JP2015117771A - 樹脂と金属のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール機能の信頼性向上を図る。【解決手段】レーザースキャニングにより互いに独立した複数本の溝4A〜4Eからなるシール機能部6が形成されたカバー2(金属部材)と、複数本の溝4A〜4Eを埋めるようにカバー2に密着する樹脂部材38とを備え、複数本の溝4A〜4Eは、全周に亘って連続する周状をなしているとともに、略同心状に配されており、複数本の溝4A〜4Eには、夫々、その溝4A〜4Eを個別に1周するレーザースキャニングの開始点と終点が重なるラップ部5A〜5Eが1つずつ設定されている樹脂と金属のシール構造であって、径方向に隣り合う溝4A〜4Eのラップ部5A〜5E同士は、周方向において互いに異なる位置に配置されている。【選択図】図6

Description

本発明は、樹脂と金属のシール構造に関するものである。
従来から、例えば電解液を容器内部に有する電池などにおいて、液体及び気体の漏れもしくは浸水が発生しないよう、容器の貫通孔(電池の場合は電極端子の突出口)にシール構造を付すことが一般的である。特に近年はガスケットを用いないで樹脂(シール材)と金属(容器や内部部材)とを接合するシール構造が開発され、特許文献1に開示されるように、レーザースキャニングを用いて金属表面に溝を形成し、そこに樹脂を流しこむことで、樹脂と金属のシール構造を構成する技術が知られている。
特開2010‐167475号公報
溝内に樹脂を流し込んだシール構造の場合、溝内において樹脂との間に隙間が生じると、この溝の長さ方向に沿った隙間が、液体及び気体の漏出経路又は浸入経路となり得る。特許文献1では、互いに交差する方向にスキャニングすることによって溝を形成するようになっているため、一部の溝が貫通孔に連通し、この貫通孔に連通した溝が、液体及び気体の漏出経路又は浸入経路となる。
この対策としては、図11に示すように、互いに独立した形態であって貫通孔100を全周に亘って連続して包囲する複数の溝101を、同心状に形成することが考えられる。この場合、各溝101には、レーザースキャニングの開始点と終点とが重なり合うラップ部102を設定することになるのであるが、ラップ部102では、金属が2度のレーザー照射を受けるため、過剰入熱によってラップ部102以外の領域よりも溝幅や深さが拡大する可能性がある。そのため、図11に示すように、径方向に隣り合う溝101のラップ部102同士を、径方向に沿って同一直線上に並ぶように設定すると、ラップ部102の溝幅の拡大によって生じた凹部103が、径方向に隣り合う溝101と連通する虞がある。この場合、径方向に隣り合う2本の溝101が連通し、結果的に、貫通孔100から径方向に直線状に伸びる液体及び気体の漏れ経路が形成されてしまう虞がある。
尚、レーザースキャニングの開始点と終点をずらしてラップ部を設けず、溝を周上にて一部断ち切る非加工部を設定する方法は、非加工部でシール性能が期待できないため、採用できない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものにおいて、レーザースキャニングを用いた溝形成による樹脂と金属のシール構造において、防水及び気密機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
上記の目的を達成する手段として、請求項1の発明は、
レーザースキャニングにより互いに独立した複数本の溝からなるシール機能部が形成された金属部材と、
前記複数本の溝を埋めるように前記金属部材に密着する樹脂部材とを備え、
前記複数本の溝は、全周に亘って連続する周状をなしているとともに、略同心状に配されており、
前記複数本の溝には、夫々、その溝を個別に1周するレーザースキャニングの開始点と終点が重なる1つのラップ部が設定されている樹脂と金属のシール構造であって、
径方向に隣り合う前記溝の前記ラップ部同士は、周方向において互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする。
