JP2015120614A - ガラス - Google Patents

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Atsushi MUSHIAKE
篤 虫明
隆 村田
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隆 村田
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Abstract

【課題】焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができ、しかも生産性に優れる分相ガラスを提案する。
【解決手段】少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスであって、ガラス組成中にBaOを0.1〜60質量%含むことを特徴とする。なかでもガラス組成として、質量%で、SiO30〜70%、B1〜50%、BaO 10〜60%を含有することを特徴とするガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスに関し、具体的には、光散乱機能を有する分相ガラスに関する。
近年、家電製品の普及、大型化、多機能化等の理由から、家庭等の生活空間で消費されるエネルギーが増えている。特に、照明機器のエネルギー消費が多くなっている。このため、高効率の照明が活発に検討されている。
照明用光源は、限られた範囲を照らす「指向性光源」と、広範囲を照らす「拡散光源」とに分けられる。LED照明は、「指向性光源」に相当し、白熱球の代替として採用されつつある。その一方で、「拡散光源」に相当する蛍光灯の代替光源が望まれており、その候補として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明が有力である。
有機EL素子は、ガラス板と、陽極である透明導電膜と、電流の注入によって発光するエレクトロルミネッセンスを呈する有機化合物からなる一層又は複数層の発光層を含む有機EL層と、陰極とを備えた素子である。有機EL素子に用いられる有機EL層として、低分子色素系材料、共役高分子系材料等が用いられており、発光層を形成する場合、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層等との積層構造が形成される。このような積層構造を有する有機EL層を、陽極と陰極の間に配置し、陽極と陰極に電界を印加することにより、陽極である透明電極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とが、発光層内で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起されて、発光する。
有機EL素子は、携帯電話、ディスプレイ用途として検討が進められており、一部では既に実用化されている。また、有機EL素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の薄型テレビと同等の発光効率を有している。
しかし、有機EL素子を照明用光源に適用するためには、輝度が未だ実用レベルに到達しておらず、更なる発光効率の改善が必要である。
ガラス板と空気の屈折率差に起因して、光がガラス板内に閉じ込められることが輝度低下の原因の一つである。例えば、屈折率n1.5のガラス板を用いた場合、空気の屈折率nは1.0であるため、臨界角はスネルの法則より42°と計算される。よって、この臨界角以上の入射角の光は、全反射を起こし、ガラス板内に閉じ込められて、空気中に取り出されないことになる。
更に、ガラス板と有機EL層/透明導電極の屈折率の不整合も輝度低下の原因の一つである。具体的には、透明導電膜の屈折率nは1.9〜2.0であり、有機EL層の屈折率nは1.8〜1.9である。これに対して、ガラス板の屈折率nは、通常、1.5程度である。よって、従来の有機ELデバイスは、ガラス板と透明導電極等の屈折率差が大きいことに起因して、有機EL層から入射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し、光取り出し効率が低下するという問題があった。
特開2012−25634号公報
上記問題を解決するために、透明導電膜等とガラス板の間に、光取り出し層を形成することが検討されている。例えば、特許文献1には、光取り出し効率を高めるために、ソーダガラス板の表面に、高屈折率のガラスフリットを焼結させた光取り出し層を形成することが記載されている。更に、特許文献1には、光取り出し層内に散乱物質を分散させることにより、光取り出し効率を更に高めることも記載されている。
しかし、ガラス板の表面に光取り出し層を形成するためには、ガラス板の表面にガラスペーストを塗布する印刷工程が必要になり、この工程は生産コストの高騰を招く。また、ガラスフリット中に散乱粒子を分散させる場合、散乱粒子自体の吸収により光取り出し層の透過率が低くなる。更に、特許文献1に記載のガラスフリットは、Nb等のレアメタル酸化物を多量に含むため、原料コストが高価である。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができ、しかも生産性に優れるガラスを創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、ガラス組成中にBaOを含む分相ガラスを用いることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラスは、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスであって、ガラス組成中にBaOを0.1〜60質量%含むことを特徴とする。分相構造を有するガラスを用いると、有機EL層からガラス板へ入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し易くなる。
本発明のガラスは、ガラス組成中にBaOを0.1〜60質量%含む。BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中ではガラスの粘性を極端に低下させずに、屈折率を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、その一方でガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの好適な上限範囲は60%以下、50%以下、特に40%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、10%以上、特に20%以上である。
なお、目視により、分相構造に伴う光散乱を確認することができ、例えば、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察することにより、各相の状態を詳細に確認することができる。
第二に、本発明のガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜70%、B 1〜50%、BaO 10〜60%を含有することが好ましい。このようにすれば、分相性が向上し、光散乱機能を高め易くなる。更に耐失透性が向上して、ガラス板に成形し易くなる。
