JP2015121105A - ドライサンプ式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能なドライサンプ式エンジンを提供する。【解決手段】オイルタンク47が、ミッション室58の下方に設けられるとともにクランクケース11の複数の縦壁部としての中間壁42b、下部後壁42c、下部左壁、下部右壁と上壁42aと底板部材13とによって囲まれて形成され、オイルパン46からオイルを回収するスカベンジポンプ83と、オイルタンク47内のオイルをエンジン内油路へ圧送するフィードポンプとから一体の組立体としてオイルポンプ48が構成されるドライサンプ式のエンジン10において、オイルポンプ48とクランクケース11とは別体に構成され、オイルポンプ48は、オイルタンク47内にクランクケース11の下方から収容される。【選択図】図5

Description

本発明は、オイルパン及びオイルタンクを内部に備えるドライサンプ式エンジンに関する。
従来、車両に適用されるドライサンプ式エンジンとして、クランクケース内に壁部によって区画されたオイルパン及びオイルタンクを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記ドライサンプ式エンジンでは、潤滑に使用されたオイルをオイルパンに集め、スカベンジポンプによって別室のオイルタンクに回収する構造が開示されている。
特許第4563880号公報
特許文献1では、スカベンジポンプ及びフィードポンプからなるオイルポンプが、クランクケース内のオイルパン側とオイルタンク側とを仕切る仕切壁に形成されたポンプケースに回転体が収容されて構成されるため、オイルパン、オイルタンクの他にオイルポンプのためのスペースが別途必要になる。また、オイルポンプとオイルストレーナとの距離が長いため、エンジンの全高が高くなる。これらの事から、エンジンの小型化のための改良が望まれる。
本発明の目的は、小型化が可能なドライサンプ式エンジンを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、潤滑用のオイルを回収するオイルパン(46)と、前記オイルを貯留するオイルタンク(47)とがクランクケース(11)内の壁部によって区画されたドライサンプ式エンジンであって、前記オイルタンク(47)が、変速機(15)を収容する変速機室(58)の下方に設けられるとともにクランクケース(11)の複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と横壁部(42a)と底板部材(13)とによって囲まれて形成され、前記オイルパン(46)からオイルを回収するスカベンジポンプ(83)と、前記オイルタンク(47)内のオイルをエンジン内油路へ圧送するフィードポンプ(86)とから一体の組立体としてオイルポンプ(48)が構成されるドライサンプ式エンジンにおいて、前記オイルポンプ(48)と前記クランクケース(11)とは別体に構成され、前記オイルポンプ(48)は、前記オイルタンク(47)内に前記クランクケース(11)の下方から収容されることを特徴とする。
上記構成において、前記オイルパン(46)は、前記変速機室(58)と隣接するクランク室(45)の下方に設けられ、前記クランクケース(11)の複数の前記縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と前記底板部材(13)とによって囲まれて形成されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルパン(46)と前記スカベンジポンプ(83)とを接続するスカベンジ油路(13x)は、前記底板部材(13)に形成されるとともに、前記スカベンジ油路(13x)の一端は、前記オイルパン(46)に開口し、他端は、前記スカベンジポンプ(83)の吸込管(77a)に接続されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルパン(46)を構成する前記底板部材(13)の壁部(13a)に、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔(13g)が形成され、前記スカベンジ油路(13x)のうち、前記底板部材(13)に形成される底板部材側油路(13f)と、前記オイルパン用ドレン孔(13g)とは、同心状に位置するようにしても良い。
また、上記構成において、前記底板部材(13)は、前記オイルパン(46)内において、前記クランク室(45)内に配置されるクランク軸(16)の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁(13d)が設けられ、前記スカベンジ油路(13x)の開口部(13y)は、前記オイルパン側底壁(13d)の低い側に開口していても良い。
また、上記構成において、前記横壁部(42a)の下面には複数のボス部(42t)が形成され、前記オイルポンプ(48)は、前記複数のボス部(42t)に締結部材(111)により下方から締結されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルタンク(47)は、バッフルプレート(103)により上側空間(105)と下側空間(106)とに仕切られ、前記バッフルプレート(103)は、前記底板部材(13)と、前記複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)との合わせ面で挟まれるように取付けられ、前記オイルポンプ(48)は、前記上側空間(105)に配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルタンク(47)内の前記底板部材(13)を構成するオイルタンク側底壁(13e)に、オイルタンク(47)内のオイルを排出するオイルタンク用ドレン孔(14p)が形成され、前記オイルタンク側底壁(13e)には、エンジン下方及び側方に面する傾斜壁(14d)を有し、前記傾斜壁(14d)に前記オイルタンク用ドレン孔(14p)が形成されるとともに、前記オイルタンク用ドレン孔(14p)は、前記傾斜壁(14d)の内面側の縁部にボス部(14m)が形成され、前記ボス部(14m)に切欠き(14r)が形成されていても良い。
