JP2015119371A - カラープロファイル作成システム、カラープロファイル作成方法及びプログラム - Google Patents

カラープロファイル作成システム、カラープロファイル作成方法及びプログラム Download PDF

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【課題】ユーザの好みを取り入れ、より自由度の高い色分解・カラーマッチングのプロファイルを高精度で作成することができるカラープロファイル作成システム、カラープロファイル作成方法及びプログラムをユーザに提供することを目的とする。【解決手段】ユーザが入力したプロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイル作成アルゴリズムを決定し、前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価項目を決定し、前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価閾値を決定し、決定された前記プロファイル作成アルゴリズムに基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルを作成し、決定された前記評価項目、前記評価閾値を使用して、カラーマッチング、色分解のプロファイルを評価する。【選択図】図7

Description

本発明は、プリンタにおいて色分解やカラーマッチングを行なうためのカラープロファイルを作成するシステムに関する。
近年、プリンタの高解像度化や大判サイズへの対応など、高機能化に伴って、プリンタの用途は広がり、写真家やアーティストなどプロのユーザの中には、インクジェットプリンタを仕事用に使用する人も増加している。このような中、プリンタメーカーは、ユーザのさまざまな使用用途に対応するために、普通紙、コート紙、ファインアート紙、光沢紙など、膨大な数のメディアに対応したカラープロファイルを作成し、プリンタに搭載している。
しかし、ユーザの中には、プリンタに搭載されている対応メディア以外の新規メディアで印刷することを希望する人も存在する。この場合、プリンタに搭載されている複数のプロファイルの中で紙種が似たプロファイルを流用し、満足な画質を得ることができればよいが、発色やインクの打ち込み量制限等、紙の特性が異なり、カラープロファイルを新たに作成する必要が生じることが多い。
上記の場合に対応するために、最近では、ユーザが印刷を希望する新規メディアでのカラープロファイル作成を実現するサービスが実用化されつつある。具体的には、プリンタメーカーが行っているカラープロファイル作成のシステムを、プリンタメーカーのサーバ上に構築し、Webを介してカラープロファイルの作成を行う。
カラープロファイルを作成するに際して、色変換テーブルを作成する場合、目標値と再現値の色彩値信号とアルゴリズムテーブルから色変換を行う構成が、特許文献1に提案されている。具体的には、色差と色相差の関係から目標色、再現色の対応を決定する。
特開2000−22972号公報
上記従来技術を使用したカラープロファイルの作成を、一般的には、プリンタの供給元が行い、非常に高度で専門的な知識を必要とする。したがって、このカラープロファイルの作成をそのまま一般ユーザ向けに導入することは困難である。よって、一般ユーザへ提供されるシステムは、より単純な構成であり、自由度、精度ともに、メーカーでのプロファイル作成よりも低下する。
図1は、従来のカラープロファイル作成システムの例を示す図である。
カラープロファイルを作成する場合、カラープロファイル作成手段が、まず色分解のカラープロファイルを作成し、その後、カラーマッチングのプロファイルを作成する。
しかし、カラーマッチングのプロファイルは、メーカー所定のカラーマッチング指針に沿って作成されるので、カラーマッチングのプロファイルを選択することによってのみ、ユーザ側の好みを反映することができる。つまり、カラーマッチングのプロファイルを選択しなければ、ユーザ側の好みを反映することができないという問題がある。
従来のカラープロファイル作成システムにおいて、色分解のアルゴリズムでは、ユーザの好みを反映することができず、カラーマッチング(写真調、鮮やかな色に、色差最小)を選択することしかできないという問題がある。
本発明は、ユーザの好みを取り入れ、より自由度の高い色分解・カラーマッチングのプロファイルを高精度で作成することができるカラープロファイル作成システム、カラープロファイル作成方法及びプログラムをユーザに提供することを目的とする。
