JP2015117014A - 空気維持タイヤ用のスナップ式の入口および接続方法 - Google Patents

空気維持タイヤ用のスナップ式の入口および接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤ圧を維持する空気維持ポンプシステムをタイヤ内に組み込む。【解決手段】空気維持タイヤは、タイヤのインナーライナー26に固定された空気入口ハウジング92を含んでいる。入口導管70が、入口ハウジング92からサイドウォール空気通路まで空気を送るために設けられている。吸気導管88が、タイヤの外部からの空気を、第1のサイドウォール16を通ってタイヤインナーライナー26まで送り、さらに入口ハウジング92へと送るために設けられている。入口導管70および吸気導管88は、入口ハウジング92によって形成された細長い第1および第2のソケット102,104内の各環状戻り止めと嵌合する複数のスナップ式の環状リブ72,90を有し、第1および第2のソケット102,104にそれぞれ取り付けられるとともに、第1および第2のソケット102,104からそれぞれ取り外される。【選択図】図8

Description

本発明は、一般に、空気維持タイヤに関し、特に、サイドウォールに配置された管状のポンプ機構と、タイヤに取り付けられた入口ハウジングに取り付けられた空気入口組立体とを有するタイヤに関する。
通常の空気拡散により、時間とともにタイヤ圧は減少する。タイヤの通常の状態は、膨張した状態である。したがって、ドライバーは、タイヤ圧を維持するために繰り返し作業を行う必要があり、さもなければ、燃費およびタイヤ寿命の低下と、自動車のブレーキ性能およびハンドリング性能の低下に直面することになる。タイヤ圧が著しく低いときにドライバーに警告するタイヤ圧監視システムが提案されている。
米国特許第8113254号明細書
しかしながら、そのようなシステムは、推奨圧力までタイヤを再膨張させるように警告が発せられたときに、ドライバーによる救済措置に依然として依存している。したがって、ドライバーの介入を必要とせずに経時的なタイヤ圧のいかなる減少も補償するために、タイヤ圧を維持する空気維持ポンプシステムをタイヤ内に組み込むことが望まれている。
本発明の一態様では、空気維持タイヤが、タイヤのインナーライナーに固定された空気入口ハウジングを含んでいる。細長いサイドウォール空気通路が、第1のタイヤサイドウォール内に組み込まれ、回転するタイヤの接地面(フットプリント)から第1のサイドウォールへと伝わる曲げ歪みに応答して、拡大した直径から実質的に縮小した直径へとセグメントごとに圧縮され、それにより、サイドウォール空気通路に沿ってセグメントごとに強制的に空気を送り込むように動作可能に配置されている。細長い管状の入口導管が、入口ハウジングからサイドウォール空気通路まで空気を送るために設けられている。吸気導管が、タイヤの外部からの空気を、第1のサイドウォールを通ってタイヤインナーライナーまで送り、さらに入口ハウジングへと送るために設けられている。入口導管および吸気導管は、入口ハウジングによって形成された細長い第1および第2のソケットにそれぞれ取り付けられるとともに、第1および第2のソケットからそれぞれ取り外される。入口導管および吸気導管は、入口ハウジングの各ソケットに対する迅速な接続/分離を容易にするために、第1および第2のソケット内の各環状戻り止めと嵌合する複数のスナップ式の環状リブであって、互いに離れて位置する複数のスナップ式の環状リブを有している。
(定義)
ここで、本明細書で使用される用語について定義する。
タイヤの「アスペクト比」は、タイヤの断面幅(SW)に対する断面高さ(SH)の比を意味し、百分率で表現するために100を乗じたものを意味する。
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面つまり赤道面EPに関して対称ではないトレッドパターンを有するトレッドを意味する。
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸に平行なラインまたは方向を意味する。
「チェーファー」は、タイヤビードの外側周囲に配置され、リムに対する摩耗および切断からコードプライを保護し、リム上方のたわみを分散させる、幅の狭い材料ストリップである。
「周方向」は、軸方向に垂直な環状のトレッドの表面の周囲に沿って延びるラインまたは方向を意味する。
「赤道中心面(CP)」は、タイヤの回転軸に垂直でトレッドの中心を通る平面を意味する。
「フットプリント」は、速度が零で、標準荷重および標準圧において、平坦な面と接触するタイヤトレッドの接地面または接地領域を意味する。
