JP2015116774A - 脆性材料基板の加工方法 - Google Patents

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健司 福原
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Abstract

【課題】従来よりも容易かつ確実に分断することが可能な、あるいは、分断後に得られる個片の端面強度が従来よりも大きくなる、脆性材料基板の加工方法を提供する。
【解決手段】脆性材料基板を分断予定位置に沿って加工する方法が、パルスレーザ光を集光し、パルスレーザ光の被照射領域において溶融アブレーションが生じる照射条件にて脆性材料基板の表面に設定された分断予定位置に沿って走査しつつ照射する照射工程を、一の分断予定位置に対して複数回(例えば2回)繰り返すことにより、分断予定位置に沿った分断起点を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガラス基板などの脆性材料基板を分断する技術に関し、特に、パルスレーザ光の照射によって分断の起点を形成する技術に関する。
ガラス基板などの脆性材料基板を分断するにあたって、その起点となる部分をパルスレーザ光の照射によって形成する技術が既に公知である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1には、パルスレーザ光の個々のパルス光の被照射領域(局部)において光エネルギ吸収によるアブレーションを生じさせることによって当該領域に存在する物質を蒸発・飛散させることで、当該領域に、その周辺部に形成された微小クラック群を含めた溶解痕を形成し、係る溶解痕が列設してなるミシン目状の分離容易化領域に沿って基板を分断する技術が開示されている。
特許文献2においては、(当該文献においても特許文献1として提示されている)特許文献1に開示された技術の場合には分断後の個片の端面強度が低くなるという問題点が指摘されたうえで、脆性材料基板に対してパルスレーザ光を走査しつつ連続的に(個々のパルス光がオーバーラップする態様にて)照射し、パルスレーザ光の被照射領域において光エネルギ吸収によるアブレーションを生じさせることによって当該領域に存在する物質を蒸発・飛散させるとともに、該アブレーションが生じる領域の隣接領域においては脆性材料基板を局所的に溶融・再固化させることによって、分断の起点となる連続的なスクライブ溝を形成しつつ、分断後の個片の端面強度を従来よりも大きくすることが可能な技術が開示されている。
特開2005−271563号公報 特開2010−274328号公報
上述の脆性材料基板の一種として、例えば液晶パネル等に使用される、2枚のガラス基板を貼り合わせてなるいわゆる貼り合わせ基板がある。
特許文献2に開示された手法は確かに、分断後の個片における端面強度の向上には一定の効果を奏するが、貼り合わせ基板にこれを起用した場合、分断面において欠陥や凹凸を生じさせることなく分断を良好に行える条件範囲が非常に狭く、それゆえ、好適な分断を実現するための条件制御が難しいという場合があった。あるいは、分断後に得られる個片の端面強度が小さいという場合もあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、特に貼り合わせ基板について、従来よりも容易かつ確実に分断することが可能な脆性材料基板の加工方法を提供することを目的とする。また、係る容易性および確実性を確保しつつ、分断後に得られる個片の端面強度が従来よりも大きくなる脆性材料基板の加工方法を提供することを第2の目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、脆性材料基板を分断予定位置に沿って加工する方法であって、パルスレーザ光を集光し、前記パルスレーザ光の被照射領域において溶融アブレーションが生じる照射条件にて前記脆性材料基板の表面に設定された前記分断予定位置に沿って走査しつつ照射する照射工程を、一の前記分断予定位置に対して複数回繰り返すことにより、前記分断予定位置に沿った分断起点を形成する、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の脆性材料基板の加工方法であって、前記照射工程を2回繰り返すことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の脆性材料基板の加工方法であって、前記脆性材料基板が2つの基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板である、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の脆性材料基板の加工方法であって、前記パルスレーザ光は、波長が355nmであることを特徴とする。
