JP2015119775A - 移動型放射線撮影装置及び電源供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】商用電源や非常電源と同様の電源確保を有効に実現可能にする。【解決手段】移動型放射線撮影装置10は、放射線撮影装置15を搭載して走行可能に構成される。車載のバッテリとこのバッテリに接続される共に外部機器と接続可能な電源供給部22とを備える。電源供給部22に接続された外部機器に対してバッテリから電力を供給し得るようにする。外部機器は、その給電網から切り離されると共に電源供給部22に接続され、外部機器にバッテリから電力を供給する。【選択図】図1
Description
本発明は、医療施設で用いられる移動型放射線撮影装置及び電力を給電する電源供給システムに関するものである。
移動型放射線撮影装置は、病状等により病室から移動することが困難な患者、又は手術中もしくは救急処置中の患者に対し、患者のいる空間まで移動して放射線撮影を行っている。移動型放射線撮影装置は、装置内部にバッテリを備えている。バッテリは、放射線照射時の高電圧発生用、又は画像取得、画像処理及び画像管理用の計算機駆動用、又は装置移動時の車輪駆動用等の電源として用いられている。
多くの医療機関では商用電源の停電に備え、非常用電源を確保し、緊急時に対応している。しかし、大規模な自然災害では、建築物に大きな損傷を与える可能性が高く、商用電源の停電時に医療施設内の非常用電源が正常に稼働しないことが予測される。
一方、移動型放射線撮影装置は、手術室や集中治療室等の医療施設内空間を容易に移動することができ、且つ装置内部にバッテリを持っている。しかし、バッテリから供給される電力は外部出力を持たないため、他の医療機器等で利用することはできない。
本発明は、放射線撮影機能と外部機器に対する電源供給機能を兼備する移動型放射線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明の移動型放射線撮影装置は、放射線撮影装置を搭載して走行可能に構成された移動型放射線撮影装置であって、バッテリと、前記バッテリに接続される共に前記バッテリから外部機器へ電力を供給させる電源供給部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記外部機器は前記電源供給部に接続され、前記バッテリから前記外部機器に電力が供給されることを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記外部機器と接続することが可能な給電網が前記電源供給部に接続され、前記給電網を介して前記バッテリから前記外部機器に電力が供給されることを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記電源供給部は複数の電気的接続手段を有し、前記電気的接続手段を介して前記バッテリから前記外部機器に電力を供給することを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記バッテリから前記外部機器へ電力を供給する場合、当該移動型放射線撮影装置の移動を規制する制御部を備えることを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記電源供給部に接続された前記外部機器による電力使用状況を表示する表示部を備えることを特徴とする。
また、本発明の移動型放射線撮影装置において、前記外部機器を当該移動型放射線撮影装置に接続するための延長コードを備えることを特徴とする。
また、本発明の電源供給システムは、放射線撮影機能を有すると共に走行可能に構成された移動型放射線撮影装置に対して第1の給電網から電力を供給し、外部機器に対して第2の給電網から電力を供給する電源供給システムであって、前記第1の給電網及び前記第2の給電網に対する電源が絶たれた場合、前記移動型放射線撮影装置に備えた電源供給部に前記外部機器を接続し、前記移動型放射線撮影装置のバッテリから前記電源供給部を介して、前記外部機器に電力を供給し得るようにしたことを特徴とする。
また、本発明の電源供給システムにおいて、前記第1の給電網及び前記第2の給電網はそれぞれ、商用電源に接続された商用給電網及び医用電源に接続された医用給電網であり、前記移動型放射線撮影装置と、前記外部機器としての医療機器とを含んでなることを特徴とする。
本発明の移動型放射線撮影装置によれば、放射線撮影機能と外部機器に対する電源供給機能を兼備することができる。
以下、図面に基づき、本発明における移動型放射線撮影装置及び電源供給システムの好適な実施の形態を説明する。
