分に対して、fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを2.58分調整している。これは、式(14)を満たしている。更に、本実施形態においてはfθレンズ112をz112方向に−0.17mmシフトしている。図13(c)は本実施形態による調整を行った結果であり、副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分Pは0.01μm、傾き成分Pは、0.02μmである。また、ピッチムラのPVは1.60μmである。
このように調整することで、軸倒れが発生しているにもかかわらず、軸倒れが発生していないときと同等の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラにでき、良好な画像を得ることができる。
また、本実施形態において、偏向器110は軸倒れ方向θが35度方向で、軸倒れ量θが5分の軸倒れが発生しているので、式(16)の分母は2.87となる。fθレンズ112の光軸方向周りの角度θLを2.58分調整している本実施形態は、式(16)を満たす。
このように調整することで、軸倒れが発生しているにもかかわらず、軸倒れが発生していないときと同等の副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラにでき、良好な画像を得ることができる。
式(14)あるいは式(16)の下限を満たさない場合は、無調整の状態と変わらず、上限を超える場合は上述したように過補正となり、良好な画像が得られない。
また、fθレンズ112を調整すると、被走査面上115における照射位置がずれる。そのため、fθレンズ112を調整した後、光走査装置100をシフトやz軸回りの回転調整を行うことで、照射位置と走査線傾きを調整するとより良好な画像を得ることができる。図15に本実施形態の光走査装置100の調整前後の被走査面115上における走査線を示している。図15(a)は調整前であり、図15(b)は調整後である。本実施形態において、x軸方向に−0.38mm、z軸を中心に反時計回りに2.44分回転させることで、図15(b)のようになる。
(本実施形態の効果)
以上、本実施形態では、偏向器の軸倒れに起因した被走査面におけるピッチ間隔の湾曲成分を結像光学素子の光軸周りの回転で抑制した。そして、被走査面におけるピッチ間隔の傾き成分については、上記結像光学素子の光軸垂直面内の変位(シフト)で抑制した。
なお、偏向器の軸倒れに起因した被走査面における複数ビームの主走査断面内の長手方向に対する互いに平行な傾斜(回転ずれ)は、偏向器と結像光学系を保持する光学箱を光軸方向周りに回転変位することで補正した。これにより、被走査面における複数ビームを主走査断面内の長手方向に対して互いに平行にできる。
このように、本実施形態によれば、結像光学素子だけの変位で副走査方向のピッチ間隔の被走査面におけるムラを小さくしつつ、光走査装置の小型化、高速化及び高精細化を実現することができる。なお、画像形成装置の記録密度は、特に限定されないが、記録密度が高くなればなるほど、高画質が求められることを考えると、1200dpi以上の画像形成装置においてより効果を発揮する。
(光走査装置の製造方法)
本発明は、以下のような光走査装置の製造方法としても位置付けられる。即ち、複数の発光点を備える光源手段から射出される複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光させる結像光学系と、を有する光走査装置の製造方法であって、以下の調整工程を有する。この調整工程とは、上記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφ、上記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθ、とするとき、以下の式を満たすように上記結像光学素子の位置を調整する調整工程である。
0.1≦θ/φ≦0.9
また、上記調整工程は、被走査面における副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分を上記結像光学素子の光軸方向周りの回転により補正する第1工程と、上記ピッチ間隔の傾き成分を上記結像光学素子の副走査方向への変位により補正する第2工程と、を含められる。
更に、上記偏向手段と上記結像光学系とを光学箱に組み付ける第3工程と、上記調整工程により生じる被走査面における照射位置のずれを、光学箱を被走査面に対して変位させることにより補正する第4工程と、を有することができる。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、偏向器の軸倒れに起因した被走査面におけるピッチ間隔の湾曲成分について述べたが、本発明はこれに限らず、各光学部品の組付け誤差や単品の誤差に起因した被走査面におけるピッチ間隔の湾曲成分についても同様に適用できる。即ち、各光学部品の組付け誤差や単品の誤差に起因した被走査面におけるピッチ間隔の湾曲成分を結像光学素子の光軸周りの回転で抑制できる。
(変形例2)
また、画像形成装置として、以下に示すカラー画像形成装置にも適用されるものである。
(カラー画像形成装置)
図17はカラー画像形成装置の要部概略図である。光走査装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図17において、90はカラー画像形成装置、11,12,13,14は各々光走査装置、121,122,123,124は各々像担持体としての感光ドラム、131,132,133,134は各々現像器、51は搬送ベルトである。
