JP2015116211A - 中空糸膜型血液浄化装置 - Google Patents

中空糸膜型血液浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】抗酸化性能を向上させ、かつ良好な透水性能及び血液適合性能、経済合理性を有する中空糸膜型血液浄化装置を提供すること。
【解決手段】中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化装置であって、該中空糸膜は、疎水性高分子、親水性高分子及び脂溶性ビタミンを含み、中空糸膜束の1/2半径の内円内を中心部、中心部に入らない部分を外周部とした際に、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量よりも多く、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下である中空糸膜型血液浄化装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、中空糸膜型血液浄化装置に関する。
従来、腎不全治療等における血液浄化療法では、血液中の尿毒素や老廃物を除去する目的で、セルロース、セルロースアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレートまたはポリアクリロニトリル等の高分子を用いた中空糸膜を分離材として具備する血液透析器、血液濾過器または血液透析濾過器等の中空糸膜型血液浄化装置が広く使用されている。
これら中空糸膜型血液浄化装置として、体外循環血液量の低減、血液中の尿毒物質除去効率の高さ、さらにモジュール生産時の高生産性等において優れており、中でも高い透過性と血液適合性の両立が可能なポリスルホン系中空糸膜およびポリエーテルスルホン系中空糸膜が広く使用されている(特許文献1及び2)。
さらに近年においては、血液中の尿毒素や老廃物除去だけでなく、長期透析患者において顕在化する酸化ストレスを緩和する目的で、例えば、分離膜を利用して酸化ストレスの原因物質である過酸化物を消去することや、生体の抗酸化効果を回復させる試みがなされている。
特許文献3及び4には、生体内抗酸化作用、生体膜安定化作用、血小板凝集抑制作用等の種々の生理作用を有するビタミンE等の脂溶性ビタミンを導入した中空糸膜型血液浄化装置が提案されている。ポリスルホン系中空糸膜及びポリエーテルスルホン系中空糸膜は血液の体外循環に伴って惹起される酸化ストレスを抑制するのに効果的な脂溶性ビタミンとの親和性が高く、中空糸膜への脂溶性ビタミンの固定化が容易なことが知られている。
一方、血液浄化療法に伴う合併症、例えば、急激に尿毒素濃度の低下した血液と、尿毒素濃度が維持されやすい体組織との浸透圧差により頭痛、吐き気、または嘔吐等の症状を呈する不均衡症候群等の報告例は現在においても後を絶たず、これらはただちに生命の危険や重篤な後遺障害を誘発するものではないものの、患者に苦痛を与えるものとなっている。
特開平7−178166号公報 特開2006−296931号公報 特開2013−9761号公報 特開2013−94525号公報
脂溶性ビタミンを導入した中空糸膜型血液浄化装置によって、これら合併症は緩和されると考えられているが、患者のさらなる負担軽減のため、より効率的な抗酸化性能を有する中空糸膜型血液浄化装置が待望されている。
上記事情に鑑みて鋭意検討したところ、中空糸膜型血液浄化装置において、抗酸化性能をさらに向上させるため、脂溶性ビタミンの固定化量を増やすことが検討されてきたが、後述する問題により単純に脂溶性ビタミンの固定化量を増やすことはできないことが分かった。
脂溶性ビタミンを中空糸膜型血液浄化装置に導入する方法としては、大きく分けて2つの手法が提案されている。1つは、紡糸原液に脂溶性ビタミンを添加する方法(例えば特許文献4)であり、もう1つは中空糸膜に脂溶性ビタミンをコートする方法(例えば特許文献3)である。
これら手法において製造された中空糸膜型血液浄化装置において、脂溶性ビタミンは中空糸膜型血液浄化装置の長さ方向に対して略均一に分布されている。そして、抗酸化性能向上を目的として、中空糸膜型血液浄化装置の中空糸膜全体への脂溶性ビタミンの固定化量を大きくすると、中空糸膜全体の透水性が低下する、血液適合性が低下する、経済的でない、といったデメリットが発生することが分かった。
そこで、本発明者らは、以下のことに注目した。
本発明者の検討により、中空糸膜束の中心部の方が外周部より血流量が多くなることが分かった(中空糸膜束の中心部及び外周部については、後述する。)。
実際に血液浄化療法において血液を循環する場合、中空糸膜型血液浄化装置の中心部は線速の影響をうけ血液の通過量が多くなるため、血液中に存在する過酸化物質の濃度が最も高くなるのは中空糸膜型血液浄化装置の中心部である。換言すると、中空糸膜型血液浄化装置の中心部の脂溶性ビタミンが最も多く消費されることになる。
また、血液が中空糸膜型血液浄化装置内を通過する際に、中空糸膜と血液間の作用によって活性酸素が発生するので、血液通過量の多い中心部の脂溶性ビタミンも多く消費されると考えられる。結果的に、中空糸膜型血液浄化装置の中心部にあたる脂溶性ビタミンは相対的に多く消費されることになり、この部分に対してのみ脂溶性ビタミンの固定化量を多くすれば、透水性低下、血液適合性低下、コストアップを招くことなく従来以上の抗酸化性能が得られると考えた。
これまでの技術において、以上で述べた点を考慮した中空糸膜型血液浄化装置は存在しなかった。
そこで、本発明は、抗酸化性能を向上させ、かつ良好な透水性能及び血液適合性能、経済合理性を有する中空糸膜型血液浄化装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化装置において、中空糸膜束を1/2半径の内円内を中心部、中心部に入らない部分を外周部とした際に、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量よりも多く、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下である中空糸膜型血液浄化装置によって、本発明が解決しようとする課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)
中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化装置であって、
該中空糸膜は、疎水性高分子、親水性高分子及び脂溶性ビタミンを含み、
中空糸膜束の1/2半径の内円内を中心部、中心部に入らない部分を外周部とした際に、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量よりも多く、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下である中空糸膜型血液浄化装置。
(2)
中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をA(mg/m)、外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をB(mg/m)とした際、AとBの比(A/B)が1.1以上である、(1)に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
(3)
前記A/Bが1.3以上50以下である、(2)に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
(4)
前記A/Bが4以上50以下である、(3)に中空糸膜型血液浄化装置。
(5)
