JP2015120015A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、可動体により行う演出の数を確保しつつ搭載する可動体の数を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
なお、本実施の形態では、遊技領域111に第1始動口121および第2始動口122が配設されているが、いずれか一方のみを配設する構成例やさらに他の始動口を配設する構成例も考えられる。また、本実施の形態では、遊技領域111に大入賞口125が1つ配設されているが、大入賞口125を複数配設する構成例も考えられる。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板159を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223の各々は、LED表示装置で構成され、その点灯態様によって各抽選結果を表す図柄が表示される。
なお、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部237と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部238と、電動チューリップ動作制御部239と、賞球処理部240と、出力制御部241と、乱数制御部242と、を備えている。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄変動制御部237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
賞球処理部240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部241は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部400により賞球の払い出しの制御が行われる。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ501〜506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
出力処理(ステップ506)では、遊技制御部200の出力制御部241は、演出制御部300および払出制御部400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップ505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
図6は、図5のステップ502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(ステップ601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップ602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップ602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、遊技制御部200は、ステップ603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数U1増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。ステップ605の事前判定処理が行われた場合は、保留数U1増加コマンドには、ステップ605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、遊技制御部200は、ステップ609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数U2増加コマンドをRAM203にセットし(ステップ612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。ステップ611の事前判定処理が行われた場合は、保留数U2増加コマンドには、ステップ611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(ステップ701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップ702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップ702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のステップ808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップ901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップ902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のステップ604またはステップ610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のステップ809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のステップ902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップ1001)。そして、大当たりだった場合(ステップ1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1002)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップ1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップ1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(ステップ1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のステップ815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップ1101)。