JP2015115866A - 分波器 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの周波数帯域の組み合わせに対応可能な分波器を実現する。
【解決手段】分波器1は、ローパスフィルタ10と、第1のバンドパスフィルタ20と、第2のバンドパスフィルタ30と、ハイパスフィルタ40を備えている。第1のバンドパスフィルタ20の通過帯域の中心周波数と帯域幅をfc1,BW1とし、第2のバンドパスフィルタ30の通過帯域の中心周波数と帯域幅をfc2,BW2とし、fc1/BW1をQ1とし、fc2/BW2をQ2とし、√(fc1×fc2)をfmとし、fm/(fc2−fc1)をPとしたとき、Q1は9.5以上398以下であり、Q2は10.2以上405以下であり、Pは9.99以上100以下である。
【選択図】図1
【解決手段】分波器1は、ローパスフィルタ10と、第1のバンドパスフィルタ20と、第2のバンドパスフィルタ30と、ハイパスフィルタ40を備えている。第1のバンドパスフィルタ20の通過帯域の中心周波数と帯域幅をfc1,BW1とし、第2のバンドパスフィルタ30の通過帯域の中心周波数と帯域幅をfc2,BW2とし、fc1/BW1をQ1とし、fc2/BW2をQ2とし、√(fc1×fc2)をfmとし、fm/(fc2−fc1)をPとしたとき、Q1は9.5以上398以下であり、Q2は10.2以上405以下であり、Pは9.99以上100以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、互いに周波数が異なる複数の信号を分離する分波器に関する。
近年、LTE(Long Term Evolution)規格の移動体通信システムが実用化され、LTE規格の発展規格であるLTE−Advanced規格の移動体通信システムの実用化が検討されている。LTE−Advanced規格における主要技術の一つに、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggrigation、以下CAとも記す。)がある。CAは、コンポーネントキャリアと呼ばれる複数のキャリアを同時に用いて広帯域伝送を可能にする技術である。
CAに対応した移動体通信機器では、複数の周波数帯域が同時に使用される。そのため、CAに対応した移動体通信機器では、複数の周波数帯域の複数の信号を同時に分離できる分波器が必要になる。
従来、例えば特許文献1〜3に記載されているように、互いに周波数が異なる3つまたは4つの信号を分離する分波器は知られている。
特許文献1には、周波数の最も低い第1の信号と、中間の周波数の第2の信号と、周波数の最も高い第3の信号とを分離するトリプレクサが記載されている。このトリプレクサは、第1の信号を通過させるローパスフィルタと、第2の信号と第3の信号を通過させるハイパスフィルタと、ハイパスフィルタを通過した信号から第3の信号を分離するノッチフィルタと、ハイパスフィルタを通過した信号から第2の信号を分離するバンドパスフィルタとを備えている。
特許文献2には、低い周波数の第1周波数帯域信号と、中間の周波数の第2周波数帯域信号と、高い周波数の第3周波数帯域信号とを分離するトリプレクサ回路が記載されている。このトリプレクサ回路は、第1周波数帯域信号を選択するローパスフィルタと、第2周波数帯域信号を選択するバンドパスフィルタと、第3周波数帯域信号を選択するハイパスフィルタとを備えている。バンドパスフィルタとハイパスフィルタは、分布定数回路素子を用いて構成されている。
また、特許文献3には、4つの信号を分離するクワッドプレクサが記載されている。このクワッドプレクサは、入力/出力ポートに接続された4つのバンドパスフィルタによって構成されている。
互いに周波数が異なる3つの信号を分離する分波器では、特許文献1に記載された第2の信号の周波数帯域と第3の信号の周波数帯域のように、周波数帯域が近い2つの信号を分離するのが難しいという問題点があった。特許文献1に記載されたトリプレクサでは、周波数帯域が近い第2の信号と第3の信号を分離するために、ハイパスフィルタと、その後段に接続された並列のノッチフィルタおよびバンドパスフィルタを用いている。このトリプレクサでは、第2の信号はハイパスフィルタおよびバンドパスフィルタを通過し、第3の信号はハイパスフィルタおよびノッチフィルタを通過する。そのため、このトリプレクサでは、第2の信号および第3の信号に対する挿入損失が大きくなるという問題点があった。
特許文献2に記載されたトリプレクサ回路では、バンドパスフィルタとハイパスフィルタを、分布定数回路素子を用いて構成された、急峻な通過−減衰特性を有するフィルタとすることによって、周波数帯域が近い第2周波数帯域信号と第3周波数帯域信号の分離を可能にしている。
ところで、CAに対応した移動体通信機器に用いられる分波器には、同時に使用される複数の周波数帯域の複数の信号を同時に分離できることが求められる。一方、CAによって同時に使用される複数の周波数帯域の組み合わせとしては、様々な組み合わせが想定されている。CAに対応した移動体通信機器に用いられる分波器には、できるだけ多くの周波数帯域の組み合わせに対応できることが望まれる。
特許文献3に記載されているような複数のバンドパスフィルタのみによって構成された分波器は、対応可能な複数の周波数帯域の組み合わせが限定されるため、CAに対応した移動体通信機器に用いられる分波器としては適していない。
多くの周波数帯域の組み合わせに対応可能な分波器の構成としては、特許文献2に記載されているようなローパスフィルタとバンドパスフィルタとハイパスフィルタを備えた分波器において、各フィルタの通過帯域を広くした構成が考えられる。このような構成の分波器を、CAに対応した移動体通信機器に用いる場合には、各フィルタの後段に、その移動体通信機器で使用する周波数帯域に対応したバンドパスフィルタや他の分波器を接続することで、多くの周波数帯域の組み合わせに対応することが可能になる。
