JP2015121105A - ドライサンプ式エンジン - Google Patents
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Abstract
Description
上記ドライサンプ式エンジンでは、潤滑に使用されたオイルをオイルパンに集め、スカベンジポンプによって別室のオイルタンクに回収する構造が開示されている。
本発明の目的は、小型化が可能なドライサンプ式エンジンを提供することにある。
また、上記構成において、前記オイルパン(46)と前記スカベンジポンプ(83)とを接続するスカベンジ油路(13x)は、前記底板部材(13)に形成されるとともに、前記スカベンジ油路(13x)の一端は、前記オイルパン(46)に開口し、他端は、前記スカベンジポンプ(83)の吸込管(77a)に接続されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルパン(46)を構成する前記底板部材(13)の壁部(13a)に、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔(13g)が形成され、前記スカベンジ油路(13x)のうち、前記底板部材(13)に形成される底板部材側油路(13f)と、前記オイルパン用ドレン孔(13g)とは、同心状に位置するようにしても良い。
また、上記構成において、前記横壁部(42a)の下面には複数のボス部(42t)が形成され、前記オイルポンプ(48)は、前記複数のボス部(42t)に締結部材(111)により下方から締結されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記オイルタンク(47)は、バッフルプレート(103)により上側空間(105)と下側空間(106)とに仕切られ、前記バッフルプレート(103)は、前記底板部材(13)と、前記複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)との合わせ面で挟まれるように取付けられ、前記オイルポンプ(48)は、前記上側空間(105)に配置されるようにしても良い。
また、オイルパンとスカベンジポンプとを接続するスカベンジ油路は、底板部材に形成されるとともに、スカベンジ油路の一端は、オイルパンに開口し、他端は、スカベンジポンプの吸込管に接続されるので、油路を形成するための管路部材を廃止できるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、底板部材は、オイルパン内において、クランク室内に配置されるクランク軸の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁が設けられ、スカベンジ油路の開口部は、オイルパン側底壁の低い側に開口しているので、オイルパンへのオイル収集効率を向上させるとともに、スカベンジ油路の開口部がオイルに浸かるようにしてオイルタンクへの回収効率を向上させることができる。
また、オイルタンクは、バッフルプレートにより上側空間と下側空間とに仕切られ、バッフルプレートは、底板部材と、複数の縦壁部との合わせ面で挟まれるように取付けられ、オイルポンプは、上側空間に配置されるので、オイルタンクをバッフルプレートで区画し、貯留オイルの傾きを抑制してフィードポンプのエア混入を抑えることができ、組立時には、下方からオイルポンプを取付けた後にバッフルプレートをクランクケースと底板部材とで挟めばよいので、組立作業を簡素化できる。
図1は、本発明の一実施形態のエンジン10を示す右側面図である。
自動二輪車に搭載されるエンジン10は、クランクケース11内の各部を潤滑するオイルを集めるオイルパンと、このオイルパンから強制的に排出されたオイルを貯留するオイルタンクとがクランクケース11内に設けられたドライサンプ式のものである。
詳しくは、エンジン10は、クランクケース11と、クランクケース11の前部上部から上方斜め前方に立ち上げられたシリンダ部12と、クランクケース11の下部に取付けられた底板部材13とを備える。
クランクケース11内の前部には、左右方向(車幅方向)に延びるクランク軸16と、このクランク軸16に駆動されるバランサ軸17とが設けられている。クランク軸16には駆動ギア21が取付けられ、バランサ軸17には駆動ギア21に噛み合う被動ギア22が取付けられ、クランク軸16から駆動ギア21及び被動ギア22を介してバランサ軸17に回転力が伝えられる。
