JP2015121434A - 電波式レベル計および電波式レベル計の調整方法 - Google Patents

電波式レベル計および電波式レベル計の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汎用性を向上させるとともに対象面を正確に測定できる電波式レベル計を提供する。【解決手段】電波の出力とゲインとを任意に変更して、液面13aからの反射波を検出する電波式レベル計1であって、タンク10の絶縁部11bの外側から液面13aに電波を照射するようにアンテナ2が取り付けられるとともに、電波の照射方向であるアンテナ2の軸方向L12を絶縁面11cの垂線L11に対して所定の角度θ1になるように取り付けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、対象面に電波を照射して、対象面のレベルを検出する電波式レベル計および電波式レベル計の調整方法に関する。
従来から、タンクに貯溜される貯溜物(液体または粉体)の内容量を検出するための手段として、電波式レベル計が用いられている。
電波式レベル計は、対象面(タンクの貯溜物の表面)に電波を照射して、対象面からの反射波を受信する。電波式レベル計は、電波を照射してから反射波を受信するまでの時間に基づいて、電波式レベル計から対象面までの距離を測定する。これにより、電波式レベル計は、対象面のレベル、すなわち、タンク内における対象面の高さ位置を検出する。
特許文献1に開示される液面測定装置は、タンクの開口部であるセンサ取り付け台にフランジを介してハウジングが取り付けられる。特許文献1に開示されるタンクは、フッ素樹脂のような電波が透過する材質からなる防護板によってセンサ取り付け台を閉塞する。特許文献1に開示される液面測定装置は、防護板の上方に平面アンテナが配置される。
特許文献1に開示される液面測定装置は、平面アンテナからの電波を、防護板を透過させて対象面まで伝搬させる。
特許文献1に開示される液面測定装置は、電波を透過させるために、防護板で閉塞した開口部にハウジングを取り付ける必要がある。
従って、特許文献1に開示される液面測定装置は、タンクの開口部分に合わせてハウジング等を形成する必要がある。
タンクの開口部分に合わせることなくハウジングを形成する手段としては、図15に示すように、タンクの開口部分を塞ぐ蓋体の上方にアンテナを配置することが考えられる。
しかし、この場合には、蓋体がガラス等である場合および蓋体とアンテナとの距離が長すぎる場合等に、電波の多くが蓋体で反射してしまう。従って、この場合には、図16に示すように、蓋体からの反射波と対象面からの反射波とを区別できず、その結果、対象面のレベルを正確に測定できない可能性がある。
特開2012−68195号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、汎用性を向上させるとともに対象面を正確に測定できる電波式レベル計および電波式レベル計の調整方法を提供するものである。
請求項1においては、電波の出力とゲインとを任意に変更して、対象面からの反射波を検出する電波式レベル計であって、前記タンクの絶縁部の外側から前記対象面に電波を照射するようにアンテナが取り付けられるとともに、前記アンテナの軸方向を前記絶縁部のうち前記電波が照射される面の垂線に対して所定の角度になるように取り付けられる、ものである。
請求項2においては、電波の出力とゲインとを任意に変更して対象面からの反射波を検出する電波式レベル計の調整方法であって、タンクの絶縁部の外側から対象面に電波を照射するように、前記電波式レベル計を取り付ける工程と、前記電波式レベル計の前記アンテナの軸方向を、前記絶縁部のうち前記電波が照射される面の垂線に対して所定の角度になるように調整する工程と、を行う、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の電波式レベル計によれば、汎用性を向上させるとともに対象面のレベルを正確に測定できる。
請求項2に記載の電波式レベル計の調整方法によれば、汎用性を向上させるとともに対象面のレベルを正確に測定できる。
