以下、本発明の一実施例に係る遊技機であるぱちんこ遊技機について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
<ぱちんこ遊技機の正面構成及びゲーム性の概要>
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、同じく皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。下球皿16の下方に位置する下部前板18には複数のスピーカ19が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、扉14の陰に隠れた外レールと内レールにより区画された遊技領域52上に、アウト口58、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
また、遊技領域52の外における正面から見て左下の部位には、特別図柄等表示装置53が設置されており、この特別図柄等表示装置53には、図11に示すように、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71が設けられている。
図1及び図3に示すように、第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成(出力)する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成(出力)する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が二点鎖線で示すように拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
なお、第2始動入賞口63は第1始動入賞口62の下、すなわち第1始動入賞口62によって遊技球の入球が阻害される位置に設けられる。そのため、普通電動役物65が拡開しない間は、第2始動入賞口63への入球は第1始動入賞口62により阻害されることとなり、第2始動入賞口63は入球困難な状態が維持される。したがって、遊技において第2始動入賞口63への入球を狙うためには、普通電動役物65を拡開させる必要がある。なお、本実施例では、普通電動役物65が拡開された結果、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなっているが、第1遊技と第2遊技の結果得られる利益等に応じて適宜設定すればよく、普通電動役物65が拡開していない場合には一切入球しない構造、或いは第1始動入賞口62と同程度の開口巾を有するようにしても良い。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(図3のブロック図を参照)を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成(出力)する。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口に対して個々に有しても良いし、複数の一般入賞口72に入球した遊技球を一括して集合、検出しても良く、或いは各一般入賞口の配置位置(上下・左右)や設定される賞球個数(5個賞球と10個賞球)に応じて適宜グループ化して集合、検出しても良い。
図1に示すように、第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78(図3のブロック図を参照)と、第1大入賞口91を開閉させるための第1の開閉扉91a、及び第1の開閉扉91aを駆動する大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための第2の開閉扉92a、及び第2の開閉扉92aを駆動する大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第1大入賞口91は、第1特別図柄192(図11を参照)が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b,92bが各々設けられており、各装飾板には、遊技領域52を装飾するための文字や図形などが描かれている。この装飾板91b,92bには、第1の開閉扉91a、第2の開閉扉92a、第1大入賞口91、及び第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b,92bを不透明としてもよい。また、第1大入賞口91と第2大入賞口92は1の大入賞口(たとえば第1大入賞口91)のみを配置して共通的に利用しても良い。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に離れて第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている(図11を参照)。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば右下隅にドットが付加された7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号αおよび記号βで表される。
なお、記号αと記号βは、7セグメントLEDのセグメント組み合わせで表示できる点灯パターンであって、そのパターン自体が文字等の意味をもつ配置とはなっていないものを示す。そのようなパターンを本明細書では便宜上「記号」と称し、その種類を区別するために「記号α」「記号β」として表記する。ちなみに、図11における第2特別図柄の右側には、特別遊技における単位遊技の回数(所謂ラウンド数)を示すラウンド表示装置(図番省略)が2桁の7セグメントLEDとして設けられており、後述する第1又は第2特別遊技の発生に応じて両特別遊技のラウンド数を共用的に表示するようになっている。
図13(a),(b)に示すように、演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192や第2特別図柄193に連動する左の装飾図柄190a、中の装飾図柄190b、右の装飾図柄190cの変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190a〜190cは、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。さらに、装飾図柄190a〜190cは、図12に示すように、各々が第1図柄列Z1、第2図柄列Z2、第3図柄列Z3を構成するものであり、第1図柄列Z1、及び第3図柄列Z3は「1」〜「9」の9個の装飾図柄により構成され、第2図柄列Z2は「1」〜「9」、「A」の10個の装飾図柄により構成されている。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190a〜190cとして、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。
演出図柄表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。また、本実施例では、装飾図柄190a〜190cを、演出図柄表示装置60において、第1特別図柄192と第2特別図柄193とで共通で採用したものを例示しているが、個別に表示したり、装置自体を別個に設けてもよく、本実施例にように共用する場合にはいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示を演出図柄表示装置60の隅部に表示しても良い。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69(図3を参照)を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成(出力)する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レールと外レールに案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される(図13(a)を参照)。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190a〜190cの変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される(図13(b)を参照)。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190a〜190cは、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である15回繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である2回だけ繰り返される特別遊技とがある。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「15R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「2R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。なお、本実施例では、上記特別遊技の種類(単位遊技の実行回数、開放する大入賞口(特別遊技の全単位遊技に亘り第1大入賞口91・第2大入賞口92のいずれを開放させるか、或いは各単位遊技毎のいずれの大入賞口を開放させるか)、大入賞口の開放パターン等)は停止表示した特別図柄(第1特別図柄192、第2特別図柄193)に紐づいて決定されるように構成されているが、特別遊技の種類を別の抽選により決定しても良い。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。なお、小当たり遊技についても前述した特別遊技のように複数の小当たり種類を設け、開放する大入賞口や1単位遊技内の開放回数、開放パターンにバリエーションを持たせても良く、この種類の決定も特別遊技の種類を決定した際の手法と同様、小当りとなった特別図柄に基づき、或いは個別の抽選により行うことができる。また、種類として複数の態様のうち、小当たりであることが外観上判別しやすい開放パターン(2R大当たりであることが外観上判別しやする開放パターンの特別遊技)を一部に設けて遊技性を広げることもできる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。本実施例においては、確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。15R大当りの場合はその特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合があるが、2R大当りの場合はその特別遊技の終了後に必ず確変が開始される。ただし、変形例としては確変を伴わない2R大当りを併設してもよい。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
第1特別図柄192について小当りが発生した場合、その小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として限定変動パターンテーブルが参照される。このとき、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかに応じて異なる態様で第1特別図柄192の限定変動パターンテーブルが参照され、変動パターンが選択される。例えば第2特別図柄193がはずれ図柄αで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として10回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。また、第2特別図柄193がはずれ図柄βで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として20回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。これにより、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかによって異なる態様で特別な演出を実行することができるので、演出の設計の幅を広げることができる。なお、以下では状況に応じて、限定変動パターンテーブルを用いて行われる演出を限定変動パターン演出と称する。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は特別図柄等表示装置53に設けられており、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。多数の遊技効果ランプ(LED等、図示しない)がセンター飾り64の内部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。また、センター飾り64には、可動演出部材93,94が設けられており、これらが演出用のギミックを構成している。
また、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。
第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193いずれかの変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。この操作ボタン82は、図14に示すように、上球皿15の上部の外壁面に設けられており、上球皿15の左右方向の中央近傍に位置している。
操作ボタン82は、ボタン演出が実行された場合に遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、演出図柄表示装置60の表示領域194に操作ボタン82の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」等といった文字が表示され、遊技者がこれに従って操作ボタン82を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出が挙げられる。
通常時は操作ボタン82の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン82の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。なお、操作ボタン82に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン82を振動させる振動演出を行うことも可能である。
さらに、本実施例においては、操作ボタン82に演出モードの選択の機能も付加されており、操作ボタン82は演出モード選択ボタンとしても用いられる。すなわち、演出モードは、演出図柄表示装置60での表示演出の態様を区分するものであり、演出モードが異なる複数種類の表示態様が設定されている。演出モードは、操作ボタン82を1回押す毎に切り替わる。
本実施例のぱちんこ遊技機10には、図15(a),(b)及び図16に示すように、3つの演出モード(演出モード1〜3)が設定されている。演出モード1は、「海辺モード」とも称されるものであり、背景としては図15(a)に示すように、空201、雲202、海203、砂浜204、登場人物205,206等の構成要素が合成された動画像が表示される。なお、ぱちんこ遊技機10の電源を投入した直後の初期状態では、演出モード1が設定されており、演出モードの選択変更操作がなければ、演出モードは演出モード1の状態のままであり、装飾図柄等の変動表示は演出モード1で行われる。
演出モード2は、山岳モードとも称されるものであり、背景としては図15(b)に示すように、空211、山212、樹木213、岩214、登山道215、登場人物216,217等の構成要素が合成された動画像が表示される。また、演出モード3は、市街地モードとも称されるものであり、背景としては図16に示すように、空221、家並み222、道路223、登場人物224等の構成要素が合成された動画像が表示される。
なお、何れの演出モードについても共通であるが、演出図柄表示装置60の表示領域194の下部には、図13(a),(b)中に示すように、第1の遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2の遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。ちなみに、保留表示については第1の遊技、第2の遊技の保留数が増加すると、夫々の遊技者からみて左側(図13でも左側)を基準として順次表示が変化するようになっており、通常遊技時に多く入賞する第1始動口62側(第1の遊技)の保留表示を基準側(左側)に、通常時にほとんど入賞しない第2始動口63側(第2の遊技)の保留表示を右側に表示している。これは通常時の保留状態を遊技者が直感的に把握しやすくなることが期待できるためである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成及び電気的構成の概要>
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。図2に示すように前枠12の背面には、遊技球を誘導又は回収するための機構を備えたセット基盤39が取着されており、このセット基盤39の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット48、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板45が取り付けられている。また、遊技盤背面には、遊技全体を統括制御するメイン基板102、メイン基板102から受信される情報や独自に入力される情報に基づいて液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)等の各種演出装置の動作を制御するサブ基板104がセット基盤39の開口に対応するような位置に取り付けられている。
セット基盤39には、その上部に賞球を貯留する賞球タンク44、賞球タンク44に貯留された遊技球を整流案内する賞球通路、賞球通路と連絡し賞球タンク44内に貯留された球を1球単位で下方に流下排出可能な払出ユニット43、払出ユニット43から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿15又は下球皿16)に案内する賞球排出通路が図2のように遊技盤の上方から背面視右側部に亘って逆L字状に形成・配置されるとともに、遊技盤の背面中央に対応する位置に適宜広さの開口部が設けられている。
電源ユニット48は図2のように遊技機の背面視左下に設けられており、遊技機外部から供給される交流電源を遊技機全体(メイン基板102、サブ基板104を含む制御装置や液晶ユニット42等の演出装置など)で使用する各種の電圧に変換・生成して供給するものである。電源ユニット48の右側には、電源ユニット48から遊技機各部へ供給する電源を遮断するために傾倒スイッチで構成される電源スイッチ40が遊技球が直撃落下してもオフにならないように下側に傾倒したとき(スイッチの中央より下を押したとき)にオンとなるように設けられている。
払出制御基板45は、図2のように遊技機の背面視右下に設けられており、主に、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット43を制御する払出制御機能と、発射ハンドル17の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するように発射装置を制御する発射制御機能とを備えたものであり、CPU・ROM・RWM(リードライトメモリ、以下略。)を中心に適宜入出力回路等を備えている。
メイン基板102は、図2のように遊技盤の背面視中央下部に設けられており、主に、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したことに基づく抽選処理等、遊技機の出玉に関する処理や、サブ基板、払出制御基板等に対する制御指令、遊技状態情報等を出力する処理など、遊技機全体の中心的な制御機能を備えたものであり、前述の払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。
サブ基板104は、図2のように遊技盤の背面視中央上部に、液晶ユニット42と一体的に設けられており、主に、液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)における表示内容を制御する機能を備えたものであり、先のメイン基板102、払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。なお、サブ基板104は画像を制御する機能を有する関係上、サブ基板用の主CPUに加え、画像用のVDP、VDPを制御する画像制御専用のCPUも搭載している。
そして、これらのメイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。なお、メイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104の詳細ついては後述する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能ブロック及び機能の概要>
図3は、第一実施例のぱちんこ遊技機10における遊技制御装置100と、遊技制御装置100に対する入出力機器とを機能ブロックにより示している。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ19、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。なお、実際には遊技制御装置100の機能の一部として存在する払出制御基板45及び、この払出制御基板45により制御される部分の機能については一般的なものと差がないため、図3での記載及び説明は割愛し、必要な部分については、適宜説明する。
また、本実施例においてブロック図中のブロックとして説明されている構成(特に各種の機能的手段や機能的部分)については、CPUやROM、RWMによって実現されている機能に該当するものが含まれている。
本実施例におけるメイン基板102は、図5に示すように、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段330、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、図6に示すように、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。本実施例では、第1当否抽選値及び第2当否抽選値として取得する乱数は、ハードウエアで構成された1の生成装置を共用したハードウエア乱数とソフトウエアの乱数生成プログラム(割込毎に更新するカウンタ等)により抽出したソフトウエア乱数とを演算(加算)した2段構成の乱数発生手段により生成されている。ちなみに、取得タイミングが全く同一であれば第1始動口の入球に基づくハードウエア乱数の値と第2始動口の入球に基づくハードウエア乱数の値とは同一の値が取得されるため一方の乱数取得系のみが故障して想定外の遊技確率とならないように設計されている。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
図7は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、はずれの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。また、本実施例では当否判定テーブルと当否抽選値との比較を行ったが、判定テーブルではなく、当選値そのものと抽選値とを比較する手法や設定値との演算により当否の判定を行う手法を採用しても良い。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆるはずれとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「はずれ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「はずれ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図8は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図8(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図8(b)は当否判定結果がはずれであった場合に参照するテーブルであり、図8(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および文字以外の記号α、記号βで表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、はずれの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、記号α、記号βがはずれに対応する。
図8(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図8(b)に示す通り、記号αは図柄抽選値の範囲「0〜122」に対応付けられ、記号βは図柄抽選値の範囲「123〜255」に対応付けられる。
