JP2015117348A - 吸着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】異物に起因する吸着層の塑性変形が起こりにくく、被着体の界面において気泡の発生がなく、高い剥離力を有する吸着フィルムを提供すること。
【解決手段】基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂からなる吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記シリコーン樹脂が、1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン(A)及びSiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含有するシリコーン組成物からなり、かつ前記ビニル基とSiH基とのヒドロキシル反応により熱架橋する付加反応型シリコーン樹脂を塗布、熱架橋したものであり、さらに重量平均分子量(Mw)150,000〜250,000の範囲にある非反応性MQレジン(B)を0.01〜5.0%含有することを特徴とする吸着フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムに関するもので、その用途は、各種電子・電気機器の表示装置として使用されるフラットパネルディスプレイの保護フィルム、ウインドウ用保護フィルム、その他産業上広い分野で使用されるシール材、クッション材等である。
平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能な、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムは、それ自体のみならず、前記吸着フィルムに、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性、インク受容性等の機能を更に付与することにより産業上広い分野で使用される。
例えば、液晶等の表示画面用保護フィルムとして、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを使用する場合には、平滑面を有する被着体への貼り付け時に、気泡巻き込みが発生しない、気泡抜け性がよい、などの特性が必要である。また貼り付けされたフィルムは経時でずれたり、はがれたりしないことが必要であり、フィルムを被着体から剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密着力が上昇せずスムーズに剥離できかつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと、等の機能を有していることが要求される。
ディスプレイ用フィルムの粘着剤組成物として、無溶剤型オルガノポリシロキサン組成物が知られている。前記の組成物においては、塗工時に強く帯電することがあり、これにより、塗工後から硬化前までのあいだに塗工された粘着剤が一部流動し、粘着剤層表面が均一にならないことがある。そのために、貼り付け時に前記粘着剤層と被着体の界面において気泡跡を発生しやすいという欠点があった。(特許文献1)。
また、透明基材フィルムの表面に、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノガノポリシロキサンと規定量の白金触媒とを含むシリコーンゴムを塗布して硬化することにより形成されたシリコーンゴム層を設けてなるシリコーンゴム粘着シートが提案されている。しかしながら、前記シリコーンゴム粘着シートのシリコーンゴム層においては、前記シリコーンゴム粘着シートの加工時や取扱い時に異物が混入した場合、異物が起因のシリコーンゴム層の塑性変形によって、平滑面への貼り合せにおいて、変形部分で気泡が発生しまうといった問題が発生した。(特許文献2)。
特開2004−225005号公報 特開2006−52384号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、平滑面を有する被着体に貼ったり剥がしたりするリワークが可能であり、貼り付け時に気泡巻き込みが発生しにくいという特性を有し、しかも吸着フィルムの加工時や取扱い時に異物が混入した場合であっても、吸着層が塑性変形せず、異物混入に起因する気泡が発生することのない、基材フィルム上にシリコーン樹脂からなる吸着層を設けた吸着フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定のシリコーン硬化性組成物を用いた吸着層が、貼り付け時に気泡の巻き込みを生じにくいことに加え、吸着フィルムの加工時や取扱い時に異物が混入した場合であっても、異物混入によって吸着層が塑性変形せず、平滑面への貼り合せにおいて、変形部分で気泡が発生することのない、吸着フィルムを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明は、基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂からなる吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記シリコーン樹脂が、1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン(A)及びSiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含有するシリコーン組成物からなり、かつ前記ビニル基とSiH基とのヒドロキシル反応により熱架橋する付加反応型シリコーン樹脂を塗布、熱架橋したものであり、さらにM単位(R3SiO1/2:Rはメチル基、フェニル基などの1価の有機基)とQ単位(SiO4/2)からなる重量平均分子量(Mw)150,000〜250,000の範囲にある反応性官能基を有さない非反応性MQレジン(B)を0.01〜5.0%含有することを特徴とする吸着フィルムである。
第2発明は、前記1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサンが、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーン組成物であることを特徴とする第1発明に記載の吸着フィルムである。
第3発明は、前記吸着層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする第1発明〜第2発明のいずれかに記載の吸着フィルムである。
第4発明は、前記1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量(Mw)が70,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする第1発明〜第3発明のいずれかに記載の吸着フィルムである。