クランクケース11内の後部には、変速機15を構成するメイン軸25及びカウンタ軸26が設けられ、クランク軸16からメイン軸25に伝えられた動力は、メイン軸25及びカウンタ軸26のそれぞれに設けられたギア列を介してカウンタ軸26に伝えられる。メイン軸25の右側の端部には多板で湿式のクラッチ28が取付けられている。
クランクケース11の下部前壁42vには、クランクケース11内の各部を潤滑するオイルを浄化するオイルフィルタエレメント35が取付けられている。クランクケース11の下部側壁11cの後部には、クランクケース11内のオイルタンクに貯留されたオイルの油面を検出する油面センサ36が取付けられている。
クランクケース11は、上下二つ割の上ケース41及び下ケース42を備え、上ケース41と下ケース42との合わせ面でクランク軸16(図1参照)及びカウンタ軸26(図1参照)が挟持されて支持される。なお、符号11e,11eはクランク軸16を支持するジャーナル軸受部、11fはクランク軸16のクランクジャーナルと嵌合するジャーナル軸受穴、11gはメイン軸25(図1参照)を支持する軸受穴、11hはカウンタ軸26を支持する軸受穴である。
下ケース42は、カウンタ軸26用の軸受穴11hの下方に位置する上壁42aと、上壁42aの一端から下ケース42の前後幅の中間部を上下に延びる中間壁42bと、中間壁42bの後方に対向するように上下に延びる下部後壁42cとを備える。上壁42aは、下方に凸に湾曲する下方湾曲部42dと、下方湾曲部42dに隣接して上方に凸に湾曲する上方湾曲部42eとを備える。なお、符号38は油面センサ36(図1参照)が挿入されて支持される油面センサ用支持孔である。
上ケース41内と、下ケース42の上壁42a、中間壁42b、底板部材13、下部前壁42vより上方の空間43は、前側がクランク軸16を収納するクランク室45、後側がメイン軸25及びカウンタ軸26を収納するミッション室58を構成している。クランク室45の下部、詳細には、中間壁42b、底板部材13及び下部前壁42vで囲まれる部分は、オイルパン46を形成している。
また、上壁42a、中間壁42b、下部後壁42cと、底板部材13とで囲まれる空間は、オイルタンク47を構成し、オイルタンク47内にオイルポンプ48が配置されている。
エンジン10のクランクケース11内において、クランク軸16の左端部にはACゼネレータ51が設けられている。また、エンジン10の出力軸となるカウンタ軸26の左端部には駆動スプロケット52が設けられ、駆動スプロケット52の外側方がスプロケットカバー53で覆われている。駆動スプロケット52は、チェーンを介して自動二輪車の駆動輪に設けられた被動スプロケットに連結されている。
クランクケース11内のミッション室58内に配置されたメイン軸25は、クランクケース11に一対のベアリング61,62を介して回転可能に支持されている。メイン軸25には、右端部にクラッチ28が設けられ、ベアリング61,62間にギア列を構成する複数の変速用ギア64,65,66,67,68が設けられている。
ミッション室58の下方には、上壁42aを介してオイルタンク47が設けられ、オイルタンク47内に、上壁42aに取付けられたオイルポンプ48が配置されている。
オイルポンプ48の下部には一体的にストレーナ88が設けられ、ストレーナ88によって、オイルタンク47に貯留されたオイルが、オイルポンプ48に備えるフィードポンプ86(図6参照)により吸入される際にろ過され、異物の吸入が阻止される。
クランク室45の後方に、メイン軸25(図3参照)及びカウンタ軸26が設けられたミッション室58が配置されている。なお、符号93,94,95,96はカウンタ軸26に設けられたギア列を構成する変速用ギアであり、メイン軸25(図4参照)に設けられたギア列を構成する変速用ギヤ(不図示)に噛み合っている。
底板部材13は、後部底壁13eに、オイルパン46に一端が連通する水平オイル通路13fと、水平オイル通路13fの他端に連通する底板鉛直オイル通路13kとが形成されている。水平オイル通路13fの一端は、オイルパン46に開口している。底板鉛直オイル通路13kの上端は、ポンプハウジング71の鉛直オイル通路77aに接続されている。上記の水平オイル通路13f及び底板鉛直オイル通路13kは、スカベンジポンプ83の吸込み通路となるスカベンジ油路13xを構成している。
水平オイル通路13fと、底板部材13の底板前壁13aに開けられたオイルパン用ドレン孔13gとは、同一加工工程で開けられるため、共通の軸線101を有し、同軸上に、即ち同心状に配置される。