「溝」は、トレッドの周囲を周方向または横方向に、直線状、曲線状、またはジグザグ状に延びることができる、トレッド内の細長い空隙領域を意味する。周方向および横方向に延びる溝は、共通部分を有する場合もある。「溝の幅」は、その幅が問題となっている、溝または溝部分によって占められる表面積を、この溝または溝部分の長さで割ったものに等しく、したがって、溝の幅は、溝の全長での平均幅である。溝は、タイヤ内で様々な深さを有していてよい。溝の深さは、トレッドの円周にわたって変化していてよく、あるいは、ある溝の深さが、一定であるが、タイヤ内の別の溝の深さとは異なっていてよい。そのような幅狭または幅広の溝は、相互に連結する幅広の周方向溝と比べて、実質的に小さい深さを有する場合、関連するトレッド領域でリブのような性質を保持する傾向がある「タイバー」を形成すると見なされる。
「車内側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、そのホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの車両に最も近い側を意味する。
「横方向」は、軸方向を意味する。
「横方向縁部」は、赤道中心面に平行なラインであって、標準荷重および標準タイヤ圧において測定された、軸方向の最も外側のトレッドの接地面つまりフットプリントの接線を意味する。
「正味接地面積」は、トレッド全周にわたる横方向縁部同士の間の接地トレッド要素の全面積を、横方向縁部同士の間のトレッド全体の総面積で割ったものを意味する。
「非方向性トレッド」は、好適な前進方向を有していないトレッドであって、トレッドバターンが好適な走行方向に揃うようにする特定のホイールポジションで車両に配置する必要のないトレッドを意味する。逆に、方向性トレッドパターンは、特定のホイールポジションを必要とする好適な走行方向を有している。
「車外側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、そのホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの車両から最も遠い側を意味する。
「蠕動」は、空気などの内包物質を管状流路に沿って推進させる波状収縮による動作を意味する。
「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に向かって放射状に延びる方向、または回転軸から離れるように放射状に延びる方向を意味する。
「リブ」は、少なくとも1つの周方向溝と、同等の第2の溝または横方向縁部のいずれかとによって規定された、トレッド上を周方向に延びるゴムのストリップであって、完全な深さの溝によって横方向に分割されていないゴムのストリップを意味する。
「サイプ」は、トレッド面を細分し、トラクションを改善する、タイヤのトレッド要素内に成形された小さいスロットを意味し、サイプは、一般に幅が狭く、タイヤのフットプリント内で開いれたままである溝とは対照的に、タイヤのフットプリント内で閉じている。
「トレッド要素」または「トラクション要素」は、溝に隣接する形状を有することにより規定された、リブ要素またはブロック要素を意味する。
「トレッドアーク幅」は、トレッドの横方向縁部同士の間で測定された、トレッドの円弧長を意味する。
2つの180°(可逆式)蠕動空気ポンプシステムの、入口、フィルタ、出口、およびチューブを示す、タイヤの4分の1部分の分解斜視図である。 入口、出口、およびチューブの各位置を示す、タイヤの側面図である。 入口コネクタおよび出口コネクタを備えたチューブの斜視図である。 図3のコネクタハウジングの斜視図である。 図4Aのコネクタハウジングの断面図である。 図4Bの入口導管領域の拡大図である。 フィルタおよび吸気導管の斜視図である。 図5Aのフィルタおよび吸気導管の断面図である。 図5Bの吸気導管領域の拡大図である。 入口ハウジングの上面斜視図である。 入口ハウジングの底面斜視図である。 図6Aの接続領域の部分断面図である。 フィルタ、入口導管、および空気チューブの各位置を示す、入口領域の拡大断面図である。 フィルタ、入口導管、および空気チューブがそれぞれ所定の位置にある状態を示す、入口領域の拡大断面図であって、入口ハウジングとゴム製の取り付けブラケットとが分解して示されている。 入口ハウジングとゴム製の取り付けブラケットとをタイヤに対して示す、入口領域の拡大断面図である。 取り付けられたゴム製の取り付けブラケットを示す、入口領域の拡大断面図である。 入口領域の断面図である。
本発明について、添付した図面を参照して、一例を挙げて説明する。