第一実施形態の電波式レベル計およびタンクを示す説明図。 電波式レベル計の装置構成を示す説明図。 タンクに照射される電波を示す説明図。 液面からの反射波を示す説明図。 液面のレベルを測定する様子を示す説明図。 反射波の強度を示す図。 反射波の電波エネルギーが基準値よりも大きい場合において、出力とゲインとを変更する様子を示す図。 反射波電波エネルギーが基準値よりも小さい場合において、出力とゲインとを変更する様子を示す図。 第二実施形態の電波式レベル計を示す説明図。 第二実施形態の電波を示す説明図。 第二実施形態における液面からの反射波を示す説明図。 第三実施形態の電波式レベル計を示す説明図。 第三実施形態の電波を示す説明図。 第二実施形態における液面からの反射波を示す説明図。 従来技術において、タンクの外側から電波を照射する図。 図15における反射波の受信強度を示す図。
以下では、第一実施形態の電波式レベル計1および電波式レベル計1の調整方法について説明する。
まず、電波式レベル計1の全体的な構成について説明する。
図1に示すように、第一実施形態の電波式レベル計1は、タンク10に貯溜される貯溜物(液体または粉体)の内容量を、タンク10の外側から検出するためのものである。
タンク10は、上面の二箇所(図1では左右両端部)が上方に突出する。タンク10は、導電体によって構成される。タンク10の右端部の突出部分には、メンテナンスホール11が形成される。タンク10の左端部の突出部分には、のぞき窓12が形成される。
メンテナンスホール11は、タンク10をメンテナンスするときに作業者等が入るための孔である。メンテナンスホール11は、平面視略円状に形成される。
メンテナンスホール11は、タンク10の右端部の突出部分に配置されるフランジ11aに、ボルトおよびナット等によって絶縁部11bが着脱可能に取り付けられることによって閉塞される。
メンテナンスホール11の上面は、水平方向(タンク10の高さ方向と直交する方向)に対して平行となる。絶縁部11bは、例えば、ガラス等によって構成される。絶縁部11bの上下両面は、水平方向に対して平行となる。
以下では、このような絶縁部11bの上面を「絶縁面11c」と表記する。
なお、メンテナンスホールの形状および配置位置は、本実施形態に限定されるものでない。つまり、メンテナンスホールは、タンクの形状等に応じて平面視略四角形上に形成されていてもよく、タンクの中央部に形成されていてもよい。
のぞき窓12は、タンク10の内部を確認するための孔である。のぞき窓12は、タンク10の左端部の突出部分に配置される二つのフランジ12aによって、絶縁部12bの上下両面を挟んで固定することで構成される。
絶縁部12bは、円板状に形成される。絶縁部12aは、例えば、タンク10の内部を外側から視認可能な材料、例えば、ガラス等によって構成される。絶縁部12bの上面は、タンク10の外側に向かうにつれて下側に向かうようなテーパ面となる。
なお、のぞき窓の形状および配置位置は、本実施形態に限定されるものでない。つまり、のぞき窓は、タンクの形状等に応じて平面視略四角形上に形成されていてもよく、タンクの中央部に形成されていてもよい。
第一実施形態のタンク10には、液体13(例えば、水等)が貯溜される。つまり、第一実施形態においては、液面13aがレベルを測定する対象面となる。
なお、電波式レベル計の測定対象は、液体に限定されるものでない。
電波式レベル計は、例えば、粉体が貯溜されるタンクの粉面のレベルを計測しても構わない。
また、電波式レベル計は、粉体と液体とを攪拌する攪拌機の容器の内容量、すなわち、スラリーの液面のレベルを計測しても構わない。
第一実施形態の電波式レベル計1は、このようなタンク10の外側方(タンク10から離れた位置)に配置される。
図1および図2に示すように、電波式レベル計1は、アンテナ2、送信器3、受信器4、制御部5、およびパーソナルコンピュータ6等を具備する。
アンテナ2は、電波の照射および反射波の受信を行うためのものである。アンテナ2は、先端部(下端部)に向かうにつれてその外径が小さくなるロッドを備えるロッドアンテナである。
アンテナ2は、電波式レベル計1の調整方法の所定の工程が行われることにより、その取付位置および向きが調整されている。
なお、アンテナの形状は、本実施形態に限定されるものでない。つまり、アンテナは、タンクに接近するにつれて開口部の形状が大きくなるようなホーンアンテナ等であっても構わない。
本実施形態においてアンテナ2は、タンク10の上方、より詳細には、メンテナンスホール11の右斜め上方に配置される。つまり、アンテナ2は、タンク10の高さ方向における一側方に所定の間隔を空けて配置される。
図3に示すように、アンテナ2の軸方向L12(ロッドの軸方向)は、上下方向に対して傾斜して、左斜め下方向を向いている。アンテナ2は、左斜め下方向に向けて電波を照射する。これにより、アンテナ2は、絶縁部11bおよび液面13aに電波を照射する。つまり、アンテナ2は、タンク10の高さ方向に対して傾斜する方向に向けて電波を照射する。