オイルポンプ48は、バッフルプレート103の上方に配置され、オイルポンプ48の下部に接続されたストレーナ88の大部分はバッフルプレート103の下方に配置されている。バッフルプレート103の後縁部近傍には、オイルを上側空間105から下側空間106に流れるようにする複数の連通孔103aが開けられている。
このように、バッフルプレート103を設けることで、オイルの油面の変動を抑制することができ、油面を水平に近い状態に保つことができるので、ストレーナ88でオイルを効率良く吸入することができる。
トロコイド式のオイルポンプ48は、ポンプハウジング71と、ポンプハウジング71を貫通するように且つポンプハウジング71に回転可能に支持されたポンプシャフト72と、ポンプシャフト72によってそれぞれ駆動される第1ロータ部73、第2ロータ部74、第3ロータ部75とを備える。
ポンプシャフト72の一端側には、ポンプシャフト72と同軸に中間シャフト104が配置されている。中間シャフト104は、バランサ軸17(図1参照)の延長線上に配置された部品である。
ポンプシャフト72の一端部に板状に形成され連結片72aは、中間シャフト104の一端部に形成された連結溝104aに挿入されて、ポンプシャフト72と中間シャフト104とが連結されている。中間シャフト104は、クランク軸16(図1参照)から回転力が伝えられるため、中間シャフト104が回転することでポンプシャフト72が回転し、オイルポンプ48が作動する。
第1ロータ部73、第2ロータ部74及び第3ロータ部75は、それぞれポンプシャフト72に駆動されるインナロータと、インナロータの外歯に内歯が噛み合いながら回転するアウタロータとから構成され、インナロータとアウタロータとの間の空隙の容積変化によってオイルの吸入及び吐出が行われる。
第1ハウジング77及び第1ロータ部73はスカベンジポンプ83を構成し、第3ハウジング79及び第2ロータ部74は第1フィードポンプ84を構成し、第4ハウジング80及び第3ロータ部75は第2フィードポンプ85を構成している。
また、上記の第1フィードポンプ84及び第2フィードポンプ85は、フィードポンプ86を構成している。
クランクケース11のオイルタンク47内に配置されたオイルポンプ48の後方には、下ケース42の上壁42aから下方に一体に延びる板状のリブ42jが配置されている。
リブ42jは、オイルポンプ48、詳しくはスカベンジポンプ83(図6参照)からオイルタンク47内へ吐出されるオイルが衝突する部分である。
クランクケース11内のオイルは、クランクケース11内の各部で攪拌されて空気が混入する。オイル中に空気が混入すると、潤滑性の低下、キャビテーションの発生、圧縮性増大によるポンプ効率の低下、オイルの劣化促進、冷却能力の低下等の不具合が発生することがある。そこで、オイル中から空気を分離する気液分離構造が必要になる。
リブ42jの後方には、オイルタンク47内のオイルの油面を検出する油面センサ36が配置されている。油面センサ36は、下ケース42の下部右壁42yに取付けられている。
このように、リブ42jの後方に油面センサ36を配置することで、スカベンジポンプ83から吐出されたオイルが直接に油面センサ36に当たるのを防止することができ、油面検出精度を高めることができる。
クランクケース11の下ケース42は、下部前壁42v、下部後壁42c、下部左壁42x及び下部右壁42yを備え、下部左壁42xと下部右壁42yとが中間壁42bで連結されている。上記の下部前壁42v、下部後壁42c、中間壁42b、下部左壁42x及び下部右壁42yは、縦壁50を構成している。
下ケース42内にはオイルタンク47が設けられ、オイルタンク47内にオイルポンプ48が配置されている。オイルポンプ48の第1ハウジング77の下部には鉛直オイル通路77aが設けられ、オイルポンプ48の第3ハウジング79の下部にはストレーナ88が接続されている。符号77bは鉛直オイル通路77aの開口、79aはストレーナ88を接続するために第3ハウジング79の下部から下方に一体に延ばされたストレーナ接続管部、88aはストレーナ88の底部に設けられたオイル吸入口である。