本発明のカラープロファイル作成システムは、ユーザがプロファイル作成条件を入力するプロファイル作成条件入力手段と、前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイル作成アルゴリズムを決定するプロファイル作成アルゴリズム決定手段と、前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価項目を決定する評価項目決定手段と、前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価閾値を決定する評価閾値決定手段と、決定された前記プロファイル作成アルゴリズムに基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、決定された前記評価項目、前記評価閾値を使用して、カラーマッチング、色分解のプロファイルを評価するプロファイル評価手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザの好みを取り入れ、より自由度の高い色分解・カラーマッチングのプロファイルを高精度で作成することができるという効果を奏する。
従来のカラープロファイル作成システムの例を示す図である。 実施形態1に係るカラープロファイル作成システム200を示す図である。 本実施形態に係る例示的な色変換処理を説明するブロック図である。 カラープロファイル作成システム200で行われる処理を示す図である。 カラープロファイル作成システム200のフローチャートである。 カラープロファイル作成条件を入力するUIの例を示す図である。 アルゴリズム、精度判定項目等を決定する動作のフローチャートである。 色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルを示す図である。 カラーマッチングプロファイル作成/評価決定用テーブルを示す図である。 カラープロファイルの作成の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる最良の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
実施形態1
図2は、本発明の実施形態1に係るカラープロファイル作成システム200の構成を示す図である。
実施形態1では、代表的なプリンタとして、インクジェット方式のプリンタを使用し、好適な実施形態として、ネットワークを用いたカラープロファイル作成システム200を想定する。
<カラープロファイル作成システムの概略構成>
カラープロファイル作成システム200は、供給元(メーカー)のサーバ1と、供給先(以下、「ユーザ」とも言う)のシステム2とが、インターネットに代表される通信回線3によって接続されている。
供給元のサーバ1は、Webサーバ11、アプリケーションサーバ12、プロファイル記憶装置13、顧客情報DB14によって構成されている。
Webサーバ11は、ユーザが供給元のサーバ1へアクセスするためのインターフェースとして機能し、ここにアクセスすることによって、ユーザ登録を行なうことができる。また、Webサーバ11は、アプリケーションサーバ12と接続し、カラープロファイル作成のためにデータを入出力する。アプリケーションサーバ12は、Webサーバ11を介して入力されるカラープロファイル作成用データによって、カラープロファイルを作成する。カラープロファイルの具体的な作成方法は後述する。
プロファイル記憶装置13には、作成されたプロファイルや、プロファイル作成のために用いるベースプロファイルが格納されている。顧客情報DB14は、顧客情報を格納し、ユーザIDとパスワード、氏名、住所などの個人情報が登録されている。
供給先(ユーザ)のシステム2において、LAN4を介して、プリンタ5とホストPC6とが接続される。
プリンタ5は、作業メモリ51、ファームウェア52、記憶装置53、プリント部54によって構成されている。
作業メモリ51は、その処理の際にワークエリアとして用いられる。記憶装置53には、プリント部54を制御するプログラムが格納され、ファームウェア52は、そのプログラムに従い、プリントジョブを処理し、プリント部54を制御する。プリント部54は、ファームウェア52の制御によって印刷し、インクジェットプリンタであれば、インク、インクを吐出するヘッド、印刷媒体搬送機構及び本体内での画像処理を行うモジュールを含んでいる。
ホストPC6は、情報処理装置の1つであり、パーソナルコンピュータであり、測定装置としての測定機7が接続され、カラーパッチ等を測定し、測定値を得ることができる。この測定値を、カラープロファイルの作成時に使用する。実施形態1では、プリンタ5とホストPC6とが、LAN4を介して接続されているが、USBに代表される図示しないインターフェースを介して接続するようにしてもよい。
測定機7として、反射原稿や透過原稿の分光特性を測定する分光光度計が使用される。なお、測定機7は、PC6に接続されているが、プリンタ5のプリントヘッド側面に内蔵するようにしてもよい。
PC6は、プリンタドライバ61、アプリケーション62、記憶装置63から構成される。アプリケーション62は、測定機7を制御する処理を行う。記憶装置63には、プリンタドライバ61で使用される印刷メディア固有のデータを格納している。
ユーザは、通常、種々のアプリケーションによって処理された文書、画像等を、PC6によって、プリンタ5に出力させることができる。すなわち、PC6におけるプリントアプリケーション62によって、上記処理された画像等について所定の画像処理を行い、印刷データとしてプリンタドライバ61へ送出する。プリンタドライバ61は、印刷データをプリンタ5のインク色であるCMYKなどに色変換し、さらにハーフトーン処理を施し、プリンタ5へ出力する。