しかし、上記の構成では、ローパスフィルタの通過帯域とバンドパスフィルタの通過帯域が接近し、バンドパスフィルタの通過帯域とハイパスフィルタの通過帯域が接近する。そのため、各フィルタの通過帯域を互いに十分に分離できるような各フィルタの特性を実現することが難しいという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、多くの周波数帯域の組み合わせに対応可能な分波器を提供することにある。
本発明の分波器は、共通ポートと、第1の信号ポートと、第2の信号ポートと、第3の信号ポートと、第4の信号ポートと、共通ポートと第1の信号ポートとの間に設けられたローパスフィルタと、共通ポートと第2の信号ポートとの間に設けられた第1のバンドパスフィルタと、共通ポートと第3の信号ポートとの間に設けられた第2のバンドパスフィルタと、共通ポートと第4の信号ポートとの間に設けられたハイパスフィルタとを備えている。
ローパスフィルタは、第1の遮断周波数以下の第1の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。第1のバンドパスフィルタは、第1の遮断周波数よりも高い第2の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。第2のバンドパスフィルタは、第2の通過帯域よりも高い第3の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。ハイパスフィルタは、第3の通過帯域よりも高い第2の遮断周波数以上の第4の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。
第2の通過帯域の中心周波数をfc1とし、第2の通過帯域の帯域幅をBW1とし、第3の通過帯域の中心周波数をfc2とし、第3の通過帯域の帯域幅をBW2とし、fc1/BW1をQ1とし、fc2/BW2をQ2とし、√(fc1×fc2)をfmとし、fm/(fc2−fc1)をPとしたとき、Q1は9.5以上398以下であり、Q2は10.2以上405以下であり、Pは9.99以上100以下である。
本発明の分波器において、fmは1.0〜4.0GHzの範囲内であってもよく、fc2−fc1は0.04〜0.1GHzの範囲内であってもよく、BW1とBW2はそれぞれ0.01〜0.1GHzの範囲内であってもよい。
また、本発明の分波器において、Q1は13.5以上198以下であってもよく、Q2は14.2以上205以下であってもよく、Pは14以上50以下であってもよい。この場合、fmは1.4〜2.0GHzの範囲内であってもよく、fc2−fc1は0.04〜0.1GHzの範囲内であってもよく、BW1とBW2はそれぞれ0.01〜0.1GHzの範囲内であってもよい。
また、本発明の分波器において、第1および第2のバンドパスフィルタは、それぞれ弾性波共振器を用いて構成されていてもよい。
本発明において規定されたQ1,Q2の範囲は、第1および第2のバンドパスフィルタが、それぞれ急峻な通過減衰特性を有することを表している。また、本発明において規定されたPの範囲は、第2の通過帯域の中心周波数fc1と第3の通過帯域の中心周波数fc2が近いことを表している。本発明によれば、このような特性の第1および第2のバンドパスフィルタと、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを組み合わせて分波器を構成することにより、第1の遮断周波数を第2の通過帯域に近づけ、第2の遮断周波数を第3の通過帯域に近づけながら、4つのフィルタが選択的に通過させる4つの信号を分離することが可能になると共に、第1の遮断周波数と第2の遮断周波数を互いに近づけることが可能になる。そのため、本発明によれば、ローパスフィルタの第1の通過帯域とハイパスフィルタの第4の通過帯域を広くすることができ、その結果、ローパスフィルタとハイパスフィルタを多くの周波数帯域で利用することが可能になる。これらのことから、本発明によれば、多くの周波数帯域の組み合わせに対応可能な分波器を実現することができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る分波器の概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る分波器を含むシステムの一例を示すブロック図である。
図1に示したように、本実施の形態に係る分波器1は、共通ポート2と、第1の信号ポート3と、第2の信号ポート4と、第3の信号ポート5と、第4の信号ポート6とを備えている。分波器1は、更に、ローパスフィルタ10と、第1のバンドパスフィルタ20と、第2のバンドパスフィルタ30と、ハイパスフィルタ40とを備えている。
ローパスフィルタ10は、共通ポート2と第1の信号ポート3との間に設けられている。第1のバンドパスフィルタ20は、共通ポート2と第2の信号ポート4との間に設けられている。第2のバンドパスフィルタ30は、共通ポート2と第3の信号ポート5との間に設けられている。ハイパスフィルタ40は、共通ポート2と第4の信号ポート6との間に設けられている。
ローパスフィルタ10は、第1の遮断周波数fL以下の第1の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。第1のバンドパスフィルタ20は、第1の遮断周波数fLよりも高い第2の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。第2のバンドパスフィルタ30は、第2の通過帯域よりも高い第3の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。ハイパスフィルタ40は、第3の通過帯域よりも高い第2の遮断周波数fH以上の第4の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させる。