前記疎水性高分子の溶解度パラメータδ(cal/cm1/2が13以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化装置。
(6)
前記疎水性高分子がポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びセルロースアセテートからなる群から選択されるいずれかである、(1)〜(5)のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化装置。
(7)
前記親水性高分子がポリビニルピロリドンである、(1)〜(6)のいずれかに記載の中空糸膜型血液浄化装置。
本発明によれば、抗酸化性能を向上させ、かつ良好な透水性能及び血液適合性能、経済合理性を有する中空糸膜型血液浄化装置を提供することができる。
中空糸膜束における中心部と外周部を模式的に示す図である。 典型的な中空糸膜型血液浄化装置を示し、また、中空糸膜型血液浄化装置において、中空糸膜束の範囲を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置は、中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化装置であって、該中空糸膜は、疎水性高分子、親水性高分子及び脂溶性ビタミンを含み、中空糸膜束の1/2半径の内円内を中心部、中心部に入らない部分を外周部とした際に、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量よりも多く、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下である。
本実施形態の「中空糸膜型血液浄化装置」とは、血液透析器、血液濾過透析器、血液濾過器、持続式血液濾過(透析)器等の血液体外循環治療のために使用される、血液を浄化する機器である。
<中空糸膜>
本実施形態において、「中空糸膜」は、中空糸膜型血液浄化装置に用いられる血液処理用の中空糸膜である。
中空糸膜の内径、膜厚及び長さ等の形態は任意に調整し得るが、例えば、内径は100μm以上300μm以下であってよく、膜厚は10μm以上100μm以下であってよく、長さは10μm以上40cm以下であってよい。
高い分子量分画性と高透水性を両立するために薄い緻密層(活性分離層)と、中空糸膜強度を担う多孔質層(支持層)を有する、いわゆる非対称膜であることが好ましい。
本実施形態において、「中空糸膜内表面」とは、中空糸膜の内腔部側表面である。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置には、中空糸膜型血液浄化装置を構成する容器に中空糸膜が充填されているが、複数本の中空糸膜が中空糸膜の束として充填されている。
<疎水性高分子>
本実施形態において、疎水性高分子とは、水に溶解しないか、あるいは、水に親和性を示さない合成高分子または天然高分子である。
疎水性高分子としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン−ポリアリレートのポリマーアロイ等のポリスルホン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートやその共重合体等のメタクリレート系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等が挙げられる。疎水性高分子として、これらの単独、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、ポリマーとしての組成の均一性から合成高分子が好ましく、ポリスルホン(以下、「PSf」と記載する場合がある。)は、血液浄化用途での好適な臨床実績が数多くあり、原料としての安定供給性に優れるためより好ましい。
本実施形態において、「ポリスルホン」には、芳香族ポリスルホンの芳香環の一部が化学修飾されたものの他に、ポリフェニルスルホンやポリアリルエーテルスルホン等も含まれる。
ポリスルホンとしては、例えば、繰り返し単位が下記化学式(1)〜(5)で示されるポリスルホン系高分子が挙げられる。nは重合度であり任意の値でよい。
化学式(1)のPSfは、ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ社より、「ユーデル」の商品名で、また、ビー・エー・エス・エフ(BASF)社より「ウルトラゾーン」の商品名で市販されており、重合度によって複数の種類が存在するが、特に限定するものではない。
化学式(2)のPSfは、住友化学社より、「スミカエクセルPES」の商品名で、また、ビー・エー・エス・エフ(BASF)社より「ウルトラゾーン」の商品名で市販されており、入手も容易であり好ましく、取扱性や、入手容易であるという観点から、1(W/V)%のジメチルホルムアミド溶液で測定した還元粘度が、好ましくは0.30〜0.60であり、より好ましくは0.36〜0.50である。
<親水性高分子>
本実施形態において、親水性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン(以下、「PVP」と記載する場合がある。)、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、紡糸の安定性や、PSfとの親和性の観点から、PVPが好ましく用いられる。親水性高分子として、これらの単独、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
PVPは、重合度によって複数の種類が存在し、例えば、ビー・エー・エス・エフ(BASF)社より、「プラスドン」の商品名で、K−15、30、90等の分子量違いのものが存在するが、いずれも用いることができる。
<脂溶性ビタミン>
本実施形態において、脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等が挙げられるが、これらの中では、過剰摂取をしても障害を誘発しないという観点から、ビタミンEが好ましい。脂溶性ビタミンとして、これらの単独、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビタミンEとしては、α−トコフェロール、α−酢酸トコフェロール、α−ニコチン酸トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等及びそれらの混合物を用いることができる。中でも、α−トコフェロールは生体内抗酸化作用、生体膜安定化作用、血小板凝集抑制作用等の種々の生理作用に優れており、酸化ストレスを抑制する効果が高いため好ましい。
<中空糸膜束を1/2半径の内円内を中心部とし、中心部に入らない部分を外周部とした場合における中心部及び外周部に存在する脂溶性ビタミン>
本実施形態において、中空糸膜束において断面方向における1/2半径での円を内円とする。そして、中空糸膜束の断面方向の内円内に入る部分を中心部と、中心部に入らない部分を外周部と定義する(図1)。
換言すれば、中空糸膜束の外周に相当する部分を外円として、その断面方向における1/2半径での円を内円とする場合に、中空糸膜束の内円内に属さない部分、すなわち、断面方向の1/2半径以上外周(半径に相当)に入る部分が外周部となる(図1)。
本実施形態において、中空糸膜束とは、中空糸膜型血液浄化装置のうち実質的に血液処理能力を有する部分であり、例えば、中空糸膜型血液浄化装置を解体した際に、中空糸膜型血液浄化装置両端に存在するポッティング層(ポッティング剤添加領域と非添加領域の界面)間に存在する部分である(図2)。
本実施形態においては、中心部に存在する脂溶性ビタミン量が外周部に存在する脂溶性ビタミン量よりも多い。