径方向に隣り合う溝のラップ部同士は、周方向において互いに異なる位置に配置されているので、レーザースキャニングによってラップ部における溝幅が広くなっても、径方向に隣り合う溝同士が連通する虞はない。したがって、防水及び気密機能の信頼性に優れている。仮に、径方向に隣り合う溝同士がラップ部において連通し、最も内周側に位置する溝と最も外周側に位置する溝とが連通して液体及び気体の漏れ経路が形成されたとしても、その液体及び気体の漏れ経路は、溝の一部である周方向経路を含むラビリンス状の長い経路となるので、高いシール性能が保たれる。
実施例1のシール構造を適用した電池の側断面図 シール機能部をあらわす平面図 シール機能部の部分拡大斜視図 電池の製造過程をあらわす側断面図 シール構造の部分拡大断面図 全てのラップ部が径方向に隣り合う溝と連通した状態における液体及び気体の漏れ経路をあらわす平面図 実施例1との比較例1であって、全てのラップ部が径方向に隣り合う溝と連通した状態における液体及び気体の漏れ経路をあらわす平面図 実施例1との比較例2であって、全てのラップ部が径方向に隣り合う溝と連通した状態における液体及び気体の漏れ経路をあらわす平面図 実施例1との比較例3であって、シール機能部を構成する溝が3本である場合において、全てのラップ部が径方向に隣り合う溝と連通した状態における液体及び気体の漏れ経路をあらわす平面図 実施例2のシール機能部をあらわす平面図 全てのラップ部が周方向において同じ位置に配置されている場合において、ラップ部の連通により径方向の液体及び気体の漏れ経路が形成された状態をあらわす平面図 参考例のシール機能部をあらわす平面図
(1)本発明の樹脂と金属のシール構造は、前記シール機能部を構成する前記複数の溝のうち、径方向における最外端の前記溝と最内端の前記溝とに形成された2つの前記ラップ部は、周方向において略同じ位置に配置され、前記最外端の溝の前記ラップ部を除いた全ての前記ラップ部は、周方向において概ね等角度間隔を空け、且つ互いに周方向の異なる位置に配置されていてもよい。この構成によれば、仮に全てのラップ部の凹部が径方向に隣り合う溝と連通したとしても、最外端の溝と最内端の溝との間の液体及び気体の漏れ経路は、周方向に沿った少なくとも1周分の経路を含むので、確実なシール性能が確保される。
(2)本発明の樹脂と金属のシール構造は、前記シール機能部を構成する前記複数の溝のうち、内側の前記溝の前記ラップ部と、前記内側の溝よりも外周側に位置する外側の前記溝の前記ラップ部とが、周方向において略同じ位置に配置されているものにおいて、前記内側の溝と前記外側の溝との間には、2本以上の前記溝が配されていてもよい。この構成によれば、内側の溝のラップ部と外側の溝のラップ部が、夫々、径方向に隣り合う溝に連通したとしても、内側の溝と外側の溝が径方向の直線経路で連通する、という事態を回避できる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について、図1〜図9を参照して説明する。本実施例1の樹脂と金属のシール構造は、上面開放の金属容器12内に電解液11を収容し、金属容器12の上面の開口部をアルミニウム製のカバー2(請求項1記載の金属部材)で気密状に塞いだ形態の二次電池1に適用し、電解液11やその気化により発生した気体の漏れを防ぐためのものである。カバー2には、略真円状の貫通孔21が形成されており、この貫通孔21には、樹脂部材38を介してアルミニウム製の電極端子3(請求項1記載の金属部材)が取り付けられている。
電極端子3は、平面視形状が略真円形であり、軸線を上下方向に向けた雄ネジ部32と、雄ネジ部32の下端に形成されたフランジ部31とを備えて構成されている。雄ネジ部32は、外径寸法が貫通孔21の内径よりも小さく、貫通孔21に同軸状に貫通されている。フランジ部31は、外径寸法が貫通孔21の内径よりも大きく、雄ネジ部32と同心の円板状をなしていて、カバー2の下方に配置されている。