時短フラグがONである場合(ステップ1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップ1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップ1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップ1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップ1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(ステップ1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(ステップ1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(ステップ1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のステップ816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5のステップ503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
図14は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップ1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップ1401でYes)、次に大入賞口動作制御部238は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップ1402)。
この後、大入賞口動作制御部238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(ステップ1413)。このオープニングコマンドは、図5のステップ506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
エンディング時間が経過した場合(ステップ1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(ステップ1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のステップ1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップ1501、1502、1503、1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のステップ902、903、905と概ね同様であるので、ステップ902、903、905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップ1501でNo、ステップ1502、1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(ステップ1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップ1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
図16は、図5のステップ504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部239は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップ1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップ1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップ1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部239は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(ステップ1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態で用いられる乱数の判定(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には大当たり乱数の判定の構成例、図17(b)には大当たり図柄乱数の判定の構成例、図17(c)にはリーチ乱数の判定の構成例、図17(d)には当たり乱数の判定の構成例が、それぞれ示されている。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図18は、遊技制御部200からコマンドを受信した際の演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図18(a)に示すメイン処理と、図18(b)に示す割り込み処理とからなる。図18(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップ1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップ1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップ1803)、割り込み処理を受け付ける。
図19は、コマンド受信処理(図18(b)のステップ1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップ1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップ606、612)、図5に示した出力処理(ステップ506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップ1901でYes)、演出制御部300は、RAM303(図3参照)に保持されている保留数の値を1加算し(ステップ1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(ステップ1903)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップ1904でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(ステップ1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップ1906でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップ1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップ1908でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップ1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップ1910でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップ1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップ2101)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(ステップ2102)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップ2103)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップ2104)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップ2105)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップ2201)。また、演出制御部300は、RAM303(図3参照)の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(ステップ2202)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップ2203)。何らかの当たりである場合は(ステップ2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図20に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(ステップ2204)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップ2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップ2302)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップ2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップ2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップ2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップ2403)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップ2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップ2501でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(ステップ2502)、RAM303において計測フラグをONにする(ステップ2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップ2501でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップ2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップ2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン等が操作されたか否かを判断する(ステップ2601)。ここで、演出ボタン等の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
本実施の形態に係る遊技盤110は、遊技盤本体Bを有する。この本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、ベニヤ(合板、木)製ではなく、光を透過する樹脂製の板状部材であり、透明遊技板である。より詳しくは、遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を成形により一体形成されるものであり、ポリカーボネート(PC)製である。すなわち、本実施の形態に係る遊技盤本体Bは、凹凸形状や切欠き形状を切削する工程を省略することが可能であり、このために、凹凸形状や切欠き形状の端面が磨りガラス状に形成されない。
また、本実施の形態に係る遊技盤本体Bを、樹脂製部材を接着剤で互いに貼り合わせることで構成する場合にも適用することが考えられる。
付言すると、アクリル製を採用するときにベニヤ製の場合に比べて懸念される事項としては、コスト高、量産性の低下、遊技くぎの破損、剛性の低下が挙げられる。剛性の低下について補足説明すると、アクリル製の場合は厚さが10mmであり、厚さ19mmとなるベニヤ製の場合よりも薄くなり、たわみ易い。