下記実施例において記載するとおり、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量と、外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量とを比較することにより、中心部に存在する脂溶性ビタミン量が外周部に存在する脂溶性ビタミン量よりも多いことを測定することができる。
本実施形態においては、中空糸膜束中の内円円周上に存在する中空糸膜については、中心部に入るものとする。
実際に血液を循環する場合、中空糸膜型血液浄化装置の中心部の脂溶性ビタミン量が最大である場合、中空糸膜型血液浄化装置内を通過する血液中に存在する過酸化物質の濃度が最も高いのは中空糸膜型血液浄化装置の中心部であるため、過酸化物質が脂溶性ビタミンによって効率よく消去される。また、中空糸膜と血液間の作用によって発生した活性酸素を効率よく消去することができる。
本実施形態においては、中心部に存在する脂溶性ビタミン量が外周部に存在する脂溶性ビタミン量よりも多く、かつ中心部の中空糸膜中に存在する脂溶性ビタミン量の中空糸膜内表面面積換算値、つまり、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下であり、好ましくは20mg/m以上250mg/m以下であり、より好ましくは20mg/m以上200mg/m以下である。脂溶性ビタミン量が、20mg/m以上であることにより、脂溶性ビタミンを付与したことによる効果を得ることができ、また300mg/m以下であることにより、血液適合性能や透水性能に優れる。
本実施形態において、「中心部/外周部に存在する脂溶性ビタミンの量」とは、中心部/外周部それぞれに属する中空糸膜に付着、吸着または被覆した脂溶性ビタミンの含有量をいい、中心部/外周部それぞれにある中空糸膜中に存在する脂溶性ビタミン量は、例えば、中空糸膜を破壊または溶解せずに溶媒によって抽出される脂溶性ビタミンの含有量によって定量することができる。
中心部/外周部それぞれにある中空糸膜中に存在する脂溶性ビタミンの量の測定方法の一例を説明する。
まず中空糸膜型血液浄化装置を分解し、中心部と外周部とに区別し、それぞれから中空糸膜を採取し、水洗した後、乾燥処理を施す。続いて精秤した乾燥後の中空糸膜に脂溶性ビタミンを溶解する界面活性剤、例えば1質量%のポリエチレングリコール−t−オクチルフェニルエーテル水溶液を加え撹拌・抽出を行う。抽出した中空糸膜の中空糸膜内表面面積は中空糸膜の内径及び長さから算出する。
定量操作は、例えば液体クロマトグラフ法により行い、脂溶性ビタミン標準溶液のピーク面積から得た検量線を用いて、抽出液中の脂溶性ビタミンの濃度を算出する。
液体クロマトグラフ法は、例示として記載するが、以下のようにして実施することができる。高速液体クロマトグラフ装置(ポンプ:日本分光PU−1580、検出器:島津RID−6A、オートインジェクター:島津SIL−6B、データ処理:東ソーGPC−8020、カラムオーブン:GL Sciences556)に、カラム(Shodex Asahipak社製ODP−506E packed column for HPLC)を取り付け、カラム温度40℃において、移動相である高速液体クロマトグラフィー用メタノールを、例えば流量1mL/minで通液し、UV検出器で波長295nmにおける吸収ピークの面積から脂溶性ビタミンの濃度を求める。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置においては、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をA(mg/m)、外周部中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をB(mg/m)とした際、AとBの比(A/B)が1.1以上であることが好ましく、また、50以下であることが好ましく、より好ましくはA/Bが1.3以上50以下であり、さらに好ましくは2.0以上50以下であり、よりさらに好ましくはA/Bが4.0以上50以下である。
A/Bが1.1以上であることにより、中空糸膜型血液浄化装置の抗酸化性能に優れ、A/Bが50以下であることにより、中空糸膜型血液浄化装置は外周部における脂溶性ビタミンの固定化量を適正なものとすることができ、中空糸膜型血液浄化装置全体としての抗酸化性能に優れる。
本実施形態において中空糸膜内表面面積が2.1m以下である中空糸膜型血液浄化装置においては、好ましくは、中空糸膜内表面面積が0.3m以上2.1m以下であり、A/Bが1.3以上50以下であることが好ましく、より好ましくはA/Bが2.0以上50以下、さらに好ましくはA/Bが4以上50以下である。また、中空糸膜内表面面積が2.1mより大きい中空糸膜型血液浄化装置においては、A/Bが1.1以上50以下であることが好ましく、より好ましくはA/Bが2.0以上50以下、さらに好ましくはA/Bが4以上50以下である。
これまでの検討から、中空糸膜に脂溶性ビタミンを固定化すると、中空糸膜型血液浄化装置の透水性能は低下することがわかっている。この問題に対して、通常は脂溶性ビタミンを固定化する前の中空糸膜構造を変更することにより、全体の透水性能を底上げすることにより解決するが、脂溶性ビタミンの固定化量によって透水性能の低下度合いは変化するので、様々な透水性能を有する中空糸膜を製造・保持する必要があり、製造者の負担が非常に高い。
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置では、中心部と外周部のビタミン固定化条件を選択するだけで透水性能を制御することが可能である。また、中心部と同量の脂溶性ビタミンが断面方向に、すなわち、外周部においても略均一に分布している中空糸膜型血液浄化装置と比較して、ほぼ同等の抗酸化性能を持ちながら、高い透水性能を有することができる。
<溶解度パラメータδ>
本実施形態における疎水性高分子は、溶解度パラメータ(cal/cm1/2が13以下であることにより、脂溶性ビタミンとの親和性が良好となり、中空糸膜へ脂溶性ビタミンを保持させることが容易となるため好ましい。溶解度パラメータδが9.50以上12以下であることが好ましい。
溶解度パラメータδとは、例えば、「高分子データハンドブック基礎編」社団法人高分子学会編、株式会社培風館、昭和61年1月30日初版発行、591〜593頁に記載される指標であり、溶解度パラメータが高い場合には親水性が強く、低い場合には疎水性が強いことを示し、この範囲の溶解度パラメータを持つ疎水性高分子を用いると脂溶性ビタミンが所定量中空糸膜に保持される。
疎水性高分子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(δ=9.10)、ポリスルホン(δ=9.90)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(δ=10.00)、セルロースジアセテート(δ=11.35)、ポリアクリロニトリル(δ=12.35)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート等が挙げられる。δとして記載する値は、一例として記載するものである。
疎水性高分子として、これらの単独、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<中空糸膜の製造方法>
本実施形態において、中空糸膜は、公知の乾湿式製膜技術を利用することにより製造できる。