プリンタ5は、PC6から受信したハーフトーン処理後のデータを、出力用紙上に展開し、プリント部54がハードコピーを生成する。なお、本実施形態では、プリンタドライバ61が、色変換処理とハーフトーン処理とを実行するが、色変換処理とハーフトーン処理とをプリンタ5内で実行するようにしてもよい。
次に、プリンタドライバ61において、カラープロファイルを使用した色変換処理の例について説明する。
<プリンタドライバにおけるカラープロファイルを使用した色変換処理>
図3は、本実施形態に係る例示的な色変換処理を説明するブロック図であり、インクジェットプリンタ等が記録媒体にカラー画像を形成する際に、PC6内のプリンタドライバ61が行う色変換処理を示す図である。
プリンタドライバ61は、カラーマッチング処理部301と、色分解処理部302と、出力γ補正処理部303と、ハーフトーン処理部304とを有する。
カラーマッチング処理部301は、入力画像データのR1G1B1信号を、プリンタ5の色に合わせるカラーマッチング処理によって、プリンタ固有のデバイスR2G2B2信号に変換する。この入力R1G1B1信号から、デバイスR2G2B2信号へ変換する場合、内蔵されているカラープロファイルである三次元ルックアップテーブル(以下、「3DLUT」と呼ぶ)を参照し、四面体補間処理や立方体補間処理等の三次元補間処理を実行する。
色分解処理部302は、入力されたデバイスR2G2B2信号を、プリンタ5のインクに対応するC1M1Y1K1信号に色分解して出力する。デバイスR2G2B2信号からインクC1M1Y1K1信号(多値データ)への変換も、3DLUTによって行われ、四面体補間処理や立方体補間処理等の三次元補間処理などによって、プリンタ5のインク色へ変換される。
出力γ補正処理部303は、ハーフトーン処理部304の処理内容とプリンタ5のプリントエンジン部との組み合わせによるγ特性を補正するために、CMYK信号の色材色データをγ補正処理する。具体的には、出力γ補正テーブルに基づいて、C1M1Y1K1信号の色材色データを、C2M2Y2K2信号の多値データに変換して、補正処理を実行し、出力する。
ハーフトーン処理部304は、C2M2Y2K2信号(多値データ)を、プリンタ5のプリントエンジン部が表現可能な階調数に変換するために、2値化処理を色毎に実行する。ハーフトーン処理後のC3M3Y3K3信号(2値データ)は、プリンタ5へ転送され、印刷が実行される。
なお、上記説明では、CMYKの4色を例にあげたが、Lc、Lmのような淡色インクやR、G、Bのような特色インクを含む多色印刷システムにおいても、処理の内容は、上記と同様である。
<プロファイル作成システムにおけるプロファイル作成処理>
図4は、カラープロファイル作成システム200で行われる処理を模式的に示す図である。
ユーザ401は、プロファイル作成条件入力手段402によって、プロファイルの作成条件を入力する。この入力された情報に基づいて、アルゴリズム決定手段403、評価項目決定手段404、評価閾値決定手段405が、それぞれ、プロファイル作成のアルゴリズム、精度評価のための評価項目、閾値を決定する。
プロファイル作成手段406は、アルゴリズム決定手段403が決定した色分解・カラーマッチングのプロファイル作成アルゴリズムを使用して、カラープロファイルを作成する。
プロファイル評価手段407は、プロファイル作成手段406で作成された色分解・カラーマッチングのプロファイルを、評価項目決定手段404、評価閾値決定手段405で決定された評価項目、評価閾値を用いて、それぞれ評価する。評価の結果、プロファイルの作成が問題なく終了すると、色分解・カラーマッチングのプロファイル408が出力される。
次に、カラープロファイル作成システム200におけるプロファイル作成処理の流れについて、より詳細に説明する。
まず、準備段階として、図2に示す供給先(ユーザ)のシステム2において、プロファイル作成に必要なアプリケーションを、ホストPC6にインストールする。
カラープロファイルの作成は、ユーザのシステム2がWebサーバ11にアクセスすることによって、開始される。Webサーバ11より、顧客情報DB14にアクセスし、ユーザID、パスワードの入力によって、ユーザを認証する。
図5は、カラープロファイル作成システム200で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
なお、カラープロファイル作成の前段階として、メディアのメカパラメータの設定及び出力γ(OPG)プロファイルの作成を行う必要があるが、本発明の特徴ではないので、その詳細な説明を省略する。
まず、ステップS501で、ユーザのシステム2は、カラープロファイルの作成条件を入力する。
図6は、カラープロファイル作成条件を入力するUIの例を示す図である。
PC6に接続されている図示しないモニタに、入力されたカラープロファイル作成条件を入力するUIが表示される。