すなわち、アクリル製の場合には、押出成形による素材としての板材を、外形加工、大径穴小径穴の加工、ルーター加工、遊技くぎの下穴加工および外形面取りの順でNC加工を行う。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、射出成形で成形した後に、小径穴の加工、ゲートカット処理および遊技くぎの下穴加工の順でNC加工を行う。このため、成形法の違いによるNC加工工数の違いが顕著である。
また、アクリルは吸水することで変形が起こるために外気の温度や湿度の管理を必要とするものである。その一方で、ポリカーボネートは、成形後の変形がほとんどなく、外気の温度や湿度の管理をアクリルの場合よりも厳密に行う必要がない。このため、成形後の管理の違いが顕著である。
また、アクリル製の場合は、アクリルにゴム成分が入った高価な押し出し材料であり、ルーター加工分の無駄な材料費の削減が困難である。その一方で、ポリカーボネート製の場合には、アクリル製の場合に比べて材料が安価であり、射出成形後のNC加工が少ないことから、無駄な材料費がほとんど発生しない。このため、材料自体の単価とその使用量の違いが顕著である。
付言すると、ポリカーボネート製を採用するときにアクリル製の場合に比べて懸念される事項としては、耐薬品性が弱くなること、形状の変更が困難であること、耐傷性が弱くなること等が挙げられる。
図27および図28は、遊技盤110が備える遊技盤本体Bを説明する図である。図27の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。図28の(a)は背面図であり、(b)は、(a)の線X−Xによる断面図である。
図27および図28に示すように、樹脂製の遊技盤本体Bは、各種役物等を取り付けるための切欠き形状を有する。例えば、遊技盤本体Bには、センター飾り(不図示)取り付け用の開口部101や、第1始動口121および第2始動口122取り付け用の開口部102、大入賞口125取り付け用の開口部103等が形成されている。これらの開口部101,102,103は、遊技盤本体Bの前面Baから後面Bbへ貫通している。なお、開口部101は、ゲート124取り付け用の領域101aを有する。
さらに説明すると、遊技盤本体Bは、縁部に沿って全周にわたって延びる縁リブ104を備えている。この縁リブ104は、前面Baから後方に向けて立設して形成されている。言い換えると、縁リブ104は、遊技盤本体Bの厚さ方向に突出している。このような縁リブ104を備える構造を採用することで、遊技盤本体Bに各種役物等の部品を取り付ける際に縁リブ104を利用することで作業性を向上させることが可能になる。また、遊技盤110を遊技盤保持枠に取り付ける際に作業者が縁リブ104に指をかけて行うことにより作業性を向上させることが可能になる。
また、樹脂製の遊技盤本体Bの厚さTは、ベニヤ製の遊技盤の厚さと同じであり、19mmである。
また、板厚t1に形成された遊技盤本体Bの部分105を設けることにより、遊技盤本体Bに取り付けられる各種役物等がなるべく前面Ba寄りに位置することになる。このため、遊技盤本体Bの後面Bbのスペースをより広く確保することが可能になり、各種の機構部品等の設計条件を緩和することが可能になる。
なお、後面Bbの部分105は、遊技くぎを取り付けるために必要な厚さを確保すべく、それ以外の後面Bbの部分の板厚t2よりも厚い板厚t1を採用している。
次に、遊技盤110における可動役物115の位置を説明する。
図29は、遊技盤110の構成部品相互の位置関係を説明する概略平面図である。
同図に示すように、遊技盤110において、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114との間に位置する。すなわち、遊技盤110は、画像を表示する表示面114aを持つ画像表示部114と、画像表示部114の表示面114a前に位置する遊技盤本体Bと、を含んで構成されている。また、可動役物115は、遊技盤本体Bと画像表示部114とに挟まれて位置する。
また、可動役物115は、遊技領域111を形成する遊技盤本体Bの前面Baとは反対の側の面である後面Bb側に配設されている。したがって、遊技領域111に起因する動く範囲の制約を受けることなく、より大きな範囲で動きによる演出を行うことが可能になる。
次に、可動役物115の構成について説明する。
図30および図31は、可動役物115の外観を示す正面図である。すなわち、図30は、通常時における可動役物115の外観を示す正面図であり、図31は、その背面図である。
両図に示すように、可動役物115は、遊技盤110の上部に位置する上演出部A1と、遊技盤110の下部に位置する下演出部A2と、を備えている。これら上演出部A1および下演出部A2は、上述したように、遊技盤110の後ろ側に位置する(図29参照)。
かかる上演出部A1は、所定の演出が可能な上側演出部1と、上側演出部1と共におよび上側演出部1とは別に移動可能な上方演出部4Uと、を含んで構成されている。また、下演出部A2は、所定の演出が可能な下側演出部2と、下側演出部2と共におよび下側演出部2とは別に移動可能な下方演出部4Dと、を含んで構成されている。上側演出部1、上方演出部4U、下側演出部2および下方演出部4Dは、パチンコ遊技機100の左右方向に延びる長手形状に形成されている。
なお、上演出部A1の一部を構成する上側演出部1と下演出部A2の一部を構成する下側演出部2とは、上下方向略中央の位置にて互いに隣接することで中央演出部A3(例えば図38参照)が構成される。
より詳細には、右縦構造部5Rと左縦構造部5Lとは、互いに離間して位置し、かつ、右縦構造部5Rと左縦構造部5Lとの間に、上側演出部1、下側演出部2、上方演出部4Uおよび下方演出部4Dが位置する。
ここで、上側演出部1における前面m1および後面m2の外観を説明する。