オイルポンプ48は、第1ハウジング77から前側に第1取付ステー部77cが一体に突出形成され、第3ハウジング79から前側に第2取付ステー部79c、第3ハウジング79から後側に第3取付ステー部79dが一体に突出形成されている。第1取付ステー部77c、第2取付ステー部79c及び第3取付ステー部79dは、それぞれボルト111により下ケース42の上壁42aに取付けられている。これにより、オイルポンプ48は、オイルタンク47の前後方向中央より前寄りに配置されている。
3本のボルト111のうち、2本のボルト111はほぼ前後方向に並ぶように配置され、この2本のボルト111のうちの前側のボルト111と、他の1本のボルト111とがほぼ左右方向に並ぶように配置されている。このため、3本のボルト111でオイルポンプ48を前後左右に安定的に固定することができる。
オイルタンク47内のオイルポンプ48の後方には、油面センサ36が下部後壁42cに近接するように配置されている。また、オイルポンプ48のスカベンジポンプ83と油面センサ36の油面検知部となる検知部36aとの間には、上壁42aに一体に設けられたリブ42jが配置されている。検知部36aは、油面センサ36の一端部に設けられ、油面センサ36の他端部は、下部右壁42y(図1参照)に貫通するように取付けられ、配線接続部36b(図1参照)が設けられている。
下ケース42の中間壁42bには、オイルパン46側に位置するように下ケース42の左右方向に延びる管部42fが設けられ、管部42fの内側にメインオイルギャラリ42gが形成されている。
クランクケース11の下ケース42における上壁42aには、複数のポンプ取付ボス部42tが形成され、それぞれのポンプ取付ボス部42tに、オイルポンプ48を固定するボルト111(図9参照)をねじ込むボルト穴42uが形成されている。前側の2つのポンプ取付ボス部42tは、下ケース42の上方湾曲部42eに設けられ、後側の1つのポンプ取付ボス部42tは、下ケース42の下方湾曲部42dに設けられている。
オイルポンプ48の大部分は、上方湾曲部42e側に配置されるため、オイルタンク47内でオイルポンプ48を収納する高さを確保しやすくすることができる。
オイルポンプ48は、第1ハウジング77及び第3ハウジング79の前部に第1取付ステー部77c及び第2取付ステー部79cが設けられ、第3ハウジング79の後部に第3取付ステー部79dが設けられている。
第1取付ステー部77c、第2取付ステー部79c及び第3取付ステー部79dには、ボルト挿通穴77e,79e,79eが開けられ、ボルト挿通穴77e,79e,79eにそれぞれボルト111が下から挿入される。
ポンプハウジング71の第1ハウジング77、第2ハウジング78、第3ハウジング79及び第4ハウジング80は、それぞれの上部、下部、前部及び後部がボルト76により一体的に締結されている。
このように、オイルポンプ48を、クランクケース11(図8参照)とは別体に構成することで、従来のようにクランクケースに一体にポンプケースを設けるのに比べて、ポンプハウジング71内の加工やポンプハウジング71内への部品の組付けを容易に且つ精度良く行うことができるとともに、オイルポンプ48の仕様を容易に変更することができる。
図12及び図13に示すように、底板部材13は、周縁に連続するように形成された底板前壁13a、底板後壁13c、底板左壁13n及び底板右壁13pを備えるトレイ状の部品である。底板前壁13a、底板後壁13c、底板左壁13n及び底板右壁13pは周壁13wを構成している。底板左壁13nと底板右壁13pとには、底板中間壁13bが接続され、底板中間壁13bによって、底板部材13内が、オイルパン46(図5参照)側と、オイルタンク47(図5参照)側とに区画される。
上記の底板鉛直オイル通路13mと前端鉛直オイル通路13qとは、後部底壁13e及び前部底壁13dに前後方向に延びるように形成された前後オイル通路13rで連通している。
後部底壁13eは、4つの傾斜部14a,14b,14c,14dを備える。傾斜部14a,14b,14c,14dは、それぞれ周壁13wから後部底壁13eの中央部側にいくにつれて次第に低くなっている。図中の符号14e,14f,14g,14h,14jは谷線であり、谷線14hが後部底壁13eのうちで最も低い位置に有る。谷線14hの上方には近接してストレーナ88(図8参照)のオイル吸入口88a(図8参照)が配置されている。
底板部材13は、後部底壁13eの傾斜部14dにオイルタンク用ドレン孔14pが開けられている。オイルタンク用ドレン孔14pは、オイルタンク用ドレンボルト56(図3参照)がねじ込まれるように内面にめねじが形成されている。