疎水性高分子(好ましくは、PSf)と親水性高分子とを、共通溶媒に溶解し、紡糸原液を調製する。共通溶媒は特に限定されないが、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジオキサン等、またはこれら溶媒を2種類以上混合した混合溶媒等が挙げられる。紡糸原液を連続的に中空糸状に押し出すと同時に凝固剤を接触させて凝固した連続中空糸膜を得る。凝固剤は、疎水性高分子の溶媒及び非溶媒の混合液からなり、溶媒の濃度が0%以上60%以下である。なお、目的とする中空糸膜の孔径制御のため、紡糸原液には水等の添加物を加えてもよい。
紡糸原液中の疎水性高分子濃度は、製膜可能で、かつ得られた膜が透過膜としての性能を有するような濃度の範囲であれば特に限定されないが、好ましくは5質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。高い透水性能を達成するためには、疎水性高分子濃度は低い方がよく、さらに好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
紡糸原液中の親水性高分子の疎水性高分子に対する濃度は、疎水性高分子100質量%に対する親水性高分子の混和比率が、好ましくは27質量%以下であり、より好ましくは18質量%以上27質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以上27質量%以下である。
疎水性高分子に対する親水性高分子の混和比率が27質量%以下であることにより、親水性高分子の溶出量を減少させる傾向にあるため好ましい。また、18質量%以上であることにより、中空糸膜の表面の親水性高分子濃度が低下し、患者の血液中の白血球濃度が急激に低下するロイコペニア症状の発生を減少させることができより好ましい。
中空糸膜を製造する工程においては、チューブインオリフィス型の紡糸口金を用い、紡糸口金のオリフィスから紡糸原液を、凝固剤としての中空内液と同時に、チューブから空中に吐出させる。
中空内液としては、水、または水を主体とした溶液が使用でき、目的とする中空糸膜の透過性能に応じてその組成等を決定すればよい。一般的には、紡糸原液に使用した共通溶媒と水との混合溶液が好適に使用される。膜の溶質透過性能を制御する目的を満たすために共通溶媒の濃度を調整することが好ましく、一般に、0質量%以上70質量%以下の水溶液が用いられる。中空内液に親水性高分子を0質量%以上2質量%以下となるように添加して中空糸膜の表面の親水性高分子の存在量を調整することもできる。
紡糸口金から中空内液とともに吐出された紡糸原液は、空走部を走行させ、紡糸口金下部に設置した水を主体とする凝固浴中へ導入、浸漬して凝固を完了させ、洗浄工程等を経て、湿潤状態の中空糸膜を巻き取り機で巻き取り、中空糸膜の束を得、その後乾燥処理を行う。或いは、上記洗浄工程を経た後、乾燥機内にて乾燥を行い、中空糸膜の束を得てもよい。
<中空糸膜型血液浄化装置の製造方法>
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置の好ましい製造方法としては、例えば、上述したように中空糸膜の束を製造し、中空糸膜の束を中空糸膜の外側と接する処理液の出入口を有する筒状の容器に挿入し、両束端にポリウレタン等のポッティング剤を注入してポッティング層を形成して両端をシールし、その後、硬化後の余分なポッティング剤を切断除去して端面を開口させ、流体の出入口を持つヘッダーを取り付けた後に、脂溶性ビタミンを固定化して中空糸膜型血液浄化装置を製造する方法が挙げられる。
典型的な中空糸膜型血液浄化装置を図2に示すが、その目的の範囲内でデザインは適宜変更してもよい。また、ヘッダーの取り付けは脂溶性ビタミンを固定化した後で実施してもよい。
後述する滅菌処理工程を施すことが好ましい。脂溶性ビタミンの固定化は後述するように中空糸膜の束の状態で行ってもよい。
<中空糸膜への脂溶性ビタミンの固定化工程>
本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置は、例えば、以下に製造例1〜製造例3として記述するような直接浸漬法とコート法を組み合わせて製造してもよく、下記に限定されるものではない。
(製造例1)
容器に中空糸膜の束を組み立て、脂溶性ビタミン溶液のコート装置にセットする。コート装置の先端には、外周部の部分に圧力抵抗部位を設けた治具が備えられている。該治具は、中空糸膜型血液浄化装置に密着する構造であり、圧力抵抗部位はメッシュ状のものや外周部をすべてマスクするものでもよい。コート装置から脂溶性ビタミン溶液を流速100mL/min以上1500mL/min以下の速さで30秒間以上100秒間以下にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後、中空糸膜型血液浄化装置を取り出す。次いで、必要に応じて中空糸膜型血液浄化装置端の一方からエアーブローなどによって中空糸膜中に残存する脂溶性ビタミン溶液を吹き飛ばし乾燥する。この際、脂溶性ビタミン溶液をコートした側からエアーブローする事により、コートしていない側にも脂溶性ビタミン溶液を移動させ長手方向に均一にコートすることが可能である。また、エアーブロー工程を実施せずにコート側を上にして乾燥してもよい。キャップを取り付けることにより、本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置を得ることができる。
(製造例2)
容器に中空糸膜の束を組み立て、脂溶性ビタミン溶液のコート装置にセットする。コート装置の先端には、中空糸膜型血液浄化装置に密着する治具が備えられている。治具に脂溶性ビタミン溶液を送る配管内径は中空糸膜束断面積の1/10以上1/50以下であるコート装置から脂溶性ビタミン溶液を流速100mL/min以上1500mL/min以下の速さで30秒間以上100秒間以下にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後、中空糸膜型血液浄化装置を取り出す。次いで、必要に応じて中空糸膜型血液浄化装置端の一方からエアーブローなどによって中空糸膜中に残存する溶液を吹き飛ばし乾燥する。この際、脂溶性ビタミン溶液をコートした側からエアーブローする事により、コートしていない側にも脂溶性ビタミン溶液を移動させ長手方向に均一にコートすることが可能である。エアーブロー工程を実施せずにコート側を上にして乾燥してもよい。キャップを取り付けることにより、本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置を得ることができる。
(製造例3)
容器に中空糸膜の束を組み立て、脂溶性ビタミン溶液のコート装置にセットする。コート装置の先端には、中空糸膜型血液浄化装置に密着する治具が備えられている。コート装置から脂溶性ビタミン溶液を流速100mL/min以上1500mL/min以下の速さで30秒間以上100秒間以下にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後、中空糸膜型血液浄化装置を取り出す。次いで、必要に応じて中空糸膜型血液浄化装置端の一方から中心部をマスクして、エアーブローなどによって外周部の中空糸膜中に残存する脂溶性ビタミン溶液を吹き飛ばし乾燥する。その後、1時間以上12時間以下静置し中心部の中空糸膜に脂溶性ビタミン溶液を膜厚方向に浸漬させた後、中心部のマスクを外しエアーブローなどによって中空糸膜中に残存する溶液を吹き飛ばし乾燥する。この際、溶液をコートした側からエアーブローする事により、コートしていない側にも脂溶性ビタミン溶液を移動させ長手方向に均一にコートすることが可能である。キャップを取り付けることにより、本実施形態の中空糸膜型血液浄化装置を得ることができる。