図1から図3を参照すると、タイヤ組立体10は、タイヤ12と、タイヤをベースとした蠕動ポンプ組立体14とを含んでいる。タイヤ12は、車両に用いるために、従来の方法でリム(図示せず)に取り付けられている。タイヤは、従来構造を有し、互いに対向するビード領域20,22からクラウンつまりタイヤトレッド領域24までそれぞれ延びる一対のサイドウォール16,18を有している。タイヤおよびリムが、タイヤインナーライナー26によって画定されたタイヤキャビティ28を包囲している。
図1から図3に見られるように、蠕動ポンプ組立体14は、環状の空気通路32を包囲する環状の空気チューブ34を含んでいる。チューブ34は、プラスチックやゴム化合物など、弾性および可撓性を有する材料であって、外力を受けて平らな状態に変形し、その力が取り除かれると、断面がほぼ円形の元の状態に回復するという、繰り返しの変形サイクルに耐えることができる材料から形成されている。チューブは、本明細書に記載された目的のために十分な量の空気を通過させるのに十分な直径であって、タイヤ組立体内部の動作可能な位置にチューブを配置可能にする直径を有している。
タイヤの空気圧を維持するための、タイヤ内での蠕動ポンプチューブの動作原理は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、発行済みの特許文献1に記載されている。開示されているように、蠕動ポンプチューブは、タイヤサイドウォール内部に組み込まれている。参照により本明細書に組み込まれる上述の特許に開示されているように、T字形の入口装置が、環状のポンプチューブと一列に並んで固定され、加圧のために、空気をタイヤの外側からポンプチューブ内に導いている。入口装置と反対側に位置するT字形の出口装置が、同様に、ポンプチューブと一列に並んで固定されている。出口装置は、加圧空気をポンプチューブからタイヤキャビティへと導いて、キャビティ圧力を所望の値に維持している。機能上、ポンプチューブは、サイドウォールの高屈曲領域に配置されている。このように配置されているため、ポンプチューブは、回転するタイヤの接地面(フットプリント)からサイドウォールへと伝わる曲げ歪み(bending strain)に応答して、拡大した直径から実質的に縮小した直径へとセグメントごとに圧縮される。したがって、加圧空気は、空気チューブに沿ってセグメントごとに強制的に送り込まれ、必要に応じて、圧力維持のためにタイヤキャビティへと導かれる。
特許文献1で教示される入口装置と出口装置は、良好に動作する一方で、比較的大きく、それらがタイヤサイドウォールに組み込まれてタイヤサイドウォールの内部を占有することで、タイヤサイドウォールに構造的な乱れが生じる。さらに、入口装置と出口装置は、いざというときに、アクセスすることや修理することが困難である。結局、特許文献1の入口装置と出口装置は、ポンプ空気チューブに固定することが容易ではなく、このような装置をタイヤサイドウォール内部で交換することは、問題となる可能性がある。
ここで対象となる発明の蠕動ポンプ組立体14は、複数の構成部材をまとめて接続するためのスナップ式入口取り付けシステムを備えている。タイヤの外側からの空気は、吸気口組立体によってタイヤキャビティへと送られた後、タイヤキャビティから、サイドウォールをベースとした蠕動ポンプチューブ34へと送られる。ポンプチューブ34は、タイヤサイドウォール16内に形成された溝30の内部にある。図1から図3に見られる本発明は、T字形の入口ポータル36を含んでいる。空気チューブ34は、サイドウォールのビード領域20に近接してサイドウォール16内に形成された、所定の輪郭を有するサイドウォール溝30の内部に取り付けられている。溝30とその内部に組み入れられたチューブ34が、下方のサイドウォール領域を囲んでいる。T字形の入口ポータル36は、入口コネクタ38を含んでいる。さらに、以下に説明する目的のために、タイヤの外側からの空気を、タイヤサイドウォール16を通ってタイヤインナーライナー26まで運ぶフィルタ吸気部材40が設けられている。
図4A、図4B、図4Cを参照すると、T字形の入口ポータル36において、コネクタ38は、空気ポンプチューブとインラインに(一列に並んで)位置している。コネクタ38は、インラインの細長いコネクタ本体44を有し、このコネクタ本体44から、外側に突出する2つの翼状突起46が延びている。インライン本体44と2つの翼状突起46とが組み合わされて、断面が概ねT字形のコネクタを形成している。コネクタ38のインライン本体44は、翼状突起46から、外側を向いた平面領域48まで、内側に向けて先細になっている。一対の軸方向チャンバ50,52が、インライン本体44の内部に存在し、中間に位置する軸方向通路54によって接続されている。空気チューブに係合するインラインの連結支柱56,58が、互いに逆方向を向いてインライン本体44の両側から延びている。連結支柱56,58はそれぞれ、コネクタ本体44の内部の各空気チャンバ50,52に連通する軸方向通路60,62を有している。連結支柱56,58の端部領域は、空気チューブ34の両端にそれぞれ密接に収容されるような大きさに形成されているとともに、空気チューブ34に係合して連結支柱56,58と空気チューブの各端部との連結の維持を補助するように形成された一連の環状の保持リブ64を有している。
