JP2015121434A - 電波式レベル計および電波式レベル計の調整方法 - Google Patents
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Abstract
Description
電波式レベル計は、対象面(タンクの貯溜物の表面)に電波を照射して、対象面からの反射波を受信する。電波式レベル計は、電波を照射してから反射波を受信するまでの時間に基づいて、電波式レベル計から対象面までの距離を測定する。これにより、電波式レベル計は、対象面のレベル、すなわち、タンク内における対象面の高さ位置を検出する。
特許文献1に開示される液面測定装置は、平面アンテナからの電波を、防護板を透過させて対象面まで伝搬させる。
従って、特許文献1に開示される液面測定装置は、タンクの開口部分に合わせてハウジング等を形成する必要がある。
しかし、この場合には、蓋体がガラス等である場合および蓋体とアンテナとの距離が長すぎる場合等に、電波の多くが蓋体で反射してしまう。従って、この場合には、図16に示すように、蓋体からの反射波と対象面からの反射波とを区別できず、その結果、対象面のレベルを正確に測定できない可能性がある。
メンテナンスホール11は、タンク10の右端部の突出部分に配置されるフランジ11aに、ボルトおよびナット等によって絶縁部11bが着脱可能に取り付けられることによって閉塞される。
メンテナンスホール11の上面は、水平方向(タンク10の高さ方向と直交する方向)に対して平行となる。絶縁部11bは、例えば、ガラス等によって構成される。絶縁部11bの上下両面は、水平方向に対して平行となる。
絶縁部12bは、円板状に形成される。絶縁部12aは、例えば、タンク10の内部を外側から視認可能な材料、例えば、ガラス等によって構成される。絶縁部12bの上面は、タンク10の外側に向かうにつれて下側に向かうようなテーパ面となる。
電波式レベル計は、例えば、粉体が貯溜されるタンクの粉面のレベルを計測しても構わない。
また、電波式レベル計は、粉体と液体とを攪拌する攪拌機の容器の内容量、すなわち、スラリーの液面のレベルを計測しても構わない。
図1および図2に示すように、電波式レベル計1は、アンテナ2、送信器3、受信器4、制御部5、およびパーソナルコンピュータ6等を具備する。
アンテナ2は、電波式レベル計1の調整方法の所定の工程が行われることにより、その取付位置および向きが調整されている。
図3に示すように、アンテナ2の軸方向L12(ロッドの軸方向)は、上下方向に対して傾斜して、左斜め下方向を向いている。アンテナ2は、左斜め下方向に向けて電波を照射する。これにより、アンテナ2は、絶縁部11bおよび液面13aに電波を照射する。つまり、アンテナ2は、タンク10の高さ方向に対して傾斜する方向に向けて電波を照射する。
つまり、第一実施形態において、メンテナンスホール11の絶縁部11bは、タンク10に形成される絶縁部の実施の一形態である。また、第一実施形態において、メンテナンスホール11の絶縁面11cは、タンク10の絶縁部のうち電波が照射される面である。
このような所定の角度θ1は、アンテナ2の軸方向L12と絶縁面11cの垂線L11とにより成す角のうち狭角となる角である。
制御部5は、送信器3に対して出力変更信号を入力することで、送信器3の出力を変更する。制御部5は、受信器4に対してゲイン変更信号を入力することで、受信器4のゲインを変更する。
つまり、電波式レベル計1は、絶縁面11cに対して入射角をつけて電波を照射する。
このため、電波式レベル計1は、絶縁面11cからの反射波の電波エネルギーを低減できる。
絶縁面11cに入射する電波の入射角において、このような電波の照射方向は、アンテナ2の軸方向L12である。また、電波が入射される面の垂線は、絶縁面11cの垂線L11である。
従って、電波式レベル計1は、絶縁面11cからタンク10の内部に伝搬する電波エネルギーを増大できる(図3に示す矢印W2参照)。
タンク10の内部に伝搬する電波は、絶縁部11bで一部が屈折するとともに他部が絶縁部11bの高分子の配列をすり抜けて絶縁部11bを透過する。なお、図3および図4には屈折した一部の電波のみを記載している。
電波式レベル計1は、変換した受信信号を受信器4から制御部5に入力する。
このとき、制御部5は、アンテナ2からタンク10の下面までの距離Lから、アンテナ2の先端部から液面13aまでの上下方向に沿った距離Dの算出結果を減算して、液面13aのレベルHを算出する。