第5発明は、前記シリコーン樹脂が、前記非反応性MQレジン(B)を0.1〜1.0%含有することを特徴とする第1発明〜第4発明のいずれかに記載の吸着フィルムである。
第6発明は、前記SiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーからなることを特徴とする第1発明〜第5発明のいずれかに記載の吸着フィルムである。
本発明の吸着フィルムは、特定組成の付加反応型シリコーン組成物に、特定分子量の非反応性MQレジンを特定量添加したシリコーン組成物を塗布、熱架橋して得られたシリコーン樹脂からなる吸着層としたことにより、貼り付け時に気泡の巻き込みを生じにくくし、かつ吸着フィルムの加工時や取扱い時に異物が混入した場合でも、吸着層が塑性変形することはなく、異物混入に起因する気泡が発生することはないものである。また、貼り付けされた後には、経時でずれたりすることなく、貼り付けされているが、容易に再剥離することが可能なものである。
以下に本発明の吸着フィルムを、その構成要素に基づいて、さらに詳しく説明する。
(基材フィルム)
本発明で使用する基材フィルムは、各種のプラスチックからなるフィルムであれば、特に限定されない。例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等よりなるフィルムが例示されるが、これらに限定されるものではない。シリコーンゴムの熱架橋時の取り扱い性、コストの面からポリエステルフィルムやポリカーボネートフィルムが好ましい。透明性の点では、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択すればよいが、通常5〜400μm、特に20〜250μmの範囲であるのが好ましい。
基材フィルムは、その表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理したり、必要に応じてアンカー層等を設けてもよい。アンカー層等を積層する方法としては、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオフライン法のいずれでもよい。
(シリコーン樹脂)
本発明の吸着層に用いるシリコーン樹脂の性状としては、透明性が高く、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体の表面に対しても、吸着層の面が被着体表面に沿うことが求められる。さらに剥離の際には、小さい剥離力で、容易に剥離できることが求められる。また、少なくとも厚み5μm以上で、目付け加工の方法を用いることなく、塗布及び加熱処理だけで架橋吸着層を設けるためには、シリコーン組成物の硬化反応に際して、150℃以下の低温短時間で深部まで架橋し、透明で耐熱性、圧縮永久歪み特性に優れかつ低粘度で液状タイプである、白金触媒等のもと、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンと架橋剤としてSiH基を有するポリオルガノハイドロジェンポリシロキサン、中でもオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーとのヒドロキシル反応により熱架橋する付加型液状シリコーン樹脂の使用が好ましい。
このような性状のシリコーンとして、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものを用いると良い。
これらのシリコーンの1形態としては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(化1)で表せられる化合物である。
Figure 2015117348
(式中Rは下記の有機基、nは整数を表す。)
Figure 2015117348
(式中Rは下記の有機基、mは整数を表す。)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種または異種の非置換又は置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは、上記一般式(化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは上記一般式(化2)で表せられる化合物である。末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン上記一般式(化2)中のRの一部がビニル基である化合物である。形状としては、直鎖状、分岐状、環状のものを使用できる。
前記のビニル基を有するポリオルガノシロキサン(A)の重量平均分子量(Mw)としては、50,000〜1,500,000の範囲のものが好ましく、特に70,000〜1,000,000の範囲のものが好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が前記範囲より小さいと、吸着層の硬化性が低下し、層強度が低下してしまう。また前記範囲よりも大きいと、架橋密度が高くなり、吸着層の塑性変形はしにくくなるが、剥離力が低くなり、適度な密着力が得られなくなる。
本発明においては、上記のビニル基を有するポリオルガノシロキサンとの組み合わせにおいて、架橋反応に用いる架橋剤は、公知のものでよい。前記架橋剤の例として、分子内にSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。それらの中でも、特にオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーを使用することが好ましい。前記コポリマーのオルガノハイドロジェンシロキサン部分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものが好ましく用いられるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。前記コポリマーを架橋剤として使用すると、前記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用するよりも本発明の効果が顕著に得られる。
前記のオルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーの1形態としては、下記一般式(化3)で表せられる化合物である。
Figure 2015117348
(式中Rは下記の有機基、pおよびqは整数を表す。)
この水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種又は異種の非置換または置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で、好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられる。