軸方向の内部空気通路68を有する管状の入口導管66が、コネクタ本体44に接続されている。入口導管66を流れる空気は、空気チャンバ50,52とチューブに係合する連結支柱56,58とを通って送られ、空気チューブ34に入る。入口導管66の外端領域70が、軸方向に互いに離れて位置する一連の環状のスナップ式リブ72を有するように構成されている。環状の各リブ72は、図4Cに最も良く見られるように、入口導管66の遠位端に向かって先細になる円錐台形の輪郭を有している。
図5A、図5B、図5Cを参照すると、細長い円筒形の吸気導管76が、より大きな直径を有するフィルタ設置チャンバ74に一体的に連結されている。チャンバ74は、円筒形のフィルタハウジング78によって画定されている。ハウジング78には、円筒形の多孔質フィルタ部材80が収容されている。細長い管状の吸気導管76は、中心軸の空気通路86を有している。環状の保持フランジ82,84が、ハウジング78の周囲を延びている。吸気導管76の遠位連結端部88には、導管76の遠位端に向かって内側に先細になる一連の円錐台形の環状連結リブ90が設けられている。多孔質フィルタ部材80が設置された外側のフィルタチャンバ74には、通路86が連通している。吸気導管76のフィルタ外端部は、タイヤの外側の空気と連通するように配置され、ポンプシステムへの空気の取り入れ口として機能する。吸気導管76は、以下に説明するように、タイヤのインナーライナー領域に外気を送っている。したがって、吸気導管76の軸方向長さは、フィルタ部材80からタイヤサイドウォール16を通過してタイヤインナーライナー26に到達するのに十分な長さである。キャップ部材79が、フィルタハウジング78を包囲して、フィルタ部材80を内部に保持している。
図6A、図6B、図6Cには、入口ハウジング92が示されている。ハウジング92は、細長い側壁94,96と上壁98と底壁100とを有する概ね長方形のブロック形状を有している。必要に応じて、ハウジング92を構成するために他の幾何形状を用いることができる。互いに離れて位置する一対の迅速継手式入口ソケット102,104が、ハウジング92によって一体的に形成され、底壁100内に延びている。ソケット102,104は細長く、概ね円筒形の内部構造を有している。ソケット102,104は、入口ハウジングの内部空気チャンバ(図示せず)への空気通路を形成している。ソケット102,104の内部長さに沿って、円錐台形状を有する一連の環状の戻り止めが配置されている。外部からアクセス可能な圧力設定ナットおよびボルト18が、ハウジング92内に延びている。底壁100に沿って、外側に突出する一連の尾根部110が設けられ、尾根部110は、ハウジング92をタイヤインナーライナー26に取り付けるために用いられる接着コーティング(図示せず)の接着を補助するように作動する。
ここでいう「入口ハウジング」は、流入空気を受け入れるハウジングとしての最も広い意味での総称として用いられる。ハウジング92は、吸気導管76から空気を受け取り、それを空気ポンプチューブ34に送り込む。ポンプチューブ34は、タイヤの全回転または部分回転ごとに空気を順次加圧する。総称的に「入口ハウジング」と称しているが、入口ハウジング92は、好ましい実施形態では、流入空気を受け入れるだけでなく、タイヤキャビティ28内の空気圧を制御する弁レギュレータシステムを含むハウジングとして特に用いられている。タイヤキャビティ28内の空気圧が閾値圧力にあるときには、ハウジング92内のレギュレータが閉じて、余分な加圧空気がタイヤキャビティに入るのを防いでいる。タイヤキャビティ28内の空気圧が閾値を下回るときには、ハウジング92内のレギュレータが開いて、加圧空気をタイヤキャビティへと導入することができる。