樹脂部材38は、上面側シール部38Aと、下面側シール部38Bと、筒状連結部38Cとから構成されている。上面側シール部38Aは、貫通孔21と同心の円板形をなし、カバー2の上面(外面)に密着するように配されている。下面側シール部38Bは、貫通孔21及び上面側シール部38Aと同心の円板形をなし、カバー2の下面(内面)及びフランジ部31の上面とに密着するように配されている。筒状連結部38Cは、貫通孔21と同心の円筒形をなし、上面側シール部38Aの内周縁と下面側シール部38Bの内周縁とを連結している。筒状連結部38Cの内周面は、電極端子3の雄ネジ部32の外周に密着し、筒状連結部38Cの外周面は貫通孔21の内周面に密着している。
樹脂部材38の成形に際しては、図4に示すように、カバー2と電極端子3を所定の位置関係に保った状態で金型(図示省略)にセットする。そして、その金型内に溶融樹脂を注入して固化させれば、カバー2及び電極端子3と一体化された樹脂部材38が成形される。そして、図1に示すように、成形された樹脂部材38の上面側シール部38Aの上面には、電極端子3の雄ネジ部32に外嵌したワッシャ33が重ねられ、ワッシャ33の上面には、雄ネジ部32に外嵌したバスバー35が重ねられている。バスバー35の上面には、雄ネジ部32にねじ込まれたナット36が押し付けられ、電極端子3と導電路として機能するバスバー35とが導通可能に接続されている。
そして、ナット36を締め付けると、樹脂部材38がナット36とフランジ部31との間で上下に強く挟み付けられる。これにより、上面側シール部38Aがカバー2の上面に形成されたシール機能部6に強く密着してシール機能が発揮されるとともに、下面側シール部38Bがフランジ部31に形成されたシール機能部6に強く密着してシール機能が発揮される。次に、樹脂部材38と協動してシール機能を発揮するシール機能部6について、詳しく説明する。尚、カバー2とフランジ部31のシール機能部6は同一形態であるから、カバー2側のシール機能部6について説明し、フランジ部31側のシール機能部6については、説明を省略する。
シール機能部6は、樹脂部材38を密着させる前に、予め、カバー2に形成されている。図2に示すように、シール機能部6は、貫通孔21を包囲する5本の溝4から構成されている。図5に示すように、各溝4は、夫々、樹脂部材38を成形する際に形成された5条の凸部38Dで埋められている。この溝4と凸部38Dとの凹凸形状により、樹脂部材38とカバー2との間のシール性能が高められている。また、図2に示すように、5本の溝4は、夫々、平面視形状が全周に亘って切れ目なく連続した真円形であり、互いに独立している。そして、5本の溝4は、径寸法が全て異なっており、径方向に同一ピッチの間隔を空けて貫通孔21と同心状に配置されている。
各溝4は、夫々、カバー2の上面に対しレーザー光を照射するレーザースキャニング加工を施すことによって、個別に形成されている。レーザースキャニングでは、レーザー光を、一定の照射強度を保ったまま一定の角速度で真円を描きながら照射する。カバー2の上面部のうちレーザー光が照射された真円形領域は、レーザーの入射熱により昇華し、所定の幅と深さを有する溝4となる。レーザースキャニングでは、各溝4の周方向における一カ所をラップ部5として設定する。このラップ部5は、レーザー光照射を開始する開始点であると同時に、レーザー光照射を終了する終点である。
ラップ部5は、溝4におけるラップ部5以外の領域とは異なり、レーザースキャニングの開始時と終了時の2度に亘ってレーザー光による入熱を受けるため、昇華量が大きい。したがって、図3に示すように、ラップ部5のみ溝4の溝幅や深さが拡大した形態となり、溝幅の拡大によって、溝4の内壁面が凹んだ形態の凹部41が形成される。そのため、本実施例1では、径方向に隣り合う溝4同士が凹部41を介して連通するのを回避するため、径方向に隣り合う溝4同士の間隔を、溝4の溝幅の2倍以上に設定し、シール性能(液体及び気体の漏れ防止機能)の信頼性を高めている。