第三に、本発明のガラスは、第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層からガラス板へ入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し易くなる。
第四に、本発明のガラスは、第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも少ないことが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層からガラス板へ入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し易くなる。
第五に、本発明のガラスは、第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多く、且つ第一の相が主要相であることが好ましい。このようにすれば、主要相の屈折率が高くなるため、有機EL層から出射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し難くなる。更に第一の相の屈折率が高くなり、第二の相の屈折率が低くなるため、第一の相と第二の相の屈折率差が大きくなり、光散乱機能を高めることができる。ここで、「主要相」は、例えば、電子線マイクロアナライザ(島津製作所製EPMA―1720H)により光学研磨された試料表面を画像解析した際に、各相の中で、その面積が一番大きい相を指す。
第六に、本発明のガラスは、密度が2.4g/cm以上であることが好ましい。一般的に、密度と屈折率nには相関関係があり、屈折率nが高い程、密度が大きくなる。よって、この相関関係を利用すると、屈折率nの測定が困難であっても、密度の測定により、屈折率nを見積もることができる。そこで、密度を上記範囲に規制すれば、ガラスの屈折率nが高くなり、有機EL層/透明導電極からガラス板へ進入する光がその界面で反射し難くなる。
第七に、本発明のガラスは、有機ELデバイスに用いることが好ましい。なお、「有機ELデバイス」には、有機EL照明のみならず、有機ELディスプレイ等が含まれる。
第八に、本発明のガラスは、有機EL照明に用いることが好ましい。
[実施例]に係る試料No.1について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.2について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.3について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.4について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.5について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.6について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.7について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.8について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.9について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.10について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.11について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.12について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.13について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.14について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.15について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.16について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.17について、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。 [実施例]に係る試料No.8について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したSiシグナルである。 [実施例]に係る試料No.8について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したBシグナルである。 [実施例]に係る試料No.8について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したBaシグナルである。 [実施例]に係る試料No.15について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したSiシグナルである。 [実施例]に係る試料No.15について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したBシグナルである。 [実施例]に係る試料No.15について、試料表面を鏡面研磨した後、電子線マイクロアナライザで測定した際に検出したBaシグナルである。
本発明のガラスは、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有することが好ましく、第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多いことが好ましい。また第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも少ないことが好ましい。更に第一の相中のBの含有量が、第二の相中のBの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、第一の相と第二の相の屈折率が相違し易くなり、ガラスの散乱機能を高めることができる。
本発明のガラスは、第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多く、且つ第一の相が主要相であることが好ましい。また第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも少なく、且つ第二の相が主要相でないことが好ましい。このようにすれば、主要相の屈折率が高くなるため、有機EL層から出射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し難くなる。更に第一の相の屈折率が高くなり、第二の相の屈折率が低くなるため、第一の相と第二の相の屈折率差が大きくなり、光散乱機能を高めることができる。
