JP2015120774A - 両面粘着テープ - Google Patents

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【課題】本発明が解決しようとする課題は、両面粘着テープの表裏を構成する各粘着剤層の相違を識別可能な両面粘着テープを提供することにある。【解決手段】本発明は、発泡体基材の一方の面に、接着剤層を介して樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)が積層され、前記発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)が積層された両面粘着テープであって、前記接着剤層が、着色された接着剤層であることを特徴とする両面粘着テープにより上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器などを構成する様々な部品の固定に使用可能な両面粘着テープに関する。
両面粘着テープは、様々な電子機器を構成する部品の固定に使用されている。例えば携帯電話、カメラ、パソコンなどの小型電子機器では、画像表示部の保護パネルと筐体との固定や、外装部品、電池、各種部材モジュールの固定など、剛体部品同士を固定する目的で両面粘着テープが使用されている。
小型電子機器などを構成する部品の固定に使用可能な両面粘着テープとしては、例えば、柔軟な発泡体を基材として使用した両面粘着テープが知られている(特許文献1及び2参照。)。
前記両面粘着テープを用いて2以上の部品などの被着体を固定する際、前記被着体の材質が異なる場合や、両面粘着テープを構成する各粘着剤層の粘着力が異なる場合等に、前記両面粘着テープを貼付する向きが定められている場合がある。具体的には、比較的高価で繰り返し使用する部品は、両面粘着テープのうち比較的糊残りの生じにくい、または、前記糊残りを除去しやすい構成からなる粘着剤層の表面に貼付し、安価な部品は、前記両面粘着テープのうち糊残りの生じることのある粘着剤層の表面に貼付することが、定められている場合が挙げられる。
しかし、両面粘着テープの表裏を構成する各粘着剤層のうち、どちらが所望の粘着剤層であるかは、一見して判断することができないため、前記両面粘着テープを用い被着体を固定する作業場面で、前記両面粘着テープを貼付する向きの誤りが生じ、最終的に得られる接合物の歩留まりを低下させる場合があった。
ところで、前記小型電子機器は、携帯して使用される機会が多いため、それを落下させることによって、小型電子機器に強い衝撃を与えてしまう可能性が多くなっている。
従来の両面粘着テープは、前記衝撃によって剥離する場合があり、その結果、前記小型電子機器を構成する部品の欠落などを引き起こす場合があった。したがって、前記両面粘着テープには、前記落下の衝撃に耐えうるレベルの耐衝撃性が求められている。
また、高機能化が進む小型電子機器には、例えば画像表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池などの薄型の板状剛体などの高価な部品が多く使用されている。そのため、前記電子機器の不具合などが生じた際に、前記部品を電子機器から比較的容易に効率よく分離可能なレベルの解体性を有することが粘着テープに求められている。
また、前記部品を電子機器などの本体から分離した際に、両面粘着テープの糊などが、部品や前記本体に残る場合がある。前記糊などが残存した部品は、再利用の際に問題となる場合がある。よって、両面粘着テープには、剥離した際に糊残りなどが生じた場合であっても、それを容易に除去可能な特性が求められている。
特開2010−155969号公報 特開2010−260880号公報
本発明が解決しようとする課題は、両面粘着テープの表裏を構成する各粘着剤層の相違を識別可能な両面粘着テープを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第二の課題は、好適な耐衝撃性を有すると共に、一定の力が加わった際に好適に解体可能であり、被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に剥離し取り除くことができ、かつ、両面粘着テープの表裏を構成する各粘着剤層の相違を識別可能な両面粘着テープを提供することにある。
本発明は、発泡体基材の一方の面に、接着剤層を介して樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)が積層され、前記発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)が積層された両面粘着テープであって、前記接着剤層が、着色された接着剤層であることを特徴とする両面粘着テープにより上記課題を解決する。
また、本発明は、発泡体基材の一方の面に、発泡体基材の一方の面に、接着剤層を介して樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)が積層され、前記発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)が積層された両面粘着テープであって、前記接着剤層が、着色された接着剤層であることを特徴とする両面粘着テープであって、
前記発泡体基材が、密度0.45g/cm以下、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層が、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃、相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が10N/20mm以上の粘着剤層であることを特徴とする両面粘着テープにより上記第二の課題を解決する。
本発明の両面粘着テープは、その表裏を構成する各粘着剤層の相違を容易に識別できる。そのため、前記両面粘着テープを用い被着体を接合する作業において、両面粘着テープを貼付する向きが定められている場合であっても、前記両面粘着テープを貼付する向きの誤りを防止でき、その結果、最終的に得られる接合物の歩留まりを高めることができる。
また、本発明の両面粘着テープは、上記構成により、好適な耐衝撃性を有すると共に、一定の力が加わった際には発泡体基材が層間割れを生じて好適に解体することが可能である。また、被着体に貼付された両面粘着テープの残存物を、容易に剥離して取り除くことができる。このため、本発明の両面粘着テープが用いられた電子機器に落下などの衝撃が加わった際にも部品の脱離が生じにくく、また、一定の力で解体できることから、解体時に固定された部品の割れや歪みを抑制することができる。また、前記電子機器などの製造不良品やリサイクル品から特定の部品を解体する際にも効率よく解体することができる。さらに、被着体の表面に残存する糊残りなどの両面粘着テープの残存物も容易に剥離して取り除くことができる。
前記したような本発明の両面粘着テープは、例えば小型電子機器の部品固定用途、特に小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池などの薄型の板状剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験の試験方法の概念図である。
本発明の両面粘着テープは、発泡体基材の一方の面に、接着剤層を介して樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)が積層され、前記発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)が積層された両面粘着テープであって、前記接着剤層が、着色された接着剤層であることを特徴とする。
[発泡体基材]
本発明に使用する発泡体基材としては、密度が0.45g/cm以下であるものを使用することが好ましく、0.1g/cm〜0.45g/cmであるものを使用することがより好ましく、0.15g/cm〜0.42g/cmであるものを使用することが、一定の力が加わった際の好適な解体性を備えた両面粘着テープを得ることができるためさらに好ましい。
また、本発明で使用する発泡体基材としては、その層間強度が10N/cm以上であるものを使用することが好ましく、10N/cm〜50N/cmであるものを使用することがより好ましく、10N/cm〜25N/cmであるものを使用することが、好適な解体性と、好適な耐衝撃性とを両立することができるためさらに好ましい。また、前記発泡体基材を使用することによって、解体後に部品などの被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に剥離することが可能となる。
上記層間強度は、以下の方法により測定することができる。発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成し、層間強度測定用の両面粘着テープを作製する。次に、片側の粘着面を厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした幅1cm、長さ15cm(発泡体基材の流れ方向と幅方向)の両面粘着テープ試料を、23℃及び50%RH下で厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに2kgローラー1往復で加圧貼付し60℃で48時間静置する。その後、さらに23℃で24時間静置した後、23℃及び50%RH下で厚さ50μmmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り発泡体を引き裂いた際の最大強度を測定する。