図8(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターン選択基準として複数の変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。複数の変動パターンテーブルは、変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ変動時間の選択傾向が異なるように定められている。
複数の変動パターンテーブルには、他の変動パターンテーブルとは演出内容の傾向が異なる選択基準である限定変動パターンテーブルが含まれる。限定変動パターンテーブルは、第1図柄決定手段320により決定された第1特別図柄192が小当りに該当した場合に、その小当り遊技終了後の限定的な期間において参照される。
図9は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果がはずれのときは図9(a)に示されるはずれ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図9(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図9(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図9(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果がはずれの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、はずれ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、はずれ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図10において説明する。
図9(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図9(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92を2R大当りと同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1図柄決定手段320または第2図柄決定手段322により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動演出パターンとして複数の変動演出パターンデータを保持する。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190a〜190cの停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190a〜190cとして揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190a〜190cが「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きのはずれを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190a〜190cの停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様またははずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずにはずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ19からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190a〜190cとして演出図柄表示装置60の表示領域194に変動表示させる。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190a〜190cの変動表示を含む図柄変動演出を演出図柄表示装置60に表示させる。
図10は、はずれ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210aにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212aには、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaに、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaが保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、はずれのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaにはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212aでは、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214aaでは、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216aでは「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218aaにて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなしはずれ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
演出決定手段132は、第1始動入賞口62への入球に対応する入賞情報と事前判定結果とを第1抽選手段126から受け付けると、その事前判定結果の内容に応じて前兆設定をして、表示させるべき予告演出パターンを決定する。同様に、第2始動入賞口63への入球に対応する入賞情報と事前判定結果とを第2抽選手段128から受け付けると、その事前判定結果の内容に応じて前兆設定をして、表示させるべき予告演出パターンを決定する。前兆設定がなされた場合、演出表示制御手段134は、その前兆設定の契機となった入球に対応する図柄変動の実行前、例えば他の入球に対応する図柄変動において、予告演出パターンに応じた予告演出を表示させる。以下、事前判定結果に応じて設定される予告演出を「先読み演出」とも呼ぶこととする。
また演出決定手段132は、入賞情報に設定された第1保留手段144における保留数(以下、「第1の保留数」とも呼ぶ。)と第2保留手段146における保留数(以下、「第2の保留数」とも呼ぶ。)、および、図柄変動の実行状況(すなわち保留の消化状況)に応じて、現在時点での第1の保留数および第2の保留数を特定する。演出表示制御手段134は、演出決定手段132において特定された第1の保留数および第2の保留数を、演出図柄表示装置60の第1保留数表示部196および第2保留数表示部197に表示させる。また、演出決定手段132において保留数が新たに特定されると、第1保留数表示部196および第2保留数表示部197の表示を逐次更新する。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成の詳細>
次に、前述の電気的構成(図2,図3参照)の細部について、図4及び図5に基づき説明する。先ず、図4に示すように、ぱちんこ遊技機10には、電源基板251、払出制御基板45、メイン基板102、及びサブ基板104が備えられている。電源基板251には、上記払出制御基板45等が接続されている。払出制御基板45には、上記メイン基板102、遊技球等貸出装置接続端子板252、及びハンドル接続基板253等が接続されており、メイン基板102には、遊技盤接続基板254や、演出インターフェースA基板255等が接続されている。そして、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256が接続されている。
ここで、電源基板251は、前述の電源ユニット48に備えられており、遊技球等貸出装置接続端子板252は、球貨操作に用いられる球貨操作基板(図示略)等が接続される。ハンドル接続基板253には、発射装置のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続され、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256のほか、前述の通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1大入賞口91の入賞検出装置78や大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口92の入賞検出装置79や大入賞口ソレノイド81、一般入賞検出装置73,磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。また、図柄表示基板256は、前述の特別図柄等表示装置53に備えられているものであり、図柄表示基板256には、第1特別図柄表示装置70や第2特別図柄表示装置71が設けられている。
前述の演出インターフェースA基板255は、メイン基板102と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースA基板255には、サブ基板104や、演出インターフェースB基板257が接続されている。また、サブ基板104には、前述の液晶ユニット42が接続されている。
演出インターフェースB基板257は、演出インターフェースA基板255やサブ基板104と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースB基板257には、プラ枠接続基板258のほか、図示を省略するが、各種の枠電飾基板、各種の枠モータ、センター飾り64の各種電飾基板、可動演出部材93,94の各種の可動体モータ等が接続されている。ここで、枠モータは、遊技機枠に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
プラ枠接続基板258には、上球皿15や下球皿16に設けられた皿電飾接続基板259、各種スピーカ19に接続される各種スピーカ接続基板のうちのえ260が接続されており、皿電飾接続基板259には、演出ボタン基板261が接続されている。演出ボタン基板261は、操作ボタン82が備えられたボタン装置に設けられているもので、操作ボタンが押圧操作されたことを検出するスイッチ(図示略)や、後述する操作ボタン用発光体82a(図14参照)等を搭載している。
次に、電源基板251やメイン基板102等の構成について説明する。図5に示すように、メイン基板102には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路(図示略)が内蔵されている。なお、ROM502としては、内蔵されたものと外付けされたものを併用してもよい。
RWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(電源断発生時処理(図35参照、後述する))によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図17参照、後述する)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)504には、停電等の発生による電源遮断時に、電源基板251の停電監視回路542(後述する)からの停電信号が入力されるように構成されており、その停電信号がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御基板45において、演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRWM513とを備えている。
払出制御装置311のRWM513は、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、メイン基板102のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号が入力されるように構成されており、その停電信号がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
サブ基板104は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRWM523と、ビデオRWM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン(図示略)とを備えている。入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、画像コントローラ526、出力ポート528が接続されている。
サブ基板104のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて演出図柄表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRWM524は、演出図柄表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWM524の内容を書き替えることにより、演出図柄表示装置60の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出図柄表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRWM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRWM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出図柄表示装置60に表示させるものである。
電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、初期化スイッチ544を有するRWM初期化スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板45等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RWMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧をメイン基板102や払出制御基板45等に対して供給する。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501のNMI端子504、及び払出制御基板45のNMI端子514へ停電信号を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が例えば22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号をメイン基板102及び払出制御基板45へ出力する。停電信号の出力によって、メイン基板102及び払出制御基板45は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分は時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、メイン基板102及び払出制御基板45は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RWM初期化スイッチ回路543は、例えば遊技場店員等によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板45へ、バックアップデータをクリアするためのRWM消去信号を出力する回路である。メイン基板102及び払出制御基板45は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、RWM消去信号を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
<ぱちんこ遊技機の制御処理の概要>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10の基本仕様に係る制御処理について、図17〜図35に基づいて説明する。ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要動作は、主制御基板(ここではメイン基板102を指す)により主体的に実行され、図17に示す電源投入時処理、図18に示す遊技開始処理、図19及び図20に示す普通図柄遊技処理、図21に示す普通電動役物遊技処理、図22〜図25に示す特別図柄1遊技処理、図26〜図29に示す特別図柄2遊技処理、図30及び図31に示す特別電動役物1遊技(条件装置作動時)処理、図32に示す特別電動役物1遊技(条件装置未作動時)処理、図33及び図34に示す特別電動役物2遊技(条件装置作動時)処理、及び図35に示す電源断発生時処理により構成されている。これらのうち、遊技開始処理(図18)、普通図柄遊技処理(図19及び図20)、普通電動役物遊技処理(図21)、特別図柄1遊技処理(図22〜図25)、特別図柄2遊技処理(図26〜図29)、特別電動役物1遊技(条件装置作動時)処理(図30及び図31)、特別電動役物1遊技(条件装置未作動時)処理(図32)、特別電動役物2遊技(条件装置作動時)処理(図33及び図34)は、メイン処理に対して行われるタイマ割込み中に実行されるものである。
ここで、特別図柄1は第1特別図柄192、特別図柄2は第2特別図柄193をそれぞれ指している。また、特別電動役物1、特別電動役物2は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなる概念上の制御機器を意味している。また、以下に説明する、条件装置、役物連続作動装置といった用語も同様に概念上の機器を意味しており、条件装置は、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球が検出された場合に作動するものであり、役物連続作動装置は、特別電動役物1、特別電動役物2を連続して複数回作動させることができるものである。
<<電源投入時処理>>
これらのうち、図17に示す電源投入時処理においては、電源投入によりCPUのセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートする。そして、電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(ステップ(以下、「S」と表記する)301)、割込みモードの設定(S302)、及びRWM(図4中の符号503)へのアクセス許可の設定(S303)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S304)。さらに、RWMクリアスイッチ(初期化スイッチ544を指す)が押されたか(オンされたか)否かが判定され(S305)、押されていれば(S305:YES)、後述する初期化時の処理(S316〜S320)の処理が行われる。ここで、RWMクリアスイッチ(544)が押されたか否かの情報の読み込みはこのとき1回だけ行われ、以降は読み込みが行われない。
上記初期化時の処理(S316〜S320)においては、RWMの全領域(7E00H〜7FFFH)が0クリア(S316)され、RWMに電源投入正常の情報が保存され(S317)、RWMの初期化設定(S318)が実行されて、RWMに通常遊技中の初期値が設定される。さらに、タイマ割込みが起動され(S319)、割込み許可が設定されて(S320)、制御処理が、前述の遊技開始の処理(図18参照)に移る。
一方、S305において、RWMクリアスイッチ(544)が押されていなければ(S305:NO)、RWMに電源断正常の情報が保存されているか否かが判定され(S306)、保存されていない場合(S306:NO)には、前述の初期化時の処理(S316〜S320)が実行される。電源断正常の情報は、電源がオフする電源断(電断)が生じた場合に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。そして、電源断正常の情報が保存されている場合(S306:YES)には、RWMのチェックサムが算出され(S307)、チェックサムが正常か否かが判定される(S308)。このS308において、チェックサムが正常とならなかった場合、即ち0以外の場合には、前述のRWMの初期化時の処理(S216〜S320)が実行され、チェックサムが正常となった場合(S308:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S309〜S315)が行われる。
電源断復帰時の処理(S309〜S315)においては、先ず、電源断時のスタックポインタの復帰が行われ(S309)、ソレノイドを電源断前の状態に復帰させるための設定が行われる(S310)。さらに、RWMに、電源投入正常の情報が保存され(S311)、タイマ割込みが起動される(S312)。そして、全レジスタの復帰が行われ(S313)、電源断前に割込み許可の状態にあったか否かが判定され(S314)、割り込み許可の状態になかった場合(S314:NO)には、制御処理が電源断前の番地へ移る。また、電源断前に割込み許可の状態にあった場合(S314:YES)には、割込み許可が設定(S315)された後に、制御処理が電源断前の番地へ移る。
<<遊技開始処理>>
図18に示す遊技開始処理においては、主制御基板(102)に接続されている各種スイッチのうち、RWMクリアスイッチ(544)以外のスイッチの情報が読み込まれる(S321)。さらに、各々のスイッチの状態が判定され、各々のスイッチを介して得られた検出情報が保存される(S322)。そして、各種乱数の更新が行なわれ(S323)、後述する賞球の制御処理(S324〜S335)が実行される。
賞球の制御処理(S324〜S335)においては、先ず、各入賞口がチェックされ(S34)、遊技球が入賞口へ入賞した場合には(S324:YES)、入賞のあった入賞口に係る入賞検出情報が保存される(S325)。また、S324において、遊技球が入賞口へ入賞していない場合には(S324:NO)、S325がスキップされる。
また、この遊技開始処理においては、受け皿満タンスイッチ(図示略)の監視が行われており、上球皿15及び下球皿16が満タン状態にあるか否かを示す情報である、受け皿満タン状態の情報が保存される(S326)。
次に、払出制御基板45が払い出し中か否かが判定され(S327)、払出制御基板45が払い出し中でない場合(S327:NO)、かつ、保存している入賞球検出情報がある場合(S328:YES)は、獲得遊技球数に対応した賞球払い出し個数の情報、及び受け皿満タン状態の情報が、シリアル通信により送信される(S329)。それ以外の場合は、受け皿満タン状態の情報がシリアル通信により送信される(S330)。
払出制御基板45から払い出し状態の情報がシリアル通信により受信された場合(S331:YES)、払い出し状態が保存される(S332)。
特定の異常(エラー)である以下の何れかの異常、即ち、磁気センサ異常、断線短絡電源異常、乱数更新異常、又は払出制御基板との通信線異常が検出された場合(S333:YES)、発射禁止の信号が出力され(S335)、制御処理が、図19及び図20に示す普通図柄遊技処理に移る。これらの異常が検出されなかった場合(S333:NO)には、発射許可の信号が出力され(S334)、上記普通図柄遊技処理に移る。
<<普通図柄遊技処理>>
図19及び図20に示す普通図柄遊技処理においては、遊技球が普通図柄作動ゲートを通過し(S341:YES)、かつ、普通図柄表示装置の作動保留球数が4未満(S342:YES)の場合は、普通図柄の作動に係る乱数を記憶する(S343)。
普通図柄が変動の場合(S344:YES)は変動中の処理を行い(S355以降)、停止図柄表示中(S345:YES)の場合は、停止図柄表示中の処理を行う(S358以降)。普通電動役物作動中の場合は(S346:YES)、図21に示す普通電動役物遊技処理へ移る。
普通図柄表示装置の作動保留球数が0の場合は(S347:YES)、図22〜図25に示す特別図柄1遊技へ移る。普通図柄表示装置の作動保留球数が0以外の場合は(S347:NO)、普通図柄表示装置の確率変動機能の作動状態に応じた抽選が行われる(S348〜S350)。すなわち、普通図柄表示装置の確率変動機能が作動中であれば(S348:YES)、確率変動機能作動時の抽選が行われ(S349)、確率変動機能が作動中でなければ(S348:NO)、確率変動機能未作動時の抽選が行われる(S350)。
普通図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動状態に応じた普通図柄の変動時間を設定する(S351〜S353)。すなわち、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動中であれば(S351:YES)、変動時間短縮機能作動時の普通図柄変動時間が設定され(S352)、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動中でなければ(S351:NO)、変動時間短縮機能未作動時の普通図柄変動時間が設定される(S353)。そして、普通図柄の変動を開始し(S354)、上記特別図柄1遊技へ移る。
次に、普通図柄の変動中の処理について説明する。普通図柄の変動中の処理においては、普通図柄変動時間が経過したか否かが判定され(S355)、経過していない場合は(S355:NO)、上記特別図柄1遊技へ移る。普通図柄を停止させて(S356)、普通図柄の停止図柄表示時間を設定し(S357)、停止図柄表示中の処理(S358以降)を行う。