本発明の第1の実施形態において、図1は、本実施形態に係る医療用放射線撮影機能を備えた移動型の移動型放射線撮影装置10の構成例を模式的に示している。移動型放射線撮影装置10は、例えば主として病院等の施設内での回診用として用いられ、車両本体11の下部に左右一対の前輪12と左右一対の後輪13を有する。前輪12を操舵輪とし、後輪13を駆動輪として構成することができる。車両本体11にバッテリ(図示せず)が搭載されており、このバッテリの電力で例えば後輪13を駆動し、車両本体11の適所に設けた走行ハンドル14を操作しながら、施設内を自在に移動することができる。
本発明の第1の実施形態において、図1は、本実施形態に係る医療用放射線撮影機能を備えた移動型の移動型放射線撮影装置10の構成例を模式的に示している。移動型放射線撮影装置10は、例えば主として病院等の施設内での回診用として用いられ、車両本体11の下部に左右一対の前輪12と左右一対の後輪13を有する。前輪12を操舵輪とし、後輪13を駆動輪として構成することができる。車両本体11にバッテリ(図示せず)が搭載されており、このバッテリの電力で例えば後輪13を駆動し、車両本体11の適所に設けた走行ハンドル14を操作しながら、施設内を自在に移動することができる。
移動型放射線撮影装置10では、放射線を照射する放射線照射部15が下方を指向するようにアーム16によって支持され、アーム16は、車両本体11上に立設された支柱17によって支持される。図1に略記するようにアーム16及び支柱17はそれぞれ水平方向及び上下方向に伸縮可能に構成され、また、アーム16を支柱17のまわりに旋回させる回動機構を有する。更に、放射線照射部15の指向方向を変更する言わば首振り機構を備え、これらの支持機構により放射線照射部15を水平方向又は上下方向に任意の位置に変位させ、その指向方向を任意に設定することができるようになっている。なお、これらの放射線照射部15の位置及び姿勢変更は、手動あるいは電動式いずれによっても行うことができる。
車両本体11の内部には、詳細図示を省略するが、上記バッテリを電源として放射線照射部15に高電圧を供給する高電圧発生部や放射線照射部15から発生する放射線の放射条件や曝射タイミング等を制御する放射線制御部を有する。また、放射線撮影あるいは投影表示に必要な情報の通信、処理を行う処理部を備える。更に例えば車両本体11の上面には放射線制御部等に操作指令を送出して装置の全体を制御するための操作部18や、放射線撮影装置の制御やその他必要な情報あるいはデータ類を表示可能な表示部19等が設けられている。
移動型放射線撮影装置10はまた、充電用ケーブル20の先端のプラグ21を介して、一般もしくは商用(以下、単に商用という)電源から車載のバッテリを充電可能としている。この場合、例えば手術室の外部等で待機中の移動型放射線撮影装置10は、後述する商用のコンセント103にプラグ21を差し込んで商用電源に接続し、そのコンセント103から給電される。本発明では特に商用電源や非常電源と同様の電源出力を持ち、医療機器等に対する電力供給機能を備えた移動型放射線撮影装置10として構成される。このため交流及び直流間で変換を行うためのコンバータ及びインバータや、それらの電圧を調整するレギュレータ等を内蔵している。
図1に示されるように移動型放射線撮影装置10の車両本体11の例えば側面等において、商用電源用と同一タイプ(形状及び寸法等)とした、電気的接続手段としての複数のコンセントソケット23を有する非常電源供給用の電源供給部22を備える。電源喪失時等において、この電源供給部22から後述の医療機器等に対して、電力を供給することができるようになっている。この場合、移動型放射線撮影装置10は、車載の上記バッテリ(DC)から医用電源(AC)を生成するための装置を備える。なお、この医用電源の出力は出荷時に選択可能(日本向けであれば100Vあるいはその他200V等も可能である)である。
移動型放射線撮影装置10は更に、その車両本体11上部に非常照明用ランプ24が設置され、この非常照明用ランプ24の点灯により移動型放射線撮影装置10の周囲を照らすことができるようになっている。また、移動型放射線撮影装置10には非常電源供給の機能が可動状態にあることを周囲に知らせるブザー(図示せず)等の告知手段を備えてよい。