本実施形態における製造例1〜製造例3において、コート前の中空糸膜の束としては、脂溶性ビタミンが全く固定化されていない中空糸膜を使用してもよいし、コート法によってある程度脂溶性ビタミンが断面方向に均一に固定化されたものを用いてもよく、また、中心部と外周部で透水性能の異なる中空糸膜の束を使用してもよい。これらの方法を組み合わせることによって、断面方向の脂溶性ビタミン分布を制御することができる。
本実施形態において、コート法とは、中空糸内腔に脂溶性ビタミン溶液を通液した後に溶媒を乾燥することにより脂溶性ビタミンが固定化された中空糸膜を得る方法を指す。また、中空糸膜型血液浄化装置を組み立てた後に、脂溶性ビタミンのコート液を中空糸膜型血液浄化装置にさらに通液してもよい。
コートする脂溶性ビタミン溶液の脂溶性ビタミン濃度、溶媒の種類、グリセリン等の界面活性剤によっても、中空糸膜型血液浄化装置の断面方向に対する脂溶性ビタミン分布を制御することが可能である。
本実施形態における製造例1〜製造例3において、脂溶性ビタミン溶液中の脂溶性ビタミン濃度としては、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上5質量%以下である。また、水性の脂溶性ビタミン溶液に脂溶性ビタミンを可溶にする添加剤(界面活性剤等)を脂溶性ビタミンに対して1/10倍以上2倍以下の量で添加するのが好ましい。
脂溶性ビタミン溶液に用いられる溶媒としては様々なものが使用可能であるが、50質量%以上80質量%以下のプロパノール等のアルコール水溶液が好ましい。脂溶性ビタミンを0.1質量%以上2.0質量%以下溶解した脂溶性ビタミン溶液を通液させる条件は、流速100mL/min以上1500mL/min以下の速さで30秒間以上60分間以下、好ましくは流速300ml/min以上1200ml/min以下の速さで50秒間以上10分間以下である。
製造例3において、中空糸膜型血液浄化装置として組み立てられた中空糸膜型血液浄化装置に直接脂溶性ビタミンを固定化してもよいし、上述の脂溶性ビタミン溶液を中空糸膜に直接通液してもよい。
<中空糸膜の湿潤化工程>
脂溶性ビタミンを固定化し、組み立てられた中空糸膜型血液浄化装置は、滅菌前に水系溶液で中空糸膜を湿潤化してもよい。水系溶液で中空糸膜を湿潤することにより中空糸膜が安定し、透水性能、透析性能、濾過性能等の性能の変化を起こすことが少なくなる。水系溶液で中空糸膜を湿潤化する方法は、中空糸膜を充填した容器に水系溶液を充填する方法、容器に水系溶液を充填した後排液する方法等が挙げられる。この中空糸膜の湿潤化工程は、以下に述べる滅菌保護剤の添加工程を兼ねることもできる。
<滅菌保護剤の添加工程>
滅菌保護剤とは、後述する滅菌処理工程において照射される放射線エネルギーによって、中空糸膜の親水性高分子が著しく変性を受けないように保護するためのものであって、一分子中に複数の水酸基や芳香環を有するラジカル捕捉剤である。
滅菌保護剤としては、例えば、グリセリンやプロピレングリコール等の(多価)アルコール類、オリゴ糖や多糖等の水溶性糖類、亜硫酸塩等の抗酸化作用を有する無機塩類等が挙げられる。
滅菌保護剤を中空糸膜に含浸させる方法は、滅菌保護剤を適当な溶媒に溶解して中空糸膜型血液浄化装置に導入する方法、例えば、水または生理的塩溶液に滅菌保護剤を溶解させて中空糸膜型血液浄化装置内部の空間に充填させる、または中空糸膜だけに含浸させる方法等が用いられる。湿潤化工程において、水系溶液として滅菌保護剤を含む水系溶液で湿潤化してもよい。
中空糸膜型血液浄化装置内に滅菌保護剤が存在すると、後述する放射線滅菌処理により中空糸膜型血液浄化装置、特に中空糸膜が変化を受けるのを抑制することができる。
滅菌保護剤を溶液状態にして用いる場合、滅菌保護剤の濃度は、中空糸膜型血液浄化装置の材質、親水性高分子の種類及び滅菌の条件によって最適な濃度を決定すればよいが、好ましくは0.001%以上1%以下であり、より好ましくは0.005%以上0.5%以下である
<中空糸膜型血液浄化装置の滅菌処理工程>
中空糸膜型血液浄化装置に対して、滅菌処理を施すことが好ましい。滅菌処理方法としては、放射線滅菌法、蒸気滅菌法等が挙げられる。
脂溶性ビタミンを多量に含む中空糸膜は、極度な加熱により破損を起こすリスクが生じるため、放射線滅菌法がより好ましい。放射線滅菌法には、電子線、ガンマ線、エックス線等を用いることができる。放射線の照射線量は、γ線や電子線の場合は、好ましくは5kGy以上50kGy以下であり、より好ましくは20kGy以上40kGy以下である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例に用いた評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
<中心部及び外周部の中空糸膜中に存在する脂溶性ビタミン量の測定>
中空糸膜型血液浄化器を分解して中心部と外周部とに区別し、それぞれから中空糸膜を採取し、水洗した後、40℃で真空乾燥した。乾燥後の中空糸膜内表面面積として0.2mとなるように中空糸膜をガラス瓶に秤取し、1質量%のトリトンX−100(キシダ化学、化学用)水溶液を80mL加え、室温で60分間、超音波振動を加えながら、脂溶性ビタミンの抽出を行った。定量操作は、液体クロマトグラフ法により行い、脂溶性ビタミン標準溶液のピーク面積から得た検量線を用いて、抽出液の脂溶性ビタミン量を求めた。すなわち、本実施例において、脂溶性ビタミン量は、中空糸内表面面積が0.2mとなる中空糸膜の平均値として求めることができる値である。
高速液体クロマトグラフ装置(ポンプ:日本分光PU−1580、検出器:島津RID−6A、オートインジェクター:島津SIL−6B、データ処理:東ソーGPC−8020、カラムオーブン:GL Sciences556)に、カラム(Shodex Asahipak ODP−506E packed column for HPLC)を取り付け、カラム温度40℃において、移動相である高速液体クロマトグラフィー用メタノールを流量1mL/minで通液し、紫外部の吸収ピークの面積から脂溶性ビタミン濃度を求めた。この濃度から、抽出効率を100%として、中空糸膜に存在する脂溶性ビタミン量(mg/m)を求めた。
滅菌処理により部分酸化した脂溶性ビタミン量も中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量に含めた。滅菌処理により部分酸化した脂溶性ビタミン量を定めるべく、予め検量線作成に用いる脂溶性ビタミンを空気中で50kGyの放射線に当て、部分酸化した脂溶性ビタミンの吸収ピークを予め定めておき、面積計算に用いるピーク群に含め、加算した。
<中空糸膜型血液浄化装置の抗酸化能力の測定>
塩化第二鉄6水和物を純水に溶解し、0.3w/v%(溶液100mL中の溶質の量(g))水溶液を調製した。次いで、中空糸膜型血液浄化器を分解して中空糸膜を採取し、水洗した後、40℃で真空乾燥した。乾燥後の中空糸膜1gと塩化第二鉄水溶液20mLとをガラス瓶に秤取し、60mmHgで10分間脱泡した後、振とう下で30℃×4時間インキュベートした(中空糸膜に存在する脂溶性ビタミンが鉄(III)イオンを還元し、鉄(II)が生じる。)。インキュベートした水溶液を2.6mL、エタノール0.7mL、別途調製した0.5w/v%の2,2’−ビピリジルエタノール水溶液0.7mLを混合し、振とう下で30℃×30分間インキュベートした(鉄(II)とビピリジルとが錯体を形成し、呈色する)。分光計を用いて、呈色した液の520nmにおける吸光度を測定した。
中空糸膜の代わりに、濃度既知の脂溶性ビタミンエタノール溶液を用いて、同様のインキュベーション、呈色反応、吸光度の測定を行って、検量線を作成し、中空糸膜内表面1mが発現する抗酸化能力を、脂溶性ビタミンの質量相当値として求めた(小数点以下第一位を四捨五入した)。