電波式レベル計1は、受信した反射波の中で、最も効率よく受信できた反射波の波形を選別する。このとき、電波式レベル計1は、例えば、反射波の波形の中で、最も強度が強い波形および最もノイズがない波形等を選別する。
電波式レベル計1は、選別した波形を液面13aのレベルHとして制御部5の出力部に出力する。そして、電波式レベル計1は、液面13aのレベルHを制御部5よりパーソナルコンピュータ6に入力し、パーソナルコンピュータ6の出力装置に液面13aのレベルHを出力する。これにより、電波式レベル計1は、液面13aのレベルHを測定する。
この場合、電波式レベル計1は、タンク10の内側から電波を照射する場合や電波を透過し易い部材(例えば、薄いフッ素樹脂の板等)に接近させた状態で電波を照射する場合等と比較して、液面13aからの反射波以外の反射波をより多く、かつ、より強い電波エネルギーで受信してしまう。
このような液面13aで反射した反射波以外の反射波としては、例えば、絶縁面11cからの反射波およびタンク10の内側面からの反射波等である。
この場合には、精度よく液面13aのレベルHを測定できない可能性がある(図6の上側に示す反射波E1〜E4参照)。
従って、電波式レベル計1は、入射角θをつけなかった場合と比較して、電波が絶縁部11bの高分子の配列をすり抜け易やすい状態にすることができる。
つまり、電波式レベル計1は、絶縁部11bを透過する電波エネルギーを増大できる。
また、電波式レベル計1は、絶縁面11cに入射する電波に入射角をつけることで、絶縁面11cからの反射波をアンテナ2で受信しにくくして、絶縁面11cからの反射波の電波エネルギーを抑制している。
しかし、タンク10の外側から電波を照射する場合、電波を照射する面の材質および厚み等により、入射角θ1をブリュースター角とするだけでは、液面13aからの反射波以外の反射波の電波エネルギーを充分に低減できない可能性がある。
図7および図8の下側のグラフに示すように、制御部は、このような出力とゲインとの変更および基準値Sとの比較を繰り返し行うことにより、最も電波エネルギーが大きい反射波E4の電波エネルギーが基準値Sを僅かに超える程度となる波形を得る。
制御部5は、このような出力とゲインとの変更を行って、受信した反射波の中で最も効率よく受信できた反射波の波形を選別し、選別した波形を液面13aのレベルHとして出力する。
また、電波式レベル計1は、閉塞された状態のタンク10の液面13aのレベルHを、タンク10の外側から測定できる。つまり、電波式レベル計1は、タンク10のメンテナンスホール11やのぞき窓12を開放することなく、液面13aのレベルHを測定できる。
さらに、電波式レベル計1は、閉塞された状態のタンク10の外側から電波を照射することにより増大する、液面13aからの反射波以外の反射波の影響を受けることなく液面13aのレベルHを測定できる。
また、電波式レベル計1は、タンク10の絶縁部11b(絶縁部)の外側から液面13a(対象面)に電波を照射するようにアンテナ2が取り付けられるとともに、アンテナ2の軸方向L12を絶縁面11c(絶縁部のうち電波が照射される面)の垂線L11に対して所定の角度θ1になるように取り付けられる。
例えば、電波式レベル計は、絶縁面での電波の入射角がブリュースター角に近い角度(例えば、ブリュースター角よりも5°程度大きい角度)になるように電波を照射しても構わない。
これにより、電波式レベル計は、P偏光の反射率を0に近付けることができるため、絶縁面からタンクの内部に伝搬するエネルギーを増大できる。従って、電波式レベル計は、出力とゲインとの変更で液面からの反射波を検出し、タンクの外側から精度よく測定面のレベルを測定できる。
このようなブリュースター角に近い角度は、入射角をつけることによって増大する絶縁部の高分子の配列をすり抜ける電波のエネルギー量(SN比の改善度合い)、および出力とゲインとの変更によって液面からの反射波をどの程度安定して検出できるか等を検証することによって、適宜設定される。
つまり、第二実施形態の電波式レベル計101は、第一実施形態の電波式レベル計1のアンテナ2の軸方向L12および取付位置を、のぞき窓12に合わせて調整したものである。
これにより、第二実施形態の電波式レベル計101は、絶縁面12cの垂線L21に対して所定の角度θ2になるように、アンテナ2の軸方向L22が調整される。
これにより、電波式レベル計101は、タンク10の内部に伝搬する電波エネルギーを大きくし、出力とゲインとを変更することによって液面13aからの反射波だけを検出する(図6〜図8参照)。
これにより、電波式レベル計101は、液面13aからの反射波の電波エネルギーをより強くできる。
