JP2015118279A - 画像機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子を光軸に直交するXY面内駆動及び光軸(Z軸)周りの回転駆動が可能な駆動装置に用いられる精密な位置検出が可能な位置検出装置、及び、その位置検出装置を搭載した画像機器を提供する。
【解決手段】本実施形態のカメラは、撮像素子136を保持したホルダ145と、このホルダ145をXY平面に沿って移動可能に支持したフレーム167を有する。また、カメラは、フレーム167に対して固定的に設けたヨーク305に固設した投光器185を有する。投光器185は、撮像素子136にスポット光を投光する。カメラの制御部は、撮像素子136で検出した投光スポットの位置を算出し、撮像素子136のXY平面に沿った位置を検出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁モータ、超音波モータ、圧電体等のアクチュエータを利用して、撮像素子が配置された移動体を駆動して所定の位置に移動させることによりブレ補正などを行なうデジタルカメラ等の画像機器に関するものである。
従来、直交座標系の直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸とした時に、X軸、Y軸方向へ移動体を移動することができ、且つZ軸回りに移動体をXY平面に沿って回転することができる、精密な位置制御が可能な電動のステージが、様々なところで用いられている。
具体的なものとして、例えば、デジタルカメラのブレ補正装置が知られている。ブレ補正装置は、カメラのピッチ方向のブレ振動と、カメラのヨー方向のブレ振動と、X方向(カメラを構えた状態の左右方向)のブレ振動と、Y方向(上下方向)のブレ振動と、Z軸周りの回転ブレ振動と、を角速度センサ、加速度センサ等のブレ検出手段を用いて検出し、検出したブレ信号に基づいて、ブレを打ち消す方向に撮像光学系の一部若しくは撮像素子を撮影光軸に直交するXY平面内で変位させる。これにより、ブレ補正装置は、撮像素子の撮像面上での像のブレを補正する。
撮影レンズの光軸回り(XY平面に沿った)の回転ブレは、撮像素子を回転駆動することで補正する。その他の方向の手ブレは、撮像光学系の一部のレンズ、又は撮像素子そのものを撮影光軸に直交するXY平面内で水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)に移動することで補正する。
撮像素子やレンズなどの移動体を駆動するための駆動手段は、手ブレに追随して動作させたときに、移動体を精密に駆動(微小駆動)する必要がある。この際、撮影レンズやカメラボディに対して移動体の位置(撮像面位置)が正確に位置決めされて駆動されることが要求される。そして、当然であるが、複雑な機構を持たず、小型で安価な機構であることが求められる。
また、撮像素子を撮影光学系の光軸回りに回転させて撮像素子の水平を維持したり、撮像素子を星の日周運動に合わせて回転させて天体撮影したりすることもなされており、この場合にも撮像素子の位置を精密に位置制御する必要があり、撮像素子の正確な位置決めが要求される。
(特開2005−351917)
この公報に開示された像ブレ補正装置は、固定枠に相当するベース板と、移動枠に相当する可動部と、ベース板と可動部との間に挟まれた3つの移動用ボールと、を備えている。可動部には、撮像素子が設けられている。可動部は、ベース板に対して移動自在に支持されている。この像ブレ補正装置は、ベース板に対して可動部を移動させるためのボイスコイルモータ(以下、VCMと呼ぶ)を備えている。
VCMは、可動部側に設置されたコイルと、ベース板側に設けられた磁石と、を有する。このVCMは、3つの移動用ボールがベース板にそれぞれ接触する3点を含む面に沿って可動部をX軸方向(水平方向)へ移動するとともにY軸方向(垂直方向)へ移動し、且つXY平面に垂直なZ軸回りに回転させる。
ベース板に対する可動部の相対位置は、可動部のコイルの内周側に設けられたホール素子により、ベース板側に設けられた磁石の磁界を検出することにより検出している。つまり、この像ブレ補正装置では、移動枠の位置検出に2組のホール素子を必要としており、ホール素子の配置スペースを小さくするためにコイルの内周側に配置している。
しかし、ホール素子をコイルの内側に配置すると、ホール素子がコイルの磁界の影響を受け、正確な位置検出が困難になってくる。また、撮像素子の位置に対するホール素子の位置や、駆動磁石の位置を精密に設定しないと、撮像素子の位置検出の誤差が大きくなってしまう。このため、ホール素子に対向して、固定枠に専用の磁石を設けると、高価になるだけでなく、専用の磁石の配置スペースが著しく大きくなる。なお、専用の磁石を設けた場合でも、ホール素子や磁石の配置位置の誤差により、位置検出精度が低下することは変わらない。さらに、撮像素子が光軸回りに大きく回転するような位置変化量が大きい場合、磁石の磁界の変化が非線形になり、精密な位置検出ができなくなってしまう。
一方、磁界検出でなく、光学式の位置検出装置も存在するが、検出器と非検出体を独立に設けなければならず、設置スペースが大きくなったり、撮像素子位置に対する検出器や非検出体の設置位置誤差が大きくなることは、ホール素子と磁石の場合と同様である。
(特開2011−97377)
この公報に開示された撮像装置は、筐体に固設した遮光板の影をイメージセンサで検出することで、イメージセンサの筐体に対する相対的な位置を検出する。つまり、この装置では、移動するイメージセンサの相対位置を直接検出することになるため、位置検出精度が比較的高い。しかし、このイメージセンサの位置検出は、レンズを介して筐体内に入る被写体からの反射光を遮断した状態でなされるため、必ずシャッターを閉じる動作が必要となる。
これに対し、この公報には、色の着いたスポット光をイメージセンサに照射して、イメージセンサの相対位置を直接検出する方法についても開示がある([0077]段落)が、イメージセンサにスポット光を照射した状態では撮像ができないため、位置検出できるタイミングが限られている。
(特許第4512190号)
この公報に開示された位置検出装置は、固定部材および可動部材の一方に設けた光源から所定間隔の複数のスポット光を出射し、固定部材および可動部材の他方に設けた位置検出素子で複数のスポット光を受光することで、固定部材に対する可動部材の相対位置を検出する。これにより、比較的面積の小さい位置検出素子を用いて、比較的広い範囲を移動する可動部材の位置を検出可能としている。
位置検出素子は、撮像素子とは別に設けられている。このため、位置検出精度が低く、装置が大型化する。
特開2005−351917号公報 特開2011−97377号公報 特許第4512190号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単で安価な構成で、撮像素子のXY平面内の駆動に対して、XY平面内における撮像素子の位置を精密に検出することができる小型の位置検出装置を搭載した画像機器を提供することを目的とする。