図1には、分波器1を含むシステムの一例を示している。このシステムは、CAに対応した移動体通信機器におけるフロントエンド部を構成している。このシステムでは、共通ポート2は、アンテナ9に接続されている。また、このシステムは、分波器1の他に、2つの単極双投型のスイッチ51,52と、4つのデュプレクサ61,62,63,64を備えている。
スイッチ51は、3つの端子51a,51b,51cを有している。端子51aは、端子51b,51cの一方に選択的に接続されるようになっている。端子51aは、第1の信号ポート3に接続されている。
スイッチ52は、3つの端子52a,52b,52cを有している。端子52aは、端子52b,52cの一方に選択的に接続されるようになっている。端子52aは、第4の信号ポート6に接続されている。
図示しないが、デュプレクサ61〜64は、それぞれ送信用バンドパスフィルタと受信用バンドパスフィルタとを備えている。1つのデュプレクサにおける送信用バンドパスフィルタと受信用バンドパスフィルタの通過帯域は、近いが互いに異なっている。送信用バンドパスフィルタは、その通過帯域内の周波数の送信信号を選択的に通過させる。受信用バンドパスフィルタは、その通過帯域内の周波数の受信信号を選択的に通過させる。このようにして、デュプレクサ61〜64は、それぞれ送信信号と受信信号を分離する。
以下、1つのデュプレクサにおける送信用バンドパスフィルタと受信用バンドパスフィルタの通過帯域を合わせた帯域を、そのデュプレクサにおける送受信帯域と言う。デュプレクサ61〜64のそれぞれにおける送受信帯域は、互いに異なっている。デュプレクサ61,62のそれぞれにおける送受信帯域は、ローパスフィルタ10の第1の通過帯域に含まれている。デュプレクサ63,64のそれぞれにおける送受信帯域は、ハイパスフィルタ40の第4の通過帯域に含まれている。
デュプレクサ61は、共通端子61aと送信信号端子61bと受信信号端子61cとを備えている。共通端子61aは、スイッチ51の端子51bに接続されている。デュプレクサ61の送信用バンドパスフィルタは、共通端子61aと送信信号端子61bとの間に設けられている。デュプレクサ61の受信用バンドパスフィルタは、共通端子61aと受信信号端子61cとの間に設けられている。
デュプレクサ62は、共通端子62aと送信信号端子62bと受信信号端子62cとを備えている。共通端子62aは、スイッチ51の端子51cに接続されている。デュプレクサ62の送信用バンドパスフィルタは、共通端子62aと送信信号端子62bとの間に設けられている。デュプレクサ62の受信用バンドパスフィルタは、共通端子62aと受信信号端子62cとの間に設けられている。
デュプレクサ63は、共通端子63aと送信信号端子63bと受信信号端子63cとを備えている。共通端子63aは、スイッチ52の端子52bに接続されている。デュプレクサ63の送信用バンドパスフィルタは、共通端子63aと送信信号端子63bとの間に設けられている。デュプレクサ63の受信用バンドパスフィルタは、共通端子63aと受信信号端子63cとの間に設けられている。
デュプレクサ64は、共通端子64aと送信信号端子64bと受信信号端子64cとを備えている。共通端子64aは、スイッチ52の端子52cに接続されている。デュプレクサ64の送信用バンドパスフィルタは、共通端子64aと送信信号端子64bとの間に設けられている。デュプレクサ64の受信用バンドパスフィルタは、共通端子64aと受信信号端子64cとの間に設けられている。
分波器1のバンドパスフィルタ20,30は、1つのデュプレクサを構成してもよい。すなわち、例えば、バンドパスフィルタ20が選択的に通過させる信号は送信信号で、バンドパスフィルタ30が選択的に通過させる信号は受信信号であってもよい。この場合におけるバンドパスフィルタ20,30の通過帯域を合わせた帯域を、バンドパスフィルタ20,30における送受信帯域と言う。このバンドパスフィルタ20,30における送受信帯域は、デュプレクサ61,62のそれぞれにおける送受信帯域よりも高く、デュプレクサ63,64のそれぞれにおける送受信帯域よりも低い。この場合、図1に示したシステムは、5つの送受信帯域を互いに分離する。ただし、図1に示したシステムは、スイッチ51,52を含んでいるため、同時に分離できるのは3つの送受信帯域、すなわち、デュプレクサ61,62の一方における送受信帯域と、バンドパスフィルタ20,30における送受信帯域と、デュプレクサ63,64の一方における送受信帯域である。
次に、図2の回路図を参照して、分波器1の回路構成の一例について説明する。この例では、分波器1は、ローパスフィルタ10、バンドパスフィルタ20,30およびハイパスフィルタ40の他に、キャパシタC1と2つの整合回路7,8を備えている。キャパシタC1の一端は、共通ポート2に接続されている。キャパシタC1の他端は、整合回路7の一端に接続されている。整合回路7の他端は、整合回路8の一端に接続されている。
ローパスフィルタ10の一端は、共通ポート2に接続されている。ローパスフィルタ10の他端は、第1の信号ポート3に接続されている。第1のバンドパスフィルタ20の一端は、整合回路7の他端に接続されている。第1のバンドパスフィルタ20の他端は、第2の信号ポート4に接続されている。第2のバンドパスフィルタ30の一端は、整合回路8の他端に接続されている。第2のバンドパスフィルタ30の他端は、第3の信号ポート5に接続されている。ハイパスフィルタ40の一端は、キャパシタC1と整合回路7の接続点に接続されている。ハイパスフィルタ40の他端は、第4の信号ポート6に接続されている。