中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミンの質量相当値が15(mg/m)以上の場合を抗酸化能力が良好であると判断して○とし、15(mg/m)未満の場合を抗酸化能力が良好でないと判断して×とした。
<中空糸膜型血液浄化装置の透水性能増加量測定>
実施例及び比較例で製造された中空糸膜型血液浄化装置、及び、該中空糸膜型血液浄化装置の中心部の脂溶性ビタミン量(mg/m)と同量の脂溶性ビタミン量が、断面方向に略均一に固定化されている中空糸膜型血液浄化装置(別途、調製した)の両方において、一定圧力(200mmHg)、温度(37℃)条件下において、中空糸膜型血液浄化装置内を純水で全濾過させ、濾過に要する時間を測定した。この結果より、透水性能(UFR(mL/hr・mmHg))を算出した。
続いて、以下の式(1)より透水性能増加量の算出を行った。
透水性能増加量(UFR(mL/hr・mmHg))=C−D ・・・(1)
C:中空糸膜型血液浄化装置の透水性能(UFR(mL/hr・mmHg))
D:中心部と同量の脂溶性ビタミン量が、断面方向に略均一に固定化されている中空糸膜型血液浄化装置の透水性能(UFR(mL/hr・mmHg))
透水性能増加量が大きいほど、同一水準の抗酸化性能を有する中空糸膜型血液浄化装置に対する透水性能が高く、かつ高い生産合理性を意味するものとして評価し、透水性能増加量が10(UFR(mL/hr・mmHg))以上の場合を透水性能が良好であると判断した。
<中空糸膜型血液浄化装置の乳酸脱水素酵素(LDH)活性の測定>
中空糸膜型血液浄化装置を分解し、中心部と外周部の中空糸膜に分け、中心部の中空糸膜数と外周部の中空糸膜数の比が1:3となるようにそれぞれの部分からランダムに中空糸膜を採取し、有効長15cm、中空糸膜内表面面積が50mmとなるように両端をエポキシ接着剤で接着してミニモジュールを作製した。このミニモジュールに対し、生理食塩水(大塚製薬、大塚生食注)3mLを流速0.6mL/minで中空糸膜の内腔部に流し洗浄した。
その後、ヘパリン加人血15mLを37℃に温調し、1.2mL/minでの流速でミニモジュール内に4hr循環した。循環後、生理食塩水によりミニモジュールの内腔部を10mL、外側を10mLでそれぞれ洗浄した。
洗浄したミニモジュールから中空糸膜を採取後、これを細断してLDH活性測定用のスピッツ管に入れたものを測定用試料とした。
次に、燐酸緩衝溶液(PBS)(和光純薬工業)にTritonX−100(ナカライテスク)を溶解して得た0.5容量%のTritonX−100/PBS溶液をLDH活性測定用のスピッツ管に0.5mL添加後、遠心(2700rpm×5min)して中空糸膜を液中に沈め、振とう抽出を60分間行って中空糸膜に付着した細胞(主に血小板)を破壊し、細胞中のLDHを抽出した。この抽出液を0.05mL分取し、さらに0.6mMのピルビン酸ナトリウム溶液2.7mL、1.277mg/mLのニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)溶液0.3mLを加えて反応させ、さらに37℃で1時間反応させた後に、340nmの吸光度を測定した。
同様に血液と反応させていない中空糸膜(ブランク)についても吸光度を測定し、下記式(2)により吸光度の差を算出した。さらに下記式(2)で得られた値を、中空糸膜内表面面積で割った下記式(3)で得られた値をLDH活性として測定した。
Δ340nm=サンプルの60分後吸光度−ブランクの60分後吸光度 ・・・(2)
LDH活性=Δ340nm/中空糸膜内表面面積 ・・・(3)
上記式(3)で得られた値が大きいほど中空糸膜内表面への血小板の付着量が多いことを意味するものとして評価し、中空糸膜型血液浄化装置のLDH活性が50以下の場合を血液適合性が良好であると評価した。
〔実施例1〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ・アドバンスド・ポリマーズ(ソルベイ) P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、コート装置にセットし溶液を流速1500mL/minの速さで5分間にわたり中空糸膜型血液浄化処理装置内に通液させた後中空糸膜型血液浄化装置を取り出した。この時コート液の配管内径は中空糸膜束断面積の1/40であった。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、本発明の中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例2〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液を得た。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を1.3質量%溶解した溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で本発明の中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例3〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、外周部に圧力抵抗部位を設けた治具を備えたコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速500mL/minの速さで5分間にわたり血液処理装置内に通液させた後血液処理装置を取り出した。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、本発明の中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例4〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置をコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速1000mL/minの速さで1分間にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後、中空糸膜型血液浄化装置を取り出した。
次いで、中心部をマスクして溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を15分間通気して、外周部の溶媒を乾燥除去した。30分間静置した後、中心部のマスクを外し、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を15分間通気して、溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、本発明の中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例5〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜に、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、コート装置にセットし溶液を流速1500mL/minの速さで5分間にわたり血液処理装置内に通液させた後血液処理装置を取り出した。この時コート液の配管内径は中空糸膜束断面積の1/10であった。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