本発明の画像機器の一態様は、光学像を電気信号に変換する撮像素子を保持する保持部と、上記保持部を上記撮像素子上に光学像が形成される像面と平行な面内で移動させる駆動装置と、上記撮像素子上において各々が複数の画素で形成される複数の所定領域に、スポット光を投光する投光部を有し、当該撮像素子の光学像が形成される画像形成面の外周領域に上記複数のスポット光を投光する投光器と、上記複数のスポット光を受光した上記撮像素子からの複数の出力に基づいて、上記投光部と当該撮像素子の相対位置を算出し、上記駆動装置によって上記保持部を所定位置へ移動させる制御部と、を具備したこと特徴とする。
本発明に係る画像機器によれば、固定側(固定枠)と移動側(移動枠)との間に、駆動機構としてコイルと磁石からなるいわゆるVCMや、超音波モータ、圧電体等のアクチュエータを配置し、移動枠を固定枠に対して、所定の面内方向に移動自在に保持している。移動枠には撮像素子が配置され、撮像素子は、移動枠とともに変位される。固定枠には投光器が配置され、撮像素子の受光面に向けて複数のスポット光が投射される。撮像素子は、複数のスポット光の輝度に応じて、受光した画素ごとに電気信号を出力し、各スポット光の撮像素子上の最大輝度位置を算出する。複数のスポット光の最大輝度位置を算出することで撮像素子の位置が撮像素子の受光面に垂直な軸まわりの回転も含めて求まる。
以上のように、本発明によると、XY平面内の撮像素子の位置を、撮像素子自体を検出器として利用することによって検出可能となる。このように、撮像素子自体の位置が直接検出されることにより、撮像素子の位置を極めて精度良く検出することができ、位置検出装置としては、投光器のみが追加の部材となるため、機構は小型で、安価で簡単なものとなる。カメラ等の精密な駆動が必要で小型な機器では、その効果は大きい。
図1は、本発明の実施の形態の位置検出装置を適用した駆動装置を搭載したカメラシステムの主に電気的なシステム構成を概略的に示すブロック図である。 図2は、位置検出装置を搭載した駆動装置を簡略化して示す駆動装置の概略正面図である。 図3は、図2の駆動装置の要部縦断側面図(AA断面図)である。 図4(a)は、図2の位置検出装置の要部縦断側面図(AA断面図)であり、図4(b)は、図2の位置検出装置の要部正面図である。 図5は、図2の位置検出装置の要部部分横断上面図(BB断面図)である。 図6は、図2の撮像素子の要部構造を示す要部正面図である。 図7は、ボイスコイルモータ(VCM)部の要部構造を示す部分正面図である。 図8は、ボイスコイルモータ(VCM)部の要部構造を示す部分縦断側面図(EE’断面図)である。 図9は、本発明の駆動装置を適用した場合のカメラの基本動作を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の駆動装置の中立位置動作を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の駆動装置のブレ補正動作を説明するフローチャートである。 図12(a)は、本発明の第1の変形例を示す位置検出装置の、図4(a)に対応する要部縦断側面図であり、図12(b)は、図12(a)の位置検出装置の、図4(b)に対応する要部正面図である。 図13は、本発明の第2の変形例を示す位置検出装置の、図4(a)に対応する要部縦断側面図である。 図14は、図13の位置検出装置の、図5に対応する要部部分横断上面図である。 図15は、本発明の位置検出装置の位置検出を説明する撮像素子の概略部分正面図及び、(1)X方向位置と輝度値グラフ、(2)X方向位置と輝度値微分グラフ、(3)Y方向位置と輝度値グラフ、(4)Y方向位置と輝度微分グラフである。
以下、本発明に係る駆動装置および画像機器の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の画像機器は、光電変換によって画像信号を得る撮像素子を含む撮像ユニットの手ブレ補正を行うための駆動装置を搭載したものであり、ここでは、一例としてレンズ交換可能な一眼式電子カメラ(デジタルカメラ)への適用例として説明する。なお、本発明は、この実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
(第1の実施形態)
本実施形態のカメラシステム10は、図1に示すように、撮影レンズであるレンズユニット200とボディユニット100とを有する。
本実施形態では、図1に示すように、カメラシステム10は、被写体の光学像を結像するための撮影レンズであるレンズユニット200と、例えば電荷結合素子(CCD)やCMOSセンサ等の撮像素子を具備してなる撮像部117と、を有する。
以下の説明において、ボディユニット100から被写体に向かう方向を前方と称し、その反対を後方と称する。また、レンズユニット200が構成する光学系の光軸O1と一致する軸をZ軸とし、Z軸に直交する平面上において互いに直交する2つの軸をX軸(水平方向の軸)及びY軸(垂直方向の軸)とする。
まず、このカメラシステム10の詳細な構成について説明する。
図1に示すように、カメラシステム10は、被写体の光学像を結像するための撮影レンズ202を備えている。撮影レンズ202の結像位置には、例えば電荷結合素子(CCD)やCMOSセンサ等の撮像素子を有する撮像部117が配置されている。また、カメラシステム10は、撮像部117を有するボディユニット100と、該ボディユニット100に対して着脱可能に設けられたレンズユニット200と、を有する。レンズユニット200は、撮像レンズ202を有する。
本実施形態では、レンズユニット200の動作は、レンズユニット200に配設されたレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Lμcom”と称する)201によって制御される。また、ボディユニット100の動作は、ボディユニット100に配設されたボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Bμcom”と称する)101によって制御される。
ボディユニット100にレンズユニット200を装着した状態において、Bμcom101とLμcom201は、通信コネクタ102を介して互いに通信可能に電気的に接続される。そして、Lμcom201は、Bμcom101に従属的に協働しながら稼動する。また、各ユニットに必要な電力は、通信コネクタ102を通してボディユニット100に設置された電源回路135から供給される。
撮像レンズ202は、レンズユニット200内に保持されている。レンズユニット200は、ボディユニット100の前側(被写体側)に設けられた不図示のボディマウントとレンズユニット200の後ろ側(撮像子側)に設けられた不図示のレンズマウントを介して着脱自在である。この着脱機構はいわゆるバヨネット形式であり、この構成により、カメラシステム10は、レンズユニット200を様々に交換して装着し、撮影することができる。ここで図1に示されるレンズユニット200は、変倍レンズ202bをレンズ駆動機構204内に設けられた図示しないステッピングモータ等のアクチュエータによって光軸方向へ変位することにより、焦点距離を変更することが可能なズームレンズである。