上述の走行輪(後輪13)あるいは非常照明用ランプ24等は移動型放射線撮影装置10に備えた制御部により、それらの作動もしくは駆動制御が行われる。これらを始めとして制御部は移動型放射線撮影装置10全体の作動を制御し、上述のバッテリの電圧等を検出するセンサの検出信号が送られて、該バッテリの充電状況等を検知し、表示部19にバッテリ電力残存量を表示させることができる。あるいはバッテリの電力消費状況等に基づいて電力供給の残り時間を算出して表示する機能等を備える。また、後述するように複数の医療機器が接続可能な電源供給部22に対して、いずれのコンセントソケット23に接続されたかを検出し、それらにおける電力使用状況を表示させる等、制御部が移動型放射線撮影装置10の作動を統括的に制御する。
ここで、本実施形態において移動型放射線撮影装置10が使用される医療環境における電源供給システムの例について説明する。この電源供給システムは、放射線撮影機能を有すると共に走行可能に構成された移動型放射線撮影装置10に対して第1の給電網から電力を供給し、外部機器に対して第2の給電網から電力を供給する。第1の給電網及び第2の給電網に対する電源が絶たれた場合、移動型放射線撮影装置10に備えた電源供給部22に外部機器を接続し、移動型放射線撮影装置10のバッテリから電源供給部22を介して、外部機器に電力を供給し得るようにしている。
より具体的には、電源供給システムは、第1の給電網及び第2の給電網はそれぞれ、商用電源に接続された商用給電網及び医用電源に接続された医用給電網であり、移動型放射線撮影装置10と、外部機器としての医療機器とを含んでなる。
図2は、本例に係る医療環境の例を模式的に示しており、手術室のまわりには給電網100が配索され、この給電網100から医療環境に必要な電力が供給されるようになっている。給電網100は、商用電源101に接続された商用給電網100A(第1の給電網)と、医用電源102に接続された医用給電網100B(第2の給電網)とを含む。手術室壁等を利用して、商用給電網100Aの配線上に複数(図2では1つのみ図示する)の商用のコンセント103が設置される。このコンセント103は、手術室の内部あるいは外部いずれでもよいが、その壁等に設けられるものであってよい。また、同様に手術室壁等を利用して、医用給電網100Bの配線上に複数の医用のコンセント104が設置される。
医療環境の状況に応じて、手術室内の適所に移動型放射線撮影装置10が配置され、複数の医療機器1(図2の図示例では2つの医療機器1A,1Bとするが、それ以上でもよい)が配置されるものとする。コンセント103,104を使用して、図2の太点線矢印で示すように通常時の給電経路に沿って、移動型放射線撮影装置10及び医療機器1に電力が供給される。即ち、移動型放射線撮影装置10は、充電用ケーブル20のプラグ21をコンセント103に差し込んで、商用電源101から電力が供給され、そのバッテリを充電することができる。ここで、図3を参照して各医療機器1は給電用のケーブル2の先端にプラグ3を有し、このプラグ3を医用のコンセント104に差し込んで医用電源102から電力が供給される。
次に、本発明の第1の実施形態における移動型放射線撮影装置10の具体的な使用例等を説明する。本実施形態における使用例として、例えば自然災害等により当該医療機関に対する電源供給が失われ、上述の手術室において手術が行われていたとする。手術室内の医療機器1は、一部の内部バッテリを持った装置が駆動を継続しているものの、多くの医療機器1は停止している。また、手術室内の照明も非常用照明を残し消灯し、手術の進行は絶望的な状況となっている。
例えば、緊急撮影用に手術室の外部で待機し、商用電源101に接続して充電中であった移動型放射線撮影装置10は、コンセント103からの給電が停止したことで停電を認識する。つまり、移動型放射線撮影装置10は、コンセント103からの給電が停止したことで停電を認識する認識部(図示しない。)を有している。移動型放射線撮影装置10における認識部が停電を認識した場合、車両本体11上部の非常照明用ランプ24が点灯し、移動型放射線撮影装置10の付近を照らすと共に、電源供給部22が発光することで、その位置確認を容易にする。
次に、手術補助員等が移動型放射線撮影装置10にかけより、例えば手術室の外部のコンセント103から充電用のプラグ21が外され、バッテリの電力で後輪13を駆動して移動型放射線撮影装置10を手術台付近に移動させる。移動型放射線撮影装置10の非常照明用ランプ24により手術台付近を照らし、執刀医等は周囲の状況を確認することができる。手術補助員はそのプラグ21を図2の二点鎖線で示すように、停電している手術室壁の医用のコンセント104A(コンセント104と同様に医用給電網100Bに接続されている)に差し込み、医療実施のための電気的接地を図り、その安全性を確保する。これと共に、電力の供給されていない、送電先の医療機器1(1A,1B)のプラグ3を手術室壁のコンセント104から外し、そのプラグ3を図2の二点鎖線で示すように移動型放射線撮影装置10の外部出力用のコンセントソケット23に差し込む。これにより移動型放射線撮影装置10の電源供給部22から医療機器1に対して直接的に電力の供給が可能になり、手術器具等が正常復帰される。この場合、図2の細点線矢印で示すように停電時の給電経路に沿って、移動型放射線撮影装置10から医療機器1に電力が供給される。