キャパシタC1と整合回路7,8は、各フィルタ10,20,30,40を経由する4つの信号経路のインピーダンス特性を調整するものである。整合回路7,8は、それぞれ、少なくとも1つのインダクタと少なくとも1つのキャパシタを用いて構成されている。
ローパスフィルタ10は、3つのインダクタL11,L12,L13と4つのキャパシタC11,C12,C13,C14を含んでいる。インダクタL11の一端とキャパシタC11の一端は、共通ポート2に接続されている。インダクタL11の他端とキャパシタC11の他端は、インダクタL12の一端、キャパシタC12の一端およびキャパシタC13の一端に接続されている。インダクタL12の他端とキャパシタC12の他端は、キャパシタC14の一端と信号ポート3に接続されている。キャパシタC13の他端とキャパシタC14の他端は、インダクタL13の一端に接続されている。インダクタL13の他端は、グランドに接続されている。
第1のバンドパスフィルタ20と第2のバンドパスフィルタ30は、それぞれ、複数の弾性波共振器を用いて構成されている。第1のバンドパスフィルタ20は、5つの共振器R21,R22,R23,R24,R25を含んでいる。共振器R21〜R25は、いずれも弾性波共振器である。共振器R21の一端は、整合回路7の他端に接続されている。共振器R21の他端は、共振器R22の一端と共振器R24の一端に接続されている。共振器R22の他端は、共振器R23の一端と共振器R25の一端に接続されている。共振器R23の他端は、信号ポート4に接続されている。共振器R24の他端と共振器R25の他端は、グランドに接続されている。
第2のバンドパスフィルタ30は、7つの共振器R31,R32,R33,R34,R35,R36,R37を含んでいる。共振器R31〜R37は、いずれも弾性波共振器である。共振器R31の一端と共振器R34の一端は、整合回路8の他端に接続されている。共振器R31の他端は、共振器R32の一端と共振器R35の一端に接続されている。共振器R32の他端は、共振器R33の一端と共振器R36の一端に接続されている。共振器R33の他端は、共振器R37の一端と信号ポート5に接続されている。共振器R34,R35,R36,R37のそれぞれの他端は、グランドに接続されている。
弾性波共振器とは、弾性波素子を用いて構成された共振器である。弾性波素子とは、弾性波を利用した素子である。弾性波素子は、弾性表面波を利用する弾性表面波素子でもよいし、バルク弾性波を利用するバルク弾性波素子でもよい。弾性表面波素子が圧電体の表面を伝播する音波(弾性表面波)を利用しているのに対し、バルク弾性波素子は、圧電体の内部を伝播する音波(バルク弾性波)を利用するものである。一般的に、弾性波共振器は、インダクタとキャパシタを用いて構成されたLC共振器に比べて、急峻な周波数特性、すなわち大きなQ値を実現するのに適している。
ハイパスフィルタ40は、2つのインダクタL41,L42と4つのキャパシタC41,C42,C43,C44を含んでいる。インダクタL41の一端は、キャパシタC1の他端に接続されている。インダクタL41の他端は、キャパシタC41の一端に接続されている。キャパシタC41の他端は、キャパシタC42の一端、キャパシタC43の一端およびインダクタL42の一端に接続されている。キャパシタC42の他端は、信号ポート6に接続されている。キャパシタC43の他端とインダクタL42の他端は、キャパシタC44の一端に接続されている。キャパシタC44の他端は、グランドに接続されている。
なお、本実施の形態に係る分波器1の回路構成は、図2に示した構成に限られるものではない。
本実施の形態に係る分波器1では、ローパスフィルタ10の通過帯域である第1の通過帯域内の周波数の信号は、共通ポート2と第1の信号ポート3との間の、ローパスフィルタ10を経由する信号経路を通過する。第1のバンドパスフィルタ20の通過帯域である第2の通過帯域内の周波数の信号は、共通ポート2と第2の信号ポート4との間の、第1のバンドパスフィルタ20を経由する信号経路を通過する。第2のバンドパスフィルタ30の通過帯域である第3の通過帯域内の周波数の信号は、共通ポート2と第3の信号ポート5との間の、第2のバンドパスフィルタ20を経由する信号経路を通過する。ハイパスフィルタ40の通過帯域である第4の通過帯域内の周波数の信号は、共通ポート2と第4の信号ポート6との間の、ハイパスフィルタ40を経由する信号経路を通過する。このようにして、分波器1は、互いに周波数が異なる4つの信号を分離する。
次に、図3および図4を参照して、分波器1の特徴について概念的に説明する。図3は、分波器1における4つのフィルタ10,20,30,40の通過帯域を概念的に示す説明図である。図4は、分波器1における第1および第2のバンドパスフィルタ20,30の通過帯域を概念的に示す説明図である。図3および図4において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。
図3において、符号11を付した曲線は、ローパスフィルタ10の通過減衰特性を示している。符号21を付した曲線は、第1のバンドパスフィルタ20の通過減衰特性を示している。符号31を付した曲線は、第2のバンドパスフィルタ30の通過減衰特性を示している。符号41を付した曲線は、ハイパスフィルタ40の通過減衰特性を示している。図4は、図3に示したバンドパスフィルタ20,30の通過減衰特性21,31の一部を拡大して示している。
図3には、ローパスフィルタ10の第1の遮断周波数fLと、ハイパスフィルタ40の第2の遮断周波数fHを示している。第1の遮断周波数fLは、ローパスフィルタ10の通過減衰特性において、減衰量の最小値に比べて減衰量が3dBだけ大きくなるときの周波数である。第2の遮断周波数fHは、ハイパスフィルタ40の通過減衰特性において、減衰量の最小値に比べて減衰量が3dBだけ大きくなるときの周波数である。