また、レンズユニット200には、絞り203が配設されている。絞り203は、絞り駆動機構205内に設けられた図示しないステッピングモータ等のアクチュエータによって駆動される。撮影レンズ202の合焦距離、焦点距離、及び絞り値等のレンズユニット200の情報は、位置検出装置204a、204bや図示されていないエンコーダ等によって検出され、Lμcom201及び通信コネクタ102を介して、Bμcom101に入力される。
撮像部117は、後述する撮像部移動機構部159を介してボディユニット100内に移動可能に保持されている。撮像部移動機構部159は、撮像部117をXY平面に沿って移動する。本実施形態の撮像部117は、例えば、CCDやCMOS等の光電変換素子で構成されている。
なお、本実施形態では、撮像部117の前側には、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタ等の光学フィルタ118及び防塵フィルタ119が配設されている。撮像部117、光学フィルタ118、防塵フィルタ119は、撮像ユニット116として機能する。防塵フィルタ119の周縁部には、圧電素子120が取り付けられている。圧電素子120は、防塵フィルタ制御回路121の制御によって、防塵フィルタ119を、その寸法や材質によって定まる所定の周波数で振動させる。圧電素子120の振動によって、防塵フィルタ119に付着した塵埃を除去することができる。
防塵フィルタ119の前側には、一般にフォーカルプレーンシャッタと称されるシャッタ108が配設されている。また、ボディユニット100内には、シャッタ108の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッターチャージ機構112と、これら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路113と、が設けられている。なお、光学フィルタ118、防塵フィルタ119及びシャッタ108は、必要に応じて適宜に配設されるものであり、カメラシステム10はこれらを具備しない構成であってもよい。
撮像部117は、撮像部インターフェース回路122を介して、撮像部117の動作を制御する画像処理部126に電気的に接続されている。画像処理部126は、SDRAM124やFlashメモリ125等の記憶領域を使用して、撮像部117から出力され、撮像部インターフェース回路122で処理された画像信号に基づいて画像を生成する。
一方、画像処理部126は、自動露出と、オートフォーカスに関わる制御と、後述する本発明の撮像素子の位置検出に関わる制御も行なっている。自動露出は、画像処理部126で生成された画像の所定領域の輝度値を検出し、適正な露光量になるように絞り203の開口の大きさや、シャッタ108のシャッタ速度を制御するものである。また、オートフォーカスは、いわゆるコントラスト検出方式によるものである。撮影レンズ202を構成する一部のレンズを光軸方向に所定の振幅で振動(ウォブリングの動作)させて、異なる光軸上の位置での複数の画像を生成し、それらの画像の所定の領域(フォーカスエリア)におけるコントラスト値を算出して、遠距離側、近距離側のいずれに焦点位置があるのか検出している。そして、ウォブリング動作をしながら焦点のある方向にフォーカスレンズ202aを移動させつつ、画像を取り込む(撮影する)と、それらの画像から最大コントラストの状態(焦点位置)を検出することができ、その位置でフォーカスレンズ202aを停止することにより、オートフォーカスをする。この自動露出制御回路やオートフォーカス制御回路は、画像処理部126に全てを設けなくても良く、Bμcom101等の別の回路部に設けることも可能である。
また、画像処理部126は、ボディユニット100の後方に配設された液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)等の画像表示装置123に接続されており、画像表示装置123に画像を表示することができる。ここで、画像表示装置123は、ボディユニット100の内部に配置された小型の液晶表示装置や有機EL表示装置等であってもよく、接眼レンズを通してこの小型の表示装置を観察するタイプのものでも良い。画像表示装置123は、カメラシステム10による撮影画像をリアルタイムに表示する、いわゆる電子ビューファインダとしても機能する。また、本実施形態では、光学式のファインダを持たない構成となっているが、いわゆる一眼レフ形式の光学式ファインダを設けても良い。
記録メディア127は、フラッシュメモリやHDD等の記録媒体であり、ボディユニット100内に着脱可能に設けられている。記録メディア127は、カメラシステム10で撮像された画像等(動画の場合は音声も含む)のデータを記録する。撮影画像のデータは、そのままでは情報量が大きいので、圧縮して情報量を少なくしてから記録メディア127に記録される。この画像データの圧縮は、画像処理部126でなされる。また、逆に記録メディア127に記録された圧縮データを元の画像データに伸張し、画像表示装置123に表示させる場合の画像伸張処理も画像処理部126でなされる。
不揮発性メモリ128は、カメラシステム10の制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する、例えばEEPROMからなる記憶部である。不揮発性メモリ128は、Bμcom101からアクセス可能に設けられている。
Bμcom101には、カメラシステム10の動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD129と、動作表示用LED130と、カメラ操作部131と、内蔵ストロボ132及び図示しない外部ストロボを駆動するストロボ制御回路133と、が接続されている。カメラ操作部131は、例えばレリーズSW、モード変更SW、及びパワーSWなど、カメラシステム10を操作するために必要な操作釦やダイヤルを含むスイッチ群である。なお、動作表示用LCD129、動作表示用LED130、および内蔵ストロボ132は、カメラの仕様に応じ、必要な場合に搭載される。
さらに、該ボディユニット100内には、電源としての電池134と、該電池134の電圧を、当該カメラシステム10を構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路135が設けられ、また、外部電源から不図示のジャックを介して電源が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路(図示せず)も設けられている。
次に、本実施形態のカメラの手ブレ補正機能に用いられている駆動装置を含む撮像部移動機構部159について説明する。
本実施形態のカメラシステム10は、手ブレを補正するために撮像部117をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸回りの回転方向に移動させることができる撮像部移動機構部159を具備している。撮像部移動機構部159を介して撮像部117を保持していることによって、本実施形態のカメラシステム10は、撮像部117を、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸回りの回転方向に機械的に移動させることができる。