上記の場合、プラグ3に接続された医療機器1のケーブル2の長さが短い、あるいは不十分であるとき、図3に示すように延長コード25を使用することで医療機器1を電源供給部22と適正に接続することができる。延長コード25の一端側には電源供給部22のコンセントソケット23に差し込まれる差込プラグ26を有し、他端側には医療機器1のプラグ3が差し込まれるプラグ受け27を有する。なお、延長コード25は長短異なる長さのものを複数用意しておくとよい。
本発明の移動型放射線撮影装置10によれば、バッテリと、バッテリに接続される共にバッテリから外部機器へ電力を供給させる電源供給部22とを備える。つまり、その本来のエックス線撮影機能に加えて、電源供給部22から医療機器1等の外部機器に電力を供給する電源供給機能を兼備する。本例のように急な停電で電源が絶たれた場合、医療機器1に対する電源供給を医用給電網100Bから移動型放射線撮影装置10に切り換える。移動型放射線撮影装置10からの電力供給により少なくとも主要な医療環境を正常復帰させ、これにより人命救助等に多大な貢献ができる。この場合、自走式の移動型放射線撮影装置10によれば、医療現場に即座に到来して迅速な対応が可能になる。その際、非常照明用ランプ24による周囲の照明により現場作業の安全性が確保される。
また、外部機器は電源供給部22に接続され、バッテリから外部機器に電力が供給される。本例では外部機器である医療機器1が接続される電源供給部22を持つことで、移動型放射線撮影装置10自体から他に頼らずに直ちに医療機器1に対して電力を供給することができる。
また、電源供給部22は複数の電気的接続手段を有し、電気的接続手段を介してバッテリから外部機器に電力を供給する。即ち、電気的接続手段である複数のコンセントソケット23を介してバッテリから外部機器である医療機器1に電力を供給する。その際、電源供給部22におけるコンセントソケット23を商用電源用と同一タイプとすることで、医療機器1のプラグ3と簡単且つ適正に接続することができる。このように医療機器1及び移動型放射線撮影装置10間の電気的接続手段に汎用性を持たせることで、使用性及び取扱い性等に優れ、本例のような緊急時には極めて効果が高い。
また、上記のようにバッテリから外部機器へ電力を供給する場合、移動型放射線撮影装置10の移動を規制する制御部を備える。即ち、前述したように本発明の移動型放射線撮影装置10は走行輪(後輪13)等を始めとしてそれらの作動を統括的に制御する制御部を備える。
バッテリから医療機器1に給電中であるときそのプラグ3がコンセントソケット23から外れないように接続状態を保持する必要がある。そこで制御部により走行輪の作動を制御し、移動型放射線撮影装置10の移動を規制するものである。
バッテリから医療機器1に給電中であるときそのプラグ3がコンセントソケット23から外れないように接続状態を保持する必要がある。そこで制御部により走行輪の作動を制御し、移動型放射線撮影装置10の移動を規制するものである。
その際、確保された手術環境を破壊しないようにするために、先ず移動型放射線撮影装置10において外部出力用のコンセントソケット23に医療機器1のプラグ3が差し込まれたことを検出する。そして、プラグ3が外されない限り移動型放射線撮影装置10が移動できない状態に遷移する。即ち、送電先の装置、この例では医療機器1との接続時には、制御部により走行輪(後輪13)の駆動が規制され、移動型放射線撮影装置10が移動できないようにし、これにより手術環境の安全が確保される。
また、移動型放射線撮影装置10は、電源供給部22に接続された外部機器による電力使用状況を表示する表示部19を備える。この表示部19において、移動型放射線撮影装置10の制御やその他必要な情報あるいはデータ類等が表示される。
特に電力使用状況等に関して、外部機器である医療機器1による電力使用状況がその場で分かれば極めて高い利便性が得られる。表示部19によりそのような利便性が実現される。
特に電力使用状況等に関して、外部機器である医療機器1による電力使用状況がその場で分かれば極めて高い利便性が得られる。表示部19によりそのような利便性が実現される。