本発明で使用する発泡体基材としては、25%圧縮強度が500kPa以下であるものを使用することが好ましく、10kPa〜300kPaであるものを使用することがより好ましく、10kPa〜200kPaであるものを使用することがより好ましく、30kPa〜180kPaであるものを使用することがさらに好ましく、50kPa〜150kPaであるものを使用することが、好適な耐衝撃性と解体性とを両立でき、かつ、被着体に対する好適な追従性を備えた両面粘着テープを得るうえで特に好ましい。
なお、25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定することができる。具体的には、25角に切断した前記両面粘着テープ試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。前記両面粘着テープ試料より大きな面積のステンレス板で前記両面粘着テープ試料の積層体をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で前記試料の積層体を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
本発明で使用する発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、特に限定されないが、500N/cm〜1300N/cmであることが好ましく、より好ましくは600N/cm〜1200N/cmである。また、引張試験における切断時の引張伸度は、特に限定されないが、流れ方向の引張伸度が100%〜1200%であることが好ましく、より好ましくは100%〜1000%、さらに好ましくは200%〜600%である。引張強さや引張伸度が当該範囲の発泡体基材を使用することによって、発泡した柔軟な基材であっても両面粘着テープの加工性の悪化や貼付作業性の低下を抑制することができる。また、解体後の両面粘着テープに剥がし易さを付与することができる。
なお、前述の発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、JISK6767に準じて測定することができる。具体的には、標線長さ2cm、幅1cmの大きさに裁断した前記両面粘着テープを、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した最大強度である。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は、特に制限されないが、10μm〜500μmの範囲であることが好ましく、30μm〜400μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜300μmの範囲であることがさらに好ましい。流れ方向および幅方向の平均気泡径が前記範囲の発泡体基材を使用することによって、被着体との密着性により一層優れ、かつ、耐衝撃性により一層優れた両面粘着テープを得ることができる。
さらに、流れ方向と幅方向の平均気泡径の比(流れ方向における平均気泡径/幅方向における平均気泡径)は特に限定されないが、0.2〜4が好ましく、より好ましくは0.3〜3、さらに好ましくは0.4〜1である。上記比率範囲であると発泡体基材の流れ方向と幅方向の柔軟性や引張強度のばらつきが生じにくい。
本発明に使用する発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は3μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜80μmであることがより好ましく、5μm〜50μmであることがさらに好ましい。また、当該厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることが好ましい。厚さ方向の平均気泡径や厚さとの比率を当該範囲とすることで、解体性や耐衝撃性と共に、剛体同士の接合においても優れた密着性を実現しやすく、また、発泡体基材の密度や強度を確保しやすいため好ましい。
発泡体基材の厚さ方向における平均気泡径に対する発泡体基材の流れ方向における平均気泡径の比(流れ方向における平均気泡径/厚さ方向における平均気泡径)、および発泡体基材の厚さ方向における平均気泡径に対する、発泡体基材の幅方向における平均気泡径の比(幅方向における平均気泡径/厚さ方向における平均気泡径)がともに1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4〜25であることが特に好ましい。当該比率とすることで、厚さ方向の柔軟性を確保しやすく、剛体同士の接合においても良好な密着性を実現しやすくなる。
なお、発泡体基材の幅方向と流れ方向、厚さ方向の平均気泡径は、下記の要領で測定する。まず、発泡体基材を幅方法、流れ方向とも1cmに切断する。次に、切断した発泡体基材の切断面中央部分をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)により、発泡体気泡部分を200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向または流れ方向の断面を発泡体基材の切断面がその基材厚さ方向の全長を観察する。得られた拡大画像において、流れ方向または幅方向の拡大前の実際の長さが2mm分の切断面に存在する気泡の気泡径を全て測定し、その平均値から平均気泡径を算出する。任意の10カ所で測定した結果から平均気泡径を求める。
本発明に使用する発泡体基材の気泡構造は独立気泡構造とすることにより、発泡体基材の切断面からの浸水または粉じんを効果的に防ぐことができるため好ましい。独立気泡構造を形成する気泡の形状は、発泡体の厚さ方向の平均気泡径より、流れ方向や幅方向、もしくはその両方の平均気泡径が長い形状の独立気泡とすることにより、適度な追従性とクッション性を有するので好ましい。
本発明に使用する発泡体基材としては、厚さが250μm以下であるものを使用することが好ましく、50μm〜250μmであるものを使用することがより好ましく、80μm〜200μmであるものを使用することがさらに好ましく、100μm〜150μmであるものを使用することが、薄型であっても好適な耐衝撃性と解体性を両立しやすいため特に好ましい。
発泡体基材の圧縮強度、密度、層間強度および引張強さなどは、使用する発泡体基材の素材や発泡構造により適宜調整できる。
前記発泡体基材としては、上記層間強度などを実現できるものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマーなどからなるポリオレフィン系発泡体やポリウレタン系発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマーなどからなるゴム系発泡体などを使用でき、なかでも被着体表面の凹凸への追従性や緩衝吸収性などに優れた薄い独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいため、ポリオレフィン系発泡体を好ましく使用できる。
ポリオレフィン系樹脂を使用したポリオレフィン系発泡体のなかでも、ポリエチレン系樹脂を使用することで、均一な厚みで製造しやすく、また好適な柔軟性を付与しやすいため好ましい。特にポリオレフィン系樹脂中におけるポリエチレン系樹脂の含有量が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、当該ポリオレフィン系発泡体に使用するポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂が、分子量分布が狭く、共重合体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入されることから、ポリオレフィン系発泡体を均一に架橋させることができる。このため、発泡シートを均一に架橋させていることから発泡シートを必要に応じて均一に延伸させやすく、得られるポリオレフィン系樹脂発泡体の厚みを全体的に均一なものとしやすいため好ましい。
更に、ポリオレフィン系発泡体を構成しているポリオレフィン系樹脂には、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、上記以外のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
このようなポリエチレン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
また、上記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系発泡体は、架橋されていてもよい。発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤で発泡させることによってポリオレフィン系発泡体を製造する場合、予め架橋されたポリオレフィン系樹脂シートを使用することが好ましい。架橋度は、発泡体基材を延伸する際に発泡シートの表面近傍部の気泡が破泡して表面荒れを引き起こすことを防止し、粘着剤層の密着性の低下を抑制するとともに、耐衝撃性や振動特性に優れた両面粘着テープを得るうえで5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜55質量%がより好ましい。
次に、ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法について説明する。ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40質量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向或いは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