オイルタンク用ドレン孔14pを囲むように、傾斜部14dの内面に突出するドレン孔ボス部14mが形成されている。ドレン孔ボス部14mには、谷線14h側に向けて切欠き14rが形成されている。このように切欠き14rを設けることで、ドレン孔ボス部14mを後部底壁13eの内面側に突出するように設けた場合でも、底板部材13に溜まったオイルの大部分をオイルタンク用ドレン孔14pから排出しやすくすることができる。
また、エンジンを左方に傾けることで谷線14hの有る谷部に溜まったオイルをオイルタンク用ドレン孔14pから排出しやすくすることができる。
また、ドレン孔ボス部14mが傾斜部14dの内面側に突出するため、ドレン孔ボス部が傾斜部14dの下面側に突出するのに比べて、エンジン10(図1参照)の地上高を確保しやすくすることができる。
図15及び図16に示すように、リブ42jは、板状の部分であり、左縁42mに対して右縁42nが後方に位置するように傾斜し、左縁42mの下端よりも右縁42nの下端が下方に位置するように傾斜した下縁42pが形成されている。即ち、リブ42jの下部は、下端に向かうにつれて幅が狭くなるテーパ状に形成されている。
背面視(図15参照)では、スカベンジポンプ83の吐出口71gにリブ42jが重なっている。従って、吐出口71gから後方に噴出したオイルは、リブ42jの前面42qに衝突し、リブ42jを伝って側方及び下方に流れる。なお、符号42rはリブ42jの背面である。上記したオイルがリブ42jに当たるとき、及びオイルがリブ42jを伝って流れ落ちるときに、オイル内に混合していた空気がオイルから分離される。
また、図5及び図12に示したように、オイルパン46とスカベンジポンプ83とを接続するスカベンジ油路13xは、底板部材13に形成されるとともに、スカベンジ油路13xの一端は、オイルパン46に開口し、他端は、スカベンジポンプ83の吸込管としての鉛直オイル通路77aに接続されるので、油路を形成するための管路部材を廃止できるため、部品点数及び組立工数を削減することができる。
また、底板部材13は、オイルパン46内において、クランク室45内に配置されるクランク軸16の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁としての前部底壁13dが設けられ、スカベンジ油路13xの開口部13yは、前部底壁13dの低い側に開口しているので、オイルパン46へのオイル収集効率を向上させるとともに、スカベンジ油路13xの開口部13yがオイルに浸かるようにしてオイルタンク47への回収効率を向上させることができる。
また、図5及び図6に示したように、オイルタンク47は、バッフルプレート103により上側空間105と下側空間106とに仕切られ、バッフルプレート103は、底板部材13と、複数の縦壁部としての中間壁42b、下部後壁42c、下部前壁42v、下部左壁42x、下部右壁42yとの合わせ面で挟まれるように取付けられ、オイルポンプ48は、上側空間105に配置されるので、オイルタンク47をバッフルプレート103で区画し、貯留オイルの傾きを抑制してフィードポンプ86のエア混入を抑えることができ、組立時には、下方からオイルポンプ48を取付けた後にバッフルプレート103をクランクケース11と底板部材13とで挟めばよいので、組立作業を簡素化できる。
本実施形態のドライサンプ式のエンジン10は、小型・軽量に出来、油面を水平に近い状態に保ちやすく、多くのオイル循環量にも対応でき、オイルポンプ48の仕様変更にも迅速に対応可能であるため、例えば、競技車両への搭載が好適である。
11 クランクケース
13 底板部材
13a 底板前壁(底板部材の壁部)
13d 前部底壁(オイルパン側底壁)
13e 後部底壁(オイルタンク側底壁)
13f 水平オイル通路(底板部材側油路)
13g オイルパン用ドレン孔
13x スカベンジ油路
13y 開口部
14d 傾斜部(傾斜壁)
14m ドレン孔ボス部(ボス部)
14p オイルタンク用ドレン孔
14r 切欠き
15 変速機
42a 上壁(横壁部)
42b 中間壁(縦壁部)
42c 下部後壁(縦壁部)
42v 下部前壁(縦壁部)
42t ポンプ取付ボス部(ボス部)
42x 下部左壁(縦壁部)
42y 下部右壁(縦壁部)
43 空間
45 クランク室
46 オイルパン
47 オイルタンク
48 オイルポンプ
58 ミッション室(変速機室)
77a 鉛直オイル通路(吸込管)
83 スカベンジポンプ
86 フィードポンプ
103 バッフルプレート
105 上側空間
106 下側空間
111 ボルト(締結部材)