上演出部A1の上側演出部1は、前面m1を用いる演出のみならず、後面m2を用いる演出を行うことが可能に構成されている。このため、上側演出部1は、前面m1側と後面m2側とで互いに異なる意匠を有することになる。付言すると、上側演出部1の前面m1と後面m2との間の切り換えは、図30または図31における左右方向(横方向)に延びる回転軸周りを回転させる後述の回転機構部8により実現される。
なお、上演出部A1の上方演出部4Uは、上演出部A1の上側演出部1とは異なり、回転可能に構成されていない。しかしながら、上方演出部4Uは、遊技盤110に対して固定されているのではなく、後述するように、上側演出部1に持ち上げられることで、上演出部A1として上方向へのわずかな距離の移動が可能なように構成されている。
なお、ここにいう風車51,52は、演出として用いられるものであり、遊技盤110の遊技領域111(図1参照)に配設されて遊技球の落下方向を左右に振り分けるための風車とは異なる。
下演出部A2の下側演出部2は、上演出部A1の上側演出部1と同じような外観構成を有する。例えば、下側演出部2は、前面m1を用いる演出のみならず、後面m2を用いる演出を行うことが可能に構成されている。
なお、下側演出部2の前面m1と後面m2との相互切り換えは、後述の回転機構部8により実現される。また、下方演出部4Dは、回転可能ではないものの、下側演出部2に押し下げられることで、下演出部A2として下方向へのわずかな距離の移動が可能なように構成されている。
ここで、図30および図31に示す可動役物115は、上側演出部1を昇降させるための上側昇降機構部6と、下側演出部2を昇降させるための下側昇降機構部7と、を備えている。上側昇降機構部6は、上側演出部1を昇降させるための駆動力を発生する不図示のモータを持ち、また、下側昇降機構部7は、下側演出部2を昇降させるための駆動力を発生する不図示のモータを持つ。すなわち、上側昇降機構部6および下側昇降機構部7の各々は、各自が持つモータ(不図示)の駆動力により昇降動作を実現する。
本実施の形態では、両端部のいずれか一方で支持される所謂片持ちの構造ではなく、上述の両端支持の構造を採用する。そして、上側演出部1は、自身の姿勢を保持しつつ上側昇降機構部6により昇降可能であり、また、下側演出部2もまた、自身の姿勢を保持しつつ下側昇降機構部7により昇降可能である。
また、回転機構部8は、回転させるための駆動力を発生する不図示のモータを内蔵する。このため、上側演出部1に配設した回転機構部8は、上側演出部1を正回転と逆回転の双方向に回転させることが可能である。同じく、下側演出部2に配設した回転機構部8は、下側演出部2を正回転と逆回転の双方向に回転させることが可能である。
また、上側昇降機構部6と下側昇降機構部7の各々は、昇降機構部6,7による昇降動作中に回転機構部8による回転動作が可能である。
なお、本実施の形態では、上側演出部1の回転機構部8は、上側演出部1における左端側に位置し、また、下側演出部2の回転機構部8は、下側演出部2における左端側に位置する。すなわち、回転機構部8は、上側演出部1と下側演出部2とで互いに同じ左端側に位置する。
駆動力供給機構部9は、中央演出部A3(例えば図38参照)に供給する駆動力を発生する不図示のモータを内蔵する。すなわち、中央演出部A3は、中央演出部A3の外部から駆動力が供給されることで、所定の演出を行う。言い換えると、中央演出部A3として所定の演出を行うためのモータを上側演出部1が持っておらず、また、下側演出部2も持っていない。
また、駆動力供給機構部9は、上下方向に直線状に延びる突出部9aを含んで構成される。かかる突出部9aは、右縦構造部5Rに形成されている。
なお、本実施の形態では、所定の演出として、中央演出部A3(例えば図38参照)の形態が変化して意匠的に変わるものを実行する。また、本実施の形態では、駆動力供給機構部9は右縦構造部5R内に配設されており、左縦構造部5Lには配設されていない。
可動役物115の上側昇降機構部6について説明する。図32は、上側昇降機構部6を説明する正面図であり、昇降対象である上側演出部1を合わせて図示する。
なお、同図では、原点位置の上側演出部1を実線で示し、原点位置に対して最も遠い位置(下限位置)の上側演出部1を破線で示している。付言すると、同図では、下限位置において上側演出部1の前面m1側が前に位置する状態(図30参照)を示すが、演出上、降下の途中で回転機構部8(図30参照)により表裏反転するように回転動作を行い、後面m2側が前に位置する状態(図31参照)になるように動作制御される。
また、上側昇降機構部6は、歯車列からモータ61の駆動力が伝達される連結シャフト64と、連結シャフト64を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト65と、タイミングベルト65に上側演出部1の右端部(他端部)を固定するための固定部66と、を備えている(右端駆動伝達系)。
さらには、上側演出部1の昇降を円滑なものとするために、上側昇降機構部6は、上側演出部1の左端部と右端部のそれぞれに配設されて上側演出部1を案内するスライドレール67を備えている。なお、スライドレール67の各々は、2つのタイミングベルト72に挟まれた領域に位置する。
付言すると、上側演出部1が下側演出部2と共に中央演出部A3(例えば図38参照)となる場合、上側演出部1の受け入れ部1bは駆動力供給機構部9の突出部9a(図30または図31参照)を受け入れて係合する。なお、上側演出部1が上演出部A1の一部を構成する場合、上側演出部1の受け入れ部1bは、右縦構造部5Rの上部に形成された不図示の突出部と係合することになる。
可動役物115の下側昇降機構部7について説明する。図33は、下側昇降機構部7を説明する正面図であり、昇降対象である下側演出部2を合わせて図示する。
なお、同図では、原点位置の下側演出部2を実線で示し、原点位置に対して最も遠い位置(上限位置)の下側演出部2を破線で示している。付言すると、上側演出部1を図示する図32の場合と同様、図33では、上限位置において下側演出部2の前面m1側が前に位置する状態(図30参照)を示すが、演出上、上昇の途中で回転機構部8(図30参照)により表裏反転するように回転動作を行い、後面m2側が前に位置する状態(図31参照)になるように動作制御される。