本発明は、オイルポンプとクランクケースとは別体に構成され、オイルポンプは、オイルタンク内にクランクケースの下方から収容されるので、従来に比べてクランクケース内のスペースを有効に利用することができ、エンジンの小型化を図ることができる。また、オイルポンプをクランクケースの下方からオイルタンク内に収容する構造であるため、オイルポンプの下部側の設計自由度を増すことができ、オイルポンプの下方に設けられるストレーナをオイルポンプに近づけることが可能になる。従って、エンジンのより一層の小型化を図ることができる。
また、オイルパンは、変速機室と隣接するクランク室の下方に設けられ、クランクケースの複数の縦壁部と底板部材とによって囲まれて形成されるので、オイルパンとオイルタンクとを隣接して配置するとともに、共通の底板部材によってオイルパンとオイルタンクとを少ない部品で構成することができるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、オイルパンとスカベンジポンプとを接続するスカベンジ油路は、底板部材に形成されるとともに、スカベンジ油路の一端は、オイルパンに開口し、他端は、スカベンジポンプの吸込管に接続されるので、油路を形成するための管路部材を廃止できるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、オイルパンを構成する底板部材の壁部に、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔が形成され、スカベンジ油路のうち、底板部材に形成される底板部材側油路と、オイルパン用ドレン孔とは、同心状に位置するので、底板部材側油路とオイルパン用ドレン孔とを切削工具で一括して加工して形成することができ、加工工数を削減することができる。
また、底板部材は、オイルパン内において、クランク室内に配置されるクランク軸の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁が設けられ、スカベンジ油路の開口部は、オイルパン側底壁の低い側に開口しているので、オイルパンへのオイル収集効率を向上させるとともに、スカベンジ油路の開口部がオイルに浸かるようにしてオイルタンクへの回収効率を向上させることができる。
また、横壁部の下面には複数のボス部が形成され、オイルポンプは、複数のボス部に締結部材により下方から締結されるので、底板部材を外した状態で、横壁部の複数のボス部にオイルポンプを下方から締結部材で容易に組み付けることができ、組付作業性を向上させることができる。
また、オイルタンクは、バッフルプレートにより上側空間と下側空間とに仕切られ、バッフルプレートは、底板部材と、複数の縦壁部との合わせ面で挟まれるように取付けられ、オイルポンプは、上側空間に配置されるので、オイルタンクをバッフルプレートで区画し、貯留オイルの傾きを抑制してフィードポンプのエア混入を抑えることができ、組立時には、下方からオイルポンプを取付けた後にバッフルプレートをクランクケースと底板部材とで挟めばよいので、組立作業を簡素化できる。
また、オイルタンク内の底板部材を構成するオイルタンク側底壁に、オイルタンク内のオイルを排出するオイルタンク用ドレン孔が形成され、オイルタンク側底壁には、エンジン下方及び側方に面する傾斜壁を有し、傾斜壁にオイルタンク用ドレン孔が形成されるとともに、オイルタンク用ドレン孔は、傾斜壁の内面側の縁部にボス部が形成され、ボス部に切欠きが形成されているので、切欠きを通じてオイルをオイルタンク用ドレン孔から排出しやすくすることができ、整備性を向上させることができるとともに、エンジンを車両に搭載したときに、オイルタンクの下面である底板部材の最低地上高を確保することができる。
本発明の一実施形態のエンジンを示す右側面図である。 クランクケース内を示す第1断面図である。 エンジンを示す左側面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 クランクケース内を示す第2断面図である。 クランクケース内のオイルポンプを示す断面図である。 図1のVII−VII線断面図である。 クランクケースの下部から底板部材を外した状態を示す斜視図である。 クランクケースから底板部材を外した状態を示す底面図である。 図9の状態からオイルポンプを外した状態を示す底面図である。 オイルポンプを示す斜視図である。 底板部材を示す斜視図である。 底板部材を示す平面図である。 底板部材の要部を示す斜視図である。 図7に示したリブ及びその周囲を拡大した背面図である。 オイルタンク内をリブの前面に沿って見た図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ以下に示すエンジンを搭載した車両の車体に対する方向と同一とする。各図に示す符号FRはエンジン前方を示し、符号UPはエンジン上方を示し、符号LEはエンジン左方を示している。
図1は、本発明の一実施形態のエンジン10を示す右側面図である。
自動二輪車に搭載されるエンジン10は、クランクケース11内の各部を潤滑するオイルを集めるオイルパンと、このオイルパンから強制的に排出されたオイルを貯留するオイルタンクとがクランクケース11内に設けられたドライサンプ式のものである。
詳しくは、エンジン10は、クランクケース11と、クランクケース11の前部上部から上方斜め前方に立ち上げられたシリンダ部12と、クランクケース11の下部に取付けられた底板部材13とを備える。