請求項1ないし請求項4の発明によれば、一度の溶融アブレーションのみによって分断起点を形成する場合に比して、溶融アブレーションの実施条件の制御(基板種に応じた調整)が容易となる。あるいは、分断後に得られる個片の端面強度を増大させることができる。
レーザ加工装置10の概略構成を模式的に示す図である。 パルスレーザ光LBがレンズ機構3によって集光されて基板Wに照射される様子を示す、基板Wの厚み方向に垂直な断面図である。 溶融アブレーションのメカニズムを説明するための、基板Wの厚み方向と加工予定線の延在方向との双方に垂直な断面図である。 実施例2における、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。 実施例4における、1回走査の場合のサンプルについて、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。 実施例4における、2回走査の場合のサンプルについて、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。
<レーザ加工装置の概略>
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ加工装置10の概略構成を模式的に示す図である。レーザ加工装置10は、レーザ光源1と、ミラー機構2と、レンズ機構3と、XYステージ4と、を主に備える。本実施の形態に係るレーザ加工装置10は、貼り合わせ基板その他のガラス基板等の脆性材料基板(以下、単に基板)Wを対象とする、後述する態様での溶融アブレーション加工を、好適に実行可能なものとして構成されてなる。
レーザ光源1は、内部に備わる発振器からパルスレーザ光LBを出射する。本実施の形態では、波長が355nmのUVレーザ光をパルスレーザ光LBとして出射するレーザ光源1を用いる。
ミラー機構2は、基板Wに対するパルスレーザ光LBの照射方向(照射角度)を調整・変更する部位である。図1においては図示の簡単のため、パルスレーザ光LBを反射する一の鏡面のみがミラー機構2を構成し、これによって水平姿勢の基板Wに対し鉛直方向からパルスレーザ光LBが照射される場合を例示しているが、実際には、複数の鏡面によってミラー機構2が構成されていてもよいし、プリズムや回折格子等がミラー機構2の構成要素に含まれる態様であってもよい。
レンズ機構3はパルスレーザ光LBを集光する部位である。図1においては図示の簡単のため、レンズ機構3が一のレンズのみによって構成される場合を例示しているが、実際には、複数のレンズによってレンズ機構3が構成されていてもよい。レンズ機構3は、パルスレーザ光LBの集光位置の上下方向の位置を調整可能に設けられる。
なお、本実施の形態において、集光位置とは、パルスレーザ光LBの照射方向に垂直な断面におけるビーム径が最小となる位置である。これは、一般的にいうパルスレーザ光LBの焦点位置に相当するが、パルスレーザ光LBが焦点位置においても有限のビーム径を有することを考慮し、本実施の形態では、ビーム径が最小となる位置との意を込めて、焦点位置という文言に代えて集光位置なる文言を用いている。
係る集光位置の調整は、レンズ機構3を構成するレンズを交換することによって実現されてもよいし、レンズ機構3を構成するレンズの位置を図示しないアクチュエータ等の位置調整手段によって変更することによって実現される態様であってもよい。
XYステージ4は、基板Wを載置するテーブルであり、水平面内において互いに直交する2つの方向(これらをX方向およびY方向とする)に移動可能である。XYステージ4の上面に基板Wを載置固定した状態で、XYステージ4をX方向またはY方向に移動させつつ、レーザ光源1からパルスレーザ光LBを出射させることにより、パルスレーザ光LBによる基板Wの走査が実現される。例えば、基板Wの表面にあらかじめ設定されてなる加工予定線に沿ってパルスレーザ光LBを移動させることにより、該加工予定線に沿った基板Wの加工が実現される。
<溶融アブレーション>
次に、パルスレーザ光LBによる溶融アブレーションについて説明する。ここでは、直線状の加工予定線に沿って溶融アブレーションを生じさせる場合を例とする。
図2は、パルスレーザ光LBがレンズ機構3によって集光されて基板Wに照射される様子を示す、基板Wの厚み方向に垂直な断面図である。図3は、溶融アブレーションのメカニズムを説明するための、基板Wの厚み方向と加工予定線の延在方向との双方に垂直な断面図である。いずれの場合も、図面に垂直な方向がパルスレーザ光LBの走査方向ということになる。