つまり、アンテナ2の軸方向L12は、電波を照射する方向であり、第一実施形態において左斜め下方向である。
このように、電波式レベル計1の調整方法は、絶縁部11bの外側から液面13a(対象面)に電波を照射するように、電波式レベル計1を取り付ける工程を行う。
つまり、第一実施形態において、メンテナンスホール11の絶縁部11bは、タンク10に形成される絶縁部の実施の一形態である。また、第一実施形態において、メンテナンスホール11の絶縁面11cは、タンク10の絶縁部のうち電波が照射される面である。
また、アンテナ2は、その軸方向L12が絶縁面11cの垂線L11に対して所定の角度θ1だけ傾斜するように、その向きが調整されている。
このような所定の角度θ1は、アンテナ2の軸方向L12と絶縁面11cの垂線L11とにより成す角のうち狭角となる角である。
このように、電波式レベル計1の調整方法は、アンテナ2の軸方向L12が絶縁面11cの垂線L11に対して所定の角度θ1になるように調整する工程を行う。
アンテナ2は、例えば、タンク10の周囲の壁に固定される等して、軸方向L12が調整された状態で固定される。
図2に示すように、送信器3は、アンテナ2および制御部5と接続される。送信器3は、制御部5より送信信号が入力される。送信器3は、送信信号を電波エネルギーに変換し、アンテナ2に電波エネルギーを入力する。これによりアンテナ2は、電波を照射する。
受信器4は、アンテナ2および制御部5と接続される。受信器4には、アンテナ2で受信した反射波の電波エネルギーが入力される。受信器4は、電波エネルギーを受信信号に変換する。受信器4は、変換した受信信号を制御部5に入力する。
制御部5は、受信器4から入力される受信信号に基づいて、液面13aのレベルH(図5参照)を計算するためのプログラムを実行する演算部および液面13aのレベルHの計算結果を出力する出力部を備える。
制御部5は、送信器3に対して出力変更信号を入力することで、送信器3の出力を変更する。制御部5は、受信器4に対してゲイン変更信号を入力することで、受信器4のゲインを変更する。
パーソナルコンピュータ6は、制御部5と接続される。パーソナルコンピュータ6には、液面13aのレベルHの計算結果が制御部5から入力される。パーソナルコンピュータ6は、液面13aのレベルHの計算結果を出力するためのプログラムおよび出力装置、前記プログラムを実行するための演算装置等を備える。
次に、電波式レベル計1の動作について説明する。
まず、電波式レベル計1は、制御部5から送信器3に送信信号を入力し、送信器3からアンテナ2に電波エネルギーを入力する。そして、図3に示すように、電波式レベル計1は、アンテナ2よりタンク10の絶縁部11bに向けて電波を照射する(図3に示す矢印W参照)。
電波は、左斜め下方向に照射される。絶縁面11cは、水平方向に平行な面である。
つまり、電波式レベル計1は、絶縁面11cに対して入射角をつけて電波を照射する。
電波式レベル計1は、入射角をつけることで、絶縁面11cで反射した電波(以下、「絶縁面11cからの反射波」と表記する)がアンテナ2に向かって伝搬することを防止できる(図3に示す矢印W1参照)。
このため、電波式レベル計1は、絶縁面11cからの反射波の電波エネルギーを低減できる。
ここで、入射角は、電波の照射方向と電波が入射される面の垂線とにより成す角のうち、狭角となる角度である。
絶縁面11cに入射する電波の入射角において、このような電波の照射方向は、アンテナ2の軸方向L12である。また、電波が入射される面の垂線は、絶縁面11cの垂線L11である。
つまり、電波式レベル計1は、アンテナ2の軸方向L12を絶縁面11cの垂線L11に対して調整することで、絶縁面11cに電波が入射するときの入射角を調整しているのである。
これにより、第一実施形態の電波式レベル計1は、電波が絶縁面11cにブリュースター角で入射するように、つまり、絶縁面11cに電波が入射するときのブリュースター角と入射角θ1とが同じ角度となるように、アンテナ2の軸方向L12を調整している。
ブリュースター角は、屈折率の異なる界面でP偏光(絶縁面11cに対して平行な偏光方向)の反射率が0となる入射角のことである。
電波式レベル計1は、入射角θ1をブリュースター角とすることで、絶縁面11cでのP偏光の反射量を抑制できる。
従って、電波式レベル計1は、絶縁面11cからタンク10の内部に伝搬する電波エネルギーを増大できる(図3に示す矢印W2参照)。
タンク10の内部に伝搬する電波は、絶縁部11bで一部が屈折するとともに他部が絶縁部11bの高分子の配列をすり抜けて絶縁部11bを透過する。なお、図3および図4には屈折した一部の電波のみを記載している。