停止図柄表示中の処理においては、普通図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かが判定され(S358)、経過していない場合は(S358:NO)、上記特別図柄1遊技へ移る。普通図柄の停止図柄表示時間が経過した場合は(S358:YES)、停止した普通図柄が普通電動役物を作動させることとなる図柄の組み合わせであるか否かが判定され(S359)、普通電動役物を作動させることとなる図柄の組み合わせでない場合は(S359:NO)、上記特別図柄1遊技へ移る。普通電動役物を作動させることとなる図柄の組み合わせである場合は(S359:YES)、普通電動役物の開放延長機能の作動であるか否かが判定され(S360)、普通電動役物の開放延長機能の作動状態に応じた普通電動役物の作動時間を設定する(S361,362)。そして、普通電動役物の作動を開始し(S363)、上記普通電動役物遊技へ移る。
<<普通電動役物遊技処理>>
図21に示す普通電動役物遊技処理においては、遊技球が下始動口(普通電動役物に係る入賞口)へ最大入賞数入賞したか否かの判定(S371)、及び普通電動役物の作動時間が経過した否かの判定(S372)が行われ、最大入賞数入賞した場合(SS371:YES)又は作動時間が経過した場合(S372:YES)は、普通電動役物の作動を停止し(S373)、上記特別図柄1遊技へ移る。どちらでもない場合は(SS371:NO、又はS372:NO)、そのまま上記特別図柄1遊技へ移る。
<<特別図柄1遊技処理>>
図22〜図25に示す特別図柄1遊技処理においては、遊技球が上始動口へ入賞し(S381:YES)、かつ特別図柄表示装置1(第1特別図柄表示装置70を指す。以下略。)の作動保留球数が4未満の場合は(S382:YES)、特別図柄1の作動に係る乱数(S383)及び特別図柄1の作動順序(S384)を記憶する。役物連続作動装置作動中の場合は(S385:YES)、図26〜図29に示す特別図柄2遊技へ移る。
小当り中か否かが判定され(S386)、小当り中の場合は(S386:YES)、上記特別図柄2遊技へ移る。小当り中でない場合(S386:NO)、特別図柄1の状態が変動中であるか否かが判定され(S387)、変動中の場合は(S387:YES)、変動中の処理(S407以降)を行い、停止図柄表示中の場合は(S387:NO)、停止図柄表示中の処理(S410以降)を行う。
特別図柄1の状態が変動中でも停止図柄表示中でもなければ(S387:NO、かつS388:NO)、特別図柄2の状態が変動中又は停止図柄表示中の場合は(S389:YES)、上記特別図柄2遊技へ移る。特別図柄2の状態が変動中でも停止図柄表示中でもなければ(S389:NO)、乱数更新異常があったか否かが判定され(S390)、乱数更新異常の場合は(S390:YES)、上記特別図柄2遊技へ移る。特別図柄1が作動する順番であるか否かが判定され(S391)、特別図柄1が作動する順番でない場合は(S391:NO)、上記特別図柄2遊技へ移る。
特別図柄1が作動する順番であれば(S391:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動状態に応じた当り抽選を行う(S392〜S394)。すなわち、特別図柄表示装置の確率変動機能が作動中であれば(S392:YES)、確率変動機能の作動時の当り抽選が実行され(S393)、特別図柄表示装置の確率変動機能が作動中でなければ(S392:NO)、確率変動機能の未作動時の当り抽選が実行される(S394)。
当り抽選の結果、大当りに当選の場合(S395:YES)、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せの設定を行った後(S396)、決定した特別図柄に対応した高確率変動判定(S397)及び役物連続作動装置の作動中に作動させる特別電動役物の設定(S398)、決定した特別図柄及び遊技状態に対応した変動時間短縮回数情報の設定(S399)を行う。当り抽選の結果、小当り当選の場合(S400:YES)、条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せの設定を行い(S401)、非当選の場合(S400:NO)、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ以外及び条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せ以外の設定を行う(S402)。
次に、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動状態に応じた特別図柄1の変動時間を設定する(S403〜S405)。すなわち、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動中であれば(S403:YES)、変動時間短縮機能の作動時の特別図柄1変動時間の設定を行い(S404)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動中でなければ(S403:NO)、変動時間短縮機能の未作動時の特別図柄1変動時間の設定を行う(S405)。続いて、特別図柄1の変動を開始し(S406)、特別図柄2遊技へ移る。
次に、特別図柄1の変動中の処理について説明する。図24中に示すように、特別図柄1の変動時間が経過していない場合は(S407:NO)、特別図柄2遊技へ移る。特別図柄1の変動時間が経過した場合は(S407:YES)、特別図柄1の変動を停止させて(S408)、特別図柄1の停止図柄表示時間を設定し(S409)、停止図柄表示中の処理を行う(S410以降)。
停止図柄表示中の処理においては、特別図柄1の停止図柄表示時間が経過していない場合は(S410:NO)、特別図柄2遊技へ移る。さらに、停止した特別図柄1が条件装置を作動させることとなる図柄の組合せか否かが判定され、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せでない場合(S411:NO)は、図25に示す処理(S421以降)へ移る。一方、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せである場合(S411:YES)は、条件装置の作動を開始する(S412)。
続いて、役物連続作動装置の作動を開始する(S413)。特別図柄表示装置の確率変動機能が作動している場合は(S414:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動を停止する(S415)。さらに、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動しているか否かが判定され、作動している場合は(S416:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を停止し(S417〜S420)、特別図柄2遊技へ移る。特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動していない場合は(S416:NO)、特別図柄2遊技へ移る。
前述のS411において、停止した特別図柄1が条件装置を作動させることとなる図柄の組合せでないと判定された場合は(S411:NO)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動しているか否かが判定され(S421)、作動中でない場合は(S421:NO)、特別図柄2遊技へ移る。さらに、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が、条件装置が作動するまで作動するか否かが判定され(S422)、作動する場合(S422:YES)は、特別図柄2遊技へ移る。
特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が、条件装置が作動するまで作動しない場合は(S422:NO)、特別図柄が予め定められた回数変動するか否かが判定され(S423)、予め定められた回数変動した場合(S423:YES)は、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を停止し(S424〜S427)、特別図柄2遊技へ移る。また、特別図柄が予め定められた回数変動していない場合には(S423:NO)、特別図柄2遊技へ移る。
<<特別図柄2遊技処理>>
図26〜図29に示す特別図柄2遊技処理においては、下始動口有効期間中(普通電動役物の作動開始から作動終了後一定時間経過までの間)に遊技球が下始動口へ入賞し(S431:YES)、かつ、特別図柄表示装置2(第2特別図柄表示装置を指す。以下略。)の作動保留球数が4未満の場合は(S432:YES)、特別図柄2の作動に係る乱数及び特別図柄2の作動順序を記憶する(S433,S434)。
さらに、役物連続作動装置作動中の場合は(S435:YES)、作動させる特別電動役物が特別電動役物1の場合(S436:YES)、特別電動役物1遊技(条件装置作動時)へ移り、作動させる特別電動役物が特別電動役物2の場合(S435:NO)、特別電動役物2遊技(条件装置作動時)へ移る。
前述のS435において、役物連続作動装置が作動中でなかった場合は(S435:NO)、小当り中か否かが判定され(S437)、小当り中の場合は(S437:YES)、特別電動役物1遊技(条件装置未作動時)へ移る。一方、小当り中でない場合は(S437:NO)、特別図柄2の状態が変動中か否かが判定され(S438)、変動中の場合は(S438:YES)、変動中の処理を行い(S458以降)、変動中でない場合は(S438:NO)は、停止図柄表示中であるか否かの判定を行う(S439)。そして、停止図柄表示中の場合は(S439:YES)、停止図柄表示中の処理(S461以降)を行う。
特別図柄2の状態が停止図柄表示中でない場合は(S439:NO)、特別図柄1の状態が変動中又は停止図柄表示中であるか否かが判定され(S440)、該当する場合は(S440:YES)、遊技開始処理へ移る。さらに、S440でNOと判定された場合は、乱数更新異常があるか否かが判定され(S441)、乱数更新異常の場合は(S441:YES)、遊技開始処理へ移る。
乱数更新異常でない場合は(S441:NO)、特別図柄2が作動する順番であるか否かが判定され(S442)、特別図柄2が作動する順番でない場合(S442:NO)は(S442:NO)、遊技開始処理へ移る。一方、特別図柄2が作動する順番である場合は(S442:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動状態に応じた当り抽選を行う(S444又はS445)。
これらの当り抽選(S444又はS445)の結果、大当りに当選の場合(S446:YES)、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せの設定を行った後(S447)、決定した特別図柄に対応した高確率変動判定及び役物連続作動装置の作動中に作動させる特別電動役物の設定、決定した特別図柄及び遊技状態に対応した変動時間短縮回数情報の設定を行う(S448〜S450)。
前述の当り抽選(S444又はS445)の結果、小当り当選の場合(S451:YES)、条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せの設定を行い(S452)、非当選の場合(S451:NO)、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ以外、及び条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せ以外の設定を行う(S453)。
続いて、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動中であるか否かが判定され(S455)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動状態に応じた特別図柄2の変動時間を設定する(S455又はS456)。そして、特別図柄2の変動を開始し(S457)、遊技開始処理へ移る。
変動中の処理(S458以降)においては、特別図柄2の変動時間が経過したか否かが判定され(S458)、特別図柄2の変動時間が経過していない場合は(S458:NO)、遊技開始処理へ移る。特別図柄2の変動時間が経過している場合は(S458:YES)、特別図柄2の変動を停止させて(S459)、特別図柄2の停止図柄表示時間を設定し(S460)、停止図柄表示中の処理(S461以降)を行う。
停止図柄表示中の処理(S461以降)においては、特別図柄2の停止図柄表示時間が経過していない場合は(S461:NO)、遊技開始処理へ移る。また、特別図柄2の停止図柄表示時間が経過している場合は(S461:YES)、停止した特別図柄2が条件装置を作動させることとなる図柄の組合せであるか否かが判定され、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せでない場合は(S462:NO)、S472の特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の状態に応じた処理へ移る。
一方、条件装置を作動させることとなる図柄の組合せであった場合は(S462:YES)、条件装置の作動を開始し(S463)、役物連続作動装置の作動を開始する(S464)。さらに、特別図柄表示装置の確率変動機能が作動していない場合は(S465:NO)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動しているか否かの判定を行い(S467)、作動している場合は(S465:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動を停止(S466)してからS467の処理を実行する。
特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動している場合は(S467:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を停止し(S468〜S471)、遊技開始処理へ移る。特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動していない場合は(S467:NO)、遊技開始処理へ移る。
前述のS472の処理においては、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動しているか否かが判定され、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動していない場合には(S472:NO)、停止した図柄の組合せが条件装置を作動させることとなるものか否かの判定を行う処理(S479)へ移る。一方、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が作動している場合には(S472:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能が、条件装置が作動するまで作動するか否かが判定され(S473)、条件装置が作動するまで作動する場合は、前述のS479へ移る。
条件装置が作動するまで作動するものでない場合(S473:NO)は、特別図柄が予め定められた回数変動したか否かが判定され(S474)、予め定められた回数変動していない場合には、前述のS479へ移る。また、予め定められた回数変動した場合は(S474:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を停止してから(S475〜S478)、前述のS479へ移る。
そして、前述のS479において、停止した特別図柄が条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物を作動させることとなる図柄の組み合せの場合は(S:479:YES)、特別電動役物1遊技(条件装置未作動時)へ移り、そうでない場合は(S:479:NO)、遊技開始処理へ移る。
<<特別電動役物1遊技(条件装置作動時)処理>>
図30及び図31に示す特別電動役物1遊技(条件装置作動時)処理においては、特別電動役物1が作動していない場合(S481:NO)、かつ、特別電動役物1の作動開始時間となった場合は(S482:YES)、特別電動役物1の作動を開始し(S483)、下大入賞口を開放し(S484)、下大入賞口開放中の処理(S485以降)を行う。前述のS481において特別電動役物1が作動していない場合(S481:NO)、かつ、特別電動役物1の作動開始時間となっていない場合は(S482:NO)、遊技開始処理へ移る。
遊技球が下大入賞口へ最大入賞数入賞した場合(S485:YES)又は下大入賞口の最大開放時間を経過した場合(S486:YES)は、下大入賞口閉鎖の処理(S487以降)を行う。どちらでもない場合(S485:NO、かつS486:NO)、遊技開始処理へ移る。
下大入賞口閉鎖の処理(S487以降)においては、下大入賞口を閉鎖し(S487)、特別電動役物1の作動を停止する(S488)。さらに、特別電動役物1の連続作動回数が予め定められた回数に達したか否かが判定され(S489)、達していた場合は(S489:YES)、役物作動の終了の処理(S491以降)を行う。また、達していない場合には(S489:NO)、下大入賞口の開放回数を更新し(S490)、遊技開始処理へ移る。
役物作動の終了の処理(S491以降)においては、役物連続作動装置の作動を停止し(S491)、条件装置の作動を停止し(S492)、変動時間短縮回数情報に対応した特別図柄表示装置の変動時間短縮回数を設定する(S493)。さらに、条件装置の作動が特定図柄による作動であった場合には(S494:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動を開始する(S495)。
続いて、変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能未作動データでなかった場合は(S496:NO)、遊技開始処理へ移る。また、変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データであった場合は(S496:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を開始してから(S497〜S500)、遊技開始処理へ移る。
<<特別電動役物1遊技(条件装置作動時)処理>>
図32に示す特別電動役物1遊技(条件装置未作動時)処理においては、特別電動役物1が作動中である場合は(S501:YES)、特別電動役物1作動中の処理を行う(S503以降)。特別電動役物1が作動していない場合は(S501:NO)、特別電動役物1の作動を開始し(S502)てから、特別電動役物1作動中の処理を行う。
特別電動役物1作動中の処理(S503以降)においては、遊技球が下大入賞口へ最大入賞数入賞した場合(S503:YES)、又は特別電動役物1の作動時間が経過した場合は(S504:YES)、特別電動役物1の作動を停止し(S505)、遊技開始処理へ移る。どちらでもない場合は(S503:NO、かつS504:NO)、遊技開始処理へ移る。
<<特別電動役物2遊技(条件装置作動時)処理>>
図33及び図34に示す特別電動役物2遊技(条件装置作動時)処理においては、特別電動役物2が作動していない場合(S511:NO)、かつ、特別電動役物2の作動開始時間となった場合は(S512:YES)、特別電動役物2の作動を開始し(S513)、右大入賞口を開放し(S514)、右大入賞口開放中の処理(S515以降)を行う。特別電動役物2が作動していない場合(S511:NO)、かつ、特別電動役物の作動開始時間となっていない場合は(S512:NO)、遊技開始処理へ移る。
前述の右入賞口開放中の処理(S515以降)においては、遊技球が右大入賞口へ最大入賞数入賞した場合(S515:YES)、又は右大入賞口の最大開放時間を経過した場合は(S516:YES)、右大入賞口閉鎖の処理を行う(S517以降)。どちらでもない場合は(S515:NO、かつS516:NO)、遊技開始処理へ移る。
前述の右大入賞口閉鎖の処理(S517以降)においては、右大入賞口を閉鎖し(S517)、特別電動役物2の作動を停止する(S518)。特別電動役物2の連続作動回数が予め定められた回数に達していた場合は(S519:YES)、役物作動の終了の処理(S512以降)を行う。特別電動役物2の連続作動回数が予め定められた回数に達していない場合は(S519:NO)、右大入賞口の開放回数を更新し(S520)、遊技開始処理へ移る。
前述の役物作動の終了の処理(S512以降)においては、役物連続作動装置の作動を停止し(S521)、条件装置の作動を停止し(S522)、変動時間短縮回数情報に対応した特別図柄表示装置の変動時間短縮回数を設定する(S523)。さらに、条件装置の作動が特定図柄による作動であった場合には(S524:YES)、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動を開始する(S525)。
続いて、変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データであるか否かが判定され(S526)、変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データであった場合は(S526:YES)、特別図柄表示装置の変動時間短縮機能、普通図柄表示装置の確率変動機能、普通図柄表示装置の変動時間短縮機能及び普通電動役物の開放延長機能の作動を開始し(S527〜S530)、遊技開始処理へ移る。変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能未作動データであった場合は(S526:NO)、遊技開始処理へ移る。
<<電源断発生時処理>>
図35に示す電源断発生時処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S531)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S532)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S533)、保存されていない場合には(S533:NO)、電源断以上の情報をRWMに保存し(S534)、RWMアクセス禁止の処理(S538)へ移る。一方、保存されている場合には(S533:YES)、スタックポインタの値を保存し(S535)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S536)、RWMのチェックサムを算出し、保存する(S537)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S538)、CPUのリセットを待つ。
<プログラム基本仕様>
以上は、ぱちんこ遊技機10の制御処理について、前述の装飾図柄の制御以外の部分を含めたより詳細な内容を説明したものであるが、このような制御プログラムを備えたぱちんこ遊技機10の基本的な仕様を次に抜粋して説明する。なお、ここで説明するのは、RWMの初期化処理と、電源投入時及び電源断時の処理とである。
<<RWMの初期化処理>>
電源投入時でRWMクリアスイッチ(544)が押されているとき、RWMクリアスイッチ(544)がオンとなり、RWMの初期化が行われる。電源投入時で、電源断正常の情報が設定されていないとき、電源断からの復帰ではない又は電源断が正常に行われていないと判断し、RWMの初期化が行われる。電源投入時でRWMの情報が壊れていたとき、電源断時に保護したRWMの内容のチェックサムが0以外の場合は、RWMの内容が壊れていると判断し、RWMの初期化が行われる。なお、本実施例では、RWMの全領域(7E00H〜7FFFH)が0クリアされるが、これに限定されず、特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
<<電源投入時及び電源断時の処理>>
電源投入時の処理においては、スタックポインタが特定の番地に設定され、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。そして、内蔵レジスタの初期化設定が行われる。RWMクリアスイッチ(544)がオンの場合は、RWM初期化時の処理が行われる。
RWM初期化時、電源断復帰時の確認は、RWMに電源断正常の情報が設定されているか否かが確認され、設定されていない場合は後述するRWMの初期化時の処理が行われる。また、RWMに電源断正常の情報が設定されている場合、かつ、電源断時に保護したRWMの内容のチェックサムが正常の場合には、後述する電源断時の処理が行われる。
RWMの初期化時の処理においては、CPU内蔵RWMの領域7E00H〜7FFFHが0でクリアされた後、RWMの初期値が設定される。さらに、RWMに電源投入正常の情報が設定される。また、演出表示器(演出図柄表示装置60)の初期画面の表示、装飾ランプ及び効果音の初期演出を行うため、演出制御コマンドを演出制御基板(ここではサブ基板104を指す。)へ送信する要求が行われる。そして、タイマ割込みが起動され、割込みが許可される。また、割込みが発生するまで、ウォッチドッグタイマのリスタート準備及び各種乱数の更新がループ処理で実行される。