そして、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材を架橋させる方法としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材のゲル分率が前記の好ましい範囲になるように適宜調整されるが、5kGy〜200kGyの範囲が好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な発泡状態を得やすいことから、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に照射するのが好ましく、両面に照射する線量を同じにするのがより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の使用量は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの架橋を十分に行うとともに、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート中に有機過酸化物の分解残渣が残留することを抑制するうえで、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜3質量部の範囲であることがより好ましい。
前記熱分解型発泡剤の使用量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、所定の発泡倍率を付与し引張強度及び圧縮回復性に優れた両面粘着テープを得るうえで、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部の範囲であることが好ましく、1質量部〜30質量部の範囲であることがより好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらを併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材表面の外観に、表裏での差異が少ないので好ましい。
そして、発泡体基材の延伸は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後、発泡体基材を延伸する場合には、発泡体基材を冷却することなく発泡の際の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸してもよく、発泡体基材を冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体基材を延伸してもよい。
ここで、発泡体基材の溶融状態とは、発泡体基材をその両面温度が、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。また、発泡体基材の軟化とは、発泡体基材をその両面温度が、20℃以上、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点温度未満までの温度に加熱した状態をいう。上記発泡体基材を延伸することによって、発泡体基材の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
更に、発泡体基材の延伸方向にあたっては、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向に向かって延伸させる。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡体基材を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張するので、発泡体基材を流れ方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が流れ方向に延伸されるように、発泡体基材の供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
また、上記発泡体基材を幅方向に延伸する方法としては、発泡体基材の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡体基材を幅方向に延伸する方法が好ましい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡体基材を幅方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が幅方向に延伸されるように調整する必要がある。
ここで、ポリオレフィン系発泡体の流れ方向における延伸倍率は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率を所定の範囲に調整することによってより一層優れた柔軟性及び引張強度を付与するうえで、1.1〜5倍が好ましく、1.3〜3.5倍がより好ましい。
また、幅方向における延伸倍率は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率を所定の範囲に調整することによってより一層優れた柔軟性及び引張強度を付与するうえで、1.2〜4.5倍が好ましく、1.5〜3.5倍がより好ましい。
発泡体基材は、両面粘着テープにおいて意匠性、遮光性、隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性、隠蔽性、耐光性を付与する場合、発泡体基材は黒色に着色されていてもよい。黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性、光反射性などを付与する場合、発泡体基剤は白色に着色されていてもよい。白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、コスト、入手性、色調、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化チタンや酸化アルミニウムや酸化亜鉛が好ましい。
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の物性を損なわない範囲で必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物などの充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知の添加剤を樹脂に任意に含有されていてもよい。
前記添加剤を使用する場合には、前記添加剤は、適度な追従性とクッション性を維持した両面粘着テープを得るうえで、前記ポリオレフィン系樹脂に対して0.1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜7質量%の範囲で使用することが好ましい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤などを発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に配合する場合、色ムラや異常発泡や発泡不良防止の観点から、押し出し機に供給する前にあらかじめ発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物や発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物と相溶性が高い熱可塑性樹脂でマスターバッチ化することが好ましい。
発泡体基材は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布などの表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わせてもよく、一旦巻き取り加工をしてもよい。発泡体基材を一旦巻き取る場合は、密着性が上がった発泡体基材同士のブロッキング現象を防止するため、発泡体基材を紙やポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムなどの合い紙とともに巻き取るのが好ましく、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムが好ましい。
[樹脂フィルム]
前記樹脂フィルムは、前記発泡体基材の一方の面に積層される。
前記樹脂フィルムは、本発明の両面粘着テープによって2以上の被着体が貼付された貼付物を剥離した際に、被着体の表面に残存した前記両面粘着テープの一部の残存物を除去する際の支持体となる。例えば、前記貼付物を剥離しようとすると、両面粘着テープを構成する発泡体基材の一部が解体される。その際、被着体の一部に粘着剤層と樹脂フィルムと発泡体基材の一部とが残存する場合がある。前記残存物を被着体から除去する際に、前記樹脂フィルムを引っ張ることによって、それぞれの被着体の表面から前記残存物を容易に除去することが可能となる。
前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルムなどの樹脂フィルムを挙げることができる。
また、樹脂フィルムは、発泡体基材や粘着剤層などの他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布などの表面処理がなされていてもよい。
樹脂フィルムの厚さは、0.5μm〜20μmであることが好ましく、2μm〜20μmの範囲であることがより好ましく、3μm〜16μmであることがさらに好ましく、3.5μm〜15μmの範囲であることが特に好ましい。当該範囲とすることで、好適な耐衝撃性と解体性を実現しやすく、また、被着体に対する好適な追従性を得やすくなる。