タンク10の内部に伝搬した電波は、液面13aで反射する。そして、図4に示すように、液面13aで反射した電波(以下、「液面13aからの反射波」と表記する)は、タンク10の内部から絶縁部11bに入射して、絶縁部11bからタンク10の外側に伝搬する(図4に示す矢印W3・W4参照)。
図2および図4に示すように、電波式レベル計1は、このようなタンク10の内側から外側に伝搬した液面13aからの反射波をアンテナ2で受信して、受信した電波エネルギーを受信器4で受信信号に変換する。
電波式レベル計1は、変換した受信信号を受信器4から制御部5に入力する。
制御部5は、演算装置でプログラムを実行することにより、受信器4から入力された受信信号に基づいて、電波を送信してから液面13aからの反射波を受信するまでの時間を算出する。
そして、図3から図5に示すように、制御部5は、前記反射波を受信するまでの時間の算出結果および入射角θ1等に基づいて、アンテナ2から液面13aまでの上下方向に沿った距離Dを算出する。
このとき、制御部5は、アンテナ2からタンク10の下面までの距離Lから、アンテナ2の先端部から液面13aまでの上下方向に沿った距離Dの算出結果を減算して、液面13aのレベルHを算出する。
電波式レベル計1は、電波の照射を短時間で複数回行って、アンテナ2で複数回液面13aからの反射波を受信する。
電波式レベル計1は、受信した反射波の中で、最も効率よく受信できた反射波の波形を選別する。このとき、電波式レベル計1は、例えば、反射波の波形の中で、最も強度が強い波形および最もノイズがない波形等を選別する。
電波式レベル計1は、選別した波形を液面13aのレベルHとして制御部5の出力部に出力する。そして、電波式レベル計1は、液面13aのレベルHを制御部5よりパーソナルコンピュータ6に入力し、パーソナルコンピュータ6の出力装置に液面13aのレベルHを出力する。これにより、電波式レベル計1は、液面13aのレベルHを測定する。
前述のように、第一実施形態の電波式レベル計1は、タンク10の外側から液面13aのレベルHを測定する。
この場合、電波式レベル計1は、タンク10の内側から電波を照射する場合や電波を透過し易い部材(例えば、薄いフッ素樹脂の板等)に接近させた状態で電波を照射する場合等と比較して、液面13aからの反射波以外の反射波をより多く、かつ、より強い電波エネルギーで受信してしまう。
このような液面13aで反射した反射波以外の反射波としては、例えば、絶縁面11cからの反射波およびタンク10の内側面からの反射波等である。
つまり、図6の上側のグラフに示すように、タンク10の外側から入射角をつけることなく電波を照射して液面13aのレベルHを測定する場合には、液面13aからの反射波とそれ以外の反射波との比率、すなわち、SN比が悪化してしまう可能性がある。
この場合には、精度よく液面13aのレベルHを測定できない可能性がある(図6の上側に示す反射波E1〜E4参照)。
なお、図6においては、反射波E4が液面13aからの反射波であり、反射波E1〜E3が反射した反射波以外の反射波を示している。これは、図7および図8においても同様である。
第一実施形態の電波式レベル計1は、絶縁面11cでの電波の入射角θ1がブリュースター角となるように電波を照射して、タンク10の内部に伝搬する電波エネルギーを増大している。
さらに、電波式レベル計1は、入射角θをつけることで絶縁部11bの高分子の配列および傾きに対して、アンテナ2の軸方向L12を絶縁部11bの高分子の配列に対して垂直に近い角度にすることができる。
従って、電波式レベル計1は、入射角θをつけなかった場合と比較して、電波が絶縁部11bの高分子の配列をすり抜け易やすい状態にすることができる。
つまり、電波式レベル計1は、絶縁部11bを透過する電波エネルギーを増大できる。
これにより、図6の下側のグラフに示すように、電波式レベル計1は、液面13aからの反射波の電波エネルギーを増大できるとともに、液面13aからの反射波以外の反射波の電波エネルギーを低減できる(図6の下側に示す反射波E1〜E4参照)。
また、電波式レベル計1は、絶縁面11cに入射する電波に入射角をつけることで、絶縁面11cからの反射波をアンテナ2で受信しにくくして、絶縁面11cからの反射波の電波エネルギーを抑制している。
これにより、電波式レベル計1は、SN比を改善できるため、受信した全ての反射波の中で、液面13aからの反射波の電波エネルギーを最も大きくすることができる(図6の下側に示す反射波E1〜E4参照)。