〔実施例6〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜に、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた血液処理装置を、外周部に圧力抵抗部位を設けた治具を備えたコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速1500ml/minの速さで15分間にわたり血液処理装置内に通液させた後血液処理装置を取り出した。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を50分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が2.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
〔実施例7〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜に、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、外周部に圧力抵抗部位を設けた治具を備えたコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速1500ml/minの速さで15分間にわたり血液処理装置内に通液させた後血液処理装置を取り出した。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を50分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
〔実施例8〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、外周部に圧力抵抗部位を設けた治具を備えたコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速500mL/minの速さで5分間にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後中空糸膜型血液浄化装置を取り出した。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が2.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、本発明の中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例9〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置をコート装置にセットし、コート装置から溶液を流速1000mL/minの速さで1分間にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後、中空糸膜型血液浄化装置を取り出した。
次いで、中心部をマスクして溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を15分間通気して、外周部の溶媒を乾燥除去した。30分間静置した後、中心部のマスクを外し、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を15分間通気して、溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が2.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、本発明の中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例10〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液を得た。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を1.3質量%溶解した溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で本発明の中空糸膜内表面面積が2.5mの中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔実施例11〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(ビー・エー・エス・エフ(BASF) K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。ここで、製膜原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この製膜原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜に、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。
イソプロパノール57質量%の水溶液に脂溶性ビタミンとしてα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.2質量%溶解し、コート装置内に準備した。組み立てた中空糸膜型血液浄化装置を、コート装置にセットし溶液を流速1500mL/minの速さで5分間にわたり中空糸膜型血液浄化装置内に通液させた後血液中空糸膜型血液浄化装置を取り出した。この時コート液の配管内径は中空糸膜束断面積の1/10であった。次いで、溶液をコートした側から35℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、脂溶性ビタミンを被覆により固定化した。
さらに、該脂溶性ビタミン固定化後の膜の両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が2.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
〔比較例1〕
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.5質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90)3.5質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド79.0質量%に溶解して均一な溶液とした。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は20質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド58.1質量%と水41.9質量%との混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。
次に、乾燥後の膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。この両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
次に、イソプロパノール57質量%の水溶液に、α−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を3.5質量%溶解した被覆溶液を、24℃温度下で中空糸膜型血液浄化器の血液導入ノズルから中空糸膜の内腔部に1分間通液してα−トコフェロールを接触させた。
その後、エアフラッシュして内腔部の残液を除去した後、イソプロパノール雰囲気の24℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、α−トコフェロールを固定化した。
湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路及び濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔比較例2〕
イソプロパノール溶液中におけるα−トコフェロールの濃度を0.16質量%に変更した以外は比較例1と同様の方法により、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液処理用装置を得た。
〔比較例3〕
特開2006−296931号公報の実施例1に記載されている内容をもとに、具体的には以下のようにして、中空糸膜型血液浄化装置を得た。
紡糸原液として、ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)18.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90、重量平均分子量1,200,000)4.3質量%を、N,N−ジメチルアセトアミド77.7質量%に溶解して均一な溶液を得た。紡糸原液中のポリスルホンに対するポリビニルピロリドンの混和比率は24質量%であった。この紡糸原液を60℃に保ち、N,N−ジメチルアセトアミド30質量%と水70質量%の混合溶液からなる内部液とともに、2重環状紡口から吐出させ、0.96mのエアーギャップを通過させて75℃の水からなる凝固浴へ浸漬し、80m/分にて巻き取った。この時、紡口から凝固浴までを円筒状の筒で囲み、筒の中に水蒸気を含んだ窒素ガスを流しながら、筒の中の湿度を54.5%、温度を51℃にコントロールした。紡速に対するエアーギャップの比率は、0.012m/(m/分)であった。巻き取った糸束を切断後、束の切断面上方から80℃の熱水シャワーを2時間かけて洗浄することにより膜中の残溶剤を除去し、該膜をさらに乾燥することにより含水量が1%未満の乾燥膜を得た。さらに、該乾燥膜を、液体の導入及び導出用の2本のノズルを有する筒状容器に充填して両端部をウレタン樹脂で包埋後、硬化したウレタン部分を切断して中空糸膜が開口した端部に加工した。この両端部に血液導入(導出)用のノズルを有するヘッダーキャップを装填し、中空糸膜内表面面積が1.5mの中空糸膜型血液浄化装置の形状に組み上げた。
次に、イソプロパノール57質量%の水溶液にα−トコフェロール(和光純薬工業 特級)を0.23質量%溶解した被覆溶液を、中空糸膜型血液浄化装置の血液導入ノズルから中空糸膜の内腔部に52秒通液してα−トコフェロールを接触させた。さらにエアフラッシュして内腔部の残液を除去した後、24℃の乾燥空気を30分間通気して溶媒を乾燥除去することにより、α−トコフェロールを被覆した。湿潤化工程として、滅菌保護剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを0.06%含み、さらにpH調整のための炭酸ナトリウムを0.03%含む水溶液を中空糸膜型血液浄化装置の血液側流路と濾液側流路に充填し、各ノズルを密栓した状態でγ線を25kGy照射滅菌することにより、中空糸膜型血液浄化装置を得た。
〔比較例4〕
特開2013−9761号公報の実施例2に記載されている内容をもとに、具体的には以下のようにして、中空糸膜型血液浄化装置を得た。
ポリスルホン(ソルベイ P−1700 溶解度パラメータδ 9.90)17.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF K90)4.0質量%を、α−トコフェロール(和光純薬工業 特級)0.5質量部、N,N−ジメチルアセトアミド78.5質量部からなる均一な紡糸原液を調製した。中空内液には、N,N−ジメチルアセトアミドの42質量%水溶液を用い、紡糸原液とともに、紡糸口金から吐出させた。その際、乾燥後の膜厚を45μm、内径を185μmに合わせるように紡糸原液及び中空内液の吐出量を調整した。吐出した紡糸原液を50cm下方に設けた水よりなる60℃の凝固浴に浸漬し、30m/分の速度で凝固工程、水洗工程(水洗処理)を通過させた後に乾燥機に導入し、120℃で2分間乾燥後、さらに160℃で0.5分間の加熱処理を行った後、クリンプを付与したポリスルホン系中空糸膜を巻き取った。巻き取った10000本の中空糸膜からなる束を、中空糸膜内表面面積が1.5mとなるように設計したプラスチック製筒状容器に装填し、その両端部をウレタン樹脂で接着固定し、両端面を切断して中空糸膜の開口端を形成した。
蒸留水(大塚製薬)95質量部とグリセリン(和光純薬工業 特級)5質量部からなる水溶液を中空糸膜内に100mL通液し、0.3MPaのエアーで10秒間ブローした。次いで40℃の乾燥空気で1時間乾燥した。乾燥後、両端部にヘッダーキャップを取り付けた。血液流出入側ノズルに栓を施した後、電子線を20kGy照射して、中空糸膜型血液浄化装置を得た。
実施例及び比較例で得られた中空糸膜型血液浄化装置について、評価方法に基づいて得られた結果を表1及び表2に示す。
本発明によれば、合併症を抑え生体適合性に優れる中空糸膜型血液浄化装置を提供することができる。本発明の中空糸膜型血液浄化器は、血液浄化療法において産業上の利用可能性を有する。
1 中空糸膜
1a 第一の流路
2 筒状容器
2a,2b ポート
3a,3b 封止樹脂
6a,6b ノズル
7a ヘッダーキャップ
8 ヘッダー内空間
10 中空糸膜型血液浄化装置
11 第2の流路
Fa 処理液1(例として透析液)の流れ方向
Fb 処理液2(例として血液)の流れ方向

Claims (7)

  1. 中空糸膜を容器に充填した中空糸膜型血液浄化装置であって、
    該中空糸膜は、疎水性高分子、親水性高分子及び脂溶性ビタミンを含み、
    中空糸膜束の1/2半径の内円内を中心部、中心部に入らない部分を外周部とした際に、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量よりも多く、中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量が20mg/m以上300mg/m以下である中空糸膜型血液浄化装置。
  2. 中心部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をA(mg/m)、外周部の中空糸膜内表面1mあたりの脂溶性ビタミン量をB(mg/m)とした際、AとBの比(A/B)が1.1以上である、請求項1に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
  3. 前記A/Bが1.3以上50以下である、請求項2に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
  4. 前記A/Bが4以上50以下である、請求項3に中空糸膜型血液浄化装置。
  5. 前記疎水性高分子の溶解度パラメータδ(cal/cm1/2が13以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
  6. 前記疎水性高分子がポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びセルロースアセテートからなる群から選択されるいずれかである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
  7. 前記親水性高分子がポリビニルピロリドンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の中空糸膜型血液浄化装置。
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