具体的には上記のように医療機器1が接続された移動型放射線撮影装置10の表示部19において、前述の車載バッテリの現在の充電状況と現在の電力消費状況とに基づき算出された大まかな電力供給の残り時間が表示される。
また、電源供給部22から複数の医療機器1に対して、プラグ3を介して電力が供給される場合、移動型放射線撮影装置10はプラグ3毎の出力電力をモニタリングし、それぞれの電力使用状況あるいは推定残り時間等が表示部19にて表示される。使用者である執刀医等はバッテリからの電力の残りの供給時間、並びに消費電力の大きな機器の使用状況を勘案し、手術進行の適否等を適切に判断することが可能になる。
また、電源供給部22から複数の医療機器1に対して、プラグ3を介して電力が供給される場合、移動型放射線撮影装置10はプラグ3毎の出力電力をモニタリングし、それぞれの電力使用状況あるいは推定残り時間等が表示部19にて表示される。使用者である執刀医等はバッテリからの電力の残りの供給時間、並びに消費電力の大きな機器の使用状況を勘案し、手術進行の適否等を適切に判断することが可能になる。
また、外部機器を移動型放射線撮影装置10に接続するための延長コードを備える。即ち、外部機器である医療機器1に対して医用給電網100Bから移動型放射線撮影装置10に電源を切り換える際、必要に応じて延長コード25を使用することで電源切換え作業における利便性を高めることができる。
なお、上記の場合、電源回復した医療機器1による医療実施に際して、必ず電気的接地がとられるため高い安全性を確保することができる。
更に、一般的にバッテリの深放電による急激な劣化を防止する目的から、バッテリの残量がある程度残った状態で使用不可とし、バッテリの保護を図ろうとする場合が多い。本発明の移動型放射線撮影装置10の場合、緊急事態等において車載バッテリの損傷よりも人命が優先されることは考え易い。かかる場合においては、移動型放射線撮影装置10において、執刀医等の使用者の要望に応じて内部電源であるバッテリの残量もしくは容量を最後まで使い切るようにしてもよい。
更に、一般的にバッテリの深放電による急激な劣化を防止する目的から、バッテリの残量がある程度残った状態で使用不可とし、バッテリの保護を図ろうとする場合が多い。本発明の移動型放射線撮影装置10の場合、緊急事態等において車載バッテリの損傷よりも人命が優先されることは考え易い。かかる場合においては、移動型放射線撮影装置10において、執刀医等の使用者の要望に応じて内部電源であるバッテリの残量もしくは容量を最後まで使い切るようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態における移動型放射線撮影装置10及びその具体的な使用例等を説明する。なお、本実施形態に係る移動型放射線撮影装置10の基本的構成については前述した第1の実施形態のものと同様である。図4は、この実施形態において移動型放射線撮影装置10が使用される医療環境における電源供給システムの例を模式的に示している。本例においても医療環境の状況に応じて、手術室内の適所に移動型放射線撮影装置10が配置され、複数の医療機器1(1A,1B)が配置されるものとする。コンセント103,104を使用して、図2の太点線矢印で示すように通常時の給電経路に沿って、移動型放射線撮影装置10及び医療機器1に電力が供給される。即ち、移動型放射線撮影装置10は、充電用ケーブル20のプラグ21をコンセント103に差し込んで、商用電源101から電力が供給され、そのバッテリを充電する。また、各医療機器1はケーブル2のプラグ3コンセント104に差し込んで、医用電源102から電力が供給される。
自然災害等により当該医療機関に対する電源供給が失われ、上述の手術室において手術が行われていたとする。充電中であった移動型放射線撮影装置10は、コンセント103からの給電が停止したことで停電を認識する。車両本体11上部の非常照明用ランプ24が点灯し、移動型放射線撮影装置10の付近を照らすと共に、更に移動型放射線撮影装置10に備えたブザーが鳴ることで非常電源供給可能であることを周囲に知らせる。
この場合にもコンセント103に差し込まれていた移動型放射線撮影装置10のプラグ21を外し、そのプラグ21を図4の二点鎖線で示すように、停電している手術室壁の医用のコンセント104Aに差し込み、医療実施のための電気的接地を図る。なお、医療機器1(1A,1B)については、それらのプラグ3が医用のコンセント104に差し込んで医用給電網100Bに接続されている。