係る態様にて溶融アブレーションを行うにあたっては、図2に示すように、パルスレーザ光LBを、基板Wの上面Wa(XYステージ4に載置されていない側の表面)を集光位置Fとする態様にて、基板Wに照射する。係る態様にてパルスレーザ光LBが照射されると、集光位置Fの近傍において基板Wが加熱される。パルスレーザ光LBの照射条件を適宜に設定した場合、集光位置Fの直下の領域RE1は、基板Wの沸点を超える温度にまで加熱される。それゆえ、係る領域RE1からは、図3(a)に矢印AR1にて示すような基板Wの構成物質の蒸発・飛散、いわゆるアブレーションが生じる。一方、該領域RE1の周辺の領域RE2は、沸点よりは低いものの基板Wの融点を超える温度にまで加熱される。係る領域RE2では、基板Wの溶融が生じる。パルスレーザ光LBが通過した後、放熱により温度が低下すると、領域RE2に存在している物質は再固化する。
このような、領域RE1における蒸発・飛散と、その周辺の領域RE2における溶融・再固化とが生じた結果として、基板Wには、図3(b)に示すように、走査方向に垂直な断面視において基板Wの上面Waから下方へと(基板Wの厚み方向へと)延在する溝部Gが、加工予定線に沿って形成される。溝部Gは、基板Wを構成する物質が溶融・再固化することによりその表面形状が形成されてなり、かつ、基板Wの厚み方向に対して略対称な形状を有する。
すなわち、溶融アブレーションとは、アブレーションが生じる領域RE1の周囲に、このような溶融・再固化が生じる領域RE2を積極的に形成することを意図した手法であり、このような領域の積極的な形成を意図しない単なるアブレーションとは異なるものである。
なお、溝部Gは1対の曲面状のエッジ部分を有する。それぞれのエッジ部分が、基板Wを溝部Gのところで分断することで得られる個々の個片のエッジとなる。より詳細には、係るエッジ部分は、パルスレーザ光LBの走査方向(溝部Gの延在方向)に垂直な断面との交線が適宜の曲率半径を有する滑らかな曲線となるように形成されてなる。エッジ部分が係る形状を有する場合、エッジ部分が角張っているような場合に比して、該分断後の個片は、大きな端面強度を有するものとなる。これは、上述のような状態にて曲面状に形成されてなるエッジ部分においては、マイクロクラックが発生しにくくなっているからであると考えられる。
一方、溝部Gの底部は、溝部Gの延在方向に垂直な断面との交線が適宜の曲率半径を有する曲線となるように、形成されてなる。
また、パルスレーザ光LBの集光位置Fの近傍であって、領域RE2よりも外側の領域では、融点にまでは達しないものの、パルスレーザ光LBによる加熱は生じている。係る領域においては熱膨張が生じ、集光位置Fから外側へと向けて引張応力S1が作用する。その一方、パルスレーザ光LBによる加熱の影響を受けない基板Wの内部においては、上述の熱膨張を打ち消すべく、パルスレーザ光LBの照射位置の下方へと向けて圧縮応力S2が作用する。
このとき、パルスレーザ光LBの走査速度が遅いなどの理由で、入熱量が一定量よりも大きい場合、圧縮応力S2が作用した結果として、パルスレーザ光LBが通過した直後から始まる放熱時に、パルスレーザ光LBの照射によって形成された溝部Gの底部の最下端部から下方に向けて、亀裂(垂直クラック)CRが伸展することがある。
<溶融アブレーションを利用した分断起点の形成>
次に本実施の形態において行う、溶融アブレーションを利用した基板Wに対する分断起点の形成について説明する。本実施の形態においては、一の分断予定位置に対する溶融アブレーションの実施を複数回繰り返すことによって、基板Wに対して分断起点を形成するようにする。
係る場合においては、最終の溶融アブレーションを行った時点で、これに続く分断に好適な起点が形成されるように、各回の溶融アブレーションの実施条件を定めるものとする。換言すれば、予定回数の溶融アブレーションが全て終了していない段階では必ずしも良好な分断が行える状態に達しなくてもよい(あるいは当該状態に達しないようにする)という条件で、溶融アブレーションを繰り返すようにする。これにより、一度の溶融アブレーションのみによって分断起点を形成する場合に比して、溶融アブレーションの実施条件の制御(基板種に応じた調整)が容易となる。あるいは、分断後に得られる個片の端面強度を増大させることができる。特に、分断対象たる基板Wが貼り合わせ基板である場合に、係る対応が有効である。
各回の溶融アブレーションの実施条件は同じであってもよいし、異なっていてもよい。前者の場合、条件設定を繰り返す必要が無いので、処理効率が高いという利点がある。後者の場合、一回々々の溶融アブレーション後の状態に応じて実施条件を変更することで、分断起点をより好適な状態に形成できるという利点が得られるが、個々の溶融アブレーションの時間間隔が開いてしまう点には留意が必要である。