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻され、主制御基板(102)と演出制御基板(104)との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドを演出制御基板(104)へ送信する要求がされる。また、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドを演出制御基板(104)へ送信する要求がされ。ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻され、特別図柄表示装置の確率変動機能の作動状態の情報が設定する。さらに、タイマ割込みが起動され、RWMに電源投入正常の情報が設定される。また、全使用レジスタが電源断発生前の状態に戻され、電源断発生前に割込みを許可していた場合、割込みが許可される。そして、電源断発生前のプログラムの実行位置に戻り、プログラムが再開する。
次に、以上のような各主要動作を組み合わせて実行されるぱちんこ遊技の制御処理について、ゲームの流れの面から説明する。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(図18のS324など)、通常遊技中であれば、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し、通常遊技中でなければ、特別遊技の制御処理を実行し、小当り遊技の制御処理を実行する。その後、入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する。
第1始動入賞口62または第2始動入賞口63に入球があった場合(図18のS324など)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする。第1始動入賞口62への入球であれば第1保留手段144による保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動入賞口63への入球であれば第2保留手段146による保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば、当否抽選値を取得し、当否抽選値を第1保留手段144または第2保留手段146に保留する。第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球がない場合はこれらの処理をスキップする。保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は抽選値取得及び保留の処理をスキップする。以上の始動入賞口への入球有無の判定から保留までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。
一般入賞口72に入球があった場合は、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし、一般入賞口72への入球がないときはこの賞球数をセットの処理をスキップする。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(図18のS324など)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットし、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはこの賞球数をセットの処理をスキップする。
本実施例においては、通常遊技制御処理(高確率時を含む)で、サブ基板104における先読み処理(前述の先読み演出のため)が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
一方、通常遊技制御処理に先読み処理に続いて実行される特別図柄変動処理において、役物連続作動装置が作動中の場合(S385:YES)、或いは小当り中の場合(S386:YES)には、特別図柄2遊技へ移行し、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(図27のS446など)、第2図柄決定手段322が第2特別図柄193を決定し(S447,S453,S454など)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する。
役物連続作動装置が作動中でなく(S385:NO)、かつ小当り中でない場合(S386:NO)には、第1保留手段144により抽選値の保留がなされている場合、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(図23中のS395)、第1図柄決定手段320が第1特別図柄192を決定し(S396,S401,S402など)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定する。決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する。第1保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はこれらの処理をスキップする。
すでに図柄変動表示が開始されている場合、特別図柄の図柄変動表示を処理し、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止する。限定変動パターンテーブルを参照していた回数が所定回数に達していた場合は、通常の変動パターンテーブルに戻し、限定変動パターンテーブルを参照していた回数が所定回数に達していない場合は、該当するフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はこれらの処理をスキップしてフローを終了する。
装飾図柄変動処理の実行処理(S154)においては、サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し、変動演出パターンを決定する。
その後、装飾図柄の変動表示を開始する。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はこれらの処理をスキップする。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば、その図柄変動の表示処理を実行し、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは、決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは変動表示停止の処理をスキップし、変動表示が開始済みでないときは変動表示開始の処理、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する処理、変動表示を停止する処理をスキップする。
条件装置が作動する特別遊技に係る処理(図30、図31の特別電動役物1遊技処理(条件装置作動時)、及び図33、図34の特別電動役物2遊技処理(条件装置作動時))においては、まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済でない場合(図30のS481:NO、或いは図33のS511:NO)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればこれらの処理をスキップする。第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S485:YES、或いはS515:YES)、または、入球数が所定数に達していないものの、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間(作動時間)が経過した場合(S486:YES、或いはS516:YES)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(作動を停止させる)。入球数が所定数に達していない場合(S485:NO、或いはS515:NO)、かつ開放時間が経過していない場合は(S486:NO、或いはS516:NO)、これらの処理をスキップして当該フローを終了する。
第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ、特定遊技、すなわち確変(確率変動機能)および時短(変動時間短縮機能)の実行を開始する。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ、ラウンド数に1を加算して当該フローを終了する。
条件装置が作動しない場合に実行される小当り遊技(図32の特別電動役物1遊技処理(条件装置未作動時)においては、第1大入賞口91が開放済でなければ(S501:NO)、第1大入賞口91の開放処理を実行し(S502)、開放済みであれば(S501:YES)、S502をスキップする。入球数が所定数に達した場合(S503:YES)、又は所定の開放時間(作動時間)を経過した場合(S504:YES)、第1大入賞口91を閉鎖し(S505(作動を停止し))、入球数が所定数に達しておらず(S503:NO)、かつ所定の開放時間を経過していない場合(S504:NO)、S505をスキップする。S226における第1大入賞口91の閉鎖後、設定回数分の開閉が終了していれば、小当り遊技を終了する。第1特別図柄192が小当りを示す当り図柄となった場合であって、第2特別図柄193が記号αで停止中であった場合は、特別遊技後に限定変動パターンテーブルを参照する限定回数を「10回」に設定し、第2特別図柄193が記号βで停止中であった場合は、特別遊技後に限定変動パターンテーブルを参照する限定回数を「20回」に設定する。そして、参照する変動パターンテーブルとして第1特別図柄192の停止図柄と第2特別図柄193の停止図柄の組み合わせに応じた種類の限定変動パターンテーブルを設定する。第1特別図柄192の小当りでなければ停止図柄の判定や限定変動パターンテーブルの設定に係る処理をスキップする。設定回数分の開閉が終了していなければ、開閉回数に1を加算して小当り遊技処理のフローを終了する。
なお、上記の各例においては、第2特別図柄193に対して保留する当否抽選を優先的に消化する例を説明した。更なる変形例においては、第1特別図柄192に対して保留する当否抽選を優先的に消化する構成としてもよい。この場合、第2特別図柄193より第1特別図柄192が優先的に図柄変動が実行され、第1特別図柄192の保留抽選値がなくならない限り第2特別図柄193の図柄変動が止まったままとなる。
上記の各例においては、第2始動入賞口63を第1始動入賞口62の直下に配置し、普通電動役物65が拡開されず閉鎖されているときは第2始動入賞口63へ遊技球が入球しない構成とした。更なる変形例においては、第1始動入賞口62を遊技領域52の略中央近辺に設け、第2始動入賞口63を遊技領域52の右方に設け、互いに距離を離して設置する構成としてもよい。その場合、発射ハンドル17の操作の態様の違いにより、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63との打ち分けが容易になる。
<装飾図柄の表示のための構成>
次に、演出図柄表示装置60の表示領域194に停止表示される図柄制御の内容について説明する。サブ基板104のCPU520は、メイン基板102から送信されるコマンド(演出制御コマンド)に基づいて装飾図柄の表示内容を選定する。サブ基板104のワークRWM523には、表示領域194に表示する装飾図柄の選定に使用する各種カウンタが設けられている。
第1〜第3装飾図柄カウンタS1〜S3(図示略)は、各図柄列に表示する装飾図柄を決定するためのものである。図13に示す右の装飾図柄190aに対応する第1図柄列Z1、中の装飾図柄190bに対応する第2図柄列Z2、右の装飾図柄190cに対応する第3図柄列Z3の変動停止時には、コマ数分の装飾図柄の何れかが表示されることから、第1図柄列Z1,第3図柄列Z3については例えば各18個(0〜117)、第2図柄列Z2については例えば20個(0〜19)のカウンタ値がそれぞれ用意されている。第1装飾図柄カウンタS1により第1図柄列Z1の停止図柄が決定され、第2装飾図柄カウンタS2により第2図柄列Z2の停止図柄が、第3装飾図柄カウンタS3により第3図柄列Z3の停止図柄がそれぞれ決定される。
また、本実施の形態では、CPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタS1〜S3の値をランダムに更新する。即ち、各装飾図柄カウンタS1〜S3の更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビット(即ち「0〜7」)の値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に各最大値分減算されて今回値が決定される。各装飾図柄カウンタS1〜S3は更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが、図示は省略するが、RWM523の大当たり図柄(カウンタ)バッファB20、リーチ図柄バッファB21及び完全はずれ図柄バッファB22の何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始を示す変動パターンコマンドを受信した際に、コマンドの内容に応じて大当たり図柄(カウンタ)バッファB20、リーチ図柄バッファB21及び完全はずれ図柄バッファB22の何れかのバッファ値が取得される。
<装飾図柄の表示のための制御処理>
次に、サブ基板104のCPU521により実行される各処理について説明する。サブ基板104のメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
サブ基板104のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し、RWMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。その後、外部出力処理、装飾図柄カウンタ更新処理、装飾図柄表示処理を4ms毎に繰り返し実行して、演出図柄表示装置60の表示内容を制御する。
まず、外部出力処理において必要な外部出力処理を行い、その後に上述した装飾図柄カウンタS1〜S5の更新を行う。
ここで、装飾図柄カウンタ更新処理を説明する。装飾図柄カウンタ更新処理は、メイン処理の中で実行される。
まず、いずれの図柄列の装飾図柄カウンタの更新時期かを判別し、その更新時期に合わせて更新時期となった図柄列の装飾図柄カウンタを更新するカウンタ更新処理を行う。具体的には、第1図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第1図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1を更新する。一方、第1図柄列Z1の更新時期でなければ、第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2を更新する。同様に第3図柄列Z3の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば第2図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2を更新し、カウンタ更新処理を終了する。
上記カウンタ更新処理における装飾図柄カウンタS1〜S3の更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に最大値分を減算し、その演算結果を装飾図柄カウンタS1〜S3の今回値とする。上記S1〜S3の更新処理によれば、第1〜第3図柄列Z1〜Z3の各装飾図柄カウンタS1〜S3が1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより通常処理を3回実行する毎に装飾図柄カウンタS1〜S3の1セット分が更新される。
その後、上記更新した装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し、大当たり図柄の組合せであれば、そのときの装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRWM523の大当たり図柄(カウンタ)バッファB20に格納し、本処理を終了する。大当たり図柄の組合せの判別としては、3列の図柄列に設定される有効ラインのいずれかに大当たり図柄の組合せが形成されるカウンタ値の組合せをすべて予めサブ基板104のROM522に記憶させておき、その値と比較することにより行われる。
大当り図柄の組合せの判定の処理において大当たり図柄の組合せでなければ、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合せであれば、その時の装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRWM523のリーチ図柄バッファB21に格納する。装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せが大当たり図柄の組合せでなく、且つリーチ図柄の組合せでもなければ、装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せは完全はずれの組合せ(リーチなし)になっているので、かかる場合には、その装飾図柄カウンタS1〜S3の組合せをRWM523の完全はずれ図柄バッファB22に格納する。ここで、リーチ図柄の組合せと完全はずれの組合せとは、通常停止変動、順停止変動および挟み停止変動の各変動パターンによりそれぞれ異なる場合があるが、各変動パターン毎に対応する図柄バッファをそれぞれ設けて、各変動パターンに対応する図柄の組合せを記させれば良い。
装飾図柄カウンタS1〜S3更新処理の終了後は、メイン処理へ戻って演出図柄表示装置60の表示領域194における装飾図柄の変動表示を進行させる装飾図柄表示処理を行う。装飾図柄表示処理による表示制御は、メイン基板102より受信したコマンドに基づいて設定されるワークRWM523の演出実行エリア701の内容に従って行われる。
次に、前回の外部出力処理の開始からの経過時間を確認する。経過時間の確認の処理においてその経過時間が4ms未満であれば、4msが経過するまで経過時間の確認の処理を繰り返す。経過時間の確認の処理において4msが経過したことが確認されると、処理を外部出力処理へ移行し、その後の処理を実行する。
経過時間の確認の処理にて外部出力処理からの経過時間に基づいて処理を進行させることにより、外部出力処理から装飾図柄表示処理の処理を4ms毎に行うことができ、4ms毎に装飾図柄カウンタS1〜S3の更新を行うことができる。なお、必ずしも装飾図柄の組合せを決定するためのカウンタを図柄列の数分設ける必要はなく、中央の1つの図柄列分だけカウンタを設け、その他は予め定めた組合せに従って固定的に表示しても良い。また、リーチとなる変動パターンを予め複数設定したテーブルをサブ基板104に記憶し、そのテーブルから変動パターンを導出するようにしても良い。
次に、サブ基板104により行われるコマンド受信処理について説明する。このコマンド受信処理は、サブ基板104においてメイン基板102からコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によってメイン基板102から送信されたコマンドに予め対応付けされた処理がサブ基板104で行われる。
コマンド受信処理では、受信したコマンドを確認し、そのコマンドが変動パターンコマンドであれば、変動パターンコマンドを演出実行エリアに書き込む。この変動パターンコマンドに対応して特別図柄における変動時間とリーチの有無などの変動パターンが予め定められており、メイン基板102で行われた各種の抽選に対応した変動表示が演出図柄表示装置60にて行われる。
次に、受信した変動パターンコマンドの内容を確認し、大当たりの変動パターンコマンドであれば、大当たり図柄カウンタバッファB20の値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として書き込んで格納する。変動パターンコマンドの内容を判定する処理において受信したコマンドがリーチのものであれば、変動パターンに対応したリーチ図柄バッファB21の値を演出実行エリア701に書き込む。受信したコマンドが完全はずれのものであれば、変動パターンに対応した完全はずれ図柄バッファB22の値を演出実行エリア701に書き込む。大当たり図柄カウンタバッファB20の値、リーチ図柄バッファの値、或いは完全はずれ図柄バッファの値を演出実行エリアに書き込む処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定することで、装飾図柄を、特別図柄192,193に対応した大当たり、リーチまたは完全はずれのいずれかで停止させることができる。
その後、各種遊技効果ランプ90やスピーカ19に関する出力を行い、この出力の処理においては、RWM523に設けられたコマンド送信用のエリア(送信バッファ)にコマンドが一旦書き込まれ、前述した外部出力処理によって信号の出力がされる。各種遊技効果ランプ90やスピーカ19に関する出力の処理後、演出図柄表示装置60によって装飾図柄との変動表示を開始させ、コマンド受信処理を終了する。
前述の受信したコマンドを判定する処理において、受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば、停止図柄のデータを演出実行エリア701に書き込み、コマンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば、変動表示を確定停止させ、コマンド受信処理を終了する。また、受信したコマンドを判定する処理において、受信したコマンドが、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、及び、確定コマンドのいずれでもなければ、受信したコマンドに応じた各処理を実行して、コマンド受信処理を終了する。
このように、サブ基板104においては、メイン基板102から変動パターンコマンドを受信した場合に、変動パターンコマンドの内容に応じた図柄(カウンタ)バッファの値の演出実行エリアへの書き込みの処理を行い、変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定する。これにより、メイン基板102によって行われる抽選結果に対応して特別図柄と装飾図柄とを共に大当たり、リーチまたは完全はずれのいずれかで停止させることができ、メイン基板102の大当たりおよびリーチ抽選の結果に対応した装飾図柄の変動表示を実行することができる。
<演出モードの変更のための構成>
サブ基板104は、前述の演出モードの変更のための構成として、図示を省略するが、メイン基板102からの各種コマンドを受信して受信コマンドの内容を解析する受信コマンド解析部と、演出図柄表示装置60の表示制御を行う装飾図柄表示制御部701A(図6参照)と、演出モードに応じた音響演出制御データ及び光装飾データを出力する音声・ランプ制御データ送信部と、現在の設定されている演出モードを記憶する演出モード記憶部と、操作ボタン82(演出モード選択ボタン)の操作に伴う出モード選択スイッチからの選択信号によって演出モード記憶部の演出モードを選択された演出モードに更新する演出モード変更部706(図6参照)を有する。
これらのうち演出モード変更部706は、図示を省略するが、待機画面期間(所謂デモ画面と称される待機画面期間の他に、変動終了後その終了時の停止画像のままデモ画面に変わるまでの期間を含む)中か否かを示す待機画面フラグと、変動期間中において演出モード更新を有効とする期間を管理する2つの第1タイマ(保留球が3未満の場合の演出モード更新の有効期間管理用),第2タイマ(保留球が3以上の場合の演出モード更新の有効期間管理用)と、演出モード選択スイッチの選択変更信号の受付を行うスイッチ受付部と、スイッチ受付部の受付動作を許可するか、許可しないかを示す許可・不許可信号を出力する演出モード変更切換制御部とを有する。
待機画面フラグは待機画面期間中か変動表示期間中かを示すフラグであり、このフラグは、待機画面間中においては論理「0」と設定され、変動表示期間中においては論理「1」に設定されている。このフラグの設定処理は、演出モード変更切換制御部によって行われる。即ち、初期化処理ではフラグは論理「0」に設定されており、遊技状態において演出制御コマンド(完全はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、大当たり等のコマンド)を受信すると、演出モード変更切換制御部はフラグを論理「1」に設定する。また、変動表示期間終了時にはフラグを論理「0」に設定する。これにより、待機画面中は、フラグは論理「0」に設定され、変動表示期間中は論理「1」に設定される。
第1タイマ及び第2タイマは、前述したように、変動期間中における演出モード選択変更可能な期間を管理するものであり、本実施例では変動期間中における演出モード選択変更可能期間としては、変動開始から第1図柄列Z1が高速変動から減速変動するまでの期間(高速変動期間)に設定されている。さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10では、保留数が多くなるほど変動時間の短い変動パターンが出現しやすくなっている。そこで、第1タイマは、第1特別図柄192及び第2特別図柄193のそれぞれについて(または、第1特別図柄192のみについてでもよい)、保留球が3未満の時の第1図柄列Z1の変動期間中における高速変動期間W1を管理し、一方、タイマは、保留球が3又は4の時の第1図柄列Z1の変動期間中における高速変動期間W2を管理するようになっている。