カラープロファイル作成条件のダイアログ600は、色分解の条件選択部610とカラーマッチングの条件選択部620とによって構成されている。色分解に関して選択できる項目は、優先度の指定611、階調性/色域612、インク消費量613である。カラーマッチングに関して選択できる項目は、画質の調整621、プリンタ5の色域を最大限使用すること625、モニタの出力特性の指定626、観察光源の指定629である。これらの選択は、排他処理であり、つまり、1つの項目を選択すると、他の項目の指定は無効になる。画質の調整621を選択した場合、明るさ622、コントラスト623、鮮やかさ624について、スライドバーまたはスピンボタンによって調整することができる。
モニタの出力特性の指定626を選択すると、ボタン627で、モニタのICCプロファイルを読み込むことができる。選択されたICCプロファイルは、テキストボックス628に表示される。観察光源の指定629を選択すると、光源選択630のラジオボタンで、観察光源を指定することができる。
最後に、OKボタン640を押下すると、次のステップへ進む。キャンセルボタン650を押下すると、カラープロファイル作成条件の入力を中断し、カラープロファイル作成処理を終了する。
ステップS502で、色分解・カラーマッチングプロファイルの作成アルゴリズム、精度判定項目、精度判定閾値を決定する。
図7は、アルゴリズム、精度判定項目、精度判定閾値を決定する動作(S502)を示すフローチャートである。
ステップS501で入力された作成条件に基づいて、図7に示すアルゴリズム、精度判定項目、精度判定閾値の決定フローチャートに沿って処理する。
ステップS701で、まず、カラープロファイル作成条件を入力したUIから各種作成条件の情報を取得する。
ステップS702で、色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルを参照する。色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルを、メーカーのアプリケーションサーバ12内に予め格納しておく。
図8は、色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルを示す図である。
ステップS703では、ステップS701で取得した作成条件情報のうちで、色分解に関する情報である「優先度」、「階調性/色域」、「インク消費量」の入力値に基づいて、アルゴリズムを決定する。例えば、「優先度」の入力値が階調性/色域であり、「階調性/色域」の入力値が色域であり、「インク消費量」の入力値が−1であれば、アルゴリズムは(2)色域重視となる。
ステップS704では、ステップS703と同様に処理し、色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルから、色分解の精度評価項目を決定する。精度評価項目として、階調性、色域、粒状性を用いる。精度評価項目として、例えば、階調性を想定する場合、曲率を使用する。より具体的には、連続階調パッチにおけるL*値、a*値、b*値を測定し、それぞれの測定値から曲率を求める。精度評価項目として、色域を想定する場合、ガマット体積を用いる。ガマット体積は、印刷用紙の違いによって大きく異なるので、コート紙、光沢紙、アート紙などの用紙種類毎に、基準となるガマット体積を予め設定しておく。精度評価項目として、粒状性を想定する場合、RMS粒状度やウィナースペクトラムのような公知の粒状性評価値を用いる。
ステップS705では、ステップS703と同様に処理し、色分解プロファイル作成/評価決定用テーブルから、色分解の精度評価閾値を決定する。閾値は、「標準」、「緩く」、「厳しく」と表現する。「標準」を基準値とし、「緩く」では、許容できる精度の範囲が広くなる方向に閾値を緩くし、「厳しく」では、許容できる精度の範囲が狭くなる方向に閾値を厳しくする。
なお、優先度が「階調性/色域」である時の「インク消費量」の値、または優先度が「インク消費量」である時の「階調性/色域」の選択は、アルゴリズムの違いには反映させず、プロファイル作成における二次的なパラメータとして使用する。例えば、優先度が「階調性/色域」である時の「インク消費量」については、0を基準のインク使用量とし、「インク消費量」が、−1、−2であれば、全体的なインク使用量を、それぞれ、−10%、−20%と、段階的に減らす。
優先度が「階調性/色域」である時の「階調性/色域」については、「階調性」を基準とし、インクカーブの設計時に淡インクの使用量を少なくし、濃インクの入り込みを早くして濃インクの使用量を多くする。
以下に、選択される各プロファイル作成アルゴリズムと、精度評価項目、精度評価閾値について、処理内容と特徴を説明する。
(1)アルゴリズムが「階調性重視」である場合
階調性重視のアルゴリズムは、階調性を最も重視したプロファイルを作成するアルゴリズムである。
一般的に、プリンタで表現される色域(ガマット)は、色空間上でいびつな形状を成している。そのために、各インクの一次色をガマットの端まで最大まで使用すると、打ち込み量が多い領域において、階調飛びが発生する懸念がある。このアルゴリズムでは、階調飛びが発生する領域を使用しないことによって、階調性を重視した色分解プロファイルを作成する。ただし、このアルゴリズムでは、プリンタ5で表現できる色域を最大まで使用しないので、色域が制限されるという弊害がある。