さらに、本実施例1では、径方向に隣り合う溝4同士が凹部41を介して連通した場合の対策として、ラップ部5の配置に次のような工夫を施し、シール性能の信頼性向上を図っている。すなわち、図2に示すように、径方向に隣り合う溝4同士の間では、双方のラップ部5が周方向において互いに異なる位置関係となるように設定している。ラップ部5を、このような位置関係に配置すれば、径方向に隣り合う2本の溝4のうち内周側に位置する溝4における外周側の凹部41と、外周側に位置する溝4における内周側の凹部41とが連通する虞がない。したがって、径方向に隣り合う2本の溝4が凹部41を介して連通する、という事態を確実に回避できる。
次に、図6を参照して、本実施例のシール機能部6の構成及び作用効果を詳しく説明する。便宜上、溝4とラップ部5の符号には、平面視において内周側から外周側に向かって順に、第1〜第5及びA〜Eの添え字を付すことにする。最も内周側に位置する第1溝4A(請求項2に記載の最内端の溝、請求項3に記載の内側の溝)の第1ラップ部5Aと、最も外周側に位置する第5溝4E(請求項2に記載の最外端の溝、請求項3に記載の外側の溝)の第5ラップ部5Eは、周方向において同じ位置に配置されている。つまり、この2つのラップ部5A,5Eは、貫通孔21及びシール機能部6の中心を起点とする1本の仮想径方向線上に並ぶように位置する。そして、第1ラップ部5Aと第5ラップ部5Eが周方向において同じ位置となる第1溝4Aと第5溝4Eとの間には、3本の溝5B,5C,5Eが配置されている。
平面視において、第2溝4Bの第2ラップ部5Bは、第1溝4Aの第1ラップ部5Aに対し時計回り方向に90°ずれた位置に配置されている。第3溝4Cの第3ラップ部5Cは、第2溝4Bの第2ラップ部5Bに対し時計回り方向に90°ずれた位置に配置されている。第4溝4Dの第4ラップ部5Dは、第3溝4Cの第3ラップ部5Cに対し時計回り方向に90°ずれた位置に配置されている。そして、第5溝4Eの第5ラップ部5Eは、第4溝4Dの第4ラップ部5Dに対し時計回り方向に90°ずれた位置に配置されている。つまり、第5溝5Eを除いた第1側第4の4本の溝4A,4B,4C,4Eのラップ部5A,5B,5C,5Dは、互いに、周方向に90度の等角度間隔を空けた位置関係で配置されている。
上記の構成の技術的意義は、次の通りである。図6に示すように、全てのラップ部5A〜5Eが、隣り合う溝4A〜4Eと連通し、第1ラップ部5Aが貫通孔21に連通する状態になった場合の液体及び気体の漏れ経路を想定する。この場合の最短の液体及び気体の漏れ経路は、第1ラップ部5Aから第1溝4A又は第2溝4Bにおける90°の範囲(四半円弧領域)を通過してラップ部5Bに至る第1リーク経路R1と、第2ラップ部5Bから第2溝4B又は第3溝4Cにおける90°の範囲を通過して第3ラップ部5Cに至る第2リーク経路R2と、第3ラップ部5Cから第3溝4C又は第4溝4Dにおける90°の範囲を通過して第4ラップ部5Dに至る第3リーク経路R3と、第4ラップ部5Dから第4溝4D又は第5溝4Eにおける90°の範囲を通過して第5ラップ部5Eに至る第4リーク経路R4とによって構成される。
つまり、第1ラップ部5Aから第5ラップ部5Eに至る最短の液体及び気体の漏れ経路は、周方向において4つのリーク経路R1〜R4を経由することになる。つまり、貫通孔21から漏れた液体(電解液)や気体は、周方向において360°の範囲に亘る経路を通過し、シール機能部6を一周しなければ、シール機能部6を通過することはできないのである。このように、液体及び気体の漏れ経路が充分に長く確保され、液体及び気体の漏れのリスクが極めて低く抑えられているので、高いシール性能が発揮される。
尚、本実施例1においてラップ部5A〜5Eの配置を変更した比較例1を図7に示す。この比較例1のシール機能部6aは、最内端の第1ラップ部5Aと最外端の第5ラップ部5Eが、周方向において同じ位置に配置されている点は、実施例1と同じであるが、第1〜第5ラップ部5A〜5Eの周方向の間隔は、180°としている。この場合、第3ラップ部5Cも、周方向において第1ラップ部5A及び第5ラップ部5Eと同じ位置に配置されることになる。