図17において、カラー画像形成装置90には、パーソナルコンピュータ等の外部機器92からR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色信号が入力する。これらの色信号は、装置内のプリンタコントローラ93によって、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各画像データ(ドットデータ)に変換される。これらの画像データは、それぞれ光走査装置11,12,13,14に入力される。
そして、これらの光走査装置からは、各画像データに応じて変調された光ビーム141,142,143,144が出射され、これらの光ビームによって感光ドラム121,122,123,124の感光面が主走査方向に走査される。
このカラー画像形成装置は、光走査装置(11,12,13,14)が、各々C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々平行して感光ドラム121,122,123,124面上に画像信号(画像情報)を記録する。その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
外部機器92としては、例えばCCDセンサを備えたカラー画像読取装置が用いられても良い。この場合には、このカラー画像読取装置と、カラー画像形成装置90とで、カラーデジタル複写機が構成される。
101・・光源、110・・偏向器、112・・fθレンズ、113・・結像光学系、115・・被走査面

Claims (12)

  1. 複数の発光点を備える光源手段から出射する複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光する結像光学系と、を有する光走査装置であって、
    前記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφ、前記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθ、とするとき、以下の式を満たすことを特徴とする光走査装置。
    0.1≦θ/φ≦0.9
  2. 前記偏向手段の軸倒れの角度がθ、主走査断面内における前記偏向手段の軸倒れ方向の光軸方向に対する角度がθ、であるとき、前記φが以下の式で近似されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
    φ=θ×sinθ
  3. 前記結像光学素子は、副走査方向への変位が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 被走査面における副走査方向のピッチ間隔が湾曲成分および傾き成分を含む場合に、前記湾曲成分を前記結像光学素子の光軸方向周りの回転により補正し、かつ前記傾き成分を前記結像光学素子の副走査方向への変位により補正することを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記偏向手段と前記結像光学系とを保持して移動可能な光学箱を有し、
    前記結像光学素子の変位により生じる前記被走査面における照射位置の回転ずれを、前記光学箱の前記光軸方向周りの回転により補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記結像光学素子は、前記結像光学系を構成する結像光学素子の中で副走査断面内における屈折力が最も大きい結像光学素子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 前記光源は、面発光型の半導体レーザーであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光走査装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置と、前記光走査装置で走査された光束によって感光体に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像を被転写材に転写する転写器と、転写されたトナー像を被転写材に定着させる定着器と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光走査装置と、外部機器から入力したコードデータを画像信号に変換して前記光走査装置に入力せしめるプリンタコントローラと、を有していることを特徴とする画像形成装置。
  10. 複数の発光点を備える光源手段から射出される複数の光束を偏向する偏向手段と、結像光学素子を備え前記偏向手段により偏向された光束を被走査面に集光させる結像光学系と、を有する光走査装置の製造方法であって、
    前記結像光学素子における光線の軌跡の光軸方向周りの角度をφ、前記結像光学素子の光軸方向周りの角度をθ、とするとき、以下の式を満たすように前記結像光学素子の位置を調整する調整工程を有することを特徴とする光走査装置の製造方法。
    0.1≦θ/φ≦0.9
  11. 前記調整工程は、前記被走査面における副走査方向のピッチ間隔の湾曲成分を前記結像光学素子の光軸方向周りの回転により補正する第1工程と、前記被走査面における副走査方向のピッチ間隔の傾き成分を前記結像光学素子の副走査方向への変位により補正する第2工程と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の光走査装置の製造方法。
  12. 前記偏向手段と前記結像光学系とを光学箱に組み付ける第3工程と、前記調整工程により生じる前記被走査面における照射位置のずれを、前記光学箱を前記被走査面に対して変位させることにより補正する第4工程と、を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の光走査装置の製造方法。
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