クランクケース11の後部には変速機15が一体的に付設されている。
クランクケース11内の前部には、左右方向(車幅方向)に延びるクランク軸16と、このクランク軸16に駆動されるバランサ軸17とが設けられている。クランク軸16には駆動ギア21が取付けられ、バランサ軸17には駆動ギア21に噛み合う被動ギア22が取付けられ、クランク軸16から駆動ギア21及び被動ギア22を介してバランサ軸17に回転力が伝えられる。
クランクケース11内の後部には、変速機15を構成するメイン軸25及びカウンタ軸26が設けられ、クランク軸16からメイン軸25に伝えられた動力は、メイン軸25及びカウンタ軸26のそれぞれに設けられたギア列を介してカウンタ軸26に伝えられる。メイン軸25の右側の端部には多板で湿式のクラッチ28が取付けられている。
シリンダ部12は、クランクケース11の前部上部に一体に設けられたシリンダブロック11aと、シリンダブロック11aの上面に取付けられたシリンダヘッド32と、シリンダヘッド32の上部の開口を覆うヘッドカバー33とを備える。
クランクケース11の下部前壁42vには、クランクケース11内の各部を潤滑するオイルを浄化するオイルフィルタエレメント35が取付けられている。クランクケース11の下部側壁11cの後部には、クランクケース11内のオイルタンクに貯留されたオイルの油面を検出する油面センサ36が取付けられている。
図2は、クランクケース11内を示す第1断面図であり、クランクケース11の左右方向中央よりも右側を前後方向に縦に切断した断面を示している。
クランクケース11は、上下二つ割の上ケース41及び下ケース42を備え、上ケース41と下ケース42との合わせ面でクランク軸16(図1参照)及びカウンタ軸26(図1参照)が挟持されて支持される。なお、符号11e,11eはクランク軸16を支持するジャーナル軸受部、11fはクランク軸16のクランクジャーナルと嵌合するジャーナル軸受穴、11gはメイン軸25(図1参照)を支持する軸受穴、11hはカウンタ軸26を支持する軸受穴である。
上ケース41は、前部上部にシリンダブロック11aが一体成形されている。シリンダブロック11aには、ピストンが移動可能に挿入されるシリンダ穴11jが開けられている。
下ケース42は、カウンタ軸26用の軸受穴11hの下方に位置する上壁42aと、上壁42aの一端から下ケース42の前後幅の中間部を上下に延びる中間壁42bと、中間壁42bの後方に対向するように上下に延びる下部後壁42cとを備える。上壁42aは、下方に凸に湾曲する下方湾曲部42dと、下方湾曲部42dに隣接して上方に凸に湾曲する上方湾曲部42eとを備える。なお、符号38は油面センサ36(図1参照)が挿入されて支持される油面センサ用支持孔である。
底板部材13は、下ケース42の下部前壁42v、中間壁42b、下部後壁42cに対応して上下に延びる底板前壁13a、底板中間壁13b、底板後壁13cと、底板前壁13a及び底板中間壁13bのそれぞれの下端間を接続する前部底壁13dと、底板中間壁13b及び底板後壁13cのそれぞれの下端間を接続する後部底壁13eとを備える。
上ケース41内と、下ケース42の上壁42a、中間壁42b、底板部材13、下部前壁42vより上方の空間43は、前側がクランク軸16を収納するクランク室45、後側がメイン軸25及びカウンタ軸26を収納するミッション室58を構成している。クランク室45の下部、詳細には、中間壁42b、底板部材13及び下部前壁42vで囲まれる部分は、オイルパン46を形成している。
オイルパン46内には、複数のジャーナル軸受部11eの下方にクランク軸16にほぼ平行に管部42fが設けられ、この管部42fにオイル通路となるメインオイルギャラリ42gが形成されている。メインオイルギャラリ42gには、オイル通路42hを介してオイルフィルタエレメント35の中央部が接続されている。
また、上壁42a、中間壁42b、下部後壁42cと、底板部材13とで囲まれる空間は、オイルタンク47を構成し、オイルタンク47内にオイルポンプ48が配置されている。
図3は、エンジン10を示す左側面図であり、シリンダ部12(図1参照)のシリンダブロック11aより上側は省略している。
エンジン10のクランクケース11内において、クランク軸16の左端部にはACゼネレータ51が設けられている。また、エンジン10の出力軸となるカウンタ軸26の左端部には駆動スプロケット52が設けられ、駆動スプロケット52の外側方がスプロケットカバー53で覆われている。駆動スプロケット52は、チェーンを介して自動二輪車の駆動輪に設けられた被動スプロケットに連結されている。
底板部材13の底板前壁13aには、オイルパン46(図2参照)内のオイルを外部に排出するオイルパン用ドレン孔13g(図5参照)を塞ぐオイルパン用ドレンボルト55が設けられている。また、底板部材13の後部底壁13eには、オイルタンク47(図2参照)内のオイルを外部に排出するドレン孔を塞ぐオイルタンク用ドレンボルト56が設けられている。なお、符号11kはオイルを注入する注入口を塞ぐとともにオイルレベルゲージが取付けられたオイル注入口キャップであり、クランクケース11の上部左側面に設けられている。
図4は、図1のIV−IV線断面図である。
クランクケース11内のミッション室58内に配置されたメイン軸25は、クランクケース11に一対のベアリング61,62を介して回転可能に支持されている。メイン軸25には、右端部にクラッチ28が設けられ、ベアリング61,62間にギア列を構成する複数の変速用ギア64,65,66,67,68が設けられている。
ミッション室58の下方には、上壁42aを介してオイルタンク47が設けられ、オイルタンク47内に、上壁42aに取付けられたオイルポンプ48が配置されている。
オイルポンプ48の下部には一体的にストレーナ88が設けられ、ストレーナ88によって、オイルタンク47に貯留されたオイルが、オイルポンプ48に備えるフィードポンプ86(図6参照)により吸入される際にろ過され、異物の吸入が阻止される。