したがって、第1ラップ部5Aが第2溝4Bに連通し、第3ラップ部5Cが第2溝4Bと第4溝4Dに連通し、第5ラップ部5Eが第4溝4Dに連通すると、貫通孔21から径方向に沿ってシール機能部6を直線状に貫く液体及び気体の漏れ経路が形成されてしまうため、好ましくない。したがって、実施例1のシール機能部6は、比較例1のシール機能部6aに比べてシール性能の信頼性が高い。尚、比較例1は、本願の請求項1の発明を具体化した実施例に相当する。
また、実施例1においてラップ部5A〜5Eの配置を変更した比較例2を図8に示す。この比較例2のシール機能部6bは、最内端の第1ラップ部5Aと最外端の第5ラップ部5Eが周方向において同じ位置に配置され、第1〜第4ラップ部5A〜5Dが時計回り方向へ順に位置ずれしている点は、実施例1と同じである。しかし、第1〜第4ラップ部5A〜5Dの周方向の間隔は、135°としている。
この場合の最短の液体及び気体の漏れ経路は、第1ラップ部5Aから第1溝4A又は第2溝4Bにおける135°の角度範囲を通過してラップ部5Bに至る時計回り方向の第1リーク経路Raと、第2ラップ部5Bから第3溝4Cにおける90°の角度範囲を通過して第4ラップ部5Dに至る反時計回り方向の第2リーク経路Rbと、第4ラップ部5Dから第4溝4D又は第5溝4Eにおける45°の角度範囲を通過して第5ラップ部5Eに至る反時計回りの第3リーク経路Rcとによって構成される。したがって、貫通孔21から第1ラップ部5Aに漏れた電解液や気体は、周方向において270°の角度範囲に亘る経路を通過すれば、第5ラップ部5Eに到達してしまう。したがって、実施例1のシール機能部6は、比較例2のシール機能部6bに比べてもシール性能の信頼性が高い。尚、比較例2は、本願の請求項1の発明を具体化した実施例に相当する。
尚、第1〜第5の全てのラップ部5A〜5Eを、周方向において72°の等角度間隔を空けて配置した場合、第1ラップ部5Aから第5ラップ部5Eに至る最短の液体及び気体の漏れ経路のうち周方向の経路は、360°よりも小さい288°の角度範囲となる。したがって、このようなラップ部5A〜5Eの配置形態(本願の請求項1の発明を具体化した実施例に相当する)と比較しても、実施例1のシール機能部6の方がシール性能の信頼性が高い。
また、実施例1のシール機能部6を構成する5本の溝4A〜4Eのうち、最も内側に位置する第1溝4Aの第1ラップ部5Aと、最も外側に位置する第5溝5Eの第5ラップ部5Eが、周方向において同じ位置に配置されている。そこで、この第1ラップ部5Aと第5ラップ部5Eが径方向に沿った経路で連通するのを防止する手段として、第1溝4Aと第5溝4Eとの間に3本(つまり、2本以上)の溝4A,4C,4Dを配置している。
図9の比較例3に示すように、シール機能部6cが3本の第1溝4x、第2溝4y,第3溝4zで構成されている場合、第1溝4xのラップ部5xが第2溝4yと連通し、第3溝4zのラップ部5zが第2溝4yと連通した場合、第2溝4yを介して第1溝4xと第3溝4zが径方向に連通してしまうことになる。しかし、本実施例1では、第1溝4Aと第5溝4Eとの間に少なくとも2本の溝4B,4C,4Dが配置されているので、第1ラップ部5Aが第2溝4Bと連通し、第5ラップ部5Eが第4溝4Dと連通しても、第1ラップ部5Aと第5ラップ部5Eが径方向に連通することはない。尚、比較例3は、本願の請求項1の発明を具体化した実施例に相当する。
本実施例1の樹脂と金属のシール構造は、レーザースキャニングにより互いに独立した複数本の溝4A〜4Eからなるシール機能部6が形成された金属製のカバー2及び電極端子3と、複数本の溝4A〜4Eを埋めるようにカバー2及び電極端子3に密着する樹脂部材38とを備えており、複数本の溝4A〜4Eは、全周に亘って連続する周状をなしているとともに、略同心状に配されている。貫通孔21を包囲する複数本の溝4A〜4Eは、互いに独立した形態で同心状に配置されているので、電解液11や気体が貫通孔21を通過して外部に漏出することを防止できる。
また、シール機能部6に樹脂部材38が流れこんで溝4A〜4Eと凸部38Dとの凹凸による係止構造が形成されている。この係止構造により、樹脂部材38とカバー2と電極端子3の水平方向(貫通孔21の貫通方向と直交する方向)への相対変位が規制され、電極端子3をカバー2に固定することができた。また、樹脂部材38は、電極端子3とカバー2を電気的に絶縁する機能も有する。