前記樹脂フィルムと前記発泡体との間に設けられる接着剤層としては、例えば白、黒、、青、黄、緑等の色に着色された接着剤層であることが好ましく、白または黒に着色された接着剤層であることが、粘着剤層(a1)及び(a2)を識別しやすいため好ましい。
前記接着剤層の形成には、着色成分を含有する接着剤を使用することができる。
前記接着剤としては、例えばウレタン樹脂を含有する接着剤、アクリル樹脂を含有する接着剤、ポリエステル樹脂を含有する接着剤などのうち、着色成分を含有するものを使用することができる。
なかでも、前記接着剤としては、ウレタン樹脂と着色成分とを含有するウレタン系接着剤を使用することが好ましく、ポリエーテル系ウレタン樹脂と着色成分とを含有する接着剤、ポリエステル系ウレタン樹脂と着色成分とを含有する接着剤を使用することがより好ましく、ポリエーテル系ウレタン樹脂と着色成分とを含有するウレタン系接着剤を使用することが、初期の接着力に優れ、かつ、ドライラミネート法を採用する場合に比較的低温で貼り合せできるため特に好ましい。
前記ウレタン系接着剤としては、ウレタン樹脂と、着色成分と、必要に応じて有機溶剤または水などの溶媒とを含有するものを使用することができる。
前記接着剤に含まれるウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって製造することができる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートなどを使用することができる。
前記ポリイソシアネートと反応しうるポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどを使用することができ、なかでも、ポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどを使用することができる。
また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフランなどを使用することができる。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールや芳香族ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンやγ−ブチロラクトンなどの環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどを使用することができる。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどを単独または2種以上併用して使用することができ、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールまたは1,4−ブタンジオールなどと、3−メチル−1,5−ペンタンジオールやネオペンチルグリコールなどとを組み合わせ使用することが好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びこれらの無水物またはエステル形成性誘導体などを使用することができ、アジピン酸などの脂肪族ポリカルボン酸を使用することが好ましい。なお、前記芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールを使用する場合には、前記ポリカルボン酸としてテレフタル酸やイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ポリカルボン酸を使用することができる。
前記ポリオールに使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールAなどとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどを使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノールなどの比較的低分子量のジヒドロキシ化合物などを使用することができる。
前記ポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールの他に、必要に応じてその他のポリオールを組み合わせ使用することもできる。
前記その他のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アクリル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオールなどを適宜使用することができる。
前記ポリイソシアネートと前記ポリオールとを反応させウレタン樹脂を製造する方法としては、例えば前記ポリイソシアネートと、前記ポリオールとを反応させることによってイソシアネート基を有するウレタン樹脂(A’)を製造し、次いで、必要に応じて鎖伸長剤を混合し反応させる方法が挙げられる。
前記ポリイソシアネートと、前記ポリオールとの反応は、メチルエチルケトンやジメチルホルムアミドなどの有機溶剤存在下または無溶剤下で行うことができる。
ポリイソシアネートと前記ポリオールとの反応は、急激な発熱や発泡などに十分に注意し安全性を考慮し、好ましくは50℃〜120℃、より好ましくは80℃〜100℃の反応温度で、前記ポリイソシアネートと前記ポリオールとを、一括混合、または、何れか一方を他方へ滴下などの方法で逐次供給し、概ね1時間〜15時間程度反応させる方法により行うことができる。
前記ウレタン樹脂としては、重量平均分子量50,000〜120,000の範囲のものを使用することが好ましい。
前記ウレタン系接着剤としては、前記ウレタン樹脂とともに硬化剤を含有するものを使用することができる。
前記硬化剤としては、例えばイソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、メラミン硬化剤、カルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤、アジリジン硬化剤などを使用することができる。
また、前記着色成分としては、例えば顔料や染料等として一般に知られるものを使用することができる。前記顔料としては、例えばカーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料を使用することができ、染料としては、天然染料、化学染料等を使用することができる。
前記着色成分は、両面粘着テープの表裏を構成する各粘着剤層の相違を識別可能な程度使用することができる。具体的には、前記着色成分は、前記接着剤の全量に対して5質量%〜20質量%の範囲で含まれることが、前記識別性と、より一層優れた接着強度とを両立するうえで好ましい。
前記ウレタン系接着剤などの接着剤を用いて、前記発泡体基材と前記樹脂フィルムとを接着する方法としては、例えばドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、ウェットラミネート法などが挙げられる。そのなかでも、ラミネート工程を効率よく行うことができ、かつ、接着剤層に残留し得る溶剤を低減可能なドライラミネート法を採用することが好ましい。
前記接着方法としては、具体的には、前記樹脂フィルムに前記接着剤を、ダイレクトグラビアなどを用いて塗工し、前記接着剤に含まれる溶剤をドライヤーなどを用いて乾燥し除去した後、その接着剤層と、前記発泡体基材とラミネートする方法(ドライラミネート法)が好ましい。
前記乾燥温度は、30℃〜100℃が好ましく、さらに好ましくは35℃〜70℃である。前記接着剤層と前記発泡体基材とをラミネートする際の温度は、20℃〜80℃が好ましく、30℃〜50℃であることが、樹脂フィルムと発泡体基材とを強固に接着でき、かつ、樹脂フィルムのしわを発生させにくいためより好ましい。
前記接着剤の塗布量としては、0.5g/m〜10g/mの範囲であることが好ましく、2g/m〜6g/mであることがより好ましく、通常のドライラミネート法よりもやや多い3g/m〜5g/mであることが、樹脂フィルムと発泡体基材とを強固に接着できるため、さらに好ましい。
[粘着剤層]
本発明の両面粘着テープは、粘着剤層(a1)と粘着剤層(a2)とを有する。前記粘着剤層(a1)と粘着剤層(a2)とは、同一の組成や厚さや粘着力を備えたものであってもよく、それぞれ異なる組成や厚さや粘着力を備えたものであってもよい。
前記粘着剤層(a1)及び粘着剤層(a2)としては、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの前記粘着剤層(a1)または粘着剤層(a2)をそれぞれ設けて形成した各粘着テープを、温度23℃、相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が10N/20mm以上であるものを使用することが好ましく、12N/20mm以上であるものを使用することが、好適な耐衝撃性と共に、解体時に良好に発泡体基材の層間割れを実現でき、一定の力での好適な解体性を備えた両面粘着テープを得るうえでより好ましい。前記粘着剤層の接着力の上限は特に制限されないが、25N/20mm以下であることが好ましく、20N/20mm以下であることがさらに好ましい。
前記粘着剤層(a1)及び粘着剤層(a2)の形成に使用可能な粘着剤組成物は、通常の粘着テープに使用される粘着剤組成物を用いることができる。前記粘着剤層(a1)の形成に使用可能な粘着剤組成物としては、粘着剤層(a2)の形成に使用可能な粘着剤組成物と同一のものを使用しても、異なる組成等からなるものを使用してもよい。