図5は、クランクケース11内を示す第2断面図であり、クランクケース11の左右幅中央より左側を前後方向に縦に切断した断面を示している。
クランク室45の後方に、メイン軸25(図3参照)及びカウンタ軸26が設けられたミッション室58が配置されている。なお、符号93,94,95,96はカウンタ軸26に設けられたギア列を構成する変速用ギアであり、メイン軸25(図4参照)に設けられたギア列を構成する変速用ギヤ(不図示)に噛み合っている。
オイルポンプ48のスカベンジポンプ83を構成する第1ハウジング77は、その下部から一体に下方に延びるように形成された鉛直オイル通路77aに連通している。また、第1ハウジング77には、その後部に、スカベンジポンプ83においてオイルをオイルタンク47へ吐出する吐出口71gが一体に形成されている。
底板部材13は、後部底壁13eに、オイルパン46に一端が連通する水平オイル通路13fと、水平オイル通路13fの他端に連通する底板鉛直オイル通路13kとが形成されている。水平オイル通路13fの一端は、オイルパン46に開口している。底板鉛直オイル通路13kの上端は、ポンプハウジング71の鉛直オイル通路77aに接続されている。上記の水平オイル通路13f及び底板鉛直オイル通路13kは、スカベンジポンプ83の吸込み通路となるスカベンジ油路13xを構成している。
水平オイル通路13fと、底板部材13の底板前壁13aに開けられたオイルパン用ドレン孔13gとは、同一加工工程で開けられるため、共通の軸線101を有し、同軸上に、即ち同心状に配置される。
下ケース42と底板部材13との間には、オイルタンク47内を上側空間105と下側空間106とに区画するバッフルプレート103が設けられ、バッフルプレート103で、下ケース42と底板部材13との間をシールするシール部材を兼ねている。
オイルポンプ48は、バッフルプレート103の上方に配置され、オイルポンプ48の下部に接続されたストレーナ88の大部分はバッフルプレート103の下方に配置されている。バッフルプレート103の後縁部近傍には、オイルを上側空間105から下側空間106に流れるようにする複数の連通孔103aが開けられている。
このように、バッフルプレート103を設けることで、オイルの油面の変動を抑制することができ、油面を水平に近い状態に保つことができるので、ストレーナ88でオイルを効率良く吸入することができる。
図6は、クランクケース11内のオイルポンプ48を示す断面図である。
トロコイド式のオイルポンプ48は、ポンプハウジング71と、ポンプハウジング71を貫通するように且つポンプハウジング71に回転可能に支持されたポンプシャフト72と、ポンプシャフト72によってそれぞれ駆動される第1ロータ部73、第2ロータ部74、第3ロータ部75とを備える。
ポンプシャフト72の一端側には、ポンプシャフト72と同軸に中間シャフト104が配置されている。中間シャフト104は、バランサ軸17(図1参照)の延長線上に配置された部品である。
ポンプシャフト72の一端部に板状に形成され連結片72aは、中間シャフト104の一端部に形成された連結溝104aに挿入されて、ポンプシャフト72と中間シャフト104とが連結されている。中間シャフト104は、クランク軸16(図1参照)から回転力が伝えられるため、中間シャフト104が回転することでポンプシャフト72が回転し、オイルポンプ48が作動する。
ポンプハウジング71は、ポンプシャフト72の軸方向に4分割された第1ハウジング77、第2ハウジング78、第3ハウジング79及び第4ハウジング80からなり、これらの第1ハウジング77、第2ハウジング78、第3ハウジング79及び第4ハウジング80は、複数のボルト76により一体的に締結されている。
第1ロータ部73、第2ロータ部74及び第3ロータ部75は、それぞれポンプシャフト72に駆動されるインナロータと、インナロータの外歯に内歯が噛み合いながら回転するアウタロータとから構成され、インナロータとアウタロータとの間の空隙の容積変化によってオイルの吸入及び吐出が行われる。
第1ハウジング77には第1ロータ部73、第3ハウジング79には第2ロータ部74、第4ハウジング80に第3ロータ部75が収納されている。
第1ハウジング77及び第1ロータ部73はスカベンジポンプ83を構成し、第3ハウジング79及び第2ロータ部74は第1フィードポンプ84を構成し、第4ハウジング80及び第3ロータ部75は第2フィードポンプ85を構成している。
また、上記の第1フィードポンプ84及び第2フィードポンプ85は、フィードポンプ86を構成している。
スカベンジポンプ83は、クランクケース11内の各部からオイルパン46(図5参照)に戻ったオイルを強制的に回収してオイルタンク47内に供給する。フィードポンプ86は、オイルタンク47内に貯留されたオイルをクランクケース11内の各部に供給する。本実施形態では、フィードポンプ86に、一対の第1フィードポンプ84及び第2フィードポンプ85を備えることで、エンジン各部へ十分な量のオイルを供給することができる。
図7は、図1のVII−VII線断面図である。
クランクケース11のオイルタンク47内に配置されたオイルポンプ48の後方には、下ケース42の上壁42aから下方に一体に延びる板状のリブ42jが配置されている。
リブ42jは、オイルポンプ48、詳しくはスカベンジポンプ83(図6参照)からオイルタンク47内へ吐出されるオイルが衝突する部分である。
クランクケース11内のオイルは、クランクケース11内の各部で攪拌されて空気が混入する。オイル中に空気が混入すると、潤滑性の低下、キャビテーションの発生、圧縮性増大によるポンプ効率の低下、オイルの劣化促進、冷却能力の低下等の不具合が発生することがある。そこで、オイル中から空気を分離する気液分離構造が必要になる。