また、複数本の溝4A〜4Eには、夫々、その溝4A〜4Eを個別に1周するレーザースキャニングの開始点と終点が重なるラップ部5A〜5Eが1つずつ設定されている。そして、径方向に隣り合う溝4A〜4Eのラップ部5A〜5E同士を、周方向において互いに異なる位置に配置している。この構成によれば、レーザースキャニングによってラップ部5A〜5Eにおける溝幅が広くなっても、径方向に隣り合う溝4A〜4E同士が連通する虞はない。本実施例1のシール構造は、防水及び気密機能の信頼性に優れている。
また、図11に示すように全てのラップ部103を径方向に沿って一直線上に並ぶように配置した場合には、径方向に隣り合うラップ部103同士が連通し、径方向に沿った直線状の液体及び気体の漏れ経路が形成されてしまう。これに対し本実施例1では、径方向に隣り合う溝4A〜4E同士がラップ部5A〜5Eにおいて連通し、最も内周側に位置する第1溝4Aと最も外周側に位置する第5溝4Eとが連通して液体及び気体の漏れ経路が形成されたとしても、その液体及び気体の漏れ経路は、溝4A〜4Eの一部である周方向のリーク経路R1〜R4を含むラビリンス状の長い経路となるので、高いシール性能が保たれる。
また、本実施例のシール構造は、シール機能部6を構成する複数の溝4A〜4Eのうち、径方向における最外端の第5溝4Eと最内端の第1溝4Aとに形成された2つのラップ部5A,5Eは、周方向において略同じ位置に配置され、第5溝4Eの第5ラップ部5Eを除いた全ての第1〜第4ラップ部5A〜5Dは、周方向において概ね等角度間隔を空けて、互いに周方向の異なる位置に配置されている。この構成によれば、仮に全てのラップ部5A〜5Eの凹部41が径方向に隣り合う溝4A〜4Eと連通したとしても、最外端の第5溝4Eと最内端の第1溝4Aとの間の液体及び気体の漏れ経路は、周方向に沿った少なくとも1周分のリーク経路R1〜R4を含むので、確実なシール性能が確保される。
また、本実施例のシール構造は、シール機能部6を構成する複数の溝4A〜4Eのうち、内側の第1溝4Aの第1ラップ部5Aと、第1溝4Aよりも外周側に位置する外側の第5溝4Eの第5ラップ部5Eとが、周方向において略同じ位置に配置されているであるが、第1溝4Aと第5溝4Eとの間には、2本以上(3本)の溝4B〜4Dが配されている。この構成によれば、第1ラップ部5Aと第5ラップ部5Eが、夫々、径方向に隣り合う溝4B,4Dに連通したとしても、第1溝4Aと第5溝4Eが径方向の直線経路で連通する、という事態を回避できる。
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2を、図10を参照して説明する。本実施例2のシール構造は、シール機能部70を構成する複数本の溝71の形状を上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施例2においては、シール機能部70を構成する5本の溝71は、互いに独立し、貫通孔21を同心状に包囲している。各溝71は、真円形ではなく略正方形状をなし、切れ目なく全周に亘って連続した周状の形態である。また、径方向に隣り合う溝71のラップ部72同士は、周方向において互いに異なる位置に配置されている。この構成であっても、本発明のシール性能を同様に発揮することが可能である。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1,2では、1つのシール機能部を構成する溝の本数を5本としたが、1つのシール機能部を構成する溝の本数は、6本以上でもよく、4本以下でもよい。
(2)上記実施例1,2では、1つのシール機能部を構成する複数本の溝のうち最外端の溝のラップ部と最内端のラップ部を、周方向において概ね同じ位置に設定したが、最外端の溝のラップ部と最内端のラップ部を周方向において互いに異なる位置に配置してもよい。