前記粘着剤組成物としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられ、アクリル系重合体をベースポリマーとし、これに必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤などの添加剤が配合された(メタ)アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
前記アクリル系重合体は、(メタ)アクリル単量体等の単量体成分を重合させることによって製造することができる。
前記単量体成分としては、例えば(メタ)アクリレートを使用することができる。
前記(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素原子数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。なかでも、炭素原子数が4〜12であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数が4〜8である直鎖または分岐構造からなるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することがさらに好ましい。特に、前記(メタ)アクリレートとしては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの少なくとも一種を使用することが、被着体との密着性を確保しやすく、凝集力や皮脂類への耐性に優れるため好ましい。
前記アクリル系重合体を製造する際に使用する単量体成分の全量に対する炭素原子数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%〜98.5質量%であることがより好ましく、90質量%〜98.5質量%であることがさらに好ましい。
また、前記アクリル系重合体を製造する際には、アクリル単量体として高極性ビニル単量体を使用することができる。前記高極性ビニル単量体としては、水酸基を有するビニル単量体、カルボキシル基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体などが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。
水酸基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートを使用できる。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレートなどを使用でき、なかでもアクリル酸を共重合成分として使用することが好ましい。
また、アミド基を有する単量体としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、などが挙げられる。
その他の高極性ビニル単量体として、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などのスルホン酸基含有モノマーなどがあげられる。
高極性ビニル単量体の使用量は、アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量ン対して、1.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、2質量%〜8質量%であることが、粘着剤の凝集力や保持力、接着性を好適な範囲に調整された両面粘着テープを得るうえでさらに好ましい。
また、前記粘着剤組成物として、前記アクリル系重合体とともにイソシアネート系架橋剤を使用する場合、そのイソシアネート基と反応する官能基を前記アクリル系重合体に導入することが好ましい。その際に使用可能なアクリル単量体としては、例えば水酸基を有するビニル単量体を使用することが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。イソシアネート系架橋剤と反応する水酸基を有するビニル単量体の使用量は、アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量に対して0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.03質量%〜0.3質量%であることが特に好ましい。
前記アクリル系重合体は、溶液重合法、隗状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の重合方法で、前記単量体成分を重合させることによって製造することができる。
なかでも、前記重合方法としては、粘着剤層(a1)及び(a2)の耐水性をより一層向上するうえで、溶液重合法または塊状重合法を採用することが好ましい。
重合の開始方法も、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイルなどの過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。
上記アクリル系重合体の分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が、40万〜300万、好ましくは80万〜250万である。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(THF溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
本発明に使用する粘着剤組成物としては、被着体との密着性や面接着強度をより一層向上させることを目的として、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。粘着付与樹脂としては、ロジン系、重合ロジン系、重合ロジンエステル系、ロジンフェノール系、安定化ロジンエステル系、不均化ロジンエステル系、水添ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、石油樹脂系、(メタ)アクリレート系樹脂などを使用することができる。エマルジョン型の粘着剤組成物に使用する場合には、エマルジョン型の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
なかでも、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、テルペンフェノール系樹脂が好ましい。粘着付与樹脂は1種または2種類以上を使用してもよい。また、これら粘着付与樹脂と石油系樹脂を併用することも好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、特に規定されないが30℃〜180℃、好ましくは70℃〜140℃である。軟化点の高い粘着付与樹脂を配合することで、高い接着性能が期待できる。(メタ)アクリレート系の粘着付与樹脂を使用する場合、(メタ)アクリレート系の粘着付与樹脂としては、ガラス転移温度が30℃〜200℃であるものを使用することが好ましく、50℃〜160℃であるものを使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル系重合体100質量部に対して5質量部〜65質量部の範囲で使用することが好ましく、8質量部〜55質量部の範囲で使用することが、被着体との密着性をより一層向上できるためより好ましい。
本発明の粘着剤組成物としては、粘着剤層の凝集力を上げるために架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤などが挙げられる。なかでも、前記架橋剤としては、重合終了後に添加し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましく、(メタ)アクリル系重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤が好ましく、発泡体基材との密着性が向上することからイソシアネート系架橋剤がより好ましい。
イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートなどが挙げられ、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体などを使用することが好ましい。
架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。ゲル分率は、好ましくは70質量%以下である。より好ましくは20質量%〜60質量%、更に好ましくは25質量%〜55質量%の範囲であれば、凝集性と接着性がともに良好である。
なお、ゲル分率の測定は下記による。
任意の離型ライナー上に、乾燥後の厚さが50μmになるように粘着剤組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃で2日エージングしたものを50mm角に切り取ったものを試料とする。
次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の質量(G1)を測定し、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定する。
前記測定で得た質量(G1)及び質量(G2)と、下記式にしたがって、ゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤組成物は、前記したもののほかに、必要に応じて、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物などの充填剤、顔料・染料などの着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤などを含有するものを使用することができる。