Claims (8)
- 潤滑用のオイルを回収するオイルパン(46)と、前記オイルを貯留するオイルタンク(47)とがクランクケース(11)内の壁部によって区画されたドライサンプ式エンジンであって、
前記オイルタンク(47)が、変速機(15)を収容する変速機室(58)の下方に設けられるとともにクランクケース(11)の複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と横壁部(42a)と底板部材(13)とによって囲まれて形成され、前記オイルパン(46)からオイルを回収するスカベンジポンプ(83)と、前記オイルタンク(47)内のオイルをエンジン内油路へ圧送するフィードポンプ(86)とから一体の組立体としてオイルポンプ(48)が構成されるドライサンプ式エンジンにおいて、
前記オイルポンプ(48)と前記クランクケース(11)とは別体に構成され、前記オイルポンプ(48)は、前記オイルタンク(47)内に前記クランクケース(11)の下方から収容されることを特徴とするドライサンプ式エンジン。 - 前記オイルパン(46)は、前記変速機室(58)と隣接するクランク室(45)の下方に設けられ、前記クランクケース(11)の複数の前記縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)と前記底板部材(13)とによって囲まれて形成されることを特徴とする請求項1に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記オイルパン(46)と前記スカベンジポンプ(83)とを接続するスカベンジ油路(13x)は、前記底板部材(13)に形成されるとともに、前記スカベンジ油路(13x)の一端は、前記オイルパン(46)に開口し、他端は、前記スカベンジポンプ(83)の吸込管(77a)に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記オイルパン(46)を構成する前記底板部材(13)の壁部(13a)に、オイルをエンジン外に排出するオイルパン用ドレン孔(13g)が形成され、前記スカベンジ油路(13x)のうち、前記底板部材(13)に形成される底板部材側油路(13f)と、前記オイルパン用ドレン孔(13g)とは、同心状に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記底板部材(13)は、前記オイルパン(46)内において、前記クランク室(45)内に配置されるクランク軸(16)の延びる方向に高低差を有するオイルパン側底壁(13d)が設けられ、前記スカベンジ油路(13x)の開口部(13y)は、前記オイルパン側底壁(13d)の低い側に開口していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記横壁部(42a)の下面には複数のボス部(42t)が形成され、前記オイルポンプ(48)は、前記複数のボス部(42t)に締結部材(111)により下方から締結されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記オイルタンク(47)は、バッフルプレート(103)により上側空間(105)と下側空間(106)とに仕切られ、前記バッフルプレート(103)は、前記底板部材(13)と、前記複数の縦壁部(42b,42c,42v,42x,42y)との合わせ面で挟まれるように取付けられ、前記オイルポンプ(48)は、前記上側空間(105)に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
- 前記オイルタンク(47)内の前記底板部材(13)を構成するオイルタンク側底壁(13e)に、オイルタンク(47)内のオイルを排出するオイルタンク用ドレン孔(14p)が形成され、前記オイルタンク側底壁(13e)には、エンジン下方及び側方に面する傾斜壁(14d)を有し、前記傾斜壁(14d)に前記オイルタンク用ドレン孔(14p)が形成されるとともに、前記オイルタンク用ドレン孔(14p)は、前記傾斜壁(14d)の内面側の縁部にボス部(14m)が形成され、前記ボス部(14m)に切欠き(14r)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のドライサンプ式エンジン。
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