精度評価項目は、優先度が「階調性/色域」の場合は、階調性と色域を用い、優先度が「インク消費量」の場合は、粒状性と色域を用いる。精度評価閾値は、それぞれ標準(基準)の値を用いる。
(2)アルゴリズムが「色域重視」である場合
色域重視のアルゴリズムは、プリンタ5の色域を最も重視したプロファイルを作成するアルゴリズムである。上記(1)階調性重視のアルゴリズムとは逆に、階調飛びが発生する懸念があることを踏まえた上で、各インクの一次色をガマットの端まで最大限使用し、色分解プロファイルを作成する。インクカーブの設計における特徴として、淡インクの使用量を極力少なくすることと、濃インクの入り込みを早くして濃インクの使用量を多くすることによって、色域を最大限まで使用する。
精度評価項目として、階調性と色域を用いる。精度評価閾値として、色域を重視する設計を行っているので、階調に関する閾値を緩くし、色域に関する閾値を厳しくする。
(3)アルゴリズムが「インク節約」である場合
インク節約のアルゴリズムは、プリンタ5におけるインク消費量を節約するために、インクの使用構成比率を変更して設計するアルゴリズムである。例えば、Lc、Lmのような淡インクの使用率を通常の50%とし、これに伴いC、Mの使用率を上げる。また、R,G,Bのような特色を使用する場合は使用率を増やし、これに伴いC,M,Yインクの使用量を減らす。これらは、インクの次数を減らす効果があり、結果としてインク消費量の節約に繋がる。
精度評価項目として、粒状性と色域を用いる。精度評価閾値として、それぞれ標準(基準)の値を用いる。
(4)アルゴリズムが「インク最小限」である場合
インク最小限のアルゴリズムは、プリンタ5のインク消費量を最小限に抑えるために、使用するインク色の数を限定したプロファイルを作成するアルゴリズムである。例えば、CMYKLcLmの6色構成のプリンタ5において、Lc、Lmのインクを使用しないで、CMYK4色の色分解を行う。この場合、淡色インクを全く使用しないので、粒状性は悪化する。また、特色インクを使用するプリンタ5の場合、特色インクの使用も禁止するので、色域も狭くなる。精度評価項目として、粒状性と色域を用いる。精度評価閾値として、それぞれ緩くする。
ステップS706で、カラーマッチングプロファイル作成/評価決定用テーブルを参照する。
図9は、カラーマッチングプロファイル作成/評価決定用テーブルを示す図である。
ステップS707では、ステップS701で取得した作成条件情報のうちで、カラーマッチングの条件選択部620で選択された入力値に基づいて、アルゴリズムを決定する。つまり、「画質の調整621」、「プリンタの色域を最大限使用する625」、「モニタの出力特性を指定626」、「観察光源の指定629」の入力値から、アルゴリズムを決定する。
例えば、カラーマッチングの条件として、「プリンタの色域を最大限使用する625」を選択すれば、アルゴリズムは、図9(c)に示す「鮮やかな色に」である。なお、カラーマッチングの条件として、「画質の調整621」を選択すれば、明るさ、コントラスト、鮮やかさの調整値によって、アルゴリズムを判断する。調整値が全て0であれば、すなわち(0,0,0)であれば、図9(a)に示す写真調1となり、調整値が(0,0,0)以外の場合は図9(b)に示す写真調2となる。
ステップS708では、ステップS707と同様に処理し、カラーマッチングプロファイル作成/評価決定用テーブルからカラーマッチングの精度評価項目を決定する。精度評価項目として、色再現性、階調性を用いる。色再現性の評価値は、ターゲットとの色差ΔEを使用する。階調性の評価値として、曲率を使用する。
ステップS709では、ステップS707と同様に処理し、カラーマッチングプロファイル作成/評価決定用テーブルから、カラーマッチングの精度評価閾値を決定する。
以下に、選択される各プロファイル作成アルゴリズムと、精度評価項目、精度評価閾値について、処理内容と特徴を説明する。
(a)アルゴリズムが「写真調1」である場合
アルゴリズム「写真調1」は、階調性を重視した好ましい色再現を行うアルゴリズムであり、全ての色を相対的に圧縮して、見た目の印象を近づける。明るさ、コントラスト、鮮やかさの調整値が全て0であれば、このアルゴリズムが選択される。
精度評価項目として、色再現性と色域を用いる。精度評価閾値として、それぞれ標準を用いる。
(b)アルゴリズムが「写真調2」である場合
アルゴリズム「写真調2」は、写真調の階調性を重視した好ましい色再現を行うアルゴリズムであり、「写真調1」をベースに暗部やハイライトの階調性を重視した設計を行う。明るさ、コントラスト、鮮やかさの調整値が(0,0,0)でなければ、このアルゴリズムが選択される。それぞれの項目は、−2〜+2の5段階で調整することができる。
マッチングの作成条件で明るさを変更した場合、ターゲットの明るさをトーンカーブ調整により変更する。例えば、明るさが+2であれば、ターゲットのL*値を全体的に+10%変更する。コントラストを変更した場合は、トーンカーブ調整によりターゲットのコントラストを調整する。例えば、コントラストが+2であれば、ターゲットのトーンカーブがS字になるように設定し、−2であれば、ターゲットのトーンカーブが逆S字になるように設定する。鮮やかさを変更する場合、ターゲットのL*a*b*値から求められる彩度を変更させ、新たなターゲットとする。例えば、鮮やかさが+2であれば、ターゲットの彩度を+10%、−2であれば、−10%のように変更する。