しかし、タンク10の外側から電波を照射する場合、電波を照射する面の材質および厚み等により、入射角θ1をブリュースター角とするだけでは、液面13aからの反射波以外の反射波の電波エネルギーを充分に低減できない可能性がある。
そこで、電波式レベル計1は、制御部5で以下のような制御を行うことにより、液面13aからの反射波以外の反射波、すなわち、ノイズを除去している。
図7に示すように、制御部5は、受信した全ての反射波の中で、最も電波エネルギーが大きい反射波E4、すなわち、液面13aからの反射波と予め設定される電波エネルギーの基準値Sとを比較する(図7の上側のグラフ参照)。このような基準値Sは、予め実験等を行うことによって設定される。
仮に、図7の上側のグラフに示すように、最も電波エネルギーが大きい反射波E4の電波エネルギーが基準値Sよりも大きい場合、制御部5は、送信器3に対して出力変更信号を入力して送信器3の出力を下げるとともに、受信器4に対してゲイン変更信号を入力して受信器4のゲインを弱くする。
また、図8の上側のグラフに示すように、最も電波エネルギーが大きい反射波E4の電波エネルギーが基準値Sよりも小さい場合、制御部5は、送信器3に対して出力変更信号を入力して送信器3の出力を上げるとともに、受信器4に対してゲイン変更信号を入力して受信器4のゲインを強くする。
制御部5は、このように出力とゲインとを変更した後で再度電波を照射して、最も電波エネルギーが大きい反射波E4の電波エネルギーと基準値Sとを比較する。
図7および図8の下側のグラフに示すように、制御部は、このような出力とゲインとの変更および基準値Sとの比較を繰り返し行うことにより、最も電波エネルギーが大きい反射波E4の電波エネルギーが基準値Sを僅かに超える程度となる波形を得る。
これにより、制御部5は、最も電波エネルギーが大きい反射波E4以外の反射波E1〜E3を除去する。
制御部5は、このような出力とゲインとの変更を行って、受信した反射波の中で最も効率よく受信できた反射波の波形を選別し、選別した波形を液面13aのレベルHとして出力する。
これによれば、電波式レベル計1は、最も電波エネルギーが大きい反射波E4、すなわち、液面13aからの反射波だけを確実に検出できる(図7および図8の下側に示す反射波E1〜E4参照)。
このため、電波式レベル計1は、液面13aからの反射波以外の反射波を液面13aからの反射波として誤検出してしまうことを防止でき、液面13aのレベルHを精度よく測定できる。
これによれば、電波式レベル計1は、タンク10に形成される開口部に合わせてハウジングを取り付けたり、タンク10の内部にアンテナを配置することなく、液面13aのレベルHを測定できる。
また、電波式レベル計1は、閉塞された状態のタンク10の液面13aのレベルHを、タンク10の外側から測定できる。つまり、電波式レベル計1は、タンク10のメンテナンスホール11やのぞき窓12を開放することなく、液面13aのレベルHを測定できる。
さらに、電波式レベル計1は、閉塞された状態のタンク10の外側から電波を照射することにより増大する、液面13aからの反射波以外の反射波の影響を受けることなく液面13aのレベルHを測定できる。
つまり、電波式レベル計1および電波式レベル計1の調整方法は、汎用性を向上させる(決まった条件を満たすタンク、例えば、決まった大きさのフランジが形成されるタンクにしか取り付けられないことを解消できる)とともに、液面13aのレベルHを正確に測定できる。
このように、電波式レベル計1は、電波の出力とゲインとを任意に変更して、液面13a(対象面)からの反射波を検出する。
また、電波式レベル計1は、タンク10の絶縁部11b(絶縁部)の外側から液面13a(対象面)に電波を照射するようにアンテナ2が取り付けられるとともに、アンテナ2の軸方向L12を絶縁面11c(絶縁部のうち電波が照射される面)の垂線L11に対して所定の角度θ1になるように取り付けられる。
なお、メンテナンスホールの絶縁部が水平方向に対して傾斜している場合、電波式レベル計は、アンテナの軸方向をメンテナンスホールの絶縁部に合わせて(電波の絶縁面への入射角が所定の角度となるように)アンテナの軸方向を上下方向と平行な方向、若しくは、上下方向に対して傾斜させてメンテナンスホールから液面を測定すればよい。
なお、電波式レベル計は、必ずしも絶縁面での電波の入射角がブリュースター角となるように電波を照射する必要はない。
例えば、電波式レベル計は、絶縁面での電波の入射角がブリュースター角に近い角度(例えば、ブリュースター角よりも5°程度大きい角度)になるように電波を照射しても構わない。