また、下側昇降機構部7は、歯車列からモータ71の駆動力が伝達される連結シャフト74と、連結シャフト74を介して駆動力が伝達されるタイミングベルト75と、タイミングベルト75に下側演出部2の左端部(他端部)を固定するための固定部76と、を備えている(左端駆動伝達系)。
また、下側昇降機構部7は、下側演出部2の円滑な昇降を確保すべく、下側演出部2の右端部に配設されると共に左端部に配設されて下側演出部2を案内するスライドレール77を備えている。なお、スライドレール77の各々は、隣接するタイミングベルト72に対して正面視右方に位置する。
付言すると、下側演出部2が上側演出部1と共に中央演出部A3(例えば図38参照)となる場合、下側演出部2の受け入れ部2bは駆動力供給機構部9の突出部9a(図30または図31参照)を受け入れて係合する。なお、下側演出部2が下演出部A2の一部を構成する場合、下側演出部2の受け入れ部2bは、右縦構造部5Rの下部に形成された不図示の突出部と係合することになる。
可動役物115の回転機構部8について説明する。図34は、回転機構部8を説明する斜視図である。すなわち、同図の(a)は、上側昇降機構部6に取り付けられる回転機構部8の外観を示し、(b)は、下側昇降機構部7に取り付けられる回転機構部8の外観を示す。同図の(a)に示す回転機構部8と(b)に示す回転機構部8とは、基本的な機構が同じである。
なお、同図の(a)の回転機構部8は、上側演出部1(例えば図30参照)を回転させるためのものであり、図34の(b)に示す回転機構部8は、下側演出部2(例えば図30参照)を回転させるためのものである。
また、回転機構部8は、回転対象物と電気的に接続するためのフレキシブルケーブル83を備えている。このフレキシブルケーブル83は、回転軸82の内部に配設されている。そして、フレキシブルケーブル83の保護等のために、駆動伝達系は、回転軸82が回転可能な数が制限されるように構成されている。
次に、上演出部A1の一部を構成する上方演出部4Uについて説明する。
図35は、上方演出部4Uを説明する斜視図である。
同図に示すように、上方演出部4Uは、右縦構造部5Rの上部と左縦構造部5Lの上部とに掛け渡されて左右方向に延びる構造部としての基台41と、基台41の前側に位置する本体部42と、基台41に配設され、本体部42を上下方向に案内するガイド部43と、を備えている。
なお、上方演出部4Uは、ガイド部43により上下方向に移動可能である一方で、回転機構部8を備えておらず、回転しない。
また、上方演出部4Uの本体部42は、略平たんな面を持つ下面42bを備えている。この本体部42の下面42bは、上側演出部1の接続部1a(図32参照)と接続可能である。
次に、下演出部A2の一部を構成する下方演出部4Dについて説明する。
図36は、下方演出部4Dを説明する分解斜視図である。図37は、下方演出部4Dを説明する斜視図であり、同図の(a)は通常の状態、(b)は通常の状態から変化した状態をそれぞれ示す。
図36に示すように、下方演出部4Dは、右縦構造部5Rの下部と左縦構造部5Lの下部とに掛け渡されて左右方向に延びる構造部としての基台45と、基台45の前側に位置する本体部46と、本体部46の前側に位置する回転板47,48と、を備えている。
本体部46は、かかる基台45のガイド部45a,45b,45cと係合可能な被ガイド部46a,46b,46cを備えている。すなわち、本体部46は、ガイド部45aの溝部に対応する突部が形成され、組み立て後はガイド部45aと係合状態にある被ガイド部46aを備えている。同じく、本体部46は、ガイド部45bの突部に対応する溝部が形成される被ガイド部46bと、ガイド部45cの溝部に対応する突部が形成される被ガイド部46cと、を備えている。被ガイド部46b,46cはそれぞれ、組み立て後はガイド部45b,45cと係合状態にある。
より詳細には、本体部46の下方左右に形成された穴部にピン46d,46eが挿入して取り付けられる。そして、正面視左側に位置するピン46dと連結するリンク部材49aは、基台45のガイド溝45dに挿入されるピン49bと係合する。同じく、正面視右側に位置するピン46eと連結するリンク部材49aは、基台45のガイド溝45eに挿入されるピン49bと係合する。
ピン46dは、回転板47の支軸47aと連結され、また、ピン46eは、回転板48の支軸48aと連結される。
したがって、ピン49bが基台45のガイド溝45d,45eに沿って下方に案内されると、これに伴って回転板47,48が互いに離れる方向に回転する。すなわち、回転板47は、正面視で反時計方向に回転し、回転板48は、正面視で時計方向に回転する。
また、本体部46は、上方演出部4Uの本体部42と同じく(図35参照)、左右方向中央の位置に不図示のモータおよび伝達系を含む風車51が配設されている。
可動役物115において、上側演出部1および下側演出部2で構成される中央演出部A3について説明する。
図38は、中央演出部A3の演出を説明する正面図である。同図の(a)は変形前の状態、(b)は変形中の状態、(c)は変形後の状態をそれぞれ示し、変形の様子を(a)〜(c)に時系列で示す。なお、同図では、風車52を図示するものの、風車52による演出については図示省略している。
同図の(a)に示す中央演出部A3は、上下方向略中央位置にて上側演出部1と下側演出部2とが互いに隣接することで構成される。言い換えると、中央演出部A3は、同図の(a)に示す場合に上側演出部1において下面のように位置する接続部1aと下側演出部2において上面のように位置する接続部2aとが互いに接することで構成される。
さらには、このようなスライド移動に伴い、上側演出部1では、上演出部材14,15が回転して固定部材11の上方に角のように突出する。すなわち、回転軸が左寄りに位置する上演出部材14は反時計方向に回転し、回転軸が右寄りに位置する上演出部材15は時計方向に回転する。言い換えると、上演出部材14の先端と上演出部材15の先端とが互いに離間する方向に、上演出部材14,15が回転する。