本実施形態では、オイルをリブ42jに衝突させることで、オイル中に含まれる空気を分離し、更に、リブ42jに衝突したオイルがリブ42jを伝って下方に流れるようにすることで、更に空気を分離させる。
リブ42jの後方には、オイルタンク47内のオイルの油面を検出する油面センサ36が配置されている。油面センサ36は、下ケース42の下部右壁42yに取付けられている。
このように、リブ42jの後方に油面センサ36を配置することで、スカベンジポンプ83から吐出されたオイルが直接に油面センサ36に当たるのを防止することができ、油面検出精度を高めることができる。
図8は、クランクケース11の下部から底板部材を外した状態を示す斜視図である。
クランクケース11の下ケース42は、下部前壁42v、下部後壁42c、下部左壁42x及び下部右壁42yを備え、下部左壁42xと下部右壁42yとが中間壁42bで連結されている。上記の下部前壁42v、下部後壁42c、中間壁42b、下部左壁42x及び下部右壁42yは、縦壁50を構成している。
下ケース42内にはオイルタンク47が設けられ、オイルタンク47内にオイルポンプ48が配置されている。オイルポンプ48の第1ハウジング77の下部には鉛直オイル通路77aが設けられ、オイルポンプ48の第3ハウジング79の下部にはストレーナ88が接続されている。符号77bは鉛直オイル通路77aの開口、79aはストレーナ88を接続するために第3ハウジング79の下部から下方に一体に延ばされたストレーナ接続管部、88aはストレーナ88の底部に設けられたオイル吸入口である。
図9は、クランクケース11から底板部材を外した状態を示す底面図である。なお、オイルポンプ48の形状の理解を容易にするために、オイルポンプ48の輪郭を太線で示している。
オイルポンプ48は、第1ハウジング77から前側に第1取付ステー部77cが一体に突出形成され、第3ハウジング79から前側に第2取付ステー部79c、第3ハウジング79から後側に第3取付ステー部79dが一体に突出形成されている。第1取付ステー部77c、第2取付ステー部79c及び第3取付ステー部79dは、それぞれボルト111により下ケース42の上壁42aに取付けられている。これにより、オイルポンプ48は、オイルタンク47の前後方向中央より前寄りに配置されている。
3本のボルト111のうち、2本のボルト111はほぼ前後方向に並ぶように配置され、この2本のボルト111のうちの前側のボルト111と、他の1本のボルト111とがほぼ左右方向に並ぶように配置されている。このため、3本のボルト111でオイルポンプ48を前後左右に安定的に固定することができる。
オイルポンプ48の第3ハウジング79は、ストレーナ接続管部79aより前方であって鉛直オイル通路77aより右方に、フィードポンプ86からオイルを吐出するオイル吐出口79bが設けられている。オイル吐出口79bは、底板部材13(図2参照)に形成された底板鉛直オイル通路13m(図12参照)に接続される。
オイルタンク47内のオイルポンプ48の後方には、油面センサ36が下部後壁42cに近接するように配置されている。また、オイルポンプ48のスカベンジポンプ83と油面センサ36の油面検知部となる検知部36aとの間には、上壁42aに一体に設けられたリブ42jが配置されている。検知部36aは、油面センサ36の一端部に設けられ、油面センサ36の他端部は、下部右壁42y(図1参照)に貫通するように取付けられ、配線接続部36b(図1参照)が設けられている。
下ケース42の中間壁42bには、オイルパン46側に位置するように下ケース42の左右方向に延びる管部42fが設けられ、管部42fの内側にメインオイルギャラリ42gが形成されている。
図10は、図9の状態からオイルポンプ48を外した状態を示す底面図である。
クランクケース11の下ケース42における上壁42aには、複数のポンプ取付ボス部42tが形成され、それぞれのポンプ取付ボス部42tに、オイルポンプ48を固定するボルト111(図9参照)をねじ込むボルト穴42uが形成されている。前側の2つのポンプ取付ボス部42tは、下ケース42の上方湾曲部42eに設けられ、後側の1つのポンプ取付ボス部42tは、下ケース42の下方湾曲部42dに設けられている。
オイルポンプ48の大部分は、上方湾曲部42e側に配置されるため、オイルタンク47内でオイルポンプ48を収納する高さを確保しやすくすることができる。
図11は、オイルポンプ48を示す斜視図である。
オイルポンプ48は、第1ハウジング77及び第3ハウジング79の前部に第1取付ステー部77c及び第2取付ステー部79cが設けられ、第3ハウジング79の後部に第3取付ステー部79dが設けられている。
第1取付ステー部77c、第2取付ステー部79c及び第3取付ステー部79dには、ボルト挿通穴77e,79e,79eが開けられ、ボルト挿通穴77e,79e,79eにそれぞれボルト111が下から挿入される。
ポンプハウジング71の第1ハウジング77、第2ハウジング78、第3ハウジング79及び第4ハウジング80は、それぞれの上部、下部、前部及び後部がボルト76により一体的に締結されている。
第1ハウジング77はスカベンジポンプ83、第3ハウジング79は第1フィードポンプ84、第4ハウジング80は第2フィードポンプ85をそれぞれ構成している。
このように、オイルポンプ48を、クランクケース11(図8参照)とは別体に構成することで、従来のようにクランクケースに一体にポンプケースを設けるのに比べて、ポンプハウジング71内の加工やポンプハウジング71内への部品の組付けを容易に且つ精度良く行うことができるとともに、オイルポンプ48の仕様を容易に変更することができる。
図12は、底板部材13を示す斜視図、図13は、底板部材13を示す平面図である。