これにより、電波式レベル計は、P偏光の反射率を0に近付けることができるため、絶縁面からタンクの内部に伝搬するエネルギーを増大できる。従って、電波式レベル計は、出力とゲインとの変更で液面からの反射波を検出し、タンクの外側から精度よく測定面のレベルを測定できる。
つまり、本発明に係る電波式レベル計において、電波が照射される面の垂線に対する所定の角度とは、ブリュースター角と同じ角度だけでなく、ブリュースター角に近い角度も含むものである。
このようなブリュースター角に近い角度は、入射角をつけることによって増大する絶縁部の高分子の配列をすり抜ける電波のエネルギー量(SN比の改善度合い)、および出力とゲインとの変更によって液面からの反射波をどの程度安定して検出できるか等を検証することによって、適宜設定される。
次に、第二実施形態の電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法について説明する。
なお、以下において、第一実施形態の電波式レベル計1と同様に構成される部材については同様の符号を付し、その説明を省略する。
図1および図9に示すように、第二実施形態の電波式レベル計101は、タンク10ののぞき窓12からタンク10の液面13aを測定する点だけが、第一実施形態の電波式レベル計1と異なる。
つまり、第二実施形態の電波式レベル計101は、第一実施形態の電波式レベル計1のアンテナ2の軸方向L12および取付位置を、のぞき窓12に合わせて調整したものである。
図9に示すように、第二実施形態の電波式レベル計101は、タンク10の傾斜面に対して電波を照射して、液面13aのレベルHを測定するものである。
以下では、のぞき窓12の絶縁部12bの上面を「絶縁面12c」と表記する。
つまり、第二実施形態においてタンク10は、のぞき窓12の絶縁部12bが絶縁部として形成され、のぞき窓12の絶縁面12cが電波を照射される面となる。
図10に示すように、電波式レベル計101のアンテナ2は、タンク10の外側方に配置される。アンテナ2は、電波式レベル計101の調整方法が用いられ、アンテナ2の軸方向L22、すなわち、電波の照射方向が下方向に対して平行になるように、その向きが調整される。
これにより、第二実施形態の電波式レベル計101は、絶縁面12cの垂線L21に対して所定の角度θ2になるように、アンテナ2の軸方向L22が調整される。
所定の角度θ2は、第一実施形態の入射角θ1と同じ角度、すなわち、絶縁面11cに電波が入射するときのブリュースター角と同じ角度である。
図10および図11に示すように、第二実施形態の電波式レベル計101は、このような状態でアンテナ2より電波を照射して、第一実施形態の電波式レベル計1と同じ要領でタンク10の液面13aのレベルHを測定する(図10に示す矢印W・W2および図11に示す矢印W3・W4参照)。なお、図10および図11には、絶縁部12bを透過した電波のみを記載している。
これにより、電波式レベル計101は、タンク10の内部に伝搬する電波エネルギーを大きくし、出力とゲインとを変更することによって液面13aからの反射波だけを検出する(図6〜図8参照)。
このように、電波式レベル計101は、絶縁部12bの姿勢(絶縁面12cの水平方向に対する傾斜度合い)に応じて、下方向に電波を照射しても構わない。
第二実施形態の電波式レベル計101は、下方向に電波を照射することで、液面13aに対して垂直に電波を照射できる。このため、電波式レベル計101は、絶縁面12cを透過する電波の伝搬方向を液面13aに対して垂直な方向にすることができる。
これにより、電波式レベル計101は、液面13aからの反射波の電波エネルギーをより強くできる。
つまり、第二実施形態の電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法は、絶縁部11bを透過して液面12aで反射する反射波の電波エネルギーが、反射波の中で最も強くなる。
従って、電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法は、絶縁部11bを透過する電波の反射波から液面12aのレベルHを測定することとなる。
前述のように、絶縁部11bを透過する電波は、入射角θをつけることによって電波エネルギーが増大している。
このため、電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法は、第一実施形態の電波式レベル計1と比較して、より精度よく液面13aのレベルHを測定できる。