前記粘着剤層(a1)及び前記粘着剤層(a2)としては、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が、−40℃〜15℃であるものを使用することが好ましい。かかる範囲の損失正接のピーク値を有する粘着剤層を採用することによって、常温下での被着体への密着性をより一層向上することができる。一方、低温環境下での耐落下衝撃性に優れた両面粘着テープが求められる場合には、前記ピーク値の示す温度が−35℃〜10℃である粘着剤層を採用することが好ましく、−30℃〜6℃である粘着剤層を採用することがより好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G”/G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、厚さ約2mmに形成した粘着剤層を同試験機の測定部である直径8mmの平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘着剤層(a1)及び前記粘着剤層(a2)の厚さは、被着体との密着性確保し易いことから、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜80μmがより好ましく、15μm〜80μmが特に好ましい。
[離型ライナー]
本発明の両面粘着テープは、それを構成する前記粘着剤層(a1)及び前記粘着剤層(a2)の表面に、それぞれ離型ライナーが積層されていてもよい。前記離型ライナーは、両面粘着テープを被着体に貼付する際に剥離され除去される。
前記離型ライナーとしては、透明、または、不透明のものを使用することができ、透明であるものを使用することが、両面粘着テープの表裏を識別しやすいため好ましい。
前記離型ライナーとしては、例えば支持体の片面または両面にシリコーン層等の離型処理層を有するもの、支持体の片面または両面にポリオレフィン層等の樹脂層を有し、前記樹脂層の外側面にシリコーン層等の離型処理層を有するもの等を使用することができる。
前記支持体としては、例えば、原紙、樹脂フィルム、不織布、布、発泡シート、金属箔、または、それらの積層体などが挙げられる。前記原紙としては、例えば、上質紙、中質紙、薄葉紙、グラシン紙、コート紙等が挙げられる。前記樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いて得られるポリオレフィンフィルムが挙げられる。
前記支持体の表面に積層されていてもよい樹脂層としては、例えばポリオレフィン層等が挙げられ、前記ポリオレフィン層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いて形成される層が挙げられる。
また、前記離型処理層としては、シリコーン処理された層、長鎖アルキル処理された層、フッ素処理された層等が挙げられる。
[両面粘着テープ]
本発明の両面粘着テープは、薄型の構成であっても好適な耐衝撃性を有すると共に、一定の力が加わった際には発泡体基材が層間割れを生じて好適に解体でき、かつ、解体後に被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に剥離し取り除くことのできる両面粘着テープである。このため、小型電子機器の部品固定用途、特に、小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池などの解体時に大きな力が加わりやすい板状剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
また、前記両面粘着テープを用いて2以上の被着体を接合する工程において、前記両面粘着テープを貼付する向きが定められている場合があっても、前記両面粘着テープを貼付する向きの誤りを防止でき、最終的に得られる接合物の歩留まりを高めることができる。
本発明の両面粘着テープとしては、例えばそれを構成する前記樹脂フィルムと粘着剤層とが直接積層されたもの、他の層を介してそれらが積層されたもののいずれの態様でも使用することができる。両面粘着テープにさらに寸法安定性などを付与する場合は、ポリエステルフィルムなどのラミネート層を、テープに遮光性を付与する場合には遮光層を、光反射性を確保する場合には光反射層を、電磁波シールド特性や面方向の熱伝導性を付与したい場合には金属箔や金属メッシュ導電性の金属をメッキした不織布を設けても良い。
ラミネート層としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムやポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムをはじめとする各種樹脂製フィルムを使用できる。これらの厚さは特に規定されないが、発泡体基材の追従性の面から1μm〜25μmが好ましく、2μm〜12μmがより好ましい。ラミネート層は透明フィルムや遮光性を有するフィルム、反射性を有するフィルムを目的に応じて使用できる。発泡体層とラミネート層をラミネートする場合は、従来公知の粘着剤やドライラミネート用の接着剤が使用できる。
遮光層としては、顔料などの着色剤を含有するインキから形成されるものが簡便に用いられ、黒インキからなる層が、遮光性に優れるため好ましく用いられる。反射層としては、白色インキから形成される層を簡便に使用できる。これら層の厚みとしては2μm〜20μmが好ましく、なかでも4μm〜6μmがより好ましい。厚みを当該範囲とすることで、インキの硬化収縮による基材のカールが発生しにくく、両面粘着テープの加工性が良好となる。
本発明の両面粘着テープは、(i)発泡体基材の一方の面に接着剤等を用いて樹脂フィルムを積層する工程、(ii)前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)を形成し、必要に応じて離型ライナーを積層する工程、及び、(iii)発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)を形成し、必要に応じて離型ライナーを積層する工程を経ることによって製造することができる。
前記工程(i)は、発泡体基材または樹脂フィルムのいずれか一方または両方に前記接着剤を塗布し積層する工程である。
前記工程(ii)は、例えば、発泡体基材の一方の面に積層された樹脂フィルムの表面に、直接、前記粘着剤組成物を塗布して乾燥させ粘着剤層(a1)を形成し(直写法)、その表面に、必要に応じて離型ライナーを積層する工程、または、剥離ライナー等に粘着剤組成物を塗布して乾燥させることによって粘着剤層(a1)を形成した後、発泡体基材の一方の面に積層された樹脂フィルムの表面に、前記粘着剤層(a1)を貼り合せる(転写法)工程である。
前記工程(iii)は、前記発泡体基材の他方の面(樹脂フィルムが積層された面に対して反対側の面)に、直接、前記粘着剤組成物を塗布して乾燥させ粘着剤層(a2)を形成し(直写法)、その表面に、必要に応じて離型ライナーを積層する工程、または、剥離ライナー等に粘着剤組成物を塗布して乾燥させることによって粘着剤層(a2)を形成した後、発泡体基材の他方の面に、前記粘着剤層(a2)を貼り合せる(転写法)工程である。
なお、粘着剤層を形成する粘着剤としてアクリル系重合体と架橋剤とを含有する粘着剤を使用する場合、例えば上記方法で両面粘着テープを作製した後、好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2日〜7日間の熟成させることが、発泡体基材及び樹脂フィルムと粘着剤層との密着性をより一層向上し、かつ、粘着物性を安定化するうえで好ましい。
本発明の両面粘着テープの厚さは、使用する態様に応じて適宜調整することができ、300μm以下であると、小型電子機器の薄型化に貢献しやすいため好ましく、80μm〜300μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることがさらに好ましい。本発明の両面粘着テープは、当該薄型の構成であっても、好適な耐衝撃性と解体性とを有する。
本発明の両面粘着テープは、上記構成により好適な耐衝撃性と解体性とを有することから、小型電子機器の部品、例えば、小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池、スピーカー、レシーバー、圧電素子、プリント基板、フレキシブルプリント基板(FPC)、デジタルカメラモジュール、センサー類、その他のモジュールや、ポリウレタンやポリオレフィン系などのクッション材ゴム製部材、加飾用部品や各種部材の固定などに好適に適用できる。特に小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池などの薄型の板状剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
(粘着剤組成物(A)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート97.97質量部、アクリル酸2.0質量部、4−ヒドロキブチルアクリレート0.03質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部からなる溶剤に溶解し、70℃で12時間重合して、重量平均分子量が200万(ポリスチレン換算)のアクリル系共重合体を得た。次に、アクリル系共重合体100質量部に対し、荒川化学社製「スーパーエステルA100」(不均化ロジンのグリセリンエステル)25質量部と、荒川化学社製「ペンセルD135」(重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部、三井化学製FTR6100(スチレン系石油樹脂)20質量部を添加、酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分40質量%の粘着剤組成物(a)を得た。