ここで、第1のバンドパスフィルタ20の第2の通過帯域の中心周波数をfc1とし、第2の通過帯域の帯域幅をBW1とする。また、第2のバンドパスフィルタ30の第3の通過帯域の中心周波数をfc2とし、第3の通過帯域の帯域幅をBW2とする。図3には、中心周波数fc1,fc2を示している。図4には、中心周波数fc1,fc2および帯域幅BW1,BW2を示している。
以下、中心周波数fc1,fc2および帯域幅BW1,BW2の定義について説明する。まず、第1のバンドパスフィルタ20の通過減衰特性において、減衰量の最小値に比べて減衰量が3dBだけ大きくなるときの2つの周波数をf11,f12とする。f12はf11よりも高い。また、第2のバンドパスフィルタ30の通過減衰特性において、減衰量の最小値に比べて減衰量が3dBだけ大きくなるときの2つの周波数をf21,f22とする。f22はf21よりも高い。中心周波数fc1,fc2および帯域幅BW1,BW2は、以下の4つの式で定義される。
fc1=√(f11×f12)
fc2=√(f21×f22)
BW1=f12−f11
BW2=f22−f21
fc2=√(f21×f22)
BW1=f12−f11
BW2=f22−f21
なお、図3および図4に示した特性は、分波器1の特徴を概念的に説明するための一例であり、分波器1の特性は、図3および図4に示した例に限られない。また、図3および図4に示した例では、フィルタ10,20,30,40の通過減衰特性における減衰量の最小値を全て0dBとしている。しかし、これらの減衰量の最小値は0dBではなくてもよい。
ここで、以下の式によって、fmを定義する。fmは、中心周波数fc1,fc2の幾何平均である。
fm=√(fc1×fc2)
本実施の形態では、以下の3つの式によって、3つのパラメータQ1,Q2,Pを定義する。
Q1=fc1/BW1
Q2=fc2/BW2
P=fm/(fc2−fc1)
Q2=fc2/BW2
P=fm/(fc2−fc1)
Q1は、第1のバンドパスフィルタ20のQ値である。Q1が大きいほど、第1のバンドパスフィルタ20の通過減衰特性が急峻であると言える。同様に、Q2は、第2のバンドパスフィルタ30のQ値である。Q2が大きいほど、第2のバンドパスフィルタ30の通過減衰特性が急峻であると言える。
Pの定義は、Q値の定義に似ている。Pは、中心周波数fc1と中心周波数fc2の近さを示す指標である。Pが大きいほど、中心周波数fc1と中心周波数fc2が近いと言える。図4には、fmと、fc2−fc1を示している。
本実施の形態では、fmは、例えば1.0〜4.0GHzの範囲内である。fmは、1.4〜2.0GHzの範囲内であることが好ましく、1.4〜1.6GHzの範囲内であることがより好ましい。また、fc2−fc1は、0.04〜0.1GHzの範囲内であることが好ましい。BW1とBW2は、それぞれ0.01〜0.1GHzの範囲内であることが好ましい。
本実施の形態に係る分波器1では、Q1は9.5以上398以下であり、Q2は10.2以上405以下であり、Pは9.99以上100以下である。以下、これらQ1,Q2,Pの範囲を、それぞれ、Q1,Q2,Pの満たすべき範囲と呼ぶ。
Q1は13.5以上198以下であることが好ましく、Q2は14.2以上205以下であることが好ましく、Pは14以上50以下であることが好ましい。これらQ1,Q2,Pの範囲を、それぞれ、Q1,Q2,Pの好ましい範囲と呼ぶ。
Q1は13.5以上158以下であることがより好ましく、Q2は14.2以上165以下であることがより好ましく、Pは14以上40以下であることがより好ましい。これらQ1,Q2,Pの範囲を、それぞれ、Q1,Q2,Pのより好ましい範囲と呼ぶ。
本実施の形態において、Q1,Q2,Pの満たすべき範囲、好ましい範囲およびより好ましい範囲がどのようにして決定されたかについては、後で詳しく説明する。
Q1,Q2の満たすべき範囲は、第1および第2のバンドパスフィルタ20,30が、それぞれ急峻な通過減衰特性を有することを表している。また、Pの満たすべき範囲は、第2の通過帯域の中心周波数fc1と第3の通過帯域の中心周波数fc2が近いことを表している。本実施の形態によれば、このような特性の第1および第2のバンドパスフィルタ20,30と、ローパスフィルタ10およびハイパスフィルタ40を組み合わせて分波器1を構成することにより、第1の遮断周波数fLを第2の通過帯域に近づけ、第2の遮断周波数fHを第3の通過帯域に近づけながら、4つのフィルタ10,20,30,40が選択的に通過させる4つの信号を分離することが可能になる。また、本実施の形態によれば、第1の遮断周波数fLと第2の遮断周波数fHを互いに近づけることが可能になる。そのため、本実施の形態によれば、ローパスフィルタ10の第1の通過帯域とハイパスフィルタ40の第4の通過帯域を広くすることができる。これにより、例えば図1に示したシステムのように、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ40を多くの周波数帯域で利用することが可能になる。
ここで、fc1,fc2とPのいつかの具体例を示す。fc1が1.5GHz、fc2が2.0GHzのときは、Pは3.46となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入らない。
fc1が1.5GHz、fc2が1.7GHzのときは、Pは7.98となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入らない。
fc1が1.5GHz、fc2が1.6GHzのときは、Pは19.6となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入っている。