なお、のぞき窓の絶縁部が水平方向に沿っている場合、電波式レベル計は、アンテナの軸方向を上下方向に対して傾斜させてのぞき窓から液面を検査すればよい。
第一実施形態および第二実施形態の電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、タンク10の外側に取り付けられた状態で液面12aのレベルHを測定できるため、液体12がアンテナ2等に付着してしまうことを防止できる。
従って、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、液体12が付着することによる影響で発生する誤作動およびコンタミネーションを防止できる。
これにより、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、アンテナ2に付着した液体12を清掃する作業を削減できるため、メンテナンス性を向上できる。
また、第一実施形態および第二実施形態の電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、タンク10の外側に取り付けられるため、アンテナ2を清掃する等の目的でタンク10を開放する必要がなくなる。
従って、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、タンク10の開閉頻度を下げることができるため、生産工程に支障をきたすことを防止でき、ひいては、サニタリー性を向上させる。
次に、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法について説明する。
図1および図12に示すように、第三実施形態の電波式レベル計201は、第一実施形態のタンク10とは異なるタンク20の液面22aを測定する点だけが、第一実施形態の電波式レベル計1と異なる。
つまり、第三実施形態の電波式レベル計201は、第一実施形態の電波式レベル計1のアンテナ2の軸方向L12を、タンク20に合わせて調整したものである。
図12に示すように、第三実施形態のタンク20は、上部21がパラボラ状(楕円の上下に二分割したもののうち、上側の半円形状)に形成され、電波を透過可能な材料、例えば、ポリエチレンによって構成される。
第三実施形態のタンク20は、第一実施形態のようなメンテナンスホール11および第二実施形態のようなのぞき窓12が形成されていない。
このようなタンク20には、劇毒物、例えば、フッ酸等の液体22が貯溜される。
なお、第一実施形態のようなメンテナンスホール11および第二実施形態のようなのぞき窓12が形成されていないタンクの形状は、第三実施形態にあるようなタンクに限定されるものでない。
第三実施形態の電波式レベル計201は、タンク20の上方より電波を照射して、液面22aのレベルHを測定する。
つまり、電波式レベル計201は、タンク20の上面21a、すなわち、曲面に電波を照射して、液面22aのレベルHを測定するものである。
このように、第三実施形態においてタンク20は、上部21が絶縁部として形成され、タンク20の上面21aが電波を照射される面となる。
図13に示すように、このようなタンク20の液面22aのレベルHを測定する場合、電波式レベル計201の調整方法では、タンク20の上面21aの接線L30の垂線L31に対して所定の角度θ3になるように、アンテナ2の軸方向L32を調整する。
このとき、電波式レベル計201の調整方法では、まず、タンク20の上面21aのどの部分に電波を照射するかを決定する。
なお、図13では、電波を照射する部分を上部21の右端部としている。
そして、電波式レベル計201の調整方法では、タンク20の上面21aの電波を照射する部分における接線L30に対する垂線L31と、所定の角度θ3とにより、アンテナ2の軸方向L32(アンテナ2の向き)および取付位置を調整する。
第三実施形態において所定の角度θ3は、上部21に電波が入射するときのブリュースター角と同じ角度である。
これにより、電波式レベル計201のアンテナ2は、タンク20の外側方に配置され、軸方向L32、すなわち、電波の照射方向が左斜め下方向になるように配置される。
図13および図14に示すように、第三実施形態の電波式レベル計201は、このような状態でアンテナ2より電波を照射して、第一実施形態の電波式レベル計1と同じ要領でタンク20の液面22aのレベルHを測定する(図13に示す矢印W・W2および図14に示す矢印W3・W4参照)。なお、図13および図14には、上部21で屈折した電波のみを記載している。