なお、演出モード選択変更可能期間の管理態様は上述の例に限定されるものではなく、例えば保留球数が2個未満の場合と2個以上の場合とでタイマを分けたり、1個未満と1個以上の場合とでタイマを分けたりすることも可能である。また、第1特別図柄192及び第2特別図柄193のそれぞれについて、保留数が1個未満と1個以上、2個未満と2個以上、3個未満と3個以上、及び4個未満と4個以上といった具合に、生じ得る保留数の全てに応じて対応できるよう、タイマの数を増やしてより詳細に演出モード選択変更可能期間を管理することも可能である。
演出モード変更切換制御部は、待機画面フラグが論理「1」のときにスイッチ受付部に受付動作許可信号を出力するとともに、第1タイマ及び第2タイマの設定期間中においても、スイッチ受付部に受付動作許可信号を出力する。これにより、待機画面中及び第1図柄列Z1の高速変動期間中に、演出モード選択スイッチの操作により、演出モードの選択変更が可能となっている。
演出モード選択スイッチは、操作ボタン82の押圧操作の度ごとに検出信号をスイッチ受付部に出力する。スイッチ受付部では、受付動作許可状態にあるときは、カウンタC20(図示略)のカウント値を1加算する。なお、カウンタC20は、「0」〜「2」までのカウント値を有し、最大値「2」に達した後は「0」に戻るループカウンタである。そして、カウンタC20のカウント値「0」が演出モード1に対応し、カウント値「1」が演出モード2に対応し、カウント値「2」が演出モード3に対応する。なお、スイッチ受付部は、カウンタC20のカウント値の更新とともに、演出モード記憶部の演出モードを、更新したカウント値に対応する演出モードに書換える。例えば、現在の演出モードが演出モード1の場合、演出モード記憶部には演出モード1が記憶されており、スイッチ受付部のカウント値は「0」であり、このような状態で、且つ、スイッチ受付部が受付動作許可状態の場合に、演出モード選択スイッチが操作されると、スイッチ受付部はカウント値を「1」にし、且つ、演出モード記憶部の演出モードを「演出モード1」から「演出モード2」に書き換える。こうして、演出モード選択変更有効期間中に演出モード選択スイッチが操作されると、演出モード記憶部の内容を選択した演出モードに書き換えることができる。なお、スイッチ受付部が受付動作不許可状態の場合には、演出モード選択スイッチが操作されても、カウンタC20のカウント値の更新はされず、演出モード記憶部の内容の書き換え処理も行われない。
装飾図柄表示制御部701A(図6参照)は、演出モード1〜演出モードにそれぞれ対応した3つの変動パターン変換用テーブルTB1〜TB3と、画像形成部720とを有する。
本実施の形態では、上記したように、3つの演出モード(「演出モード1」は海辺モードとも称される演出モード、「演出モード2」は山岳モードとも称される演出モード、「演出モード3」は市街地モードとも称される演出モード)を有しており、この3つの演出モード毎に変動パターン変換用テーブルTB1〜TB3を備えている。
テーブルTB1は演出モード1用のテーブルであり、テーブルTB2は演出モード2用のテーブルであり、テーブルTB3は演出モード3用のテーブルであり、それらテーブルTB1〜TB3には、演出制御コマンドに対応して変動パターンが予め格納されている。従って、テーブルTB1〜TB3を用いることにより、受信した演出制御コマンドと、演出モード記憶部に記憶されている演出モードとによって、変動パターンが決定される。
画像形成部720は、装飾図柄画像を形成するためのものであり、演出モードに対応した背景画像を形成する背景画像形成部721と、演出モードに対応した変動図柄(キャラクタ)画像を形成するキャラクタ画像形成部722と、演出モードに対応した予告図柄等の画像を形成する予告図柄等画像形成部723と、背景画像が形成されたレイヤと、キャラクタ画像が形成されたレイヤと、予告図柄等の画像が形成されたレイヤとから1フレーム画像を生成するフレーム画像形成部724とを有する。これらの背景画像形成部721、キャラクタ画像形成部722及び予告図柄等画像形成部723は、コマンド解析部で解析された演出制御コマンド(完全はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、大当たり等のコマンド)が与えられると、演出モード記憶部から現在設定されている演出モードを読出し、この演出モードに応じたテーブルの演出制御コマンドに対応付けられた変動パターンを読出す。背景画像形成部721は読出した変動パターンに基づいて背景画像を形成し、キャラクタ画像形成部722から読出した変動パターンに基づいてキャラクタ画像を形成し、予告図柄等画像形成部723は予告図柄等の画像を形成する。そして、フレーム画像形成部724は、背景画像が形成されたレイヤと、キャラクタ画像が形成されたレイヤと、予告図柄等の画像が形成されたレイヤとから1フレーム画像を生成する。
なお、テーブル1に格納されている背景画像に関するデータは、何れの演出制御コマンドであっても、図15(a)に示す背景画像となり得る画像データであり、テーブル2に格納されている背景画像に関するデータは、何れの演出制御コマンドであっても、図15(b)に示す背景画像となり得る画像データであり、テーブル1に格納されている背景画像に関するデータは、何れの演出制御コマンドであっても、図16に示す背景画像となり得る画像データである。換言すれば、背景画像形成部721は、基本的には変動表示期間中は現在の演出モードに応じた背景画像を生成し続け、これにより、背景画像が変更されることはない。
但し、後述するように、変動表示中に演出モードの選択変更がなされた場合は、その時点で、背景画像形成部721は、選択変更された演出モード用のテーブルから背景画像データを読み出すようになっている。従って、演出モードの選択変更がなされると、その時点で背景画像のみが選択された演出モード用背景画像に変更されて表示される。なお、選択された演出モードの実質的な演出(実体演出、「実体演出」の用語については後述する。)は次回の変動表示から実行される。これにより、遊技者は、背景画像の変化により、演出モード変更が受け付けられたことを確認できるとともに、次回の変動における演出モードがどの演出モードであるかを背景画像によって知ることができる。
なお、音声・ランプ制御データ送信部は、現在の演出モードと演出制御コマンドとに基づき、スピーカ19や遊技効果ランプ90を作動させるために生成された信号を出力する。これにより、スピーカ19は、図示しない音声用テーブルから演出モードと演出制御コマンドによって決定される音声パターンに基づいた音響演出を出力し、遊技効果ランプ90は、図示しないランプ用テーブルから演出モードと演出制御コマンドによって決定される光パターンに基づいた光装飾演出を出力する。
<演出モードの変更のための制御処理>
次いで、上記構成のぱちんこ遊技機の演出モード選択変更に関連する処理について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機10においては、変動期間中(ここでは変動開始時から、第1図柄列Z1が高速変動から低速変動に変化するまでの期間(演出モード選択変更有効期間)中)に演出モードを選択変更することが可能であり、且つ、選択変更されたときはその時点で背景画像が選択演出モード用は背景画像に変更され、選択された演出モードの実質的な表示演出は次回の変動表示から実行される。かかる演出モード選択変更に関連する処理について、図36〜図40を参照して説明する。
図36は演出モード変更切換制御部による演出モード選択スイッチの有効期間設定処理を示すフローチャートである。図36を参照して、変動表示画面中の演出モード選択変更処理について説明する。電源投入時の初期化処理によって待機画面フラグは、論理「0」に設定されている。その後、演出制御コマンドを受信したときは(S(ステップ、以下略)1:YES)、待機画面フラグを論理「1」に設定する(S2)。次いで、保留球が所定数(例えば3)未満か否かが判断され(S3)、YESであれば第1タイマに演出モード変更有効期間としての高速変動期間W1をセットする(S4)。S3でNOであれば、第2タイマに演出モード変更有効期間としての高速変動期間W2をセットする(S5)。
次いで、S4、S5のいずれの場合であっても、S6に移り、スイッチ受付部に受付状態許可信号を出力する。即ち、待機画面フラグが論理「1」であっても、第1タイマ又は第2タイマのセット期間中はスイッチ受付部に受付状態許可信号を出力する。これにより、スイッチ受付部は、演出モード選択スイッチの選択操作を受け付ける受付可能状態となる。これにより、変動表示期間中における演出モード選択スイッチの有効期間が設定されたことになる。なお、この演出モード選択スイッチ有効期間中に、演出モード選択スイッチによる演出モードの選択変更があると、図37に示す演出モード変更処理により、演出モード記憶部の内容が選択演出モードに変更される。
次いで、変動期間中に、第1タイマ(又は第2タイマ)により高速変動期間W1(第2タイマの場合は高速変動期間W2)経過したことが告知されたときは(S7:YES)、第1タイマ(又は第2タイマ)をリセットする(S8)とともに、待機画面フラグが論理「1」であるので、スイッチ受付部に受付状態不許可信号を出力する(S9)。これにより、変動表示中において、高速変動期間W1(第2タイマの場合は高速変動期間W2)経過後は演出モード選択変更が不可となる。そして、変動期間終了の場合(S10:YES)には待機画面フラグを論理「0」に設定し(S11)、スイッチ受付部に受付状態許可信号を出力する(S12)。これにより、待機画面中は、スイッチ受付部は演出モード選択スイッチの選択操作を受け付ける受付可能状態となる。
次いで、図37を参照して、演出モード選択変更処理について説明する。図37は演出モード選択変更処理を示すフローチャートである。スイッチ受付部が受付許可状態の場合において、操作ボタン82の演出モード選択スイッチが操作されると(S20:YES)、スイッチ受付部は、カウンタC20のカウント値を1加算する(S21)とともに、演出モード記憶部の演出モードを、その加算された後のカウント値に対応する演出モードに書き換える(S22)。これにより、演出モードの設定変更が更新されたことになる。そして、演出モードの変更告知信号を、画像形成部720に出力する(S23)。なお、画像形成部720は、演出モードの変更告知信号を入力すると、図38に示す処理を行い、演出モードの選択時点から、背景画面が選択された演出モード用の背景画像に変更されて表示される。
次いで、図38を参照して、装飾図柄表示制御部701Aの演出モード選択変更処理に関連する表示制御処理を説明する。図38は装飾図柄表示制御部701Aの演出モード選択変更処理に関連する表示制御処理を示すフローチャートである。
演出制御コマンドを受信すると、コマンド解析部でその内容が解析される。そして、受信コマンドが演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であると、その演出制御コマンドが画像形成部720に与えられる。画像形成部720は、演出モード記憶部から現在設定されている演出モードを読出し、テーブルTB1〜TB3のうち現在設定されている演出モードに対応するテーブルを参照して、演出制御コマンドに対応付けられた変動パターンを読出し、この変動パターンに応じた画像を形成する。なお、画像形成に際しては、背景画像形成部721は変動パターンに基づいて背景画像が形成されたレイヤを生成し、キャラクタ画像形成部722はキャラクタ画像が形成されたレイヤを生成し、予告図柄等画像形成部723は予告図柄等の画像が形成されたレイヤを生成し、フレーム画像形成部724において、これら複数のレイヤが重ねられて1フレーム画像が合成され生成される(S30)。
このような画像形成処理中において、演出モード変更告知信号を入力すると(S31:YES)、背景画面のみを選択演出モード用の背景画像に変更し、画像形成を続行する(S33)。即ち、S33では、背景画像形成部721は演出モード記憶部から設定変更された演出モードを読出し、この設定変更された演出モードに対応するテーブルを参照して、演出制御コマンドに対応付けられた変動パターンを読出し、この変動パターンに基づいて背景画像が形成されたレイヤを生成する。
キャラクタ画像形成部722及び予告図柄等画像形成部723は、演出モードの設定変更に影響を受けることなく、今回(演出モード設定変更前)の変動パターンに基づいてキャラクタ画像、予告図柄等の画像が形成されたレイヤを生成し続ける。これにより、演出モードの選択時点から、背景画面のみが、選択された演出モード用の背景画像に変更されて表示される。なお、画像形成処理中において、演出モード変更告知信号が入力されない場合は、今回の演出モードで画像形成処理を続行する(S32)。そして、変動表示期間が終了すると(S34:YES)、画像形成処理は停止する(S35)。
このような処理により、変動期間中(正確には変動開始時から、第1図柄列Z1が高速変動から低速変動に変化するまでの期間中)に演出モードを選択変更することが可能であり、且つ、選択変更されたときはその時点で背景画像が選択演出モード用は背景画像に変更され、選択された演出モードの実質的な表示演出は次回の変動表示から実行されることになる。
次いで、図39及び図40を参照して、演出モード変更処理を具体例に則して説明する。図39及び図40は演出モード変更処理の具体例を示すタイミングチャートであり、図40は、デモ画面表示を挟んで図39に示す期間に連続する期間を示している。ここでは、保留球がない状態で、且つ、「演出モード1」で変動中に操作ボタン82(演出モード選択ボタン)が操作された場合を想定する。また、図39及び図40中の(1)は、装飾図柄190a〜190cの表示状態を示しており、上記(1)の(a)は第1図柄列Z1の変動状態、同図(b)は第3図柄列Z3の変動状態、同図(c)は第2図柄列Z2の変動状態をそれぞれ示している。また、図39及び図40中の(2)は演出モードの変更操作が有効であるか否かの状態を示している。さらに、図39及び図40中の(3)は、何れの演出モードが実行されている状態であるかを示しており、同図(4)は操作ボタン82の操作状態を示している。また、図39及び図40中の(5)は、演出モードの報知態様の状態を示している。
第1回目の変動表示は、図39(1)に示すように、変動開始時刻t1から第1〜第3図柄列Z1〜Z3は共に高速変動し、次いで時刻t2で第1図柄列Z1は減速変動し、時刻t3で停止する。第2図柄列Z2、第3図柄列Z3も時刻t2以降順次減速変動し、時刻t11で第3図柄列Z3が停止し、次いで時刻t4で第2図柄列Z2が停止し、全ての変動が終了する。
この変動表示中において、演出モード選択変更可能な期間は、図39(2)に示すように、時刻t1から時刻t2までの期間(第1図柄列Z1の高速変動期間(保留球が3未満の場合は期間W1に相当))である。この期間中の時刻t10(図39(4)参照)において、操作ボタン82が操作され、操作ボタン82に備えられた演出モード選択スイッチからの操作信号を入力すると、上記した処理により、時刻t10から背景画像が演出モード2用の背景画像に変更されて表示される(図39(5)参照)。この背景画像の変更により、遊技者は、演出モードの選択が受け付けられたこと、及び次回の変動が演出モード2であることを目視により確認することができる。なお、演出モード2の実質的な表示演出内容は次回の変動中に移行される(図40(3)参照)。
なお、時刻t4から時刻t5までは停止図柄が表示されたままであり、時刻t5からデモ画面に変更され、時刻t6から第2回目の変動表示が開始する。この時刻t4から時刻t6までの期間は、演出モード選択変更可能な期間である(図39(2)、図40(2)参照)。
そして、この時刻t4から時刻t6までの期間中、演出モード選択スイッチが操作されない場合は、時刻t6から開始される変動表示は、演出モード2による変動表示となる(図40(3)参照)。時刻t4から時刻t6までの期間中、演出モード選択スイッチが1回操作された場合は、時刻t6から開始される変動表示は、演出モード3による変動表示となる。なお、
このようにして、待機画面中の他に、変動表示期間においても演出モード更新手段が能動化され、演出モードを選択変更することができる。この結果、保留球が全て消化されてなくなるまで、更にはその時の変動が終了するまで遊技者を待たせるといったことがなくなり、演出モードを変更したいという遊技者の欲求をリアルタイムで反映することが可能となる。これにより、演出モード切換機能の使い勝手が向上し、演出モード切換機能によってぱちんこ遊技機の商品価値を一層高めることが可能となる。
また、本実施例によれば、演出モード変更切換手段は、変更可能期間中にモード選択信号が入力されると、その選択された演出モードを告知する演出モード告知情報信号を前記遊技演出モード実行手段に出力し、遊技演出モード実行手段は、演出モード告知情報信号を入力すると、その時点で演出モード告知情報を表示装置に表示し、選択された遊技演出モードの実質的な表示演出は、次変動から実行するように表示制御を行う。このような構成により、変動表示中に演出モードの選択変更の入力がなされると、その時点で選択された遊技演出モードを告知する演出モード告知情報が表示され、選択された遊技演出モードの実質的な表示演出は、次変動から移行する。このように、変動中において、演出モードの選択変更の入力がなされると、その時点で演出モード告知情報が表示されるので、遊技者は演出モード変更が受け付けられたことを確認できるとともに、次変動における演出モードがどの演出モードであるかを演出モード告知情報によって知ることができる。
また、本実施例によれば、変動中において、演出モードの選択変更の入力がなされると、その時点で背景画像が選択された演出モードの背景画像に表示変更されるので、遊技者は演出モード変更が受け付けられたこと、及び次変動における演出モードがどの演出モードであるかを目視により確認することが可能となる。
また、本実施例によれば、演出モード変更切換制御手段は、待機画面フラグが待機画面中を示す論理値である場合、及び、待機画面フラグが変動期間中を示す論理値であって且つ前記タイマからタイマ告知信号がない場合のみ、演出モード変更切換手段を能動化する。このような構成により、待機画面中の他に、変動表示期間中においても、複数の識別情報列のうち最初に停止する識別情報列の変動表示が高速変動から減速変動するまでの期間は、演出モード変更が可能となる。
また、本実施例によれば、複数の識別情報列のうち最初に停止する識別情報列が停止するまでの期間を計測し、該期間経過時にタイマ告知信号を演出モード変更切換制御手段に出力するタイマを備え、演出モード変更切換制御手段は、待機画面フラグが待機画面中を示す論理値である場合、及び、待機画面フラグが変動期間中を示す論理値であって且つ前記タイマからタイマ告知信号がない場合のみ、演出モード変更切換手段を能動化する。このような構成により、待機画面中の他に、変動表示期間中においても、複数の識別情報列のうち最初に停止する識別情報列が停止するまでの期間は、演出モード変更が可能となる。
なお、演出モードの変更可能な期間を上記期間に規制しているのは、以下の理由による。即ち、演出モードの表示演出が、例えばステップアップ予告のような場合には最初に停止する識別情報列の高速変動終了後や停止後に開始されることが多いので、それ以降においては演出モードの変更を不可としたものである。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、演出モードの変更が不可能となるタイミングを、例えば、最初に停止する識別情報列である第1図柄列Z1が、減速を開始した後に所定速度以下に達して低速変動に移り変わった時刻や、低速変動を開始してから停止するまでの間の所定の時刻、第1図柄列Z1の停止タイミング、などとしてもよい。さらに、第3図柄列Z3を基準とし、第3図柄列Z3が減速した時刻や、低速変動に移り変わった時刻、低速変動を開始してから停止するまでの間の時刻、停止時刻などとしてもよい。また、第2図柄列Z2を基準とし、第2図柄列Z2が減速開始した時刻や、低速変動に移り変わった時刻、低速変動を開始してから停止するまでの間の所定の時刻、停止時刻などとしてもよい。
また、本実施例によれば、少なくとも識別情報によってリーチ状態が出現する以前の期間を計測し、該期間経過時にタイマ告知信号を演出モード変更切換制御手段に出力するタイマを備え、演出モード変更切換制御手段は、待機画面フラグが待機画面中を示す論理値である場合、及び、待機画面フラグが変動期間中を示す論理値であって且つ前記タイマからタイマ告知信号がない場合のみ、演出モード変更切換手段を能動化することを特徴とする。このような構成により、待機画面中の他に、変動表示期間中においても、リーチ状態が出現する直前までは、演出モード変更が可能となる。
なお、大当たり発生となる確率が高い(期待度が大きい)ことを予告するために、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留球の点灯色を変えるように構成すれば(例えば、通常では保留球表示を赤色とし、期待度が大きい保留記憶に対応する保留球表示は、そのことを予告するため緑色とするなど)、遊技者は保留球毎に異なった演出モードで表示演出を楽しむことができ、遊技の興趣性の向上を図ることができる。特に特別遊技状態発生の可能性が大きい場合には、遊技者は異なる演出モードでチャレンジしたいという欲求が強くなる場合もあり、このような欲求を満たすことが可能となる。
ここで、本実施例において、「識別情報を変動表示する」とは、識別情報を所定方向にスクロール表示する場合の他に、識別情報を自転させることで変動表示をする場合等も含まれる。また、本実施例において、操作ボタン82、演出モード選択スイッチ等は、「演出モード変更入力手段」を構成する。また、演出モード用テーブルTB1〜TB3等は、変動パターン記憶手段を構成し、画像形成部720等は遊技演出モード実行手段を構成する。さらに、スイッチ受付部等は演出モード変更切換手段を構成し、演出モード変更切換制御部等は「演出モード変更切換制御手段」を構成する。また、「待機画面表示期間」とは所謂デモ画面と称される待機画面期間の他に、変動終了後その終了時の停止画像のままデモ画面に変わるまでの期間を含む。
また、本実施例においては、限定変動パターンテーブルが用いられており、限定変動パターンテーブルが参照されるような状況においては、遊技者は、演出の多様性を求めるため、或いは大当りへの予告を探し出すため、等の理由で、比較的頻繁に演出モードの変更を行うことも想定される。したがって、変動期間中に演出モードの変更を可能とすることは、このような遊技者の欲求を満たすことに繋がる。
なお、限定変動パターンテーブルが参照される状況においては、演出モードの変更制御の態様を異ならせ、例えば、演出モード選択変更可能期間を通常とは異ならせる(早める、或いは遅らせる)といったことも可能である。これにより、限定変動パターンテーブルを用いたゲーム性に一層の変化を与え、限定変動パターンテーブルの利用形態の多様化を図ることが可能である。
<演出モードの変更とその他の制御処理との関係>
上述のように、変動表示期間(実体演出実行期間、)中における変更可能期間中に演出モードの変更を可能とする機能は、演出モードの変更に係る遊技者の欲求をリアルタイムに、即時性をもって満たすものであるが、発明者らは、リアルタイムで演出モードを変更する機能を更に使い勝手のよいものにブラッシュアップすべく様々な検討を重ね、効果的な改善事項を見出し、各改善事項について技術策を発案するに至った。以下では、リアルタイムで演出モードを変更する機能を一層活用するための技術を開示する。
なお、以下で説明するのは、モードを報知する演出における、ステップアップ演出との関係(図6、図41参照)、操作ボタン82の発光制御との関係(図42参照)、音響演出との関係(図43参照)、エラーとの関係(図44参照)、復帰処理との関係(図45参照)、RWMの初期化との関係(図46参照)、及び復帰処理との関係(図47参照)である。
<<A.モードを報知する演出におけるステップアップ演出との関係>>
本実施例においては、前述の装飾図柄表示制御部701A(図6参照)は、画像形成部720の主には背景画像形成部721を用いて、そのときの演出モードに対応した画像を形成するとともに、この画像を動画像として表示するための制御を行う。つまり、装飾図柄表示制御部701Aは、主にキャラクタ画像形成部722や予告図柄等画像形成部723により形成される装飾図柄190a〜190cやこれに付随する演出画像のように、予め定められた変動時間内で演出の区切りを迎える演出画像(以下では「実体演出用画像」という)と、実体演出用画像と合成して表示される動画ではあるが、演出モードの自動的な切換えや遊技者の手動による切換えがあるまでは、実体演出用画像の演出の区切りを跨ぎ継続的に表示されて、そのときの演出モードを報知する画像(以下では「状態演出用画像」という)と、を表示するための制御を行う。
実体演出用画像は、LEDやランプなど遊技効果ランプ90を用いた光装飾演出や、スピーカ19を用いた音楽や音声といった要素からなる音響演出との適宜組み合わせて、或いは単独で用いられ、上述のように予め定められた変動時間内で演出上の何らかの区切りを迎える演出(以下では「実体演出」という)の内容を構成する。また、状態演出用画像は、実体演出と組み合わせて、或いは単独で、実体演出の区切りを跨いで継続的に実行されて、そのときの演出モードを報知する演出(以下では「状態演出」という)の内容を構成する。