具体的には、撮像部移動機構部159は、X軸ジャイロ160、Y軸ジャイロ161、Z軸回転検出器170、X軸加速度センサ171、Y軸加速度センサ172、防振制御回路162、X軸アクチュエータ163、Y軸アクチュエータ164、移動枠166、固定枠であるフレーム167、投光器185、投光制御回路168、及びアクチュエータ駆動回路169を具備している。
つづいて、電磁方式のボイスコイルモータ(以下、単に、VCMと称する)を駆動源として用いる駆動装置300について図2から図8を参照して説明する。図2は、本実施の形態の駆動装置の構成例を示す概略正面図であり、図3は図2の駆動装置をAA線で断面をとり、側面から見た側断面図である。図4(a)は、図2の駆動装置の位置検出装置の要部をAA線で断面をとり、側面から見た側断面図である。図4(b)は、図4(a)の正面図である。図5は、図2の位置検出装置の要部をBB線で断面をとり、上面から見た上断面図である。図6は、撮像素子の概略構成を示す正面図である。図7は、VCM部の概略構成を示す正面図であり、図8は、図7のVCMをEE線で断面をとり、側面から見た側断面図である。なお、駆動装置300は、本実施の形態の位置検出装置を搭載している。
固定枠であるフレーム167は、ボディユニット100に固定されている。移動枠166であり撮像部117を保持するホルダ145(保持部)は、フレーム167によって、X軸方向、Y軸方向、Z軸回りの回転方向に移動可能に支持されている。ホルダ145とフレーム167の間には、3つのボール314(314a、314b、314c)が設けられている。3つのボール314a、314b、314cは、それぞれ、ホルダ145側の矩形の凹部315(315a、315b、315c)内に収容されて脱落が防止されている。
また、ホルダ145とフレーム167の間には、3本の引張コイルバネである押えバネ313(313a、313b、313c)が架け渡されている。3本の押えバネ313a、313b、313cは、それぞれ、ホルダ145及びフレーム167の外周部に設けられた3つの突起に引っ掛けられる。これら3本の押えバネ313a、313b、313cは、ホルダ145とフレーム167の間にボール314a、314b、314c挟み込んで押圧する。
この構成により、3つのボール314a、314b、314cがホルダ145の凹部315a、315b、315cの底面(摺動面)に接触する3点を含む平面に沿って、ホルダ145が自由に動くことが可能となる。この時、Z軸方向のホルダ145の位置は3つのボール314a、314b、314cが、ホルダ145と接触する3点で形成される平面位置となり、この平面はXY平面に平行である。従って、以下に述べるVCMが動作していない場合は、この状態では例えば重力などの外力が加わると、ホルダ145は、フレーム167に対してXY面内方向に自由に動き、撮像素子136の位置は決まっていない。
そこで、カメラシステム10を用いて撮影をする場合は、撮像素子136の中心を撮影レンズ202の光軸O1に合わせ、撮像素子136をカメラの水平に合わせる動作が必要であり、その位置(この位置を中立位置と称する)を基準としてその後の動作がなされる。このため、この中立位置にホルダ145を精度よく位置合わせすることが重要となる。このように、撮像素子136を中立位置に駆動する動作は、超音波モータや圧電体などの他のアクチュエータを用いた場合でも、勿論必要となる。
ここで、最初にホルダ145をXY面内方向に駆動するアクチュエータであるVCMについて、図7および図8を参照して説明する。図7は、基本的なVCMの正面図であり、図8は、図7のEE側断面図を示す。ここで説明するVCMの各部材に付与した参照符号は、上述した実施形態のものとは異なる。
絶縁被服された導電性の細線をトラック形状に巻いたコイル1は、移動枠4に接着等で固定されている。板状の磁石2は、図示下側がN極、上側がS極となるようにY方向に着磁され、固定枠5に接着等で固定されている。また、磁性材で形成された板状のヨーク3が、磁石2に対向する配置でコイル1のZ方向前側に配置され、固定枠5が鉄等の磁性材料で形成されることにより、磁石2あるいはコイル1に電流が流れた時の磁力線が外部に漏れないように磁気回路を形成している。
このVCMのコイル1に電流を流すと、コイル1の2つの直線部は磁石2の磁力線に対して電流が直交し、磁力線の方向と電流の方向はコイル1の2つの直線部では逆方向となっているので、磁力線及び電流と直交する同じ方向に力が働き、移動枠4がこの方向に駆動される。電流の向きを逆転させると、移動枠4は逆方向に駆動される。また、コイル1に流れる電流の大きさにより発生する力を変えることができる。
次に、図2乃至図6を参照して、駆動装置300の動作を説明する。
駆動装置300は、図7および図8を用いて説明したVCMと同様なVCM−XA320a、VCM−XB320b、およびVCM−Y321を有する。これら3つのVCM320a、320b、321は、図2に示した様にレイアウトされている。VCM−XA320a、VCM−XB320bは、X方向の駆動力を発生するX軸アクチュエータ163として機能し、VCM−Y321は、Y方向の駆動力を発生するY軸アクチュエータ164として機能する。また、Z軸回りの回転方向にホルダ145を駆動する場合は、VCM−XA320a、VCM−XB320bに異なる駆動力(場合によっては反対方向の駆動力)を与える。
ホルダ145に搭載された撮像素子136の位置を検出するための装置構成は、位置検出装置180と、投光制御回路168と、撮像部インターフェース回路122と、画像処理部126と、を含む。位置検出装置180は、ボディユニット100に固設された投光器185と、撮像素子136に設けられた位置検出エリア136bと、を含む。投光器185は、位置検出エリア136bに含まれる複数の画素上にスポット光を投光する。
投光制御回路168は、投光器185による投光動作を制御する。撮像部インターフェース回路122は、位置検出エリア136bの複数の画素から出力される電気信号を処理して画像処理部126に画像信号として出力する。画像処理部126は、撮像部インターフェース回路122から出力される画像信号を処理して、撮像素子136の位置信号に変換する。
上記装置構成による撮像素子136の位置検出は、1フレームの画像を取得する直前に行われる。この際、検出した撮像素子136の位置と予め決められた所定の指示位置との間のズレ量がBμcom101により演算され、防振制御回路162に出力される。防振制御回路162は、このズレ量を補正するように、VCM-XA320a、VCM-XB320b、VCM-Y321を駆動し、撮像素子136が所定の指示位置に配置されるように制御している。
以下、本実施形態の位置検出装置180の詳細な構成について、図2乃至図6を参照して説明する。