fc1が1.45GHz、fc2が1.5GHzのときは、Pは29.5となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入っている。図3および図4は、この例を示している。
fc1が2.0GHz、fc2が2.1GHzのときは、Pは29.7となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入っている。
fc1が0.95GHz、fc2が1.05GHzのときは、Pは9.99となる。このPの値は、Pの満たすべき範囲に入っている。
以下、本実施の形態において、Q1,Q2,Pの満たすべき範囲、好ましい範囲およびより好ましい範囲がどのようにして決定されたかについて、詳しく説明する。始めに、Pの範囲について説明する。
fmを一定にすると、fc2−fc1が小さくなるほど、Pが大きくなる。fc2−fc1を一定にすると、fmが大きくなるほど、Pが大きくなる。fmの範囲とfc2−fc1の範囲を決めると、Pの範囲が決まる。Pの下限値Pminは、fmの下限値とfc2−fc1の上限値で決まる。Pの上限値Pmaxは、fmの上限値とfc2−fc1の下限値で決まる。
LTE−Advanced規格において使用される可能性のある周波数帯域は、約0.7GHzから約4GHzの範囲内に多数存在する。また、無線LANの規格であるIEEE802.11a等では、5GHz帯が使用される。これらを考慮すると、分波器1が扱う複数の周波数帯域は、約0.7GHzから約5GHzの範囲内に存在する。
第1および第2のバンドパスフィルタ20,30の通過帯域である第2および第3の通過帯域は、分波器1が扱う複数の周波数帯域のうち、少なくとも最も低い周波数帯域と最も高い周波数帯域とを除いた複数の周波数帯域の中から選択される。そこで、本実施の形態では、fmが取り得る値の最も広い範囲として1.0〜4.0GHzを考える。fmが取り得る値の範囲は、1.4GHz〜2.0GHzであることが好ましく、1.4GHz〜1.6GHzであることがより好ましい。
また、本実施の形態に係る分波器1では、fc1とfc2が近いことが一つの特徴である。本実施の形態では、fc2−fc1の範囲として、0.04GHz〜0.1GHzを考える。
[Pの満たすべき範囲]
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を0.95GHz、fc2を1.05Hzとして、9.99となる。Pmaxは、fc1を3.98GHz、fc2を4.02GHzとして、100となる。このようにして、Pの満たすべき範囲は、9.99以上100以下となる。
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を0.95GHz、fc2を1.05Hzとして、9.99となる。Pmaxは、fc1を3.98GHz、fc2を4.02GHzとして、100となる。このようにして、Pの満たすべき範囲は、9.99以上100以下となる。
[Pの好ましい範囲]
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を1.35GHz、fc2を1.45GHzとして、14となる。Pmaxは、fc1を1.98GHz、fc2を2.02GHzとして、50となる。このようにして、Pの好ましい範囲は、14以上50以下となる。
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を1.35GHz、fc2を1.45GHzとして、14となる。Pmaxは、fc1を1.98GHz、fc2を2.02GHzとして、50となる。このようにして、Pの好ましい範囲は、14以上50以下となる。
[Pのより好ましい範囲]
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を1.35GHz、fc2を1.45GHzとして、14となる。Pmaxは、fc1を1.58GHz、fc2を1.62GHzとして、40となる。このようにして、Pのより好ましい範囲は、14以上40以下となる。
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHzとすると、Pの下限値Pminと上限値Pmaxは、以下のようにして求められる。Pminは、fc1を1.35GHz、fc2を1.45GHzとして、14となる。Pmaxは、fc1を1.58GHz、fc2を1.62GHzとして、40となる。このようにして、Pのより好ましい範囲は、14以上40以下となる。
次に、Q1,Q2の範囲について説明する。fc1,fc2を一定にすると、BW1,BW2が小さくなるほど、Q1,Q2が大きくなる。BW1,BW2を一定にすると、fc1,fc2が大きくなるほど、Q1,Q2が大きくなる。fc1,fc2の範囲とBW1,BW2の範囲を決めると、Q1,Q2の範囲が決まる。Q1の下限値Q1minは、fc1の下限値とBW1の上限値で決まる。Q1の上限値Q1maxは、fc1の上限値とBW1の下限値で決まる。Q2の下限値Q2minは、fc2の下限値とBW2の上限値で決まる。Q2の上限値Q2maxは、fc2の上限値とBW2の下限値で決まる。
BW1,BW2は、第2の通過帯域と第3の通過帯域が重ならないように、fc2−fc1以下であることが必要である。BW1,BW2の下限値を、fc2−fc1の下限値0.04GHzの1/4の0.01GHzとする。BW1,BW2の上限値を、fc2−fc1の上限値0.1GHzと等しい0.1GHzとする。
[Q1の満たすべき範囲]