図12及び図13に示すように、底板部材13は、周縁に連続するように形成された底板前壁13a、底板後壁13c、底板左壁13n及び底板右壁13pを備えるトレイ状の部品である。底板前壁13a、底板後壁13c、底板左壁13n及び底板右壁13pは周壁13wを構成している。底板左壁13nと底板右壁13pとには、底板中間壁13bが接続され、底板中間壁13bによって、底板部材13内が、オイルパン46(図5参照)側と、オイルタンク47(図5参照)側とに区画される。
底板鉛直オイル通路13kの右方の後部底壁13eには、底板鉛直オイル通路13mが形成されている。また、底板鉛直オイル通路13mの前方の底板前壁13aには、上方に開口する前端鉛直オイル通路13qが形成されている。前端鉛直オイル通路13qは、オイルフィルタエレメント35の内部(外周部)に連通するように下ケース42(図2参照)の下部前壁42vに形成されたオイル通路42w(図8参照)に連通している。
上記の底板鉛直オイル通路13mと前端鉛直オイル通路13qとは、後部底壁13e及び前部底壁13dに前後方向に延びるように形成された前後オイル通路13rで連通している。
前部底壁13dは、前後オイル通路13rより右側を構成する平坦な右平坦部13sと、前後オイル通路13rから左方にいくにつれて低くなる第1傾斜部13tと、第1傾斜部13tの左縁から左方に延びる平坦な左平坦部13uと、左平坦部13uの左縁から底板左壁13nに近づくにつれて高くなる第2傾斜部13vとを備える。左平坦部13uは、前部底壁13dのうちで最も低い部分である。底板中間壁13bに開けられた水平オイル通路13fの開口部13y(図12参照)は、左平坦部13uに臨んでいる。
後部底壁13eは、4つの傾斜部14a,14b,14c,14dを備える。傾斜部14a,14b,14c,14dは、それぞれ周壁13wから後部底壁13eの中央部側にいくにつれて次第に低くなっている。図中の符号14e,14f,14g,14h,14jは谷線であり、谷線14hが後部底壁13eのうちで最も低い位置に有る。谷線14hの上方には近接してストレーナ88(図8参照)のオイル吸入口88a(図8参照)が配置されている。
傾斜部14aには、底板鉛直オイル通路13k,13mが設けられている。傾斜部14cには、オイルの前方への移動を規制する波形の邪魔板14kが形成されている。図13において、邪魔板14kと底板後壁13cとの間の上方には、バッフルプレート103(図5参照)に開けられた複数の連通孔103aと、油面センサ36の検知部36aとが配置されている。複数の連通孔103aは、オイルポンプ48(図9参照)の後方に配置されたリブ42j(図5及び図9参照)よりも後方に配置されている。傾斜部14dには、オイルタンク用ドレンボルト56(図3参照)で塞がれるオイルタンク用ドレン孔14p(図14参照)が開けられ、このオイルタンク用ドレン孔14pの周縁のほぼ全体を囲むように傾斜部14dにドレン孔ボス部14mが形成されている。なお、符号14nは底板部材13を下ケース42(図8参照)に固定するボルトを通すために周壁13wに形成された底板ボルト挿通穴である。
図13に示したように、邪魔板14kと底板後壁13cとの間の上方に連通孔103aと油面センサ36の検知部36aとを配置することで、バッフルプレート103の上側空間から連通孔103aを通じて下側空間に流れ落ちたオイルがストレーナ88から吸い込まれるまでの距離をより長くすることができる。従って、オイルから空気を分離しやすくするとともに、邪魔板14kと底板後壁13cとの間では、バッフルプレート103の上側空間と下側空間との両方に隙間なくオイルが貯まるために油面センサ36の検知部36aによる油面の検知精度を高めることができる。
図14は、底板部材13の要部を示す斜視図である。
底板部材13は、後部底壁13eの傾斜部14dにオイルタンク用ドレン孔14pが開けられている。オイルタンク用ドレン孔14pは、オイルタンク用ドレンボルト56(図3参照)がねじ込まれるように内面にめねじが形成されている。
オイルタンク用ドレン孔14pを囲むように、傾斜部14dの内面に突出するドレン孔ボス部14mが形成されている。ドレン孔ボス部14mには、谷線14h側に向けて切欠き14rが形成されている。このように切欠き14rを設けることで、ドレン孔ボス部14mを後部底壁13eの内面側に突出するように設けた場合でも、底板部材13に溜まったオイルの大部分をオイルタンク用ドレン孔14pから排出しやすくすることができる。
また、エンジンを左方に傾けることで谷線14hの有る谷部に溜まったオイルをオイルタンク用ドレン孔14pから排出しやすくすることができる。
また、ドレン孔ボス部14mが傾斜部14dの内面側に突出するため、ドレン孔ボス部が傾斜部14dの下面側に突出するのに比べて、エンジン10(図1参照)の地上高を確保しやすくすることができる。
図15は、図7に示したリブ42j及びその周囲を拡大した背面図、図16はオイルタンク47内をリブ42jの前面42qに沿って見た図である。
図15及び図16に示すように、リブ42jは、板状の部分であり、左縁42mに対して右縁42nが後方に位置するように傾斜し、左縁42mの下端よりも右縁42nの下端が下方に位置するように傾斜した下縁42pが形成されている。即ち、リブ42jの下部は、下端に向かうにつれて幅が狭くなるテーパ状に形成されている。
背面視(図15参照)では、スカベンジポンプ83の吐出口71gにリブ42jが重なっている。従って、吐出口71gから後方に噴出したオイルは、リブ42jの前面42qに衝突し、リブ42jを伝って側方及び下方に流れる。なお、符号42rはリブ42jの背面である。上記したオイルがリブ42jに当たるとき、及びオイルがリブ42jを伝って流れ落ちるときに、オイル内に混合していた空気がオイルから分離される。
スカベンジポンプ83の吐出口71gは、オイルタンク47の左端寄りに配置されているため、リブ42jの前面42qをオイルタンク47の中央側に傾けることにより、オイルをオイルタンクの中央側へ向かうようにすることができ、オイルタンク47内の油面をより水平に近い状態に保つことができる。この結果、ストレーナ88の下部からオイルを吸い込みやすくすることができるとともに、油面センサ36による油面検出の精度を高めることができる。