位置検出装置180の投光器185は、発光体182aa、182ab(図5)が組み込まれた光源182と、光源182に投光制御回路168からの電気信号を伝えるフレキシブルプリント基板184と、光源182を固定枠の一部であるヨーク305に位置決め固定する台181と、導光部183と、を有する。導光部183は、LED素子やレーザー素子からなる発光体182aa、182abからの光線を各々囲うホルダ183cと、所定の方向に光線を投射するために穴183aa、183abを開けた絞り板183aと、を有する。
発光体182aa、182abと対応する穴183aa、183abは、図2および図5に示すように、X軸方向に並べて配置している。この構造の投光器185で、発光体182aa、182abが発光すると、図4(a)および図4(b)に示すように、撮像素子136上に投光スポットA、Bが投光され、後述するように2つの投光スポットの中心位置が算出され、2つの投光中心位置を基準に、撮像素子136の位置をZ軸周りの回転も含めて検出することができる。
台181とヨーク305の位置決めは、ヨーク305に形成された2つの突起305aに台181に形成されたY方向に延びる長穴181bが嵌合することでなされる。突起305aおよび長穴181bは1組でもよい。各突起305aが長穴181bに沿ってY方向へ移動可能であるため、台181のY方向へ位置調整が可能になっている。一方、台181をヨーク305に締結固定するためのネジが貫通するネジ長穴181aも同様にY方向に延びる長穴となっている。ネジおよび対応する長穴181aも2組あってもよい。この構成により、撮像素子136の位置検出エリア136bに対してY方向で投光スポット位置を精密に調整することが可能となり、位置検出エリア136bのY方向の幅を最少にすることができ、撮像素子136の位置検出エリア136bのY方向に沿った幅を小さくできる。
投光器185の各発光体182aa、182abから射出された光は、それぞれ対応する穴183aa、183abを通して、撮像素子136の位置検出エリア136b内に投射される。この時の撮像素子136上の投光スポット径Dsは、図4(a)に示すように、発光体182aa、182abの径d、発光体182aa、182abとそれぞれ対応する穴183aa、183abとの間の間隔L1、穴183aa、183abと夫々の投光スポットとの間の間隔L2とすると、Ds=d×L2/L1となる。つまり、L1とL2の間隔を調整することで、スポット径Dsを調整することができる。
図6に示すように、撮像素子136は、レンズユニット200を介してボディユニット100に入射する全ての光を受光する受光エリア136aをカバーする形状を有する。言い換えると、受光エリア136a内には、被写体からの光線が入射する撮像エリア136cの他に、撮像素子136のXY平面に沿った位置を検出するための位置検出用のエリア136b(位置検出エリア136b)が設けられている。この位置検出エリア136bは、撮像エリア136cの1辺に隣接して設けられている。なお、この位置検出エリア136bは、例えば、図2に示すように、撮像エリア136c内に設けることもできる。
本実施形態の投光器185は、投光光線の光路上にレンズ等の光学素子を配置していないが、それらを配置することでもスポット径Dsやスポット位置を調整することができる。スポット径Dsは、撮像素子136を構成する画素よりも小さくしてもよいが、その場合は、位置変化しても1つの画素でしか受光することが出来ない状態が発生し、位置検出精度は、画素間隔以上となってしまう。
そこで、スポット径Dsは、X方向に沿った2画素分の幅、およびY方向に沿った2画素分の幅の合計4つの画素に内接するスポット径以上にすることが好ましい。これにより、後述するように、X方向、Y方向ともにスポット光が2画素以上で受光され、各画素の受光輝度情報から、画素間隔以下の精密なスポット光位置を検出することが可能になる。
次に、上記のような駆動装置300を備えた撮像部移動機構部159の動作について説明する。
X軸ジャイロ160は、カメラシステム10のX軸回りの回動(ブレ)の角速度を検出し、Y軸ジャイロ161は、カメラシステム10のY軸周りの回動の角速度を検出し、Z軸回転検出器170は、カメラシステム10のXY平面内の回動の角速度と回転中心位置を検出する。X軸加速度センサ171はカメラシステム10のX軸方向の加速度を検出し、Y軸加速度センサ172はカメラシステム10のY軸方向の加速度を検出し、それぞれカメラシステム10のX方向及びY方向の動きを検出している。防振制御回路162は、検出されたカメラシステム10の角速度、加速度および回転中心位置から、手ブレ補償量(駆動指示値)を演算し、撮像部117を、ブレを補償するように駆動装置300により移動させる。なお、撮像部移動機構部159において、撮像部117を移動させるアクチュエータの構成は、本実施形態ではVCMを用いているが、回転モータ、リニアモータ、超音波モータ等、特に限定されるものではない。
以上のような構成を有する撮像部移動機構部159は、カメラシステム10の動きに応じて撮像部117を移動させることによって、カメラシステム10の動きに起因する撮像部117での被写体像のブレを抑制する機能、いわゆる撮像素子シフト方式の手振れ補正機能を有する。
次に、図9に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラ10の動作について説明する。電源ボタンが操作され、電源ONとなると、Bμcom101は、図9に示すメインフローの動作を開始する。
動作を開始すると、まず、Bμcom101は、システム起動時の初期化を行ない、この中で、記録中フラグをOFFに初期化する(ステップS1)。この記録中フラグは、動画の記録中であるか否かを示すフラグであり、ONの場合は動画を記録中であることを示し、OFFであれば動画の記録を行なっていないことを示す。
システム起動時の初期化が終了すると、次に、Bμcom101は、ボディユニット100に接続されているレンズユニット100等のアクセサリの検出を行ない(ステップS2)、再生ボタン等の操作スイッチの検出を行なう(ステップS3)。
次にVCMにより撮像部117を光軸中心位置である中立位置に駆動して保持する(ステップ4)。この時、撮像素子136の水平とボディユニット100の水平は一致するように位置制御される。続いてブレ補正のモードのスイッチがON状態になっているかを判定し(ステップS5)、ブレ補正モードであれば、ブレ補正動作を開始する(ステップ6)。
ステップ5でブレ補正モードでなかった場合(ステップS5;NO)は、撮像部117を中立位置状態に保ったまま、通常の撮影のためのシーケンスに移行する。このシーケンスでは、まず、ライブビュー表示をする(ステップS7)。ここでは、撮像部117によって画像信号を取得し、ライブビュー表示用に画像処理を行い、画像表示装置123にライブビュー表示を行なう。次に、再生ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS8)。この判定の結果、再生ボタンが押された場合には、再生を行なう(ステップS9)。ここでは、記録メディア127から画像データを読み出し、画像表示装置123に表示させる。