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を0.95GHz〜3.98GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を0.95GHz、BWを0.1GHzとして、9.5となる。Q1maxは、fc1を3.98GHz、BWを0.01GHzとして、398となる。このようにして、Q1の満たすべき範囲は、9.5以上398以下となる。
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を0.95GHz〜3.98GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を0.95GHz、BWを0.1GHzとして、9.5となる。Q1maxは、fc1を3.98GHz、BWを0.01GHzとして、398となる。このようにして、Q1の満たすべき範囲は、9.5以上398以下となる。
[Q2の満たすべき範囲]
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.02GHz〜4.05GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.02GHz、BW2を0.1GHzとして、10.2となる。Q2maxは、fc2を4.05GHz、BW2を0.01GHzとして、405となる。このようにして、Q2の満たすべき範囲は、10.2以上405以下となる。
fmを1.0GHz〜4.0GHz、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.02GHz〜4.05GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.02GHz、BW2を0.1GHzとして、10.2となる。Q2maxは、fc2を4.05GHz、BW2を0.01GHzとして、405となる。このようにして、Q2の満たすべき範囲は、10.2以上405以下となる。
[Q1の好ましい範囲]
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を1.35GHz〜1.98GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を1.35GHz、BWを0.1GHzとして、13.5となる。Q1maxは、fc1を1.98GHz、BWを0.01GHzとして、198となる。このようにして、Q1の好ましい範囲は、13.5以上198以下となる。
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を1.35GHz〜1.98GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を1.35GHz、BWを0.1GHzとして、13.5となる。Q1maxは、fc1を1.98GHz、BWを0.01GHzとして、198となる。このようにして、Q1の好ましい範囲は、13.5以上198以下となる。
[Q2の好ましい範囲]
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.42GHz〜2.05GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.42GHz、BW2を0.1GHzとして、14.2となる。Q2maxは、fc2を2.05GHz、BW2を0.01GHzとして、205となる。このようにして、Q2の好ましい範囲は、14.2以上205以下となる。
fmを、好ましい範囲である1.4GHz〜2.0GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.42GHz〜2.05GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.42GHz、BW2を0.1GHzとして、14.2となる。Q2maxは、fc2を2.05GHz、BW2を0.01GHzとして、205となる。このようにして、Q2の好ましい範囲は、14.2以上205以下となる。
[Q1のより好ましい範囲]
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を1.35GHz〜1.58GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を1.35GHz、BWを0.1GHzとして、13.5となる。Q1maxは、fc1を1.58GHz、BWを0.01GHzとして、158となる。このようにして、Q1のより好ましい範囲は、13.5以上158以下となる。
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc1を1.35GHz〜1.58GHz、BW1を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q1minと上限値Q1maxは、以下のようにして求められる。Q1minは、fc1を1.35GHz、BWを0.1GHzとして、13.5となる。Q1maxは、fc1を1.58GHz、BWを0.01GHzとして、158となる。このようにして、Q1のより好ましい範囲は、13.5以上158以下となる。
[Q2のより好ましい範囲]
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.42GHz〜1.65GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.42GHz、BW2を0.1GHzとして、14.2となる。Q2maxは、fc2を1.65GHz、BW2を0.01GHzとして、165となる。このようにして、Q2のより好ましい範囲は、14.2以上165以下となる。