(3)周方向におけるラップ部の位置が概ね同じである内側の溝と外側の溝との間に配置する溝の本数は、実施例1,2では3本とし、比較例1,2では1本のみとしたが、周方向におけるラップ部の位置が概ね同じである内側の溝と外側の溝との間に配置する溝の本数は、2本でもよく、4本以上でもよい。
(4)上記実施例1,2では、1つのシール機能部を構成する複数本の溝を、全て相似形としたが、1つのシール機能部を構成する複数本の溝は、全てが非相似形でもよく、一部の溝のみが相似形であってもよい。
(5)溝の平面視形状は、実施例1のような真円や実施例2のような正方形に限らず、楕円形、長円形、正方形以外の多角形、直線と曲線が混在した形状等、種々の形状とすることができる。
(6)上記実施例では、二次電池に適用した場合について説明したが、本発明は、二次電池以外の機器や装置等にも適用できる。
(7)上記実施例では、シール機能部をアルミニウム製のカバーと銅合金製の電極端子に形成したが、シール機能部の形成対象は、アルミニウムや銅合金以外の金属であってもよい。
(8)上記実施例では、カバーの上面にシール機能部を形成したが、シール機能部は、カバーの下面(内面)に形成してもよい。
<参考例>
図12に示すのは、本発明の権利範囲には含まない参考例のシール構造である。この参考例のシール構造を構成するシール機能部80は、レーザースキャニングにより、貫通孔21を包囲する渦巻状の溝81が一続き(一筆書き状)に形成されている。このようなシール機能部80でも、貫通孔21から径方向外側に向かって複数本の溝部が並列しているので、ある程度のシール性能を期待することが可能である。
2…カバー(金属部材)
3…電極端子(金属部材)
4…溝
4A…第1溝(最内端の溝、内側の溝)
4B…第2溝
4C…第3溝
4D…第4溝
4E…第5溝(最外端の溝、外側の溝)
4x…第1溝(最内端の溝)
4y…第2溝
4z…第3溝(最外端の溝)
5…ラップ部
5A…第1ラップ部
5B…第2ラップ部
5C…第3ラップ部
5D…第4ラップ部
5E…第5ラップ部
5x…第1ラップ部
5y…第2ラップ部
5z…第3ラップ部
6…シール機能部
6a…シール機能部
6b…シール機能部
6c…シール機能部
70…シール機能部
71…溝
72…ラップ部

Claims (3)

  1. レーザースキャニングにより互いに独立した複数本の溝からなるシール機能部が形成された金属部材と、
    前記複数本の溝を埋めるように前記金属部材に密着する樹脂部材とを備え、
    前記複数本の溝は、全周に亘って連続する周状をなしているとともに、略同心状に配されており、
    前記複数本の溝には、夫々、その溝を個別に1周するレーザースキャニングの開始点と終点が重なる1つのラップ部が設定されている樹脂と金属のシール構造であって、
    径方向に隣り合う前記溝の前記ラップ部同士は、周方向において互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする樹脂と金属のシール構造。
  2. 前記シール機能部を構成する前記複数の溝のうち、径方向における最外端の前記溝と最内端の前記溝とに形成された2つの前記ラップ部は、周方向において略同じ位置に配置され、
    前記最外端の溝の前記ラップ部を除いた全ての前記ラップ部は、周方向において概ね等角度間隔を空け、且つ互いに周方向において異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂と金属のシール構造。
  3. 前記シール機能部を構成する前記複数の溝のうち、内側の前記溝の前記ラップ部と、前記内側の溝よりも外周側に位置する外側の前記溝の前記ラップ部とが、周方向において略同じ位置に配置されているものにおいて、
    前記内側の溝と前記外側の溝との間には、2本以上の前記溝が配されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂と金属のシール構造。
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