上記ステップS9において再生を実行した後、または上記ステップS8において再生ボタンが押されていなかった場合には、次に、動画ボタンが押されたか否かの判定を行なう(ステップS10)。このステップでは、カメラ操作部131において、動画ボタンの操作状態を検知し、この検知結果に基づいて判定する。この判定の結果、動画ボタンが押された場合には、上記記録中フラグの反転を行なう(ステップS11)。前述したように、動画ボタンは押されるたびに、動画撮影開始と終了を交互に繰り返すので、このステップでは、記録中フラグがOFFであった場合にはONに、また、ONであった場合にはOFFに、記録中フラグを反転させる。
上記ステップS11において記録中フラグを反転させた後、または上記ステップS10における判定の結果、動画ボタンが押されていなかった場合には、次に、動画記録中か否かの判定を行なう(ステップS12)。記録フラグがONであれば動画記録中であることから、ここでは、記録フラグがONであるか否かに基づいて判定する。
上記ステップS12における判定の結果、動画記録中でなかった場合には、次に、ファーストレリーズが押されたか否か、言いかえると、ファーストレリーズスイッチがOFFからONとなったか否かの判定を行なう(ステップS18)。この判定は、レリーズボタンに連動するファーストレリーズスイッチの状態をカメラ操作部131によって検知し、この検知結果に基づいて行なう。なお、このステップでは、ファーストレリーズスイッチがOFFからONに変化したかを判定し、ON状態が維持されている場合には、判定結果はNOになる。
上記ステップS18における判定の結果、ファーストレリーズが押された場合には、ファーストレリーズが押された時点の画像撮影を行ない、AEを行なう(ステップS19)。ここでの画像撮影は、撮像部117によって画像信号を取得し、画像処理を行い、AEに使われる画像データを取得するもので、画像データを記録メディア127に記録することはない。
このAEでは、画像処理部126によって、画像データから被写体輝度を測定し、絞り値やシャッタ速度等の露出制御値を決め、また、画像表示装置123に表示するライブビュー表示を適正露光で行なうための制御値を決める。
こうしてAEを行なうと、次に、AFを行なう(ステップS20)。ここでは、フォーカスレンズ202aをウォブリングさせて、画像処理部126によって、撮像部117によって取得された画像データのコントラストを評価して焦点位置の方向を検出しながら、Lμcom201によりフォーカスレンズ202aを検出方向に移動させ、画像が最高のコントラストになるようにフォーカスレンズ202aが駆動制御される。
また、上記ステップS18における判定の結果、レリーズボタンが押されずにファーストレリーズスイッチがOFFからONに遷移しなかった場合には、次に、セカンドレリーズが押されたか否か、言いかえると、レリーズボタンが全押しされ、セカンドレリーズスイッチがOFFからONになったか否かの判定を行なう(ステップS21)。このステップでは、レリーズボタンに連動するセカンドレリーズスイッチの状態をカメラ操作部131によって検知し、この検知結果に基づいて判定を行なう。
上記ステップS21における判定の結果、セカンドレリーズが押された場合には、静止画撮影を行なう(ステップS22)。ここでは、撮像部117において露光を行い、被写体像に応じた画像信号を取得して、SDRAM124に一時的に記憶する。こうして静止画撮影を行なうと、次に、画像処理部126により、SDRAM124から画像信号を読み出し、この画像信号に基づく静止画の画像データについて画像処理をし(ステップS23)、さらに、画像圧縮処理を行なった後、記録メディア127に記録する(ステップS24)。
また、上記ステップS12における判定の結果、動画記録中であった場合には、次に、上記ステップS19と同様にAE動作を行なう(ステップS13)。続いて、同様にAF動作を行い(ステップS14)、その後、動画撮影を行なう(ステップS15)。ここでは、撮像部117によって動画の画像信号を取得し、この画像データについて画像処理部126で画像処理を行い(ステップS16)、動画の画像圧縮を行なった後、動画の画像データを記録メディア127に記録する(ステップS17)。
そして、上記ステップS20でAF動作が終了した場合、また、上記ステップS21における判定の結果、レリーズボタンの全押しがなされていなかった場合、あるいは、上記ステップS24で静止画の画像データの記録メディア127への記録が終了した場合、または上記ステップS17で動画の画像データの記録メディア127への記録が終了した場合は、カメラ操作部131の電源スイッチがOFFされているか否かが判定される(ステップS25)。この判定の結果、電源がOFFでなかった場合には、上記ステップS8に戻る。一方、判定の結果、電源がOFFであった場合には、メインのフローの終了動作を行なった後に、メインフローを終了する。
図10は、図9のフローチャートにおける中立位置動作(ステップS4)を説明するためのフローチャートである。
動作に先立ち、ステップS31で、Bμcom101には、中立位置である目標位置P0と、目標位置P0からの許容される位置誤差量である基準値Δ0が、不揮発性メモリ128に事前に記憶されている。本実施形態の場合、目標位置P0は、投光スポットAの撮像素子上の位置Pa0(Xa0、Ya0)と、投光スポットBの撮像素子上の位置Pb0(Xb0、Yb0)の2点のX座標値、Y座標値として記録されている。また、基準値Δ0は、基準位置P0の各投光スポット位置Pa0、Pb0からのズレ許容値として記録されている。
次にBμcom101の指示信号により、投光制御回路168が動作し、投光器185の発光体182a、182bを発光させる。これにより、撮像素子136の位置検出エリア136b上に投光スポットA、Bが形成される(ステップS32)。各投光スポットは、撮像素子136の画素136aごとに、各画素が受光した光の輝度と対応した電気信号として検出され(ステップS33)、撮像素子136からインターフェース回路122に入力され、インターフェース回路122から輝度値として画像処理回部126に入力される。
画像処理部126では、画素位置に対応した輝度値から、最大輝度位置Pa、Pbを夫々演算する(ステップS34)。次に、画像処理部126において、目標位置Pa0、Pb0と最大輝度位置Pa、Pb夫々との間の距離Δa、Δbを演算する(ステップS35)。
ステップS36では、撮像部117の位置が中立位置の許容範囲内にあるかを判定するため、距離Δa、Δbが基準値Δ0と夫々比較され(ステップS36)、基準値Δ0以下であれば(ステップS36;YES)、一連の動作を終了して、図9のステップS5の動作に戻る。
一方、距離Δa、Δbの少なくとも一方が、基準値Δ0よりも大きかった場合は、距離Δa、Δbが0となるようにX軸アクチュエータ163、Y軸アクチュエータ164を駆動し(ステップS37)、ステップS33に戻り、撮像素子136の位置が許容レベルにあるかを再度判定する。再度、ステップS36で、NOの判定となった場合は、動作を終了し、動作異常の警告の表示をする。なお、繰り返しの回数は、1回で無くとも良く、0回でも良いし、2回以上に設定しても良い。
図11は、ブレ補正動作を説明するためのフローチャートである。