fmを、より好ましい範囲である1.4GHz〜1.6GHzとし、fc2−fc1を0.04GHz〜0.1GHz、fc2を1.42GHz〜1.65GHz、BW2を0.01GHz〜0.1GHzとすると、下限値Q2minと上限値Q2maxは、以下のようにして求められる。Q2minは、fc2を1.42GHz、BW2を0.1GHzとして、14.2となる。Q2maxは、fc2を1.65GHz、BW2を0.01GHzとして、165となる。このようにして、Q2のより好ましい範囲は、14.2以上165以下となる。
以上説明したようなQ1,Q2の範囲の要件を満たす第1および第2のバンドパスフィルタ20,30は、弾性波共振器を用いて構成することによって実現することができる。
次に、図5ないし図8を参照して、分波器1における4つのフィルタ10,20,30,40の通過減衰特性の一例について説明する。この通過減衰特性は、シミュレーションによって求めたものである。図5ないし図8において、横軸は周波数、縦軸は減衰量である。
図5は、ローパスフィルタ10の通過減衰特性の一例を示している。図6は、第1および第2のバンドパスフィルタ20,30の通過減衰特性の一例を示している。図6において、符号22を付した曲線は、第1のバンドパスフィルタ20の通過減衰特性を示し、符号32を付した曲線は、第2のバンドパスフィルタ30の通過減衰特性を示している。図7は、図6に示したバンドパスフィルタ20,30の通過減衰特性22,32の一部を拡大して示している。図8は、ハイパスフィルタ40の通過減衰特性の一例を示している。図5ないし図8に示した特性は、図3および図4に示した特性に類似している。
前述のように、本実施の形態によれば、第1の遮断周波数fLを第2の通過帯域に近づけ、第2の遮断周波数fHを第3の通過帯域に近づけながら、4つのフィルタ10,20,30,40が選択的に通過させる4つの信号を分離することが可能になる。また、本実施の形態によれば、第1の遮断周波数fLと第2の遮断周波数fHを互いに近づけることが可能になる。そのため、本実施の形態によれば、ローパスフィルタ10の第1の通過帯域とハイパスフィルタ40の第4の通過帯域を広くすることができる。これにより、本実施の形態によれば、ローパスフィルタ10とハイパスフィルタ40を多くの周波数帯域で利用することが可能になる。これらのことから、本実施の形態によれば、多くの周波数帯域の組み合わせに対応可能な分波器1を実現することが可能になる。本実施の形態に係る分波器1は、CAに対応した移動体通信機器に使用するのに適していると言える。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における4つのフィルタの特性は、実施の形態に示したものに限定されず、特許請求の範囲を満たす限り任意である。
1…分波器、2…共通ポート、3…第1の信号ポート、4…第2の信号ポート、5…第3の信号ポート、6…第4の信号ポート、10…ローパスフィルタ、20…第1のバンドパスフィルタ、30…第2のバンドパスフィルタ、40…ハイパスフィルタ。
Claims (5)
- 共通ポートと、
第1の信号ポートと、
第2の信号ポートと、
第3の信号ポートと、
第4の信号ポートと、
前記共通ポートと前記第1の信号ポートとの間に設けられたローパスフィルタと、
前記共通ポートと前記第2の信号ポートとの間に設けられた第1のバンドパスフィルタと、
前記共通ポートと前記第3の信号ポートとの間に設けられた第2のバンドパスフィルタと、
前記共通ポートと前記第4の信号ポートとの間に設けられたハイパスフィルタとを備え、
前記ローパスフィルタは、第1の遮断周波数以下の第1の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させ、
前記第1のバンドパスフィルタは、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させ、
前記第2のバンドパスフィルタは、前記第2の通過帯域よりも高い第3の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させ、
前記ハイパスフィルタは、前記第3の通過帯域よりも高い第2の遮断周波数以上の第4の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させ、
前記第2の通過帯域の中心周波数をfc1とし、前記第2の通過帯域の帯域幅をBW1とし、前記第3の通過帯域の中心周波数をfc2とし、前記第3の通過帯域の帯域幅をBW2とし、fc1/BW1をQ1とし、fc2/BW2をQ2とし、√(fc1×fc2)をfmとし、fm/(fc2−fc1)をPとしたとき、
Q1は9.5以上398以下であり、
Q2は10.2以上405以下であり、
Pは9.99以上100以下であることを特徴とする分波器。 - fmは1.0〜4.0GHzの範囲内であり、fc2−fc1は0.04〜0.1GHzの範囲内であり、BW1とBW2はそれぞれ0.01〜0.1GHzの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の分波器。
- Q1は13.5以上198以下であり、
Q2は14.2以上205以下であり、
Pは14以上50以下であることを特徴とする請求項1記載の分波器。 - fmは1.4〜2.0GHzの範囲内であり、fc2−fc1は0.04〜0.1GHzの範囲内であり、BW1とBW2はそれぞれ0.01〜0.1GHzの範囲内であることを特徴とする請求項3記載の分波器。
- 前記第1および第2のバンドパスフィルタは、それぞれ弾性波共振器を用いて構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の分波器。
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