なお、溶融アブレーションを繰り返す場合、いったん図3(b)のように溝部Gが形成された基板Wの分断予定位置に対して再びパルスレーザ光LBを照射することになるので、基本的には、溝部Gの表面において、基板Wの構成物質のアブレーションと、該アブレーションが生じた領域の周辺領域における基板Wの溶融・再固化が生じる。それゆえ、溶融アブレーションを繰り返すほど、溝部Gの深さDはより深くなる傾向がある。それゆえ、より深い溝部Gの形成を所望する場合は、溶融アブレーションを繰り返し行うというのは好適な対応といえる。ただし、溝部Gの幅w(エッジ部分の幅)も大きくなる傾向がある。
また、上述のように、溝部Gの底部から亀裂CRが伸展することがあるが、係る亀裂CRの形成は、実質的な加工深さを溝部Gのみが形成される場合に比して増大させる効果があるので、好適な分断の実現にあたってプラスとなる。
(実施例1)
本実施例では、基板Wとして厚さ0.2mmのガラス基板を封止材によって貼り合わせてなる貼り合わせ基板を複数枚用意した。そして、レーザ加工装置10を用いて、それぞれの基板Wに分断起点となる溝部Gを形成した。
係る場合においては、溶融アブレーションの回数を表す走査回数を、1回走査と2回走査の二水準に違えた。後者については、1回目の走査と2回目の走査におけるパルスレーザ光LBの照射条件は同じとした。また、1回走査と2回走査のいずれの場合も、パルスレーザ光LBの出力(レーザ出力)と走査速度(XYステージ4の移動速度)を種々に違えた。具体的には、レーザ出力は6.0(W)、8.0(W)、12.0(W)の三水準とし、走査速度は、100(mm/s)〜400(mm/s)の範囲内でレーザ出力の大きさに応じて25(mm/s)刻みで複数の水準に設定した。
その他の条件は全ての基板Wについて共通で、以下の通りとした。
パルスレーザ光LBの波長:355nm;
集光位置:基板Wの表面;
集光位置におけるビーム径:9.3μm。
形成された溝部Gについて、光学顕微鏡により、その幅wと深さDとを測定した。また、溝部Gを形成後の基板Wをハンドブレーク(手割り)にて実際に分断し、その分断面を目視や光学顕微鏡により観察した。なお、ここでいう分断面には、溝部Gをなしていたエッジ部分や、パルスレーザ光LBの被照射面とは反対側の主面側のエッジ部分をも含むものとする。
表1は、レーザ出力、走査速度、および、走査回数ごとに、分断後の基板Wの観察結果と溝部Gの幅wと深さDとの測定結果とを示している。
Figure 2015116774
なお、表1において、「表面欠陥」なる項目は、エッジ部分における基板Wの欠けの有無を表している。また、「断面不良」なる項目は、分断面における凹凸の有無や、筋状の痕跡の有無を表しており、前者が確認された場合には「凹凸」と記し、後者が確認された場合には「痕跡」と記している。
表1に示すように、1回走査の場合、「表面欠陥」と「断面不良」とがともに「無し」という場合が存在しなかった。これに対して、2回走査の場合は、レーザ出力が12Wの場合を除き、「表面欠陥」と「断面不良」とがともに「無し」という場合が多く存在した。また、溝部Gの幅wと深さDとは、2回走査の方が大きくなる傾向があった。
係る結果は、波長が355nmでレーザ出力が6Wのパルスレーザ光を集光位置におけるビーム径が9.3μmとなるように集光し、かつ、175mm/s以上300mm/s以下の走査速度で2回走査することで、あるいは、レーザ出力が8Wのパルスレーザ光を集光位置におけるビーム径が9.3μmとなるように集光し、かつ、275mm/s以上350mm/s以下の走査速度で2回走査することで、後工程における分断が良好に行える分断起点が形成できることを意味している。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で基板Wを分断することで得られた個片のうち、分断起点の形成の条件を、2回走査でかつレーザ出力(単位W)と走査速度(単位mm/s)を以下の組合せとした3種類について、端面強度の評価を行った。
サンプル1:6W、200mm/s;
サンプル2:8W、300mm/s;
サンプル3:12W、325mm/s。
端面強度の評価は、分断後の個片を複数個用意して、それぞれに加える荷重を徐々に高めていき、破損した個片の比率を荷重ごとに求めることにより行った。
図4は、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。
図4からは、3種のサンプルのうち、レーザ出力8Wのサンプル2が、最大強度が相対的に大きくかつ強度のバラツキが最も小さいということがわかる。
係る結果と実施例1の結果とを踏まえると、波長が355nmでレーザ出力が8Wのパルスレーザ光を集光位置におけるビーム径が9.3μmとなるように集光し、かつ、275mm/s以上350mm/s以下の走査速度で2回走査することで、後工程における分断が良好に行えるとともに端面強度のバラツキの小さい分断個片を得ることの出来る分断起点が形成できることを意味している。