また、スライド移動に伴い、下側演出部2では、下演出部材24が回転して固定部材21の下方に突出する。
また、可動部材12,22の左方向への移動と、可動部材13,23の右方向への移動は同期して行われるように、上側演出部1および下側演出部2が構成されている。
より具体的には、上側演出部1の上演出部材14,15が起立する状態になり、また、下側演出部2の下演出部材24が完全に突出している状態になっている。そして、可動部材12,13,22,23のスライド移動に伴って露出した固定部材11,21の領域と、突出した上演出部材14,15および下演出部材24と、が一体で一つの意匠としてのまとまりを成す。すなわち、図38の(c)に示す中央演出部A3では、図38の(a)に示す「v」よりも大きな外形である「V」が認識されるようになる。言い換えると、変形演出により、当初は小文字の「v」が大文字の「V」に変わる。
また、中央演出部A3において、上側演出部1の可動部材12,13および下側演出部2の可動部材22,23がスライド移動するときの駆動や、上側演出部1の上演出部材14,15および下側演出部2の下演出部材24が回転するときの駆動は、上側演出部1および下側演出部2の各々がモータ(不図示)を備えて対応する構成例が考えられる。また、他の構成例としては、上側演出部1と下側演出部2のいずれか一方がモータ(不図示)を備えて対応する場合、上側演出部1および下側演出部2のいずれもモータを備えずに外部から駆動力を供給することで対応する場合等が考えられる。
次に、上演出部A1の上方演出部4Uが備える風車51および下演出部A2の下側演出部2が備える風車52の演出態様について説明する。
図39は、風車51,52による演出を説明する図である。同図の(a)は収納状態(通常時)、(b)は通常時の回転状態、(c)は展開状態(展開時)、(d)は展開時の回転状態をそれぞれ示す。なお、風車による演出として、同図の(a)〜(d)の順に行う演出を行う態様が考えられ、また、同図の(a)、(b)、(a)の順に行う態様も考えら、同図の(a)、(c)、(d)の順に行う態様も考えられる。
例えば図30に示す風車51の基本的な構造や動作と例えば図31に示す風車52の基本的な構造や動作とは互いに共通することから、図39の(a)〜(d)では、風車51と風車52とを分けずに図示する。
なお、図39の(d)に示す回転による風車51,52の演出が終了すると、同図の(c)から収納状態(同図の(a)参照)に戻る。
次に、可動役物115による種々の動き演出を説明する。
上述したように、可動役物115は、上演出部A1および下演出部A2を備え(図30〜図31参照)、上演出部A1は上側演出部1および上方演出部4Uを含んで構成され(例えば図30〜図31、図35参照)、下演出部A2は下側演出部2および下方演出部4Dを含んで構成される(例えば図30〜図31、図36〜図37参照)。また、上方演出部4Uおよび下方演出部4Dは、演出としての風車51を備え(例えば図30または図39参照)、下側演出部2は、演出としての風車52を備える(例えば図31または図39参照)。
そして、可動役物115は、駆動機構として、上側昇降機構部6(図32参照)、下側昇降機構部7(図33参照)、回転機構部8(図34参照)および駆動力供給機構部9(図30参照)を備える。なお、動き演出を説明するための図40〜図44では、これらの駆動機構の図示を省略し、また、右縦構造部5Rおよび左縦構造部5L(図30参照)の図示も省略する。図40〜図44の各々は、可動役物115の正面図である図30に対応するものである。
まず、可動役物115による第1の動き演出について説明する。ここにいう第1の動き演出は、上演出部A1および下演出部A2の状態(図30参照)から中央演出部A3の状態(図38参照)に移行する演出である。
なお、上述したように、上演出部A1は、上側演出部1および上方演出部4Uを含んで構成され、下演出部A2は、下側演出部2および下方演出部4Dを含んで構成され、中央演出部A3は、上側演出部1および下側演出部2を含んで構成される。すなわち、上側演出部1は、上演出部A1の演出を担うと共に中央演出部A3の演出をも担う。また、下側演出部2は、下演出部A2の演出を担うと共に中央演出部A3の演出とも担う。
第1の動き演出が開始される前は、図40の(a)に示すように、上演出部A1および下演出部A2の状態である。すなわち、上演出部A1において、上側演出部1が上方演出部4Uの下に隣接して位置し、かつ、回転可能な上側演出部1の接続部1aが上に位置する。そして、上側演出部1の接続部1aが上方演出部4Uの下面42bと接するように接続している。
また、下演出部A2において、下側演出部2が下方演出部4Dの上に隣接して位置し、かつ、回転可能な下側演出部2の接続部2aが下に位置する。そして、下側演出部2の接続部2aが下方演出部4Dの上面46hと接するように接続している。
より具体的には、上側演出部1はその姿勢を維持しつつ所定位置(回転位置)まで降下し(スライド移動)、かつ、下側演出部2がその姿勢を維持しつつ所定位置(回転位置)まで上昇する(スライド移動)。付言すると、図40の(b)に示す状態では、上側演出部1および下側演出部2は回転していないことから、上側演出部1において接続部1aが上に位置し、下側演出部2において接続部2aが下に位置する。上側演出部1と下側演出部2とが互いに接しておらず、離間している。
なお、ここにいう合体とは、駆動力供給機構部9により上側演出部1と下側演出部2とが互いにロックされた状態をいう。また、このような合体は、画像表示部114(図1または図29参照)の前で行われる。
より具体的には、上側演出部1の回転方向と下側演出部2の回転方向とが互いに逆になるように、上側演出部1および下側演出部2が回転している。回転方向はその一例を示すものである。
付言すると、上側演出部1の回転と下側演出部2の回転とは互いに同期して行われる。すなわち、回転を開始する時点が同じであり、回転を終了する時点も同じである。また、上側演出部1が前面m1を見せるときに下側演出部2も前面m1を見せ(例えば図40の(b)参照)、上側演出部1が後面m2を見せるときに下側演出部2も後面m2を見せる(同図の(c)参照)。なお、上側演出部1の回転と下側演出部2の回転とが互いに同期しない制御例も考えられる。