これにより、電波式レベル計201は、タンク20の内部に伝搬する電波エネルギーを大きくし、出力とゲインとを変更することによって液面22aからの反射波だけを検出する(図6〜図8参照)。
これによれば、電波式レベル計201は、のぞき窓およびメンテナンスホールが形成されていないタンク20の外側からでも、液面22aのレベルHを測定できる。
第三実施形態の電波式レベル計201は、タンク20の上部21を間に介してタンク20の液面22aのレベルHを測定できるため、気化した劇毒物の液体22が浸透することに起因する電波式レベル計201の故障を防止できる。
従って、電波式レベル計201は、長期間継続して液面22aのレベルHを測定できる。
第三実施形態のタンク20は、開放することで毒ガスが漏れ出る可能性のあるタンク、すなわち、できるだけ開放しないことが好ましいタンクである。
電波式レベル計201は、このようなタンク20の液面Hを測定することで、電波式レベル計201のメンテナンス時にタンク20を開放する必要がなくなる。
従って、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、タンク20の開閉頻度を下げることで、タンク20から毒ガスが漏れ出る頻度を下げることができる、すなわち、安全性を向上できる。
また、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、気化した液体22が付着することによってアンテナ2等が腐食してしまうことを防止できる。
従って、電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、メンテナンスを頻繁に行うことなく、長期間継続して液面22aのレベルHを測定できる。
さらに、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、フランジをタンクに形成することなく、液面22aのレベルHを測定できる。
従って、電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、フランジが形成されていないタンクに対しても後付できる。
つまり、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、タンク20のような上部に開口部が形成されていないタンクを加工することなく、液面のレベルを測定できる。
このため、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、前記開口部が形成されていないタンクに貯溜される貯溜物(液体、粉体、スラリー)の種類に関わらず、タンクの外側から非接触でタンク内の対象面のレベルの測定ができる。
なお、電波式レベル計は、電波を透過し易い部材、例えば、薄いフッ素樹脂によって構成される部材に対して電波を照射する場合、電波が照射される面の垂線に対して平行な角度、すなわち、入射角を0°として電波を照射しても構わない。
このような場合において、電波式レベル計は、出力とゲインとを変更するだけで、液面からの反射波だけを精度よく検出できる。
電波式レベル計は、必ずしもアンテナをタンクから離して配置する必要はない。つまり、電波式レベル計は、アンテナをタンクの外側面に密着させても構わない。
ただし、本実施形態のように、アンテナをタンクから離して配置することで、電波式レベル計は、タンクのメンテナンス等に干渉することを防止できる。
1 電波式レベル計
2 アンテナ
10 タンク
11a 絶縁部
11b 絶縁面(電波が照射される面)
13a 液面(対象面)
L11 垂線
L12 アンテナの軸方向
θ1 所定の角度

Claims (2)

  1. 電波の出力とゲインとを任意に変更して、対象面からの反射波を検出する電波式レベル計であって、
    前記タンクの絶縁部の外側から前記対象面に電波を照射するようにアンテナが取り付けられるとともに、前記アンテナの軸方向を前記絶縁部のうち前記になるように取り付けられる、
    電波式レベル計。
  2. 電波の出力とゲインとを任意に変更して対象面からの反射波を検出する電波式レベル計の調整方法であって、
    タンクの絶縁部の外側から対象面に電波を照射するように、前記電波式レベル計を取り付ける工程と、
    前記電波式レベル計の前記アンテナの軸方向を、前記絶縁部のうち前記電波が照射される面の垂線に対して所定の角度になるように調整する工程と、
    を行う、
    電波式レベル計の調整方法。
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