精度評価項目として、色再現性と色域を用いる。精度評価閾値は、それぞれ緩く設定する。
(c)アルゴリズムが「鮮やかな色に」である場合
鮮やかな色には、プリンタ5の色再現範囲の色について、彩度ができるだけ保持されるように、プリンタの色再現範囲を圧縮して色再現するアルゴリズムである。
精度評価項目として、色再現性と色域を用いる。精度評価閾値は、それぞれ緩く設定する。
(d)アルゴリズムが「色差最小1」である場合
色差最小1は、プリンタ5の色再現範囲内の色について、ターゲットとの色差が最小になるようにマッチングを行うアルゴリズムであり、特に、モニタの出力特性を考慮したカラーマッチングを行うものである。色差最小1のアルゴリズムは、「モニタの出力特性を指定」626を実行した場合に使用される。
モニタのICCプロファイルを選択した場合、ICCプロファイルの色特性情報を加味したプロファイルを作成する。具体的な方法として、公知の技術を用いてもよい。例えば、色特性情報を考慮したRGBtoRGB変換を行う色調整プロファイルを、作成されたプロファイルに合成することによって、色特性情報を考慮したプロファイルを達成することができる。
精度評価項目として、色再現性と色域を用いる。精度評価閾値は、色再現性は厳しく、色域は標準に設定する。
(e)アルゴリズムが「色差最小2」である場合
色差最小2は、プリンタ5の色再現範囲内の色について、ターゲットとの色差が最小になるようにマッチングを行うアルゴリズムであり、特に、観察光源を考慮したカラーマッチングを行う。色差最小2のアルゴリズムは、「観察光源を指定」629を実行した場合に使用される。
観察光源を選択すると、指定された観察光源下で見たときに、ターゲットのL*a*b*値に近くなるように、色再現範囲を圧縮する。すなわち、カラーパッチの測定で得られる分光反射率と、図6に示す光源選択630で選択された観察光源の分光特性情報から得られるL*a*b*値とを計算する。これによって、選択された観察光源に最適化なカラープロファイルを作成することができる。なお、光源選択630で選択できる観察光源の分光反射率データは、アプリケーションサーバ内の図示しない記憶装置に予め記憶され、このデータをL*a*b*値の計算時に読み出して使用するようにしてもよい。
精度評価項目として、色再現性と色域を用いる。精度評価閾値は、色再現性は厳しく、色域は標準に設定する。
最後に、ステップS710では、S702〜S709までの処理で決定した色分解・カラーマッチングのアルゴリズムと精度評価項目・閾値のセットとを所定の形式で、図2に示すアプリケーションサーバ12内の図示しない記憶装置に格納する。
そして、図5に示す処理に説明を戻す。ステップS503で、カラープロファイルを作成する。
図10は、カラープロファイルの作成の流れを示すフローチャートである。
カラープロファイル作成では、まずWebサーバ11がアプリケーションサーバ12へアクセスし、プロファイル作成用のアプリケーションを起動する。このアプリケーションを通じてパッチ測色データを入出力することによって、カラープロファイルを作成することができる。ステップS502で決定したアルゴリズム、精度評価項目、精度評価閾値の情報を、記憶装置から読み出し、この読み出した情報に基づいてカラープロファイルを作成する。
最初に、ユーザは、ステップS1001で、カラープロファイル作りのベースとなるベースプロファイルを選択する。プロファイル記憶装置13には、コート紙、光沢紙、アート紙などの用紙種類毎に、ベースプロファイルとして色分解テーブルが格納されている。新たにカラープロファイルを作成したい用紙種類を、ベースプロファイルの中から選択し、この選択した用紙をベースに、プロファイルを作成する。
ベースプロファイルの選択が終わると、ステップS1002で、プリンタ5にパッチ印刷用のデータが送られ、プロファイル作成のためのパッチを印字する。ユーザは印刷されたパッチを、測定機7を用いて測定する。測色機7によって測定し、測色値L*a*b*を使用する。
ステップS1003において、測色されたデータが供給元のサーバに送信され、アプリケーションサーバ12内のプロファイル作成用のアプリケーションによって、色分解のプロファイルを作成する。プロファイル作成時のアルゴリズムは、ステップS1002で作成されたものを使用する。
ステップS1004では、ステップS1003で作成されたプロファイルを供給元からダウンロードし、そのプロファイルを用いて色分解プロファイル評価パッチを印字する。評価パッチのパッチパターン、解像度変換や誤差拡散等のパラメータは、所定のものを使用する。そして、測定機7が測定し、測定データを供給元サーバ1に送信する。
ステップS1005では、色分解プロファイルを評価する。送信された測定データを元に、アプリケーションサーバ12が評価する。評価では、ステップS502で決定された評価項目と評価閾値とを使用する。評価結果としてOKが出れば、次の段階であるカラーマッチングのプロファイル作成に進む。NGであれば、図示しないモニタにプロファイルの作成をやり直すか、または中止するかを選択する画面を表示し、ユーザが判断する。