ブレ補正動作では、まず、ステップ101に示すように、防振制御回路162は、X軸ジャイロ160、Y軸ジャイロ161、Z軸回転検出器170、X軸加速度センサ171、Y軸加速度センサ172の出力に基づいて、カメラシステム10のブレ量を検出する。一方、撮像素子136の位置は、中立位置動作と同じ方法により検出される(ステップ102)。
次に、ブレ量と撮像素子136の位置から、ブレを補正するために移動させないといけない撮像素子136の位置及び速度補正量を演算する(ステップS103)。ここで、ブレ量の直接検出量は、位置や速度や加速度であるが、夫々の量の間での変換は、微分や積分をすれば可能であり、必要に応じて微分、積分をして変換した数値を演算には用いる。
次に、防振制御回路162は、ステップS103で得られた補正量に従って、アクチュエータ駆動回路169を制御して、X軸アクチュエータ163、Y軸アクチュエータ164を駆動制御する(ステップ104)。ブレ補正動作の停止指示がなければ、ステップ101からステップ104が繰り返され、ブレ補正動作は継続されたまま(ステップS105)、図9のステップS7に進んで次のカメラ動作がなされる。
以上のように、本実施形態によると、ボディーユニット100に対して固定的に取り付けたヨーク305に固設した投光器185から、ホルダ145に設けた移動側の撮像素子136の位置検出エリア136bにスポット光を投光し、ボディーユニット100に対する撮像素子136の相対位置を直接検出するようにしたため、位置検出精度を高めることができる。
また、本実施形態によると、図6に示すように、撮像エリア136cのX方向に沿った1辺に隣接して位置検出エリア136bを設け、且つ投光器185をY方向に沿って位置調整可能に固設したため、位置検出エリア136bのY方向に沿った幅を狭くできる。これにより、検出用に追加する領域に面積を最小限にでき、装置の製造コストを抑えることができる。
(第1の変形例)
図12(a)は、第1の変形例に係る位置検出装置180の要部を示している。また、図12(b)は、図12(a)の構造をZ方向から見た正面図である。図12(a)は、第1の実施形態の図4(a)に対応した図であり、同じく図12(b)は図4(b)に対応した図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明する。
図12(a)および図12(b)に示すように、第1の変形例の光源182は、Y方向に一列に並んだ複数(本変形例では5つ)の発光体182aa、182ba、182ca、182da、182eaを有する。中央の発光体182caが図4(a)の発光体182aaと同じ位置に配置されている。
また、ここでは図示を省略したが、本変形例の光源182は、上述した複数の発光体に対してX方向にそれぞれ並んだ複数の発光体182ab、182bb、182cb、182db、182ebaを有する。つまり、本変形例の光源182は、10個の発光体を5個ずつ2列に並べた構造を有する。
発光体のレイアウトをこのように構成すると、撮像素子136上の投光スポット位置を所定の間隔でY方向に並べることができる。このような構成にすると、撮像素子136上の位置検出エリア136bのY方向の幅が狭くても、発光させる発光体のペアを順次切り替えることで、撮像素子136のY方向変位の検出範囲を実際の位置検出エリア136bの幅より広くすることができる。
この場合、常に、Y方向に並んだ2組の発光体ペア(つまり隣接する4つの発光体)が位置検出エリア136bの中に同時に入るようにし、Y方向に並んだ2組の発光体ペアの投光スポットの内、1つのペアは必ず位置検出エリア136bの中に存在するようにする。これにより、投光スポットのペアの切り替えを確実にできる。
本変形例では、位置検出エリア136bのY方向の幅を8画素分の幅として割り当てることで、撮像素子136のY方向の変位を20画素分検出することができるようになっている。つまり、本変形例によると、位置検出エリア136bに必要とされるY方向の幅を小さくでき、その分、装置構成を小型化でき、製造コストを抑えることができる。
なお、第1の変形例では、1つの穴183baに対して複数の発光体をY方向に並べて配置することで、撮像素子136上の投光スポット位置をY方向に離間させているが、X方向のペアの発光体についても、対応する穴に対する発光体の位置をX方向にずらすことで、X方向の投光スポット位置を変位させることが可能である。
また、上述した第1の実施形態および第1の変形例では、絞り板の穴は円形であったが、多角形や楕円、スリット形状にしても勿論良い。穴の形状を変えると、形状に応じて撮像素子136上の投光スポットの形状も変化する。例えば、穴をX方向に延びるスリット形状にすると、穴は複数設けなくても、投光スポットがX方向に延びる線状になるため、撮像素子136の水平の傾きが検出可能になる。
(第2の変形例)
図13は、第2の変形例に係る位置検出装置180の要部を示している。図14は、図13の構成をY方向から見た平面図である。図13は、第1の実施形態の図4(a)に対応した図であり、同じく図14は、第1の実施形態の図5に対応した図である。以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明する。
第1の実施形態と異なる第1の点は、発光体182aが1つであることである。このため、本変形例では、X方向に並んだペアの投光スポットを作るため、絞り板183aにX方向に離間して並んだ2つの穴183ba、183bbを形成した。これにより、1つの発光体182aから出射された投光光線は、夫々の穴183ba、183bbを通って、2つの投光スポットを撮像素子136上に形成する。
本変形例のように、2つの穴183ba、183bbを形成すれば、2つの投光スポットの形成に発光体は1つで済み、構成が簡単になる。また、穴の位置を変えることで、投光スポットの撮像素子136上での位置を変えることができる。さらに、穴の形状、個数は任意に設定可能で、個数を増やすと位置検出精度を上げることが出来る。
第1の実施形態と異なる第2の点は、発光体182aからの投光光線を第1反射面183dと第2反射面183eにより折り曲げて、発光体182aから穴183baまでの光路の長さを長くしている所である。先に発光体182aと穴183baとの間の距離と、穴183baと撮像素子136との間の距離により、投光スポットの大きさが決まることを説明した。ところが、第1の実施形態では、発光体と撮像素子の間隔を調節する場合、間隔を短くしようとしても撮像素子の前にある光学素子のため充分な調整量がとれず、また、間隔を長くしようとすると、単純に装置が大きくなってしまっていた。
このため、本変形例では、投光光線をZ方向から一旦Y方向に折り曲げることにより、Y方向のスペースを使って、発光体182aと穴183bとの間の間隔を調整可能にした。このように複数の反射面を有する導光部183を設けると、少なくともZ方向のスペースを変えずに、発光体182aと穴183bとの間の間隔を大きな調整量でもって変えることができる。