この例では特に、ケーブルの電気的容量を確保するため、移動型放射線撮影装置10より複数(図4及び図5の図示例では2本とする)の追加の電源ケーブル28A,28Bを取り出す。なお、電源ケーブル28A,28Bの本数は必要に応じて適宜増減可能である。そして、それらの電源ケーブル28A,28Bのプラグ29A,29Bを同系列の複数のコンセント104B,104C(コンセント104と同様に医用給電網100Bに接続されている)に差し込む。また、電源ケーブル28A,28Bは、図5に示されるように電源供給部22に接続される。この場合、更に手術室の医用給電網100B上のブレーカ105を遮断し、当該手術室のコンセント(コンセント104,104A,104B,104Cを含む)に接続されている配線を医用電源102及び病院内の配線より切り離す。
移動型放射線撮影装置10及び医療機器1間の配線関係を上記のように接続することで、図4の細点線矢印で示すように停電時の給電経路に沿って、移動型放射線撮影装置10から医療機器1に電力が供給される。つまり本例では医療機器1が接続された医用給電網100Bは、電源ケーブル28A,28Bを介して電源供給部22に接続されると共にその医用電源102から切り離される。そして、医療機器1に対して医用給電網100Bを介して間接的に移動型放射線撮影装置10のバッテリから電力が供給される。
この場合、移動型放射線撮影装置10からの給電を開始する際、図4に示されるように移動型放射線撮影装置10に備えた誤動作防止装置付きの電源外部出力ボタン30により給電開始を指示する。この誤動作防止装置は、電源外部出力ボタン30を操作する際に安全を確保した上で移動型放射線撮影装置10からの給電開始が行われるようにするものである。本例では既存の医用給電網100Bを使って移動型放射線撮影装置10から給電するため、ブレーカ105を切っているとは言え、給電経路がその分複雑化している。そのため医用給電網100Bの利用にあたり、それが電気的に短絡していないようする等の必要がある。また、例えば振動や外荷重等の作用で電源外部出力ボタン28が不用意に作動するのを防ぐ必要がある。これらを想定して、操作者における給電開始の意図を明確にしながら、安全確保を図った上で給電開始が実行されるようにする。
なお、誤動作防止装置の構成としては、例えば回転操作とストローク操作を組み合わせた2段階操作式の操作ボタンを採用可能である。この場合、常態ではそのストローク操作はロックされており、回転操作によるロック解除後にストローク操作を可能にする。このような例に限らず、誤動作防止装置によれば、給電時の安全性を更に高めることができる。これらにより医療機器1が正常復帰し、手術器具等の使用が可能になり、医師は手術の継続を判断し、術式を再開することができる。
本発明の第2の実施形態において、バッテリと、バッテリに接続される共にバッテリから外部機器へ電力を供給させる電源供給部22とを備える。第2の実施形態では特に、外部機器と接続することが可能な給電網が電源供給部22に接続され、給電網を介してバッテリから外部機器に電力が供給される。
具体的には外部機器である医療機器1と接続可能な医用給電網100Bが、電源供給部22に接続され、医用給電網100Bを介してバッテリから医療機器1に電力が供給される。この場合にも既存の医用給電網100Bを有効活用することで、移動型放射線撮影装置10自体から他に頼らずに直ちに医療機器1に対して電力を供給することができる。
なお、本実施形態において未使用のコンセントソケット23、つまり医療機器1が接続されていない余剰のコンセントソケット23に対してその他の医療機器等を接続し、その医療機器等に電力を供給することが可能である。
また、この例でも移動型放射線撮影装置10が医用給電網100Bと接続している時には、制御部により走行輪(後輪13)の駆動が規制され、移動型放射線撮影装置10が移動できないようにし、これにより手術環境の安全が確保される。また、必要に応じて延長コード25を使用するとよい。
上述した移動型放射線撮影装置10のいずれの使用例においても、移動型放射線撮影装置10の画像データ収集用等に使用される計算機等を停止させるのが好適である。これによりバッテリの残りの電気容量を全て外部電源供給用に充当し、医療環境の正常復帰を効率的に行うことができる。
以上の実施形態において移動型放射線撮影装置10の例を説明した。本発明は、移動型放射線撮影装置の場合に限らず、電源供給部22と同様に商用電源用と同一タイプとした複数の電気的手段を有し、この電気的手段を介して外部機器等に電力を供給する電源車に対しても有効に適用可能である。この場合、前輪12及び後輪13と同様な走行輪を備えて走行可能に構成され、目的地に移動してその主たる機能として電力を供給する。この電源車は更に上述した実施形態の場合と実質的な同様な構成で実現される放射線撮影機能を備え、即ち放射線撮影機能を有する移動型の電源車が構成される。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態で説明したコンセントソケット23の数量あるいは医療機器1の台数等は使用状況等に応じて適宜増減可能である。