一般に、適切なレギュレータ弁システムは、タイヤキャビティの空気圧を測定するように作動する圧力測定機構を含んでいる。測定されたキャビティの空気圧は、その後、空気チューブ34からタイヤキャビティ28への空気の流れを開閉するために用いられる。ここで対象となる空気維持タイヤシステムに有効である、代表的な適切な2ポート弁システムが、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2013年9月30日出願の同時係属の米国特許出願第14/041490号に見られている。開示されている2ポートシステムでは、吸気は、吸気導管76からソケット104を経由して入口ハウジング92へと導かれることになる。ハウジング92内部の流入空気は、ソケット102および入口導管66から入口コネクタ38を通って、ポンプチューブ34の空気流路へと送られる。そして、空気は、空気チューブ34によって蠕動的に加圧される。タイヤキャビティ圧力を閾値まで上げるために空気が必要とされる場合には、加圧空気がタイヤキャビティへと送られる。測定されたキャビティ圧力が閾値にあれば、加圧空気はポンプチューブ34から排気される。
図6Cおよび図8に最もよく見られるように、ソケット102,104のそれぞれは、ハウジングによって一体的に形成され、細長い円筒形の内部構造を有している。ソケット102,104を通る空気通路は、ハウジング92内部の空気チャンバに連通している。さらに、ソケット102,104は、各ソケットを規定する円筒形の側壁に形成された、互いに離れて位置する一連の円錐台形の戻り止め106をそれぞれが有するように、ハウジング92によって形成されている。ソケット104,102内の戻り止め106の配置、形状、および寸法は、吸気導管の円錐台形の環状リブ90および入口導管の円錐台形の環状リブ72とそれぞれスナップ係合で嵌合しやすくするようになっている。したがって、導管70,88は、簡便かつ迅速にレギュレータハウジング92の各ソケットにスナップ式に取り付けられる。そのため、ハウジング組立体または吸気口組立体または入口組立体の交換や修理が必要になった場合に、そのような交換や修理が円滑に行われる。さらに、スナップ組立体によって、レギュレータ組立体をタイヤの内側に当接させてインナーライナー26に固定させることが可能になる。導管70,88の軸長は、タイヤサイドウォール16を通過して取り付けブラケット126の開口130,128を貫通して突出し、入口ハウジング92の各ソケット104,102に完全にスナップ式に挿入されるのに十分な長さである。
図7Aから図7Cを参照すると、タイヤサイドウォール16の溝30への空気チューブ34の組み入れと、タイヤインナーライナー26への入口ハウジング92の取り付けとが示されている。空気チューブ34と入口コネクタ38の断面はそれぞれ、細長く、概ねマッシュルーム形状を有している。チューブ34の翼状突起114とコネクタ本体42の翼状突起46とは、サイドウォール溝30によって形成された部分の内部に保持されて設置されている。マッシュルーム構造は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2012年5月14日出願の同時係属の米国特許出願第13/470525号に詳細に示されている。ここで対象となる「マッシュルーム」構造では、蠕動チューブ34は、頂部を平面で切断したくさび形の車外側のチューブ本体112を含み、チューブ本体112は、外側に広がる側部によって形成され、側部は、狭い幅(D3)の平坦な端面118から車内側のドーム形の翼状突起114まで延び、各翼状突起114は、半径R1の上部のアーチ面と下部の平坦面とを有している。翼状突起114は、端壁(端面)から距離L4の位置にあり、チューブは、横断面L1の寸法を有している。くさび形の本体112の側部は、角度αで外側に広がり、翼状突起の裏面と交差している。チューブ34のキャップ領域は、内端部で平坦である。空気通路32は、楕円形であって、チューブ本体112の内部に位置し、チューブの断面中心線に沿った長手方向の主軸を有している。楕円形の通路の長さは、L2であり、その横方向幅は、D2である。D1は、チューブの先端から先端までの距離を示し、D3は、チューブの狭い端部の直径である。L3は、チューブ内の、端面から楕円形の通路196の中心までの距離である。
したがって、空気チューブ184は、以下に定める範囲、すなわち、
D1:6.39±0.1mm、
D2:0.7±0.01mm、
D3:1.44±0.05mm、
L1:4.25mm、
L2:2.2±0.1mm、
L3:1.78±0.01mm、
L4:1.83±0.05mm、
α:24°、
R1:1.85mm、
の範囲内の好ましい寸法を有している。