付言すると、上側演出部1および下側演出部2は、例えば2.5回転し、回転動作を終了する。すなわち、整数の回転に半回転を足した回転動作である。上側演出部1および下側演出部2が回転する数は互いに同じである場合のほか、互いに異なる場合も考えられる。
より具体的には、上側演出部1の接続部1aと下側演出部2の接続部2aとが互いに接するように接続し、上下方向の移動を停止している。このようにして、中央演出部A3が構成される。
また、同図の(a)に示す状態では、中央演出部A3において、下側演出部2が持つ2つの風車52の間に、アルファベットの小文字「v」が形成される(図38の(a)参照)。
こうして、中央演出部A3において、下側演出部2が持つ2つの風車52の間に、アルファベットの大文字「V」が形成される(図38の(c)参照)。なお、このようなアルファベット「V」が大文字の状態のときの発光演出(図41の(b)参照)を、アルファベット「V」が小文字の状態のときの発光演出(同図の(a)参照)と変える制御が考えられる。例えば、発光色を変更する等である。
なお、中央演出部A3での演出が終了した後には、当初の上演出部A1および下演出部A2に戻ることになるが、その場合の動き演出は、上述した時系列の動作を逆にすることで行われる。
また、上側演出部1が降下して上方演出部4Uと離れることで、上演出部A1は、上側演出部1と上方演出部4Uとが半分に割れるという演出を行い、変化に富む演出を実行することが可能である。
次に、可動役物115による第2の動き演出について説明する。ここにいう第2の動き演出は、もっぱら下演出部A2における動作によるものであり、上演出部A1の動作は含まれていない。
図42は、可動役物115による第2の動き演出を説明する図であり、第2の動き演出において演出の進行に伴う可動役物115の動きを同図の(a)〜(c)の順に時系列で示している。
なお、図示を省略するが、下側演出部2の降下動作と上昇動作とを繰り返すことで、回転板47,48が連続する開閉動作を行うことが可能になる。
その後には、風車51による風車演出が行われる。すなわち、図42の(c)に示すように、風車51は、展開時の回転状態(図39の(d)参照)になる。
このように、可動役物115は、第2の動き演出として、下演出部A2のみによる動き演出が可能である。
続いて、可動役物115による第3の動き演出について説明する。ここにいう第3の動き演出は、もっぱら上演出部A1における動作によるものであり、下演出部A2の動作は含まれていない。
図43は、可動役物115による第3の動き演出を説明する図であり、第3の動き演出において演出の進行に伴う可動役物115の動きを同図の(a)〜(c)の順に時系列で示している。なお、同図の(a)は、第3の動き演出が開始される前の状態を示すものであり、図42の(a)に示す状態と同じである。
すなわち、上側昇降機構部6による上側演出部1の移動方向(上下方向)に関し、下方をプラス方向とすると、上方への移動はマイナス方向である。言い換えると、本実施の形態では、上側昇降機構部6による移動範囲の上限を原点とするのではなく、移動範囲の中間位置を原点として設定している。なお、原点位置にあるか否かの検出は、不図示のセンサで行われる。
なお、このような第3の動き演出の際、風車51は収納状態(図39の(a)参照)のままであるが、これは一例にすぎず、風車51を通常時の回転状態(同図の(b)参照)や展開状態(同図の(c)参照)、展開時の回転状態(同図の(d)参照)とすることも考えられる。
付言すると、第3の動き演出(図43参照)では、上側演出部1は原点位置からの降下により上方演出部4Uと共にまたは上方演出部4Uと離間して下に移動し、その一方で、上側演出部1は原点位置からの上昇(押し上げ)により上方演出部4Uと共にガタガタ演出を行う。また、第2の動き演出(図42参照)では、下側演出部2は原点位置からの降下(押し下げ)によって下方演出部4Dの回転板47,48が開く演出が行われ(同図の(b)参照)、その一方で、下側演出部2は原点位置からの上昇により下方演出部4Dと共にまたは下方演出部4Dと離間し、例えばガタガタ演出を行うことが可能である。すなわち、2方向でのガタガタ演出が可能である。
次に、可動役物115による第4の動き演出について説明する。ここにいう第4の動き演出は、上演出部A1における風車51の演出(風車演出)である。なお、このような風車演出として、下演出部A2における風車51の演出を同様に行うことが可能である(図42参照)。
図44は、可動役物115による第4の動き演出を説明する図であり、第4の動き演出において演出の進行に伴う可動役物115の動きを同図の(a)〜(c)の順に時系列で示している。なお、同図の(a)は、第4の動き演出が開始される前の状態を示すものであり、図42の(a)および図43の(a)に示す状態と同じである。
なお、風車51が収納状態(図39の(a)参照)から展開状態(同図の(c)参照)に移行するまでの間に、通常時の回転状態(同図の(b)参照)を挟むような動き演出例も考えられる。また、図44の(c)では、風車51が時計方向に回転する場合を図示しているが、逆方向すなわち反時計方向に回転する場合も考えられる。
このような構成により、動き演出を行う演出部の数を抑制しつつ必要な演出の数を確保することが可能になる。
上側演出部1(図30、図31参照)は第1の演出体の一例であり、下側演出部2(図30、図31参照)は第2の演出体の一例である。
下側演出部2の接続部2a(図33参照)は、第2の演出体が持つ接続部の一例である。
Claims (1)
- 遊技に応じて演出を行う遊技機であって、
所定位置で演出が可能な第1の演出体と、
前記第1の演出体に接続する接続部を持つ第2の演出体と、
を備え、
前記第2の演出体は、前記第1の演出体が位置する方向以外の方向に向く前記接続部が回転することで、当該第1の演出体の方向に向くことを特徴とする遊技機。
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