前記粘着剤組成物(a)100質量部と、日本ポリウレタン社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤(A)を得た。前記粘着剤(A)の180°引き剥がし接着力は、12N/20mmであった。前記180°引き剥がし接着力は、下記の方法によって測定した値である。
[粘着剤層の180°引き剥がし接着力]
剥離処理した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmとなるように前記粘着剤(A)を塗工し、80℃で3分乾燥した後、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に貼りあわせ40℃環境下で48時間熟成することによって粘着テープを得た。
前記粘着テープを、温度23℃、相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がした時の強度を測定した。後述する粘着剤(B)を用いて形成された粘着剤層の180°引き剥がし接着力もまた、上記と同様の方法で測定した。
(粘着剤組成物(B)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート93.4質量部、アクリル酸3.5質量部、酢酸ビニル3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部からなる溶剤に溶解し、70℃で12時間重合して、重量平均分子量が160万(ポリスチレン換算)のアクリル系共重合体を得た。次に、アクリル系共重合体100質量部に対し、荒川化学社製「スーパーエステルA100」(不均化ロジンのグリセリンエステル)30質量部と、三井化学製FTR6100(スチレン系石油樹脂)25質量部、荒川化学社製「ペンセルD135」(重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部を添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合し、不揮発分38質量%の粘着剤組成物(b)を得た。
前記粘着剤組成物(b)100質量部と、日本ポリウレタン社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤(B)を得た。前記粘着剤(B)の180°引き剥がし接着力は、13.7N/20mmであった。
(実施例1)
上記で調製した粘着剤(A)を、剥離処理した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥することによって、厚さ25μmの粘着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。
また、前記粘着剤(A)を、剥離処理した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが15μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥することによって、厚さ15μmの粘着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。
次に、黒色ポリオレフィン系発泡体(1)(厚さ100μm、密度0.40g/cm、層間強度12.6N/cm、25%圧縮強度:103kPa、流れ方向の引張強さ:1084N/cm、幅方向の引張強さ:790N/cm、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとした)からなる基材に、ポリエチレンテレフタレート(厚さ6μm)からなる樹脂フィルムを、後述するウレタン系白色接着剤を用いてラミネート処理することによって積層体を作製した。
前記ウレタン系白色接着剤としては、1,4−ブタンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られる数平均分子量2,000のポリエステルポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレングリコール、及び、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得られる重量平均分子量100,000のウレタン樹脂のジメチルホルムアミド溶液〔不揮発分30質量%〕からなるウレタン系接着剤と、前記ウレタン系接着剤の不揮発分に対する酸化チタンの含有量が10質量%となる量の白色インキ(酸化チタンを含有するインキ)とを混合することによって得られたウレタン系白色接着剤を使用した。
前記積層体の樹脂フィルム側に、前記厚さ25μmの粘着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付し、前記積層体の発泡体側に、前記厚さ15μm粘着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを貼付した後、23℃下、線圧5kg/cmのロールでラミネートした。その後、40℃の環境下で48時間熟成することによって、厚さ150μmの両面粘着テープを得た。なお、前記両面粘着テープを構成する粘着剤(A)層のゲル分率は42.5質量%であった。前記ゲル分率は、前記両面粘着テープを室温のトルエンに24時間浸漬し、前記浸漬前後の質量の差に基づいて算出した。以下、粘着剤(B)を用いた場合のゲル分率も、前記と同様の方法で算出した。
(実施例2)
前記積層体の樹脂フィルム側の粘着剤層の乾燥後の厚さを15μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ140μmの両面粘着テープを得た。
(実施例3)
前記積層体の樹脂フィルム側及び発泡体側の粘着剤層の乾燥後の厚さを45μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例4)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(2)(厚さ:80μm、密度0.40g/cm、層間強度10.2N/cm、25%圧縮強度:92kPa、流れ方向の引張強さ:1062N/cm、幅方向の引張強さ:962N/cm、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用い、かつ、前記積層体の樹脂フィルム側の粘着剤層の乾燥後の厚さを15μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ120μmの両面粘着テープを得た。
(実施例5)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(3)(厚さ:100μm、密度0.45g/cm、層間強度16.2N/cm、25%圧縮強度:190kPa、流れ方向の引張強さ:964N/cm、幅方向の引張強さ:861N/cm、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(実施例6)
前記積層体の樹脂フィルム側及び発泡体側の粘着剤層の乾燥後の厚さを45μmにしたこと以外は、実施例5と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例7)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(4)(厚さ:140μm、密度0.40g/cm、層間強度19.1N/cm、25%圧縮強度:130kPa、流れ方向の引張強さ:994N/cm、幅方向の引張強さ:713N/cm、積水化学工業株式会社製、表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用い、かつ、前記積層体の樹脂フィルム側及び発泡体側の粘着剤層の乾燥後の厚さを25μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例8)
ポリエチレンテレフタレート(厚さ6μm)からなる樹脂フィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレート(厚さ3μm)からなる樹脂フィルムを用い、かつ、樹脂フィルム側の粘着剤層の乾燥後の厚さを28μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープを得た。
(実施例9)
ポリエチレンテレフタレート(厚さ6μm)からなる樹脂フィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレート(厚さ16μm)からなる樹脂フィルムを用いること以外は、実施例1と同様の方法で両面粘着テープを得た。
(実施例10)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(B)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。前記両面粘着テープを構成する粘着剤(B)層のゲル分率は40質量%であった。
(比較例1)
前記ウレタン系白色接着剤の代わりに、1,4−ブタンジオールとネオペンチルグリコールとアジピン酸とを反応させて得られる数平均分子量2,000のポリエステルポリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレングリコール、及び、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得られる重量平均分子量100,000のウレタン樹脂のジメチルホルムアミド溶液〔不揮発分30質量%〕からなるウレタン系接着剤を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(比較例2)