入口コネクタ38は、空気チューブ34と相補的に構成され、相補的に構成された溝30を共有している。したがって、入口コネクタ38の断面は、概ね細長く、概ねマッシュルーム形状である。コネクタ38の翼状突起46が、インラインのコネクタ本体42から延びている。コネクタ38の本体42と翼状突起46は、溝30の内部にあって、コネクタ38を溝30の内部に保持して設置している。マッシュルーム構造は、同時係属の米国特許出願第13/470525号に詳細に示されている。この「マッシュルーム」構造では、チューブ34と同様に、入口コネクタ38は、頂部を平面で切断したくさび形の車外側のインライン本体部44を含み、インライン本体部44は、外側に広がる側部によって形成され、側部は、狭い幅(D3)の平坦な端面48から車内側のドーム形の翼状突起46まで延びている。各翼状突起46は、半径R1の上部のアーチ面と下部の平坦面とを有している。翼状突起46は、端壁(端面)から距離L4の位置にあり、チューブは、横断面L1の寸法を有している。くさび形のコネクタ本体部44の側部は、角度αで外側に広がり、翼状突起46の裏面と交差している。翼状突起46によって形成されたキャップ領域は、内端部で平坦である。マッシュルーム形状のコネクタ38の外形寸法は、空気チューブ34について前述した通りであり、サイドウォール16内の溝30の寸法および形状と相補的である。
図7Aから図7Dを参照すると、空気チューブ34と入口コネクタ38は、溝30に通じる狭い入口スリット116を通じて取り付けられる。空気チューブ34と入口コネクタ38は、弾性的に圧縮されて、スリット116を通じて進入することができる。溝30に入る際に、空気チューブ34と入口コネクタ38は、それぞれ共通のマッシュルーム形状へと曲がり、マッシュルーム形状の溝30の輪郭および幾何形状を満たすようになる。完全に挿入されると、入口コネクタの本体部44の先細端部における平坦面48と、空気チューブ本体112の先細の外側における平坦な端面118とは、タイヤサイドウォール16の外側と概ね同一平面上にあって、スリット116によって形成された開口を塞いでいる。貫通孔120が、サイドウォール16を貫通して形成され、外側の大口径のフィルタポケットつまりチャンバ124を含んでいる。貫通孔120は、フィルタ吸気部材40を密接に収容するような構成および寸法を有している。吸気導管76は、貫通孔120を貫通してタイヤインナーライナー26の側まで延びている。フィルタポケット124は、フィルタチャンバ74とフィルタ80とを収容している。
第2の貫通孔122が、従来の硬化後の製造手順によって、タイヤサイドウォール16を貫通して形成されている。貫通孔122は、入口コネクタ38の円筒形の入口導管66を収容するような大きさである。入口コネクタの導管66は、貫通孔122を貫通してタイヤサイドウォール16のインナーライナー26の側まで突出している。
図7B、図7C、図8に見られるように、吸気導管88と入口導管70は、ブラケットの各開口130,128を貫通して延びるのに十分な距離だけ、タイヤインナーライナー26からタイヤキャビティ28へと突出している。ブラケット126は、ゴム化合物などのエラストマー材料で形成されている。そして、吸気導管88と入口導管70は、入口ハウジング92のソケット104,102へと挿入されて、入口ハウジング92をブラケット126およびタイヤインナーライナー26に対して取り付けている。適切な接着剤を塗布して、ブラケット126およびハウジング92をタイヤインナーライナー26に固定的に接続することもできる。吸気導管88および入口導管70の軸をソケット104,102へと密接に挿入すると、その軸の端部に沿った環状のリブがソケット104,102内の環状の戻り止めに係合することによって、スナップ係合が達成される。これにより、吸気導管88を通って入口ハウジング92の中央空気チャンバへと至り、そこから入口コネクタ38を通って空気チューブ通路32へと至る空気経路が確立される。こうして、入口ハウジング92内のレギュレータ弁システムが、空気チューブ34への空気の流れを制御するとともに、空気チューブ34からタイヤキャビティへの加圧空気の流れを制御するように接続される。したがって、空気圧が、タイヤキャビティ内で所望の値に維持されることになる。
上述したことから、それぞれマッシュルーム形状の空気チューブと入口コネクタの向きが、タイヤサイドウォール16内のマッシュルーム形状の溝の内部で一直線であることは明らかであろう。空気チューブおよび入口コネクタのマッシュルーム形状の輪郭は、一側部にあって、マッシュルーム構造の「キャップ」つまり翼状突起の側は、タイヤキャビティに向かって内側である。空気チューブおよび入口コネクタのマッシュルーム形状の「ステム」は、タイヤから離れてタイヤサイドウォール16の外面に向かう方向を向いている。このように向いているため、翼状突起は、空気チューブと入口コネクタをサイドウォール溝に閉じ込めて、タイヤからの望ましくない分離を防いでいる。吸気導管および入口導管は、タイヤサイドウォール16を貫通してインナーライナーに取り付けられた入口ハウジング92まで突出している。入口ハウジング92をタイヤキャビティの内部でタイヤインナーライナーに当接させることで、タイヤサイドウォール構造の構造的な乱れが最小になることが要求される。すなわち、入口ハウジング92が占める容積がタイヤサイドウォールの内部にではなくタイヤキャビティの容積に含まれるため、タイヤサイドウォールの構造的完全性に支障を来すことはない。吸気導管および入口導管を入口ハウジングのソケットに取り付けることで実現される迅速な接続および分離によって、効率的な組立手順の実現が可能になり、その一方で、構成部材の修理や交換が必要になった場合の分解が可能になる。