また、本発明においては、前記架橋剤として、分子内にSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン等に代えて有機過酸化物を用いた、過酸化物硬化型シリコーン組成物を塗布、熱架橋させたシリコーン樹脂からなる吸着層を用いることも可能である。
前記過酸化物硬化型シリコーン組成物において、有機過酸化物から発生したラジカルが、ジオルガノポリシロキサン中のSi−CH3基の水素を引き抜き、生成したSiCH2ラジカル同士が結合して架橋反応が進行する。
前記有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル類(過酸化t−ブチルベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ過酸化ベンゾイルヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、4、4'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、3、3'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'、4、4'−テトラクロロジベンゾイルパーオキサイド、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル)、過酸化クミル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化t−ブチル、過酸化t−ブチルイソブチレート、過酸化t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、2,2−ビス過酸化t−ブチルオクタン、1,1−ビス過酸化t−ブチルシクロヘキサン等が挙げられる。添加量を変えることにより粘着特性の調整が可能であるという観点から過酸化ベンゾイル類が好ましく用いられる。
前記有機過酸化物の使用量は、過酸化物硬化型のシリコーン組成物100重量部に対して通常0.01〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部である。0.01重量部以上とすることにより、所望の密着力が得られ、10重量部以下とすることにより、硬化反応が進み過ぎて所望の密着力が得られなくなるのを防止する。
加熱硬化は、通常130〜200℃程度、好ましくは140〜180℃で1〜15分、好ましくは3〜7分間程度行なわれる。130℃以上で加熱することにより、硬化不足による密着力が不十分になるのを防止し、200℃以下で加熱することにより基材シートに熱収縮しわが生じたり、劣化や変色したりするのを防止することができる。
本発明においては、上記の付加反応型または過酸化物硬化型シリコーン組成物に対して、さらに、M単位(R3SiO1/2:Rはメチル基、フェニル基などの1価の有機基)とQ単位(SiO4/2)からなる、反応性官能基を有さない非反応性MQレジン(B)を含有させることが求められる。前記成分は、M単位(R3SiO1/2)とQ単位(SiO4/2)からなるポリオルガノシロキサンであるが、本発明においては、特にMQレジンと呼ぶこととする。前記MQレジンは、分子内にビニル基などの脂肪族不飽和基等の反応性官能基を有さない、非反応性のものを用いる。
前記MQレジンのR3SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比は、0.6〜1.8であるものが好ましい。前記R3SiO1/2単位/SiO4/2単位のモル比が0.6未満では密着力やタックが低下することがあり、1.8を超えると密着力や保持力が低下することがある。
また、前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜300,000、特に150,000〜250,000のものが好ましく用いられる。前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)が前記範囲未満であると、所望の剥離力が得られなくなる。一方前記MQレジンの重量平均分子量(Mw)が前記範囲を超えると、吸着層が塑性変形しやすくなり、異物混入に起因する気泡が発生しやすくなる。
また、前記MQレジンの、シリコーン樹脂中における添加量としては、0.01〜5.0%、特に0.1〜1.0%の範囲とすることが好ましい。前記MQレジンの添加量が前記範囲未満であると、剥離力不足になる。一方前記範囲を超えると、吸着層が塑性変形しやすくなり、異物混入に起因する気泡が発生しやすくなる。
前記の付加反応型シリコーン組成物の架橋反応に用いる白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。架橋反応した吸着層は、シリコーンゴムのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせるものである。
本発明に係るシリコーン組成物の市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。なかでも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染の面で非常に利点があるが、無溶剤型においても、所望の膜厚を得るための粘度調節として、必要に応じてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、またはこれらの混合溶剤などが使用される。
前述のごとく、吸着層の性状としては、ゴムのような柔軟性を持っていて被着体への貼着時に被着体の表面の凹凸に追従して密着力を確保することが求められる。そして、例えば前記表示画面の保護フィルムやウインドウ用保護フィルムとして吸着フィルムを使用する場合、吸着層の膜厚は、被着体に対する吸着層の密着面方向の剪断力を確保するために少なくとも5μm以上、通常は10〜200μmが必要となる。特に10〜100μmのものが好適である。上記範囲の吸着層を有する吸着フィルムにおいては、再剥離することが可能であり、貼り付け時に気泡巻き込みが発生しにくく、異物が混入した場合であっても、吸着層が塑性変形せず、異物混入に起因する気泡が発生することがない。またシール材やクッション材として使用する場合には、場合により数100μmの膜厚が要求される場合がある。10μm未満であると被着体に対する機能性フィルムの密着面方向の剪断力が確保できず、特に長時間の貼り付け時には、吸着フィルムが被着体から剥がれ易い。
(アンカー層)