樹脂フィルムを使用しないこと、及び、粘着剤層の乾燥後の厚さを両面25μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
上記実施例及び比較例にて使用した発泡体基材、上記実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて、以下の評価を行った。得られた結果を表に示す。
[発泡体基材と粘着テープの厚さ]
尾崎製作所製のダイヤルシクネスゲージG型を用いて測定した。粘着テープの場合は、剥離フィルムを剥がしたのち測定した。
[発泡体基材の密度]
密度はJISK6767に準じて測定した。4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を約15cm用意し、その質量を測定して密度を求めた。
[発泡体基材の層間強度]
発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成し、層間強度測定用の両面粘着テープを作製した。次に、片側の粘着面を厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした幅1cm、長さ15cm(発泡体基材の流れ方向と幅方向)の両面粘着テープ試料を、23℃及び50%RH下で厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに2kgローラー1往復で加圧貼付し60℃で48時間静置した。23℃で24時間静置後、23℃及び50%RH下で厚さ50μmmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り発泡体を引き裂いた際の最大強度を測定した。
[発泡体基材の引張強さ]
発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmの発泡体基材を、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した。得られた測定値の最大強度が発泡体基材の引張強度である。
[発泡体基材の25%圧縮強度]
発泡体基材の25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせた。発泡体基材より大きな面積のステンレス板で発泡体基材をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で発泡体基材を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定した。
[発泡体基材の平均気泡径測定]
まず、発泡体基材を幅方法、流れ方向とも1cmに切断した。次に、切断した発泡体基材の切断面中央部分をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)により、発泡体気泡部分を200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向または流れ方向の断面を発泡体基材の切断面がその基材厚さ方向の全長を観察した。得られた拡大画像において、流れ方向または幅方向の拡大前の実際の長さが2mm分の切断面に存在する気泡の気泡径を全て測定し、その平均値から平均気泡径を算出した。任意の10カ所で測定した結果から平均気泡径を求めた。
[識別性の評価方法]
実施例及び比較例で得た両面粘着テープを構成する各粘着剤層を目視で確認し、樹脂フィルムに積層された粘着剤層と、発泡体基材の他方の面に積層された粘着剤層とを目視で区別できたものを「○」、区別できなかったものを「×」と評価した。
[易解体性]
1)実施例及び比較例で得た両面粘着テープを、長さ2cm(発泡体基材の流れ方向)、幅1cmに裁断したものを試験片とした。前記試験片を、縦2.5cm、横4.0cm、2mm厚のポリカーボネート板の中心に幅方向に2cmの間隔をあけて2枚貼付した。
2)長さ20cm、幅1.5cm、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの端部を前記ポリカーボネート板のテープ貼付面の裏面に固定し、そのポリエチレンテレフタレートフィルムが2枚の両面粘着テープを通るように巻き付けた。その際、ポリエチレンテレフタレートフィルムの幅の中心が、2枚の両面粘着テープの中心と一致するようにした。
3)前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付け固定したポリカーボネート板を、両面粘着テープが接するようにして、縦20cm、横20cmのアルミニウム板の表面に貼付固定し、2kgの重りを使用して加圧圧着した。23℃及び50%RH下で72時間静置して試験片とした。
4)前記試験片のポリエチレンテレフタレートフィルムの端部をアルミ板に対して90°方向に引きあげて、ポリカーボネート板を引きはがした。その際の両面粘着テープの剥離状態を観察した。
◎:両面粘着テープの全面(10割)が発泡体基材の層間で破壊して剥離された。
○:両面粘着テープの9割以上10割未満が発泡体基材の層間で破壊して剥離された。
×:両面粘着テープの発泡体基材の層間で破壊した部分が9割未満であった。
[剥離性]
上記易解体性の試験後に残った両面粘着テープの残存物の端部をつまみあげ、135°方向に600mm/minでゆっくりと手剥がしにて剥離した。その際の残存物の剥離除去の状態を観察した。
◎:両面粘着テープの残存物の全て(10割)が剥離除去された。
○:両面粘着テープの残存物の9割以上10割未満が剥離除去された。
△:両面粘着テープの残存物の剥離除去された部分が5割以上〜9割未満であった。
×:両面粘着テープの残存物の剥離除去された部分が5割未満であった。
[耐衝撃性試験]
1)厚さ2mm、外形50mm×50mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトL「商標名」、色相:透明)に、長さ40mm、幅5mmの2枚の両面粘着テープの弱粘着面を40mmの間隔をあけて平行に貼付(図1)したのち、厚さ2mm、外形150mm×100mmのABS板(住友ベークライト社製、タフエースR「商標名」色相:ナチュラル、シボなし、以下同じ)の中央部に貼付した(図2)。2kgローラーで1往復加圧したのち、23℃で1時間静置して試験片とした。
2)デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字型測定台(厚さ5mmのアルミ製)を設置し、その上に試験片を、アクリル板を下向きにして載せた(図3)。ABS板側から直径25mm、質量300gのステンレス製の撃芯を、高さを10cmずつ変化させ、ABS板の中心部分に各高さ毎に10秒間隔で5回落下させ、試験片にテープの剥がれや破壊が認められた時の高さを測定した。
○:高さ60cmでも試験後にテープの剥がれ又は破壊なし
×:高さ60cm以下でテープの剥がれ又は破壊が生じた
Figure 2015120774
Figure 2015120774
Figure 2015120774
1 両面粘着テープ
2 アクリル板
3 ABS板
4 コの字型測定台
5 撃芯

Claims (7)

  1. 発泡体基材の一方の面に、接着剤層を介して樹脂フィルムが積層され、前記樹脂フィルムの表面に粘着剤層(a1)が積層され、前記発泡体基材の他方の面に粘着剤層(a2)が積層された両面粘着テープであって、前記接着剤層が、着色された接着剤層であることを特徴とする両面粘着テープ。
  2. 総厚さが300μm以下である請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記発泡体基材の引張強さが、500N/cm〜1300N/cmである請求項1または2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材が、密度0.45g/cm以下、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層(a1)及び前記粘着剤層(a2)のいずれか一方または両方が、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層(a1)または前記粘着剤層(a2)を設けて形成した粘着テープを、温度23℃、相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後の剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が10N/20mm以上の粘着剤層である請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 前記樹脂フィルムが、ポリエステル樹脂を用いて得られるフィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  6. 前記接着剤層が、ウレタン樹脂と着色成分とを含有する層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  7. 電子機器を構成する2以上の部品の固定に使用する請求項1〜6のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
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