少なくとも一方の相(第一の相及び/又は第二の相)の分相粒子の平均粒子径は0.1〜5μmが好ましい。分相粒子の平均粒子径が0.1μmより小さいと、有機EL層から出射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し難くなる。またレイリー散乱によって波長に依存して異なる散乱強度を示し、結果として、白色OLEDを作製する際に発光層の素子構成の最適化が必要になる。一方、分相粒子の平均粒子径が5μmより大きいと、散乱強度が強くなり過ぎて、全光線透過率が低下する虞がある。
なお、成形条件(成形行程中の冷却条件)を調整して、分層構造を制御してもよく、別途の熱処理工程により分相構造を制御してもよい。
本発明のガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜70%、B 1〜50%、BaO 10〜60%を含有することが好ましい。このようにすれば、分相性が向上し、光散乱機能を高め易くなる。更に耐失透性が向上して、ガラス板に成形し易くなる。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を意味する。
SiOの含有量は30〜70%が好ましい。SiOの含有量が多くなると、溶融性、成形性が低下し易くなり、また屈折率が低下し易くなる。よって、SiOの好適な上限範囲は70%以下、65%以下、特に60%以下である。一方、SiOの含有量が少なくなると、ガラス網目構造を形成し難くなり、ガラス化が困難になる。またガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、SiOの好適な下限範囲は30%以上、35%以上、特に40%以上である。
の含有量は1〜50%が好ましい。Bは、分相性を高める成分であるが、Bの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなることに加えて、耐酸性が低下し易くなる。よって、Bの好適な上限範囲は50%以下、40%以下、30%以下、特に25%以下であり、好適な下限範囲は1%以上、4%以上、7%以上、10%以上、15%以上、特に20%以上である。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、ガラスの粘性を極端に低下させずに、屈折率を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、その一方でガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの好適な上限範囲は60%以下、50%以下、特に40%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、5%以上、10%以上、特に20%以上である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入することができる。
Alの含有量は0〜35%が好ましい。Alは、耐失透性を高める成分であるが、Alの含有量が多過ぎると、分相性が低下し易くなることに加えて、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。また耐酸性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は35%以下、30%以下、25%以下、特に20%以下である。
LiOの含有量は0〜30%が好ましい。LiOは、分相性を高める成分であるが、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、LiOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
NaOの含有量は0〜30%が好ましい。NaOは、分相性を高める成分であるが、NaOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、NaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
Oの含有量は0〜30%が好ましい。KOは、分相性を高める成分であるが、KOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、KOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
MgOの含有量は0〜30%が好ましい。MgOは、屈折率、ヤング率、歪点を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、MgOを多量に含有させると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下したり、密度が高くなり過ぎる虞がある。よって、MgOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、特に10%以下である。
CaOの含有量は0〜30%が好ましい。CaOは、高温粘度を低下させる成分であるが、CaOの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、特に3%以下である。
SrOの含有量は0〜30%が好ましい。SrOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、特に10%以下である。
ZnOは、屈折率、歪点を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、ZnOを多量に導入すると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下する。よって、ZnOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、5%以下、特に3%以下である。
TiOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、TiOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。また直線透過率が低下する虞がある。よって、TiOの好適な上限範囲は20%以下、特に10%以下である。
ZrOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、ZrOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZrOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、特に5%以下である。
Laは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Laの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性や耐酸性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Laの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