本発明においては、基材フィルムと吸着層との接着力の向上、および被着体への吸着フィルムの貼着後、前記フィルムを剥離する際に、経時により被着体面と吸着層面の密着力が上昇せずスムーズに剥離できかつ被着体上にシリコーン残りが発生しないこと目的として、前記基材フィルムと吸着層との間にアンカー層を設けてもよい。
アンカー層の材料としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂等が挙げられる。ポリエステル樹脂は、アクリル変性やウレタン変性したものが好ましく、特アクリルポリオール樹脂が被膜特性の観点から好ましい。
また、アンカー層には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。
アンカー層の厚みは0.1〜5.0μmの範囲、より好ましくは0.15〜3.0μmの範囲である。アンカー層の厚みが、前記範囲以下であると熱架橋された吸着層が基材フィルムより離脱し易くなる。さらに帯電防止性能が安定しない。一方前記範囲を超えるとアンカー層の柔軟性が無くなり硬い層となり、基材フィルムへの密着性が悪くなる。
アンカー層塗工液、吸着層塗工液の塗工方法としては、3本オフセットグラビアコーターや5本ロールコーターに代表される多段ロールコーター、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフコーター等公知の方法が適宜使用される。
吸着層の表面の汚れや異物付着を防いだり、吸着フィルムのハンドリングを向上させるために樹脂フィルム製のセパレータを吸着層面に張り合わせることができる。
被着体の材質は、一般的にガラス、樹脂、金属、金属酸化物等であり、被着体の表面
はできるだけ平滑であることが必要である。表面の凹凸が大きいと吸着層が凹凸に追重することが難しくなり、密着することができなくなる。
本発明の吸着フィルムの前記吸着層の反対側の基材フィルム面には、耐スクラッチ性、紫外線遮断性、電磁波遮断性、導電性、消臭性、脱臭性、抗菌性、親水性、防曇性、撥水性、熱伝導性等を有する機能層を更に設けることが出来る。
以下、実施例と比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各実施例中の「部」は特に断ることのない限り重量部を示したものである。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
プラズマ処理された厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、下記アンカー層塗工液をグラビアコーターで塗工、乾燥して、厚み3.0μmのアンカー層を形成した。
(アンカー層塗工液)
アクリルポリオール樹脂 20部
(東レファインケミカル製、コータックスLH455、固形分:50%)
ポリチオフェン 27部
(信越ポリマー製、セプルジーダOC−SC100、固形分:3%)
MEK 40部
トルエン 13部
実施例1〜8、比較例1〜5
前記のアンカー層の上に、表1の成分を、表中の塗布厚みの吸着層を設けた後、オーブンにて150℃、100秒で架橋させて本発明の吸着フィルムを作製した。
Figure 2015117348
各実施例、比較例の評価結果を表1に、各評価方法を下記に示す。
(評価方法)
(リワーク性)
上記作成した吸着フィルムを25mm幅にカットし、前記吸着フィルムの吸着層を厚み2mmのアクリル板に2Kgのローラーを1往復させる方式で圧着し、圧着後室温で約24時間放置した。次に、引っ張り試験機を用いて、180°の剥離角度、剥離速度:1200mm/minで剥離し、吸着フィルムのアクリル板剥離力(mN/25mm)を測定した。
リワーク性の評価基準
◎:アクリル板剥離力が25mN/25mm以上、150mN/25mm未満
○:アクリル板剥離力が150mN/25mm以上、400mN/25mm未満
×:アクリル板剥離力が25mN/25mm未満、400mN/25mm以上
(吸着層の塑性変形の評価)
52mm×76mmのガラス板に0.5mm径のガラスビーズ(異物)を貼り付けたものを、50mm×50mmに切り取った吸着フィルムの吸着層側に200gの荷重で2.5時間押し当て、吸着層に凹みを形成する。次に、圧力を解放して2時間後、アクリル板に貼り合わせ、気泡の有無を確認した。
気泡の判断基準
◎:気泡が全く無い
○:気泡がほとんど無い
×:気泡有り

Claims (6)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に、シリコーン樹脂からなる吸着層を積層した吸着フィルムにおいて、前記シリコーン樹脂が、1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン(A)及びSiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを含有するシリコーン組成物からなり、かつ前記ビニル基とSiH基とのヒドロキシル反応により熱架橋する付加反応型シリコーン樹脂を塗布、熱架橋したものであり、さらにM単位(R3SiO1/2:Rはメチル基、フェニル基などの1価の有機基)とQ単位(SiO4/2)からなる重量平均分子量(Mw)150,000〜250,000の範囲にある反応性官能基を有さない非反応性MQレジン(B)を0.01〜5.0%含有することを特徴とする吸着フィルム。
  2. 前記1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサンが、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーン組成物であることを特徴とする請求項1に記載の吸着フィルム。
  3. 前記吸着層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸着フィルム。
  4. 前記1分子中に2個以上のビニル基を有するジオルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量(Mw)が70,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸着フィルム。
  5. 前記シリコーン樹脂が、前記非反応性MQレジン(B)を0.1〜1.0%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸着フィルム。
  6. 前記SiH基を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが、オルガノハイドロジェンシロキサン−ジオルガノシロキサンコポリマーからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着フィルム。
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