以上の図5、図6、図9及び図11に示したように、潤滑用のオイルを回収するオイルパン46と、オイルを貯留するオイルタンク47とがクランクケース11内の壁部によって区画されたドライサンプ式のエンジン10であって、オイルタンク47が、変速機15を収容する変速機室としてのミッション室58の下方に設けられるとともにクランクケース11の複数の縦壁部としての中間壁42b、下部後壁42c、下部左壁42x、下部右壁42yと横壁部としての上壁42aと底板部材13とによって囲まれて形成され、オイルパン46からオイルを回収するスカベンジポンプ83と、オイルタンク47内のオイルをエンジン内油路へ圧送するフィードポンプ86とから一体の組立体としてオイルポンプ48が構成されるドライサンプ式のエンジン10において、オイルポンプ48とクランクケース11とは別体に構成され、オイルポンプ48は、オイルタンク47内にクランクケース11の下方から収容される。
上記構成によれば、従来に比べてクランクケース内のスペースを有効に利用することができ、エンジンの小型化を図ることができる。また、オイルポンプをクランクケースの下方からオイルタンク内に収容する構造であるため、オイルポンプの下部側の設計自由度を増すことができ、オイルポンプの下方に設けられるストレーナをオイルポンプに近づけることが可能になる。従って、エンジンのより一層の小型化を図ることができる。
また、図5及び図9に示したように、オイルパン46は、ミッション室58と隣接するクランク室45の下方に設けられ、クランクケース11の複数の縦壁部としての中間壁42b、下部前壁42v、下部左壁42x、下部右壁42yと底板部材13とによって囲まれて形成されるので、オイルパン46とオイルタンク47とを隣接して配置するとともに、共通の底板部材13によってオイルパン46とオイルタンク47とを少ない部品で構成することができるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、図5及び図12に示したように、オイルパン46とスカベンジポンプ83とを接続するスカベンジ油路13xは、底板部材13に形成されるとともに、スカベンジ油路13xの一端は、オイルパン46に開口し、他端は、スカベンジポンプ83の吸込管としての鉛直オイル通路77aに接続されるので、油路を形成するための管路部材を廃止できるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、オイルパン46を構成する底板部材13の壁部としての底板前壁13aに、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔13gが形成され、スカベンジ油路13xのうち、底板部材13に形成される底板部材側油路としての水平オイル通路13fと、オイルパン用ドレン孔13gとは、同心状に位置するので、水平オイル通路13fとオイルパン用ドレン孔13gとを切削工具で一括して加工して形成することができ、加工工数を削減することができる。
また、底板部材13は、オイルパン46内において、クランク室45内に配置されるクランク軸16の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁としての前部底壁13dが設けられ、スカベンジ油路13xの開口部13yは、前部底壁13dの低い側に開口しているので、オイルパン46へのオイル収集効率を向上させるとともに、スカベンジ油路13xの開口部13yがオイルに浸かるようにしてオイルタンク47への回収効率を向上させることができる。
また、図9、図10及び図11に示したように、上壁42aの下面に複数のボス部としてのポンプ取付ボス部42tが形成され、オイルポンプ48は、複数のポンプ取付ボス部42tに締結部材としてのボルト111により下方から締結されるので、底板部材13を外した状態で、上壁42aの複数のポンプ取付ボス部42tにオイルポンプ48を下方からボルト111で容易に組み付けることができ、組付作業性を向上させることができる。
また、図5及び図6に示したように、オイルタンク47は、バッフルプレート103により上側空間105と下側空間106とに仕切られ、バッフルプレート103は、底板部材13と、複数の縦壁部としての中間壁42b、下部後壁42c、下部前壁42v、下部左壁42x、下部右壁42yとの合わせ面で挟まれるように取付けられ、オイルポンプ48は、上側空間105に配置されるので、オイルタンク47をバッフルプレート103で区画し、貯留オイルの傾きを抑制してフィードポンプ86のエア混入を抑えることができ、組立時には、下方からオイルポンプ48を取付けた後にバッフルプレート103をクランクケース11と底板部材13とで挟めばよいので、組立作業を簡素化できる。
また、図2及び図14に示したように、オイルタンク47内の底板部材13を構成するオイルタンク側底壁としての後部底壁13eに、オイルタンク47内のオイルを排出するオイルタンク用ドレン孔14pが形成され、後部底壁13eには、エンジン下方及び側方に面する傾斜壁としての傾斜部14dを有し、傾斜部14dにオイルタンク用ドレン孔14pが形成されるとともに、オイルタンク用ドレン孔14pは、傾斜部14dの内面側の縁部にボス部としてのドレン孔ボス部14mが形成され、ドレン孔ボス部14mに切欠き14rが形成されているので、切欠き14rを通じてオイルをオイルタンク用ドレン孔14pから排出しやすくすることができ、整備性を向上させることができるとともに、エンジン10を車両に搭載したときに、オイルタンク47の下面である底板部材13の最低地上高を確保することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