また、状態演出用画像としては、図15(a),図15(b),図16に示す前述の背景画像が例示され、背景画像には、背景画像自体がアニメーションとして表示される動画像が含まれる。さらに、本実施例の状態演出用画像においては、図15(a)に示す海辺モードの場合には、海辺の画像に登場人物(キャラクタ)205,206の画像(ここでは浮き輪を身に着けた2人の子供の動画)を合成したものが挙げられる。また、図15(b)の山岳モードの場合には、山岳の画像に上記登場人物216,217(ここでは2人の登山者の動画)を合成したものが例示され、図16に示す市街地モードの場合には、市街地の画像に登場人物224(ここでは1人の歩行者の動画)を合成したものが挙げられる。なお、状態演出の各演出モードに各々専用の光装飾演出や音響演出を設定して、これらを状態演出用画像の出力と組み合わせることも可能である。
ここで、実体演出及び状態演出と、背景画像形成部721、キャラクタ画像形成部722、及び予告図柄等画像形成部723との関係は、本実施例においては、例えば背景画像形成部721が状態演出における状態演出用画像の作成に専用され、キャラクタ画像形成部722及び予告図柄等画像形成部723が実体演出における実体演出用画像の作成に専用されるといったものではなく、背景画像形成部721、キャラクタ画像形成部722、及び予告図柄等画像形成部723の何れもが、状態演出用画像及び実体演出用画像の構成要素の画像を形成し得るものである。
また、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば背景画像形成部721が状態演出における状態演出用画像の作成に専用され、キャラクタ画像形成部722及び予告図柄等画像形成部723が実体演出における実体演出用画像の作成に専用されるといった関係の設定も可能である。
また、実体演出及び状態演出と、音響演出及び光装飾演出との関係についても、実体演出用の音響演出又は光装飾演出、状態演出用の音響演出又は光装飾演出といった区分を設けることは必ずしも必要ではなく、実体演出に対応した音響演出又は光装飾演出と、状態演出における状態演出用画像とを組み合わせて状態演出を構成することも可能である。本実施例においては、実体演出が実行されている場合には、上述のように実体演出に対応した音響演出又は光装飾演出と状態演出用画像とが組み合わされて状態演出を構成する場合がある。
さらに、本実施例においては、状態演出にステップアップ演出が設定されており、このステップアップ演出が実行される場合には、状態演出用画像は時間の進行に伴って段階的に発展し変化する。具体例を挙げれば、各演出モードにおいて、登場人物の数が増えるなどの態様が設定されており、第1段階では登場人物が1人であるが、第2段階では2人、第3段階では3人、第4段階では4人、更に第5段階では5人に増える。ここで、図15(a)及び図15(b)は、登場人物が2人に増えた第2段階を示しており、図16は登場人物が1人のままである第1段階を示している。
ステップアップ演出における各段階を実行するのに必要な時間は予め複数態様に定められており、それぞれの段階の所定時間を経過すると、次の段階の演出が実行される。また、ステップアップ演出を実行するか否かは、抽選により決定され、この抽選のタイミングは、前述の第1の抽選又は第2の抽選の際である。
ステップアップ演出の発生確率は、実体演出の態様である、完全はずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ、大当たり等の各々に対して、所定の割合で実行されるように予め設定されている。そして、各演出モードにおいて、そのときの実体演出の当りの信頼度に相関する場合があるように設定することが可能である。例えば、スーパーリーチやプレミアムリーチのように大当たりに対する信頼度の高い実体演出が実行される場合には、高い確率で状態演出のステップアップ演出が選択されるよう、ステップアップ演出の当選確率が設定されている。さらに、大当たりに対する信頼度の高い実体演出が実行される場合には、ステップアップ演出が高い確率で多段階まで進行するような当選値の割り当てもなされている。
また、本実施例においては、状態演出のステップアップ演出は、遊技者による演出モードの選択、及び実体演出の変動時間に関係付けられている。つまり、実体演出における実体演出用画像の変動中に、遊技者が演出モードの変更操作を行った場合、状態演出においてステップアップ演出が実行されていれば、変更後の演出モードに応じた状態演出に切り替わるが、当該状態演出は、ステップアップ演出の第1段階から始まるとは限らず、第2段階以降から始まる場合がある。
状態演出のステップアップ演出がどの段階から始まるかは、実体演出の残りの変動時間がどの程度であるかによって決められており、残り時間の大小に応じて、モード切換え後のステップアップの開始段階が異なっている。
また、実体演出の変動期間の残り時間が、予め定められた所定値よりも少ない値となっている場合には、ステップアップ演出は実行されず、実体演出が次回の変動に移り変わった際に、状態演出をステップアップ演出とするか否かが改めて決められる。ステップアップ演出が行われなくなる変動時間の残り時間は、変動開始から変動終了までの変動期間中において、演出モード選択変更可能期間が終了してから変動終了までの間の期間に属する。例えば、ステップアップ演出を行わないとする時刻は、第1図柄列の停止時刻(図39中のt3)の後の、具体的には、第3図柄列Z3の停止時刻に合致する時刻(t11)に設定されている。
なお、ステップアップ演出を行わないとする時刻は、これに限定されるものではなく、例えば、第3図柄列Z3が減速した時刻や、低速変動に移り変わった時刻、低速変動を開始してから停止するまでの間の時刻、第3図柄列Z3の停止時刻、などが挙げられる。さらに、ステップアップ演出を行わないとする時刻は、第2図柄列Z2が減速した時刻や、低速変動に移り変わった時刻、低速変動を開始してから停止するまでの間の時刻、停止時刻などが挙げられる。また、ステップアップ演出を行わないとする時刻は、遊技の状況に応じて変化してもよく、例えば変動時間短縮機能が作動しているような特定の場合には第1図柄が減速変動を開始する時刻(図39中のt2)よりも前とすることも考えられる。
図6は、演出モードの切換えとステップアップ演出との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、装飾図柄表示制御部701Aにおいて、各演出モード用テーブルTB1〜TB3には、それぞれステップアップ演出のためのステップアップ演出用データ731〜733が含まれている。さらに、装飾図柄表示制御部701Aには、ステップアップ演出を抽選するステップアップ演出制御部734が備えられており、このステップアップ演出制御部734には、抽選制御部735、残り時間監視部736、実行決定部737(実行決定手段)、実行決定テーブル738、段階設定部739、及び段階設定用テーブル740が備えられている。
ステップアップ演出制御部734においては、抽選制御部735により、ステップアップ演出を実行するか否かが抽選され、画像形成部720が、選択された演出モードに対応した演出モード用テーブルTB1〜TB3から、ステップアップ演出用データ(731〜733の何れか)を読み出し、実体演出用画像及び状態演出用画像を形成する。さらに、図41に示す段階設定処理により、ステップアップ演出が実行されている場合に(S651:YES)、実体演出の途中で操作ボタン82が操作されると(S652:YES)、残り時間監視部736により、実体演出の変動時間の残り時間が算出され(S653)、実行決定部737により、実行決定テーブル738を用いて、ステップアップ演出を実行するか否かが決定される(S654)。実行決定テーブル738においては、実体演出の態様毎に、残り時間の値に応じて、状態演出のステップアップ演出を実行するか否かの関係が規定されている。
さらに、段階設定部739により、残り時間監視部736の算出結果に対応したステップアップ演出の開始段階が、段階設定用テーブル740を参照して決定される(S655)。そして、画像形成部720は、決定された段階に対応した状態演出用画像を形成し、出力する(S656)。
このように状態演出におけるステップアップ演出(以下では「状態ステップアップ演出」とする)との関係を規定することにより、状態ステップアップ演出を十分に活かすことが可能となる。すなわち、本実施例のように、実体演出の変動表示中に演出モードの変更を可能にすることにより、演出モード選択変更可能期間中であれば即座に状態演出が変更され、遊技者が演出モードの選択操作を行っても外形的には何ら反応が見られないといった事態が生じるのを防止できる。
しかし、単にリアルタイムで演出モードの変更を可能としても、演出モードの変更直後に、実体演出と状態演出とにより醸し出される全体的なバランスが、常に違和感なく保たれるという確証は得られない。そして、そのときの実体演出の内容や、状態ステップアップ演出の内容によっては、実体演出の内容が相対的には特に高揚感を与えることを意図していないようなものであっても、演出モードの変更後に、状態ステップアップ演出を実行してしまったり、或いは、実体演出の内容が高揚感を与えることを意図しているようなものであっても、演出モードの変更後に、状態ステップアップ演出を相対的に平静な態様で実行開始してしまったりすることが考えられる。
これに対し本実施例によれば、実体演出の変動時間の残り時間に応じて状態ステップアップ演出の実行の有無が決定されるので、状態ステップアップ演出のための時間を十分に確保できる場合に限り状態ステップアップ演出を実行することができる。さらに、上記残り時間に応じて、状態ステップアップ演出の開始段階が決定されるので、例えば変動期間の後段で、実体演出の内容が遊技者に相対的に高揚感を与えることを意図した内容となっている場合に、変動状態ステップアップ演出についても2段階目以降の高揚感を与え得る状態から開始される頻度を高めることができ、実体演出と状態ステップアップ演出の内容の整合を図りやすくなる。
また、このように状態ステップアップ演出の開始の実行の有無や開始段階を設定することで、実体演出と状態ステップアップ演出とを整合させ易くなり、実体演出の変動態様と状態演出の変動態様とがミスマッチとなることを可及的に防止可能となる。
これらのことから、変動期間中における演出モードの変更機能を一層高品質なものとすることが可能となり、遊技機の趣向性を高めることが可能となる。
なお、本実施例においては、演出モード選択変更可能期間中に操作ボタン82を押圧すると、押圧操作のタイミングに合わせて単発的な音が音響演出の一部としてスピーカ19から出力される。演出モードの変更の際のみでなく、実体演出に対応付けられたボタン演出中に操作ボタン82が押圧された場合にも、押圧操作に応じた音響演出を行うことも可能である。
また、実体演出の残り時間に応じて変更された状態演出の開始段階を決定する制御を適用する状態演出の態様としては、上述のステップアップ演出に限られるものではなく、この他にも例えば、疑似的に複数の保留を跨いで連続性のある内容の演出を行っているかのような態様で段階的な演出を行う所謂疑似連演出や、後に消化される保留に属する入賞情報に基づいて先の変動表示の段階において演出を行う所謂先読み演出等を状態演出において実施にする場合にも適用が可能である。何れの場合も、実体演出の変動時間の残り時間に応じて、疑似連演出や先読み演出の段階設定を行うことが可能である。
さらに、実体演出及び状態演出双方においてステップアップ演出(或いは疑似連演出、先読み演出等)が実行される場合(実体演出におけるステップアップ演出を、以下では「実体ステップアップ演出)と称する)について、演出モードの変更操作があった際に、実体ステップアップ演出の残りの段階に応じて、状態ステップアップ演出の変更後の開始段階を決定してもよい。
すなわち、本実施例では、前述のように、実体ステップアップ演出であるステップアップ予告が、最初に停止する識別情報列の高速変動終了後や停止後に開始されることが多い点に着目して、演出モード選択変更可能期間を、第1図柄列Z1の高速変動終了までとしている。しかし、このようにすることにより、演出モードの変更可能期間を長時間とすることが困難となり、演出モード切換えの機能の利用がその分制約されてしまう。このため、第1図柄列Z1の高速変動終了(t2)以前に実体ステップアップ演出を開始したり、或いは第1図柄列Z1の高速変動終了(t2)以降にも演出モードの選択変更を可能とすることで、演出モード切換えの機能をより有効に活用できるようになる。
ただし、このようにした場合に、演出モードの変更後の状態ステップアップ演出を常に第1段階から開始したのでは、実体ステップアップ演出の内容と、変更後の状態演出における状態ステップアップ演出の内容との齟齬が目立ってしまうこともあり得る。したがって、上述のように演出モード変更後の状態ステップアップ演出を、実体演出の残り時間に応じた段階から開始することにより、例えば実体ステップアップ演出の内容が遊技者に一層の高揚感を与えることを意図したような段階に達している場合に、状態ステップアップ演出を途中の段階から開始するといった双方の段階の調整が可能となり、双方のステップアップ演出の内容の齟齬を生じ難くなる。
また、本実施例においては、状態演出の段階数を5段階に設定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、6段階以上としたり、5段階以下としたりすることも可能である。また、段階設定用テーブル740における段階設定を、実体演出の変動時間の残り時間を、例えば、大(長)、中、小(短)といった少数の比較的粗い区分によって行うことも可能である。この場合には、状態演出の段階数を区分の数に合わせて3段階とすることで整合を図ることができる。
さらに、本実施例においては、実体演出の残余の時間に応じて状態ステップアップ演出の開始段階を設定しているが、この他に、例えば演出モード選択変更可能期間などの、実体演出以外の期間の残余時間を基準として、状態ステップアップ演出の開始段階を設定してもよい。
また、本実施例においては、限定変動パターンテーブルを用いた制御が行われているので、限定変動パターンテーブルが参照されるような状況においては、状態ステップアップ演出が実行される頻度が高まるような確率設定を行うことにより、演出モードの変更後に状態ステップアップ演出が2段階目以降から開始されるような場合を多く発生させることができ、限定変動パターンテーブルを用いた演出と状態ステップアップ演出との効果的なマッチングを図ることが可能となる。
<<B.操作ボタンの発光制御との関係>>
また、本実施例においては、操作ボタン82には、操作ボタン用発光体82aが内蔵されており、この操作ボタン用発光体82aの発した光は、操作ボタン82の光透過性のレンズ体を介して遊技者に視認されるようになっている。本実施例においては、操作ボタン用発光体82aとして、多数のチップ状のLEDが用いられている。
操作ボタン用発光体82aは、実体演出或いは状態演出に関して操作ボタン82が有効となった場合に発光駆動され、操作ボタン82の操作が、演出に反映される時期であることを遊技者に報知する。実体演出に関して操作ボタン82が有効となる場合には、例えば、演出図柄表示装置60に、前述したように、操作ボタン82の画像とともに「Push」、「連打せよ」等といった文字が表示され、遊技者に対し、操作ボタン82を操作することが促される。そして、遊技者が操作ボタン82を操作すると、演出図柄表示装置60において、現れた人物がコメントを発したり、敵対している相手への攻撃を行ったりする画像が表示される。
一方、状態演出に関しては、操作ボタン82が有効となる場合には、操作ボタン用発光体82aが点灯(或は所定パターンで点滅)駆動され、操作ボタン82が無効となる場合には、操作ボタン用発光体82aが消灯される。操作ボタン82が無効となるタイミングと操作ボタン用発光体82aが消灯されるタイミングとを完全に同期させることは困難であるので、双方のタイミングにはズレが生じる。
前述のように、本実施例のぱちんこ遊技機10は、演出モードの変更に係る遊技者の欲求を即時性を以て満たすものであるが、遊技者の欲求を満たそうとする点を突き詰めていくと、例えば、操作ボタン82が発光していても演出モードの変更ができない、或いは制御上は演出モードの変更が可能であるのに操作ボタン82が発光していない、といった事態が生じるのは好ましくない。
このため本実施例においては、操作ボタン用発光体82aが消灯されてから操作ボタン82が無効となるよう、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序が決められている。これにより、操作ボタン用発光体82aが点灯等しているのに、操作ボタン82を操作しても演出モードの切換えができないという事態が生じるのを防止できる。そして、演出モード切換え機能の使い勝手により遊技者がストレスを感じてしまうことを防止でき、所謂遊技者に優しい遊技機を提供することが可能になる。
これに対して、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序を逆に設定し、操作ボタン82を無効としてから操作ボタン用発光体82aを消灯するようにしてもよい。この場合には、操作ボタン82を無効としてから操作ボタン用発光体82aが消灯されるまでのタイムラグ中に遊技者が操作ボタン82を操作すると、操作ボタン82を操作しても演出モードの切換えができないという事態が生じ得る。しかし、遊技者は、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序がこのように設定されているということを知らずに遊技しているのが通常である。
したがって、実体演出用画像の変動表示中に発光している操作ボタン82を操作しても、状態演出が変更される場合と変更されない場合があるという認識を与えることができ、遊技者に対し、例えば、演出モードの変更の可能/不可能の不規則な相違が、ぱちんこ遊技機10の当たりの発生に何らかの関係を有しているのではないかといった推理を働かせる機会を与えることが可能となる。そして、このことによって、演出モードの切換えに係る趣向性を向上することが可能となる。
図6は、演出モードの切換えと操作ボタン82の発光制御との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706と、操作ボタン発光制御部741と、消灯順序設定部742が備えられ、消灯順序設定部742においては、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序が予め決められている。そして、図42に示す消灯順序設定処理により、消灯順序設定部742において、操作ボタン82の消灯を優先した順序が定められている場合には(S661:YES)、操作ボタン用発光体82aが消灯されてから操作ボタン82が無効となる(S662,S663)。また、消灯順序設定部742において、操作ボタン82の状態設定を優先した順序が定められている場合には(S661:NO)、操作ボタン82を無効としてから操作ボタン用発光体82aが消灯される(S664,S665)。
なお、サブ基板104のCPU521が演出モードの切換え制御と操作ボタン82の発光制御の双方を直接的に実行する場合には、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序が不安定にはなり難いと考えられる。しかし、例えばサブ基板104とは別に、CPU等を備えた電飾制御基板を分離して装備し、サブ基板104が演出モードの切換え制御を直接的に実行し、電飾制御基板が操作ボタン82の発光制御を担ったような場合には、電飾制御基板が操作ボタン82の消灯のタイミングを制御する結果、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序を一定とすることは困難であり、操作ボタン82の状態設定と操作ボタン用発光体82aの消灯との実行順序が不安定になり易い。
したがって、サブ基板104とは別に電飾制御基板を装備した場合に、上述の消灯順序設定部742を備えることにより、消灯順序設定部742は一層際立った作用効果を奏することができる。
なお、本実施例においては、操作ボタン82が無効となる状況を例示しているが、本発明はこれに限定されず、操作ボタン82が有効となる状況において、演出モードの切換えと操作ボタン82の発光制御との関係を規定してもよい。この場合には、前述の消灯順序設定部742を発光順序設定部に置き換えて、操作ボタン82の点灯を優先した順序が定められている場合には、操作ボタン用発光体82aが点灯されてから操作ボタン82が有効となり、操作ボタン82の状態設定を優先した順序が定められている場合には、操作ボタン82を有効としてから操作ボタン用発光体82aが点灯されるように構成することが可能である。
<<C.画像演出及び音響演出との関係>>
さらに、本実施例においては、状態演出に画像演出や音響演出が用いられているが、演出モードの切換えに関して、画像演出と音響演出の実行順序が決められている。すなわち、操作ボタン82が操作されて状態演出を切換える場合に、変更後の演出モードに対応した音響演出が先に開始され、同じく変更後の演出モードに対応した状態演出用画像による画像演出が後に開始される。
このように音響演出と画像演出の実行開始順序の設定を行うことは、遊技者による、演出モードが切り替わったことの認知に、何らかの影響を及ぼすことができると考えられる。例えば、先に実行されていた状態演出に対応する楽曲と、後に実行される状態演出に対応する楽曲とで、調子、高低、拍子などの雰囲気の違いを明確にした場合には、遊技者に対し、演出モードが切り替わったことの認知を迅速に行えるよう働きかけることができる。また、楽曲の違いを抑制した場合には、遊技者による演出モードが切り替わったことの認知を遅らせるように働きかけることができる。
また、音響演出と画像演出とが完全に同期しては切り替わらないことを、音響演出の切り替わりの認知のし難さを利用して補うといったことも可能である。例えば、音響演出の切換えを先に行ったとしても、音響演出の切り替わりの認知に遅れが生じ易い状況であれば、遊技者が、音響演出と画像演出との切り替わりが同期しているように感じる可能性が高まり、音響演出と画像演出との切り替わりの時間差を、遊技者の感覚上は解消することが可能となる。さらに、演出モードの切換えの前後の画像演出間において、画像を構成する要素(例えば、海、砂浜、山、登山道、等)の形状の違いや色彩の違い(例えば、色相環上の違い等)を抑制して、切換え前後の認知の難易度を調整することによって、音響演出と画像演出の実行開始の時間差に関して、更に緻密な調整が可能となる。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、変更後の演出モードに対応した画像演出を先に開始し、変更後の演出モードに対応した音響演出を後に開始するようにしてもよい。この場合にも、前述の場合と同様に音響演出と画像演出の実行開始の時間差に関しての調整が可能である。
また、演出モードの切換え前後の区別を遊技者に明確に示すのは、楽曲の違いに依るよりも、映像の違いに依るほうが容易と考えることもできる。つまり、楽曲の違いは、例えば最初の一音を聞いたのみでは認識できない場合も比較的多くあると考えられるが、画像の違いは色彩や形状の違いとして現れるため、楽曲の違いに比較すると、遊技者が即座に認識し易いと考えられる。したがって、音響演出よりも先に画像演出を開始した場合のほうが、操作ボタン82の操作通りに演出モードが切り替わったことを、遊技者に迅速に認知させ得る。
図6は、演出モードの切換えと画像演出及び音響演出との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706と、演出間順序設定部751とが備えられ、演出間順序設定部751においては、画像演出及び音響演出の実行順序が予め決められている。そして、図43に示す演出間順序設定処理により、演出間順序設定部751において、音響演出を優先した順序が定められている場合には(S671:YES)、操作ボタン82が操作されて状態演出を切換える場合に、変更後の演出モードに対応した音響演出が先に開始され(S672)、同じく変更後の演出モードに対応した画像演出が後に開始される(S673)。一方、演出間順序設定部751において、画像演出を優先した順序が定められている場合には(S671:NO)、操作ボタン82が操作されて状態演出を切換える場合に、変更後の演出モードに対応した画像演出が先に開始され(S674)、同じく変更後の演出モードに対応した音響演出が後に開始される(S675)。
<<D.エラーとの関係>>
さらに、本実施例においては、操作ボタン82の有効及び無効の間の切換えが、異常(エラー)の発生に関係付けられている。すなわち、何らかのエラーが検出された場合には、通常であれば演出モードの切換えが可能な期間中であっても、操作ボタン82が無効とされ、演出モードの切換えが禁止される。
演出モードの切換えには、切換え後の実態演出及び状態演出の双方における、映像演出、音響演出、光装飾演出等の演出要素の完全な、或いは大まかな同期を図ったうえでの出力が必要であり、エラーが発生した場合には、これらの演出要素の何れかが欠けた状態で演出を継続しなければならない状態が生じ得る。しかし、エラーが発生した状況においては、エラーの原因が直ぐに判明するとは限らず、何れかの演出要素が欠けた状態で、切換え後の演出モードを実行したのでは、遊技者にどのような印象を与えるか想定できない。そして、この結果、遊技者や遊技機市場に対して、当該機種のぱちんこ遊技機10について消極的な印象を抱かせてしまう可能性もある。このため本実施例のように、エラーが発生した場合には、演出モードの切換えを禁止することによって、遊技者や市場に不測の印象を与えてしまうことが防止できる。