Nbは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Nbの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Nbの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
La+Nbの含有量は0〜10%が好ましい。La+Nbの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、また耐失透性が低下し易くなり、更には高い液相粘度を確保し難くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、La+Nbの好適な上限範囲は10%以下、8%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。ここで、「La+Nb」は、LaとNbの合量を指す。
Gdは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Gdの含有量が多くなると、密度が高くなり過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、耐失透性が低下したり、高温粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、Gdの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、2.5%以下、1%以下、特に0.1%以下である。
レアメタル酸化物(希土類酸化物とNbの合量)の含有量は合量で0〜10%が好ましい。レアメタル酸化物の含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、また耐失透性、耐酸性が低下し易くなり、高い液相粘度を確保し難くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、レアメタル酸化物の好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、特に1%以下であり、実質的に含まないことが望ましい。ここで、「実質的にレアメタル酸化物を含まない」とは、ガラス組成中のレアメタル酸化物の含有量が0.1%未満の場合を指す。
清澄剤として、下記酸化物換算で、As、Sb、SnO、Fe、F、Cl、SO、CeOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%導入することができる。特に、清澄剤として、SnO、Fe及びCeOが好ましい。一方、AsとSbは、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましく、各々の含有量は0.3%未満、特に0.1%未満が好ましい。ここで、「下記酸化物換算」は、表記の酸化物とは価数が異なる酸化物であっても、表記の酸化物に換算した上で取り扱うことを意味する。
SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、特に0.01〜0.5%である。
Feの好適な下限範囲は0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、特に0.02%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上である。
CeOの含有量は0〜6%が好ましい。CeOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、CeOの好適な上限範囲は6%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、特に0.1%以下である。一方、CeOを導入する場合、CeOの好適な下限範囲は0.001%以上、特に0.01%以上である。
PbOは、屈折率を高めて、高温粘性を低下させる成分であるが、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましい。PbOの含有量は0.5%以下が好ましく、実質的に含まないことが望ましい。ここで、「実質的にPbOを含まない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が0.1%未満の場合を指す。
上記成分以外にも、他の成分を合量で好ましくは10%(望ましくは5%)まで導入してもよい。
本発明のガラスにおいて、密度は、好ましくは2.4g/cm以上、2.7g/cm以上、特に3.0g/cm以上である。密度が低過ぎると、屈折率nが低くなり易く、有機ELデバイスに適用した場合に、有機EL層/透明導電膜内に閉じ込められる光が多くなり、結果として光取り出し効率が低下し易くなる。一方、密度が高過ぎると、デバイスの軽量化を図り難くなる。よって、密度は、好ましくは5.0g/cm以下、4.5g/cm以下、特に4.0g/cm以下である。
屈折率nは、好ましくは1.50超、1.52以上、特に1.55以上である。屈折率nが1.50以下になると、ガラス板と透明導電膜等の界面の反射によって光を効率良く取り出せなくなる。一方、屈折率nが高過ぎると、ガラス板と空気の界面での反射率が高くなり、光を外部に取り出し難くなる。よって、屈折率nは、好ましくは2.30以下、2.00以下、特に1.80以下である。ここで、「屈折率n」は、屈折率測定器で測定したd線の値を指す。例えば、25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、屈折率nが整合する浸液を浸透させた後、島津製作所製の屈折率測定器KPR−2000により測定可能である。
歪点は、好ましくは450℃以上、500℃以上、特に550℃以上である。透明導電膜を高温で形成する程、透明性が高く、電気抵抗が低くなり易い。しかし、従来のガラス板は、耐熱性が不十分であるため、透明導電膜を高温で成膜することが困難であった。そこで、歪点を上記範囲とすれば、透明導電膜の透明性と低電気抵抗の両立が可能になり、更にはデバイスの製造工程において、熱処理によりガラス板が熱収縮し難くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1600℃以下、1550℃以下、特に1500℃以下である。このようにすれば、溶融性が向上するため、ガラス板の生産性が向上する。
本発明のガラスにおいて、厚み(平板形状の場合、板厚)は、好ましくは1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、特に0.1mm以下である。板厚が小さい程、可撓性が高まり、意匠性に優れた有機EL照明を作製し易くなるが、板厚が極端に小さくなると、ガラスが破損し易くなる。よって、板厚は、好ましくは10μm以上、特に30μm以上である。