本明細書に記載された本発明の説明を考慮すると、本発明の変形例が可能である。対象発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態および詳細が示されているが、対象発明の範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正が可能であることが、当業者には明らかであろう。したがって、記載された特定の実施形態において、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の対象となる全範囲内で行う変更が可能であることを理解されたい。
10 タイヤ組立体
12 タイヤ
16,18 サイドウォール
24 タイヤトレッド領域
26 インナーライナー
28 タイヤキャビティ
30 溝
32 空気通路
34 空気チューブ
44 コネクタ本体
50,52 空気チャンバ
66,70 入口導管
68 内部空気通路
72,90 リブ
76,88 吸気導管
92 入口ハウジング
102,104 ソケット
106 戻り止め

Claims (13)

  1. 空気維持タイヤ組立体であって、
    タイヤトレッド領域まで延びる第1および第2のサイドウォールによって境界が規定されたインナーライナーによって画定されたタイヤキャビティを有するタイヤと、
    前記インナーライナーに固定された空気入口ハウジングと、を有し、
    前記第1のサイドウォールが、該第1のサイドウォール内に細長いサイドウォール空気通路を有し、前記サイドウォール空気通路が、回転するタイヤの接地面から前記第1のサイドウォールへと伝わる曲げ歪みに応答して、拡大した直径から実質的に縮小した直径へとセグメントごとに圧縮され、それにより、該サイドウォール空気通路に沿ってセグメントごとに強制的に空気を送り込むように動作可能に配置され、
    前記サイドウォール空気通路と前記入口ハウジングとの間に延びる細長い管状の入口導管であって、該入口導管の支柱が、前記入口ハウジングの内部から前記サイドウォール空気通路まで流入空気を送るように作動する内部空気通路を有する、入口導管と、
    前記第1のサイドウォールを貫通して前記インナーライナーまで延び、前記空気入口ハウジングに連結されて、前記タイヤの外側からの空気を前記第1のサイドウォールを通って前記空気入口ハウジングへと送るように作動する吸気導管と、をさらに有し、
    前記入口導管および前記吸気導管は、前記入口ハウジングによって形成された細長い第1および第2のソケットにそれぞれ係合し、それにより、前記入口ハウジングとの間で空気流が連通し、
    前記入口導管および前記吸気導管と、前記第1および第2のソケットとは、それぞれ、相互係合式のラッチ戻り止め手段を有する、
    ことを特徴とする空気維持タイヤ組立体。
  2. 前記入口導管が、内部空気チャンバを有するコネクタハウジングから柱状突起として延び、前記入口導管の前記空気通路が、空気を前記入口ハウジングから前記コネクタハウジングの前記空気チャンバへと導いている、請求項1に記載の空気維持タイヤ組立体。
  3. 前記コネクタハウジングが、前記サイドウォール空気通路の少なくとも1つの端部に接続されている、請求項2に記載の空気維持タイヤ組立体。
  4. 前記サイドウォール空気通路が、前記第1のサイドウォール内の溝の内部に収容された細長い空気チューブであって、前記コネクタハウジングに接続された少なくとも1つのチューブ端部を有する細長い空気チューブを有する、請求項3に記載の空気維持タイヤ組立体。
  5. 前記ラッチ戻り止め手段が、少なくとも1つのスナップ嵌合式の環状リブおよび環状戻り止めを有する、請求項1に記載の空気維持タイヤ組立体。
  6. 前記ラッチ戻り止め手段が、互いに離れて位置する複数のスナップ式の環状リブであって、前記入口導管および前記吸気導管からそれぞれ突出するように形成された第1および第2の複数のスナップ式の環状リブと、前記入口ハウジングの前記第1および第2のソケット内に形成された複数の嵌合戻り止めと、を有する、請求項5に記載の空気維持タイヤ組立体。