ステップS1006で、カラーマッチングのプロファイルを作成する。カラーマッチングのプロファイルを作成する場合、ステップS1003では、色分解プロファイル作成で使用したパッチ測色データをそのまま使用することができる。測色データは、供給元のサーバ1に送信され、アプリケーションサーバ12内のプロファイル作成用のアプリケーションがカラーマッチングのプロファイルを作成する。プロファイル作成時のアルゴリズムは、ステップS1002で決定されたものを使用する。
ステップS1007では、ステップS1006で作成されたプロファイルを供給元からダウンロードし、そのプロファイルを用いてカラーマッチングプロファイル評価パッチを印字する。評価パッチのパッチパターン、解像度変換や誤差拡散等のパラメータは、所定のものを使用する。そして、測定機7が測定し、測定データを供給元サーバ1に送信する。
ステップS1008で、カラーマッチングプロファイルを評価する。送信された測定データを元に、アプリケーションサーバ12が評価する。評価では、ステップS502で決定された評価項目と評価閾値とを使用する。評価結果としてOKが出れば、次の段階であるカラーマッチングのプロファイル作成に進む。NGであれば、図示しないモニタにプロファイルの作成をやり直すか、または中止するかを選択する画面を表示し、ユーザが判断する。
以上により、カラープロファイル作成の作業を完了する。この後、メカパラメータ等のプリンタ本体制御情報に合わせた所定の形式のファイルを作成し、プロファイル記憶装置13に登録する。そして、ユーザは所定の手続きを踏んでダウンロードし、記憶装置63に格納する。
以上の処理を行うプロファイル作成システムによって、ユーザの好みが反映されたカラープロファイルを作成することができる。また、好みの条件に対応したアルゴリズムと精度判定項目・閾値とを適切に設定し、プロファイル作成を行なうことによって、高精度なプロファイルを作成することができる。
なお、本実施形態では、代表的な例としてインクジェット方式のプリンタを使用するが、これに限らず、複写機や電子写真式プリンタ等でも適用可能である。
上記実施形態によれば、階調性、インク消費量、明るさ、コントラスト、鮮やかさなどのカラープロファイル作成条件をユーザが選択し、これに応じて色分解・カラーマッチングのカラープロファイル作成時のアルゴリズムを自動的に選択することができる。さらに、上記実施形態によれば、選択した作成条件に応じてカラープロファイルの精度を評価する項目と閾値とを設定することによって、ユーザの好みを反映させた高精度なカラープロファイルを作成することができる。
なお、本実施形態の機能は以下の構成によっても実現することができる。つまり、本実施形態のサーバ1、システム2の処理を行うためのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することとなり、またそのプログラムコードを記憶した記憶媒体も本実施形態の機能を実現することになる。
また、本実施形態の機能を実現するためのプログラムコードを、1つのコンピュータ(CPU、MPU)で実行する場合であってもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実行する場合であってもよい。さらに、プログラムコードをコンピュータが実行する場合であってもよいし、プログラムコードの機能を実現するための回路等のハードウェアを設けてもよい。またはプログラムコードの一部をハードウェアで実現し、残りの部分をコンピュータが実行する場合であってもよい。
1…供給元サーバ、
2…供給先のシステム、
5…プリンタ、
6…ホストPC、
61…プリンタドライバ。

Claims (13)

  1. ユーザがプロファイル作成条件を入力するプロファイル作成条件入力手段と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイル作成アルゴリズムを決定するプロファイル作成アルゴリズム決定手段と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価項目を決定する評価項目決定手段と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価閾値を決定する評価閾値決定手段と、
    決定された前記プロファイル作成アルゴリズムに基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルを作成するプロファイル作成手段と、
    決定された前記評価項目、前記評価閾値を使用して、カラーマッチング、色分解のプロファイルを評価するプロファイル評価手段と、
    を有することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  2. 請求項1であって、
    前記プロファイル作成条件の優先度を決定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  3. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件が階調性であり、