また、電源供給部22からの電源は、手術に係わる機器等の他に放射線撮影で得られたデータやその他の情報等の通信装置の駆動用電源としても用いることができる。その通信装置を使用して例えば近隣の医療機関等との間でデータあるいは情報等の授受を行うことも可能になる。
上記実施形態で説明したコンセントソケット23の数量あるいは医療機器1の台数等は使用状況等に応じて適宜増減可能である。
また、電源供給部22からの電源は、手術に係わる機器等の他に放射線撮影で得られたデータやその他の情報等の通信装置の駆動用電源としても用いることができる。その通信装置を使用して例えば近隣の医療機関等との間でデータあるいは情報等の授受を行うことも可能になる。
1 医療機器、2 ケーブル、3プラグ、10 移動型放射線撮影装置、11 車両本体、12 前輪、13 走行ハンドル、15 放射線照射部、16 アーム、17 支柱、18 操作部、19 表示部、20 充電用ケーブル、21 プラグ、22 電源供給部、23 コンセントソケット、24 非常照明用ランプ、25 延長コード、26 差込プラグ、27 プラグ受け、28A,28B 電源ケーブル、29A,29B プラグ、30 電源外部出力ボタン、100 給電網、100A 商用給電網、100B 医用給電網、101 商用電源、102 医用電源、103,104 コンセント、105 ブレーカ。
Claims (9)
- 放射線撮影装置を搭載して走行可能に構成された移動型放射線撮影装置であって、
バッテリと、前記バッテリに接続される共に前記バッテリから外部機器へ電力を供給させる電源供給部とを備えることを特徴とする移動型放射線撮影装置。 - 前記外部機器は前記電源供給部に接続され、前記バッテリから前記外部機器に電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
- 前記外部機器と接続することが可能な給電網が前記電源供給部に接続され、前記給電網を介して前記バッテリから前記外部機器に電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の移動型放射線撮影装置。
- 前記電源供給部は複数の電気的接続手段を有し、前記電気的接続手段を介して前記バッテリから前記外部機器に電力を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動型放射線撮影装置。
- 前記バッテリから前記外部機器へ電力を供給する場合、当該移動型放射線撮影装置の移動を規制する制御部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動型放射線撮影装置。
- 前記電源供給部に接続された前記外部機器による電力使用状況を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動型放射線撮影装置。
- 前記外部機器を当該移動型放射線撮影装置に接続するための延長コードを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動型放射線撮影装置。
- 放射線撮影機能を有すると共に走行可能に構成された移動型放射線撮影装置に対して第1の給電網から電力を供給し、外部機器に対して第2の給電網から電力を供給する電源供給システムであって、
前記第1の給電網及び前記第2の給電網に対する電源が絶たれた場合、前記移動型放射線撮影装置に備えた電源供給部に前記外部機器を接続し、
前記移動型放射線撮影装置のバッテリから前記電源供給部を介して、前記外部機器に電力を供給し得るようにしたことを特徴とする電源供給システム。 - 前記第1の給電網及び前記第2の給電網はそれぞれ、商用電源に接続された商用給電網及び医用電源に接続された医用給電網であり、
前記移動型放射線撮影装置と、前記外部機器としての医療機器とを含んでなることを特徴とする請求項8に記載の電源供給システム。
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2013
- 2013-12-20 JP JP2013264286A patent/JP2015119775A/ja active Pending
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