  7. 前記ラッチ戻り止め手段の前記環状リブが、実質的に円錐台形の外形を有するとともに、前記第1のソケットへの前記入口導管の軸方向運動と前記第2のソケットへの前記吸気導管の軸方向運動とによって作動する、請求項5に記載の空気維持タイヤ組立体。
  8. 空気維持タイヤ組立体であって、
    タイヤトレッド領域まで延びる第1および第2のサイドウォールによって境界が規定されたインナーライナーによって画定されたタイヤキャビティを有するタイヤと、
    前記インナーライナーに固定された空気入口ハウジングと、を有し、
    前記第1のサイドウォールが、該第1のサイドウォール内に細長いサイドウォール空気通路を有し、前記サイドウォール空気通路が、回転するタイヤの接地面から前記第1のサイドウォールへと伝わる曲げ歪みに応答して、拡大した直径から実質的に縮小した直径へとセグメントごとに圧縮するように動作可能に配置され、それにより、該サイドウォール空気通路に沿ってセグメントごとに強制的に空気を送り込み、
    前記サイドウォール空気通路と前記入口ハウジングとの間に延び、前記入口ハウジングの内部から前記サイドウォール空気通路までの流入空気を送るように作動する内部空気通路を有する細長い管状の入口導管であって、前記入口ハウジングによって形成された細長い第1のソケットへと軸方向に密接に挿入されることで前記入口ハウジングに取り付けられるとともに、前記第1のソケットから軸方向に引き抜かれることで前記入口ハウジングから取り外される入口導管と、
    前記第1のサイドウォールを貫通して前記インナーライナーまで延び、前記空気入口ハウジングに連結されて、前記タイヤの外側からの空気を前記第1のサイドウォールを通って前記空気入口ハウジングへと送るように作動する吸気導管であって、前記入口ハウジングによって形成された細長い第2のソケットへと密接に挿入されることで前記入口ハウジングに取り付けられるとともに、前記第2のソケットから軸方向に引き抜かれることで前記入口ハウジングから取り外される吸気導管と、
    をさらに有することを特徴とする空気維持タイヤ組立体。
  9. 前記吸気導管および前記入口導管が、前記入口ハウジングによって形成された前記各ソケットへと密接に挿入されることで作動する係合式のラッチ戻り止め手段を有する、請求項8に記載の空気維持タイヤ組立体。
  10. 空気維持入口組立体をタイヤへと組み立てる方法であって、
    タイヤキャビティの境界を規定するタイヤのインナーライナーに、圧力調整手段を含む空気入口ハウジングを固定することと、
    前記タイヤの第1のサイドウォール内に細長いサイドウォール空気通路を配置することであって、回転するタイヤの接地面から前記第1のサイドウォールへと伝わる曲げ歪みに応答して、拡大した直径から実質的に縮小した直径へとセグメントごとに圧縮され、それにより、該サイドウォール空気通路に沿ってセグメントごとに強制的に空気を送り込むように動作可能な前記サイドウォール空気通路を配置することと、
    前記第1のサイドウォールに、該第1のサイドウォールを貫通して前記入口ハウジングまで延びる吸気導管を取り付けることと、
    前記入口ハウジングによって形成された細長い第1のソケットへと前記吸気導管を密接に挿入することで、前記入口ハウジングに前記吸気導管を嵌合させることと、
    前記入口ハウジングによって形成された細長い第2のソケットへと入口導管を密接に挿入することで、前記入口ハウジングに前記入口導管を取り付けることと、
    前記入口ハウジングからの流出空気を、前記入口導管を通って前記サイドウォール空気通路まで送ることと、
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 前記入口ハウジングの前記第1のソケット内に前記吸気導管を固定するために、前記吸気導管と前記第1のソケットとの間で解除可能な第1のラッチ手段を係合させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記入口ハウジングの前記第2のソケット内に前記入口導管を固定するために、前記入口導管と前記第2のソケットとの間で解除可能な第2のラッチ手段を係合させることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1および第2のラッチ手段を、前記第1および第2のソケット内の各環状戻り止めに嵌合する複数のスナップ式の環状リブであって、互いに離れて位置する複数のスナップ式の環状リブとして構成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
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