このようなエラーが生じた場合に、操作ボタン82を再び有効とするための条件として、エラーが解除されたこと、かつ、エラーが発生した際の実体演出が終了したこと、の2つの条件の成立を挙げることができる。また、これに限定されるものではなく、何れか一方の条件が成立したことのみをもって、操作ボタン82を再び有効としてもよい。さらに、エラーが発生した際の実体演出が終了するまでは、音響演出を実行しないといった態様の採用も可能である。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10において、エラーとして設定されているのは、メイン基板102においては、賞球の払い出しにおけるエラーと、その他のエラーとである。そして、賞球の払い出しにおけるエラーとしては、通信線異常が規定されている。通信線異常とされるのは、払出制御基板45との通信で異常を検出した場合、又はメイン基板102の電源が投入された場合である。通信線異常は、払出制御基板45との通信が正常に行えたときに解除される。エラー中においては、発射装置の作動が禁止され、遊技球の発射が停止される。また、払出制御基板45との通信が不可能なため、新たな賞球の払い出しは行われない。
一方、その他のエラーは6種類規定されており、その各々は、RWM初期化、扉・枠開放、磁気センサ異常、電波センサ異常、断線短絡電源異常、及び乱数更新異常である。これらのうち、RWM初期化は、電源投入時にRWM503の初期化を行った場合にエラーとして扱われ、電源投入時から30秒後に解除される。
扉・枠開放は、扉14、又は遊技盤50が装着された前枠12が開いている場合、若しくは、図示を省略するが、扉14の開放を検出する扉開放スイッチ又は前枠12の開放を検出する枠開放スイッチに断線や故障が生じた場合にエラーとなる。そして、この扉・枠開放のエラーは、遊技機に異常がなく、扉14又は前枠12を閉めた場合に解除される。
磁気センサ異常、及び電波センサ異常は、磁気センサが磁気を検出した場合や、電波センサが電波を検出した場合、及び磁気センサや電波センサの断線、短絡、或いは故障が生じた場合に発生する。そして、磁気センサ異常、及び電波センサ異常は、遊技機に異常がなく、電源を再投入した場合に解除される。
断線短絡電源異常は、電波センサ及び遊技盤面に取り付けられた各種スイッチの断線、短絡、或いは故障が生じた場合に発生し、遊技機に異常がなく、電源を再投入した場合に解除される。
乱数更新異常は、メイン基板102のCPU57の特定のクロック端子に入力された乱数更新用クロックの異常を検出した場合に発生し、遊技機に異常がなく、電源を再投入した場合に解除される。
そして、磁気センサ異常、断線短絡電源異常、及び乱数更新異常の場合のエラー中の処理においては、遊技球の発射が停止され、更に乱数更新異常の場合は、第1特別図柄192及び第2特別図柄193の新たな変動は行われない。
エラー状態の表示は、図示しないが、主制御エラー表示灯、第1状態表示灯、第2状態表示灯を用いて行われる。主制御エラー表示灯は、例えばメイン基板102に搭載されるものであり、通信線異常、RWM初期化、扉・枠開放、磁気センサ異常、電波センサ異常、断線短絡電源異常、及び乱数更新異常の何れの場合にも点灯してその旨を報知する。所謂7セグ表示体や複数のLEDを用いることで、エラーの種類毎に異なる態様で点灯させることが可能である。また、第1状態表示灯及び第2状態表示灯は、例えば前枠12の一部の遊技効果ランプ90を利用したものであり、RWM503の初期化時から3秒間点灯する。また、本実施例では、演出図柄表示装置60の表示をエラー報知の表示に切換えること、スピーカ19を用いた音響演出を停止すること、及び警報音を出力することにより、エラー状態の報知が行われる。
図6は、演出モードの切換えとエラーとの関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706、エラー判断部756、及び実体演出状態判断部757とが備えられており、図44に示すエラー対応処理により、エラーが発生したことがメイン基板102等からサブ基板104に通知されており、エラー判断部756においてエラーの発生が判断され(S681:YES)、操作ボタン82の操作が有った場合に(S682:YES)、演出モード変更部706の演出モード変更切換制御部(図示略)において、エラー判断部756の判断に基づき、不許可信号をスイッチ受付部に出力する(S683)。さらに、操作ボタン82を再び有効とする際には、エラー判断部756が、エラーが解除されたことを判定し(S684:YES)、かつ、実体演出状態判断部757が、エラーが発生した際の実体演出が終了したと判定した場合に(S685:YES)、演出モード変更切換制御部は、許可信号をスイッチ受付部に出力する(S686)。
<<E.復帰処理との関係>>
また、本実施例においては、電源の遮断(以下、「電断」とする)があった場合の、電断状態から正常状態への復帰、保留個数、画像演出、及び音響演出の間の関係が設定されている。すなわち、電断状態から電源が再投入されて、遊技が可能となる正常な状態への復帰処理が実行される場合、2個以上の保留があれば、保留個数が変化する際の前後で、実体演出における音響演出の有無が変更され、更に操作ボタン82の有効制限が変更される。
例えば、保留個数が2個の状況で電断が生じた場合、電源投入後の復帰処理中において、演出図柄表示装置60には、「復帰処理中のためしばらくお待ちください」等の表示がされており、実体演出及び状態演出の各々を正常な状態で実行することはできない。しかし、ぱちんこ遊技機10の制御上は、電断時の先頭の保留(最先に消化される保留)に対応する実体演出についての時間のカウントが開始されており、復帰処理中に表出はしないものの、復帰処理に係る部分以外の部分については、遊技が開始されている。そして、この状況においては、実体演出に対応する音響演出は外部出力されず、所謂変動音はスピーカ19から発せられない。
ただし、演出モードの切換えに関しては、操作ボタン82が有効とされており、切換えが可能である。さらに、通常の切換え可能期間(演出モード選択変更可能期間)のみでなく、実体演出の変動期間中におけるその後の期間、即ち通常の切換え可能期間以降の期間においても、操作ボタン82が有効とされている。つまり、映像演出や音響演出に制限を受ける期間中には、通常時とは異なる時期においても演出モードの切換えを許容することにより、演出モードの切換えについての制約を極力減らすことが可能となり、演出モードの切換え機能の、遊技者にとっての使い勝手を向上させることができる。
この場合、復帰処理中においても、モード変更の操作を行ったことが把握できるような表示上、音響上、或いは光装飾上の報知を行うことで、演出図柄表示装置60に「復帰処理中のためしばらくお待ちください」等の表示が画面一杯の黒色の背景と合成表示されて状態演出用画像が確認できなくなったとしても、演出モードが変更されたことを遊技者に告知することが可能となる。
また、モード変更の操作を行ったことが把握できるような報知を行わない場合には、遊技者は、演出モードの総数と、復帰処理中のモード変更操作の回数とを記憶しておくことにより、現在の演出モードが何れであるのかを知ることが可能となる。
一方、先の保留に対応する時間が経過した後にも復帰処理が続いている場合には、次の2個目の保留に対応する実体演出についての時間のカウント中は、実体演出に対応する音響演出が外部出力され、変動音がスピーカ19から発せられる。演出モードの切換えに関しては、通常の制御に戻り、通常の切換え可能期間にのみ操作ボタン82が有効とされ、それ以降の期間には操作ボタン82が無効とされる。
したがって、電断時の最後尾の保留に対応する実体演出が実行されている際には、演出モードの切換えに関して、より通常に近い状態で制御することが可能となり、復帰処理の終了後の正常な遊技に円滑に繋げていくことが可能となる。また、復帰処理の終了後に、遊技者は即座に自分の好みに合った演出モードで遊技を再開でき、復帰処理が終了してから慌てて演出モードを自分の好みに合わせる必要はない。そして、このことによって、遊技者の嗜好により合致したぱちんこ遊技機を提供することが可能となり、演出モードの変更機能の利用価値を一層高めることができる。
また、復帰処理中に常時同様の制御態様が遊技者に供されるのではなく、保留数の減少を契機として、異なる制御態様が遊技者に供される。そして、復帰処理中の制御態様は、保留に基づき段階的に変更され、徐々に正常な状態に近付けられる。
したがって、復帰処理中に、単に同一な態様の制御状態を継続するものに比べて、遊技者に対し、保留に伴う実体演出の進行を知らせることができ、状況の変化を知覚させることができる。さらに、復帰処理中であっても、遊技者に対し、ぱちんこ遊技機10に注目させたり、ぱちんこ遊技機10を操作したりする動機を与えることができ、遊技者の興味を継続させることが可能となる。
図6は、演出モードの切換えと復帰処理との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706と、復帰中報知制御部761と、保留数を判断する保留数判断部762と、初期化スイッチ544の操作があったか否かを判断する初期化操作判断部763と、音響演出の出力の可否を判断する音響出力判断部764と、復帰処理中の複数機能の相互関係を設定する復帰中状態設定部765とが備えられている。
図45の電源復帰時設定処理により、復帰中状態設定部765は、復帰中報知制御部761により復帰中報知が行われている場合に(S691:YES)、保留数判断部762が2以上の保留数があると判断し(S692:YES)、かつ初期化操作判断部763が初期化スイッチ544の操作がなかったと判断した場合に(S693:NO)、音響出力判断部764が音響演出を不許可とし(S694)、演出モード変更部706の演出モード変更切換制御部が演出モードの切換えを許可するよう機能する(S695)。さらに、復帰中状態設定部765は、通常時であれば演出モードの変更が可能である期間(演出モード選択変更可能期間)が終了するタイミングを過ぎた後でも、演出モード変更切換制御部が実体演出の変動時間が終了するまで演出モードの切換えを許可するよう機能する(S696,S697)。
また、S692において保留数判断部732が2以上の保留数があると判断した場合(S692:YES)の、先頭から保留が順次消化され、保留数が2未満となって(S692:NO)、電断時の最後尾の保留に対応する実体演出が開始された際には、復帰中状態設定部765は、音響出力判断部764が音響演出を許可し(S698)、演出モード変更部706の演出モード変更切換制御部が、通常時と同じように、演出モード選択変更可能期間が終了するまで演出モードの切換えを許可するよう機能する(S699,S700)。
一方、復帰中状態設定部765は、復帰中報知制御部761により復帰中報知が行われている場合に、保留数判断部762が2以上の保留数があると判断した場合でも、初期化操作判断部763が初期化スイッチ544の操作があったと判断した場合には(S693:YES)、復帰中報知が行われている間は、通常時と同じように音響出力判断部764が音響演出を許可するが(S700)、演出モード変更切換制御部が演出モードの切換えを不許可とするよう機能する。
なお、本実施例における「電断」は、例えば遊技店関係者が営業終了後に電源オフするような場合、機械トラブルの解消のために電源を入れ直すような場合、不測の電圧降下によって一時的に電源がオフするような場合、或いは停電があった場合など、様々な場合の電源の遮断に対応したものである。
また、復帰処理中に、通常時と同じように、演出モード選択変更可能期間が終了するまで演出モードの切換えを許可するのは、保留数が2未満となった場合に限られるものではなく、保留数が総数8個中の5個から4個になった場合、第2特別図柄193に対応した保留がなくなり、第1特別図柄192に対応した保留が消化され始めた場合、保留数が3個から2個に変わった場合等、種々に変更が可能である。
<<F.RWMの初期化との関係>>
また、本実施例においては、操作ボタン82の有効制限とRWM503の初期化との関係が設定されている。すなわち、初期化スイッチ544が操作されてRWM503が初期化される際には、演出モードの切換えが禁止される。これにより、電源投入直後の初期化処理の段階において操作ボタン82が操作されたとしても、初期化後は常に同じ演出モードから遊技を開始できる。そして、電源投入を行った作業者やその他の関係者に対し、状態演出によって、初期化スイッチ544を操作したうえでの電源投入であることを報知できる。
図6は、RWMの初期化との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706と、初期化操作判断部763と、初期化操作時の演出モードの切換えとRWMの初期化との関係を設定する初期化時状態設定部771とが備えられている。
図46に示す初期化時状態設定処理により、電源投入時等に、初期化スイッチ544が操作されると、初期化操作判断部763が、初期化操作があったことを判断(S706:YES)し、初期化時状態設定部771が、演出モード変更部706の演出モード変更切換制御部が演出モードの切換えを不許可とするよう機能する(S707)。
<<G.変動状態報知との関係>>
さらに、本実施例においては、電断状態から通常状態への復帰と、実体演出の開始又は終了と、操作ボタン82の発光との関係が設定されている。すなわち、電断からの復帰処理中で実体演出における画像演出が視認できない状態であっても、操作ボタン82の発光駆動制御により、上記画像演出の変動開始及び変動終了が遊技者に対して報知される。具体的には、上記画像演出の変動開始時には、操作ボタン82が発光し、変動終了時には操作ボタン82が発光を停止する制御態様が実行される。これにより、遊技者は、スピーカ19からの音響演出や、遊技機枠や遊技盤50で行われる通常通りの光装飾演出に頼ることなく、視覚的に且つ直接的に変動開始の時期と変動終了の時期を知ることができる。そして、遊技者は、操作ボタン82の発光状態のみによって、或いは音響演出や光装飾演出との組み合わせによって、より的確に演出モードの切換え可能な期間を推定できる。このことは、前述したような、復帰処理の終了後に、遊技者は即座に自分の好みに合った演出モードで遊技を再開できることにも繋がり、演出モードの機能の利用価値を一層高めることが可能となる。
さらに、復帰処理中においても実体遊技が進行していることを報知できるため、復帰処理以外の処理については正常に行われていることを外形的に示すことができ、安全性に配慮したぱちんこ遊技機であるという心証を関係者に与えることが可能である。そして、ぱちんこ遊技機の安全上の信頼性を高めることが可能となり、型式についての行政上の許認可も受け易くなると期待でき、商品化の可能性を向上できる。
また、復帰処理中に実体遊技を進行させることにより、遊技者に遊技球の発射を促すことにも繋がる。
なお、操作ボタン82の有効期間が操作ボタン82の点灯と消灯とによって報知されることを考えれば、変動表示期間の報知態様と、操作ボタン82の有効期間が終了してから変動表示期間が終了するまでの報知態様とを異ならせる必要があるが、操作ボタン82の有効期間の終了後には、操作ボタン82の点灯色をそれまでとは異ならせることや、操作ボタン82を点滅させる等の策を施すことにより、両報知態様を差別化することが可能である。また、操作ボタン82の有効期間の報知態様に、操作ボタン82の点滅が含まれる場合には、発光色を異ならせて点滅させることや、それまでよりも短い周期で点滅させることなどが考えられる。
さらに、復帰処理中においては、操作ボタン82の有効期間を報知せず、変動表示期間の開始と終了のみを報知することも可能であり、この場合には遊技者に対し、演出モードの切換え可能な期間を推理させることを積極的にゲーム性の一部とするような遊技機仕様を提供できる。
また、本実施例においては、実体演出における画像演出の変動開始及び変動終了の双方が報知されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、何れか一方のみ、例えば変動開始の報知のみを行ってもよい。このようにした場合には、操作ボタン82の有効期間の報知態様と、当該有効期間が終了してから変動終了までの報知態様とを異ならせることが必要なく、制御プログラム開発が容易となる。
なお、上記画像演出の変動開始及び変動終了の少なくとも一方の報知態様として、操作ボタン82を一時的に(例えば1秒前後)発光させるといった態様も考えられる。このようにした場合には、操作ボタン82の有効期間の報知態様との差別化が容易である。
図6は、演出モードの切換えと復帰処理との関係を規定するための構成を概念的に示している。すなわち、サブ基板104において、演出モード変更部706と、操作ボタン発光制御部741と、復帰中報知制御部761と、実体演出状態判断部757と、実体演出状態報知設定部777とが備えられている。
図47の実体演出状態報知処理により、実体演出状態報知設定部777は、電断からの復帰処理中で(S711:YES)、実体演出における画像演出が視認できない状態であっても、実体演出状態判断部757が画像演出の変動表示が開始されるタイミング、及び停止されるタイミングを判断し(S712,S714)、操作ボタン発光制御部741が、画像演出の変動開始のタイミング、及び変動終了のタイミングを報知するよう機能する(S713,S715)。
以上、本発明の実施形態を一実施例に基づき説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。
例えば、上記実施例においては、サブ基板104が音響演出を制御するものとしているが、本発明はこれに限定されず、サブ基板をサブ−メイン基板とサブ−サブ基板とに分け、サブ−メイン基板では操作ボタン82の操作音を制御し、サブ−サブ基板では実体演出に対応した音響演出や、状態演出に対応付けられた音響演出を制御するといった構成及び制御処理を採用することも可能である。
また、第1図柄列Z1の変動が停止するまで演出モードの選択変更を可能とするようにしてもよい。さらに、リーチ状態が出現する直前まで演出モードの選択変更を可能とするようにしてもよい。
なお、本実施例において、「大入賞口」の用語は、主に遊技球が進入可能な開口部の意味で用いられているが、「大入賞口」が、例えば第1大入賞口91及び第2大入賞口92の一方又は双方を有し遊技盤50に装着される遊技用装置(機器)を意味するものであってもよい。
<演出モードの変更抽選>
本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述したように変動期間中において自動的な演出モードの切換え及び遊技者の手動による演出モードの切換えが可能であるが、自動的な演出モードの切換えは、あらかじめ実行される演出モード変更抽選の結果に基づいて行われる。すなわち、本実施例ではサブ基板104において、演出決定手段132により、演出モード変更抽選が実行される。演出モード変更抽選には、演出モード決定用乱数及び演出モード選択テーブルが用いられ、所定のタイミングで取得された演出モード決定用乱数の抽選値(演出モード抽選値)が判定され、演出モード選択テーブル中から、取得された演出モード抽選値に対応する数値範囲に割当てられた演出モードが選択される。ここで、「変動期間中」は、装飾図柄190a〜190cの変動期間中であることを意味しているが、第1特別図柄192や第2特別図柄193の変動期間中であってもよい。
なお、演出モード抽選値の取得タイミングとしては、第1始動入賞口62や第2始動入賞口63への入球検出時を例示することができる。この場合、演出モード抽選値は、第1始動入賞情報や第2始動入賞情報に含まれるものとすることができる。さらに、演出モード抽選値のその他の取得タイミングとしては、所定の演出が選択されて実行された場合などを例示することができる。
また、演出モード変更抽選の態様としては種々のものが考えられる。例えば、演出モード選択テーブル中、或いは演出モード選択テーブルとは別のテーブル(例えば、演出モード変更決定テーブル)に、演出モードを変更するという抽選結果、及び演出モードを変更しないという抽選結果を設定し、演出モードを変更するという抽選結果が得られるまで、演出モードを変更せずに同じ演出モードでの遊技を継続させることが挙げられる。そして、演出モードを変更するという抽選結果が得られた場合に、何れの演出モードを選択するかの抽選に進むことが考えられる。
さらに、例えば、各演出モード(本実施例では演出モード1〜3)の下でのゲーム数をカウントし、何れかの演出モードでのゲーム数が所定値に達しているか否かの判定を行い、所定値に達していれば演出モードの変更のための抽選を行う、といった制御態様を挙げることができる。また、ゲーム数が所定値に達していなくても演出モードの抽選は実行するが、演出モードを変更するという抽選結果が得られても、ゲーム数が所定値に達するまでは、演出モードの変更を許可しない、といった制御態様なども例示できる。
ここで、上述のゲーム数は、装飾図柄190a〜190cの変動表示の回数を意味している。この場合、装飾図図柄190a〜190cが、一つの始動入賞情報に基づき擬似的に複数回変動表示を行わせるような演出(所謂擬似連続予告演出や擬似連など)が行われる場合には、擬似的な変動表示回数を一回として取扱ってもよく、また複数回として取扱ってもよい。さらに、上述のゲーム数を、第1特別図柄192や第2特別図柄193の変動表示の回数としてもよい。
また、自動的な演出モードの変更に限らず、遊技者の手動による演出モードの変更においても、演出モードの選択を抽選により行うことが可能である。つまり、遊技者が個々の演出モードを自らの好みに応じて決定する以外に、抽選結果に応じた演出モードへの切換えを、遊技者による操作を介した入力(例えば、操作ボタン82の操作)を契機として行うといったことも可能である。このような制御態様の一例としては、以下のようなものを挙げることができる。
例えば、遊技中に操作ボタン82の有効期間中であることが何らかの態様で報知され、遊技者に対し操作ボタン82への操作が促される。そして、演出モードを変更する旨の抽選結果が得られていれば、遊技者が操作ボタン82を押圧すると、この操作を契機とし、即座に、或いは所定の演出を経て、演出モードの切換えが行われる。また、演出モードを変更する旨の抽選結果が得られていなければ、遊技者は操作ボタン82を押圧しても、演出モードの切換えは実行されない。
このような制御態様は、遊技者の操作を演出の一要素として取込んでいる点では、手動による演出モードの変更を行っているものといえる。しかし、演出モードの変更が必ず実行されるとは限らない点や、遊技者が変更後の演出モードの種類を特定できるわけではない点などにより、自動的に演出モードの変更を行っているものともいえる。本実施例では、このような制御態様は、自動的な演出モードの変更に含まれるものとする。
<演出モードの変更と各種抽選率との関係>
<<変更後の演出モードと当りの発生期待度等との関係>>
本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述したように自動的な演出モードの切換え及び遊技者の手動による演出モードの切換えが可能であるが、演出モードの切換えに対して、各種演出パターンの実行頻度(出現頻度、実行割合、出現率、選択率、被選択率などともいう)や、各種当り(大当り及び小当り)及び特定遊技(確変や時短など)との関係が規定されており、以下に図48に基づいて、これらの関係について説明する。なお、以下では、自動的な演出モードの変更を「自動モード変更」と称し、遊技者の手動による演出モードの変更を「手動モード変更」と称する。さらに、「自動モード変更」及び「手動モード変更」を包含して「モード変更態様」と称する。
先ず、本実施例においては、自動モード変更に際し、変更後の演出モードを選択するにあたり、変更後用の演出モードの選択割合が、演出モードの種類に応じて異なるように設定されている。図48は、前述の演出モード選択テーブルで規定される各演出モードの選択率のうちから、はずれ時と大当り時における変更後用の演出モードの選択率を抽出して示している。ここで、記号「A」は前述の演出モード1(図15(a)参照)に対応しており、記号「B」は同じく前述の演出モード2(図15(b)参照)に対応している。さらに、記号「C」は同じく前述の演出モード3(図16参照)に対応している。以下では、説明や図示の便宜上、演出モード1〜3を演出モードA〜Cと称する。
図48中に示すように、はずれ時には、変更後用の演出モードA〜Cの選択率は順に20%、30%、50%となっている。なお、図中では単位の表記を省略している。これに対し、大当り時には、変更後用の演出モードA〜Cの選択率は、各々60%、35%、5%となっており、はずれ時と大当り時とを比べると、はずれ時には演出モードCが最も選択され易いが、大当り時には演出モードAが最も選択され易くなっている。そして、大当りの発生期待度(単に「期待度」、或いは演出の大当り「信頼度」などともいう)の大小関係は、演出モードA>演出モードB>演出モードCとなっている。このため、演出モードが、例えば演出モードCから演出モードAに切換わった場合には、演出モードCから演出モードBに切換わった場合よりも、大当りの期待度の高い演出が実行されたことになる。
なお、ここでは変更前の演出モードと変更後の演出モードとの関係を特には制限しておらず、このため、例えば演出モードCの実行中に、演出モードの変更抽選により、同じ演出モードCが変更後用の演出モードとして選択される場合もある。この場合、外形上は演出モードの変化は起きず、遊技者は、演出モードCにおける演出が継続して実行されているように認識し得る。しかし、これに限定されず、例えば、演出モードCの実行中には、選択肢から演出モードCを除外した抽選を行ってもよい。また、変更前と同じ演出モードが選択された場合には、抽選結果を無効として取扱い、異なる演出モードが選択されるまで変更抽選を継続する、といった制御態様を採用してもよい。さらに、同じ演出モードが継続される場合であっても、例えば演出モード抽選が行われた際に全面が黒色となるような表示を実行し、所謂ブラックアウトを発生させ、異なる演出モードへの変更があるか否かを期待させるような演出を行ってもよい。