従って、電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法は、絶縁部11bを透過する電波の反射波から液面12aのレベルHを測定することとなる。
このため、電波式レベル計101および電波式レベル計101の調整方法は、第一実施形態の電波式レベル計1と比較して、より精度よく液面13aのレベルHを測定できる。
従って、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、液体12が付着することによる影響で発生する誤作動およびコンタミネーションを防止できる。
これにより、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、アンテナ2に付着した液体12を清掃する作業を削減できるため、メンテナンス性を向上できる。
従って、電波式レベル計1・101および電波式レベル計1・101の調整方法は、タンク10の開閉頻度を下げることができるため、生産工程に支障をきたすことを防止でき、ひいては、サニタリー性を向上させる。
つまり、第三実施形態の電波式レベル計201は、第一実施形態の電波式レベル計1のアンテナ2の軸方向L12を、タンク20に合わせて調整したものである。
第三実施形態のタンク20は、第一実施形態のようなメンテナンスホール11および第二実施形態のようなのぞき窓12が形成されていない。
このようなタンク20には、劇毒物、例えば、フッ酸等の液体22が貯溜される。
つまり、電波式レベル計201は、タンク20の上面21a、すなわち、曲面に電波を照射して、液面22aのレベルHを測定するものである。
なお、図13では、電波を照射する部分を上部21の右端部としている。
これにより、電波式レベル計201は、タンク20の内部に伝搬する電波エネルギーを大きくし、出力とゲインとを変更することによって液面22aからの反射波だけを検出する(図6〜図8参照)。
従って、電波式レベル計201は、長期間継続して液面22aのレベルHを測定できる。
電波式レベル計201は、このようなタンク20の液面Hを測定することで、電波式レベル計201のメンテナンス時にタンク20を開放する必要がなくなる。
従って、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、タンク20の開閉頻度を下げることで、タンク20から毒ガスが漏れ出る頻度を下げることができる、すなわち、安全性を向上できる。
従って、電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、メンテナンスを頻繁に行うことなく、長期間継続して液面22aのレベルHを測定できる。
従って、電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、フランジが形成されていないタンクに対しても後付できる。
このため、第三実施形態の電波式レベル計201および電波式レベル計201の調整方法は、前記開口部が形成されていないタンクに貯溜される貯溜物(液体、粉体、スラリー)の種類に関わらず、タンクの外側から非接触でタンク内の対象面のレベルの測定ができる。
このような場合において、電波式レベル計は、出力とゲインとを変更するだけで、液面からの反射波だけを精度よく検出できる。
ただし、本実施形態のように、アンテナをタンクから離して配置することで、電波式レベル計は、タンクのメンテナンス等に干渉することを防止できる。
2 アンテナ
10 タンク
11a 絶縁部
11b 絶縁面(電波が照射される面)
13a 液面(対象面)
L11 垂線
L12 アンテナの軸方向
θ1 所定の角度
Claims (2)
- 電波の出力とゲインとを任意に変更して、対象面からの反射波を検出する電波式レベル計であって、
前記タンクの絶縁部の外側から前記対象面に電波を照射するようにアンテナが取り付けられるとともに、前記アンテナの軸方向を前記絶縁部のうち前記になるように取り付けられる、
電波式レベル計。 - 電波の出力とゲインとを任意に変更して対象面からの反射波を検出する電波式レベル計の調整方法であって、
タンクの絶縁部の外側から対象面に電波を照射するように、前記電波式レベル計を取り付ける工程と、
前記電波式レベル計の前記アンテナの軸方向を、前記絶縁部のうち前記電波が照射される面の垂線に対して所定の角度になるように調整する工程と、
を行う、
電波式レベル計の調整方法。
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