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様の貼り合わせ基板を複数枚用意した。そして、集光位置におけるビーム径を変えて、それぞれの基板Wに分断起点となる溝部Gを形成し、さらに、実施例1と同様に分断を行った。
係る場合においては、溶融アブレーションの回数を表す走査回数を、1回走査と2回走査の二水準に違えた。後者については、1回目の走査と2回目の走査におけるパルスレーザ光LBの照射条件は同じとした。また、1回走査と2回走査のいずれの場合も、パルスレーザ光LBの出力(レーザ出力)と走査速度(XYステージ4の移動速度)を種々に違えた。具体的には、レーザ出力は2.0(W)、4.0(W)、6.0(W)の三水準とし、走査速度は、75(mm/s)〜350(mm/s)の範囲内でレーザ出力の大きさに応じて25(mm/s)刻みで複数の水準に設定した。
その他の条件は全ての基板Wについて共通で、以下の通りとした。
パルスレーザ光LBの波長:355nm;
集光位置:基板Wの表面;
集光位置におけるビーム径:2.3μm。
形成された溝部Gについて、実施例1と同様の評価を行った。
表2は、レーザ出力、走査速度、および、走査回数ごとに、分断後の基板Wの観察結果と溝部Gの幅wと深さDとの測定結果とを示している。
Figure 2015116774
表2に示すように、本実施例の場合は、1回走査よりもむしろ2回走査の方が「表面欠陥」と「断面不良」とがともに「無し」という場合が比較的多く存在した。一方、溝部Gの幅wと深さDとは、2回走査の方が大きくなる傾向があった。
(実施例4)
本実施例では、実施例3で基板Wを分断することで得られた個片のうち、分断起点の形成の条件を、走査回数とレーザ出力(単位W)と走査速度(単位mm/s)を以下の組合せとした6種類について、実施例2と同様に端面強度の評価を行った。
サンプル4:1回走査、2W、75mm/s;
サンプル5:1回走査、4W、150mm/s;
サンプル6:1回走査、6W、200mm/s。
サンプル7:2回走査、2W、100mm/s;
サンプル8:2回走査、4W、200mm/s;
サンプル9:2回走査、6W、275mm/s。
図5は、1回走査の場合のサンプル4〜6について、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。図6は、2回走査の場合のサンプル7〜9について、個片が破損した確率(Failure Probability)を、荷重(Stress)に対してプロットしたグラフである。
図5および図6からわかるように、6種のサンプルのうち、2回走査でかつレーザ出力4Wのサンプル8が、強度の最大値が最も大きい(最大値248MPa)という結果が得られた。
係る結果と実施例3の結果とを併せ考えると、端面強度をより高めるには、分断が好適に行える条件範囲で2回走査を行う方がよいということができる。具体的には、波長が355nmでレーザ出力が8Wのパルスレーザ光を集光位置におけるビーム径が2.3μmとなるように集光し、かつ、175mm/s以上225mm/s以下の走査速度で2回走査することで、後工程における分断が良好に行えるとともに端面強度の大きな分断個片を得ることの出来る分断起点が形成できる。
1 レーザ光源
2 ミラー機構
3 レンズ機構
4 XYステージ
10 レーザ加工装置
CR 亀裂
F 集光位置
G 溝部
LB パルスレーザ光
W 基板

Claims (4)

  1. 脆性材料基板を分断予定位置に沿って加工する方法であって、
    パルスレーザ光を集光し、前記パルスレーザ光の被照射領域において溶融アブレーションが生じる照射条件にて前記脆性材料基板の表面に設定された前記分断予定位置に沿って走査しつつ照射する照射工程を、一の前記分断予定位置に対して複数回繰り返すことにより、前記分断予定位置に沿った分断起点を形成する、
    ことを特徴とする脆性材料基板の加工方法。
  2. 請求項1に記載の脆性材料基板の加工方法であって、
    前記照射工程を2回繰り返すことを特徴とする脆性材料基板の加工方法。
  3. 請求項2に記載の脆性材料基板の加工方法であって、
    前記脆性材料基板が2つの基板を貼り合わせてなる貼り合わせ基板である、
    ことを特徴とする脆性材料基板の加工方法。
  4. 請求項3に記載の脆性材料基板の加工方法であって、
    前記パルスレーザ光は、波長が355nmである、
    ことを特徴とする脆性材料基板の加工方法。
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