本実施形態のドライサンプ式のエンジン10は、小型・軽量に出来、油面を水平に近い状態に保ちやすく、多くのオイル循環量にも対応でき、オイルポンプ48の仕様変更にも迅速に対応可能であるため、例えば、競技車両への搭載が好適である。
10 エンジン(ドライサンプ式エンジン)
11 クランクケース
13 底板部材
13a 底板前壁(底板部材の壁部)
13d 前部底壁(オイルパン側底壁)
13e 後部底壁(オイルタンク側底壁)
13f 水平オイル通路(底板部材側油路)
13g オイルパン用ドレン孔
13x スカベンジ油路
13y 開口部
14d 傾斜部(傾斜壁)
14m ドレン孔ボス部(ボス部)
14p オイルタンク用ドレン孔
14r 切欠き
15 変速機
42a 上壁(横壁部)
42b 中間壁(縦壁部)
42c 下部後壁(縦壁部)
42v 下部前壁(縦壁部)
42t ポンプ取付ボス部(ボス部)
42x 下部左壁(縦壁部)
42y 下部右壁(縦壁部)
43 空間
45 クランク室
46 オイルパン
47 オイルタンク
48 オイルポンプ
58 ミッション室(変速機室)
77a 鉛直オイル通路(吸込管)
83 スカベンジポンプ
86 フィードポンプ
103 バッフルプレート
105 上側空間
106 下側空間
111 ボルト(締結部材)

Claims (8)

  1. 潤滑用のオイルを回収するオイルパン(46)と、前記オイルを貯留するオイルタンク(47)とがクランクケース(11)内の壁部によって区画されたドライサンプ式エンジンであって、
    前記オイルタンク(47)が、変速機(15)を収容する変速機室(58)の下方に設けられるとともにクランクケース(11)の複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と横壁部(42a)と底板部材(13)とによって囲まれて形成され、前記オイルパン(46)からオイルを回収するスカベンジポンプ(83)と、前記オイルタンク(47)内のオイルをエンジン内油路へ圧送するフィードポンプ(86)とから一体の組立体としてオイルポンプ(48)が構成されるドライサンプ式エンジンにおいて、
    前記オイルポンプ(48)と前記クランクケース(11)とは別体に構成され、前記オイルポンプ(48)は、前記オイルタンク(47)内に前記クランクケース(11)の下方から収容されることを特徴とするドライサンプ式エンジン。
  2. 前記オイルパン(46)は、前記変速機室(58)と隣接するクランク室(45)の下方に設けられ、前記クランクケース(11)の複数の前記縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と前記底板部材(13)とによって囲まれて形成されることを特徴とする請求項1に記載のドライサンプ式エンジン。
  3. 前記オイルパン(46)と前記スカベンジポンプ(83)とを接続するスカベンジ油路(13x)は、前記底板部材(13)に形成されるとともに、前記スカベンジ油路(13x)の一端は、前記オイルパン(46)に開口し、他端は、前記スカベンジポンプ(83)の吸込管(77a)に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライサンプ式エンジン。
  4. 前記オイルパン(46)を構成する前記底板部材(13)の壁部(13a)に、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔(13g)が形成され、前記スカベンジ油路(13x)のうち、前記底板部材(13)に形成される底板部材側油路(13f)と、前記オイルパン用ドレン孔(13g)とは、同心状に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
  5. 前記底板部材(13)は、前記オイルパン(46)内において、前記クランク室(45)内に配置されるクランク軸(16)の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁(13d)が設けられ、前記スカベンジ油路(13x)の開口部(13y)は、前記オイルパン側底壁(13d)の低い側に開口していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
  6. 前記横壁部(42a)の下面には複数のボス部(42t)が形成され、前記オイルポンプ(48)は、前記複数のボス部(42t)に締結部材(111)により下方から締結されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
  7. 前記オイルタンク(47)は、バッフルプレート(103)により上側空間(105)と下側空間(106)とに仕切られ、前記バッフルプレート(103)は、前記底板部材(13)と、前記複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)との合わせ面で挟まれるように取付けられ、前記オイルポンプ(48)は、前記上側空間(105)に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
  8. 前記オイルタンク(47)内の前記底板部材(13)を構成するオイルタンク側底壁(13e)に、オイルタンク(47)内のオイルを排出するオイルタンク用ドレン孔(14p)が形成され、前記オイルタンク側底壁(13e)には、エンジン下方及び側方に面する傾斜壁(14d)を有し、前記傾斜壁(14d)に前記オイルタンク用ドレン孔(14p)が形成されるとともに、前記オイルタンク用ドレン孔(14p)は、前記傾斜壁(14d)の内面側の縁部にボス部(14m)が形成され、前記ボス部(14m)に切欠き(14r)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
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