また、変更前の各演出モードについても、大当りの期待度を互いに異ならせるような抽選確率の割振りを行うことが可能である。そして、この場合には、変更前の演出モードについて、図示は省略するが、例えば演出モードA〜Cの順に大当り期待度が50%、30%、20%であれば、演出モードCから演出モードBに変更された場合には、期待度が20%から35%(図48参照)に上昇したことになり、更に演出モードCから演出モードAに変更された場合には、期待度が20%から60%(図48参照)に上昇したことになる、といったゲーム性に係る制御処理を実現できる。
また、ここでは大当りの例を挙げているが、大当りに限定されるものではなく、前述の小当りや特定遊技などについての当選時と、はずれ時との関係においても、各演出モードの選択率が異なっていてもよい。なお、各種当り及び特定遊技を包括的に捉えて例えば「総合的特定遊技」などと称し、ここで説明している実施形態に係る発明を、総合的特定遊技についてのはずれの場合と当りの場合とで、各種演出モードの選択率を異ならせた発明として把握することも可能である。また、演出モードの種類は4種類以上であってもよい。
このように変更後の演出モードと当りの発生期待度との関係を規定した本実施形態によれば、変更後用の演出モードの選択率が、演出モードの種類に応じて異なるように設定されているので、演出モードの変更の態様に応じて異なる意味を持たせた報知が可能となる。さらに、本実施形態においては、例えば、はずれと大当りのような当否結果に応じて変更後用の演出モードの選択率が異なっているので、演出モードの変更の態様に応じて、大当り期待度等の遊技者の利益に直接的に関係する事項についての報知が可能となる。そして、演出モードの変更態様と各種遊技状態についての当否との連動によって趣向性の向上を図ることが可能となる。
<<モード変更態様と各種遊技演出の実行割合との関係>>
さらに、本実施例においては、自動モード変更であるか手動モード変更であるかというモード変更態様と、各種遊技演出の実行割合との関係が規定されている。すなわち、モード変更態様の相違に応じて、例えば予告演出パターンなどといった遊技演出パターンの選択率が異なるようになっている。
ここで、遊技演出とは、前述した実体演出と状態演出とにより構成される演出の包括的な概念であり、演出モードを複数設定することにより、遊技演出も複数備えられることとなる。また、遊技演出の区分は種々に定義づけることが可能であるが、本実施例では、制御上、演出モードが次の演出モードに切換わった際に遊技演出の種類が変わったものとしている。この他にも、視覚上における実体演出又は状態演出のモード変更によって遊技演出の種類が変更されたとすることも可能であり、実体演出及び状態演出双方のモード変更が為されたことによって遊技演出の種類が変更されたとすることも可能である。さらに、これら以外の指標に基づき、遊技演出の種類が変更されたとすることも可能である。
図49は、モード変更態様と特定の遊技演出の実行割合との各種の関係を示している。すなわち、図49中の(A1),(A2)は、変更前の演出モードにおける、各種保留予告演出の実行割合を、はずれ時と大当り時に分けて示している。なお、ここでは、図示や説明を簡略化するために、演出モードA及び演出モードBの関係のみを例示しており、図49(A1)は演出モードAを示し、(A2)は演出モードBを示している。また、遊技演出の演出パターンとして、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197の保留表示を用いた予告演出パターンである保留予告を例に挙げている。さらに、ここでは大当りの例を説明しているが、大当りに限定されるものではなく、前述の小当りや各種特定遊技についての当選時と、はずれ時とについて、本実施形態に係る発明を適用してもよい。また、これら以外の遊技状態に係る当選とはずれについても同様の関係を設定することが可能である。
図49中の記号「○」、「◎」、及び「☆」は、保留表示の態様を示している。これらのうち「○」は通常の保留表示パターンであり、他の「◎」、「☆」は、「○」よりも遊技者にとっての大当りの発生期待度が高いことを意味する保留表示パターンである。さらに、「◎」と「☆」との間でも期待度の違いが設けられており、「☆」のほうが「◎」に比べて期待度が高くなっている。なお、ここでは説明の簡略化のために、3種類の保留表示パターンを例示しているが、4種類以上の保留表示パターンを設定してもよい。また、前述したように保留球の点灯色を異ならせるといった態様で、複数種類の保留表示パターンを設定してもよく、更に各種形状、彩色、模様等、及びこれらの組合せによってより多くの種類の保留表示パターンを設定してもよい。
このような保留表示は、例えば第1特別図柄192或いは第2特別図柄193の変動が停止する度に、始動入賞情報の消化に伴って表示位置が変化したり、表示態様が変化したりするものであり、そのような意味においては実体演出の要素となっている。また、本実施例において、各保留表示パターンの出現率は、保留表示パターン決定用カウンタ(図示略)に設定された数値の個数(ここでは数値範囲中の数値の個数)と、各保留表示パターンに割振られた数値の個数(ここでは数値範囲中の数値の個数)との比により求めることができる。
図49(A1)に示すように、変更前の演出モードが演出モードAである場合におけるはずれ時の各保留表示の選択率は、「○」、「◎」、「☆」の順に90%、9%、1%となっており、大当り時の各保留表示の選択率は、20%、30%、50%となっている。さらに、図49(A2)に示すように、変更前の演出モードが演出モードBである場合におけるはずれ時の各保留表示の選択率は、「○」、「◎」、「☆」の順に95%、4.5%、0.5%となっており、大当り時の各保留表示の選択率は、15%、25%、60%となっている。
続いて、図49中の(B1),(B2)は、モード変更態様が自動であった場合(第2条件成立時)で、且つ、モードの変更の前後で保留表示パターンが変化し得る場合における、演出モードの変更後用の各種保留予告演出の実行割合を、はずれ時と大当り時に分けて示している。さらに、図49(B1)は演出モードAから演出モードBへの移行時を示し、(B2)は演出モードBから演出モードAへの移行時を示している。ここで、例えば、はずれ時において、演出モード変更前の保留表示パターンが「○」であった場合に、変更後の保留表示パターンとして「○」が選択された場合には、外形上は、保留表示パターンが変化しないこととなる。
なお、例えば各演出モード毎に「○」,「◎」,「☆」の形態を異ならせ、演出モードA用の「○」の保留表示パターン、演出モードB用の「○」の保留表示パターン、演出モードC用の「○」の保留表示パターンを設定することなども可能である。この場合は、例えば演出モードA用の「○」から演出モードB用の「○」に保留表示パターンが変化する、といった演出が実行されることとなる。
図49(B1),(B2)に示すように、モード変更後用の各種の保留表示パターンの選択率は、はずれ時と大当り時とで異なっている。つまり、はずれ時には、通常の保留表示パターンである「○」の選択率は、99.48%及び96.9%であり、「○」が選択され易くなっているが、大当り時には、「○」の保留表示パターン(選択率:10%及び5%)よりも「◎」の保留表示パターン(選択率:30%)のほうが選択され易く、更に、「◎」の保留表示パターンよりも、「☆」の保留表示パターン(選択率:60%及び65%)のほうが選択され易くなっている。
また、演出モードがAからBに変更される場合(図49(B1))と、演出モードがBからAに変更される場合(図49(B2))との対比においても、各種の保留表示パターンの選択率は異なっている。すなわち、はずれ時及び大当り時の何れにおいても、演出モードがBからAに変更される場合(B2)のほうが、演出モードがAからBに変更される場合(B1)に比べて、「◎」や「☆」の保留表示パターンが選択される確率が高くなっている。したがって、演出モードがBからAに変更される場合(B2)のほうが、演出モードがAからBに変更される場合(B1)に比べて、相対的に信頼度の高い特殊な保留表示への変化が実行され易い。
続いて、図49(C1),(C2)について説明する。図49(C1),(C2)は、モード変更態様が手動であった場合(第1条件成立時)について、図49(B1),(B2)と同様に、モードの変更の前後で保留表示パターンが変化し得る場合における、演出モードの変更後用の各種保留予告演出の実行割合を示している。なお、ここでも前述の場合と同様に、例えばはずれ時において、演出モード変更前に「○」が表示されていた場合に、変更後の保留表示パターンとして「○」が選択された場合には、保留表示パターンが外形上は変化しないこととなる。さらに、各演出モード毎に「○」,「◎」,「☆」の形態を異ならせた場合には、例えば演出モードA用の「○」から演出モードB用の「○」に保留表示パターンが変化する、といった演出が実行されることとなる。
この図49(C1),(C2)に示す例においても、モード変更後用の各種の保留表示パターンの選択率は、はずれ時と大当り時とで異なっている。つまり、はずれ時には、通常の保留表示パターンである「○」が選択され易くなっているが、大当り時には、「○」の保留表示パターンよりも「◎」の保留表示パターンのほうが選択され易く、更に、「◎」の保留表示パターンよりも、「☆」の保留表示パターンのほうが選択され易くなっている。
さらに、演出モードAの実行中に手動モード変更の操作が行われて第1条件が成立した場合(C1)と、演出モードBの実行中に手動モード変更の操作が行われて第1条件が成立した場合(C2)との対比においても、各種の保留表示パターンの選択率は異なっている。すなわち、図49(C1)及び(C2)の例においては、はずれ時及び大当り時の何れにおいても、演出モードBの実行中に第1条件が成立した場合(C2)のほうが、演出モードAの実行中に第1条件が成立した場合(C1)に比べて、「◎」や「☆」の保留表示パターンが選択される確率が高くなっている。したがって、演出モードBの実行中に第1条件が成立した場合(C2)のほうが、演出モードAの実行中に第1条件が成立した場合(C1)に比べて、相対的に信頼度の高い特殊な保留表示への変化が実行されやすい。
なお、説明の簡略化のために、図49(B1),(B2)中と同図(C1),(C2)中の各選択率の値が互いに同値となっているが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々に変更が可能である。
このようにモード変更態様と各種遊技演出の実行割合との関係を規定した本実施形態によれば、遊技演出パターンの選択率が、モード変更態様の相違に応じて異なるように設定されているので、各種モード変更態様に基づいて、異なる意味の報知を行うことが可能となる。例えば、特定の演出モードの実行中に、自動的に演出モードが切換わった場合と、遊技者が自主的に演出モードの変更を企図して実行した場合とで、出現した各種遊技演出パターンに異なる意味を持たせた報知が可能となる。さらに、本実施形態においては、例えばはずれと大当りのような当否結果に応じて、各種遊技演出パターンの選択率が異なっているので、演出モードの変更後に出現する各種遊技演出パターンに応じて、大当り期待度等の遊技者の利益に直接的に関係する意味を持たせた報知が可能となる。そして、演出モードの変更、モード変更態様の相違、及び遊技演出パターンとの連動によって趣向性の向上を図ることが可能となる。
なお、上述の各種演出モードや各種演出パターンの選択に係る抽選処理は、各種演出モードや各種演出パターンの実行を開始させるための抽選処理であるともいえるが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種演出モードや各種演出パターン(連続予告演出パターンを含む)の実行を終了させるための抽選処理を行ってもよい。この場合、各種演出モードや各種演出パターンを終了させるための抽選において、例えばはずれ時と大当り時とで、終了が決定される確率が異なる、といった制御態様が実現可能となる。さらに、どの演出モードの実行中であるのか、或いはどの演出パターンを実行中であるのかといった状況の違いに応じて、各種演出モードや各種演出パターンが終了する確率が異なるといった制御態様も実現が可能である。
また、これらの演出制御は、前述の事前判定結果との組み合わせとして実行することも可能である。この場合、先読み演出に関係して演出モードや演出パターンの選択が制御されることとなり、例えば複数の変動期間に跨った実体演出や状態演出の演出パターンについて、演出モード変更と関連付けた演出を選択し、実行することが可能となる。また、前述の実体演出、或いは状態演出におけるステップアップ演出との関連において、各種演出モードや各種演出パターンの選択率を定めることも可能である。
また、各種演出モードや各種演出パターンの期待度の大小関係に基づき、期待度の高い演出モードや演出パターンから期待度の低いものへの変更(所謂降格)を全く、或いは殆ど行わないように、各種選択率を設定してもよい。
また、前述の特定遊技には、確変や時短のみでなく、その他にも、例えば普通電動役物の開放パターンの変更(開放頻度や開放時間の変更など)のみを行うものを含めてもよい。
なお、前述したような保留表示を変化させる演出パターン(以下では「保留変化」と称する場合がある)として、種々の態様を採用することが可能である。例えば、保留変化の態様としては、保留球表示の色彩、形状、或いは模様等を変化させるものや、フラッシュを繰返すように保留表示を点滅させるもの、又はこれらの組合せによるものなどを挙げることができる。そして、これらのうち保留球表示の形態を変化させるものとしては、保留球表示の色彩を、例えば通常は緑色であるのに対し、所定のタイミングで赤色や金色に変化させるもの等を例示できる。さらに、保留球表示の形状を変化させるものとしては、通常の真円形状から演出のストーリーに関係する各種アイテムや人物の形態(いずれも動画を含む)に変化させるものや、保留変化前の形態に対して相似形を保ったまま拡大させるものなどを例示することができる。また、保留球表示の模様を変化させるものとしては、通常の模様なしの単色柄の表示から動物体表模様に変化させるものなどを例示することができる。さらに、保留表示を点滅させるものとしては、点滅の周期を異ならせるものなどを例示することができる。
<本願発明の他の実施形態>
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形改良が可能である。
例えば、本願発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしている前述のようなぱちんこ遊技機10に限られず、例えば封入循環式のぱちんこ遊技機にも適用が可能である。封入循環式のぱちんこ遊技機としては以下のようなものを例示できる。なお、前述の実施例のぱちんこ遊技機10と同様の部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、封入循環式のぱちんこ遊技機は、内部に遊技媒体としての遊技球を封入しており、遊技者が発射ハンドル17を操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤50前面の遊技領域52に打込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域52の構成としては、前述のぱちんこ遊技機10のように遊技球を遊技者に引き渡すタイプのぱちんこ遊技機と同様の構成を採用できる。さらに、遊技球を遊技者に引き渡す必要がないことから、遊技球を一旦溜めるための上球皿15、下球皿16といった構成はなくてもよい。
遊技領域52で入賞した遊技球、及び入賞しなかった遊技球はセット基盤39に形成された球回収樋に案内され、揚送装置(図示略)により揚送される。揚送装置は、揚送モータにより回転する揚送用スクリューが内蔵されており、この揚送用スクリューが回転することによりパチンコ球(遊技球)が揚送される。揚送装置の背部には、揚送途中のパチンコ球と接触することによりそのパチンコ球を研磨する研磨部材が設けられており、パチンコ球は揚送されつつ、その表面が研磨される。
揚送装置の球入口側(下方側)及び球排出口側(上方側)には、遊技球の検出スイッチが設けられており、これら検出スイッチにより、揚送されるパチンコ球が検出される。揚送装置の球排出口の近傍には球発射装置が設けられており、揚送後の(上方側の)検出スイッチで検出された遊技球は、球送り装置により球発射装置に供給される。球送り装置は、遊技者が発射ハンドル17を操作して遊技球を1発打つ毎に次の遊技球を1つ打球発射位置に送り込む機能を有する。さらに、遊技球の循環経路途中に遊技球過不足検出スイッチが設けられ、循環経路内のパチンコ球が所定個数(たとえば50個)になっているか否かを検出する。
ぱちんこ遊技機の所定側の側方位置に該ぱちんこ遊技機に対して遊技用装置の一例のカードユニットが1対1に対応設置されている。この点は、前述のぱちんこ遊技機10と同様である。カードユニットは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持球数、あるいは貯球数等)を用いて対応するぱちんこ遊技機における封入球を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
このぱちんこ遊技機においては、現在の持球数の管理は、カードユニット側においてぱちんこ遊技機側の遊技球数の変動を算出することにより行われている。ぱちんこ遊技機側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行なっているが、その遊技球数はぱちんこ遊技機側において遊技球数が0となったときにぱちんこ遊技機自ら打球発射を迅速に停止させる制御を行なうためだけに用いられる副次的なものである。このようにすることにより、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に関する主管理機能をカードユニット側に持たせてぱちんこ遊技機側のコストを抑えることにより、封入式遊技機を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができる。
ぱちんこ遊技機とCUとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときには、ぱちんこ遊技機側の払出制御基板は、メイン基板からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、払出制御基板自身が記憶している払出チップIDをカードユニット側へ送信する。カードユニット側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット側とぱちんこ遊技機側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信され、ぱちんこ遊技機側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
それ以降の電源投入時においては、ぱちんこ遊技機側からカードユニット側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
カードユニット側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じぱちんこ遊技機が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット側とぱちんこ遊技機側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信されてその新たな接続時刻データをぱちんこ遊技機側において記憶することとなる。
カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、ぱちんこ遊技機に対してメインチップID等の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対してはメインチップID等が送信される。さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して認証が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、カードユニットからの認証要求の受理の通知が行われる。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、ぱちんこ遊技機で保持しているリカバリ情報が送信される。続いて、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、ぱちんこ遊技機に対して接続状態であることが通知され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、接続状態であることが通知される。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの要求がされ、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの終了が通知される。
さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、各種(遊技動作)が指示され、遊技台情報(加減算データ等)の送信が要求される。カードユニットはこのコマンドを使用して、遊技台の状態を定期的に確認する。ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、遊技動作指示の実行結果および遊技台情報(加減算データ等)が通知される。カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、通信コネクションの接合を要求するコマンドが送信される。
また、ぱちんこ遊技機で遊技をしている最中に遊技球がなくなったことが検知された場合には、払出制御基板は自動的に打球発射モータの駆動を停止させて球を遊技領域に打込めない遊技禁止状態に制御する。なお、打球発射が停止するのみで、その段階で既に可変表示装置が可変表示中であった場合にはその可変表示を続行する。また発射停止制御を行なった段階で第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の保留球数の記憶がある場合には、その記憶に基づいた可変表示装置の可変表示制御が続行される。
遊技球数の主たる管理はカードユニットで行なわれているが、ぱちんこ遊技機において遊技球数が0になったことに伴う遊技禁止制御(発射停止制御)を行なうときにのみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数が0になったことを判定して遊技禁止制御(発射停止制御)を行なう。その後、動作応答として、最終的な球関連情報をカードユニットに送信して最終的な遊技球数「0」をカードユニット側において確定させる。このように制御する理由は、ぱちんこ遊技機側において遊技球数が0になった瞬間に打球発射停止制御を行なう必要があるためである。
たとえば、遊技球数の主たる管理を行なっているカードユニット側において、ぱちんこ遊技機側から送られてくる遊技球数=0になったときの加算球数および減算球数を含む動作応答のレスポンスの受信を待って、カードユニット側において最終的な遊技球数を算出してそれが0となることにより、遊技を禁止させるための禁止要求有の動作指示のコマンドをぱちんこ遊技機側へ送信し、それを受けて初めてぱちんこ遊技機側において打球発射停止制御を行なった場合には、レスポンスおよびコマンドの送受信の間に、パチンコ球が弾発発射されてその間に新たな減算球数が発生する可能性があり、ぱちんこ遊技機側において、遊技球数が既に「0」になっているにも拘らず新たな減算球数が発生して結局遊技球数がマイナスになってしまうという不都合が生じる。このような不都合を防止するため、遊技球数が0になったときの打球発射停止制御のみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に基づいて制御している。
このように、打球発射停止制御に代表されるような遊技制御は、ぱちんこ遊技機自身が記憶している遊技球数に基づいて行なうために、カードユニットで管理記憶している遊技球数に基づいてこのような遊技制御を行なう場合に比較して、遊技球数の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
なお、ここでは、打球発射停止制御を払出制御基板が行なう例を示しているが、メイン基板が打球発射停止制御を行なうように構成してもよい。この場合、たとえば、払出制御基板は、遊技球数0を判定した段階で遊技球数が0であることを示す信号をメイン基板へ送信する。メイン基板は、この信号を受けて、発射モータの駆動を禁止する。
カードユニットによるこのような遊技禁止の処理は、前枠12や扉14の開放があった時や、各種カードの返却操作が遊技者によって行われたときにも実行される。なお、ぱちんこ遊技機は、禁止拒否の応答が可能となっており、異常等の何らかの事情によりカードユニットの指示に従えず、例えば前枠12や扉14の開放ができないといった状況の場合には、この禁止拒否の応答をカードユニットへ送信する。なお、遊技禁止には、発射モータの駆動の禁止のみでなく、その他の遊技事項、例えば球貸なども含まれている。
また、このような封入循環式のぱちんこ遊技機においては、球貸を所定金額(例えば500円分や1000円分)ごとに行わず、投入金額(例えば10000円)分の球貸を纏めておこなうことも可能である。遊技者への遊技球の引き渡しを必要としないので、このような球貸形態への適応は容易に行うことができる。
なお、本願発明においては、カードユニットを添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機として包括的に把握することが可能である。