本発明のガラスは、平板形状を有することが好ましく、つまりガラス板であることが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスに適用し易くなる。平板形状を有する場合、少なくとも一方の表面に未研磨面を有すること(特に、少なくとも一方の表面の有効面全体が未研磨面であること)が好ましい。ガラスの理論強度は、非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラスの表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、ガラス板の表面を未研磨にすれば、本来の機械的強度を損ない難くなるため、ガラス板が破壊し難くなる。また、研磨工程を簡略化又は省略し得るため、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
本発明のガラス板は、平板形状を有する場合、少なくとも一方の表面を粗面化面としてもよい。粗面化面を有機EL照明等の空気と接する側に配置すれば、ガラス板の散乱効果に加えて、粗面化面の無反射構造により、有機EL層から出射した光が有機EL層内に戻り難くなり、結果として、光の取り出し効率を高めることができる。粗面化面の表面粗さRaは、好ましくは10Å以上、20Å以上、30Å以上、特に50Å以上である。粗面化面は、HFエッチング、サンドブラスト等で形成することができる。
また、リプレス等の熱加工により、ガラス板の表面に凹凸形状を形成してもよい。このようにすれば、ガラス表面に正確な無反射構造を形成することができる。凹凸形状は、ガラスの屈折率nを考慮しながら、その間隔と深さを調整すればよい。
また、大気圧プラズマプロセスにより粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、ガラス板の一方の表面の表面状態を維持した上で、他方の表面に対して、均一に粗面化処理を行うことができる。また、大気圧プラズマプロセスのソースとして、Fを含有するガス(例えば、SF、CF)を用いることが好ましい。このようにすれば、HF系ガスを含むプラズマが発生するため、粗面化面を効率良く形成することができる。
更に、ガラス板の成形時に、少なくとも一方の表面に粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、別途独立した粗面化処理が不要になり、粗面化処理の効率が向上する。その他にも、所定の凹凸形状を有する樹脂フィルムを平滑なガラス板の表面に貼り付けてもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜16)及び比較例(試料No.17)を示している。
まず表中に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチをガラス溶融炉に供給して1500℃で7時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出し、板状に成形した。最後に、得られたガラス板について、必要に応じて加工を行い、種々の特性を評価した。
密度ρは、周知のアルキメデス法で測定した値である。
歪点Psは、ASTM C336−71に記載の方法で測定した値である。なお、歪点Psが高い程、耐熱性が高くなる。
徐冷点Ta、軟化点Tsは ASTM C338−93に記載の方法で測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・s及び102.0dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、高温粘度が低い程、溶融性に優れる。
屈折率nは、25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、屈折率nが整合する浸液を浸透させた後、島津製作所製の屈折率測定器KPR−2000により測定したd線の値である。
以下のようにして、分相性を評価した。上記の通りに、溶融ガラスをカーボン板の上に流し出し、板状に成形した。その後、歪点から室温までを10時間かけて徐冷処理した。得られた試料を目視観察して、分相による白濁が認められたものを「○」、分相による白濁が認められず、透明であったものを「×」として評価した。
続いて、徐冷処理後の各試料を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、その試料表面を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−4300SE)により観察した。試料No.1〜17の観察結果を図1〜17にそれぞれ示す。図1〜17から分かるように、試料No.1〜16は分相構造を有しているのに対し、試料No.17は分相構造を有していなかった。なお、Bに富む相は塩酸溶液により溶出し、SiOに富む相は塩酸溶液に溶出しない。
更に、試料No.8、15について、上記の通りに溶融ガラスを板状に成形し、徐冷処理を行った後、試料表面を鏡面研磨した。次に、電子線マイクロアナライザ(島津製作所製EPMA―1720H)を用いて、各相の成分を調査した。その結果を図18〜23に示す。図18〜20は、試料No.8のSiシグナル、Bシグナル、Baシグナル、図21〜23は 試料No.15のSiシグナル、Bシグナル、Baシグナルをそれぞれ示している。図18〜23から分かるように、試料No.8、15の主要相(第一の相)では、BとBaの含有量が多く、またSiの含有量が少なかった。

Claims (8)

  1. 少なくとも第一の相と第二の相を含む分相構造を有するガラスであって、
    ガラス組成として、BaOを0.1〜60質量%含むことを特徴とするガラス。
  2. ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜70%、B 1〜50%、BaO 10〜60%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス。
  3. 第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス。
  4. 第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも少ないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス。
  5. 第一の相中のBaOの含有量が、第二の相中のBaOの含有量よりも多く、且つ第一の相が主要相であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス。
  6. 密度が2.4g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス。
  7. 有機ELデバイスに用いることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス。
  8. 有機EL照明に用いることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015186584A1 (ja) * 2014-06-02 2015-12-10 日本電気硝子株式会社 分相ガラス及び分相ガラスの製造方法並びに分相ガラスを用いた複合基板

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