なお、第2の変形例では、第1反射面183dおよび第2反射面183eは、それぞれ光軸に対して45°傾斜した平面としたが、傾斜角度を変えたり、平面で無く、円筒面や球面、3次元自由曲面など、必要に応じて変えることが可能である。また、導光部183の反射面間の空間を光学部材で形成しても良く、本変形例では、断面平行四辺形の光透過性の樹脂あるいはガラスのプリズムを反射面の間の空間に配置し、全反射を利用して投光光線の折り曲げをするようにした。
また、第1の実施形態、第1の変形例、第2の変形例では、投光スポットを形成するのに絞りのみを用いていたが、レンズ、曲面反射面、回折格子等の光線を集光したり曲げたりする別の光学素子を投光光線の光路中に配置しても良い。
(スポット位置の検出方法)
図15は、投光スポットの位置を検出する方法を説明するための概念図である。ここでは、投光スポットの明るさに応じて撮像素子136の各画素から出力される輝度値Vを用いて投光スポット位置を検出する例を説明する。
投光スポットが円形でスポット内の明るさが均一であると仮定すると、スポット光を受光した各画素から出力される輝度値Vは、各画素にかかる投光スポットの面積に比例する。図15では、X方向に5列(A列、B列、C列、D列、E列)、Y方向に5列(a列、b列、c列、d列、e列)の、5×5=25画素の撮像素子136の領域を例示している。
この場合、X方向の輝度値Vの分布は、A〜E列にそれぞれ属する各5画素の輝度値を積算したものとなり、図15に(1)として示すX方向輝度値分布曲線が得られる。一方、同様に、Y方向の輝度値Vの分布は、a〜e列にそれぞれ属する各5画素の輝度値を積算したものとなり、図15に(3)として示すY方向輝度値分布曲線が得られる。
投光スポットの位置を投光スポットの最大輝度の位置とした場合、X方向輝度値分布曲線をXの座標Xで微分したdV/dXが0となる座標位置がこのX方向輝度値分布曲線のX方向のピークとなり、Y方向輝度値分布曲線をYの座標Yで微分したdV/dYが0となる座標位置がこのY方向輝度値分布曲線のY方向のピークとなり、これらピークが重なる座標を求めれば最大輝度の位置を簡単に求めることができる。
この方法で投光スポット位置を求めれば、投光スポット位置が画素と画素の間にあっても、最大輝度位置を容易に演算することができる。但し、この方法では、輝度分布曲線を精密に取得することが望ましく、投光スポットは2行×2列以上の画素をカバーする大きさであることが望ましい。当然、行の数と列の数は同じ数である必要はない。また、この方法を採用した場合、スポット形状は円形でなくてもよく、いかなるスポット形状であっても最大輝度位置を求めることができる。さらに、この方法を採用すると、スポット光の周囲にある回折光による影響も関係なくなるため、より精度の高い位置検出が可能となる。
ここに、他の発明を付記する。
[1]
光学像が形成される撮像画素領域、およびこの撮像画素領域とは別の上記光学像が形成されない検出画素領域を撮像面に沿って有する撮像素子と、
この撮像素子を保持した保持部と、
この保持部を上記撮像面に沿って移動可能に取り付けた機器本体と、
この機器本体に対して上記保持部を上記撮像面に沿って移動させる駆動装置と、
上記機器本体に固設され、上記撮像素子の上記検出画素領域に複数のスポット光を投光する投光器と、
上記検出画素領域で上記複数のスポット光を受光した上記撮像素子からの出力に基づいて、上記投光部と当該撮像素子の相対位置を算出し、この算出結果に基づいて上記駆動装置を制御して、上記保持部を所定位置へ移動させる制御部と、
を具備したこと特徴とする画像機器。
10・・・カメラシステム、
100・・・カメラボディ、
101・・・ボディ制御用マイクロコンピュータ、
117・・・撮像部、
126・・・画像処理部、
128・・・不揮発性メモリ、
135・・・電源回路、
159・・・撮像部移動機構部、
180・・・位置検出装置
181・・・台、
182・・・光源A、
183・・・導光部、
184・・・フレキ、
185・・・投光器、
192・・・光源B、
200・・・レンズユニット、
201・・・レンズ制御用マイクロコンピュータ、
202・・・撮影レンズ、
4、145、166・・・移動枠(ホルダ)、
5、167・・・固定枠(フレーム)、
313a、313b、313c・・・バネ(押えバネ)、
314a、314b、314c・・・ボール、
320a、320b・・・VCM―XA、VCM−XB、
321・・・VCM−Y。

Claims (10)

  1. 光学像を電気信号に変換する撮像素子を保持する保持部と、
    上記撮像素子上に光学像が形成される像面と平行な面内で、上記保持部を移動させる駆動装置と、
    上記撮像素子上において各々が複数の画素で形成される複数の所定領域に、スポット光を投光する投光部を有し、当該撮像素子の光学像が形成される画像形成面の外周領域に上記複数のスポット光を投光する投光器と、
    上記複数のスポット光を受光した上記撮像素子からの複数の出力に基づいて、上記投光部と当該撮像素子の相対位置を算出し、上記駆動装置によって上記保持部を所定位置へ移動させる制御部と、
    を具備したこと特徴とする画像機器。
  2. 上記撮像素子上の複数の画素に投射される複数のスポット光は、少なくとも4画素以上に入射する大きさを持つことを特徴とする請求項1記載の画像機器。
  3. 上記制御部は、投光スポットの領域のX方向輝度値分布曲線及びY方向輝度値分布曲線を算出し、これらから最大輝度のX座標位置及びY座標位置を求めることを特徴とする請求項2記載の画像機器。
  4. 上記投光部は、1つの発光体と、上記1つの発光体の前方に設けられた複数の開口絞りと、を有することを特徴とする請求項1記載の画像機器。
  5. 上記複数の開口絞りは、上記光学像が形成される上記撮像素子の領域の外周に沿って配置されていることを特徴とする請求項4記載の画像機器。
  6. 上記投光部は、複数の発光体と、上記複数の発光体の前方に設けられた1つの開口絞りと、を有し、
    上記制御部は、上記複数の発光体の発光を切り替えることにより、上記撮像素子上のスポット光の位置を切り替えることを特徴とする請求項1記載の画像機器。
  7. 上記制御部は、上記複数の発光体の発光順位を切り替えることにより、上記撮像素子上のスポット光の位置を切り替えることを特徴とする請求項6記載の画像機器。
  8. 上記制御部は、2つの投光スポットが投光された際に、当該2つの投光スポットの中心位置を算出し、当該投光中心位置を基準に、上記保持部に保持された撮像素子の回転位置を検出することを特徴とする請求項1記載の画像機器。
  9. 上記投光部は、上記2つの投光スポットが上記保持部に保持された撮像素子の回転軌跡上となるように配置されていることを特徴とする請求項8記載の画像機器。
  10. ブレ量を検出するブレ量検出手段を更に有し、
    上記駆動装置は、検出されたブレ量に基づいてブレを補正する際にも駆動され、
    上記制御部は、撮影の1フレーム毎に上記中立位置動作及び上記ブレ補正動作を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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