    前記評価閾値が階調性評価値であり、
    前記階調性の重要性が高くなるにしたがって前記階調性の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  4. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件が色域であり、
    前記評価閾値が色域評価値であり、
    前記色域の重要性が高くなるにしたがって前記色域の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  5. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件がインク消費量であり、
    前記評価閾値が粒状性評価値であり、
    インク消費量が多くなるにしたがって粒状性の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  6. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件がインク消費量であり、
    前記評価閾値が色域評価値であり、
    インク消費量が多くなるにしたがって色域の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  7. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件が明るさであり、
    前記評価閾値が色再現性の評価値であり、
    明るさが明るくなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定し、または明るさが暗くなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  8. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件がコントラストであり、
    前記評価閾値が色再現性の評価値であり、
    コントラストが強くなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定し、またはコントラストが弱くなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  9. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件が鮮やかさであり、
    前記評価閾値が色再現性の評価値であり、
    鮮やかさが強くなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定し、または鮮やかさが弱くなるにしたがって色再現性の精度が低くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  10. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件がモニタの出力特性であり、
    前記評価閾値が色再現性の評価値であり、
    モニタの出力特性が指定されると色再現性の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  11. 請求項1または2であって、
    前記プロファイル作成条件が観察光源であり、
    前記評価閾値が色再現性の評価値であり、
    観察光源が指定されると色再現性の精度が高くなるように前記評価閾値を設定することを特徴とするカラープロファイル作成システム。
  12. ユーザがプロファイル作成条件を入力するプロファイル作成条件入力工程と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイル作成アルゴリズムを決定するプロファイル作成アルゴリズム決定工程と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価項目を決定する評価項目決定工程と、
    前記プロファイル作成条件に基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルの精度を評価する評価閾値を決定する評価閾値決定工程と、
    決定された前記プロファイル作成アルゴリズムに基づいて、カラーマッチング、色分解のプロファイルを作成するプロファイル作成工程と、
    決定された前記評価項目、前記評価閾値を使用して、カラーマッチング、色分解のプロファイルを評価するプロファイル評価工程と、
    を有することを特徴とするカラープロファイル作成方法。
  13. 請求項12に記載のカラープロファイル作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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